男「ぜえ、はあ、ぜえ」
女「いやー。なんとか間に合ったねえ。
　　男ってば、最近走るの速くなったんでない？」
男「ぜえ、だれのせいだと思ってんだ……
　　はあ、ふう、毎朝毎朝つき合わされる俺の身にも
　　なってみろってんだ」
女「いーじゃんべつに。なんだかんだで遅刻したこと
　　ないしね、わたし」
男「だからってなんでギリギリまで寝てるおまえに合わせて、
　　ぜえ、学校まで走らにゃならんのだ！」
女「頼んだおぼえはないけどね？　ふふっ」

女「きゃあ！？」
男（おおう。イタズラな風さんが女のスカートを――）
女「……みた？」
男（いつも見えねえんだよなあ。もうちょっとなのに）
女「その反応！　みたんでしょ？　ねえ！？」
男（ああ、でもこの見えそうで見えないギリギリのラインが
　　むしろ妄想をかき立てるチラリズムの極意とも言うべき――）



男友「あーあ。完全にノックアウトされてるよ」
男「……いてえ。なんで俺が殴られにゃならんのだ」
男友「知らんがな。とりあえず鼻血拭けば？
　　　なんで出たのか知らないけどさ」
男「殴られたせいだろ」
男友「だったらいいんだけど」

これは…

男「試験が近い」
女「う。そ、そうだね……」
男「対策はできてんのか？」
女「できてる。うん、できてる……」
男「なんで二回言うんだ」
女「へ？　いやその、大事なことですから……」
男「そうか。
　　ところで、こないだの試験の前にも同じことを言ってた気がするが」
女「うっ」
男「結果は、どうだったっけ」
女「う、うー……赤点ギリギリだったような気もしないでもない……」
男「しかも、全科目な……今日から、勉強会だな」
女「いやー！　お勉強いやー！」

ふむふむ

続けたまえ。明日は休みだ。

女「すー……すぴー……」
男（うお。寝てやがる……
　　今はセンコーも黒板のほうを向いてるけど、
　　数式書き終わったらこっち見るぞ。
　　起こしたほうがいいか……？）

女「……はっ」
教師「――と、こういう式になる」

男（振り向く瞬間、ギリギリで起きやがった……
　　カンの鋭いヤツめ）

教師「この式を変形すると――」 カリカリ

女「すー……すかー」
男（センコーがあっち向いた瞬間にまた寝やがった！
　　くそったれ心臓に悪い！　いつ見つかるか、わかりゃしねえ！）

女「男、はやくはやく！　急がないと！」
男「わかってる！」
女「はやくしないと、購買のカツサンドが――！」
男「ちくしょう！　今日こそは！　今日こそは食うんだ！
　　あの、カツサンドを――！」


女「うひー。かなり並んでるね」
男「まだ残ってるか？」
女「わかんない。とりあえず、わたしたちも並ぼう」
男「……う。なぜ、俺が後ろなんだ？」
女「え？　わたしが先に並んだから、だけど。
　　あとは……れでぇふぁーすと、とか？」
男「俺が前に出たいんだが」
女「なんでー？　順番は守んなきゃめっ、だからね」
男「……うー……なんかイヤな予感がする」

>>10

女「やっと順番が来た！　カツサンドくださいっ！」
店員「280円になりまーす」
男「あ、俺もカツサンド」
店員「あ……ごめんなさい、今ので最後なんですよ」
男「…………！！」
女「なんだ。わたしギリギリ」
男「…………」
女「あれ？　なんで？　なんでそんな親のカタキでも
　　見るような目ぇするの……？」
男「だから言ったんだ、イヤな予感がするってよ！　うがあー！」
女「きゃあああ！？　落ち着いて！
　　わかった、わかったから！　はんぶんこ！　ね！？」



男友「で、中庭で仲良くカツサンドを半分こ、と？」
女友「ほほえましいことねー。まったく」
男友「世の中がこんなに不公平なのはなんでだと思う？」
女友「なんでそこで嫉妬の炎を燃やすかなあ」

男「おい。なんなんだコレは」
女「んー？　コレって？」
男「俺は試験対策のためにこの小論文の要約をしろと言ったはずだが」
女「え？　うまくできてたでしょ？」
男「できてねえっての！　なんなんだこの『ガッシ！　ボカッ！』てのは！」
女「ええ！？　伝わらなかった！？」
男「伝わるか！　むしろなんでそこで驚くのかが不思議だ！」
女「ギリギリでアウトか……」
男「なんかそー言われるとギリギリのような気もするから不思議だ……」



男友「目を覚ませ男ー！」
女友「ツッコんじゃダメだってば」

崖の上歩いたりするのかと

男「さて。やることやったし、今日はもう寝るだけ、か」

　男が部屋の明かりを消し、寝床についたその時。
　目覚まし代わりに枕元に置いた携帯電話が鳴った。

男「え？　女、か？　なんなんだよこんな時間に……
　　はいもしもし？」
女「あ、男ー？」
男「おう。どうした、良い子はもう寝る時間だぜ」
女「残念。わたしは良い子じゃないのです」
男「ちったあ良い子になる努力をしろ。今日はなんだ」
女「明日が期限の課題があったよね」
男「ああ、先月から出てた結構な量の――って、まさかおまえ」
女「やってませんよ。全くやってませんとも」

>>14

男「馬鹿かてめえは！　なんでいっつもいっつもそうやって
　　ギリギリまで――」
女「間に合いそうにありませんよ、ええ」
男「手伝わねえ！　手伝わねえからな！　そーいうのを
　　自業自得ってんだ、覚えとけ！」
女「そんなぁ！　お礼はするから、おねが――」

　女が言い終えるよりも早く、電話を切る。しばらくすると
電話が再び鳴るが、無視。何度か放っておくと、やがて
電話は鳴らなくなった。

男（これでいい、んだよな。アイツは一回痛え目を見た方がいいんだ）

男（いつもいつもギリギリだが、そのくせでかい失敗はしねえ。
　　その意味ではなんでも要領よくやってるがな。
　　そのワリを食う俺の身にもなってみろってんだ）

　一回痛い目を見た方がいい。きっと今ごろ、ひいこら言いながら
課題を片づけていっているのだろう。俺への恨み言のひとつも
こぼしているかもしれない。いや、もしかしたら泣いているかもな――

男（……ああもう。気になって眠れやしねえ、くそったれ！）

　電話を手に取り、ボタンを数度押す。耳に当て、

男「ああ、女？　今から行く。茶の準備くらいしとけ」

>>15

男「ぜえ、はあ、ぜえ」
女友「今日も遅刻ギリギリだったわねー。ご苦労さま。
　　　お茶でも飲む？」
男「ああ、ぜえ、悪いな……
　　ったく、さすがに今日はどうなることかと思ったぜ。結局朝まで
　　かかっちまった」
女友「え？　なにが？」
女「あ、男ー。あの、ゆうべはごめんね？
　　お礼はあとできっとするから――」
女友「…………！？」
男「あー……違うから。キミはなにか勘違いをしている。
　　アイツ、ちゃんと終わるまで寝かさないぞって――」
女友「…………！？」
男「あー……違うから。繰り返すが、キミはなにか勘違いをしている」

ただの駄目女じゃねぇかww
しかし支援

ここ以外支援する気になれない件
新ジャンルスレ７スレもあるのに

ここが一番面白い
支援

男「女！　早く準備しろ！　間に合わなくなっても知らんぞ！」
女「うー……そんなどっかで聞いたようなセリフ……
　　ねむいー」
男「眠いじゃねえ！　早くしねえとマジで間に合わねえぞ！」
女「はいはい。じゃあ、新兵器の投入といきますかねー」
男「新兵器……？」
女「ほら。自転車」
男「なッ……！？」
女「当然の選択肢でしょ。じゃ、わたし急ぐから。がんばって
　　追いかけてきてね」
男「うッ……裏切り者！　せめて後ろに乗せろォ――――！！」



男「ぜえ、ぜえ、はあ、ぜえ」
女「いやー。今日もなんとか間に合ったね。それにしても男、
　　自転車に走ってついてくるなんて、やるじゃん」
男「ぜえ、はあ、ぜえ」
女「あれ？　聞いてる？」
男「はあ、はあ、ぜえ、て、めえ……ぜえ、はあ、
　　いつか、ぜえ、犯すッ……！」

期待

支援

>>20

女友「それにしても、犯す、とはねえ。えらく即物的な脅しを
　　　かけるもんだわ」
男「るせえ」
女友「殺す、とかよりよっぽど現実的なぶん、なんかリアルよね。
　　　ほら、怖がって泣いてるじゃない」
男「るせえってんだ」
女友「いくら気に入らなかったからって、そこまで言わなくても
　　　いーのに。
　　　おー、よしよし。おねえさんが頭なでなでしてあげるからねー」
男「てめえも甘やかすんじゃねえっての。前々から思ってたがな、
　　こいつは一回痛え目に遭ったほうがいいんだ」
女友「えらく厳しいわね。なんなの、お互い歩み寄る余地もないっての？」


男友「で、お互いに歩み寄った結果が……アレ、か？」
女友「みたいね。自転車、ふたりのり」


男「おい女！　ぜえ、はあ、なんで俺がこぐ側なんだよ！」
女「んー？　世の中ギブアンドテイク、わたしが自転車を出したら
　　男が動力を出すってのは自然な流れじゃない？」


男友「世の中がこんなに不公平なのはなんでだと思う？」
女友「あ、またソレ？　あんたのそーいうトコ、嫌いじゃないけどさ」

男「ぜえ、はあ、よう……女」
女「んー？」
男「ぜえ、自転車を使って、はあ、これまでより早く
　　学校にたどり着けるようになったわけだが」
女「ん」
男「次は『自転車でギリギリ間に合う時間』に出てくるように
　　なったのは何故だ……？」
女「そりゃまあ……アレじゃない？　最適化」
男「もっともらしい言葉で正当化してんじゃねえ！
　　てめえ後ろで楽しやがって、俺ばっか一方的に損してる
　　じゃねえか！」

しえー

生活費ーがギリギリだ♪仕送り3万円♪バイトが8万円♪

男「よし、勝負だ」
女「いきなりなんなの。よしって」
男「今度の試験だ」
女「勝負、って……ちょっと待ってよ！　わたしが
　　あんたに勝てるわけないじゃない！」
男「いつもいつも赤点ギリギリじゃあ、張り合いもねえだろ。
　　もしおまえが勝ったら、おまえの要求を一つ聞いてやる。
　　やる気のひとつも出るんじゃねえか？」
女「う、うー……じゃあ、男が勝ったら？」
男「そりゃもちろん、俺の要求を一つ聞いてもらう」
女「女友ー！　わたし犯されるー！」
女友「ええ！？　ちょ、男くん！？」
男「待て待て待てッ！　まだ引っぱってたのかてめえ！」
女「だってそれが狙いなんでしょ！？　負けようのない勝負を
　　挑みかかるなんて！」
男「人聞きの悪いことを！　俺と勝負ってことにすりゃ、
　　ギリギリ勝てるかもしれねえだろうが！」


男「……とは言ったものの……」
女「うふふ。えへへへ」
男「ホントに全科目ギリギリで負けるとはなあ……」
女「こんなにいい成績出たの、いつぶりだろ？」
男「感謝しやがれ、くそったれ」

女なんか可愛いなｗ

とりあえず女の要求をなににすればおもしろくなるかを
夢の世界で考えてくる

>>29
乙。
いい夢みてください

教師「今から100メートル走のタイムを計る！
　　　15秒を切れなかった奴は、グラウンドを2周して
　　　体力をつけろ！」

男「……だと、よ」
女「うえー……これ、男子有利じゃないの？」
男「15秒だぜ？　余裕だろ」
女「そりゃ男は余裕かもしれないけどさあ……
　　わたし、こないだ16秒くらいかかったんだけど」
男「遅え。諦めてグラウンド2周してくるんだな」



女「14秒9だった！　たすかったよー」
男（こいつ……わざとやってんのか……？）

ええじゃないか支援

男「よう、女友」
女友「どうかした？」
男「この間の試験や100メートル走の件で、俺はある仮説を立てた」
女友「というと？」
男「つまり、女は日常的に手を抜いてるんじゃねえかと」
女友「本来なら余裕でできるのに、ってこと？」
男「そうだ。めんどくせえから、手を抜く。手を抜きすぎると
　　あとで困るから、必要以上には手を抜かない。
　　そうすると、いろいろギリギリになるって寸法よ」
女友「ふむふむ。で、仮説の検証方法は？」
男「女を、走らせてみようと思う」
女友「……は？」


男「おい女！　ここにいいものがある」
女「はっ！　それはルイズの生チョコ！？　くれッ！」
男「おっと、タダじゃやれねえな。条件がある」
女「条件？　もしかしてまた犯さ――」
男「そのネタはもう勘弁してくれ……
　　条件てのはな。1500メートル走を3分26秒で走るってことだ」
女「世界記録じゃん」
男「そうだが？」
女「無理。くれないなら、わたし帰るね」


男「……あれ？」
女友（たまに抜けてる男くんが可愛くもあるけど……
　　　今ツッコんじゃ、かわいそうよね）

うむ・・・なかなかに良い

眠い支援

支援

さて寝よう

これは保守せざるを得ない

ルイズたんの生チョコﾊｧﾊｧ
むしろ俺にくれほしゅ

いつもギリギリっていつも歯がギリギリ音を立てるのかと思った保守

ほ

男「だいたいどんな雑誌を捲ったって駄目～」
女「溜息～でちゃうわ～」

ほ

ageっ

そういえば「半径２メートル以内だけ重力３倍」（だっけ？）の商品化の件ってどうなったんだ
落ちちゃったから把握してないわ

保守

商品化？

>>38
ちょっと違うｗ

女「（モジモジ・・・）」
男「トイレなら行ってこいよ」
女「そ、そんなんじゃないってば・・・（モジモジ）」
男「それならいいが」
女「・・・（モジモジ）」
男「・・・」
女「（もう限界ギリギリ・・・///）」

ﾀﾞｯ!!!　ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ!!!

女「（もうすぐトイレ！）」


男「・・・」
女「間に合わなかった・・・」



こうかと思った。

男「あとちょっとだったなぁ…」


来週の文化祭にむけて俺達は準備に追われていた。
そんななか大道具の連中は厚めのベニヤ板で即席の壁を作っていた。
その壁がフザけていたDQN達に倒されて…

女友「女！危ない！」
女「えっ…あっ…」
男「っ！くそっ！」

女に向って倒れていく壁を見て、俺は誰かに強制されるかのように俊敏に動いた。
結果的には壁、俺、女なんていう奇妙なサンドイッチが出来上がった。
ベニヤ＋木の枠で出来た壁は思いのほか重く、それは後頭部への衝撃からもよくわかった。

男「ケガ、ねぇか？」
女「あ…うん」

ドアップの女の顔に驚きと心配以外の色が無いことに安心し
俺の意識はそこで途切れた。