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元スレ上条(悪)「その希望(幻想)をぶっ殺す」
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上条さんは御坂が不良に絡まれてるのを助けようとして初めて御坂と出会ったけど、この話ではどんな出会い方をしたんだろうか
>>302
それ御坂のほうから手出したんなら自業自得じゃね?
それ御坂のほうから手出したんなら自業自得じゃね?
しかも殺す気でやってるからな……
悪条さんなんだかんだで殺人はしてないしやっぱ優しいんじゃねぇの
悪条さんなんだかんだで殺人はしてないしやっぱ優しいんじゃねぇの
>>303
原作の上条さんが優しすぎるだけで、基本御坂は(原作でも)ボコボコにされてもおかしくない
まぁ努力で実につけたレベル5の能力を無能力者のウニ頭に簡単に打ち消されて悔しかったんだろうけど
でもそういう自分が気に入らないからって理由で喧嘩吹っ掛けるからDQNと言われるわけで・・・
原作の上条さんが優しすぎるだけで、基本御坂は(原作でも)ボコボコにされてもおかしくない
まぁ努力で実につけたレベル5の能力を無能力者のウニ頭に簡単に打ち消されて悔しかったんだろうけど
でもそういう自分が気に入らないからって理由で喧嘩吹っ掛けるからDQNと言われるわけで・・・
原作の上条→不良二人なら立ち向かう、三人以上は逃げる
このスレの闇条→八人を圧倒
羽毛なんて雨を避ける範馬勇次郎風に避けてくれるはず
このスレの闇条→八人を圧倒
羽毛なんて雨を避ける範馬勇次郎風に避けてくれるはず
イノケンティウスと呼ばれた炎の巨人がその手に持っていたのは剣ではなく、どうやら巨大な十字架らしかった。
イノケンティウスは上条目掛けてその十字架を容赦なく振り下ろしてくる。
上条「くおお!!」
何度目かの一撃。避けきれず、上条は右手で炎の十字架を受け止める。
しかし十字架は霧散することなくそこにあり、上条を熱で苛み続ける。
上条「消えない? …いや、違うな。消える端から再生してんのか。まいったなこりゃ」
上条は炎が消しきれないことを逆に利用して、まるで炎を掴み取るようにして軌道を逸らした。
上条のいる場所のすぐ右の地面を十字架が焼き焦がす。
そこから振り上げてきた一撃を、上条は後ろに大きく跳び退ってかわす。
上条とステイルの距離が開く。
ステイル「あっはっは! でかい口を叩いておきながら無様に逃げるだけなのかい?」
上条「ああ。こりゃまいった。右手が効かないんじゃどうしようもねえ」
上条はステイルの挑発的な言葉を否定せず、続けた。
上条「こりゃもう、無様に逃げるしかねえや」
上条はそう言うと、あっさりステイルに背を向け、勢いよく駆け出した。
イノケンティウスは上条目掛けてその十字架を容赦なく振り下ろしてくる。
上条「くおお!!」
何度目かの一撃。避けきれず、上条は右手で炎の十字架を受け止める。
しかし十字架は霧散することなくそこにあり、上条を熱で苛み続ける。
上条「消えない? …いや、違うな。消える端から再生してんのか。まいったなこりゃ」
上条は炎が消しきれないことを逆に利用して、まるで炎を掴み取るようにして軌道を逸らした。
上条のいる場所のすぐ右の地面を十字架が焼き焦がす。
そこから振り上げてきた一撃を、上条は後ろに大きく跳び退ってかわす。
上条とステイルの距離が開く。
ステイル「あっはっは! でかい口を叩いておきながら無様に逃げるだけなのかい?」
上条「ああ。こりゃまいった。右手が効かないんじゃどうしようもねえ」
上条はステイルの挑発的な言葉を否定せず、続けた。
上条「こりゃもう、無様に逃げるしかねえや」
上条はそう言うと、あっさりステイルに背を向け、勢いよく駆け出した。
ステイル「な!? おい待て!!」
ステイルと炎の巨人の姿が見る見るうちに小さくなっていく。
上条「ふうん…追ってこない、か……いや、追ってこれない、かな」
上条はステイルが追撃してこなかったことでひとつの仮説を立てる。
どうやらあの炎の巨人は赤い髪の魔術師の切り札のようだった。
最初の邂逅のときに使ってこなかったことと、こうして追撃してこないこと、そして今回はしっかりと『待ち伏せ』されてからの戦闘であった事。
これらの状況から鑑みるに……
上条「なにかしらの前準備がいるんだろうな、アレを使うには。ならそんなもん律儀に相手してやる必要なんかさらさらねーわけだ」
そう結論付けて、しかし上条はガシガシと頭を掻いた。
上条「しかし、問題はたかだか一時間かそこらで俺の寝床を特定されたってことなんだよなぁ」
大した情報収集力だぜ、ちくしょう。上条は吐き捨てた。
このままでは、また別のところに寝床を移しても、また近いうちに襲撃されるのは目に見えている。
それも、今回以上の用意周到さで準備万端に奇襲を仕掛けてくるだろう。
そう考えれば、今のうちに始末してしまったほうが何ぼか楽というものだった。
ステイルと炎の巨人の姿が見る見るうちに小さくなっていく。
上条「ふうん…追ってこない、か……いや、追ってこれない、かな」
上条はステイルが追撃してこなかったことでひとつの仮説を立てる。
どうやらあの炎の巨人は赤い髪の魔術師の切り札のようだった。
最初の邂逅のときに使ってこなかったことと、こうして追撃してこないこと、そして今回はしっかりと『待ち伏せ』されてからの戦闘であった事。
これらの状況から鑑みるに……
上条「なにかしらの前準備がいるんだろうな、アレを使うには。ならそんなもん律儀に相手してやる必要なんかさらさらねーわけだ」
そう結論付けて、しかし上条はガシガシと頭を掻いた。
上条「しかし、問題はたかだか一時間かそこらで俺の寝床を特定されたってことなんだよなぁ」
大した情報収集力だぜ、ちくしょう。上条は吐き捨てた。
このままでは、また別のところに寝床を移しても、また近いうちに襲撃されるのは目に見えている。
それも、今回以上の用意周到さで準備万端に奇襲を仕掛けてくるだろう。
そう考えれば、今のうちに始末してしまったほうが何ぼか楽というものだった。
上条「でもあの巨人は正直厄介だからな……どうすっかね」
上条は顎に手を当て、首を捻りながら暗い街を歩く。
突然、目の前に金髪の男が走ってきてぶっ倒れた。
そしてその後を追ってきたかのように、見るからにガラの悪いのが三人。
スキルアウト1「おい!! そいつを渡しな!!」
上条「あん?」
上条は足元でもぞもぞと這い、男達から逃げ出そうとしている金髪に目を落とす。
金髪の体は血まみれだった。男の体に丸く穿たれた傷口を発見し、上条は笑う。
上条「ああ、なるほど、そういうこと。こりゃいーや。はは」
道を歩けば居眠りトラックが追突し、街を歩けば隣のビルが倒壊し、飯を食えばO-157。
そんな上条にとって、路地裏で頭を悩ませていればスキルアウトの抗争に巻き込まれる、なんてのは日常茶飯事だった。
上条「ついてねーな、全く。いや、ついてるのか? いや、普通こんな状況をついてるとは言わねーよな。やっぱ不幸であってるだろ」
スキルアウト2「何ぶつくさ言ってんだ! 『コレ』が見えてねえのか!? 死にたくなかったらすっこんでな!!」
上条「いや、全くついてない」
上条を恫喝してくるスキルアウト達に向かって、何ら臆することなく、上条は笑った。
上条「ついてねーよな。俺も、お前らも」
上条は顎に手を当て、首を捻りながら暗い街を歩く。
突然、目の前に金髪の男が走ってきてぶっ倒れた。
そしてその後を追ってきたかのように、見るからにガラの悪いのが三人。
スキルアウト1「おい!! そいつを渡しな!!」
上条「あん?」
上条は足元でもぞもぞと這い、男達から逃げ出そうとしている金髪に目を落とす。
金髪の体は血まみれだった。男の体に丸く穿たれた傷口を発見し、上条は笑う。
上条「ああ、なるほど、そういうこと。こりゃいーや。はは」
道を歩けば居眠りトラックが追突し、街を歩けば隣のビルが倒壊し、飯を食えばO-157。
そんな上条にとって、路地裏で頭を悩ませていればスキルアウトの抗争に巻き込まれる、なんてのは日常茶飯事だった。
上条「ついてねーな、全く。いや、ついてるのか? いや、普通こんな状況をついてるとは言わねーよな。やっぱ不幸であってるだろ」
スキルアウト2「何ぶつくさ言ってんだ! 『コレ』が見えてねえのか!? 死にたくなかったらすっこんでな!!」
上条「いや、全くついてない」
上条を恫喝してくるスキルアウト達に向かって、何ら臆することなく、上条は笑った。
上条「ついてねーよな。俺も、お前らも」
ステイル「く…! まさかあっさり逃げの一手とは……」
残されたステイルは歯噛みしていた。
どうもおかしい。調子が狂う。理解不能だ。
何故あの男はこうまで戦い慣れしているのか。
しっかりと戦闘訓練を積んできた自分のほうがまるで幼子のようにあしらわれているではないか。
こんな島国でのほほんと生きてきたような奴に後れを取るとは……!
それはステイルにとって耐え難い屈辱だった。
ざっ、と足音が響く。
その場に戻ってきた上条の姿を目に捉え、ステイルはすぐにイノケンティウスを再生させた。
ステイル「よく戻ってきたね。てっきり今日はもう隠れてぶるぶる震えてるつもりなのかと思っていたよ」
上条「いやー、よく考えたら今のねぐらに忘れもんがあってな」
ステイル「命を対価にしてまで取り戻すものなのかい?」
上条「おう。せこせこ貯めたぶたさん貯金箱。置いていくわけにはいかねえよ」
ステイル「ならばその金は君の葬儀代の足しにしてやろう。イノケンティウス!!」
ステイルの号令と共にイノケンティウスが上条へと襲い掛かる。
上条「さて、俺がいない間に何か罠でも仕込んでおいたか? もし、さっきと一緒のままなら……お前の負けだぜ?」
上条は不敵に笑ってその一歩目を踏み出した。
残されたステイルは歯噛みしていた。
どうもおかしい。調子が狂う。理解不能だ。
何故あの男はこうまで戦い慣れしているのか。
しっかりと戦闘訓練を積んできた自分のほうがまるで幼子のようにあしらわれているではないか。
こんな島国でのほほんと生きてきたような奴に後れを取るとは……!
それはステイルにとって耐え難い屈辱だった。
ざっ、と足音が響く。
その場に戻ってきた上条の姿を目に捉え、ステイルはすぐにイノケンティウスを再生させた。
ステイル「よく戻ってきたね。てっきり今日はもう隠れてぶるぶる震えてるつもりなのかと思っていたよ」
上条「いやー、よく考えたら今のねぐらに忘れもんがあってな」
ステイル「命を対価にしてまで取り戻すものなのかい?」
上条「おう。せこせこ貯めたぶたさん貯金箱。置いていくわけにはいかねえよ」
ステイル「ならばその金は君の葬儀代の足しにしてやろう。イノケンティウス!!」
ステイルの号令と共にイノケンティウスが上条へと襲い掛かる。
上条「さて、俺がいない間に何か罠でも仕込んでおいたか? もし、さっきと一緒のままなら……お前の負けだぜ?」
上条は不敵に笑ってその一歩目を踏み出した。
炎の巨人、イノケンティウスが上条に迫る。
振り下ろしてきた十字架の一撃を上条は右手でいなし、回避する。
そしてイノケンティウスの体に右手が届く位置まで踏み込んだ。
上条「ぐあっちっち! クソ! 近づくだけですげえ熱気だな!!」
罵声を発しながら上条はイノケンティウスの、人間で言えば腹に当たるであろう部分に右手を突き入れる。
一瞬、右手の周囲の炎が弾け飛び、その穴からステイルと目が合った。
だがそれだけ。イノケンティウスの存在を滅することは叶わず、上条の右手が引き抜かれた途端に弾け飛んだ部分も再生した。
乱暴に振るわれたイノケンティウスの腕を身を屈めることで回避し、上条は再びイノケンティウスとの距離を取る。
上条「ふーん、なるほどね」
たまらず後退したように見えた上条だったが、しかしその顔には余裕が現れていた。
まるで勝利を確信したような、そんな顔だった。
上条「確認、終了……と。んじゃ、終わらせますか」
ステイル「同感だ。そろそろ幕と行こう。今度こそ君の右手以外をこんがり焼いてあげるよ」
上条「そん時は小麦色のいい男にしてくれよ」
上条が駆け出す。イノケンティウスが咆哮する。
両者が、ぶつかりあう。
振り下ろしてきた十字架の一撃を上条は右手でいなし、回避する。
そしてイノケンティウスの体に右手が届く位置まで踏み込んだ。
上条「ぐあっちっち! クソ! 近づくだけですげえ熱気だな!!」
罵声を発しながら上条はイノケンティウスの、人間で言えば腹に当たるであろう部分に右手を突き入れる。
一瞬、右手の周囲の炎が弾け飛び、その穴からステイルと目が合った。
だがそれだけ。イノケンティウスの存在を滅することは叶わず、上条の右手が引き抜かれた途端に弾け飛んだ部分も再生した。
乱暴に振るわれたイノケンティウスの腕を身を屈めることで回避し、上条は再びイノケンティウスとの距離を取る。
上条「ふーん、なるほどね」
たまらず後退したように見えた上条だったが、しかしその顔には余裕が現れていた。
まるで勝利を確信したような、そんな顔だった。
上条「確認、終了……と。んじゃ、終わらせますか」
ステイル「同感だ。そろそろ幕と行こう。今度こそ君の右手以外をこんがり焼いてあげるよ」
上条「そん時は小麦色のいい男にしてくれよ」
上条が駆け出す。イノケンティウスが咆哮する。
両者が、ぶつかりあう。
上条はポケットに手を突っ込んだまま、イノケンティウスと肉薄する。
上条の上半身を薙ぐように振るわれたイノケンティウスの十字架を、上体を後ろに倒すことで回避する。
回避行動を取った上条は、もうほとんどブリッジをしているような体勢になっていた。
そこから、背筋と腹筋任せに体を思い切り引き上げる。
その勢いのまま、上条はポケットから出した右手をイノケンティウスに突き入れた。
一瞬、炎が散る。
イノケンティウスの向こうで笑うステイルと視線が交差する。
ステイル「ははは! まだわからないのか!! そんな単純な一撃ではイノケンティウスは殺せない!!」
上条「……ばーか。まだわかんねえのか? 前とおんなじやり方じゃ、俺は殺せねえよ」
上条がイノケンティウスに突き入れた右手。そこには無骨な鉄の塊が握られていた。
手のひらにすっぽり収まるほどの小型拳銃。
異能の力の介在する余地の無い、学園都市の『科学』の産物。
上条「人間ってのは、学んで、工夫して、困難を乗り越えていく生き物なんだぜ?」
パン、と驚くほど小さな破裂音が響き。
ステイルの体が崩れ落ちた。
上条の上半身を薙ぐように振るわれたイノケンティウスの十字架を、上体を後ろに倒すことで回避する。
回避行動を取った上条は、もうほとんどブリッジをしているような体勢になっていた。
そこから、背筋と腹筋任せに体を思い切り引き上げる。
その勢いのまま、上条はポケットから出した右手をイノケンティウスに突き入れた。
一瞬、炎が散る。
イノケンティウスの向こうで笑うステイルと視線が交差する。
ステイル「ははは! まだわからないのか!! そんな単純な一撃ではイノケンティウスは殺せない!!」
上条「……ばーか。まだわかんねえのか? 前とおんなじやり方じゃ、俺は殺せねえよ」
上条がイノケンティウスに突き入れた右手。そこには無骨な鉄の塊が握られていた。
手のひらにすっぽり収まるほどの小型拳銃。
異能の力の介在する余地の無い、学園都市の『科学』の産物。
上条「人間ってのは、学んで、工夫して、困難を乗り越えていく生き物なんだぜ?」
パン、と驚くほど小さな破裂音が響き。
ステイルの体が崩れ落ちた。
ステイル「あ…が…!」
パン、パンと銃声が連続する。
ステイルはその右肩、左肩、右太もも、左太ももと順次撃ち抜かれていった。
ステイル「が…ぎぃ…!!」
痛みに悶絶し、のた打ち回る。
周囲に張り巡らせたルーンに魔力を供給する余裕はもう無い。
イノケンティウスはその体を散り散りに飛散させ、消滅した。
上条「芋虫になったのはお前だったな」
上条はステイルに歩み寄り、その体を蹴り上げて無理やり仰向けにさせた。
そして上条はステイルの口に銃口を突っ込む。
上条「さあ、今度はお前が言え。見逃してください、と。もう二度と俺には関わらないと」
上条「ああ、つってもこんなもん口に突っ込まれてちゃ喋れねえか。なら頷くだけでいいや」
パン、パンと銃声が連続する。
ステイルはその右肩、左肩、右太もも、左太ももと順次撃ち抜かれていった。
ステイル「が…ぎぃ…!!」
痛みに悶絶し、のた打ち回る。
周囲に張り巡らせたルーンに魔力を供給する余裕はもう無い。
イノケンティウスはその体を散り散りに飛散させ、消滅した。
上条「芋虫になったのはお前だったな」
上条はステイルに歩み寄り、その体を蹴り上げて無理やり仰向けにさせた。
そして上条はステイルの口に銃口を突っ込む。
上条「さあ、今度はお前が言え。見逃してください、と。もう二度と俺には関わらないと」
上条「ああ、つってもこんなもん口に突っ込まれてちゃ喋れねえか。なら頷くだけでいいや」
しかし、ステイルは苦悶に顔を歪めながらも、上条を睨みつけていた。
睨みつけたまま、頷こうとはしなかった。
上条「ヒュウ」
上条は思わず口を鳴らす。
上条「すげえな。大したモンだ。使命感か? それとも安っぽいプライドか? とても俺には真似できねえや。カッコイー」
ステイルの口がもごもご動く。
銃に邪魔されて全然発音できていなかったが、上条にはステイルの言いたいことが伝わった。
――貴様なんぞに、わかるものか。
上条「わからねえよ。知りたくもねーし」
上条は引き金に指をかけた。
ステイルは最後の力を振り絞り、その手に小さな炎を揺らめかせる。
神裂「待ちなさい」
突如、凛とした女の声が二人の間に割って入った。
睨みつけたまま、頷こうとはしなかった。
上条「ヒュウ」
上条は思わず口を鳴らす。
上条「すげえな。大したモンだ。使命感か? それとも安っぽいプライドか? とても俺には真似できねえや。カッコイー」
ステイルの口がもごもご動く。
銃に邪魔されて全然発音できていなかったが、上条にはステイルの言いたいことが伝わった。
――貴様なんぞに、わかるものか。
上条「わからねえよ。知りたくもねーし」
上条は引き金に指をかけた。
ステイルは最後の力を振り絞り、その手に小さな炎を揺らめかせる。
神裂「待ちなさい」
突如、凛とした女の声が二人の間に割って入った。
上条は声のした方に顔を向ける。
長い黒髪をポニーテールのように纏めた、非常にグラマラスな女がそこに立っていた。
へそを見せ付けるように裾を巻くって縛り上げたTシャツ、左側を大胆にカットしたジーンズがそのスタイルを一層引き立てている。
上条「……誰だおねえさん。もしかしてアンチスキルか? そんなユニフォームの奴なんて見たことねえけど」
ステイル「神…裂……」
上条「お? なんだよお前のお仲間かよ」
神裂「ステイルから離れなさい。それ以上は、私の魔法名にかけて許しません」
上条「一応確認。お姉さん、魔術師ってやつ?」
神裂「はい、神裂火織と申します。以後お見知りおきを」
上条「いや、いーよ別に」
パン! と銃声が木霊した。
長い黒髪をポニーテールのように纏めた、非常にグラマラスな女がそこに立っていた。
へそを見せ付けるように裾を巻くって縛り上げたTシャツ、左側を大胆にカットしたジーンズがそのスタイルを一層引き立てている。
上条「……誰だおねえさん。もしかしてアンチスキルか? そんなユニフォームの奴なんて見たことねえけど」
ステイル「神…裂……」
上条「お? なんだよお前のお仲間かよ」
神裂「ステイルから離れなさい。それ以上は、私の魔法名にかけて許しません」
上条「一応確認。お姉さん、魔術師ってやつ?」
神裂「はい、神裂火織と申します。以後お見知りおきを」
上条「いや、いーよ別に」
パン! と銃声が木霊した。
銃口から煙を吐く拳銃を握り締めたまま、上条は苦笑した。
上条「うっそぉ……」
神裂と名乗った女は、何事も無かったかのようにそこに立っていた。
絶対に当たるコースだったはずだ。なのに。
上条「銃弾避けたの? 魔術師って頭でっかちの学者さんじゃなかったのかよ」
神裂「聖人たる私にとってはさほど難しいことではありません。重ねて言います。ステイルからどきなさい」
ギラリ、と女の腰に下がっていた日本刀(のようなもの)が煌いた。
ぞわり、と寒気を感じて上条はステイルから離れ、地面に転がる。
ザシュザシュザシュ、と何かを切り裂くような音が七回響いた。
たらり、と上条の頬を汗が伝う。
上条「そうやって離れた所から斬ることが出来るのがアンタの魔術?」
上条「うっそぉ……」
神裂と名乗った女は、何事も無かったかのようにそこに立っていた。
絶対に当たるコースだったはずだ。なのに。
上条「銃弾避けたの? 魔術師って頭でっかちの学者さんじゃなかったのかよ」
神裂「聖人たる私にとってはさほど難しいことではありません。重ねて言います。ステイルからどきなさい」
ギラリ、と女の腰に下がっていた日本刀(のようなもの)が煌いた。
ぞわり、と寒気を感じて上条はステイルから離れ、地面に転がる。
ザシュザシュザシュ、と何かを切り裂くような音が七回響いた。
たらり、と上条の頬を汗が伝う。
上条「そうやって離れた所から斬ることが出来るのがアンタの魔術?」
>>296
それがサノスやドゥーム並に強かったらいいんだけどな……
それがサノスやドゥーム並に強かったらいいんだけどな……
神裂「『七閃』と名づけています。ステイル、無事ですか?」
神裂はあっという間にステイルの傍まで近づいてきていた。
驚いた上条は反射的に未知の敵『神裂火織』から距離を取る。
ステイル「無事…とは言いがたいな?」
神裂「腕は動かせますか?」
ステイル「ん…何とか……」
神裂「止血剤は持っていますね。なら処置は任せます」
ステイル「厳しいね、どーも。……インデックスの方はどうなった」
神裂「駄目ですね。一個の病院といえど、さすがは学園都市といった所です。あのセキュリティを突破するにはかなりの荒業を使わなければなりません」
ステイル「事を荒立てたくない僕たちからすればそれは難しい、か……そうか、それで君はここへ来たのか」
神裂「ええ、是が非でも、彼にインデックスを連れてきてもらわなければなりません」
神裂は、じっとこちらの様子を伺っている上条へ目を向けた。
神裂はあっという間にステイルの傍まで近づいてきていた。
驚いた上条は反射的に未知の敵『神裂火織』から距離を取る。
ステイル「無事…とは言いがたいな?」
神裂「腕は動かせますか?」
ステイル「ん…何とか……」
神裂「止血剤は持っていますね。なら処置は任せます」
ステイル「厳しいね、どーも。……インデックスの方はどうなった」
神裂「駄目ですね。一個の病院といえど、さすがは学園都市といった所です。あのセキュリティを突破するにはかなりの荒業を使わなければなりません」
ステイル「事を荒立てたくない僕たちからすればそれは難しい、か……そうか、それで君はここへ来たのか」
神裂「ええ、是が非でも、彼にインデックスを連れてきてもらわなければなりません」
神裂は、じっとこちらの様子を伺っている上条へ目を向けた。
神裂「話は聞こえていたでしょう? インデックスを連れてきてはもらえませんか?」
上条「……冗談。何で俺がそんなこと」
神裂「あなたは見ず知らずのインデックスを庇い、病院まで連れて行った。心根は善良なのでしょう」
上条「はあ?」
神裂「だから、私も真実を話します。私たちは何も彼女を殺そうとしているわけじゃありません。むしろ、彼女を助けるためにこそ私たちは行動している」
上条「おいおいわけわかんねえこと言い出したぞ聖人さん」
神裂「私達が早く彼女を保護しなければ……彼女は近いうちに死んでしまうのです」
上条「な…にぃ……?」
適当に聞き流そうとしていた上条の動きが止まった。
上条「……冗談。何で俺がそんなこと」
神裂「あなたは見ず知らずのインデックスを庇い、病院まで連れて行った。心根は善良なのでしょう」
上条「はあ?」
神裂「だから、私も真実を話します。私たちは何も彼女を殺そうとしているわけじゃありません。むしろ、彼女を助けるためにこそ私たちは行動している」
上条「おいおいわけわかんねえこと言い出したぞ聖人さん」
神裂「私達が早く彼女を保護しなければ……彼女は近いうちに死んでしまうのです」
上条「な…にぃ……?」
適当に聞き流そうとしていた上条の動きが止まった。
騙されるなー!
本当に助けたい対象ならダメージでないと思ってても刀で斬りつけたりしねえ!ww
本当に助けたい対象ならダメージでないと思ってても刀で斬りつけたりしねえ!ww
曰く、彼女には完全記憶能力が備わっている。
曰く、彼女の頭には103000冊の魔道書が詰め込まれている。
故に、彼女は脳の容量を著しく圧迫され、普段の生活の中で記憶できる量は限られている。
ではその容量を超えればどうなるか? 答えは死ぬ。なんとも簡潔な答えだった。
そして、記憶できる量はおおよそ一年。一年ごとに、記憶を消しながらインデックスは生きてきた。
生きて、死んでを繰り返してきた。
神裂「そして、今年の期限は刻一刻と迫っています。私達は一刻も早く彼女を保護し、処置を行わなければならないのです」
神裂は語り続ける。
何も知りたくないと何度も言った筈なのに。
まるえお構い無しだ。それ程余裕を失っているのだろう。
そのことが、さらに話の信憑性を増していた。
上条「……」
上条は愕然としていた。
知りたくも無いことを知ってしまった自分の不幸に。
そしてそれ以上に。
インデックスという少女に降りかかっていた不幸の凄まじさに。
曰く、彼女の頭には103000冊の魔道書が詰め込まれている。
故に、彼女は脳の容量を著しく圧迫され、普段の生活の中で記憶できる量は限られている。
ではその容量を超えればどうなるか? 答えは死ぬ。なんとも簡潔な答えだった。
そして、記憶できる量はおおよそ一年。一年ごとに、記憶を消しながらインデックスは生きてきた。
生きて、死んでを繰り返してきた。
神裂「そして、今年の期限は刻一刻と迫っています。私達は一刻も早く彼女を保護し、処置を行わなければならないのです」
神裂は語り続ける。
何も知りたくないと何度も言った筈なのに。
まるえお構い無しだ。それ程余裕を失っているのだろう。
そのことが、さらに話の信憑性を増していた。
上条「……」
上条は愕然としていた。
知りたくも無いことを知ってしまった自分の不幸に。
そしてそれ以上に。
インデックスという少女に降りかかっていた不幸の凄まじさに。
上条「すげえな…オイ」
自然と口をついて言葉が漏れた。
一年ごとに、死と再生を繰り返してきた少女。
思い出の蓄積を許されず、ただただ一年毎の死から逃れるためだけに人生を生きてきた少女。
大したものだ。目を背けたくなるような不幸だ。
いや、しかし、不幸の質と数では上条だって負けていない。
疫病神と呼ばれ生きてきた上条はそれだけは確信を持って言える。
でも、なのに、どうして。
それほどの不幸を負いながら。
――とーまはどうしてそんなに怯えているの?
誰かを気遣うことが出来るのか。
笑って過ごすことが出来るのか。
どうして、心が折れずに生きていくことが出来るのか――!
上条「……!!」
上条の心に、どす黒いモヤモヤが溜まっていく。
自然と口をついて言葉が漏れた。
一年ごとに、死と再生を繰り返してきた少女。
思い出の蓄積を許されず、ただただ一年毎の死から逃れるためだけに人生を生きてきた少女。
大したものだ。目を背けたくなるような不幸だ。
いや、しかし、不幸の質と数では上条だって負けていない。
疫病神と呼ばれ生きてきた上条はそれだけは確信を持って言える。
でも、なのに、どうして。
それほどの不幸を負いながら。
――とーまはどうしてそんなに怯えているの?
誰かを気遣うことが出来るのか。
笑って過ごすことが出来るのか。
どうして、心が折れずに生きていくことが出来るのか――!
上条「……!!」
上条の心に、どす黒いモヤモヤが溜まっていく。
大食いの理由は膨大な記憶の為に滅茶苦茶カロリー使うて話だが
せめて維持管理の金イギリスが出せよ毎度思うわ
せめて維持管理の金イギリスが出せよ毎度思うわ
上条「保護だなんて、笑っちまうよな」
神裂「……何?」
上条「アイツの背中を斬りつけたのはお前だろ? あんなにバッサリ斬りつけといて、よくそんなことをぬけぬけと言えるよな」
神裂「あれは…! あれは本意では無かった…! 彼女の歩く教会が顕在なら、軽い足止め程度にしかならないはずだったんだ!」
上条「言い訳すんなよ。さっき言ってたな? 昔は友達だったんだって? 仕事のためなら昔の友達にだって刃を向けれるか? カックイー、プロの鑑だね」
神裂「く……!」
ステイル「神裂、挑発だ、乗るな」
上条「友達をやめたのはなんでだ? どうせ奪わなければならない思い出なら最初から与えないほうがいい? それも言い訳だよな?」
神裂「黙れ…言うな……!」
上条「結局自分が可愛かったんだろ? 最後に思い出を奪うのが辛いから、一緒に思い出を作ることにびびっちまったんだろ?」
上条「インデックスは確かに不幸だ。でも、一番不幸だったのは……周りにお前らみたいな偽物の友達しかいなかったってことさ!」
神裂「だぁまれぇぇぇぇえええええええ!!!!!!」
神裂「……何?」
上条「アイツの背中を斬りつけたのはお前だろ? あんなにバッサリ斬りつけといて、よくそんなことをぬけぬけと言えるよな」
神裂「あれは…! あれは本意では無かった…! 彼女の歩く教会が顕在なら、軽い足止め程度にしかならないはずだったんだ!」
上条「言い訳すんなよ。さっき言ってたな? 昔は友達だったんだって? 仕事のためなら昔の友達にだって刃を向けれるか? カックイー、プロの鑑だね」
神裂「く……!」
ステイル「神裂、挑発だ、乗るな」
上条「友達をやめたのはなんでだ? どうせ奪わなければならない思い出なら最初から与えないほうがいい? それも言い訳だよな?」
神裂「黙れ…言うな……!」
上条「結局自分が可愛かったんだろ? 最後に思い出を奪うのが辛いから、一緒に思い出を作ることにびびっちまったんだろ?」
上条「インデックスは確かに不幸だ。でも、一番不幸だったのは……周りにお前らみたいな偽物の友達しかいなかったってことさ!」
神裂「だぁまれぇぇぇぇえええええええ!!!!!!」
>>20
死ね
死ね
神裂「何にも、何にも知らないくせに!! ほざいてんじゃねえぞド素人がぁ!!」
激昂した神裂は刀に手をかける。
上条は両手を広げて笑った。
上条「そうだ! 来いよ! おためごかしなんて捨てて、苛々を俺にぶつけてみろ!! ムカついてんだろ!? お前等の計画を引っ掻き回す俺に!!」
上条「俺だって同じさ!! いい加減てめえら魔術師って奴にはイラついてる!! だったら簡単だ、それをぶつけ合おうじゃねえか!!」
上条「今さら話し合いで解決できるなんて、そんな幻想抱いてんじゃねえよ!!」
神裂「『七閃』!!」
神裂の言葉と同時にギラリと刃が煌く。
さっきと同じように、抜刀したようには見えない。
にもかかわらず、七つの斬撃が上条のもとへと確かに向かう。
上条「はっ!! たとえどんな魔術だろうが俺の右手で消し去ってやるよ!!」
いや、待て。
上条は足を止める。
今、あの女は『魔法名』とやらを名乗ったか?
激昂した神裂は刀に手をかける。
上条は両手を広げて笑った。
上条「そうだ! 来いよ! おためごかしなんて捨てて、苛々を俺にぶつけてみろ!! ムカついてんだろ!? お前等の計画を引っ掻き回す俺に!!」
上条「俺だって同じさ!! いい加減てめえら魔術師って奴にはイラついてる!! だったら簡単だ、それをぶつけ合おうじゃねえか!!」
上条「今さら話し合いで解決できるなんて、そんな幻想抱いてんじゃねえよ!!」
神裂「『七閃』!!」
神裂の言葉と同時にギラリと刃が煌く。
さっきと同じように、抜刀したようには見えない。
にもかかわらず、七つの斬撃が上条のもとへと確かに向かう。
上条「はっ!! たとえどんな魔術だろうが俺の右手で消し去ってやるよ!!」
いや、待て。
上条は足を止める。
今、あの女は『魔法名』とやらを名乗ったか?
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