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元スレ都城王土「ほう…学園都市か。 なるほどこの俺を迎えるに相応しい」
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>>443
やめたげてよお!
やめたげてよお!
「気にせんでいいぞ。 なに、それしきでは俺の度量などこれっぽっちも現せんだろうが、何せそれ以上の物が見つからなかったのでな」
まったくしょうがないものだ、と言わんばかりに苦笑する金色の男を見て。
上条当麻はまさに感涙にむせんでもおかしくないほどに感動していた。
(見たか…見たか神様仏様! 何が不幸だ! この王様っぽい人がついにこの上条さんに恵みの手を!!!)
そう内心で喜びに震えている上条当麻にかかったのはインデックスの声。
「とうまー!!!」
だが、今そんな事に構ってはいられない。
「ちょっと黙ってらっしゃいインデックスさん! 今上条さんはあまりの感動でもう胸いっぱいなんです!」
しかし、インデックスも負けてはいない。
「何を言ってるのとーま! こっちの準備はもう万端なんだよ!」
「…はい?」
振り返れば、そこには座卓の上に焼肉用のプレートが用意してあった。
「なにをボヤボヤしてるのとーま! こうしている間にも刻一刻とお肉の旨味成分が空気中に散っていってるんだよ! そんなのお肉に対しての冒涜なんだよ!」
今にもお茶碗を箸で叩きそうな様子のインデックス。
そして。座卓の上には普段上条当麻とインデックスが使っているものとは別に。
何故か来客用の茶碗と箸が2つ用意されていた。
まったくしょうがないものだ、と言わんばかりに苦笑する金色の男を見て。
上条当麻はまさに感涙にむせんでもおかしくないほどに感動していた。
(見たか…見たか神様仏様! 何が不幸だ! この王様っぽい人がついにこの上条さんに恵みの手を!!!)
そう内心で喜びに震えている上条当麻にかかったのはインデックスの声。
「とうまー!!!」
だが、今そんな事に構ってはいられない。
「ちょっと黙ってらっしゃいインデックスさん! 今上条さんはあまりの感動でもう胸いっぱいなんです!」
しかし、インデックスも負けてはいない。
「何を言ってるのとーま! こっちの準備はもう万端なんだよ!」
「…はい?」
振り返れば、そこには座卓の上に焼肉用のプレートが用意してあった。
「なにをボヤボヤしてるのとーま! こうしている間にも刻一刻とお肉の旨味成分が空気中に散っていってるんだよ! そんなのお肉に対しての冒涜なんだよ!」
今にもお茶碗を箸で叩きそうな様子のインデックス。
そして。座卓の上には普段上条当麻とインデックスが使っているものとは別に。
何故か来客用の茶碗と箸が2つ用意されていた。
インデックスは食うな。マジで食うな。
お前たまには上条さんに色々譲ったらどうなんだ。
お前たまには上条さんに色々譲ったらどうなんだ。
外の意見など知ったことか
俺が見て面白いと感じた
其れだけで十全だ
俺が見て面白いと感じた
其れだけで十全だ
■学園都市・総合ビル
喉に込み上げてくる吐き気を耐えながら赤毛の少女が[キャリーケース]を引きずって歩いていた。
悪寒で思わず嗚咽をしそうになるが、それでも結標淡希はそれを胃の腑に収める。
もう後には退けないのだ。
結標淡希は耳元で囁かれた“仲間”の願いを叶えなければならない。
あぁ…そういえば“あの男”の名前はなんて言ったっけ?
それすらも思い出せぬほど混迷し、まとまりのない考えのまま結標淡希はただただ亡者のように歩く。
その時だった。
「痛ッ…!?」
激痛と共に“右肩”にワイン抜きが刺さっている。
まるで意味が判らず、呆然とそれを視界に捉えて立ち尽くす結標淡希の身体に次々と激痛が生まれた。
“左脇腹” “右太もも” “右ふくらはぎ”
脳を刺す激痛に耐え切れず、がくりと地に伏せながら結標淡希はようやく事態を把握した。
痛みを訴えてくる全ての箇所に覚えがある。
手加減…という訳でもないが、それでも殺す必要はないと思って。
無力化するためにそれを打ち込んだ記憶がある。
喉に込み上げてくる吐き気を耐えながら赤毛の少女が[キャリーケース]を引きずって歩いていた。
悪寒で思わず嗚咽をしそうになるが、それでも結標淡希はそれを胃の腑に収める。
もう後には退けないのだ。
結標淡希は耳元で囁かれた“仲間”の願いを叶えなければならない。
あぁ…そういえば“あの男”の名前はなんて言ったっけ?
それすらも思い出せぬほど混迷し、まとまりのない考えのまま結標淡希はただただ亡者のように歩く。
その時だった。
「痛ッ…!?」
激痛と共に“右肩”にワイン抜きが刺さっている。
まるで意味が判らず、呆然とそれを視界に捉えて立ち尽くす結標淡希の身体に次々と激痛が生まれた。
“左脇腹” “右太もも” “右ふくらはぎ”
脳を刺す激痛に耐え切れず、がくりと地に伏せながら結標淡希はようやく事態を把握した。
痛みを訴えてくる全ての箇所に覚えがある。
手加減…という訳でもないが、それでも殺す必要はないと思って。
無力化するためにそれを打ち込んだ記憶がある。
>>461
まぁ被害が0だったのはアウレオルス様のおかげだけどな
まぁ被害が0だったのはアウレオルス様のおかげだけどな
突然始まった戦闘を見て悲鳴をあげながら店内にいた客が逃げ出していく。
あっという間に静かになったそのビルの部屋の中心で、結標淡希はたった一人痛みに耐えかねられずに蹲った。
細い肢体を震わせて、痛みに耐えることしかできない結標淡希に静かな声がかかる。
「大丈夫。 急所は外してありますわ。 もっとも貴女が打ち込んだ場所にそのままお返ししただけですけど?」
そこに立つは風紀委員《ジャッジメント》の腕章をその腕につけたツインテールの少女。
追いつかれたのか、と考える間もなく閃光のように真っ白く巨大な痛みが脳を灼いて結標淡希は呻いた。
そんな、赤毛の少女を見て。
まるでその痛みを思い出したかのように身体をさすって。
けれど、これは決して交わらない道なのだ、と決意している白井黒子はあえて優しく丁寧に口を開いた。
「さぁ、これでようやく五分と五分ですの。 何なら全裸になって傷の手当をする時間くらいは差し上げますわよ?」
白井黒子はそう言って上品に微笑んだ。
あっという間に静かになったそのビルの部屋の中心で、結標淡希はたった一人痛みに耐えかねられずに蹲った。
細い肢体を震わせて、痛みに耐えることしかできない結標淡希に静かな声がかかる。
「大丈夫。 急所は外してありますわ。 もっとも貴女が打ち込んだ場所にそのままお返ししただけですけど?」
そこに立つは風紀委員《ジャッジメント》の腕章をその腕につけたツインテールの少女。
追いつかれたのか、と考える間もなく閃光のように真っ白く巨大な痛みが脳を灼いて結標淡希は呻いた。
そんな、赤毛の少女を見て。
まるでその痛みを思い出したかのように身体をさすって。
けれど、これは決して交わらない道なのだ、と決意している白井黒子はあえて優しく丁寧に口を開いた。
「さぁ、これでようやく五分と五分ですの。 何なら全裸になって傷の手当をする時間くらいは差し上げますわよ?」
白井黒子はそう言って上品に微笑んだ。
反応されないからと同じURLを何度も貼ってんじゃあない
あっちへ行け蹴り殺すぞ
あっちへ行け蹴り殺すぞ
無念 Name としあき 10/12/05(日)14:43:12 No.24849183 del
>アーカードが無双するだけの何が面白いってんだ?
あっちで出来が良いと語られてるのでも
アーカードがローマ正教の騎士を皆殺しでござった
アンデルセンが勝手に領域侵犯して部下殺したのを怒ってたのが原作漫画のインテグラだけど
そのSSじゃアーカードの勝手な行動を黙認してんだぜ?
何でこうも蹂躙SSってのがなくならないんだか
http://may.2chan.net/b/res/24843079.htm
>アーカードが無双するだけの何が面白いってんだ?
あっちで出来が良いと語られてるのでも
アーカードがローマ正教の騎士を皆殺しでござった
アンデルセンが勝手に領域侵犯して部下殺したのを怒ってたのが原作漫画のインテグラだけど
そのSSじゃアーカードの勝手な行動を黙認してんだぜ?
何でこうも蹂躙SSってのがなくならないんだか
http://may.2chan.net/b/res/24843079.htm
■とある病院
ムクリと闇の中で一人の少女が起き上がる。
そのままペタペタと裸足の足でリノリウムの床をたたきながら少女は窓から学園都市のまばゆい光を見下ろした。
「急がなければならない、とミサカは己の優先順位を跳ね上げます」
そう言って少女は己の身体を包む簡易な手術衣をストンと脱いだ。
下着も何も付けていないその裸身を隠そうともしない少女からはどこか無機質な印象が漂っている。
少女の名前は検体番号《シリアルナンバー》10032号。
ある[実験]のために“超電磁砲”御坂美琴のDNAマップから製造されたクローンの内の一体である。
通称、御坂妹と呼ばれているその個体は己と同じ条件から形成された“ネットワーク”にアクセスし確認を取りはじめた。
だが、帰ってきた返事はどれもよくないものばかり。
ならばと彼女はふらつく足で歩き出す。
クローゼットから下着を取り、シャツを取り、制服を取り出して着替えだす。
「この時間帯では外出許可はおりないでしょう、とミサカは推測します」
たとえ昼間であろうと絶対安静の患者に外出許可を与える病院など存在しないが、そんなことは御坂妹にとって意味が無いことだ。
ムクリと闇の中で一人の少女が起き上がる。
そのままペタペタと裸足の足でリノリウムの床をたたきながら少女は窓から学園都市のまばゆい光を見下ろした。
「急がなければならない、とミサカは己の優先順位を跳ね上げます」
そう言って少女は己の身体を包む簡易な手術衣をストンと脱いだ。
下着も何も付けていないその裸身を隠そうともしない少女からはどこか無機質な印象が漂っている。
少女の名前は検体番号《シリアルナンバー》10032号。
ある[実験]のために“超電磁砲”御坂美琴のDNAマップから製造されたクローンの内の一体である。
通称、御坂妹と呼ばれているその個体は己と同じ条件から形成された“ネットワーク”にアクセスし確認を取りはじめた。
だが、帰ってきた返事はどれもよくないものばかり。
ならばと彼女はふらつく足で歩き出す。
クローゼットから下着を取り、シャツを取り、制服を取り出して着替えだす。
「この時間帯では外出許可はおりないでしょう、とミサカは推測します」
たとえ昼間であろうと絶対安静の患者に外出許可を与える病院など存在しないが、そんなことは御坂妹にとって意味が無いことだ。
御坂妹…否、“妹達《シスターズ》”の共通認識。
もはやそれは誓いと言ってもいい。
“もう一人たりとも死んでやることは出来ない”
「絶対に[残骸]による[計画]の復元だけは避けなければならない、とミサカは決意を新たにします」
ならば今出来る最善の手を尽くすだけ。
御坂妹は静かに病院の窓から外へと飛び出した。
脳内の“ネットワーク”からは彼女を心配する声、彼女を鼓舞する声、彼女を励ます声が響く。
御坂妹が向かう先は一人の少年。
また迷惑を掛けるのかもしれないけれど。
だが御坂妹にとってこの学園都市で頼れることの出来る人物はその少年しかいないのだ。
きっとこの時間帯ならば自宅に帰っている頃合いだろう。
御坂妹は夜の学園都市を駆け抜けて。
少年…上条当麻の家へ向けてただ走る。
もはやそれは誓いと言ってもいい。
“もう一人たりとも死んでやることは出来ない”
「絶対に[残骸]による[計画]の復元だけは避けなければならない、とミサカは決意を新たにします」
ならば今出来る最善の手を尽くすだけ。
御坂妹は静かに病院の窓から外へと飛び出した。
脳内の“ネットワーク”からは彼女を心配する声、彼女を鼓舞する声、彼女を励ます声が響く。
御坂妹が向かう先は一人の少年。
また迷惑を掛けるのかもしれないけれど。
だが御坂妹にとってこの学園都市で頼れることの出来る人物はその少年しかいないのだ。
きっとこの時間帯ならば自宅に帰っている頃合いだろう。
御坂妹は夜の学園都市を駆け抜けて。
少年…上条当麻の家へ向けてただ走る。
無念 Name としあき 10/12/05(日)15:19:59 No.24853487 del
じゃあVIPSSの感想でも
>都城王土「ほう…学園都市か。 なるほどこの俺を迎えるに相応しい」
VIPのめだかと禁書のクロス
良い点
・台本形式じゃなく地の文がそこそこしっかりしている
悪い点
・一通と王土の戦闘理由が滅茶苦茶
道を歩いてる王土を見付けてとか狂犬通り越してますが
作者は8巻を読んでるはずなのになんでこんな事やったのか
・無害の物でも必要最低限の物しか透過してない一通に何で明らかに異常な電磁波が通るんだ?
・何で王土が殴れry
・風紀委員になるには書類審査と適性試験あったはずだが…
http://may.2chan.net/b/res/24843079.htm
じゃあVIPSSの感想でも
>都城王土「ほう…学園都市か。 なるほどこの俺を迎えるに相応しい」
VIPのめだかと禁書のクロス
良い点
・台本形式じゃなく地の文がそこそこしっかりしている
悪い点
・一通と王土の戦闘理由が滅茶苦茶
道を歩いてる王土を見付けてとか狂犬通り越してますが
作者は8巻を読んでるはずなのになんでこんな事やったのか
・無害の物でも必要最低限の物しか透過してない一通に何で明らかに異常な電磁波が通るんだ?
・何で王土が殴れry
・風紀委員になるには書類審査と適性試験あったはずだが…
http://may.2chan.net/b/res/24843079.htm
アーカードのクロス作品は
・身体能力が何故か全員アーカード以下になる
・吸血殺し系は効かないとか言っちゃう
・ククク・・・私の方が強い。の繰り返し
この辺がな・・・・
・身体能力が何故か全員アーカード以下になる
・吸血殺し系は効かないとか言っちゃう
・ククク・・・私の方が強い。の繰り返し
この辺がな・・・・
ヘルシングを知らない俺にとっちゃぶっちゃけアーカードのクロスSSの話題はどーでもい(ry
>>471
■学園都市・総合ビル
ツインテールの少女、白井黒子と赤毛の少女、結標淡希の戦闘。
それは3次元を飛び越え、相手の11次元演算を先読みし裏をとるという言葉には出来るはずもない戦闘だった。
そして結末はあっけなく訪れた。
白井黒子は倒れ、結標淡希が立っている。
誰が見ても明らかな勝者と敗者の図式である。
業務用の巨大なテーブルが白井黒子の上に幾つも積み重なり、今や白井黒子はピクリとも動けない。
敗因は白井黒子が空間移動をできなくなったことに起因する。
考えてみれば白井黒子は多大な怪我を負ったままでいくつもの空間移動をして、ここに辿りついたのだ。
ならばそれは順当な結果ともいえるだろう。
そして白井黒子も負けたことに関しては悔しいものの頭の隅の冷静な感情では既に敗北を認めていた。
目の前に立つ赤毛の少女、結標淡希の能力は使いようによれば“超電磁砲”ですら倒しうる強力な能力だ。
だがしかし。
けれどやっぱり。
白井黒子は納得がいかない。
戦闘をしながら、結標淡希はこう言い放ったのだ。
『そこまで自分の命を危険に晒す甲斐があるっていうの? “超電磁砲”が思い描く身勝手な未来を守ることに!』
只の罵倒ならばそんなものは気にもとめないはずなのだが。
今でもそれは白井黒子の心に棘のように引っかかっている。
■学園都市・総合ビル
ツインテールの少女、白井黒子と赤毛の少女、結標淡希の戦闘。
それは3次元を飛び越え、相手の11次元演算を先読みし裏をとるという言葉には出来るはずもない戦闘だった。
そして結末はあっけなく訪れた。
白井黒子は倒れ、結標淡希が立っている。
誰が見ても明らかな勝者と敗者の図式である。
業務用の巨大なテーブルが白井黒子の上に幾つも積み重なり、今や白井黒子はピクリとも動けない。
敗因は白井黒子が空間移動をできなくなったことに起因する。
考えてみれば白井黒子は多大な怪我を負ったままでいくつもの空間移動をして、ここに辿りついたのだ。
ならばそれは順当な結果ともいえるだろう。
そして白井黒子も負けたことに関しては悔しいものの頭の隅の冷静な感情では既に敗北を認めていた。
目の前に立つ赤毛の少女、結標淡希の能力は使いようによれば“超電磁砲”ですら倒しうる強力な能力だ。
だがしかし。
けれどやっぱり。
白井黒子は納得がいかない。
戦闘をしながら、結標淡希はこう言い放ったのだ。
『そこまで自分の命を危険に晒す甲斐があるっていうの? “超電磁砲”が思い描く身勝手な未来を守ることに!』
只の罵倒ならばそんなものは気にもとめないはずなのだが。
今でもそれは白井黒子の心に棘のように引っかかっている。
それにまだ一縷の望みは消えていはいない。
ここで戦闘を開始してまだ10分とたってはいないが、それでも人目には充分すぎるほどついているだろう。
ならばいずれ気付くはずだ。
お姉様が。
学園都市最強の電撃使いである“御坂美琴”が気付いてくれるはずなのだ。
だから白井黒子は口を開く。
たとえ敗者の負け惜しみに聞こえようとも構うものか。
「ひとつ伺いたいんですけど…貴女がこの計画の首謀者ってことでいいんですの?」
それを聞いた結標淡希はキョトンと目を丸くして、それから大きく笑い飛ばした。
「あははは! 何を言うかと思えば! そうよ、私がこの計画の首謀者。 私が計画してこの学園都市に潜り込んでこの計画を始めたの!」
そう言ってこちらを見下すようにして笑う結標淡希を見て、白井黒子は確信を得た。
「…嘘ですわね。 というよりかは… 貴女。 自分が計画の首謀者だと“思い込まされてる”だけなのじゃないですこと?」
それを聞いて。
急に覚めたような目付きで結標淡希が地に倒れ伏したままの白井黒子を見下した。
「…へぇ。 なかなか面白いことを言うわね。 いいわ、傷の手当をする時間までなら聞いてあげる」
そう言いながら結標淡希は軍用の懐中電灯を振りかざした。
金属が硬い床に落ちて硬質な響きをあげる。
それは結標淡希の身体に食い込んでいたコルク抜きや鉄矢といった武器だった。
ここで戦闘を開始してまだ10分とたってはいないが、それでも人目には充分すぎるほどついているだろう。
ならばいずれ気付くはずだ。
お姉様が。
学園都市最強の電撃使いである“御坂美琴”が気付いてくれるはずなのだ。
だから白井黒子は口を開く。
たとえ敗者の負け惜しみに聞こえようとも構うものか。
「ひとつ伺いたいんですけど…貴女がこの計画の首謀者ってことでいいんですの?」
それを聞いた結標淡希はキョトンと目を丸くして、それから大きく笑い飛ばした。
「あははは! 何を言うかと思えば! そうよ、私がこの計画の首謀者。 私が計画してこの学園都市に潜り込んでこの計画を始めたの!」
そう言ってこちらを見下すようにして笑う結標淡希を見て、白井黒子は確信を得た。
「…嘘ですわね。 というよりかは… 貴女。 自分が計画の首謀者だと“思い込まされてる”だけなのじゃないですこと?」
それを聞いて。
急に覚めたような目付きで結標淡希が地に倒れ伏したままの白井黒子を見下した。
「…へぇ。 なかなか面白いことを言うわね。 いいわ、傷の手当をする時間までなら聞いてあげる」
そう言いながら結標淡希は軍用の懐中電灯を振りかざした。
金属が硬い床に落ちて硬質な響きをあげる。
それは結標淡希の身体に食い込んでいたコルク抜きや鉄矢といった武器だった。
ビリとブレザーの袖を破いて太ももに巻きつけながら結標淡希が視線で白井黒子の言葉の先を促した。
「…確かに。 貴女がいなければこの計画は成り立たなかったでしょう。 ですけど、だからといって貴女が[残骸]をその手にしてどうするつもりですの?」
下着が見えるのも構わずに太ももの治療を終えた結標淡希が当然といったふうで答える。
「決まっているじゃない。 私達[組織]は[残骸]を外部に引き渡すためにここにいるのよ?」
そう言いながら両の袖を破いてノースリーブとなった制服の上着を見て結標淡希は僅かに眉をひそめる。
もはや包帯変わりとなるような布地はない。
仕方がなく今度はただでさえ短いスカートを破き包帯の代わりにすることにした。
「あら、そうでしたわね。 私としたことが。 それで貴女は知っているんですの? その[残骸]がもたらす結果を」
「…結果? そうね、いいことを教えてあげるわ白井さん。 [残骸]があれば“私達”は“チカラ”を持たなくてもいいのよ」
無知な子供を笑うようにそう言った結標淡希の手が止まる。
包帯代わりのスカートも、もはや下着が見えるか見えないかのギリギリまで使ってしまった。
しかし、まだ出血を続けている傷口が残っている。
「…確かに。 貴女がいなければこの計画は成り立たなかったでしょう。 ですけど、だからといって貴女が[残骸]をその手にしてどうするつもりですの?」
下着が見えるのも構わずに太ももの治療を終えた結標淡希が当然といったふうで答える。
「決まっているじゃない。 私達[組織]は[残骸]を外部に引き渡すためにここにいるのよ?」
そう言いながら両の袖を破いてノースリーブとなった制服の上着を見て結標淡希は僅かに眉をひそめる。
もはや包帯変わりとなるような布地はない。
仕方がなく今度はただでさえ短いスカートを破き包帯の代わりにすることにした。
「あら、そうでしたわね。 私としたことが。 それで貴女は知っているんですの? その[残骸]がもたらす結果を」
「…結果? そうね、いいことを教えてあげるわ白井さん。 [残骸]があれば“私達”は“チカラ”を持たなくてもいいのよ」
無知な子供を笑うようにそう言った結標淡希の手が止まる。
包帯代わりのスカートも、もはや下着が見えるか見えないかのギリギリまで使ってしまった。
しかし、まだ出血を続けている傷口が残っている。
すこし考えてから、結標淡希は自らの胸を巻いているピンク色のさらしのような布をほどきだした。
同性ならば、別に見られても構わないというのだろう。
店内の蛍光灯に結標淡希の何もまとっていない上半身が露になるが、それも気にせずピンク色の布を最後の包帯替わりとした。
未発達とまではいかないが、それでもまだあどけないその胸をさらしながら結標淡希は治療を続ける。
それを見ていた白井黒子は内心で舌打ちをする。
想像していたよりも治療が早いのだ。
このままでは結標淡希が行ってしまう。
そう考えた白井黒子はイチかバチか彼女が抱えているであろう地雷を踏んでみることにした。
「研究者でも科学者でもない貴女になぜそんな事がお判りになるんですの? ねぇ…結標淡希さん?
貴女、ただその[組織]とやらに言い様に“使われているだけ”じゃないんですの?」
それは確かに。
白井黒子の予想道理。
結標淡希の“地雷”だった。
同性ならば、別に見られても構わないというのだろう。
店内の蛍光灯に結標淡希の何もまとっていない上半身が露になるが、それも気にせずピンク色の布を最後の包帯替わりとした。
未発達とまではいかないが、それでもまだあどけないその胸をさらしながら結標淡希は治療を続ける。
それを見ていた白井黒子は内心で舌打ちをする。
想像していたよりも治療が早いのだ。
このままでは結標淡希が行ってしまう。
そう考えた白井黒子はイチかバチか彼女が抱えているであろう地雷を踏んでみることにした。
「研究者でも科学者でもない貴女になぜそんな事がお判りになるんですの? ねぇ…結標淡希さん?
貴女、ただその[組織]とやらに言い様に“使われているだけ”じゃないんですの?」
それは確かに。
白井黒子の予想道理。
結標淡希の“地雷”だった。
■???
バゴン!と音を立てて破城槌にも似た現代的な兵器が分厚い金属の扉を吹き飛ばした。
「全員動くな! 警備員《アンチスキル》じゃん!!」
凛々しいその叫び声と共に武装した防護服に身を包んだ武装集団が突撃銃を構えて部屋の中に雪崩れ込む。
だが。
「せ、先輩…どうしましょう?」
メガネを駆けた女性の警備員が上司である長身の女性に振り返る。
そこはもはやもぬけの殻だった。
慌てて逃げ出したのだろう。
ありとあらゆる機材、データもそのままに、ただ人だけがいなかった。
「チッ…一足遅かったじゃん!」
そう言って悔しそうに歯噛みをする長身の警備員。
「先輩! これって!」
そう言った部屋の隅を指さしたメガネをかけた警備員、鉄装綴里は公私共に頼りになる熟練の先輩の意見を仰ぐ。
鉄装綴里の指の先にはこの場にそぐわない華やかな外装やネオンが詰まった段ボール。
それを見た長身の警備員は苦虫を噛み潰す。
「あぁ。 大覇星祭の下準備やらに紛れ込んで逃げ出したってことじゃん…」
バゴン!と音を立てて破城槌にも似た現代的な兵器が分厚い金属の扉を吹き飛ばした。
「全員動くな! 警備員《アンチスキル》じゃん!!」
凛々しいその叫び声と共に武装した防護服に身を包んだ武装集団が突撃銃を構えて部屋の中に雪崩れ込む。
だが。
「せ、先輩…どうしましょう?」
メガネを駆けた女性の警備員が上司である長身の女性に振り返る。
そこはもはやもぬけの殻だった。
慌てて逃げ出したのだろう。
ありとあらゆる機材、データもそのままに、ただ人だけがいなかった。
「チッ…一足遅かったじゃん!」
そう言って悔しそうに歯噛みをする長身の警備員。
「先輩! これって!」
そう言った部屋の隅を指さしたメガネをかけた警備員、鉄装綴里は公私共に頼りになる熟練の先輩の意見を仰ぐ。
鉄装綴里の指の先にはこの場にそぐわない華やかな外装やネオンが詰まった段ボール。
それを見た長身の警備員は苦虫を噛み潰す。
「あぁ。 大覇星祭の下準備やらに紛れ込んで逃げ出したってことじゃん…」
大覇星祭。
それは間もなく行われる超大規模な体育祭の名称である、
学園都市の総力をあげて行われるその一大イベントは、しかしその規模故に外部からのチェックがどうしても甘くなってしまう。
そのためどうしてもこの機を狙った組織やら犯罪者やらが潜り込んでしまうのだ。
「恥も外聞もなく逃げ出すだなんて…大人の風上にも置けないじゃん…」
耐え切れないように長身の女性は悔しそうに呟いた。
その時、別の警備員から報告が届く。
「…連中の目的が見つかった? それ嘘じゃないじゃん?」
そう言いながら簡易モニターに向かう長身の警備員。
モニターに解析されパスワードを解除されたテキストファイルが浮かび上がる。
それを読んでいくうちに警備員、黄泉川愛穂の顔が怒りで歪んでいく。
そして。
黄泉川愛穂は怒りを耐え切れず地面に向かってこう吐き捨てた。
「何も知らない子供たちを手懐けて、たぶらかせて。 絶対に許せないじゃん…」
それは間もなく行われる超大規模な体育祭の名称である、
学園都市の総力をあげて行われるその一大イベントは、しかしその規模故に外部からのチェックがどうしても甘くなってしまう。
そのためどうしてもこの機を狙った組織やら犯罪者やらが潜り込んでしまうのだ。
「恥も外聞もなく逃げ出すだなんて…大人の風上にも置けないじゃん…」
耐え切れないように長身の女性は悔しそうに呟いた。
その時、別の警備員から報告が届く。
「…連中の目的が見つかった? それ嘘じゃないじゃん?」
そう言いながら簡易モニターに向かう長身の警備員。
モニターに解析されパスワードを解除されたテキストファイルが浮かび上がる。
それを読んでいくうちに警備員、黄泉川愛穂の顔が怒りで歪んでいく。
そして。
黄泉川愛穂は怒りを耐え切れず地面に向かってこう吐き捨てた。
「何も知らない子供たちを手懐けて、たぶらかせて。 絶対に許せないじゃん…」
■とあるマンション
ジュウジュウと音を立てる鉄板の上では最高級の松坂牛が香しい匂いを立てていた。
そのテーブルを囲むのは上条当麻、インデックスという住人に加え、都城王土と行橋未造がいた。
「ねっとーま!? もう食べてもだいじょーぶ?」
「まだダメです! 生焼けなんてレベルじゃねーぞ!」
飢えた獣のようにギラギラとした目で今にも箸を突っ込みかねないインデックスを必死になって牽制する上条当麻。
フッと遠い視線で宙空を見つめながらボンヤリと呟いた(勿論スキあらば箸を突っ込もうとするインデックスに目を光らせながら)。
「こ、幸福だ… 誰だよ俺のことを日常的に不幸だの不幸フィーバー大連荘中だの空前絶後の大不幸者だの言っていたやつは!」
出てこいよ!とでも言いたげに上条当麻がテーブルの上を見る。
目の前にデン!と鎮座するは特撰和牛が3キログラムだ。
モヤシご飯、モヤシライス、モヤシピラフ、モヤシ炒飯、モヤシパエリヤといった想像するだに青白くなる不幸な一週間とは今日でおさらばである。
都城王土と名乗った金髪の男は何故か当然のように上座に座ってアグラをかき。
さらには何故かその膝の上にちょこんと行橋未造と名乗った少年だか少女だかわからない子供が乗っかっていたが。
んな細かいこたぁ上条当麻にとってどうでもいいのだ。
そんな上条当麻に可愛らしくも慈悲の溢れた声がかかる。
「ね、とうま? 神は言いました。 例え生焼けでも構いません、それを私に食べさせなさい。と」
ファァァといった感じで背景に聖母像を浮かべるインデックスだが、それはいつもの手であって上条当麻はダマされない。
ジュウジュウと音を立てる鉄板の上では最高級の松坂牛が香しい匂いを立てていた。
そのテーブルを囲むのは上条当麻、インデックスという住人に加え、都城王土と行橋未造がいた。
「ねっとーま!? もう食べてもだいじょーぶ?」
「まだダメです! 生焼けなんてレベルじゃねーぞ!」
飢えた獣のようにギラギラとした目で今にも箸を突っ込みかねないインデックスを必死になって牽制する上条当麻。
フッと遠い視線で宙空を見つめながらボンヤリと呟いた(勿論スキあらば箸を突っ込もうとするインデックスに目を光らせながら)。
「こ、幸福だ… 誰だよ俺のことを日常的に不幸だの不幸フィーバー大連荘中だの空前絶後の大不幸者だの言っていたやつは!」
出てこいよ!とでも言いたげに上条当麻がテーブルの上を見る。
目の前にデン!と鎮座するは特撰和牛が3キログラムだ。
モヤシご飯、モヤシライス、モヤシピラフ、モヤシ炒飯、モヤシパエリヤといった想像するだに青白くなる不幸な一週間とは今日でおさらばである。
都城王土と名乗った金髪の男は何故か当然のように上座に座ってアグラをかき。
さらには何故かその膝の上にちょこんと行橋未造と名乗った少年だか少女だかわからない子供が乗っかっていたが。
んな細かいこたぁ上条当麻にとってどうでもいいのだ。
そんな上条当麻に可愛らしくも慈悲の溢れた声がかかる。
「ね、とうま? 神は言いました。 例え生焼けでも構いません、それを私に食べさせなさい。と」
ファァァといった感じで背景に聖母像を浮かべるインデックスだが、それはいつもの手であって上条当麻はダマされない。
「ハハハ何をおっしゃるインデックスさん。 こういったお肉はしっかりきっちり焼くのが一番美味しいんですよ」
初対面に近い人間の前なんだから少しは猫をかぶってくれよインデックス!と心のなかで願いながら、まぁまぁと手でなだめる上条当麻を見て。
都城王土が面白そうに笑った。
「ほぅ。 上条…とかいったか。 どうやらおまえも随分と女に振り回されて苦労しているようだな?」
都城王土と名乗ったその男は確か長点上機学園の三年生だと言っていた。
幾ら見知らぬとはいえ上条当麻は先輩に対してタメ口を使うほど愚かではない。
ましてやこの金髪は上条家の日々を豪勢にしてくれたのだ。
「いやもうホント苦労っていうか何ていうか… って、都城先輩も女に苦労してるんですかぁ?」
敬語というわけでもないが、それでも慣れない言葉遣いでそう聞き返す上条当麻。
目前の堂々とした傲慢不遜な都城王土が女で苦労してるなど考えもできないが。
「えへへ! 王土はね、フラれちゃったんだよ☆」
それに答えたのは都城王土の膝の上にすっぽりとはまった行橋未造だった。
いやいやあなたのその距離感こそ友達って感じじゃないですけども、と突っ込みたくなったが、そこは上条当麻はグッと我慢する。
「…へぇ~ そうは見えないけど… 苦労してるんすねぇ…」
とはいえ、不幸自慢なら上条当麻は一家言もっているほどだ。
基本的に朝夕は自堕落シスター、昼はビリビリ、学校ではおせっかいな同級生といったローテーションで噛み付きやらビンタやら電撃やらは日常茶飯事である。
だからこそ都城王土がフム、と言いながら思い出らしきものを語りだしたのを聞いて上条当麻は目を丸くした。
「うむ。 さすがの俺も大変だったぞ。 何せお付きの者に高度数百メートルはある時計台の上から蹴落されるわ」
「…ハイ?」
初対面に近い人間の前なんだから少しは猫をかぶってくれよインデックス!と心のなかで願いながら、まぁまぁと手でなだめる上条当麻を見て。
都城王土が面白そうに笑った。
「ほぅ。 上条…とかいったか。 どうやらおまえも随分と女に振り回されて苦労しているようだな?」
都城王土と名乗ったその男は確か長点上機学園の三年生だと言っていた。
幾ら見知らぬとはいえ上条当麻は先輩に対してタメ口を使うほど愚かではない。
ましてやこの金髪は上条家の日々を豪勢にしてくれたのだ。
「いやもうホント苦労っていうか何ていうか… って、都城先輩も女に苦労してるんですかぁ?」
敬語というわけでもないが、それでも慣れない言葉遣いでそう聞き返す上条当麻。
目前の堂々とした傲慢不遜な都城王土が女で苦労してるなど考えもできないが。
「えへへ! 王土はね、フラれちゃったんだよ☆」
それに答えたのは都城王土の膝の上にすっぽりとはまった行橋未造だった。
いやいやあなたのその距離感こそ友達って感じじゃないですけども、と突っ込みたくなったが、そこは上条当麻はグッと我慢する。
「…へぇ~ そうは見えないけど… 苦労してるんすねぇ…」
とはいえ、不幸自慢なら上条当麻は一家言もっているほどだ。
基本的に朝夕は自堕落シスター、昼はビリビリ、学校ではおせっかいな同級生といったローテーションで噛み付きやらビンタやら電撃やらは日常茶飯事である。
だからこそ都城王土がフム、と言いながら思い出らしきものを語りだしたのを聞いて上条当麻は目を丸くした。
「うむ。 さすがの俺も大変だったぞ。 何せお付きの者に高度数百メートルはある時計台の上から蹴落されるわ」
「…ハイ?」
笑いながらそう言った都城王土の言葉を聞いて、上条当麻は思わず聞き返してまう。
しかし、都城王土の口は止まらない。
「求婚は破棄されるわ、内臓は破裂させられるわ、13万1313台のスーパーコンピュータは壊されるわ…いやはやまったく大変だった」
なぁ行橋?と言いながら膝の上に収まっている行橋未造が頷くのを見て満足そうに笑う都城王土。
「えーっと… 冗談…ですよね?」
そう言われ、少し気分を害したように都城王土が反論した。
「む? おかしなことを言うな。 この俺が冗談を言ったのならば今頃おまえは笑い死にしてるだろうが」
何だかおかしなことをそう説明する都城王土の顔入りはひどく真面目。
「……そ、そりゃもう何といえばいいのやら」
悪い人間ではないようだがどうにも調子が狂って仕方がない。
何だかこっちの返事を待ってるようだけどなんて言えばいいんだろうか?と上条当麻が悩みだした時だった。
しかし、都城王土の口は止まらない。
「求婚は破棄されるわ、内臓は破裂させられるわ、13万1313台のスーパーコンピュータは壊されるわ…いやはやまったく大変だった」
なぁ行橋?と言いながら膝の上に収まっている行橋未造が頷くのを見て満足そうに笑う都城王土。
「えーっと… 冗談…ですよね?」
そう言われ、少し気分を害したように都城王土が反論した。
「む? おかしなことを言うな。 この俺が冗談を言ったのならば今頃おまえは笑い死にしてるだろうが」
何だかおかしなことをそう説明する都城王土の顔入りはひどく真面目。
「……そ、そりゃもう何といえばいいのやら」
悪い人間ではないようだがどうにも調子が狂って仕方がない。
何だかこっちの返事を待ってるようだけどなんて言えばいいんだろうか?と上条当麻が悩みだした時だった。
「えへへ! ね? もういいんじゃない? とっても美味しそうだよ☆」
“まるで”上条当麻のピンチを救うようにタイミングよく、そう行橋未造が鉄板上の状況を教えてくれたのだ。
「あ、ヤベッ! 忘れるとこだった!!」
お腹と背中がくっつきそうなこの状況で焼肉なんてシチュエーションを忘れるはずはないのに、何故か都城王土と相対するとそんな事も気にならなくなってしまう。
でもまぁいいか、と思いながら上条当麻がパンと両手合わせた。
それを見て、インデックスが都城王土が行橋未造も両手を合わせる。
全員が手を合わせたのを見て、上条当麻が声を張り上げた。
「ではでは!」
夢にも思わなかった最高級の和牛を使った焼肉が待っている。
ジュウジュウと牛脂が溶けて、得も言われぬ美味しそうな匂いを前にして。
上条当麻は神様仏様王様に感謝の念を込めて。
「いただきます!」
「いただきますなんだよ!!」
「どれ、俺が満足できる程のものかな」
「いただきまーす☆」
各々そう食前の挨拶を唱和した。
…だが。
残念なことに。
焼肉に箸を伸ばそうとした上条当麻は目の前で手招きをしているようなその肉を口にすることはなかったのだ。
“まるで”上条当麻のピンチを救うようにタイミングよく、そう行橋未造が鉄板上の状況を教えてくれたのだ。
「あ、ヤベッ! 忘れるとこだった!!」
お腹と背中がくっつきそうなこの状況で焼肉なんてシチュエーションを忘れるはずはないのに、何故か都城王土と相対するとそんな事も気にならなくなってしまう。
でもまぁいいか、と思いながら上条当麻がパンと両手合わせた。
それを見て、インデックスが都城王土が行橋未造も両手を合わせる。
全員が手を合わせたのを見て、上条当麻が声を張り上げた。
「ではでは!」
夢にも思わなかった最高級の和牛を使った焼肉が待っている。
ジュウジュウと牛脂が溶けて、得も言われぬ美味しそうな匂いを前にして。
上条当麻は神様仏様王様に感謝の念を込めて。
「いただきます!」
「いただきますなんだよ!!」
「どれ、俺が満足できる程のものかな」
「いただきまーす☆」
各々そう食前の挨拶を唱和した。
…だが。
残念なことに。
焼肉に箸を伸ばそうとした上条当麻は目の前で手招きをしているようなその肉を口にすることはなかったのだ。
焼肉用のプレートの電源だか火だか切り忘れ
帰ってきた頃にはプレートのうえの肉が炭になり、残りの肉も猫に食われていたりして。
帰ってきた頃にはプレートのうえの肉が炭になり、残りの肉も猫に食われていたりして。
>>496
まさかの家全焼
まさかの家全焼
■とあるマンション・上条当麻の部屋の前。
頭を万力で締め付けられるような頭痛。
ゼイゼイと荒れる息を整えようとするも、心臓や肺や横隔膜がそれを拒否する。
(“あの少年”の前であまり不様な姿は見せたくありません、とミサカはゆっくりと息を整えます)
学生寮として使われているマンションのある一室の前に御坂妹は立っていた。
そう、御坂妹は病院から抜けだしてただひたすら走った。
学園都市の網目のような経路から最短ルートを選びここまで全力で走りぬいてきたのだ。
本来ならばこの程度の距離、苦も無く辿りつける筈。
だが、絶対安静の筈である御坂妹の体調でここまで走れただけでも凄いというべきであろう。
わずかに息が収まったのを確認して御坂妹がドアノブに手をかける。
ドアには“何故か”鍵がかかっていなかった。
よくある話だ。
“来客”が“ドアの鍵”を掛け忘れることなどそこらじゅうに転がっている。
しかし、今の御坂妹にとってそんなことは知る由もなく、また知っていたところで戸惑いはしなかっただろう。
ガチャリとノブを捻り、一気にドアを開け放つ。
部屋の中からあふれてきたのは食欲を誘う匂い。
そしてそこには箸を持ったまま固まった上条当麻がいた。
頭を万力で締め付けられるような頭痛。
ゼイゼイと荒れる息を整えようとするも、心臓や肺や横隔膜がそれを拒否する。
(“あの少年”の前であまり不様な姿は見せたくありません、とミサカはゆっくりと息を整えます)
学生寮として使われているマンションのある一室の前に御坂妹は立っていた。
そう、御坂妹は病院から抜けだしてただひたすら走った。
学園都市の網目のような経路から最短ルートを選びここまで全力で走りぬいてきたのだ。
本来ならばこの程度の距離、苦も無く辿りつける筈。
だが、絶対安静の筈である御坂妹の体調でここまで走れただけでも凄いというべきであろう。
わずかに息が収まったのを確認して御坂妹がドアノブに手をかける。
ドアには“何故か”鍵がかかっていなかった。
よくある話だ。
“来客”が“ドアの鍵”を掛け忘れることなどそこらじゅうに転がっている。
しかし、今の御坂妹にとってそんなことは知る由もなく、また知っていたところで戸惑いはしなかっただろう。
ガチャリとノブを捻り、一気にドアを開け放つ。
部屋の中からあふれてきたのは食欲を誘う匂い。
そしてそこには箸を持ったまま固まった上条当麻がいた。
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