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元スレ都城王土「ほう…学園都市か。 なるほどこの俺を迎えるに相応しい」
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ちょうど食事の時間でしたか、と思いながらも御坂妹は目を走らせる。
上条当麻の隣にはインデックスと呼ばれている少女がいた。
そして、部屋の真ん中には見たことのない人間が二人いた。
突然の乱入だというのに、まるでこちらに興味を示そうともしない尊大な態度の男と、膝の上に収まっている小さな子供。
少しばかり、彼等と上条当麻の関係性が気になったが、今そんなことを聞く猶予など無い。
何といえばいいのかと考えて、御坂妹は決めた。
思考を放棄し、ただ思いをそのまま上条当麻に向かって告げたのだ。
「ミサカと、ミサカの妹達の生命を助けて下さい、とミサカはあなたにむかって頭を下げます」
それを聞いて上条当麻は怪訝そうな顔をしつつも立ち上がる。
そして。
何故か金髪の男の膝の上にチョコンと座っていた子供が御坂妹の言葉に反応した。
上条当麻の隣にはインデックスと呼ばれている少女がいた。
そして、部屋の真ん中には見たことのない人間が二人いた。
突然の乱入だというのに、まるでこちらに興味を示そうともしない尊大な態度の男と、膝の上に収まっている小さな子供。
少しばかり、彼等と上条当麻の関係性が気になったが、今そんなことを聞く猶予など無い。
何といえばいいのかと考えて、御坂妹は決めた。
思考を放棄し、ただ思いをそのまま上条当麻に向かって告げたのだ。
「ミサカと、ミサカの妹達の生命を助けて下さい、とミサカはあなたにむかって頭を下げます」
それを聞いて上条当麻は怪訝そうな顔をしつつも立ち上がる。
そして。
何故か金髪の男の膝の上にチョコンと座っていた子供が御坂妹の言葉に反応した。
突然の来訪者が持ってきた知らせが歓迎される類のものではないというのはその表情を見れば判る。
だがそれでもインデックスは彼女を突き返したりはしない。
今は効力がないとはいえ、こう見えても“歩く教会”をその身につけているシスターなのだ。
そして。この少年はそこに困っている人がいれば何があっても助けに行くのだ。
ならば、彼の思いを後押ししよう。
そう決めてインデックスは口を開いた。
「…止めても無駄なんだよね? 私は邪魔かもしれないし… 一緒に行きたいけどここでとーまの帰りを待つことにするんだよ…」
美しく優しく微笑むインデックスのその言葉を聞いて。
「悪い…インデックス…」
ただ謝ることしか出来ない上条当麻が返事をする。
…この際、インデックスの箸がホカホカと湯気を立てる焼き立ての松坂牛肉をまとめて束ねているのは見なかったことにしよう。
上条当麻は立ち上がり、ただ一言。
その顔にとてもかっこいい笑顔を浮かべて
「…信じてるからな? インデックス?」
それだけ言い残して上条当麻は駈け出した。
だがそれでもインデックスは彼女を突き返したりはしない。
今は効力がないとはいえ、こう見えても“歩く教会”をその身につけているシスターなのだ。
そして。この少年はそこに困っている人がいれば何があっても助けに行くのだ。
ならば、彼の思いを後押ししよう。
そう決めてインデックスは口を開いた。
「…止めても無駄なんだよね? 私は邪魔かもしれないし… 一緒に行きたいけどここでとーまの帰りを待つことにするんだよ…」
美しく優しく微笑むインデックスのその言葉を聞いて。
「悪い…インデックス…」
ただ謝ることしか出来ない上条当麻が返事をする。
…この際、インデックスの箸がホカホカと湯気を立てる焼き立ての松坂牛肉をまとめて束ねているのは見なかったことにしよう。
上条当麻は立ち上がり、ただ一言。
その顔にとてもかっこいい笑顔を浮かべて
「…信じてるからな? インデックス?」
それだけ言い残して上条当麻は駈け出した。
そういや行橋って変身能力あったよな
あれどういう原理なんだろう
あれどういう原理なんだろう
明らかに骨格レベルで変化してたけど
普通のスキルだと言ってたっけ
普通のスキルだと言ってたっけ
そういえば単行本六巻だか七巻だかに行橋と嘔吐さんが一緒に温泉入ってる絵がなかったようなあったような
ゴクリ
ゴクリ
プラスシックスの見せ場と能力解説はいつになるんだ。
ギリギリ説明つきそうなのは素手で鉄球溶かした人くらいじゃね。江迎ちゃんの能力の親戚みたいな。
髪伸ばした人もまあいいか。毛髪にまで神経通ってて運動可能・成長自在ってくらいじゃもう驚かないよ。
腕貫通された人はどうだ、身体の細胞が元からグズグズなのかね。
弾丸食った人はなんだろうな。解らんわ。
まあ今からどんなビックリでも大嘘憑きには及ばなそうだ。あれもう出る漫画間違えてるよ。
今更どんな理屈で説明されても無理だろう。因果律に干渉とかなんなんだよ。
ギリギリ説明つきそうなのは素手で鉄球溶かした人くらいじゃね。江迎ちゃんの能力の親戚みたいな。
髪伸ばした人もまあいいか。毛髪にまで神経通ってて運動可能・成長自在ってくらいじゃもう驚かないよ。
腕貫通された人はどうだ、身体の細胞が元からグズグズなのかね。
弾丸食った人はなんだろうな。解らんわ。
まあ今からどんなビックリでも大嘘憑きには及ばなそうだ。あれもう出る漫画間違えてるよ。
今更どんな理屈で説明されても無理だろう。因果律に干渉とかなんなんだよ。
>>510
ボス格っぽい二人(名前忘れた)なんて能力すら出せずに・・・
ボス格っぽい二人(名前忘れた)なんて能力すら出せずに・・・
プラスシックスの活躍を待つのはきっと虚刀流と日本最強の剣士との対決を見たいって言うようなもの
>>514
鑢七実と錆黒鍵の戦いもホニャララ
鑢七実と錆黒鍵の戦いもホニャララ
王土くんが一方通行に勝つには
事前にMNWの一人から徴税しておいて実際に殴る一回の演算だけをウイルス送り込んで邪魔するか
そもそもMNWも電磁波を介して繋がってる設定だから
常に王土くんが放出してる電磁波とMNWの電磁波が相殺して演算がきちんと一方通行まで伝わらない
という事にするかくらいかな
一方通行・未元物質・電磁砲以外は王の言葉でなんとかなるだろ
事前にMNWの一人から徴税しておいて実際に殴る一回の演算だけをウイルス送り込んで邪魔するか
そもそもMNWも電磁波を介して繋がってる設定だから
常に王土くんが放出してる電磁波とMNWの電磁波が相殺して演算がきちんと一方通行まで伝わらない
という事にするかくらいかな
一方通行・未元物質・電磁砲以外は王の言葉でなんとかなるだろ
>>502
■学園都市・総合ビル
【貴女、ただその[組織]とやらに言い様に“使われているだけ”じゃないんですの?】
その白井黒子の言葉を聞いて、ピシリと音を立てて結標淡希の仮面にヒビが走る。
「…あは、あははは! 随分とまぁ想像力がたくましいのね! たったあれっぽっちの話でよくもそんな妄想ができるものだわ!」
そう言って笑おうとする結標淡希だが、明らかに印象が違っていた。
先程までの彼女ではなく、まるで中身が空っぽの操り人形のような顔をして笑みを作っている。
そんな結標淡希を見て。
やはりそうでしたのね、と心の中で呟きながらも白井黒子は結標淡希の仮面に切れ込みをいれる。
「妄想なら手慣れたものですけども… けれどこれはまず間違い無いですわよ」
白井黒子にそう言われ。
結標淡希は言葉を荒くする。
「…なにが! ねぇなにがよ? 私が言ったことは全て事実! どれ一つとして間違ってはいないわ!!」
白井黒子は望んでいないとでも言いたげに顔を歪め、しかし言葉のナイフを握った手は無慈悲に結標淡希の心を切り開く。
「…先程。 言ってましたわよね? [残骸]があれば“チカラ”を持たなくてもすむ…と」
「ッ! そうよ! その通り! [残骸]があればこの忌まわしい“チカラ”と別れることが出来るの! そう、出来るのよ!!」
まるで自らに言い聞かせるように繰り返す結標淡希に白井黒子が淡々と言葉を投げた。
「……“どうやって”…ですの?」
■学園都市・総合ビル
【貴女、ただその[組織]とやらに言い様に“使われているだけ”じゃないんですの?】
その白井黒子の言葉を聞いて、ピシリと音を立てて結標淡希の仮面にヒビが走る。
「…あは、あははは! 随分とまぁ想像力がたくましいのね! たったあれっぽっちの話でよくもそんな妄想ができるものだわ!」
そう言って笑おうとする結標淡希だが、明らかに印象が違っていた。
先程までの彼女ではなく、まるで中身が空っぽの操り人形のような顔をして笑みを作っている。
そんな結標淡希を見て。
やはりそうでしたのね、と心の中で呟きながらも白井黒子は結標淡希の仮面に切れ込みをいれる。
「妄想なら手慣れたものですけども… けれどこれはまず間違い無いですわよ」
白井黒子にそう言われ。
結標淡希は言葉を荒くする。
「…なにが! ねぇなにがよ? 私が言ったことは全て事実! どれ一つとして間違ってはいないわ!!」
白井黒子は望んでいないとでも言いたげに顔を歪め、しかし言葉のナイフを握った手は無慈悲に結標淡希の心を切り開く。
「…先程。 言ってましたわよね? [残骸]があれば“チカラ”を持たなくてもすむ…と」
「ッ! そうよ! その通り! [残骸]があればこの忌まわしい“チカラ”と別れることが出来るの! そう、出来るのよ!!」
まるで自らに言い聞かせるように繰り返す結標淡希に白井黒子が淡々と言葉を投げた。
「……“どうやって”…ですの?」
.
「――ッ!?」
グッと音を立てて言葉に詰まる結標淡希。
“どうやって?”
そんなことは知らない。
いくら“大能力者”の結標淡希とはいえ科学的な専門分野のことまでは判らない。
ただ、そう言われて。
それを信じたのだ。
そして、思い出したのは具体的な計画を立案した[M000]の言葉。
「…確かに。 具体的な方法までは門外漢ですもの。
私は知らない。 けどね、[残骸]があれば“能力”を持つのが“人間”だけではないということが判るかもしれないのよ!」
けれど、それは答えにすらなっていない。
まるで子供の言い訳のようなそれを聞いて白井黒子は苦笑する。
「…ですから。 それが判ったところで“どうなる”っていうんですの?」
ポロポロと音を立てて結標淡希の仮面から破片が落ちる。
「ど、どうなるって… だから! 判らない人ね! “能力”を持てるのが“人間”以外じゃないってことが判れば!」
「…そのお話は先ほど覗いましたわ。 で、“それ”と“これ”にどんな関係があるっていうんですの?」
ビシリ!と音を立てて結標淡希の仮面に亀裂が入る。
「――ッ!?」
グッと音を立てて言葉に詰まる結標淡希。
“どうやって?”
そんなことは知らない。
いくら“大能力者”の結標淡希とはいえ科学的な専門分野のことまでは判らない。
ただ、そう言われて。
それを信じたのだ。
そして、思い出したのは具体的な計画を立案した[M000]の言葉。
「…確かに。 具体的な方法までは門外漢ですもの。
私は知らない。 けどね、[残骸]があれば“能力”を持つのが“人間”だけではないということが判るかもしれないのよ!」
けれど、それは答えにすらなっていない。
まるで子供の言い訳のようなそれを聞いて白井黒子は苦笑する。
「…ですから。 それが判ったところで“どうなる”っていうんですの?」
ポロポロと音を立てて結標淡希の仮面から破片が落ちる。
「ど、どうなるって… だから! 判らない人ね! “能力”を持てるのが“人間”以外じゃないってことが判れば!」
「…そのお話は先ほど覗いましたわ。 で、“それ”と“これ”にどんな関係があるっていうんですの?」
ビシリ!と音を立てて結標淡希の仮面に亀裂が入る。
「か、関係? 関係…は…」
ぐるぐると結標淡希の頭の中で白井黒子の言葉が回る。
繋がらない。
繋がらないのだ。
“例え”[残骸]が能力を有する可能性があったとして。
“例え”そして[残骸]が能力を有したとして。
“例え”人間以外が能力を有する可能性があったとして。
“例え”そして能力者が“能力”を無くす可能性があったとして。
それを結んでいる筈の糸を辿ってみればプッツリと途切れている。
そして結標淡希はようやく気付いた。
自分がただ“操られていた”だけのことに。
主役のつもりだった自分がその実舞台の上でただ踊らされていただけのことに。
「…は」
バリバリと音を立てて結標淡希の仮面が砕けていく。
「ァ…ァ…アア…ああああああああっっっ!!!」
そして結標淡希は耐え切れず悲鳴のような叫び声をあげた。
ぐるぐると結標淡希の頭の中で白井黒子の言葉が回る。
繋がらない。
繋がらないのだ。
“例え”[残骸]が能力を有する可能性があったとして。
“例え”そして[残骸]が能力を有したとして。
“例え”人間以外が能力を有する可能性があったとして。
“例え”そして能力者が“能力”を無くす可能性があったとして。
それを結んでいる筈の糸を辿ってみればプッツリと途切れている。
そして結標淡希はようやく気付いた。
自分がただ“操られていた”だけのことに。
主役のつもりだった自分がその実舞台の上でただ踊らされていただけのことに。
「…は」
バリバリと音を立てて結標淡希の仮面が砕けていく。
「ァ…ァ…アア…ああああああああっっっ!!!」
そして結標淡希は耐え切れず悲鳴のような叫び声をあげた。
僕がこんなに感じているのはキミのテクニックがすごいからだね
それとも、僕が今シャブやってるからかな?
それとも、僕が今シャブやってるからかな?
■学園都市・大通り
学生が溢れる繁華街を上条当麻が走る。
ネオンが栄える大通りを御坂妹が走る。
しかし、上条当麻の隣で並走する御坂妹は息も絶え絶えといった様子で、それでもなんとか遅れまいと手足を動かしているだけだった。
「おいっ! 大丈夫か?」
今にも倒れそうな御坂妹に向かってそう声をかける上条当麻。
「だ、大丈夫ですが…こうやって話しながら走るのは少々厳しいです、とミサカは空元気を振り絞って返事をします」
蚊の鳴くような声でそう返事をする御坂妹がチラリと横を見る。
そこには。
何故か並走している行橋未造がいた。
「…あの?、とミサカは理解が出来ず疑念の声をあげます」
思わずそう問いかけてしまう御坂妹に返事をしたのは行橋未造だった。
「えへへ! 気にしない気にしない☆ ちょっとだけボク気になっちゃってさ☆」
小柄な身体のどこにそんな俊敏性が眠っていたのかと驚くほど機敏な動きで行橋未造がそのあどけない顔で微笑む。
学生が溢れる繁華街を上条当麻が走る。
ネオンが栄える大通りを御坂妹が走る。
しかし、上条当麻の隣で並走する御坂妹は息も絶え絶えといった様子で、それでもなんとか遅れまいと手足を動かしているだけだった。
「おいっ! 大丈夫か?」
今にも倒れそうな御坂妹に向かってそう声をかける上条当麻。
「だ、大丈夫ですが…こうやって話しながら走るのは少々厳しいです、とミサカは空元気を振り絞って返事をします」
蚊の鳴くような声でそう返事をする御坂妹がチラリと横を見る。
そこには。
何故か並走している行橋未造がいた。
「…あの?、とミサカは理解が出来ず疑念の声をあげます」
思わずそう問いかけてしまう御坂妹に返事をしたのは行橋未造だった。
「えへへ! 気にしない気にしない☆ ちょっとだけボク気になっちゃってさ☆」
小柄な身体のどこにそんな俊敏性が眠っていたのかと驚くほど機敏な動きで行橋未造がそのあどけない顔で微笑む。
.
「ふむ。 まぁ別段俺は特に興味もないのだが。 行橋の望みならば俺が聞いてやるのも吝かではない」
そして、行橋未造の後ろにはひどく退屈そうな顔の都城王土がいた。
「えへへ☆ そう言いながら王土は一緒に来てくれるんだよね!」
「ふん。 しょうがなくだ。 まぁ俺の夕餉を中断されたのは些か不愉快ではあるがな」
そう言って都城王土が悠々と大地を蹴る。
悠々とは言えその速度は4人の中でも一番速い。
ともすれば懸命に走る上条当麻をあわよくば追い抜きそうなほどの余力を示していた。
そのまま学園都市の繁華街を4人の男女が疾風のように駆け抜ける。
けれど、御坂妹の身体は既に限界だったのだ。
不意に足がもつれ、転びそうになる御坂妹。
「おわっと! 危ね!」
思わず倒れかかった御坂妹の身体を上条当麻が抱き抱えるようにして支える。
「…すいません。 ですが大丈夫です。まだ走れます、とミサカは足に力をいれてみます」
上条当麻の中で力ない微笑みを浮かべる御坂妹。
そして、また走るために立ち上がろうとする。
だが、生まれたての子鹿のように足を震わせるがその様は誰がどう見ても無謀だった。
「ふむ。 まぁ別段俺は特に興味もないのだが。 行橋の望みならば俺が聞いてやるのも吝かではない」
そして、行橋未造の後ろにはひどく退屈そうな顔の都城王土がいた。
「えへへ☆ そう言いながら王土は一緒に来てくれるんだよね!」
「ふん。 しょうがなくだ。 まぁ俺の夕餉を中断されたのは些か不愉快ではあるがな」
そう言って都城王土が悠々と大地を蹴る。
悠々とは言えその速度は4人の中でも一番速い。
ともすれば懸命に走る上条当麻をあわよくば追い抜きそうなほどの余力を示していた。
そのまま学園都市の繁華街を4人の男女が疾風のように駆け抜ける。
けれど、御坂妹の身体は既に限界だったのだ。
不意に足がもつれ、転びそうになる御坂妹。
「おわっと! 危ね!」
思わず倒れかかった御坂妹の身体を上条当麻が抱き抱えるようにして支える。
「…すいません。 ですが大丈夫です。まだ走れます、とミサカは足に力をいれてみます」
上条当麻の中で力ない微笑みを浮かべる御坂妹。
そして、また走るために立ち上がろうとする。
だが、生まれたての子鹿のように足を震わせるがその様は誰がどう見ても無謀だった。
「いいから休んどけって。 あ、でも俺達だけで向かう…っていうわけにもいかないよなぁ」
ゼエゼエと青い顔をしてその場に座り込んでしまった御坂妹を見て上条当麻は頭をかく。
「いえ、ミサカを置いて先に行ってください。場所はここから3ブロック先にある総合ビルです、とミサカは懇願します」
そう言って、目的であろうビルの名前を細かく口にする御坂妹。
だが置いていけと言われ、はいそうですかと言えるほど上条当麻は冷静に物事を考えない。。
今にも過呼吸やら心臓麻痺やらを起こしそうな御坂妹をこの場にたった一人置いていけるはずがない。
その時だった。
「おい、上条とやら。 何だか知らんがその厄介事とやらを片付ければいいのだな?」
上条当麻の背に堂々とした男の声がかかる。
「いやまぁ、それはそうなんだけど… でもコイツをここに置き去りにしていくわけには」
そう背を向けたまま思わずタメ口で都城王土に返事をする上条当麻だったが。
「ふむ。 ならばおまえはその女を看病していろ。 俺の夕餉の邪魔をしたのだ。 これは俺への無礼である」
「…はぁ?」
振り返ると、そこには腕組みをして紅い双眸を光らせる都城王土と“何故か”白い仮面でその顔を隠している行橋未造が立っていた。
ゼエゼエと青い顔をしてその場に座り込んでしまった御坂妹を見て上条当麻は頭をかく。
「いえ、ミサカを置いて先に行ってください。場所はここから3ブロック先にある総合ビルです、とミサカは懇願します」
そう言って、目的であろうビルの名前を細かく口にする御坂妹。
だが置いていけと言われ、はいそうですかと言えるほど上条当麻は冷静に物事を考えない。。
今にも過呼吸やら心臓麻痺やらを起こしそうな御坂妹をこの場にたった一人置いていけるはずがない。
その時だった。
「おい、上条とやら。 何だか知らんがその厄介事とやらを片付ければいいのだな?」
上条当麻の背に堂々とした男の声がかかる。
「いやまぁ、それはそうなんだけど… でもコイツをここに置き去りにしていくわけには」
そう背を向けたまま思わずタメ口で都城王土に返事をする上条当麻だったが。
「ふむ。 ならばおまえはその女を看病していろ。 俺の夕餉の邪魔をしたのだ。 これは俺への無礼である」
「…はぁ?」
振り返ると、そこには腕組みをして紅い双眸を光らせる都城王土と“何故か”白い仮面でその顔を隠している行橋未造が立っていた。
白い仮面をかぶってこちらを見上げる行橋未造に向かって都城王土が声をかける。
「そういうわけだ。 いいな行橋?」
「えへへ! 任せてよ☆ ボクは戦闘タイプじゃないし、それに王土の決定に意義をたてることなんてないんだからね☆」
仮面の下では可愛らしい笑顔を浮かべているだろうと行橋未造に向かって都城王土が満足そうに頷いた。
「よし。 それでこそ俺の行橋だ」
ニヤリとそう笑った都城王土に上条当麻の慌てた声がかかる。
「お、おい! 都城先輩! あんた転校生だろ? 場所は判るのか?」
その言葉を聞いて都城王土は振り返らずにこう言った。
「おいおい。 上条。 おまえは誰にものを言っているのだ? 心配いらん。 とはいえ…布束の案内がこうも役に立つとは思わなかったがな」
そう言うと都城王土の足が大地を蹴った。
ドン!と、まるで爆薬が破裂したかのような音と共に都城王土の姿があっという間に消える。
「……うそぉ?」
踏み込んだ足の形でそのままえぐられたアスファルトを見て思わず上条当麻はそう呟くも。
その腕の中にいる御坂妹は懐かしいその言葉を聞いて耐え切れずにポツリとこう呟いた。
「聞き間違えるはずもありません。 布束…それはもしかして、とミサカは淡い期待と懐かしい思いを口にします」
「そういうわけだ。 いいな行橋?」
「えへへ! 任せてよ☆ ボクは戦闘タイプじゃないし、それに王土の決定に意義をたてることなんてないんだからね☆」
仮面の下では可愛らしい笑顔を浮かべているだろうと行橋未造に向かって都城王土が満足そうに頷いた。
「よし。 それでこそ俺の行橋だ」
ニヤリとそう笑った都城王土に上条当麻の慌てた声がかかる。
「お、おい! 都城先輩! あんた転校生だろ? 場所は判るのか?」
その言葉を聞いて都城王土は振り返らずにこう言った。
「おいおい。 上条。 おまえは誰にものを言っているのだ? 心配いらん。 とはいえ…布束の案内がこうも役に立つとは思わなかったがな」
そう言うと都城王土の足が大地を蹴った。
ドン!と、まるで爆薬が破裂したかのような音と共に都城王土の姿があっという間に消える。
「……うそぉ?」
踏み込んだ足の形でそのままえぐられたアスファルトを見て思わず上条当麻はそう呟くも。
その腕の中にいる御坂妹は懐かしいその言葉を聞いて耐え切れずにポツリとこう呟いた。
「聞き間違えるはずもありません。 布束…それはもしかして、とミサカは淡い期待と懐かしい思いを口にします」
>>534
おまえとはうまい酒が飲めそうだ
おまえとはうまい酒が飲めそうだ
■学園都市・総合ビル
「ガッ…あ…あああああああああああっっ!!!」
両手で頭を抱え結標淡希は絶叫する。
壊された。
白井黒子に自らの信じるものを壊された。
考えてみればおかしな話だ。
例え[残骸]があったところでそれがどうして能力を消せることに繋がるのだろう。
でも…そんな事は関係なかった。
むしろ判っていてもその希望にすがりたかったのだ。
彼女は、結標淡希は自らのトラウマを思い出す。
“恐ろしいチカラ”
“危険なチカラ”
“迫害されるチカラ”
“嫌われるチカラ”
気がつけばその感情は結標淡希の心に決して消えない傷となって残っていたのだ。
座標転移を失敗した時もそうだった。
ふと、演算中にそんなことを考えてしまって。
気がつけば足がコンクリートの中に埋まっていた。
慌てて足を引き抜いたらベリィッ!という耳を塞ぎたくなる音と共に、足の皮膚がベロリと垂れ下がったのだ。
「ガッ…あ…あああああああああああっっ!!!」
両手で頭を抱え結標淡希は絶叫する。
壊された。
白井黒子に自らの信じるものを壊された。
考えてみればおかしな話だ。
例え[残骸]があったところでそれがどうして能力を消せることに繋がるのだろう。
でも…そんな事は関係なかった。
むしろ判っていてもその希望にすがりたかったのだ。
彼女は、結標淡希は自らのトラウマを思い出す。
“恐ろしいチカラ”
“危険なチカラ”
“迫害されるチカラ”
“嫌われるチカラ”
気がつけばその感情は結標淡希の心に決して消えない傷となって残っていたのだ。
座標転移を失敗した時もそうだった。
ふと、演算中にそんなことを考えてしまって。
気がつけば足がコンクリートの中に埋まっていた。
慌てて足を引き抜いたらベリィッ!という耳を塞ぎたくなる音と共に、足の皮膚がベロリと垂れ下がったのだ。
誰もいない静かなはずのビルの中で轟音が巻き起こる。
コンクリートがテーブルが椅子が食器が。
ナイフがフォークが鉄骨がスピーカーが。
ありとあらゆるものが空中で浮遊し、衝突し、弾け飛んでいるのだ。
それは結標淡希の能力『座標移動《ムーブポイント》』が暴走していることを意味する。
制御できない能力すらもそのままにして、結標淡希は未だテーブルの下で身動きがとれないままの白井黒子に向き直る。
ただ殺すのならば簡単だ。
このままそっとしゃがみこんで、その細い首筋に鋭利な刃物を突き立てればいい。
いや、もはや何もいらない。
ただ首を締めるだけでも白井黒子は抵抗出来ないだろう。
だが違う。そんなことを結標淡希は望んでいない。
結標淡希は“心”を壊されたのだ。
結標淡希は“心”を破られたのだ。
結標淡希は“心”を破壊されたのだ。
ならばやり返す。
この正義面した風紀委員の心を壊して破って破壊しなければ気が済まない。
コンクリートがテーブルが椅子が食器が。
ナイフがフォークが鉄骨がスピーカーが。
ありとあらゆるものが空中で浮遊し、衝突し、弾け飛んでいるのだ。
それは結標淡希の能力『座標移動《ムーブポイント》』が暴走していることを意味する。
制御できない能力すらもそのままにして、結標淡希は未だテーブルの下で身動きがとれないままの白井黒子に向き直る。
ただ殺すのならば簡単だ。
このままそっとしゃがみこんで、その細い首筋に鋭利な刃物を突き立てればいい。
いや、もはや何もいらない。
ただ首を締めるだけでも白井黒子は抵抗出来ないだろう。
だが違う。そんなことを結標淡希は望んでいない。
結標淡希は“心”を壊されたのだ。
結標淡希は“心”を破られたのだ。
結標淡希は“心”を破壊されたのだ。
ならばやり返す。
この正義面した風紀委員の心を壊して破って破壊しなければ気が済まない。
「あはっ! あははっ! ねぇ見てよ白井さん! この光景を! この有様を!」
自らの傷口をさらけだすようにして結標淡希は両の手を広げる。
演者も脚本も不出来な舞台の上で主役が一生懸命踊るように手を広げる。
「ほら! 私たちはこんな“チカラ”を持っているの! 貴女なら判るでしょ! こんな恐ろしい“チカラ”を持っているのよ!!」
耳を塞ぎたくなるような破壊音の中で。 結標淡希は白井黒子の返事など待ちはしない。
「ねぇわかる白井さん!? 貴女の大切な“御坂美琴”は! 私よりもヒドイのよ! 軍隊を相手にして! それでも全員殺してしまうほどなの!」
白井黒子は返事をしない。
ただ無言の視線で以てそれの代わりとする。
「言ってたわよね? 貴女は“超電磁砲”の思い描く未来を守りたいって! でも… それがなに!?」
結標淡希が吠える。
「私も! 私の“仲間”にも! 思い描く未来があって! それを守りたいの!!!」
喉から血が出るように、万感を込めて結標淡希が訴える。
「ねぇなんで! なんで邪魔をするの!? 私達は別に“超能力者”になりたいわけじゃない! ただ“普通”になりたいだけなのに!」
【[A001]! 君には期待している! 君も“普通”になりたいだろう? 我等と同じく“正常”になりたいのだろう?】
そう。
結標淡希はただ“普通”の女の子になりたいのだ。
自らの傷口をさらけだすようにして結標淡希は両の手を広げる。
演者も脚本も不出来な舞台の上で主役が一生懸命踊るように手を広げる。
「ほら! 私たちはこんな“チカラ”を持っているの! 貴女なら判るでしょ! こんな恐ろしい“チカラ”を持っているのよ!!」
耳を塞ぎたくなるような破壊音の中で。 結標淡希は白井黒子の返事など待ちはしない。
「ねぇわかる白井さん!? 貴女の大切な“御坂美琴”は! 私よりもヒドイのよ! 軍隊を相手にして! それでも全員殺してしまうほどなの!」
白井黒子は返事をしない。
ただ無言の視線で以てそれの代わりとする。
「言ってたわよね? 貴女は“超電磁砲”の思い描く未来を守りたいって! でも… それがなに!?」
結標淡希が吠える。
「私も! 私の“仲間”にも! 思い描く未来があって! それを守りたいの!!!」
喉から血が出るように、万感を込めて結標淡希が訴える。
「ねぇなんで! なんで邪魔をするの!? 私達は別に“超能力者”になりたいわけじゃない! ただ“普通”になりたいだけなのに!」
【[A001]! 君には期待している! 君も“普通”になりたいだろう? 我等と同じく“正常”になりたいのだろう?】
そう。
結標淡希はただ“普通”の女の子になりたいのだ。
白井黒子は答えない。
ただ黙して赤毛の少女の悲痛な叫びを聞くだけだ。
「ねぇ白井さん! 貴女は知らないかもしれないけれど! 私は! 私達は“超電磁砲”と闘ったの!
作りかけのビルで! 学園都市の最強の能力者! “超電磁砲”を相手にして! そしてその時! …あの子達はこう言ったのよ!!」
ジワリと結標淡希の瞳に涙が浮かぶ。
「後は任せた… ただ一言、たった一言、それだけを口にして! 恐怖で震える唇を無理やり笑みの形にして!」
あぁ…そうか。
あれはそういう意味だったのか。
白井黒子はその現場を目にしていた。
零れ落ちそうな涙をその目尻に震わせながら結標淡希は泣き叫ぶ。
「あの子達はただそれだけで! 自分の思い描く未来を守るために! 最強の電撃使い《エレクトロマスター》に立ち向かったの!」
それはどれほどに恐ろしかったのだろうか。
相手が本気になれば、いとも容易く殺される。
けれど、それでも彼等は命を賭けて結標淡希に未来を託したのだ。
だから結標淡希は退けない。
例えこの道の先が漆黒の崖で断たれていたとしても、ただ突き進むしかないのだ。
結標淡希は己の全てを白井黒子に叩きつける。
「ねぇ! 貴方に否定できるの!? 超電磁砲の思い描く未来を守ろうとする貴方と! 私達の未来を守ろうとするあの子達はどこが違うって言うの!」
ただ黙して赤毛の少女の悲痛な叫びを聞くだけだ。
「ねぇ白井さん! 貴女は知らないかもしれないけれど! 私は! 私達は“超電磁砲”と闘ったの!
作りかけのビルで! 学園都市の最強の能力者! “超電磁砲”を相手にして! そしてその時! …あの子達はこう言ったのよ!!」
ジワリと結標淡希の瞳に涙が浮かぶ。
「後は任せた… ただ一言、たった一言、それだけを口にして! 恐怖で震える唇を無理やり笑みの形にして!」
あぁ…そうか。
あれはそういう意味だったのか。
白井黒子はその現場を目にしていた。
零れ落ちそうな涙をその目尻に震わせながら結標淡希は泣き叫ぶ。
「あの子達はただそれだけで! 自分の思い描く未来を守るために! 最強の電撃使い《エレクトロマスター》に立ち向かったの!」
それはどれほどに恐ろしかったのだろうか。
相手が本気になれば、いとも容易く殺される。
けれど、それでも彼等は命を賭けて結標淡希に未来を託したのだ。
だから結標淡希は退けない。
例えこの道の先が漆黒の崖で断たれていたとしても、ただ突き進むしかないのだ。
結標淡希は己の全てを白井黒子に叩きつける。
「ねぇ! 貴方に否定できるの!? 超電磁砲の思い描く未来を守ろうとする貴方と! 私達の未来を守ろうとするあの子達はどこが違うって言うの!」
原作でもこれくらいしっかり演説して欲しかった。
まあ長台詞は使いどころ難しいけどさ、それでも。
どうにも禁書原作だとあわきんの戦う理由だけが、説明が簡単過ぎて後付けっぽいというかでよ。
まあ長台詞は使いどころ難しいけどさ、それでも。
どうにも禁書原作だとあわきんの戦う理由だけが、説明が簡単過ぎて後付けっぽいというかでよ。
白井黒子は歯噛みをする。
まだ叩いて殴って刺しあう血みどろな戦いのほうがよかった。
そう、まだ闘いは終わっていない。
これは命よりも重い矜持《プライド》を賭けた闘いなのだ。
「…えぇ。 思い当たるふしはそれこそいくつもありますわ」
白井黒子の脳裏には様々な記憶が映り出す。
風紀委員に憧れて。
手柄を欲した自分の独断専行で大事な先輩…固法美偉を傷つけた。
幻想御手《レベルアッパー》。
それは彼女の友人でもある一人の少女を巻き込んで膨れ上がり。
最終的には一万人の無能力者の怨念となって学園都市の危機を招いた。
けれど…その事件を引き起こした一人の女性はただただ己の教え子達を救いたかっただけなのだ。
「否定なんて…出来るわけがありませんの」
ゆっくりと白井黒子は首だけを動かして、視線だけで射殺さんとばかりに結標淡希を睨みつける。
「ですけども…否定が出来ないからといって肯定する気もありませんのよ?」
意志の力だけで白井黒子は結標淡希に立ち向かう。
生殺与奪の権を握られていても決して退けない。
そして。
この闘いは。
元となる根幹、想いの源が仮初と自覚してしまった結標淡希が勝てるはずもなかったのだ。
まだ叩いて殴って刺しあう血みどろな戦いのほうがよかった。
そう、まだ闘いは終わっていない。
これは命よりも重い矜持《プライド》を賭けた闘いなのだ。
「…えぇ。 思い当たるふしはそれこそいくつもありますわ」
白井黒子の脳裏には様々な記憶が映り出す。
風紀委員に憧れて。
手柄を欲した自分の独断専行で大事な先輩…固法美偉を傷つけた。
幻想御手《レベルアッパー》。
それは彼女の友人でもある一人の少女を巻き込んで膨れ上がり。
最終的には一万人の無能力者の怨念となって学園都市の危機を招いた。
けれど…その事件を引き起こした一人の女性はただただ己の教え子達を救いたかっただけなのだ。
「否定なんて…出来るわけがありませんの」
ゆっくりと白井黒子は首だけを動かして、視線だけで射殺さんとばかりに結標淡希を睨みつける。
「ですけども…否定が出来ないからといって肯定する気もありませんのよ?」
意志の力だけで白井黒子は結標淡希に立ち向かう。
生殺与奪の権を握られていても決して退けない。
そして。
この闘いは。
元となる根幹、想いの源が仮初と自覚してしまった結標淡希が勝てるはずもなかったのだ。
自分の能力のはずなのに。
敗北した結標淡希を騒ぎ立て嘲笑うように騒音を立てながら『座標移動《ムーブポイント》』は暴走を続ける。
「…なによ。 …なんなのよ! なんでそんな顔ができるのよっ!?」
積み重なったテーブルに組み敷かれたままの白井黒子が放つ視線に気圧されて後ずさる。
もう既にそれは闘いではない。
結標淡希が口にするのはただの泣き言だった。
「私は! 私達は! 望んで“バケモノ”になりたかったわけじゃない!」
無念の涙が頬から一粒流れる。
「こんな厄介な能力をもった私達を! いったいどこの誰が肯定できるっていうのよ!!!」
能力者は忌避される。
強大な力をもつ故に。
理解が出来ない存在故に。
「人間より優秀な存在なんて! いくらでもいると思わない? 貴方がそれを思わないならそれはただの傲慢《エゴイズム》じゃないの!!」
一度涙が流れば止める術など持ちはしない。
ボロボロと涙を流しながらも必死になって結標淡希は抵抗する。
今ここで折れてしまえば生命を賭けた“仲間”に合わせる顔がない。
だから。
結標淡希は魂を振り絞るようにしてその想いを願いを希望をただそのまま吐き出した。
敗北した結標淡希を騒ぎ立て嘲笑うように騒音を立てながら『座標移動《ムーブポイント》』は暴走を続ける。
「…なによ。 …なんなのよ! なんでそんな顔ができるのよっ!?」
積み重なったテーブルに組み敷かれたままの白井黒子が放つ視線に気圧されて後ずさる。
もう既にそれは闘いではない。
結標淡希が口にするのはただの泣き言だった。
「私は! 私達は! 望んで“バケモノ”になりたかったわけじゃない!」
無念の涙が頬から一粒流れる。
「こんな厄介な能力をもった私達を! いったいどこの誰が肯定できるっていうのよ!!!」
能力者は忌避される。
強大な力をもつ故に。
理解が出来ない存在故に。
「人間より優秀な存在なんて! いくらでもいると思わない? 貴方がそれを思わないならそれはただの傲慢《エゴイズム》じゃないの!!」
一度涙が流れば止める術など持ちはしない。
ボロボロと涙を流しながらも必死になって結標淡希は抵抗する。
今ここで折れてしまえば生命を賭けた“仲間”に合わせる顔がない。
だから。
結標淡希は魂を振り絞るようにしてその想いを願いを希望をただそのまま吐き出した。
この>>1はホントに俺を焦らすのが上手いなハッハッハ。
もはや形振りを構っている余裕もなく。
裸の上半身が顕になっていることに気付く余裕もなく。
結標淡希は涙でグシャグシャになった顔のまま。
「ねぇ白井さん! 答えてよ! 私も! 貴方も! 能力者なんて結局ただの“バケモノ”じゃない!」
そう。
能力に憧れて違法な手段に手を伸ばす少年少女がいるように。
能力を嫌がって違法な手段に手を伸ばす少年少女もたくさんいるのだ。
それはまるで人を踏み潰さないように怯えながら歩く怪獣。
内から広がる罪悪感と嫌悪感、外から降り注ぐ冷酷な視線と心無い罵倒。
結標淡希はそれらすべての少年少女たちの想いを代弁するかのように白井黒子に叩きつけた。
「手枷をつけられ! 足枷をつけられて! 人を殺さないように怯える“バケモノ”を!
いったいどこの誰が“人間”だなんて認めてくれるっていうのよ!!!」
嵐のように荒れ狂い暴走していた結標淡希の『座標移動《ムーブポイント》』が不意に凪のように静まりかえったビルの中で。
「 俺 《 オ レ 》 だ 」
威風堂々、泰然自若、大胆不敵な。 悠然と、高らかに、朗々と結標淡希の願いを肯定する声が響いた。
裸の上半身が顕になっていることに気付く余裕もなく。
結標淡希は涙でグシャグシャになった顔のまま。
「ねぇ白井さん! 答えてよ! 私も! 貴方も! 能力者なんて結局ただの“バケモノ”じゃない!」
そう。
能力に憧れて違法な手段に手を伸ばす少年少女がいるように。
能力を嫌がって違法な手段に手を伸ばす少年少女もたくさんいるのだ。
それはまるで人を踏み潰さないように怯えながら歩く怪獣。
内から広がる罪悪感と嫌悪感、外から降り注ぐ冷酷な視線と心無い罵倒。
結標淡希はそれらすべての少年少女たちの想いを代弁するかのように白井黒子に叩きつけた。
「手枷をつけられ! 足枷をつけられて! 人を殺さないように怯える“バケモノ”を!
いったいどこの誰が“人間”だなんて認めてくれるっていうのよ!!!」
嵐のように荒れ狂い暴走していた結標淡希の『座標移動《ムーブポイント》』が不意に凪のように静まりかえったビルの中で。
「 俺 《 オ レ 》 だ 」
威風堂々、泰然自若、大胆不敵な。 悠然と、高らかに、朗々と結標淡希の願いを肯定する声が響いた。
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