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    元スレ上条「まきますか?まきませんか?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - 黒子 + - なんでも屋さん + - クロス + - サーシャ + - チキチキ + - ツンデレ + - ヒナギク + - ホーリエ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 23 :

    >>49
    まずジャンルが違うんだから比べ様が無いだろ

    53 :

    >>49
    いいから黙って相棒みてろよ

    54 :

    >>49
    つまんないから相棒でも見とけ


    俺はつまんなくても楽しめるから禁書を見るよ

    58 :

    これは面白そうだな
    ローゼンが魔術師設定ならインデックスの10万3000冊にもあるし

    61 :

    イマブレで触ったらただの人形になっちまうんじゃ・・・

    62 = 4 :

    蟹味噌「私への投票が1票もないかしら~」

    63 = 57 :

    >>62
    ん?誰だお前

    65 = 21 :

    他はただの人形になるとしてきらきー右手で触ったらどうなんの?

    66 :

    >>65
    霧散するとしか思えねぇ

    というか鏡触ったらnのフィールド消えるのか消えないのか。

    68 :

    nのフィールド入れなさそうだし話作るの厳しそうだな

    69 :


    上条「こんな赤色の人形を持ってるとはねぇ」

    彼の言葉どおり、人形は全身で赤を纏っていた。

    洋服は言うに及ばず、ヘッドドレス、襟元の薔薇、履いている黒色の靴も光の加減によっては赤みを帯びて見える。

    異なる色と言えば、髪の金と肌の白くらいだろう。

    上条「赤と白と金色でめでたしめでたしってところですか」

    極めて日本人的発想を口にする上条。

    いまだ日本の文化に馴染みの薄いインデックスにそれはないにしても、上条的には白い少女が赤い人形を抱いている情景は妙に縁起がよいように思えたのだった。

    70 = 69 :


    上条「あ、そういや大丈夫かな」

    覗き込むようにして人形を見ていた彼の顔に、若干の緊張が浮かぶ。

    彼が危惧しているのは、さきほどの開けようとして転ぶ事件を思い出したからだ。

    この鞄、転ぶ直前に手を離した拍子に、けっこうな勢いで床に落ちたような気がする。

    上条「まずい、どっか壊れてたら・・・」

    これがそう安いものではないことはアンティークや芸術に疎い上条にも容易に想像できた。

    たとえ安価なものであったとはいえ、インデックスのお気に入りには違いない。ほとんど食べ物以外をねだらない彼女にして、その何倍もしそうな装飾の一品である。

    それに傷をつけてしまえば、彼女はどう思うだろう。

    頭を噛まれるくらいならいいが、もし泣かれたりしたら切腹→火葬ものだ。いや、上条が自主的にしなくても、たぶん二人の魔術師が強制して来るに違いない。
    それに上条的にもそんな心が痛い事象は避けたかった。

    71 = 69 :


    上条「ちょ、ちょっとだけ確認を」

    頬に汗でも伝っているような感覚で、上条は人形に手を伸ばした。

    もし傷がついていても治せたものではない。それでもこういうことは、気になりだしたら確認するまで止まれない。

    傷がついていなければよし。傷ついてたら・・・土下座と高級料理フルコースで手を打ってもらいたい。

    そんなことを考え、左手を人形の腋の下に入れる。

    上条「わっ、と」

    そのまま持ち上げようとするが、これが大きい。一抱え、というか、下手すれば幼児ほどもありそうだ。

    反射的に右手も添えようとして―――

    上条「って、大丈夫かこれ触って俺」

    その右手をとめた。

    いまのところどこからどうみてもただの人形だが、これはインデックス関係のもの。

    魔術的な要素があれば、右手で触れるのは危ないかもしれなかった。

    73 = 69 :

    上条「・・・・・・」

    じっと包帯の巻かれた右手を見る。

    とはいえ、人形を調べるには片手じゃ無理だ。無理に持ち上げて床に直接落としたら、傷物まちがいなし。色々な意味で責任問題に発展するだろう。

    上条「ま、包帯でびっしりだし、大丈夫だよな」

    幻想殺しの効果は右手首から先で、直接触れたもの、という限定的なものだ。
    完全に包帯で覆われた状態なら問題あるまい。

    上条「よっと・・・って、でかいし、重いなこれ」

    両手で『たかいたかい』でもするようにして持ち上げる。

    ずしりと両腕にかかる重量感。身長に対応するように、その重みも人間の幼児並だ。

    上条「しっかし、すごいなこれ。芸術は爆発というわけですかそうですか」

    その顔を覗き込み、精巧さに思わずため息が漏れた。

    74 = 69 :


    人のような大きさ、人のような重み、人と見間違いそうな精巧な顔形。
    そしてなにより、

    上条「なんか色々な柔らかくて上条さんは大変ですよまったく」

    指は、意外な柔らかさを上条に伝えてきていた。
    なるほど、さきほど頬を突いたときの硬さや質感は、こうしてみると意外なほど人に近いものを思える。

    人そのものよりもやや硬いが、その差が逆に『人を模そうとした』ことを感じさせることとなっていた。

    ふわり、と上条の鼻先を、金色の髪が掠める。

    上条「・・・・・・」

    上条(って、いまなに考えてた俺そんな俺はその趣味はないないいやだってそんな土御門じゃあるまいし人形様にだってうわらばあばばばばば)

    ブンブンと頭を振る。

    いま顔が熱いのは気のせいだ。気のせい。そうじゃないと困る。

    75 = 69 :


    思わず視線を逸らした上条。

    そんな彼の目が、ひとつの金属片が捉えた。

    ぱっと見て、ハート型のようにも見えるそれは、

    上条「ゼンマイか、これ?」

    内心の動揺を自らごまかすように呟きつつ、ゼンマイを右手で取り上げる。

    包帯越しに金属の感触をかえしてくるソレは、なんの変哲もないゼンマイだ。

    上条「・・・・・・」

    視線を落とせば、背後から膝の上に抱えて支えている人形の背中。

    そこに、差し込み口のようなものがある。

    上条「駆動式? カラクリ人形?」

    差し込み口とゼンマイの先端は同じ形だ。間違いなくそこに挿すものだろう。

    76 = 69 :


    上条「・・・・・・」

    いくら不幸に塗れても、いくらこの学園都市の学生として見ても異常な事態に遭遇していると言っても、上条は男の子である。

    こう言ったカラクリと言うたわいもない『おもちゃ』には心躍らされるものがある。

    上条(ちょっとくらいなら、大丈夫、だよな)

    好奇心が動き出す。

    これだけ精巧な人形だ。駆動するとなれば、どこまで綺麗に動くのか見てみたい。

    それにもし動かしてみて、異常がなければ内部機構にも問題がないという証明にもなるのだ。

    上条(そう、これは確認、確認なんですよインデックスさん)

    持ち主に無断で動かすという罪悪感を義務感という名目でごまかしながら、上条は手にしたゼンマイを、背中の穴に挿しこんだ。

    77 = 69 :




    その瞬間だった。



    78 = 69 :


    キリキリキリ・・・と軋むような音をたてて、ゼンマイがひとりでに動きはじめた。

    上条「え・・・」

    上条の口から驚きの声が漏れる。

    反射的に右手を放すが、ひとりでにまかれていくゼンマイは止まらない。

    そして、呆然とする彼の目の前で、

    「・・・・・・」

    ふわりっ、とさきほど鼻先を掠めた人形の髪のような軽やかさを持って、当の人形が空中に浮かび上がる。

    上条「ちょっ、えっ、や、やっぱり魔術的なあれですか!?」

    無意識のうちに右手を胸元に引き寄せながら、左手で床を掻いて後ろにさがる上条。

    普通の人間なら、いや、この学園都市にひしめく能力者たちでも驚くような光景に、それでも素早く反応できるのは、いままでの経験ゆえ。

    驚きと、若干の警戒を宿した彼の視線の先で、人形が鞄の上、その空中に直立する。

    そのまま、まるで風になびくように、鞄の上から床に水平移動する人形。

    上条はそれを見守ることしかできない。

    79 = 57 :

    しえん

    80 = 69 :


    「・・・・・・」

    伏せられていた人形の目がゆっくりと開いていく。

    その切れ長の目が、すい、と上条に向いた。

    上条「な・・・」

    上条が声を漏らしたのは、人形がこちらを向いたことにではなかった。

    人形の瞳。

    そこに篭められた、明確な敵意に対してである。

    81 = 69 :


    「・・・・・・」

    トン、と人形の靴が床に着地する。しかし上条に向いた視線の色は、種類を変えないままだ。

    赤い人形の左手が、ゆっくりと持ち上がる。

    上条「くっ」

    右コブシを握った。手首が痛むが、この際そんなこと言っていられない。

    人形の視線―――その敵意は強くなる一方。

    そして、人形が一歩、脚を踏み出した。

    上条の、方に。

    上条「お、お前っ」

    上条が言葉を投げかける。

    82 = 69 :


    「・・・・・・」

    だが人形は反応を見せないまま、ツカツカと歩をすすめてくる。

    人の脚で数歩の距離。やや小さい人形では、もう少しかかる。

    人形の手は持ち上げられているだけでいまのところなにも異常な様子はない。

    だが油断はできない。相手は魔術の結晶に違いないのだ。上条の右手同様、触れた瞬間にだけ効果を発するのかもしれなかった。

    上条「!?」

    上条(まずいっ、右手・・・!)

    息を呑む上条。

    頼みの幻想殺しは、いまは包帯で完全に拘束されている。これではなんの意味もない。

    84 = 69 :

    左手で包帯を毟ろうとするが、

    「・・・・・・」

    上条「!」

    もうその時には、人形は上条の目の前に立っていた。

    上条(やべっ!)

    さらに後ろに飛びすさろうとする。

    だがそれよりも一瞬だけ早く。

    「なんて起こし方をするの」

    ぶん、と上条の右頬に、彼から見て右斜め上から小さな手が振り下ろされた。

    上条「うべっ!?」

    室内に、本日二回目のよい音が、響いた。

    こうして、上条の一日は、いつものように悲鳴と不幸から始まって行ったのだった。

    85 = 69 :


    「まったく、いきなりレディを床に落とすなんて、いつになっても男というのは野蛮なものなのだわ」

    上条「まことに申し訳ありませんでした・・・」

    「その上、無遠慮に頬と言わず鼻と言わず突付いてくるし・・・いまの世界の挨拶は、顔をつつくことから始めるのかしら?」

    上条「滅相もございません、すべてわたくしの不徳の致すところであります」

    腰に手を当て、いかにも立腹してますという風情で見下ろしてくる人形に対し、上条がとった対応は男らしい土下座であった。

    もっとも、小さな女の子に少年とは言え大人に近い男がそうしている情景には、男らしさの欠片もないのだが。

    86 = 69 :


    あの平手一閃から5分後の、上条家の情景である。

    「・・・あなた、名前は?」

    上条「不肖、わたくし上条当麻と申します」

    「じゃあ当麻」

    上条「なんでございましょうか」

    「あなたの本朝式社畜土下座(キングス・スレイブ・アポロジャイス)はとても綺麗で見事なのだけれど、もう許してあげるから頭を上げて頂戴。そのままじゃ話しにくいわ」

    上条「わ、わかりました」

    「それと、敬語もいらないのだわ。あなたの普通がその敬語なら、別だけど」

    上条「・・・わかった」

    なんとかお許しをもらって、顔をあげる。

    つい先ほど彼の左頬を張り飛ばした西洋人形は、まるでそこが定位置であるかのように、上条家のソファーに腰掛けていた。

    87 = 69 :


    ソファーに腰掛けているのに腰に手を当てる行動は妙に見えるが、気にした風はない。

    インデックスが怒ると噛み付いてくるのと同様、この人形はそういう癖でもあるのかもしれなかった。

    やっぱりペットと同じで魔術人形も持ち主の影響を受けるのか、等と考える上条であったが、それはともかく。

    上条「でも、本当に大丈夫なのか、背中とか、腕とか・・・」

    言いながら、上条は心配そうな目を向ける。

    あの見事な張り手は、彼の頬に若干のダメージを与えたが、それ以上のことはなかった。
    むしろ彼にして土下座という方法をとる原因になったのは、床に落とした拍子に背中を痛めただの、散々体を弄繰り回されただの、レディに対して重いと言うのはデリカシーなさすぎとか、そっちの方の文言である。


    チクチクと心をわざわざえぐるようなその言葉の嵐に思わず土下座するしかなかったが、しかし上条には、それらがすべて悪意から来る言葉のようには感じなかった。

    怒っていたのも本当だっただろうが、それよりもむしろ、インデックスや、とあるレールガンとの掛け合いのような感覚だったのである。

    だからどうしても、その負傷が気になってしまう。

    88 = 69 :


    「・・・・・・」

    人形は彼の言葉に軽く驚きの表情を浮かべ、ついで、ゆっくりと微笑んだ。まるで、何かを思い出したかのように。

    「問題ないのだわ。あの程度で壊れてしまうほど、私は脆弱ではないもの」

    上条「そうか、ならよかったよ」

    上条は、ほっと胸を撫で下ろした。自分のせいで修復不可能な傷を与えたとあっては、持ち主だろうインデックスにも、人形である彼女(?)自身にも申し訳がたたない。

    人形がしゃべるという状況に、彼はそれほど違和感を感じていなかった。そのくらいの大騒ぎは何度も経験済みである。ついでに言えば、これくらい小さい相手にお小言を言われるのも小萌相手で慣れている。

    89 = 69 :


    「・・・変わった人間なのだわ」

    上条「? なにがだよ」

    「私と初対面で、こんな風に普通に話をした人はいなかったのよ。みんな驚いて、何かの仕掛けか、と疑ってきていたのに」

    上条「あー、それは、まぁ、慣れっつーか環境っつーか」

    「慣れ? 環境?」

    上条「ああ、それも説明しなくちゃな。インデックスより、あんたの方がしっかりしてそうだし」

    「?」

    上条「その前に、ひとつだけいいか?」

    「なにかしら」

    上条「その、あんたのことはなんて呼べばいいんだ? 人形とか、お前ってわけにもいかないだろうし」

    「・・・・・・」

    人形は再度、驚きの表情を浮かべる。

    上条「?」

    「ふふっ」

    こちらの表情の意味がわからなかったのだろう。不思議そうな顔をしている上条に、思わず笑みが漏れた。

    91 = 69 :


    (・・・人形に名前があるのが当然と思っていて、それが普通な人間なのね)

    (ジュンですら、最初はそんなこと思ってもいなかったと、思うのに・・・)

    上条「どうしたんだよ? 俺、何か変なこと、言ったか?」

    「いいえ、ごめんなさい。そういえば自己紹介もまだだったのだわね」

    そう言って、その赤い人形は両の足で立ち、上条を正面から見つめる。

    「私の名前は真紅」

    「ローゼンが創りし薔薇乙女の、第5ドール」

    そして人形―――真紅は、口元にやわらかい笑みを浮かべた。

    「当麻。貴方の、お人形よ」








    92 :

    ローゼン知らんけど支援

    93 = 69 :

    とりあえず今回は以上です。

    また書き溜めてから投下します。

    でもこのペースじゃ、ずいぶん長いことかかりそうな気が・・・。
    うむむ・・・。

    なお、三点リーダーについては、わざと使っていません。
    …よりも・・・の方が厚みがある気がして、沈黙っぽくて好きなんです。

    お気に触る方もいうと思いますが、まぁ、趣味の領域ですので許していただければ、と思います。

    94 = 33 :

    いいよいいよー

    95 :

    まさかジュンも出てきたりすんのかね

    96 :

    上条さんNのフィールドには入れるのかね
    三沢塾の結界には入れた前例があるからいけるかもしれないが

    97 :

    ジュンは最終的になにもできなかったのか・・・

    98 = 57 :

    ほっしゅ

    99 :

    期待wktkおもしろい


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