――幻獣界・フェニックスの集落――

カ「ここが…フェニックスの集落…暑い…」フラッ
カ「でも、急がないと…早くしないと…」

長老「ふむ、私のことを探しているというのは貴女か」
カ「はい」
長「それで、何の用だ」
カ「その…フェニックスの血をわけていただきたいのです」
長「カトブレパスの集落で病人でも出たのか？」
カ「いえ違います。その血を与えたいのは、私の契約者です」
長「…無理な願いだ」
カ「お願いします！なんでも、なんでもしますから！」
長「わざわざ血をもらいに来るということは、貴女の契約者はもうこと切れておるのだろう？
　　その者が再び息を吹き返す保証はない、そもそも人間ごときがこの血の力を受け止めることなど出来まい」
カ「お願いします！お願いします！」
長「…なぜそこまでする。契約者が死んだのなら、貴女はもう自由の身だろう、なぜ切れた鎖にすがる」
カ「それは…」
長（ふぅ、どうしたものかな…）

ここで二人ともフェニックスの流れってのはおもしろいなｗｗ

しかし

「・・・ともつええぇ・・」ｗｗｗｗ

MPをリアルタイムでHPに変換でもしてんのかねｗｗｗｗ

長「そこまで言うのなら、やらないこともない」
カ「ほんとですか！」
長「しかし、ただでやるわけにはいかん。我らと、貴女の契約者は何のかかわりもないからな
　　そのような前例を作れば、たちまち我らが干からびてしまう。
　　貴女にはそれ相応の代償を支払ってもらおう」
カ「あ、ありがとうございます！」
長「そうだな、我らの集落で200年ほどただ働きでもしてもらおうか」
カ（200年…）
長「当然のことながら、もし仮に貴女の契約者が息を吹き返しても、
　　貴女が自由の身になる前に寿命をむかえるだろうな」
カ（もう、会えないって…こと…か…。でも…）
長「やめるか？」

もう…会えない…

この言葉を飲み込むのに、予想以上の時間がかかった
もう答えは決まっているはずなのに
私はゆっくりと、でもはっきりと、言葉を返した

小瓶に入った紅く透き通った液体はほんのりと温かく、優しい光を湛えていた

四日間

それが私に与えられた時間
どちらにころんでも、それまでにまた、ここへ戻ってこなければならない

なんとも歩の悪い賭けをしたものだ
勝ちがあるのかどうかもわからないのに

頭ではそんなくだらないことを考えながらも、私の足は止まることはなかった

フA「なぜあの子に血を与えたのですか？」
長「少し、昔を思い出して…な」
フA「？」
長「まだ私が飛竜だったころの昔話だ、気にしないでくれ。
　　それと次にこの椅子に座るものには謝っておかないとな。こんな前例を作ってしまったことを」
長（全てを投げ出しても尽くしたい相手がいるということは、幸せなものだ…
　　レナ…私のしたことは間違ってはいないよな…）

レナ！

Ⅴの飛竜っすか

なんか再びすげぇｗｗｋｔｋしてきた！！

支援

トA｢ここが我らの集落だ。長の所へ行くぞ。粗相のないようにな｣
俺｢うわ～トンベリたんがいっぱいだ…｣
｢！？人間だ｣｢なんで人間が｣｢此処を滅ぼしに来たのか？｣｢人間ってなに～？｣｢あ、あいつ戻ってきたのか｣ﾜﾗﾜﾗｶﾞﾔｶﾞﾔ
俺｢なんだかすごい光景だな…まさかこんな数に包丁向けられるとは…｣
ト｢…大丈夫…敵意は…ない…｣
俺｢だとしても怖いな。一撃が致命傷になるし｣
トA｢はやく来い。いつまでボーっとしてるんだ｣
俺｢あ、あぁ。今行くわ。ほらトンベリたん行くぞ｣
ト｢………｣ｺｸﾘ



トA｢ここが長のところだ。再三言うが失礼のないようにしろ。



キング、入るぞ｣

キ｢(*´д｀*)ﾊｧﾊｧティファたんかわいいお…



(ﾟдﾟ)！！！｣

トンベリたんも来たー！

でもキングｗｗｗｗ

トA｢すまんが少し出ていてくれ…｣
俺｢あ、あぁ…行くぞトンベリたん｣
ト｢……(きもい)…｣ｺｸﾘ


ｶﾞﾁｬﾝ
トA｢てめぇなにしてんだっ！！呼んでこいって言うから行ったのに何はぁはぁしてんだ！？長だろうが自覚持てや！！｣
キ｢いや、待て待て。あ、蹴らないで蹴らないで…あっでもこれもまた…｣
トA｢気持ち悪いわ！！さっさと椅子座れ！…もっとじゃねーよ！！脳みそがくそになってんのか！？｣
キ｢あ、刺さないで、刺さないで！わかった、わかったから！｣
ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

俺｢…なぁ、帰っていいかな？｣
ト｢…むしろ…帰り…たい…｣

ｶﾞﾁｬ
トA｢すまん、待たせたな。さあ、入ってくれ｣
俺｢…あぁ、苦労してるんだな…｣


キ｢よく来た人間よ。そして…召喚獣の仲間よ。歓迎しよう｣
俺｢でかい…(つーか威厳台無しだな)｣
ト｢…初め…まして…キング…｣

キ｢そなたが契約者か？…先程は失礼した。だが、あれが実際の私ではないので誤解のないようにな｣
俺｢あ、あぁ(流石に厳しいだろそれは)｣
キ｢座ってくれ。トンベリA、お茶を頼む。

おっとこのままでは話ずらいな…そちらに合わせよう｣ﾋｭﾙﾙﾙﾙ
俺ト｢！！？｣
トA｢久々ですね人間界用の姿は。お茶はしばしお待ちください｣
俺｢……ナイスミドルだな。ひげも渋い｣
ト｢…うほっ…いい…男…｣
俺｢落ち着けトンベリたん、それはあの人が言うから似合うんだ。さ、座ろう｣

キ｢さて、来てもらったのは他でもない。契約者の方に用があったのだが…トンベリAも早とちりだな｣
俺｢俺に？てか何の話だ？｣
キ｢そなたがアンリの血筋だと言う話だ｣
ト｢！！？｣
俺｢…？アン…リ？｣
キ｢昔の話だ。アンリマユと呼ばれる邪神がいた。その方が様々な悪意をばらまいた…つまり我々トンベリ種の産みの親とも言える方だ｣
ト｢………｣ｺｸﾘ

>>50
カルト教団は全員焼死ですね御願いします。





エロはまだかね？

キ｢そして、トンベリAがそなたをあの方の血筋ではないかと言っていた。が、会って分かった。それはないと。だから早とちりなのだ、わかったかね？｣
俺｢あ～つまり俺がそのアンリってやつの血筋ではないかってことで呼ばれたが、違ったと｣
キ｢そういうことだ。確かに潜在能力は凄いが…召喚士や魔法使いには向いていないようだな。あやつだからこそ契約できたようなものか｣
ト｢…キング…確かに…マスター…は…そっち…方面…には…向いて…ない…｣
俺｢いや、まぁ自覚はしてるけど…じゃあ潜在能力って何の能力なんだ？｣
キ｢ふむ……どうやら我らに適性があるのはその潜在能力が関係しているようだ


例えば、無意識に他からの影響を受けない、とかであろう。むしろそれに力を使っているからこそ…



魔法などが使えぬのかもな｣
俺｢……そうなのか？｣
ト｢…確かに…そう…考える…と…辻褄が…合います…｣
トA｢なかなか特殊だな。あまり聞かない能力だ｣
キ｢だからこそ契約できたのだろう。契約者としていい者を見つけたなトンベリたん｣

ト｢…キング…｣


キ｢そして、謝らせてほしい。私の力が足りなかったばかりに無意味に迫害した仲間を止めれなかったことを…すまなかった｣ﾍﾟｺ
トA｢キング、長たるものそう簡単に頭を下げては…｣
キ｢黙らぬかっ！｣
俺トトA｢！！！｣ﾋﾞｸｯ
キ｢たとえ異能だとしても、我らの仲間ではないか！！我らとて昔は迫害され続けたのだ。なのに、なのに｣
ト｢…キング…｣
キ｢私は迫害の恐怖も、孤独の恐怖も知っておる。王は常に一人なのだ、今はトンベリAがいるがな。だからこそ助けたかったが…遅かった。すまん｣ｶﾞﾊﾞ
ト｢…キング…私は…怒っては…いない…おかけで…マスター…に会え…たの…ですから…｣
俺｢トンベリたん…泣いてもいいんだぞ。嬉しいんだろ仲間にここまで思われて…｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
ト｢ぐすっ…ひっく…うぇぇぇ…キン…グ…ぐすっ…あり、が…うぇっ…とう…｣ｷﾞｭｰ
俺｢…キング…トンベリたんも怒っていないし、俺も責めるつもりはない…あんた、いいやつだな｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

キ｢ふん、私は王なのだ。みなに平等にせねばならぬのだ。我が仲間には良く言い聞かせてはいるが、中々溝は埋まらぬ…だが、皆もわかってくれるはずだ｣

作｢さて、幾つか伏線の回収は出来たな…

今日のゲストはキングですどうぞー｣
キ｢はぁはぁティファたん…ん？呼んだかね？｣
作｢おまえ、ほんと自重しろよ。擬人化したらかなりのナイスミドルなのに…｣
キ｢ふむ、王たるもの息抜きも必要なのだ。わかるな？｣
作｢いきなり真面目になるな！なんだって息抜きはいるっつーの。大体キャラおかしすぎだろ常考｣
キ｢ふむ、仕方あるまい。休むときは休む。これが基本だ｣
作｢わかるけどさ。まぁいい。おまえ、あとちょっとで出番無くなると思うから｣
キ｢なんだと？あ、でもその分ティファたんと…あ、リディアたんも…｣
作｢おーいトンベリA｣
トA｢わかってます。てめぇキング、いい加減に(ry｣

トA｢真面目なときは格好いいのに…はっ｣
作｢何もきいてない！だから包丁は包丁は！ｱｯｰ｣


…〆れるのかこれ…？

フ「作者さん作者さん」
作「おまえから呼び掛けるとは珍しいのう。何用かね」
フ「役者は全員揃った、ですよね？」
作「いや、うんとりあえず…なんでニコニコしてる」
フ「ということは、私もメインの役者…ヒロインなんです、よね？」
作「いや、まぁ、うん」
フ「メインヒロインなのであればｲﾔﾝ、ﾊﾞｶﾝ！な展開があってよろしいかと思われます♪」
作「………そう来たか」
フ「読者の方から多数の意見が出ていますよ～えーと。『エロはまだか』。他には…『エロはまだか』。あらあら、こっちは『エロはまだか』ですよ～」
作「全部エロうp希望かいッ!!」
フ「ほらほら作者さん、お仕事、です♪」
作「…あのな、フェニックス」
フ「はい、作者さん」
作「バハムーたんと巫女がｷﾞｽｷﾞｽと友を巡る戦いをしている中、おまえが友を寝取ったらどうなる？」
フ「修羅場ですね♪」
作「何故そこで笑顔になる……ッ!!」
フ「ふふ…フェニックスは死にません…ラストマン・スタンディングは私、です」
作「フェニックス……恐ろしい子……ッ!!」
フ「転生の炎はいかがですか？決して消えることのない、悠久のきらめき…ふふ♪」
作「いい加減に自重しなさい」





フ「でも、なんだかんだ言って私のことお気に入りですよね、作者さん」
作「というか、お気に入りじゃないキャラなんていないッ!!みんな大好きさッ!!そして…大好きな奴等をバッドエンドになどしたくないでござる!!絶対にしたくないでござる!!」
フ「……案外、単身で幾多の幻獣を従えるっていう召喚士様の未来図、現実になるかもしれませんね」

「お願い…」

そう思いながら小瓶の中身を彼の口の中にゆっくりと注ぐ
小瓶に残る最後の一滴まで、落ちるのを待った

こんなことで息を吹き返すはずがない
だから…期待しちゃ…だめ…

ここまで来て予防線を張る自分が嫌になった

重い体をゆっくりと起こす
洗面所の鏡に映った私の顔は案の定ひどいものだった
冷たい水
物音

ユニちゃんが洗面所の入り口に立っていた
私に負けず劣らずな顔をして

私は彼女に洗面台を譲り、リビングの椅子に腰かけた
最近は当たり前になっていた眺め
数日後には、私はもういなくなる

彼が息を吹き返しても、そのことは伝えない方がいいと思った
もう彼が死ぬまで会うことはないのだから
言ったら…きっと追いかけてくるに違いないから
追いかけてきてほしい
私はそう思っているのかもしれない

でも彼にとっては、きっと
普通の人間として暮らす方が幸せだろうから

私は彼を傷つけることをすることになるんだろう
でも、時間とともに傷は癒える
そのうち、私がいた数カ月のことなんて忘れ去ってしまうだろう

そんなことを考えていたら彼女が私の向かい側に座った
私は全てを話した

ユ「カブねぇは…それでいいの？」
カ「うん…」
ユ「もう、会えなくなっちゃうんだよ？」
カ「いいの…だってこうするしかないもの」
ユ「悔しいけど…とっても悔しいけど…俺にぃはカブねぇのこととっても大事に思ってる…
　　なのに…なのに…」
カ「…………」
ユ「こんなの…ないよ…」
カ「……じゃあ、私はどうすればいいのよ！私だって…私だって…
　　ずっと一緒に居たいよ！！ずっと俺くんと一緒に居たい！！！」
ユ「……………」
カ「…………ごめん…」

沈黙

カ「だから…これからは、俺くんのことよろしくね」
ユ「………」
カ「私は…ちゃんと守ってあげられなかったから…ね」

泣いちゃだめだ…笑わないと…

ユ（コクリ）

カ「ありがとう」

そういって席を立った
もう限界だ
最後、私はうまく笑えていただろうか

冷たい体に触れる…
こちらの熱まで奪われてしまいそうな冷たさ

そんなことを考えているうちに
私の意識は切れた

頭に何かが触れる感触
ゆっくりと目を開ける

えっ…

思わず口から洩れる

夢じゃない…よね？

私の頭をなでる手を取る

温かい

夢じゃない

俺「おはよう、こんなところで寝てたら風邪引くぞ」

泣いちゃだめだ…嬉しい時は笑わなきゃ…
でも無理だった。最初の一粒が頬を伝うと、何かが崩れてしまったのかのように止まらなかった

カ「よがった…ぐしゅ…よかっ…」
俺「朝からいきなりどうしたのさ」

彼女も気付いたのか部屋に入ってきた
私たち二人とも彼にすがりついて…声をあげて泣いた
彼は一体何が起きているのかわからないという顔をしていたけれど
黙って、私たち二人の頭をなでた

嬉しかった

でも悲しかった

作「速さが足りない！！」
カ「なにをいきなり」
作「いや書く速さがね」
カ「なにをいまさら…」
作「まあそれはひとまず置いといて、と。とりあえずここまで書きましたが、
　　まだしばらくこのような雰囲気で続きます」
カ「まあ、ひとまず身の危険はなさそうですね」
作「どういう意味だよ、というかあそこで生き返らなかったらもうそれはギャグでしかないだろ…」
カ「これからは俺くんと私との最後の3日間ですね」
作「まあ、そうなるね」
カ「限られた時間の中で愛をはぐくむ二人…はぁはぁ…」
作「おーい、どこ行くんだぁー…
　　あーあ行っちゃったよ」

作「さてどうやって〆ましょうかね…」
ファ「呼んだか？」
作「ファラクさん、とても久しぶりな感じがしますね」
ファ「全てお前のせいだがな」
作「あらぁー怒ってらっしゃる…」
ファ「とりあえずお前をひどい目にあわせればオチがつくのだろう？」
作「まあ、そう言えないこともない…かな」
ファ「では…冥界六砲撃！！」

ぷすん

ファ「あ、あれ？」
作「何この生殺し…まあこれがオチでいいか（笑）」
ファ「そ、そんな目で私を見るなー！！」

.html
あげるタイミングミスったな
長く持ちそうにないけどとりあえず

ぐぅ～っ…

俺「………」
カ「ぷっ…」
俺「笑うことないだろう…」
カ「ごめんなさい、今すぐ朝ごはん作りますね///」
ユ「ユニもてつだうー」


俺「あっと…今何時だ…。なんだ、まだこんな時間じゃないか…あれ？日付…俺こんなに寝てたのか。どうりで」


トントン

カ「…………」
ユ「よかったね」
カ「ええ」

トントン

ユ「あのさ…」
カ「はい？」
カ「昨日は…ごめん。カブねぇの気持ち、全然考えてなかった…」

トン…

ユ「怒ってる？」
カ「怒ってます」
ユ「ごめん…」
カ「でも、あの約束、ちゃんと守ってくれるなら許してあげます」
ユ「わかった。絶対守るよ」
カ「絶対ですよ？はい、指きり」
ユ「…うん」

トントン

ユ「ひとつ、わがまま言ってもいいかな…」
カ「なんですか？」
ユ「実は一度、お母さんの所に帰っておきたいの。できれば明日あたりから」
カ「私に気を使ってるんですか？」
ユ「…そんなんじゃないけど」
カ「それはユニちゃんが決めることですよ」
ユ「わかった。じゃあ明日から行ってくるね。ついでにお姉さんとかファラクさんの所にもよるつもりだから」
カ「はい、わかりました」

トントン

カ（ありがとう…）

>>74
24行目はユニたんのセリフ
スマン

俺「ごちそうさま」
カ「お粗末さまでした」
ユ「おそまつー」
俺「今さらだけど、俺丸一日以上寝てたのな。心配かけて、ごめん」
ユ「俺にぃねぼすけすぎだよー」
カ「もうこのまま起きないかと思っちゃいましたよ」
俺「すまん」
カ「ふふっ…///」

俺「そろそろ行かないと遅刻するな」
カ「いけない、もうそんな時間ですか」
俺「ほらユニたん、準備準備」
ユ「今日はいいー」
俺「…はぁ。しかたないなあ。俺らがいないからってあんまり無茶するなよ」
ユ「ん…」
カ（ユニちゃん…）


カ「なんか、こうして二人で歩くのって久しぶりですね」
俺「そういえばそうだな…この数カ月、いろんなことが一気に起こった感じだからな」
カ「それは、私にとっても同じです…すごい楽しい時間でした…」
俺「でした…って、もう終わったみたいな言い方するなよ。俺はもう終わりなんかいやだよ。
　　これからずっと続く、きっと」
カ「…そうですね、これからずっと……」

男「うーっす」
俺「レモラおはよう。あいかわらずべったりだなー」
レ「………おはよ」
男「俺のことは無視か！」
カ「……………ふふっ///」

二人が出ていったのを確認して、ゆっくりと体を起こす

「とんだピエロだね、私」

きっと彼女がいなくなっても彼の記憶には彼女が居座り続けるだろう
ほんの数カ月しかしらないけど
彼はきっとそういう人
ずっと見てたから…わかる

このまま彼女がいなくなったら、もう勝ち目なんてないじゃないか
第一、フェアじゃない

私の方が早く彼と出会っていたら
私の外見が、もう少し大人だったら
結果は変わっただろうか

そんなこと、もう意味のない…こと

冷蔵庫から牛乳を取り出して口をつける

私は、嫌な奴かもしれない
彼の気持ちも、彼女の気持ちも知っていてさんざん邪魔してきた
頭ではそんなことしちゃいけないと、わかっているのに
体が言うことを…きかない
今回のことだって話を聞いた時、
きっと心の隅では喜んでいたに違いない、私が気付かなかっただけで
諦められなかった

彼女がいなくなったらもう一度…もう一度だけ、言ってみよう
そこで拒絶されたら、諦めよう
スッパリと

「とりあえず、書き置きでも残していけばいいか、カブねぇは知ってるしね」

私はゆっくりとドアを開いた
昨日の雨が嘘のように空は晴れ渡っていて
私には少し、眩しすぎた

楽しい時間は本当にすぐに過ぎ去ってしまう
この数カ月、そしてこの三日間
もう会えないと知っているからだろうか
全ての景色が、今まで以上に輝いて見えた
もっとくすんだ景色ならば、手放したくないと、思うこともないのに

布団に包まる彼に近づく…そっと

「起きてますか？」

真っ暗な部屋から小さな声で返事が聞こえる
起こしてしまっただろうか
同じ布団にもぐりこむ
肌に触れる布の感覚が気持ちいい

私が望むことは、私がいなくなった後に、より深く彼を傷つけるだろう
してもらいたい、というのは私のエゴだ

彼が驚いた顔をしてこちらを向いた
何が起きたかわからない、そんな顔
それはそうだろう、だって…
私は今、裸だから

終わりが近づいてきたな・・・

俺「え、あ、ええっ！？」
カ「一緒に寝てくれませんか…なんだか、眠れないんです」
俺「いや、まあそれはいいんだけど。なんで何も着てないの…さ」

返事の代わりに彼の背中に手を回して引き寄せた
この今にも破裂しそうな音は私のものだろうか、それとも彼のものだろうか

俺「ちょ、い、いきなりなにを…！！」
カ「私にこんなことされるの、いや…ですか？」
俺「嫌じゃない！嫌じゃないけど…」

カ「好きにして、いいですよ…」

俺「好きにしてって…」

そっと目を閉じる
感じられるのは彼の体の暖かさと胸の鼓動

私の唇に、何かが触れる
忘れられない感触

俺「なにがあったのかは聞かないよ、話したくないならそれでもいい…」

聞きたくない
言葉をかぶせる

カ「私のこと嫌いですか？」

構わず彼は続ける

俺「俺はこれからずっと…君のそばにいるから……
　　まだ、人を好きって言うことがちゃんとわかってるかどうかもわからないけど…
　　俺は…君のことが好きだ」

もう叶わないのに…

真っ暗な部屋の中でも、彼が微笑んでるのがわかった
いつも通りの優しい顔で…
彼はゆっくりと私の頭をなでた

こらえなきゃ…
今何か言ったら、きっと泣いちゃう
涙と一緒に全部吐き出してしまいそうな気がした
少しうつむいて、ぐっと歯をかみしめる
最後の顔が泣き顔なんてごめんだ

どれくらい時間が経っただろうか
少なくとも、もう、あまり時間は残ってないみたい

カ「ありがとう、俺くんは優しいですね…」

最後の感触を体にしみこませるように、もう一度強く抱きしめた

カ「そろそろ寝ないと、明日遅刻しちゃうかもしれないですね
　　ホットミルク作ってきますけど、飲みますか？」
俺「あ、うん」

そんなこともう心配する必要なんて、私にはないのに

ごめんね

そっとそう呟いて、私は準備していた錠剤を彼のカップに落とした

カップを下げた後、大きめのシャツを被って、彼の布団にもう一度もぐりこむ

深呼吸を一回、二回、三回
ゆっくりと呼吸を整える

少しして、聞き耳を立てる
すーすーという彼の寝息が聞こえた

起こさないように、ゆっくり、慎重にベッドを下りる
よくよく考えたら多少の物音では起きるはずがないのだけれども

彼の顔を覗き込む
そっとキスをする
唇同士が軽く触れるだけのキス

リビングに戻って時計を見る
出て行く前に部屋の整理をしていこうと思ったけれど、そんな時間はなさそうだった

書き置きぐらいは残しておこうか

そう思ってペンと紙を探す

『もうきっと会うことはないけど、私はあなたのことが大好きでした

そこまで書いて、握ってごみ箱に投げ捨てた

さんざん悩んでこれだけ書いた

『今まで、本当に、ありがとう』

ドアが重い

なんてことはない
ただ今まで私は夢の中にいただけのこと
楽しい夢もいつか覚める
その時が今だってだけ

ただ…それだけ…

・・・ｾﾂﾈｪｪ

俺「………」

『今まで、本当に、ありがとう』

俺「どういうことだよ、これ…」

深く息を吐く
部屋も、以前に見たときのまま
何も変わってない

どこかに出かけてるだけだろう
そう自分に言い聞かせる
今日は月曜日だったっけか
学校…まあいいか、一日ぐらい
何も考えたくない

時間だけが過ぎていく
空が赤く染まる

ユ「ただいまー…あれ、俺にぃ？」

視線を少しだけそちらに傾け、また戻す
ただ、それだけ

ユ「学校は…？」
俺「休み」
ユ「ちゃんと行かなきゃダメだよ？」

こいつ、こんなしゃべり方もできたのか
手に持ったままの紙を目の前につきだす

ユ「これ、カブねぇの字…」
俺「何か知ってる？」
ユ「…知らない」
俺「嘘ついてるだろ」
ユ「嘘…じゃないよ」
俺「知ってるんだろ！知ってるって…知ってて嘘ついてるだけだって…言ってくれよ…」
ユ「………ひらない…ってばぁ…」

なにしてるんだ、俺
これじゃただのやつあたりじゃないか…
ダメだ…今日はもう寝よう

俺「ごめん…もう寝るわ」
ユ「ご飯は？」
俺「いらない」
ユ「じゃあいっしょに寝る！久しぶりに…えへへ///」
俺「……………」

何も言わず自分の部屋に戻る
明日になったら彼女が戻って来てて、いつも通り
そんなことを考えて瞼を閉じる

次の日も、その次の日も彼女は帰ってこなかった

いなくなってから三日目
まだ学校には行ってない
心当たりのある場所を片っ端から探した
カトブレパスさんのお姉さんにも会った

さぁ、聞いてないわ

そう言われただけだった
家に帰るとユニたんが温かいご飯を用意してくれていた
それも半分ぐらいしか食べず、布団に入る
たまに布団にもぐりこんできたけれど、寝た振りでやり過ごした
今は、他の余計なことを考えたくない…

さらに一週間が過ぎた

女「なあ、最近あいつどうしたんだよ、全然学校来ねぇじゃん」
男「さあなー、俺もよくわからん。
　　ガキの頃からずっと一緒だけどよ、こんな休んだことはなかった気がするんだけどな
　　まあそのうちひょっこり出てくるんじゃないのか？」
女「心配じゃねえのかよ」
男「まあそこまで心配しちゃいないがな。おまえは心配なのか？」ﾆﾔｯ
女「な、んなわきゃねーだろ！」
男「いきなり声荒げるなよ…」
女「知るかっ！」
男「で、お前の連れは？」
女「知るかよ、いまごろどっか飛び回ってんじゃねえの？」
男「全然コントロールできてないだろ、よくあんなのと契約できたな」
女「余計な御世話だ」
男「んじゃ俺はレモラと一緒に飯でも食いに行ってくるかな」
レ「……///」
男「あ、そうだ。帰りに俺のとこ行ってくるけど、お前も来るか？」
女「なんでオレがあいつの様子なんて見に行かなきゃなんねーんだよ！」
男「ふぅん…まあいいけどよ、じゃな」
女「あ、ああ」
ア「らしくないねぇ（ｸｽｸｽ）」
女「おまっ！いつから！」
ア「『心配じゃねえのかよ』あたりから（ｹﾗｹﾗ）」
女（ぐっ…こいついつか殺す！）

ハッピーエンド･･･あれ？

まままままてまだあああわてるような時間じゃ(ry

女「オレも行けばよかったかな…」
ア「どこに？」
女「あ、いやなんでもねぇよ…てか人のひとりごとに突っ込むんじゃねぇよ」
ア「同じ部屋にいるんだから聞こえちまうのはしょうがねぇだろ」
女「それも、そうか…」

女「……………」
ア「あーったく！そんな湿っぽい空気まき散らすんじゃねぇよ！！」
女「自分の部屋でオレがどうしようがオレの勝手だろうが！」
ア「…ったく」
女「おい、どこいくんだよ」
ア「教える義理はねぇ」ヒュンッ
女「勝手な奴め…」

プルルルルルル…

女「ん…もしもし…」
男『おー、元気かー』
女「なんだよ、いきなり」
男『今俺の家出たとこなんだけどさ』
女「で、どうだった！？」
男『やっぱり気にしてたんじゃねえかよ』
女「まあ、一応知り合いだからな」
男『じゃあ一緒に来ればよかったろ』
女「黙れ。さっさと話しに入れよ」
男『おお、こわいこわい。まあ結論から言うとしばらくは死んでるだろうなって感じ』
女「なんだよ、それ」
男『まあ詳しくは会って聞けな』
女「んなこと言うなよ、教えろ」
男『俺から言うのは簡単だけどな、きっと直で話した方が深刻さが伝わるっていうか…』
女「病気ってことか？」
男『まあ…病気といえば病気だな…』
女「歯切れが悪ぃなあ」
男『ま、そういうことだから。なんかレモラがうるさいから切るわ、じゃな』
女「待てっ！このロリコ……切りやがった…もうわけわかんねぇ」

女「なんでオレがわざわざ………」ブツブツ
ア「その割にはちゃんと手土産まで用意してるじゃんかよ」
女「これは、まあ、見舞いなんだから手ぶらで行くのは悪いだろ」
ア「そういうことにしておこう」
女「男といい、お前といいわけわかんねぇ奴ばっかだな」
ア「えいっと」

ぴんぽーん

ユ「はーい、どちらさま？」
女「えと、俺くんのクラスメートで女といいます。俺くんいますか？」
ユ「あ、女ねぇ？俺にぃは今出かけてるけどもうちょっとで帰ってくると思うよ、上がって上がって」
ア「今の、ユニコーンか？」
女「みたい、だな…さっぱりわからなかった…」

ユ「紅茶がいい？コーヒーがいい？」
女「あ、紅茶がいい」
ア「どっちもいらねー」
ユ「はーい」
女「あと、これ。見舞いの品」
ユ「わざわざありがとう、女ねぇ」
女「たいしたものじゃないけどな。ところで」
ユ「何？」
女「なんかしゃべり方がこの前までとちがうなって思って。なんか急に大人っぽいしゃべり方になってる」
ユ「似合う？」
女「みんながどう思うかはしらねぇけど、オレは今の方が好きだぜ」
ユ「ありがと」

女「で、俺の病気ってそんなに悪いのか？」
ユ「病気？俺にぃは病気なんかかかってないよ？どうして？」
女「え、あ、いやなんかずいぶん長く休んでっから、そうなのかなと思っただけ。（男…とりあえず明日朝一でしばく）」
ユ「体は元気だよ、ピンピンしてる。食べてる量は少なめだけど」
女「じゃあなんで…あれ？そういえばカトブレパス？俺と一緒に出かけてるのか？」
ユ「……………」

ユ「いなくなっちゃった」
女「え？どういうこと？え？」
ユ「どういうことって…言葉通りの意味。ある日突然ふわっと」
女「？？？？」
ア（鈍い奴め）
ユ「で、俺にぃは毎日いろんなとこを探し回ってるってわけ」
女「…よくわかんねーけど、見つかりそうなのか？」
ユ「たぶん無理……………だと思う」
女「ってことは要はさ、カトブレパスは俺を捨ててどっか行っちゃって、俺はそれを信じたくなくて必死こいて探してるってことか」
ユ「だいたい、そんな感じ」
女「自分フッた女必死こいて探してる俺も俺だけどさ、カトブレパスがその相手ってのはびっくりだよな
　　おとなしそうな顔して大胆なことやるなぁ、他に男でもできたのかねぇ」
ユ「カブねぇのこと…そんなに悪く言わないで！」
女「すまん、そんな怒った顔すんなよ、気に触ったなら謝っから」
ユ「…ごめん」
女「なんでそっちが謝るのさ」
ア「お楽しみのところ悪いんだけどよ、腹減って死にそうなんだけど」
女「少しぐらい我慢しろ」
ア「無理！」
女「即答すんじゃねぇ！」
ユ「よかったらご飯食べてく？」
ア「マジで！ユニコーン、お前いい奴だな！」
女「少しは遠慮ってもんを覚えろ、このクソ幻獣！！ほれ、帰るぞ！」
ユ「別に遠慮しなくても大丈夫だよ？」
女「いや、ほんとにいいから。俺にはオレが来たってことだけ伝えといてくれ、じゃな！」
ユ「あ、うん」
女「一個忘れてた、学校で待ってるってのも追加で」
ユ「ん、わかった」
ア「離せ！！」

ゴキッ

ア「いだっ！！」
女「じゃあな～！」

女「よっしゃ――――――ぁ！！やっと出番が来た！」
作「耳元で叫ぶなよ」
女「そんなことを言うのはこの口かぁ？お前が出ばんをよこさないのが悪いんだろぉ～」ギリギリ
作「いひゃい、いひゃいって」
女「まあいいや、で、カトブレパスは再起不能（リタイヤ）ってことでいいのか？」
作「さ～どうでしょう」
女「答えろよ」
作「ちょっとだけ言うと、もう一回でてきます、200年後に」
女「なげぇｗｗｗｗ」
作「そこで完結って感じになる予定…多分。そこまでキングクリムゾンで時間すっ飛ばしてもよかったんだけどね」
女「それじゃオレの出ばんがこねぇだろーが…」ギリギリギリ
作「やめろってのに！出ばんちゃんと作ってやったんだからいいだろ、もう」
女「まあそれは置いといてさ、オレとアルテマはどういうキャラなんだ？」
作「女＝オレっ子・暴力的・常識はあり・鈍い
　　アルテマ＝オレっ子その2・暴力的・非常識のように振る舞う・鋭い」
女「で、ユニちゃんの変わりようは何だったんだ？」
作「カトブレパスさんがいなくなって、カトブレパスさんがしてた役割をしようとしてるからじゃないかな、うん」
女「しゃべり方まで変わってたのには驚いたぜ」
作「だてに数百年生きちゃいませんから」
女「ところでさ、あれ…なんだ？」
作「なんかこっちに転がってくるね、…石？」
カ（ニヤリ）
作「まさか…」
カ「せめて、苦しまずに…ね」ニヤニヤ
作「とりあえず、俺はあれから逃げる！」
女「お、おう……なんだったんだ？いったい」

完結間近か・・・

カーバンクルたん「と言うわけ出来ました学校の屋上」
ボム「なにがというわけなのかわからないんだが･･･」
ショタ「♪」
カ「さ、ご飯を食べましょ･･･」
ボム「そうっすね･･･」
ガサゴソ
カ「あれ？いつもと違う･･･？」
ボム「どうせ一緒に食うんだから作り直しあした、ちなみに元から作っておいたのは旦那へのおすそ分けにもっていきあす」
カ「ふーん」
ショタ「あーん♪」
カ「あーん♪」
モキュモキュ
ボム「そっこういちゃつき始めたよ･･･、じゃあ、あっしは旦那に持って行くんで」
カ「ちょい待ち、あんたじゃあ場所がわからないでしょ･･･それにその姿じゃあ･･･」
ショタ「バニシュ」
ボム「これでよし」
カ「･･･まぁいいわ、私も早くいちゃつきたいし･･･ラムウ様は実験室にいるわ」
ボム「了解しあした」
カ「じゃあ、いってらっしゃい･･･、ほら、今度は私のほうからあーん♪」
ショタ「あーん♪」
ボム「いってきあーす」

ラムウ先生「･･･で、きたと」
ボム「うっす」
ラム「律儀じゃのぅ･･･」
ボム「いえいえ、それ以外にも用件がありあしたし」
ラム「うむ、聞こう･･･の前に、その喋り方を辞めないか？」
ボム「･･･」
ラム「ワシはもう、あの家に住人ではないしのぅ･･･おぬしも話しずらいじゃろう」
ボム「ではお言葉に甘えて･･･用件というのはショタのことだ」
ラム「というと？」
ボム「ショタはなぜ成長しない？」
ラム「･･･どういう意味じゃ？」
ボム「そのままさ、ショタはカプセル―――体を作る為のバイオ液の中にいた期間も合わせたら２０歳だ、でも、あの姿は１０歳ぐらいの体だ･･･ポーチカだろうと１５０ｃｍぐらいまでは成長するはずだ･･･で、で結論が･･･」
ラム「成長できない･･･か、ショタが３種類の遺伝子から作られたのはすでに知っておるじゃろう？」
ボム「ああ」
ラム「人工的に作られたせいかショタの細胞は色々弱くてのう･･･」
ボム「･･･まさか」
ラム「そう、ショタは成長すると数ヶ月で細胞がもたなくなり、死亡する」
ボム「成長が止まっているのは･･･」
ラム「アポカリョープスの処置じゃ、あやつは１０で成長が止まっておる」
ボム「よく性交が出来たな･･･」
ラム「その辺は好きな女性と子供がなせるよう、色々頑張ったらしいが･･･、まぁ、その話は置いておこう」
ボム「うっす」
ラム「そのことはアポカリョープスの資料にのっておる･･･ワシの部屋だったところにあるはずじゃ」
ボム「読んでおく･･･で、何とかできないのか？」
ラム「無理･･･ともいえんかもな･･･」
ボム「危ない方法化･･･」
ラム「確実性が無いんじゃ･･･お主、修練の山は知っておるか？」
ボム「本来の自分を映す『水晶の鏡』がある？」
ラム「うむ、危険じゃが『水晶の鏡』ならあるいは･･･」
ボム「･･･ま、やらないよりましかと･･･」
ラム「･･･そうじゃのう･･･」
ボム「･･･と、いけね、話し込んでしまった、じゃあ、そろそろもどるんで」
ラム「うむ、弁当箱は帰りにカーバンクルに渡しておこう」
ボム「では、また今度」
パタン
ボム「･･･ふむ、今戻ると屋上に二人ともいないような気がする･･･、適当に弁当（ライター）でも食いながら戻るか」

ボカッ

男「いっっ…！出会いがしらに頭を殴るとは何事だ！それはお前の家のあいさつか何かか！？」
女「…お前が紛らわしいことを言ったからだろうが…っ！」ギリギリ
男「いたいいたい！洗濯板が当たっててさらに痛い！」
女「ほう、そんなに死にたいか……」ギリギリギリギリ
レ「…男のこと…いじめちゃ…ヤ…」
女「…ったく、今回はレモラちゃんに免じて許してやるが、次言ったらただじゃおかねえからな！」
男「わかった、わかった、お前の胸が洗濯板みたいだなんて２度と言わない」

ゲシッ！！

女「死ね！一度じゃなく二度死ね！！いくぞ、アルー」
ア「ほいよ」

男「ふぅ…死ぬかと思った」
レ「…自業自得…それに…女の子に…あんなこと言っちゃ…だめ」
男「わかってるよ、ただ…いやなんでもない」
レ「？」


女「（また俺は休みか…）まったく、しょうがない奴だな…」
ア「誰が？」
女「なんでもねぇよ、ひとりごとだ」

男「おし、昼飯食いに行こうぜ」
女「レモラちゃんはどうしたよ」
男「もちろん一緒だぜ、たまにはみんなと食うのも悪くないだろ？」
女「まぁ、別にどっちだっていいけどよ」
男「おし、決まりじゃあ学食でも行くか」
ア「じゃあオレはカツカレーに、月見うどんに、牛丼に…」
女「ひとつにしろ、ひとつに」

女「相変わらず騒がしいな、学食は」
男「特に今学期になってからな。学食がオープンカフェになってた時もあったしな」
ア「ああーあったなそんなことも」
女「八割方お前のせいじゃねーか！」
ア「エ、ナンノコト？」

ペシッ

ア「てっきりゲンコツが飛んでくると思ったが」
女「学食の屋根が吹っ飛ぶとこを見るのは二度と御免だ」
男「あー、あれは見事な吹っ飛び方だった、全盛期の室伏のハンマーのような
　　あの後お前ファラク先生に大目玉食らってたっけな」
女「…やかましい。てか何を身構えてるんだ」
男「いつもだったらグーが飛んでくるところだなぁと思って」
女「あほか」

ファ「…で、ここで○○であるからして…」
女「………」
ファ「というわけだ。次のページ三行目から…女、読んでくれ」
女「………」
ファ「女？」
女「は、はい？」
ファ「授業中にぼーっと窓の方眺めてどうしたんだ？UFOでも飛んでたか？」

どっ！！

女「え、いえ…ただぼーっとしてただけです、スイマセン」
ファ「赤点取っても知らんぞ、じゃあ代わりに…」
男（やっぱ普通じゃねえよなぁ…）

―――同時刻――――

カ姉「ふう、やっと着いた、久しぶりねぇ…んしょっと」

ぴんぽーん

ユ『はーい、どちらさま？』
カ姉『私よ、カブねぇのお姉さん』
ユ『開いてるから入ってきていいよ』

カ姉「久しぶり！ところで俺くんは？」
ユ「今出かけてる」
カ姉「相変わらず？」
ユ「相変わらず。はい紅茶」
カ姉「ありがと、気がきくようになったわね」
ユ「今までだってできたけどやってなかっただけだよ」
カ姉「そうだったかしら、ふふっ」
ユ「それで御用はなあに？」
カ姉「まだしばらくは平気なんだけどね、長く休んでると俺くんが留年しちゃうぞって忠告しに」
ユ「それで学校行くようになってくれるといいけど」