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    元スレ上条「まきますか?まきませんか?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - 黒子 + - なんでも屋さん + - クロス + - サーシャ + - チキチキ + - ツンデレ + - ヒナギク + - ホーリエ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    307 = 263 :

    落ちたかと

    308 = 286 :

    309 :

    興味部会

    310 = 309 :

    314 :

    規制解除記念

    がんばってくだひゃい

    315 = 263 :

    緒とさせん

    317 :


    「水銀燈。貴女はまだ、アリスゲームを続けるつもりなの?」

    右手を下ろし、真紅は水銀燈に問うた。

    「・・・貴女、ながく眠りすぎて頭のネジでも錆びたんじゃない? アリスになってお父様に会う。それ以外に何の目的があるって言うのぉ?」

    応える声は冷たい声。
    何を当たり前のことを。そう言っているように、水銀燈は口の端に嘲笑を浮かべる。

    「そうじゃないわ」

    真紅は首を横に振り、

    「アリスになる。それについては何も言うつもりはない。だけど、姉妹で争うことをやめるつもりはないのか、と聞いているの」

    319 = 317 :

    「・・・・・・」

    「水銀燈?」

    「・・・真紅、貴女正気ぃ? お父様のお言葉に背いて、それで本当にお父様が喜んでくださると思ってるわけぇ?」

    「背くわけじゃないわ。私はアリスを目指す。ただ、アリスゲームに依らない方法で、というだけよ」

    「・・・あっきれたぁ。お父様に疑問を持つなんて」

    「そうじゃないわ、私は」

    「黙りなさいっ」

    それまでの、嘲りの響きはあっても穏やかだった水銀燈の声が一転、厳しい怒りを帯びたものに変わった。

    320 = 317 :

    「・・・・・・」

    叩きつけるような言葉と視線に沈黙する真紅。

    水銀燈は続ける。

    「お父様を愚弄するなんて・・・真紅、貴女には薔薇乙女の資格なんかない。いいえ、貴女が薔薇乙女であることそれ自体が、お父様に恥をかかせているのよ」

    「・・・・・・」

    「決めたわ真紅。貴女は手足をもいで殺してあげる。顔をぐしゃぐしゃに潰して首を落としてあげる。貴女のローザミスティカは、かみ砕いてから飲み下してあげる」

    「・・・・・・」

    「どんなに泣き叫んでも手を緩めたりしないわ。貴女をがらくたにしてアリスになり、お父様には貴女という失敗作を忘れるよう、お願いすることにするわ」

    321 = 317 :

    「そう・・・なら、仕方ないわね」

    「だったらなぁに? どうするっていうのぉ?」

    「こうするのよ。・・・ホーリエ!」

    真紅の声が無人の廊下を叩き、一拍の間を置いて上条の部屋の中から、バン!と音が響いた。

    「!」

    真紅の背後にいた上条が驚いた様子で自分の部屋に目を向ける。

    開け放たれた玄関。ドアを撃ち抜こうかと言う勢いで、赤色の光球が飛び出した。

    水銀燈を避けるように大きく楕円の軌道を描き、下げた真紅の左腕に、寄り添うように纏わり付いた。

    それは大きさ、光量ともに、水銀燈の背後に浮くモノと比肩する。

    何のために呼び出したのか、そんなことは考えるまでもない。

    322 = 317 :

    「真紅」

    呼び掛けたのは上条。

    「お前、戦うつもりなのか?」

    姉妹同士で殺しあわない。彼女は確かに、そう言ったはず。

    だが真紅は振り返らない。

    「当麻。貴方もわかっているのでしょう? 話し合いだけですべてを解決するのは無理だということくらい」

    「それは、」

    事実だ。

    いままで上条自身、何かを護るために多くの者にそのコブシを振るい、様々なモノを破壊してきている。

    誰かを護るために戦ったという言葉は、裏を返せば護るために誰かを傷つけたということなのだから。

    323 = 317 :

    「・・・・・・」

    上条は口をつぐむしかない。

    「当麻」

    真紅は肩越しに振り向き、上条に向けていた微笑んだ。まるで信じてほしい、とでも言うように。

    「・・・・・・」

    そうだ。

    リビングで聞いた言葉と、ここで投げ掛けられた言葉。

    上条はそのどちらも信じたから、指輪の誓いを結んだのだ。

    ならば自分がいま出来ることは、たったひとつしかない。

    軽く頷き、右手を握る上条。

    そのコブシからは、包帯はとられなかった。

    324 = 316 :

    お猿さんしっし

    325 :


    「・・・人工精霊を出されたら面倒ね」

    対する水銀燈は、上条と真紅の様子に顔をしかめながら、右掌を上に向ける。

    「おいで、メイメイ」

    それに応じたメイメイが、ふわりとその掌の上に移動する。

    続いて水銀燈の右手の剣が、先端からひび割れ―――羽毛に変わって砕け始めた。ハラハラと落ちるその羽毛を、大きく羽ばたいた翼の風が吹き飛ばす。

    舞い上がり、意思持つように真紅と上条に群がりかけたその羽毛は、しかしホーリエが音なく放った光の矢に射抜かれて、一瞬で燃え尽きた。

    その間に、水銀燈は距離にして大人数歩く分、距離をとっている。

    326 = 325 :


    「逃げるつもり?」と、真紅。

    どこか挑発的にも聞こえるその声に、

    「そうよぉ?」

    水銀燈はニヤリと笑みを浮かべた。

    「いまの貴女を相手にするには、ちょっと手駒が足りないわ。そっちの人間に邪魔されても不愉快だし・・・今日はここまでにしておいてあげる」

    再び翼をはためかせ、ふわり、と浮き上がる水銀燈。

    「じゃあねぇ、真紅。次に会ったときはジャンクにしてあげるわ。人間も、あのテーブルの借りは必ず返すから楽しみにしていなさい」

    327 = 325 :

    「・・・待てよ」

    だが黒衣の人形が飛び去ろうとするその直前に、それをとめる声があった。

    真紅ではない。その背後に立つ、上条だ。

    「・・・・・・」

    水銀燈の動きがピタリと止まり、視界の端で真紅が見上げてくるのが見える。

    それに構わず、上条は続けた。

    彼には聞くべきことがあるのだ。

    「この結界は誰の仕業だ?」

    ダン、とエレベーターのボタンを叩く。コブシに押しつぶされたボタン。それでもやはり、微動だにしないボタン。

    328 = 325 :

    「結界? 何の話ぃ?」

    「と、とぼけるなよ! お前か、お前でなけりゃ仲間の魔術師がいるはずだろ!」

    「・・・ねぇ真紅。この男、何を言っているの? 結界? 魔術師? ふふっ、おかしいんじゃないのぉ貴方」

    上条の言葉を鼻で笑いとばしてから、水銀燈は真紅を見た。

    「真紅、狂った貴女にぴったりの契約者だと思うわ。あはははは、とんだ人間を選んだものねぇ」

    視線には嘲りの色。

    「でもそうねぇ、人間、貴方が可哀相だから一応教えてあげるわぁ」

    その色のままの声で、水銀燈は上条に目を向けた。

    329 = 325 :

    「わたしには仲間なんかいないわよぉ。わたし、おばかさんも足手まといも大嫌いだからぁ」

    そしてそれ以上話をするつもりはないと言うように、翼を羽ばたかせ、身を翻す。

    「くそっ、待ちやがれ!」

    上条は手摺りに駆け寄って手を伸ばすが、届くわけがない。離れていく背中を見送るだけだ。

    黒い背中は瞬く間に小さくなり、すぐに視界から消えた。

    「・・・行ったようね」

    真紅が軽く息を吐き、体から力を抜いた。感じていた水銀燈の気配が消えたのだ。
    どこか手近なところからNのフィールドに入ったのだろう。

    330 = 325 :


    「・・・・・・」

    「・・・当麻?」

    何も言わない上条を見上げる真紅。

    だが上条は応えない。視線さえ向けず、水銀燈が飛び去った方向を凝視している。

    もう、水銀燈の翼は見えない。戻ってくる気配もない。

    戦いは終わっている。

    しかし上条は、左手を手摺りに叩きつけた。

    「っ」

    返ってくる感触がいつもよりもずっと硬い、つまりいまでも結界が機能していることを確認してから、真紅に目を向ける。

    331 :

    さるよけ

    332 = 325 :


    「真紅、教えてくれ。お前やお前の姉妹に、魔術を使えるやつはいないのか?」

    「・・・当麻の言っている魔術がどういうものなのかは、私にはわからない。だけどもし、この廊下にその『魔術』がかかっていて、それが人の出入りを限定するような種類なのだとしたら・・・」

    真紅は一度言葉を切り、

    「私たちには、そんな力はないのだわ」

    「・・・・・・」

    (力が、ない)

    どういうことだ?

    水銀燈が自分たちを逃がさないために結界を張ったわけではないのか?

    いやそもそも・・・彼女はこの結界の存在を知らないのか?

    333 = 331 :

    しえん

    334 = 325 :

    もちろん水銀燈が嘘をついていない保証はない。

    水銀燈自身が魔術を行使できないのなら、別の第三者が介入する以外にないではないか。

    単に仲間というカテゴリーに属さないだけで、利害が一致する『敵ではない』相手がいる可能性も十分にある。

    だが、上条の目に映った水銀燈という存在は、そういったくだらない言葉遊びをするタイプではないように思えた。

    仮に協力者がいるとしても、おそらく今回の戦いに参加させただろう。

    「だったら、」

    335 = 325 :

    魔術師は、水銀燈と繋がりがない?

    いやそもそも、この戦いと『結界が張られていること』自体に関係がなかったとしたら・・・

    「!」

    上条は目を見開いた。

    インデックス。

    朝から出掛け、上条の傍にいない少女。

    禁書目録と呼ばれ、全世界の魔術師が恐れ、欲している存在。

    出掛けた先は、比較的訪れる頻度が高い場所だ。

    上条がいないため、待ち伏せの魔術を仕掛けることが容易な場所だ。

    その先にいるのは魔術師でも能力者でもない一般人と、特定種族以外には一切効果を発揮しない能力者だけだ。

    「そっちかよっ!」

    上条が奥歯を噛み締め、再び手摺りを殴り付けた。

    ガンッと音が響く。

    結界の中。

    返ってくる感触は、いつもよりずっと、硬い。

    336 = 325 :

    本日はここまでとなります。
    次の投下は、明日の昼以降になると思います。
    それまで残っていればですが。

    読んでくださった方、ありがとうございました。

    では。

    338 = 302 :

    339 = 300 :

    おもしろい、期待してる

    341 :

    保守ついでに質問
    この話で禁書ネタバレするのはアニメ板(原作6巻)まで?
    それ以降のネタバレ含む予定なら直ちに去ります

    342 :

    おつかれ

    344 :

    ほおお

    345 :

    ちょっと原作買ってくる

    348 :

    >>346
    ネタバレ注意

    349 :

    >>348
    マジで?


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