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    元スレ上条「まきますか?まきませんか?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - 黒子 + - なんでも屋さん + - クロス + - サーシャ + - チキチキ + - ツンデレ + - ヒナギク + - ホーリエ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 :

    クロスSS(笑)
    劣化ジョジョとローゼンのクロスオーバー
    誰でも思いつきそうな作品だなwwwww

    152 = 150 :

     やけにあっけからんとした部屋の片隅で、黒縁の眼鏡を掛けた少年は、だらしなくもうつ伏せになり、ただただ物思いに耽っていた。
     「真紅……」
     彼は時折そう呟くと、目から一筋の涙を流した。今、彼の頭の中を支配しているのは、自身が信じ難い事実か、空想上のたれごとか。
     真紅が死んだ。否、正確には、体を奪われた。
     少年には、この事実が嘘か誠か、判断する術はない。それは何故か? 答えは簡単である。真紅どころか、他の全ての人形、さらには人工精霊もはたと姿を消したからだ。彼にはもう、何も残されてなどいなかった。

    154 = 150 :

     「僕の…僕の所為だ」
     少年は自分を責めた。責め続けた。あの時、彼女たちの異変に気づいていたら。あの時、助けを呼ぶ声を聞いて聞かぬふりをしなかったら。
     「うあああああああ!」
     感情が爆発し、とめどなく涙が溢れ出た。拭えど拭えど、それは一向に留まるところを知らない。やがて少年は泣き疲れると、自然と夢の中へと落ちていった。深い深い、偽りの夢の中へと。

    155 :

    明らかに別人だろ、書き方が違う点で

    156 = 153 :

    書き方が違う点だけでは別人とは言い切れないだろ
    ジュンサイドになったから急に書き方を変えたのかもしれないじゃないか

    157 = 150 :

     「ハッ?」
     突然、少年は机の上から顔を上げた。表面には涙や涎のあとが世界地図を象っている。
     「僕はいつの間に寝てしまったんだ……」
     そう一人ごちて、くるりと頭を反転させる。床には見慣れた鞄が一つ。果たしてそれは空っぽの箱に過ぎない事は自明であった。
     「真紅……ごめん」
     左手の薬指にかつて填められていた指輪の痕を撫でながら、ゆっくりと鞄へと近づいた。そして無駄だと分かっていながらも、蓋に手を掛けた。
     「あ……れ?」
     おかしな事だ。これは悪い夢なのかもしれない。いや、ひょっとして、やはり僕の思い違いだったのか。いずれにせよ、構わない。
     「真紅ッ!」
     少年は感極まって、思わず横たわる人形を抱きかかえた。それ程日が経っていない筈の、どこか懐かしい肌触り。間違いない、これは真紅だ。
     「真紅、真紅! ごめん、僕が……僕が悪かった!」

    158 :

    一行がなげぇ

    159 = 150 :

     暫く感涙に耽っていた少年だったが、真紅を離してみてようやくその異変に気づく。いつもならば、鉄拳制裁が来る筈なのに、彼女は未だぐったりとしたままだ。
     真紅が、目を覚まさない。
     「そ、そうだ、ゼンマイを巻けば……」
     慌てて鞄の中をまさぐる。しかし、何処にもゼンマイなど見当たらない。
     「ゼンマイッ……どこだ、どこにあるんだよっ!」

    160 = 150 :

     その時、部屋のドアがギィ、という音を立てた。ゆっくりとドアが開き、誰かが入ってくる。少年はその方へと首を回し、虚ろな目でじっと見据えた。
     「姉ちゃん……?」
     「残念だけど、君の期待に添えないかもしれないよ」
     そこにいたのは、蒼星石だった。体に不釣り合いな大きなシルクハットと、これまた大きな鋏を携えた、オッドアイの第四ドール。
     「お前っ! 動かなくなった筈じゃ……?」
     「ローゼンメイデンは、ローザミスティカが無ければただの器と化す。もしそれ自体が、たれごとだとしたら?」
     蒼星石は無表情のまま、静かに少年へと詰め寄っていく。少年は思わずたじろき、真紅を抱えたのとは逆の手で制止しようとした。
     「くっ、来るな!」

    161 = 150 :

     刹那、蒼星石は歩くのを止め、左手をすっと彼の前に差し出した。
     「君の捜し物はこれかい?」
     少年は目を見開き、風の如くそれをひったくると、真紅の背中に慎重に当てがった。
     「じゃあ、僕はもう行くよ」
     蒼星石の言葉を無視して、必死な目付きで真紅の起動を待つ。
     「真紅、目を覚ましてくれ!」

    164 = 153 :

    165 = 153 :

    ほしゅなんだよ

    167 = 150 :

     バシーン。突如、頬に走った鋭い衝撃。少年は驚いて手中の少女を見つめた。
     「全く、人間の雄は想像以上に下劣ね」
     それが、彼女の発した最初の台詞だった。少年は動じる事なく、しかしぎゅっと力強く抱き締めた。
     「真紅、よかった……よかった!」
     「ちょっと、いい加減放しなさい!」
     真紅の猛攻を物ともせず、少年は決して放そうとはしなかった。業を煮やした彼女はひとまずとある作戦に打って出た。
     「人間、残念だけれど貴方はここで死ぬわ」
     「えっ」
     隙を見せた彼の鳩尾にそこ突きを繰り出し、何とか彼の拘束から抜け出すと、数歩間の距離を取って、
     「人間、名前は?」

    168 = 150 :

     一瞬、彼女から投げ掛けられた質問の意味が分からなかった。これは愚問にも程がある。一体何の冗談なのか分からぬままに、
     「さ、桜田ジュン……」と受け答えた。
     「そう。早速だけどジュン、私は貴方に選択を迫るわ。死にたいのなら、私の事は放っておく事。死にたくなければ……」
     すっ、と指をジュンの左手に突き出した。
     「その指輪に誓いなさい。この真紅のローザミスティカを護ると」

    169 = 150 :

     違う。これは真紅なんかじゃない。
     そう思うと同時に、部屋の窓ガラスが心地よい音を立てて粉砕され、床にくまのブーさん人形が降り立った。
     「あっ、あいつ、僕が直した……」
     言い終わるか終わらないかの内に、ビュッと音を立てて包丁が飛んできた。それはジュンの頬を掠め、後ろの壁に垂直に突き刺さった。
     「おい、何するんだよ! 僕を覚えてないのか? お前を直してやったんだぞ!」
     ブーさんは耳を貸さず、鼻息を荒く立てながら接近してくる。
     (だめだ。このままじゃ、殺される)

    170 = 150 :

    党員がいないと書きやすくてたまらんね
    というほしゅ

    171 :

    ローゼンオンリーでやられても…

    172 = 121 :


    室内に撒き散らされたガラスが、幸いにも上条のいる位置までは飛び散ってこなかった。

    曲がりなりにも能力者を預かっている学園寮だ。何かの災害、もしくは能力の暴発で窓が割れることは想定されている。車のフロントガラスのように、多少の衝撃ではヒビが入るだけ。砕けても、ばらばらにあって周囲に飛び散らない材質のものが使われている。

    しかし、その代わりというわけでもないだろうが、飛び込んできたものは、そこにいた。

    黒色のドレス、黒色のヘッドドレス、黒色の靴。そしてその背に生える黒色の翼。

    真紅の赤に対してなお、その身に纏った黒が映えるのは、その透き通るような見事な銀髪のせいだ。

    真紅と同じような小さな体、真紅と同じような白い肌、真紅と同じような、整った顔立ちのそのモノは、真紅とはまったく違う妖艶な微笑を口元に浮かべ、真紅が先ほどまで座っていたソファーの真上に浮遊していた。

    173 = 121 :


    真紅「・・・水銀燈!」

    上条の腕の中で、赤が小さく、しかし鋭く囁いた。

    それに応ずるように、黒がその目を真紅に向ける。

    「お久しぶり、真紅」

    口元に浮かぶ妖しい笑みは変えないままに、艶味を帯びた声がリビングに響いた。

    上条「な・・・」

    上条の口からあっけにとられたような声が漏れた。

    いきなりの窓の破壊。それと同時に飛び込んできた影。

    問答無用で、敵である。少なくとも上条には窓ガラスを突き破って訪問してくる知り合いはいない。

    約一名、ベランダにひっかかっていたという訪問者も過去にはいたが、その訪問者はいまは同居人である。

    その敵と思しき相手が、真紅と見た目は親しげに挨拶を交わしている。上条が一瞬だけ戸惑うのも無理はない。

    174 = 121 :



    真紅「・・・やっぱり、窓というのは不便なものだわ。こうして容易に侵入を許してしまう。英国で窓税があったのも頷けるのだわ」

    真紅が散らばる破片と、黒―――水銀燈とを交互に見ながら言った。言葉はおそらく、ただの軽口なのだろう。しかしその内容とは裏腹に、口調には緊張感が満ちている。

    水銀燈「ずいぶんお久しぶりねぇ真紅。その男が新しい主人なのぉ? ・・・ふふ、相変わらず男が好きなのね。いやらしい」

    くすくすと笑うその仕草は真紅のそれに通ずるところを持ちながら、しかし、まったく異なった破滅的な色を帯びている。

    真紅「大きなお世話よ水銀燈。当麻は私のマスター。それ以上侮辱するなら、許さないわ」

    ぎゅっ、と上条のシャツを、その小さな手で握る真紅。

    それは不安に駆られた行動のようにも見え―――逆に、上条を少しでも守ろうとするような、そんな仕草にも見えた。

    175 = 121 :


    水銀燈「うふふふふ・・・怒った顔も相変わらず、不細工なのね」

    真紅「・・・・・・」

    真紅は挑発に乗らない。ただ沈黙を返すのみだ。

    何も言わない真紅に、水銀燈は、ふん、と詰まらなさそうに鼻を鳴らす。

    水銀燈「・・・つまんなぁい。あなたなら絶対に乗ってくると思ったのに」

    上条「・・・おい、真紅。こいつが、お前の言った『姉妹』なのか?」

    上条はわずかに腰を落とし、油断なく水銀燈と呼ばれた人形を見ながら問うた。

    相手の黒い翼は羽ばたいていない。それでもなお空中に浮かんでいるのは、何かしらの能力の作用に違いない。

    それに、窓ガラスは相手が入ってくる前に割れ砕けたのだ。何か飛び道具のようなものをいきなり飛ばしてくることだってあり得る。

    慎重すぎて困ることはない。

    魔術師との戦いで身にしみた教訓が、上条の右手を下げさせなかった。

    真紅「そう。彼女の名前は水銀燈。私と同じ、薔薇乙女よ」

    水銀燈「いやだわぁ真紅。自己紹介くらい、自分でさせてほしいものねぇ」

    そう言って、水銀燈は真紅から上条に視線を移した。

    176 = 121 :


    水銀燈「はじめまして、人間。わたしの名前は水銀燈。誇り高き薔薇乙女の第1ドール」

    上条「・・・・・・」

    水銀燈「よろしくねぇ。そして、」

    その言葉に合わせ、ぶわっ、と音をたてて、黒い翼が持ち上がる。

    上条「!」

    水銀燈「さようなら」

    水銀燈の翼から、数条の黒い羽が飛び出した。

    その鋭利な根元を前に向け、一直線に上条に向かう。

    上条「うおっ!」

    床を左に蹴る上条。一瞬遅れて、いままで上条の頭があった場所を羽が凪いでいく。

    177 = 153 :

    マスターなんだ

    178 = 121 :


    水銀燈「あら残念。その不細工な顔を、もっと見れるようにしてあげようと思ったのに」

    羽をかわされた水銀灯が、ばさり、と再び翼を羽ばたかせた。左側に移動した上条に正対し、まだカップが載ったままのテーブルに着地する。

    真紅「やめなさい水銀燈!」

    水銀燈「おばかさぁん。なんでやめる必要があるのぉ?」

    翼がさらに大きく羽ばたいた。

    水銀燈「もうアリスゲームは始まっているのよぉ? わたしと会えばこうなることくらい、わかってたでしょう」

    真紅「水銀燈!」

    再びの射撃。

    上条「くっ!」

    対する上条は崩した体制を床に手をつくことで整えると、再び床を蹴る。

    リビングからキッチンに飛び込んだ。置かれている棚に手を突き、さらに跳躍。キッチン中央付近で体制を立て直すと、右手を構えながら真紅に視線だけ向けた。

    179 = 121 :


    上条「真紅っ! 大丈夫か!?」

    相手の放ってくる羽は、とてもじゃないが目でおえる速度じゃない。上条は反射だけで羽をよけているのである。

    飛んでくるシステムはわからないが、おそらく魔術によるものだ。もしくは、能力か。いずれにしても異能には間違いない。

    だが、それが異能であり、打ち消すことができると言っても、それと上条の防御行動とは繋がらない。

    レールガンを上条が防御できるのは、その電気的特性ゆえに、右腕を突き出せばそこに集まるようになっているからに過ぎない。黒い羽に、そんな特性を期待するほど楽天家ではなかった。
    何より、右手はひとつだけだ。同時に複数飛んでくる羽には対処できないのである。

    真紅「ええ、私は」

    水銀燈「人のことの心配をしている余裕があるのぉ?」

    水銀燈の声が、真紅の言葉をさえぎる。

    あわてて視線をあげる上条。テーブルから飛び立つように、水銀燈がこちらに文字通り『飛び掛って』きていた。

    上条「!?」

    上条の顔が引きつる。いつのまに取り出したのか、どこに持っていたのか、その両手には大振りの剣が握られていた。

    180 = 121 :




    上条「ちょっ、どこからっ!」

    そんな抗議の声を無視して、一飛びで間合いを詰めてきた水銀燈の手が、剣を振り下ろした。

    上条「くうおおっ!」

    全身全霊で身を捻り、真上からの一撃を回避する。左肩を引き、半身になった上条。その左頬、左肩、そして抱えた真紅のドレス裾ギリギリを通って、剣先が床に傷をつけた。

    回避成功。だがその代償は大きい。

    元々上条に格闘経験はないのだ。けんか慣れしているせいもあって下手な格闘家よりもずっと荒事には強いが、だからと言って技術的に卓越しているわけではない。

    無理な方向転換。そのせいで、上条の脚がもつれる。疲労ではない。元々、回避できるタイミンや体勢ではなかったのである。

    バランスが崩れ、右手を床についた。

    上条「っ!」

    捻挫した手首が痛み、上条の体がこわばった。

    それを見逃す水銀燈ではない。

    181 = 121 :



    水銀燈「うふふ」

    ぞっとするような笑みを浮かべ、黒い人形が剣を構えた。バッターのように肩に担ぐ構え。位置関係は、上条から見て左斜め上。

    そのまま斜めに振り下ろせば、真紅ごと彼の体は両断される。
    右手は床についてしまい、すぐには振り上げられない。左手は真紅をかかえている。まさか彼女を盾にするわけにはいかない。

    振り上げられた剣が下ろされれるまでの一呼吸。

    上条(くそっ! なんかないのか! あれを防げるような・・・!)

    上条は諦めない。視線をめぐらせ、現状を打破できるものを探す。

    だがその努力をあざ笑うかのように。

    水銀燈「さようならぁ」

    上条の耳に、剣が振り下ろされる、ぶん、と小気味よい音が響いた。

    182 = 121 :

    書き溜め分終了しました。
    再び書きために戻ります。

    あんまり見直してないので、多少の誤字は見逃してやってくだされば助かります。

    183 :

    おk
    できればコテつけてくれ

    184 = 116 :

    まずは上げてやんよ

    185 = 150 :

     バッと傍らの真紅を見やる。風前と立っているその出で立ちや見た目は、どう見ても真紅。セイント何とかではない。だが……何か、何かが違う。真紅以外の、偽物だ。
     (でも、今はこいつと契約するしかないんじゃないか)
     契約をしようがしまいが、いずれにせよきっと死ぬ。ならば、まだこの先生キノコる可能性に掛けてみようと思い立った。指輪に顔を近づけ、契りを結ぶ儀式を行った次の瞬間には、部屋に赤い薔薇の花弁が舞っていた。
     「いい子ね、ジュン」

     あれからというものの、どうも不可解な点が多い。というか多すぎる。どれも附に落ちない物ばかりである。
     まず、あのブーさん人形だが、僕が修繕した形跡は一切なかった。しかし、あれは確かにあの日のブーさんと同一の筈だ。僕には分かる、直接触れて直した者だから。
     そして何より、この真紅がまるで記憶をさらわれたかのように振る舞っている点だ。
     「……ちょっと! 届かないわ、開けて頂戴」
     真紅はドアのノブに手を届かせようともがいている。真紅専用台の存在を忘れているのか。
     「しょうがないな……」
     僕は指摘するのもアホらしく、率直に彼女を抱きかかえると、ノブを回して部屋を出た。

    186 = 150 :

     「狭苦しい家ね。信じられないわ。どこかで紅茶が飲みたいわ」
     ジュンの腕の中で、真紅はぺちゃくちゃと喋り続ける。まるで、あの頃と同じだな、とジュンは脳の片隅で思った。
     「あらっ、この部屋はなにかしら、ジュン」
     真紅の指した部屋は、トイレだった。まさかーーー。
     「狭いけど、落ち着いた雰囲気ね。香水も好みだわ」真紅は便座を軽く叩きながら、「ここに紅茶を持ってきて頂戴」
     果たして、ジュンの予感は的中したのである。

    187 = 150 :


     「まあっ、この子が真紅ちゃんっていうの? クレバーなのねぇー」
     「気安く触らないで」
     手を出し掛けたのりに、素早く通称巻き毛ウィップを繰り出している。このそっけない態度は、まさにあの頃の真紅そのものだ。
     「でもお姉ちゃん、びっくりしちゃったわよぅ! ジュンくんの事だからてっきりダッ……」
     「死ね!」
     こんな会話したの、凄く久々な気がする。実際には一月程度しか経っていないのにも関わらずだ。
     そうか。僕は勉強や復学のことで必死になりすぎて、こんなたわいもない会話をして来なかったんだ。だから真紅は……
     「ジュン、ダッ……って何かしら」
     「さ、さあ。それより、紅茶どうぞ」
     真紅は差し出された紅茶を受け取ると、そっと口へと運んだ。
     「……美味しいわ。凄く、美味しい」
     真紅はそう言って、僕の目をじっと見据えてきた。真紅のことだ、きっと紅茶に込められた真紅への想いを感じ取ったに違いない。
     「お前の為に何回もいれてきたんだ。美味しくて当たり前だろ」
     僕は自信満々にそう言ってやった。

    188 = 150 :

     「あら……貴方、変なことを言うのね。貴方からいれられた紅茶はこれが最初じゃない」
     「ああ、まあ、そんな事どうだっていいだろ。お前さえいれば、どうだって……」
     ジュンの脳裏に、あの突如訪れた悲劇が蘇った。

     「真紅ッ!」
     ジュンの呼ぶ声も虚しく、真紅は薔薇を象った罠へと飲まれていく。
     「ジュン、私の事はいいから、早く逃げなさい!」
     真紅は枯れた声で必死に訴えるが、ジュンは首を横に振って、
     「僕がお前を助ける!」
     今はもう無き指輪のはめられた左手を握りしめ、蜘蛛の糸を模した白薔薇の上を慎重に渡っていく。
     「させませんわ……」
     白い人形の手から放たれた茨がジュンの体を捕らえ、拘束されてしまった。いくらもがいてもそれは窮屈に締め付けるばかりで、解けない。もはや、真紅の救出はおろか、自分の命の存続さえも絶望的だった。
     「真紅、真紅ーーーッ!」

    189 = 150 :

     僕が、もっと早く気づいていれば、こんな事にはならなかったのに。ジュンの頭の中を、後悔の二文字だけが支配していた。

     「ちょっとジュン……ジュン?」
     呼び掛けられた声でハッと我に返った。真紅がズボンの裾をぐいぐいと引っ張っている。
     「何だ、何か用か?」
     「どうしてさっきから泣いているの、ジュン?」
     ジュンはハッとして顔に手をやった。頬が濡れている。僕は知らず知らずの内に涙を流していたらしい。
     「ああ、いや、何でもない」
     「そう。ならいいけど……」真紅は踵を返そうとして、「貴方、おかしな人間ね」

    190 :

    なんか書き手が二人いるみたいだけど片方禁書とクロスしてるのか?

    191 = 171 :

    なんでこのスレタイでローゼンオンリー書いちゃってるのかが理解できない

    192 = 150 :

     「えっ」
     予想外の言葉に、思わず振り返る。
     「だって貴方、まるで私に会っていたかのような言動をしたり、そうやって一人泣いていたりするじゃない」
     「だから、言っただろ。僕はネットでお前達の事を知りすぎて、現実に生活してたような幻覚を見たりするって。今泣いてたのも、お前が、お前が……」
     再び、涙腺に溢れ出てきた。なんだこの汗は。
     「おっ、お前が……僕をかばって……!」
     もう、話を続けるのは無理だった。

    193 = 150 :

    >>191ただの保守だから気にしなくていいよ

    194 = 190 :

    >>193
    邪魔な保守だと思うんだがどうよ?

    195 = 114 :

    とりあえず読んでるやつがいるとは思えない

    196 = 150 :

    >>194過去スレじゃ許容されてた奴もあるけど時代の流れか

    197 :

    きっと新時代(笑)が到来したんだよwww

    198 = 171 :

    せめてスレタイに沿わせようぜ

    199 :

    それかスレ立ててやるとか

    200 :

    このスレは下手に上げないほうがいいな


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