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    元スレ新ジャンル「いきなり夢オチ」

    新ジャンル覧 / PC版 /
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    51 :

    すごくせつないな…。
    頼むから途中で投げないで…最後まで読みたい。

    52 = 1 :

    「自分が誰かわかった?」
    「俺は俺だ。それ以外の何物でもない」
    「そんなもっともらしい答えぶらさげて解決したつもり?」
    「それさえ分かれば俺は十分だ」
    「あなたの名前は?」
    「男だ」
    「あなたの出身地は?」
    「忘れた」
    「血液型は?ご両親の仕事は?誕生日は?」
    「・・・・・・」
    「何も分からないじゃない。そう、君は君のことを何も知らない」
    「お前は知って──」



    「ここで終わりかよ・・・」
    「俺は俺のことを知らない・・・か」

    53 = 1 :

    「はあ・・・今日も学校か」
    男友「よう、浮かない顔してんな」
    「なかなか割り切れない自分に嫌気がさしてんだよ」
    男友「なんのこっちゃ。そういや前々から話してた夢が云々とやらはどうなったんだよ」
    「今でも見続けてるよ・・・この瞬間も」
    男友「ふーん・・・お前さ『胡蝶の夢』って話知ってるか?」
    「あー何だっけか」
    男友「中国の何とかっていう思想家の説話なんだけどさ・・・」


    「荘周が夢を見て蝶になり、蝶として大いに楽しんだ所、夢が覚める。
    果たして荘周が夢を見て蝶になったのか、あるいは蝶が夢を見て荘周になっているのか」

    54 = 1 :

    男友「・・・とかなんとか」
    「そんなのあったな」
    男友「お前の話聞いてたら思い出したんだよ」
    「胡蝶の夢ね・・・なあ男友」
    男友「なんだ?」
    「もしもさ、蝶になった男の夢、男になった蝶の夢、どちらも交互に見続けていたら現実はどっちにあるんだろうか」
    男友「難しいこと聞くなあ・・・どっちにもないとか?」
    「どっちにも?」
    男友「そのどちらもが誰かの夢ってことさ」
    「夢は覚めるもんだろ」
    男友「覚めるからこそ夢、とも言うな」
    「覚めない夢ならそれはもう現実か・・・」
    「なら俺が見てるのは──」



    「おっと・・・」
    「なら俺が見てるのは──覚め続ける夢を見続ける俺の夢ってとこか」
    「覚めなければ・・・?」

    55 = 51 :

    星新一の小説思い出した。

    56 :

    「今まで見た中に現実は無い・・・」
    「今までも、これからも全部ひっくるめて夢か・・・」
    「いつまで続くんだか」
    「不安?」
    「不安っていうよりも・・・落ち着かない」
    「夢なのに」
    「夢は現実に基づくものだ。覚めない夢は夢じゃない」
    「・・・現実に戻りたい?」
    「ああ。こんな茶番はもう終いだ。俺は、俺自身でこの夢から覚める」
    「それは無理よ」
    「どうしてだ」


    「君が見てる夢じゃないから」



    「っ!!・・・ハアハア」
    「俺の見てる夢じゃない・・・?」
    「じゃあ誰の・・・?」

    57 :

    支援はいるかい

    58 :

    夢の世界って、この現実でたったひとつの魔法だと思う。

    59 :

    シリアス展開の方が好き

    60 = 56 :

    「・・・よう」
    「おはよ。よく眠れた?」
    「嫌味か?」
    「まさか。それより聞きたいことがあるんじゃない?」
    「・・・ここは誰の夢なんだ」
    「不思議に思ったことない?夢なのに自分の思い通りにできないなんて」
    「おかしいだろ。俺は確かにここに存在してるだろうが」
    「夢の中で『存在』なんて言葉、あてになると思う?」
    「・・・お前はどこまで知っている」
    「もう気づいてるんでしょ?ここは──」
    「お前の、夢か」
    「・・・」
    「なら教えろ。お前の現実に俺はいるのか?」
    「ええいたわ。確かに君は存在していた」
    「していた・・・?」
    「だってもういないもの。自殺。死んじゃったかの。屋上から飛び降りて」

    62 = 56 :

    あーあ死んじゃったかのってなんだよ
    ここにきてそりゃねーよ

    63 = 56 :

    「・・・じゃあ俺は何なんだ」
    「記憶よ。夢は全て記憶からの情報でできているものでしょ?」
    「本当か?」
    「確証なんて無いわよ。専門家じゃないんだから」
    「何故俺はここにいる」
    「私の記憶の中の登場人物だからよ。当たり前じゃない。見てきたんでしょ?私の記憶」
    「あれは実際にあったことなのか」
    「あくまで私の主観だけどね。泊めてもらったり映画見に行ったり・・・楽しかったな」
    「待て。俺はいつでも俺の主観で行動してきたしお前がいないこともあったぞ」
    「それはただ私の記憶の中の君が行動したに過ぎない。君は現実の君とは別物なの」
    「私の記憶の範囲でしか君は行動しないしできない」
    「男友とのやりとりだって傍から見ればただの自問自答よ」
    「俺はお前の記憶をなぞっていただけなのか」
    「そうよ」
    「・・・いつになったら終わる」
    「私が君を忘れるまで」

    64 = 58 :

    こうきたか…

    65 = 56 :

    「・・・これからだったの」
    「何がだ」
    「君のこと、もっともっとたくさん知ってもっともっと仲良くなって」
    「・・・」
    「死んじゃったらもう、何もできない。何もしてあげられない」
    「だから、ずっと覚えてるの。ずっと繰り返すの。これまで君が私にしてくれたこと、私が君にしてあげたことを」
    「・・・はた迷惑な話だ」
    「そう、かもね・・・だから君はこれからも存在する。私の思い出と、夢のはざまでゆらゆらとね」
    「一つだけ教えろ」
    「何?」
    「俺はどうして死んだ。なぜ自殺なんかした」
    「・・・その時屋上に一緒に居た男友が言うにはね、飛び降りる直前に男がぼそっとつぶやいたらしいの」
    「・・・何をだ」


    「『夢から覚めてやる』って──」

    66 = 57 :

    なるほど、ね

    67 = 56 :

    ガバッ!!
    「っぷはあ!!・・・ハア・・・夢?」
    「?何で俺はこんなに震えてるんだ・・・?」
    「どんな夢だったっけ・・・ま、いっか」
    「やべ、遅刻しちまう」

    「遅刻遅刻~」
    「あー眠・・・」
    ドーン!!
    「いったーい・・・」
    「てめっどこ見て──」



    おわり

    68 :

    怖っ

    69 :

    追いついちまった・・・

    70 = 59 :

    エンドレスは怖い

    71 :

    起点がないのな

    72 :

    昨日も含めてお疲れ様
    面白かった
    最後発狂とかならなくてよかった

    73 :

    げ、あの時マジに死んだのかよ

    74 :

    無限に夢幻か…

    75 = 56 :

    つーことで終わらせることができたよ
    昨日スレ乗っ取って書き始めたはいーけど
    方向性分かんなくなっちゃうしスレ結局落ちちゃうしでおいちゃんまいっちゃったけど
    まあ満足満足
    すまんねどーもこんなんに付き合ってくれて

    76 = 73 :

    なかなか楽しめた

    77 = 57 :

    短くとも充実してものを書いた>>1

    78 :

    一気に読めた
    乙!!!またこういうの書いてくれよ!!!

    79 :

    なんという世にも奇妙な物語

    80 :

    なんだ、1はただの神作家か

    81 :

    そんなに伸びてないし最初のほう微妙だったから油断してたが、不覚にも良スレだった
    >>1

    84 :

    まとめ方上手いな、面白かった。>>1

    86 :

    俺こういうの大好きなんだぜ。>>1乙!

    87 :

    まだ10レスも読んでないが良さそうだ

    89 = 87 :

    読み切れた
    なかなか興味深い話で楽しめたぜ

    91 :

    無限ループってry

    93 :

    この>>1はカフカ読んだことありそう

    95 :

    これは新ジャンルなのかww
    でもいいもの見たぜ、>>1

    96 :

    青い鳥を思い出した

    97 :

    いがったよ

    98 :

    なんか変だと思ったら立て直してたのか

    99 :

    まだ残っててよかった
    なかなか不思議だった乙!


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