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元スレ新ジャンル「常連客」
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女「こんにちは」
客A「おかえりー、雪乃ちゃん」
客B「Cさん、タバコ消して」
客C「あ、ああ、ごめん」
女「ごめんなさい。あれ、店員は?」
客B「オレが馬券買い忘れてたって言ったら、自分の買うついでに行ってくれるって」
女「じゃあ、戻ってくるまで私が面倒みます。なにか注文ありますか?」
客D「雪乃さん、あまり動くと」
女「いいんですよ、少しくらい動いた方が」
客A「雪乃ちゃん、まだ仕事行ってるの?」
女「ええ、ぎりぎりまで行くつもりですけど、多分、来月には休みになると思います」
客B「そっかー、楽しみだな」
客C「ついにオレらの孫の誕生だ」
客D「名前とか、考えているんですか」
女「えっと、女の子だったら決めている名前があります」
客A「なんていうの?」
女「それはまだ、秘密です」
店員「お待たせしましたー。GIだけあって、混んでますよ」
店員「あ、雪乃、来てたんだ」
女「おかえりなさい」
店員「それは、こっちのセリフ。おかえりなさい、雪乃」
女「ただいま」
客A「おかえりー、雪乃ちゃん」
客B「Cさん、タバコ消して」
客C「あ、ああ、ごめん」
女「ごめんなさい。あれ、店員は?」
客B「オレが馬券買い忘れてたって言ったら、自分の買うついでに行ってくれるって」
女「じゃあ、戻ってくるまで私が面倒みます。なにか注文ありますか?」
客D「雪乃さん、あまり動くと」
女「いいんですよ、少しくらい動いた方が」
客A「雪乃ちゃん、まだ仕事行ってるの?」
女「ええ、ぎりぎりまで行くつもりですけど、多分、来月には休みになると思います」
客B「そっかー、楽しみだな」
客C「ついにオレらの孫の誕生だ」
客D「名前とか、考えているんですか」
女「えっと、女の子だったら決めている名前があります」
客A「なんていうの?」
女「それはまだ、秘密です」
店員「お待たせしましたー。GIだけあって、混んでますよ」
店員「あ、雪乃、来てたんだ」
女「おかえりなさい」
店員「それは、こっちのセリフ。おかえりなさい、雪乃」
女「ただいま」
平日のそこに、昔の面影はすでにない。
昔あった暗いグレーではなく、明るいグレーに統一された、曲線と直線を繋げた、まるでオブジェの集まりような建物。
しかし土曜日、競馬場で1Rが始まった頃、そこの様相は一変する。
開けられたシャッターの中から、薄汚れた折りたたみテーブルとパイプ椅子が運び出される。
綺麗な建物の壁面に立てかけられる、店の看板。
中を見てみれば、壁に貼られた、黄ばんだポスター、お品書き。
昔と未来が融合して、そこは、それはもう、独特の空気を持った場所になっていた。
だが、変わらないものは、必ずある。
男(どうしようかな)
男(あ、もうはじのほうまで来てしまった)
男(ひとりで、入るのもなあ)
男(でも、えーい、この店、空いてるし)
店員「いらっしゃい」
男「あ、ど、どうも」
女「おひとり?じゃ、そこの席に」
男「あ、は、はい」
店員「雪乃ー、焼き鳥の方、ちょっと頼む」
女「はーい。笑顔ー、注文聞いてあげてー」
女の子「はーい」
男(うわ、若い女の子)
女の子「お決まりですか?」
男「え、えと、あの、お勧めとかあります?」
女の子「そうですねー、おでんかモツ煮か、あと焼き鳥。お酒はどうします?」
男「それじゃ、あの・・・」
これが、新しいお話のはじまり。
「常連客/府中西門飲み屋街 完」
これにて完結です。
長々とすみませんでした。
また機会があったら、別のネタで、どこかで。
なんかすごい達成感。
長々とすみませんでした。
また機会があったら、別のネタで、どこかで。
なんかすごい達成感。
あ、あと、東京競馬場西門飲み屋街は実在しています。
本当に素晴らしいところです。
特に競馬おやじが好きな方にはたまりません。
機会が、ありましたら、ぜひ。
本当に素晴らしいところです。
特に競馬おやじが好きな方にはたまりません。
機会が、ありましたら、ぜひ。
ありがとうございます。
それと、出てくる馬の名前、レースは、全て本物です。
90年代の競馬が、自分にとって一番楽しかったものでしたから、そういう舞台にしました。
それと、出てくる馬の名前、レースは、全て本物です。
90年代の競馬が、自分にとって一番楽しかったものでしたから、そういう舞台にしました。
…鳥肌立ってる…話の流れが綺麗過ぎだ…。
かなり勉強になりました…そしてGJでした!
かなり勉強になりました…そしてGJでした!
なんとまあ……
凄腕の書き手さんが来てくれたもんだ、GJ!
これを期に活性化してくれることを祈るぜ!
凄腕の書き手さんが来てくれたもんだ、GJ!
これを期に活性化してくれることを祈るぜ!
始めの方に出てきた、スカーレットブーケが好き。ぐっと来た。俺、今その生産牧場で働いてる。ブーケの初子が生まれた年に入社。スカーレットメールから、ダイワスカーレットまで、産駒は全て見てきてる。(勿論調教もしてる。)こんな生産者冥利に尽きる話は無い!号泣しながら読んでます。gjです。
携帯からすまん
携帯からすまん
トリップテストも兼ねまして。
なんか、凄いお褒めの言葉ばかりで感謝しています。
もう一度、ありがとうございます。
>>214
まさか、生産牧場の方にまで見ていただけたとは。スカーレットメール、大好きでした。もちろんすかぶーの子供でしたから。
今は訳あって、競馬やめちゃったんですよ。なのでダイワスカーレットは、ごめんなさい、買っていません。
なんか、凄いお褒めの言葉ばかりで感謝しています。
もう一度、ありがとうございます。
>>214
まさか、生産牧場の方にまで見ていただけたとは。スカーレットメール、大好きでした。もちろんすかぶーの子供でしたから。
今は訳あって、競馬やめちゃったんですよ。なのでダイワスカーレットは、ごめんなさい、買っていません。
そして、なんでわざわざトリップなのかと言いますと、ちょっとした自己主張です。
蛇足かもしれませんけど、外伝、行きます。
蛇足かもしれませんけど、外伝、行きます。
客A「うーっす」
店員「おかえりなさい」
女「Aさん、おかえりなさい」
客A「おっ?笑顔ちゃーん」
女の子「Aじー、Aじー」
客A「おー、笑顔ちゃん、Aじーちゃんだぞー」
客D「あ、笑顔さん・・・Aさんに獲られてしまった」
客A「笑顔ちゃんは、Aじーちゃんが好きなんだもんなー」
女「ほんと、笑顔はAさんが好きなんだね」
客D「・・・」
女「でも、困ったわね」
店員「ああ、どうしたものか」
客A「どうしたのさ?」
客D「どうも冷蔵庫が壊れてたみたいで、今日の分の材料が・・・」
客A「あらー、どうするの?」
店員「ちょっと駅前まで材料買い込んで来ます。雪乃、電器屋さんには連絡しといたから、ここは頼む」
女「ええ、急いでお願いね」
女の子「おうまー、おうまー」
客A「そうだねー、テレビにお馬さんが映ってるね」
女「なんか、変な単語ばかり覚えてるような気がするなー。問題かな」
客D「笑顔さんも、もうふたつ、でしたか」
女「そうなんですよ。もう少しで二歳。最近はもう、やんちゃで手を焼いてます」
女の子「おそとー、さんぽー」
女「笑顔、今はちょっと散歩は無理なの」
女の子「さんぽー、さんぽー」
女「困ったわね」
女の子「さんぽー。う、うう、うえぇぇ」
客A「あのさ、雪乃ちゃん。よかったらオレが笑顔ちゃん、連れてってもいい?」
女「え?でも、メインまだ買ってないんですよね?」
客A「それでさ、散歩も兼ねて、笑顔ちゃんと競馬場でも行ってこようかな、と」
客D「私も、ついていきますよ」
女「Dさんも一緒なら、ま、いいですか。お願いできますか」
客A「オレも信用ないなー」
女「違いますよ。信用してます。いい意味でも悪い意味でも」
女「笑顔に変な言葉教えないでくださいよ。こないだなんか、おけらー、おけらーって言ってたんですから」
客A「ごめんごめん。じゃ、行こうか、笑顔ちゃん」
女の子「さんぽー」
客D「じゃ、行ってきますね」
女「いってらっしゃい。お願いします」
「常連客/府中西門飲み屋街外伝 笑顔ちゃん、はじめての競馬場」
店員「おかえりなさい」
女「Aさん、おかえりなさい」
客A「おっ?笑顔ちゃーん」
女の子「Aじー、Aじー」
客A「おー、笑顔ちゃん、Aじーちゃんだぞー」
客D「あ、笑顔さん・・・Aさんに獲られてしまった」
客A「笑顔ちゃんは、Aじーちゃんが好きなんだもんなー」
女「ほんと、笑顔はAさんが好きなんだね」
客D「・・・」
女「でも、困ったわね」
店員「ああ、どうしたものか」
客A「どうしたのさ?」
客D「どうも冷蔵庫が壊れてたみたいで、今日の分の材料が・・・」
客A「あらー、どうするの?」
店員「ちょっと駅前まで材料買い込んで来ます。雪乃、電器屋さんには連絡しといたから、ここは頼む」
女「ええ、急いでお願いね」
女の子「おうまー、おうまー」
客A「そうだねー、テレビにお馬さんが映ってるね」
女「なんか、変な単語ばかり覚えてるような気がするなー。問題かな」
客D「笑顔さんも、もうふたつ、でしたか」
女「そうなんですよ。もう少しで二歳。最近はもう、やんちゃで手を焼いてます」
女の子「おそとー、さんぽー」
女「笑顔、今はちょっと散歩は無理なの」
女の子「さんぽー、さんぽー」
女「困ったわね」
女の子「さんぽー。う、うう、うえぇぇ」
客A「あのさ、雪乃ちゃん。よかったらオレが笑顔ちゃん、連れてってもいい?」
女「え?でも、メインまだ買ってないんですよね?」
客A「それでさ、散歩も兼ねて、笑顔ちゃんと競馬場でも行ってこようかな、と」
客D「私も、ついていきますよ」
女「Dさんも一緒なら、ま、いいですか。お願いできますか」
客A「オレも信用ないなー」
女「違いますよ。信用してます。いい意味でも悪い意味でも」
女「笑顔に変な言葉教えないでくださいよ。こないだなんか、おけらー、おけらーって言ってたんですから」
客A「ごめんごめん。じゃ、行こうか、笑顔ちゃん」
女の子「さんぽー」
客D「じゃ、行ってきますね」
女「いってらっしゃい。お願いします」
「常連客/府中西門飲み屋街外伝 笑顔ちゃん、はじめての競馬場」
客A「ほーら笑顔ちゃん、あれがスタンドだよー」
女の子「すたんどー」
客D「Aさん、いきなり変な言葉を・・・」
客A「あ、ああ、そうだったな」
女の子「すたんどー、すたんどー」
客A「手遅れ、なのかな?」
客D「さあ、どうでしょう」
女の子「あ、おうまー」
客D「そうですね、お馬さんですよ」
客A「あ、やばい10Rもう返し馬だよ。買ってくるわ」
客D「私は見送りですから、笑顔さんの面倒は見てます。行ってきてください」
客A「おう、頼むわ」
客D「さ、ここ座りましょう」
女の子「うん、Dじー」
客D「寒くないですか?」
女の子「だっこー」
客D「え?」
女の子「だっこ」
客D「分かりました。それっ」
バサバサ
女の子「なにー?」
客D「これは、競馬・・・、その、新聞です」
女の子「しんぶー」
客D「はい、新聞です。ええと、マイラーズカップは・・・」
女の子「これーーー」
客D「えっ!?」
女の子「これーーーー」
客D「笑顔さん・・・これって」
客A「戻ったよー、ん?どうした?」
客D「いや、新聞ひらいて予想してたら、笑顔さんが、これって、指差して、その馬が、その」
客A「Dさんらしくないなぁ。なに驚いてるのさ」
女の子「これーーー」
客A「え、これって、ほんとにか」
女の子「すたんどー」
客D「Aさん、いきなり変な言葉を・・・」
客A「あ、ああ、そうだったな」
女の子「すたんどー、すたんどー」
客A「手遅れ、なのかな?」
客D「さあ、どうでしょう」
女の子「あ、おうまー」
客D「そうですね、お馬さんですよ」
客A「あ、やばい10Rもう返し馬だよ。買ってくるわ」
客D「私は見送りですから、笑顔さんの面倒は見てます。行ってきてください」
客A「おう、頼むわ」
客D「さ、ここ座りましょう」
女の子「うん、Dじー」
客D「寒くないですか?」
女の子「だっこー」
客D「え?」
女の子「だっこ」
客D「分かりました。それっ」
バサバサ
女の子「なにー?」
客D「これは、競馬・・・、その、新聞です」
女の子「しんぶー」
客D「はい、新聞です。ええと、マイラーズカップは・・・」
女の子「これーーー」
客D「えっ!?」
女の子「これーーーー」
客D「笑顔さん・・・これって」
客A「戻ったよー、ん?どうした?」
客D「いや、新聞ひらいて予想してたら、笑顔さんが、これって、指差して、その馬が、その」
客A「Dさんらしくないなぁ。なに驚いてるのさ」
女の子「これーーー」
客A「え、これって、ほんとにか」
ごめんなさい。間違えた。
上の「マイラーズカップ」、「スイートピーステークス」に切り替えてください。
上の「マイラーズカップ」、「スイートピーステークス」に切り替えてください。
客A「・・・笑顔ちゃん。Aじーちゃん、笑顔ちゃんにお小遣いあげよう。これ」
女の子「わーーーい」
客A「それでな、この100円で、笑顔ちゃんの馬券、買ってきてあげるよ」
女の子「ばけんー」
客D「Aさん・・・、でも、いいですね。私買ってきますよ。100円、預かります」
客A「頼んだよ」
客D「買ってきましたよ。笑顔さん、はい、これ、馬券です」
女の子「ばけんー」
客A「Dさん、言葉」
客D「開き直りました」
客A「ははっ、そうだよな。笑顔ちゃん、ちゃんと持ってるんだぞ」
女の子「もってるー」
客D「もう少しでお馬さんが走りますからね、応援しましょう」
女の子「うん」
15分後
客A「・・・おい、これ、ほんとか?」
客D「まあ、3番人気でしたから、来ても不思議じゃないですけど」
女の子「・・・」
客A「あ、寝てるよ」
客D「この騒ぎの中で、よく」
客A「さすがはあの店育ちだ」
客D「さ、戻りますか。それっ」
客A「あ、ずるいぞ。オレにもおんぶさせろ」
客D「早いもの勝ちです」
客A「なぁ、Dさん。あの時のこと、思い出しただろ」
客D「ええ、覚えてます。楽しかったですね」
客A「まったく。親子2代で楽しませてくれるとは、すごい親子だな」
客D「ほんとうに。素敵な方々ですね」
客D「ほら、つきましたよ。笑顔さん」
女の子「・・・」
客A「天使だなぁ」
女の子「わーーーい」
客A「それでな、この100円で、笑顔ちゃんの馬券、買ってきてあげるよ」
女の子「ばけんー」
客D「Aさん・・・、でも、いいですね。私買ってきますよ。100円、預かります」
客A「頼んだよ」
客D「買ってきましたよ。笑顔さん、はい、これ、馬券です」
女の子「ばけんー」
客A「Dさん、言葉」
客D「開き直りました」
客A「ははっ、そうだよな。笑顔ちゃん、ちゃんと持ってるんだぞ」
女の子「もってるー」
客D「もう少しでお馬さんが走りますからね、応援しましょう」
女の子「うん」
15分後
客A「・・・おい、これ、ほんとか?」
客D「まあ、3番人気でしたから、来ても不思議じゃないですけど」
女の子「・・・」
客A「あ、寝てるよ」
客D「この騒ぎの中で、よく」
客A「さすがはあの店育ちだ」
客D「さ、戻りますか。それっ」
客A「あ、ずるいぞ。オレにもおんぶさせろ」
客D「早いもの勝ちです」
客A「なぁ、Dさん。あの時のこと、思い出しただろ」
客D「ええ、覚えてます。楽しかったですね」
客A「まったく。親子2代で楽しませてくれるとは、すごい親子だな」
客D「ほんとうに。素敵な方々ですね」
客D「ほら、つきましたよ。笑顔さん」
女の子「・・・」
客A「天使だなぁ」
店員「おかえりなさい」
女「すみませんでした。泣いたりしませんでした?」
客D「はい、娘さんお返しします」
客A「大丈夫だったよ。それより、面白い話があるぞ」
女「あら、寝ちゃってる」
客B「笑顔ちゃん、連れてったんだって?」
客C「ずるいぞ、ふたりして」
客A「へっへー」
客D「居たもの勝ちです」
女「はい、熱燗です。どうぞ」
客B「おー、雪乃ちゃんのお酌だ」
女「笑顔が寝てるときだけですね。私がそうやって言ってもらえるの」
客C「そんなことないよ。雪乃ちゃんは雪乃ちゃん、笑顔ちゃんは笑顔ちゃん」
女「どうですかね」
店員「それで、面白い話ってなんですか?もしかして、さっきのレースですか?」
客A「そうなんだよ、あんたら買ってたか?あの馬券」
客C「そりゃまあ、あの時のこと、思い出したし」
客B「やっぱりCさんもそう思ったか」
女「実は私も午前中に・・・」
店員「私も」
客A「それがな、Dさんが開いた新聞をさ、笑顔ちゃんが指差したんだよ。それがなんとさ」
1998年5月10日 東京11Rスイートピーステークス(4歳オープン)芝1800m
単勝2番、配当620円、勝利馬名、エガオヲミセテ。
客C「額縁、もういっこ用意しないとな」
客D「雪乃さん、またカメラ持ってきてください。今度は笑顔さんを真ん中にして、記念写真撮りましょう」
女「はい、ありがとうございます。来週にでも、持ってきます」
客B「じゃ、乾杯いくぞ」
客A「笑顔ちゃんに」
「「乾杯!!」」
女の子の手には、くしゃくしゃになってはいますけど、しっかりとその馬券が握られていました、とさ。
女「すみませんでした。泣いたりしませんでした?」
客D「はい、娘さんお返しします」
客A「大丈夫だったよ。それより、面白い話があるぞ」
女「あら、寝ちゃってる」
客B「笑顔ちゃん、連れてったんだって?」
客C「ずるいぞ、ふたりして」
客A「へっへー」
客D「居たもの勝ちです」
女「はい、熱燗です。どうぞ」
客B「おー、雪乃ちゃんのお酌だ」
女「笑顔が寝てるときだけですね。私がそうやって言ってもらえるの」
客C「そんなことないよ。雪乃ちゃんは雪乃ちゃん、笑顔ちゃんは笑顔ちゃん」
女「どうですかね」
店員「それで、面白い話ってなんですか?もしかして、さっきのレースですか?」
客A「そうなんだよ、あんたら買ってたか?あの馬券」
客C「そりゃまあ、あの時のこと、思い出したし」
客B「やっぱりCさんもそう思ったか」
女「実は私も午前中に・・・」
店員「私も」
客A「それがな、Dさんが開いた新聞をさ、笑顔ちゃんが指差したんだよ。それがなんとさ」
1998年5月10日 東京11Rスイートピーステークス(4歳オープン)芝1800m
単勝2番、配当620円、勝利馬名、エガオヲミセテ。
客C「額縁、もういっこ用意しないとな」
客D「雪乃さん、またカメラ持ってきてください。今度は笑顔さんを真ん中にして、記念写真撮りましょう」
女「はい、ありがとうございます。来週にでも、持ってきます」
客B「じゃ、乾杯いくぞ」
客A「笑顔ちゃんに」
「「乾杯!!」」
女の子の手には、くしゃくしゃになってはいますけど、しっかりとその馬券が握られていました、とさ。
このネタ自体は最初から考えてはいたんですけど、本編に入れると、冗長にすぎるので、外伝としました。
エガオヲミセテは本当に、システィーナと並んで大好きな馬だったんですけど、あんな結果になって残念です。
それも、本編に入れなかった理由のひとつです。やっぱり戻せない不幸は、こういう話には似合いませんしね。
エガオヲミセテは本当に、システィーナと並んで大好きな馬だったんですけど、あんな結果になって残念です。
それも、本編に入れなかった理由のひとつです。やっぱり戻せない不幸は、こういう話には似合いませんしね。
ほ~
当時の資料をとっておいてあるのか…
とりあえずお疲れさん
いいもん読ましてもらったよ
当時の資料をとっておいてあるのか…
とりあえずお疲れさん
いいもん読ましてもらったよ
いや、大体の時期と結果だけ覚えてるだけです。
詳細はUm@SQLを見て、確認してから書いてます。
詳細はUm@SQLを見て、確認してから書いてます。
結果だけでも覚えてるからすげぇよ
俺も投下できるように考えてみるかな…
俺も投下できるように考えてみるかな…
自分としては、このネタでこれ以上続けるのは、さすがにもう難しいかな。
新ネタ投下、期待してます。
新ネタ投下、期待してます。
>>228 自分も色々投下してきたし色んな投下みてきたけどこんな面白いのは初めてだ。マジ泣いた。ありがとう!!次は小説で(ry
競馬に興味はなかったけど、暖かい情景が浮かぶいい話だった
ラストはじわっと来たよ
ラストはじわっと来たよ
女(あー疲れた。こんなにおそくなっちゃった)
女(あれ?こんなとこにお店なんてあったっけ?)
女(晩御飯もまだだし、なんかすごくいい匂いだし・・・)
ガラガラ
女(あ、お客さん、誰もいない・・・)
男「いらっしゃい」
女「あ、いいですか?」
男「はい、どうぞ、お座りください。何にしますか?」
女「えっと、いい匂いしてたので入ってみたんです。何ですか?」
男「あぁ、サンマですよ」
女「え?お客さんいないのに焼いてたんですか?」
男「いや、こうやって匂い出していたら、お客さん来てくれるかなって思いまして」
女「面白いことしますね」
男「ほら、現にこうやって、来ていただけたわけですし」
女「あはは、じゃあそのサンマください。あと、お酒は・・・」
男「一応ウチは、地酒がお勧めですね」
女「へぇ、どこのですか?」
男「地元のが多いですね。神奈川の」
女「あ、それ?」
男「これですか?丹沢山-隆-って言います。これにしますか?」
女「ええ、お願いします」
男「少々お待ちくださいね」
女「はい」
男「おまたせしました。どうぞ」
女「あ、すみません」
くいっ
女「・・・美味しい。はじめて飲んだけど・・・」
男「そうですか、それは良かった。どんどん食べてください」
女「ええ、サンマなんて久しぶりです。昔はよく食べたなぁ」
男「これ漬物です。サービスですよ」
女「いいんですか?」
男「ええ、折角のはじめてのお客さんですし」
女「ありがとうございます。いただきますね」
男「はい、どうぞ」
女「ごちそうさまでした。美味しかった」
男「ありがとうございます」
女「あの、こちら、定休日とか営業時間とか、どういう感じなんですか?」
男「ひとりでやっているものでして、そういうのは特に決めてはいないんですよ。大体今の時間くらいならやっています」
女「そうですか。また来ますね」
男「ありがとうございます。また、よろしくお願いいたします」
女(あれ?こんなとこにお店なんてあったっけ?)
女(晩御飯もまだだし、なんかすごくいい匂いだし・・・)
ガラガラ
女(あ、お客さん、誰もいない・・・)
男「いらっしゃい」
女「あ、いいですか?」
男「はい、どうぞ、お座りください。何にしますか?」
女「えっと、いい匂いしてたので入ってみたんです。何ですか?」
男「あぁ、サンマですよ」
女「え?お客さんいないのに焼いてたんですか?」
男「いや、こうやって匂い出していたら、お客さん来てくれるかなって思いまして」
女「面白いことしますね」
男「ほら、現にこうやって、来ていただけたわけですし」
女「あはは、じゃあそのサンマください。あと、お酒は・・・」
男「一応ウチは、地酒がお勧めですね」
女「へぇ、どこのですか?」
男「地元のが多いですね。神奈川の」
女「あ、それ?」
男「これですか?丹沢山-隆-って言います。これにしますか?」
女「ええ、お願いします」
男「少々お待ちくださいね」
女「はい」
男「おまたせしました。どうぞ」
女「あ、すみません」
くいっ
女「・・・美味しい。はじめて飲んだけど・・・」
男「そうですか、それは良かった。どんどん食べてください」
女「ええ、サンマなんて久しぶりです。昔はよく食べたなぁ」
男「これ漬物です。サービスですよ」
女「いいんですか?」
男「ええ、折角のはじめてのお客さんですし」
女「ありがとうございます。いただきますね」
男「はい、どうぞ」
女「ごちそうさまでした。美味しかった」
男「ありがとうございます」
女「あの、こちら、定休日とか営業時間とか、どういう感じなんですか?」
男「ひとりでやっているものでして、そういうのは特に決めてはいないんですよ。大体今の時間くらいならやっています」
女「そうですか。また来ますね」
男「ありがとうございます。また、よろしくお願いいたします」
女(あ、やってるやってる。今日もいい匂い出してるし)
男「いらっしゃい」
女「こんばんは」
男「今日は何にしますか?」
女「またいい匂いしてたし、えっとなんだろう」
男「ホッケですよ」
女「いいですね、それください。お酒は、その、この前の隆、を」
男「はい、お待ちください。魚だけじゃなんですし、他になにか食べますか?」
女「えっと、なにかおすすめとかありますか?」
男「そうですね、今日なら・・・そうだ、肉じゃがなんてどうです?」
女「あ、いいですね。それください」
女「おいしい。久しぶりだな、家庭料理みたい」
男「お一人暮らしなんですか?」
女「ええ、そうなんです。料理とか得意じゃなくって、こういうのはあまり作らないんですよね」
男「そうなんですか。普段はどうしているんですか?」
女「コンビニとかが多いですね。お恥ずかしながら」
男「あんまり偏った食事はよくないですよ」
女「そうですね。気をつけます」
男「あ、すみません。説教がましいことを」
女「あはは、なぜか男さんに言われると、素直にはい、って言っちゃいます」
女「ごちそうさまでした」
男「あの、一応ですけど、バランスとかそういうのも考えてますので、また来ていただけますか」
女「あ、あはははは、さっきの話ですか」
女「ええ、また来ます。その時はお願いしますね」
男「いらっしゃい」
女「こんばんは」
男「今日は何にしますか?」
女「またいい匂いしてたし、えっとなんだろう」
男「ホッケですよ」
女「いいですね、それください。お酒は、その、この前の隆、を」
男「はい、お待ちください。魚だけじゃなんですし、他になにか食べますか?」
女「えっと、なにかおすすめとかありますか?」
男「そうですね、今日なら・・・そうだ、肉じゃがなんてどうです?」
女「あ、いいですね。それください」
女「おいしい。久しぶりだな、家庭料理みたい」
男「お一人暮らしなんですか?」
女「ええ、そうなんです。料理とか得意じゃなくって、こういうのはあまり作らないんですよね」
男「そうなんですか。普段はどうしているんですか?」
女「コンビニとかが多いですね。お恥ずかしながら」
男「あんまり偏った食事はよくないですよ」
女「そうですね。気をつけます」
男「あ、すみません。説教がましいことを」
女「あはは、なぜか男さんに言われると、素直にはい、って言っちゃいます」
女「ごちそうさまでした」
男「あの、一応ですけど、バランスとかそういうのも考えてますので、また来ていただけますか」
女「あ、あはははは、さっきの話ですか」
女「ええ、また来ます。その時はお願いしますね」
女「こんばんはー」
男「いらっしゃい。今日は何にしますか?」
女「晩御飯まだなんですよ。この前のお話の通り、なにかバランスのいいお食事、お願いします」
男「はい、分かりました。お待ちください」
男「お待たせしました」
女「うわ、すごい。本当に晩御飯みたい」
女「ご飯にお魚、肉じゃがに味噌汁も・・・」
男「女さん特別晩御飯ということにしました。食べ終わったらいつものお酒にしましょうか」
女「はい。じゃぁ、いただきます・・・あれ?私、名前言ってましたっけ?」
男「・・・あれ?覚えてませんか?前回来て下さった時に」
女「私、結構酔っ払ってたからなぁ」
男「そういえばそうでしたね。あ、覚えていないかもしれないのでもう一度、私は男と言います。これからもよろしくお願いします」
女「はい。こちらこそ」
女「ごちそうさまでした。本当に美味しかった」
男「さ、じゃあお酒にしましょうか」
女「はい」
女「なんかすっかり家庭の晩御飯みたいになっちゃった」
男「すみません。一応居酒屋ではあるのですが」
女「いえいえ、本当に美味しくて、温かくって、すごく嬉しいんです」
女「しかも晩酌までできちゃうし」
男「あまり飲みすぎてはいけませんよ」
女「はい。って、またそういうコトを」
男「あ、そうでした。すみません」
女「そういえば、私が最初に来たとき、すぐにお酒出してもらえましたよね?」
男「ええ、そうでしたけど」
女「私、未成年に見られちゃうことが多くって、お酒を飲むと店の人にすぐ疑わしい目で見られるんですよ」
男「そうなんですか。うーん、たしかにお若く見えますけど。お幾つなんですか?」
女「22になります。来年の3月で学校も卒業」
男「大学生さんですか」
女「ええ、就職活動とか卒論とか、まぁいろいろです。だからここでご飯を食べれるのが、すごく助かってます」
男「それは良かった。いろいろ大変でしょうけど、頑張ってください。数少ない常連さんなんで、こちらも助かっています」
女「お互い様、ですか」
男「そうですね。これからもよろしくお願いします」
女「はい」
男「いらっしゃい。今日は何にしますか?」
女「晩御飯まだなんですよ。この前のお話の通り、なにかバランスのいいお食事、お願いします」
男「はい、分かりました。お待ちください」
男「お待たせしました」
女「うわ、すごい。本当に晩御飯みたい」
女「ご飯にお魚、肉じゃがに味噌汁も・・・」
男「女さん特別晩御飯ということにしました。食べ終わったらいつものお酒にしましょうか」
女「はい。じゃぁ、いただきます・・・あれ?私、名前言ってましたっけ?」
男「・・・あれ?覚えてませんか?前回来て下さった時に」
女「私、結構酔っ払ってたからなぁ」
男「そういえばそうでしたね。あ、覚えていないかもしれないのでもう一度、私は男と言います。これからもよろしくお願いします」
女「はい。こちらこそ」
女「ごちそうさまでした。本当に美味しかった」
男「さ、じゃあお酒にしましょうか」
女「はい」
女「なんかすっかり家庭の晩御飯みたいになっちゃった」
男「すみません。一応居酒屋ではあるのですが」
女「いえいえ、本当に美味しくて、温かくって、すごく嬉しいんです」
女「しかも晩酌までできちゃうし」
男「あまり飲みすぎてはいけませんよ」
女「はい。って、またそういうコトを」
男「あ、そうでした。すみません」
女「そういえば、私が最初に来たとき、すぐにお酒出してもらえましたよね?」
男「ええ、そうでしたけど」
女「私、未成年に見られちゃうことが多くって、お酒を飲むと店の人にすぐ疑わしい目で見られるんですよ」
男「そうなんですか。うーん、たしかにお若く見えますけど。お幾つなんですか?」
女「22になります。来年の3月で学校も卒業」
男「大学生さんですか」
女「ええ、就職活動とか卒論とか、まぁいろいろです。だからここでご飯を食べれるのが、すごく助かってます」
男「それは良かった。いろいろ大変でしょうけど、頑張ってください。数少ない常連さんなんで、こちらも助かっています」
女「お互い様、ですか」
男「そうですね。これからもよろしくお願いします」
女「はい」
男「いらっしゃい」
女「こんばんは」
男「晩御飯はまだですか?」
女「ええ、はい」
男「どうしました?元気ないですね」
女「え、いや、なんでもないですよ」
男「はい、お酒です」
女「どうも・・・あの、男さん?男さんも飲みませんか?」
男「・・・そうですね。たまには飲みますか」
女「ありがとう」
女「それでですね、第一希望の内定、取れなかったんですよ」
男「そうだったんですか」
女「あーあ、憧れてたのになあ。○○」
男「・・・大手ですものね」
女「それだけじゃないんです」
男「?」
女「私のお兄ちゃんのいた会社だったんです。一流だったし、お父さんもお母さんも喜んでた」
男「・・・そうだったんですか」
女「でも、みんないなくなっちゃった」
男「・・・」
女「お父さんとお母さんは、5年前に事故で」
女「お兄ちゃんは去年、病気で・・・」
男「・・・」
女「あ、あ、すみません。こんな話で」
男「いや、いいんですよ。辛いときとか苦しいときとか、沢山あるじゃないですか」
男「そういうときは、いつでもお話聞かせてください。あまり力にはなれませんけど」
女「そんな、申し訳ないし。それに、ここで温かいご飯を食べると、元気が出るんです。すごく私の力になってくれています」
男「そうですか。それは、照れくさいですけど、よかった」
女「またお話聞いてくださいね。今度は楽しいお話をしたいなぁ」
男「ええ、いつでも」
女「ほら、飲んでください」
女「こんばんは」
男「晩御飯はまだですか?」
女「ええ、はい」
男「どうしました?元気ないですね」
女「え、いや、なんでもないですよ」
男「はい、お酒です」
女「どうも・・・あの、男さん?男さんも飲みませんか?」
男「・・・そうですね。たまには飲みますか」
女「ありがとう」
女「それでですね、第一希望の内定、取れなかったんですよ」
男「そうだったんですか」
女「あーあ、憧れてたのになあ。○○」
男「・・・大手ですものね」
女「それだけじゃないんです」
男「?」
女「私のお兄ちゃんのいた会社だったんです。一流だったし、お父さんもお母さんも喜んでた」
男「・・・そうだったんですか」
女「でも、みんないなくなっちゃった」
男「・・・」
女「お父さんとお母さんは、5年前に事故で」
女「お兄ちゃんは去年、病気で・・・」
男「・・・」
女「あ、あ、すみません。こんな話で」
男「いや、いいんですよ。辛いときとか苦しいときとか、沢山あるじゃないですか」
男「そういうときは、いつでもお話聞かせてください。あまり力にはなれませんけど」
女「そんな、申し訳ないし。それに、ここで温かいご飯を食べると、元気が出るんです。すごく私の力になってくれています」
男「そうですか。それは、照れくさいですけど、よかった」
女「またお話聞いてくださいね。今度は楽しいお話をしたいなぁ」
男「ええ、いつでも」
女「ほら、飲んでください」
男「女さん、女さん」
女「ううーーーー」
男「大丈夫ですか?女さん」
女「だいじょーぶですー。けど、もー、のめません」
男「はい、お水ですよ」
女「ありがとー。わたし、そろそろかえりますね」
男「ありがとうございました。本当に大丈夫ですか?」
女「だいじょーぶ、でーす。それじゃーまたー」
ガラガラ、ドガラシャン
男「!!お、女・・・さん!?」
女「あたたー」
男「女さん・・・送っていきますよ」
女「えー、でも、わるいし」
男「いいですから。送ります」
女「・・・ごめんなさい」
男「ふー、星が綺麗ですね」
女「うーーーー」
男「ほら、頑張って、このまままっすぐでいいんですか?」
女「えと、うんと、たぶん」
男「女さん・・・」
女「・・・ふえー」
男「あ、女さん?女さん?」
女「・・・」
男「・・・しかたないなぁ。よいしょっと」
女「・・・おにいちゃん・・・」
男「っ!!女・・・さん?」
女「あったかいよ・・・おにいちゃん・・・」
男「・・・」
女「ううーーーー」
男「大丈夫ですか?女さん」
女「だいじょーぶですー。けど、もー、のめません」
男「はい、お水ですよ」
女「ありがとー。わたし、そろそろかえりますね」
男「ありがとうございました。本当に大丈夫ですか?」
女「だいじょーぶ、でーす。それじゃーまたー」
ガラガラ、ドガラシャン
男「!!お、女・・・さん!?」
女「あたたー」
男「女さん・・・送っていきますよ」
女「えー、でも、わるいし」
男「いいですから。送ります」
女「・・・ごめんなさい」
男「ふー、星が綺麗ですね」
女「うーーーー」
男「ほら、頑張って、このまままっすぐでいいんですか?」
女「えと、うんと、たぶん」
男「女さん・・・」
女「・・・ふえー」
男「あ、女さん?女さん?」
女「・・・」
男「・・・しかたないなぁ。よいしょっと」
女「・・・おにいちゃん・・・」
男「っ!!女・・・さん?」
女「あったかいよ・・・おにいちゃん・・・」
男「・・・」
女(あー、うー)
男「いらっしゃい」
女「あ、あ、男、さん」
男「店の前を行ったりきたり、どうしました?」
女「あ、あの、その、昨日は、その」
男「ああ、昨日の件ですか。全然問題ありませんよ。気にしないでください」
女「本当にすみませんでした。部屋まで送ってもらっちゃって」
男「いえいえ、ただ付き添っただけですから」
男「晩御飯はまだですか?」
女「あ、はい、まだです」
男「じゃ、ちょっと待っててくださいね」
女「あの、昨日は本当にごめんなさい」
男「気にしないでください。本当になんでもなかったんですから」
女「あ、あの、私、なにか変なコトとか言ってませんよね?」
男「変なこと、ですか?いえ、別に」
女「ほんとにですか?」
男「ええ」
女「・・・なんか、にやにやしてません?」
男「そ、そんなこと、ありませんよ」
女「あ、やっぱりおかしい。私、何か言ったんですか?正直に言ってください」
男「女さんは寂しがり屋さんだってことくらい、ですか」
女「な、なんですか、それー。うーーー」
女「もう何回もごめんなさいって言ってごめんなさい」
男「本当にもういいですから」
女「私、ひとりきりだし、学校でも友達とか、そのいなくって。その、相談とか泣き言とか言える相手がいなくって」
男「そういえば、就職先が○○希望ってことは、電子関係ですか」
女「そうなんです。なので、同じゼミにも女の子がもう一人いるだけです」
男「その方とは仲良くないんですか?」
女「仲が悪いってわけではないんだけど、その子、彼氏いるし」
男「今度で構いませんから、その方と一緒にウチに来てくださいよ」
女「え?その、えっと」
男「せっかくの大学生活なんですから、お友達とも仲良くしないと、ね」
女「・・・なんか、食事とかお友達とか、お兄ちゃんみたい・・・」
男「え?何か言いました?」
女「あ、いえ、なんでもない、です」
男「いらっしゃい」
女「あ、あ、男、さん」
男「店の前を行ったりきたり、どうしました?」
女「あ、あの、その、昨日は、その」
男「ああ、昨日の件ですか。全然問題ありませんよ。気にしないでください」
女「本当にすみませんでした。部屋まで送ってもらっちゃって」
男「いえいえ、ただ付き添っただけですから」
男「晩御飯はまだですか?」
女「あ、はい、まだです」
男「じゃ、ちょっと待っててくださいね」
女「あの、昨日は本当にごめんなさい」
男「気にしないでください。本当になんでもなかったんですから」
女「あ、あの、私、なにか変なコトとか言ってませんよね?」
男「変なこと、ですか?いえ、別に」
女「ほんとにですか?」
男「ええ」
女「・・・なんか、にやにやしてません?」
男「そ、そんなこと、ありませんよ」
女「あ、やっぱりおかしい。私、何か言ったんですか?正直に言ってください」
男「女さんは寂しがり屋さんだってことくらい、ですか」
女「な、なんですか、それー。うーーー」
女「もう何回もごめんなさいって言ってごめんなさい」
男「本当にもういいですから」
女「私、ひとりきりだし、学校でも友達とか、そのいなくって。その、相談とか泣き言とか言える相手がいなくって」
男「そういえば、就職先が○○希望ってことは、電子関係ですか」
女「そうなんです。なので、同じゼミにも女の子がもう一人いるだけです」
男「その方とは仲良くないんですか?」
女「仲が悪いってわけではないんだけど、その子、彼氏いるし」
男「今度で構いませんから、その方と一緒にウチに来てくださいよ」
女「え?その、えっと」
男「せっかくの大学生活なんですから、お友達とも仲良くしないと、ね」
女「・・・なんか、食事とかお友達とか、お兄ちゃんみたい・・・」
男「え?何か言いました?」
女「あ、いえ、なんでもない、です」
女「こ、こんばんは」
男「いらっしゃい」
友女「こんばんはー」
友男「こんばんは」
男「あ、お友達ですか?」
女「ええ、この間、お話してた」
友女「女に話聞いてきましたー」
男「それはどうも。ささ、どうぞ」
男「みなさん、お酒は日本酒でいいんですね」
友女「はーい」
友男「はい」
女「お願いします」
男「はい、お待たせしました。お食事はどうします?」
女「そうですね。今日のおすすめを適当に」
友女「おー、かっこいい。なんか常連って感じだね」
友男「ほんと。オレよりずっとかっこいいよ。こういう飲み屋の常連って憧れるよな」
女「い、いや、そんな・・・」
友男「ほら、乾杯しよう」
女「う、うん」
友女「じゃ、いくよー」
「「乾杯」」
男「いや、ウチの店で乾杯って言葉聞くのは、はじめてかもしれません」
女「そういえば、私が来てる時って、他のお客さん、いたことありませんね」
男「最近開いた店ですし。常連なんて女さんくらいですよ」
友女「でも、美味しい」
友男「おう、ほんとに。このお酒、いいですね」
男「ありがとうございます。そちらさんはその・・・」
友女「一応、彼氏でーす」
男「ああ、やっぱり」
友男「一応、ってなんだよ」
女「あははは」
男「いらっしゃい」
友女「こんばんはー」
友男「こんばんは」
男「あ、お友達ですか?」
女「ええ、この間、お話してた」
友女「女に話聞いてきましたー」
男「それはどうも。ささ、どうぞ」
男「みなさん、お酒は日本酒でいいんですね」
友女「はーい」
友男「はい」
女「お願いします」
男「はい、お待たせしました。お食事はどうします?」
女「そうですね。今日のおすすめを適当に」
友女「おー、かっこいい。なんか常連って感じだね」
友男「ほんと。オレよりずっとかっこいいよ。こういう飲み屋の常連って憧れるよな」
女「い、いや、そんな・・・」
友男「ほら、乾杯しよう」
女「う、うん」
友女「じゃ、いくよー」
「「乾杯」」
男「いや、ウチの店で乾杯って言葉聞くのは、はじめてかもしれません」
女「そういえば、私が来てる時って、他のお客さん、いたことありませんね」
男「最近開いた店ですし。常連なんて女さんくらいですよ」
友女「でも、美味しい」
友男「おう、ほんとに。このお酒、いいですね」
男「ありがとうございます。そちらさんはその・・・」
友女「一応、彼氏でーす」
男「ああ、やっぱり」
友男「一応、ってなんだよ」
女「あははは」
友男「それで女さんさ、卒論の調子どう?」
女「それがね。まだ、あんまり」
友女「でも、女さー、几帳面だから頑張りすぎなんだよ。もうちょっとさ、おおらかにさ」
友男「友女、おまえのやってるのは、手抜きって言うんじゃないのか?」
女「あははは、友男くん、言いすぎだよ」
友女「あれ?マスター、かわいい指輪ですね、それ」
男「あ、ああ、これですか」
女「ほんとだ。気づかなかった」
友女「へー、似合いませんね」
友男「こら、友女」
男「いいんですよ。確かに似合ってませんしね」
友女「ごめんなさい。ちょっと調子に乗りすぎました」
女(誰に、もらったんだろう・・・自分で買った、わけないよね)
友男「さ、そろそろ帰るか」
友女「ごちそうさまでしたー。3人分で割ってください」
男「はい。お一人1500円です」
友女「安っ!!ほんとですか?」
男「ええ」
友男「ほんと美味しかったです。それでこんなに安いなんて。また来ますね」
男「ありがとうございます。是非また、皆さんで」
友女「女、帰らないの?」
女「私?私は、その、もうちょっと。ほら、お二人の邪魔しちゃ、ね?」
友女「別に気にすることないのに。ま、じゃあまたね」
男「はい。お茶漬けです」
女「ありがとう・・・」
男「いいお友達でしたね」
女「ええ、この間、男さんに言われて、ちょっと勇気出してみたんです。そしたら、ほんとうに、意外なくらい仲良くしてくれて」
男「よかったですね。ほんとうによかった」
女「・・・ええ」
女「それがね。まだ、あんまり」
友女「でも、女さー、几帳面だから頑張りすぎなんだよ。もうちょっとさ、おおらかにさ」
友男「友女、おまえのやってるのは、手抜きって言うんじゃないのか?」
女「あははは、友男くん、言いすぎだよ」
友女「あれ?マスター、かわいい指輪ですね、それ」
男「あ、ああ、これですか」
女「ほんとだ。気づかなかった」
友女「へー、似合いませんね」
友男「こら、友女」
男「いいんですよ。確かに似合ってませんしね」
友女「ごめんなさい。ちょっと調子に乗りすぎました」
女(誰に、もらったんだろう・・・自分で買った、わけないよね)
友男「さ、そろそろ帰るか」
友女「ごちそうさまでしたー。3人分で割ってください」
男「はい。お一人1500円です」
友女「安っ!!ほんとですか?」
男「ええ」
友男「ほんと美味しかったです。それでこんなに安いなんて。また来ますね」
男「ありがとうございます。是非また、皆さんで」
友女「女、帰らないの?」
女「私?私は、その、もうちょっと。ほら、お二人の邪魔しちゃ、ね?」
友女「別に気にすることないのに。ま、じゃあまたね」
男「はい。お茶漬けです」
女「ありがとう・・・」
男「いいお友達でしたね」
女「ええ、この間、男さんに言われて、ちょっと勇気出してみたんです。そしたら、ほんとうに、意外なくらい仲良くしてくれて」
男「よかったですね。ほんとうによかった」
女「・・・ええ」
男「その割には、なんか元気ないですね」
女「・・・あ、えと、その、その指輪って・・・」
男「・・・あ、ああ、これですか。これは、その、妹から貰ったものなんです」
女「妹さん、ですか」
男「疑わしい目で見ないでくださいよ。本当なんです。おぼえ・・・」
女「?」
男「私も薄っすらとしか、覚えていないくらい昔のことなんです。私も、妹も、本当に小さい頃の話です」
女「そうなんですか。妹さん、いたんですか」
男「ええ」
女「今は?」
男「遠くに住んでいます。そこそこ元気でやっているみたいです」
女「男さん、シスコン?」
男「な!?なんですか、いきなり」
女「だって、そんな覚えていないくらい昔に、妹さんから買ってもらった指輪なんて」
男「うーん、まいったなぁ。そう言われるとそうかもしれないし」
女「・・・実はこの間、私が酔っ払っちゃったときの事、少しだけ覚えてるんです」
男「あ、あの時ですか」
女「うん。あの時。ごめんなさい。お兄ちゃんって呼んでましたよね、私」
男「覚えてたんですか」
女「本当の妹さんがいたのに、私」
男「気にしないでくださいよ」
女「男さんって、顔とか体格とか全然違うんですけど、最初に来た時から思っていたんだけど、どこかお兄ちゃんに似ている気がしたんです」
男「そうなんですか」
女「ごめんなさい」
男「いいんですよ。実は私もあの時、その、お兄ちゃんって呼んでもらって、少し嬉しかったんです」
男「もうずいぶん、1年くらいかな、妹にも会ってなかったもので。しかも女さん、私の妹に似てるんです、なんとなくですけど」
女「えへへ。なんか可笑しいですね」
男「そうですね。可笑しいですね」
女「・・・お兄ちゃん」
男「それは、やっぱり、照れますから、止めましょうよ」
女「ですね。ちょっと残念だけど」
女「・・・あ、えと、その、その指輪って・・・」
男「・・・あ、ああ、これですか。これは、その、妹から貰ったものなんです」
女「妹さん、ですか」
男「疑わしい目で見ないでくださいよ。本当なんです。おぼえ・・・」
女「?」
男「私も薄っすらとしか、覚えていないくらい昔のことなんです。私も、妹も、本当に小さい頃の話です」
女「そうなんですか。妹さん、いたんですか」
男「ええ」
女「今は?」
男「遠くに住んでいます。そこそこ元気でやっているみたいです」
女「男さん、シスコン?」
男「な!?なんですか、いきなり」
女「だって、そんな覚えていないくらい昔に、妹さんから買ってもらった指輪なんて」
男「うーん、まいったなぁ。そう言われるとそうかもしれないし」
女「・・・実はこの間、私が酔っ払っちゃったときの事、少しだけ覚えてるんです」
男「あ、あの時ですか」
女「うん。あの時。ごめんなさい。お兄ちゃんって呼んでましたよね、私」
男「覚えてたんですか」
女「本当の妹さんがいたのに、私」
男「気にしないでくださいよ」
女「男さんって、顔とか体格とか全然違うんですけど、最初に来た時から思っていたんだけど、どこかお兄ちゃんに似ている気がしたんです」
男「そうなんですか」
女「ごめんなさい」
男「いいんですよ。実は私もあの時、その、お兄ちゃんって呼んでもらって、少し嬉しかったんです」
男「もうずいぶん、1年くらいかな、妹にも会ってなかったもので。しかも女さん、私の妹に似てるんです、なんとなくですけど」
女「えへへ。なんか可笑しいですね」
男「そうですね。可笑しいですね」
女「・・・お兄ちゃん」
男「それは、やっぱり、照れますから、止めましょうよ」
女「ですね。ちょっと残念だけど」
女「こんばんはー」
男「いらっしゃい」
女「へへー」
男「どうしました?ご機嫌ですね」
女「じゃーん!!」
男「こ、これは」
男「そうですか。内定出ましたか」
女「一応、第2志望ではありましたけど、ここも立派な所です」
男「本当に良かった。うん、良かった」
女「男さん、私より喜んでるみたい」
男「あ、そうですか?そうかな」
女「嬉しいです。こうやって喜んでもらえると、私も頑張ったかいがあるし」
男「さて、ご飯まだなんでしょう?今日はおめでたい日だし、サービスしますよ」
女「え、そんな」
男「いいんですよ。数少ない常連さんなんだから。女さんの前途に、ね。今日は暖かい物にしましょう」
女「はいっ、お願いします」
女「ごちそうさまでした」
男「春からは社会人ですね。勤め先はどこになるんですか?」
女「多分、品川の本社だと思います。ここからだとちょっと遠いけど」
男「引越しはしないんですか?」
女「正直、迷ってます。ココに来れなくなるのも、その、嫌ですし」
男「ここはここ、仕事は仕事ですよ。あんまり無理はしないでくださいね」
女「またそうやって・・・」
男「あ、ああ、そうですね。でも、本当に、ここを大切にしていただいているのは嬉しいんですけど、実生活に負担をかけないようにしないと」
女「・・・男さん、そうやって、やさしいのは嬉しいですけど、私にとってココはすごく大切なお店なんです」
男「うーん、そういう意味で言ったつもりは」
女「ほんと、お兄ちゃんみたい」
男「・・・そういえば、ほら、来週はもうクリスマスですよ」
女「話、そらしましたね。でも、そっか、今年ももう少し」
男「女さんはクリスマス、どうするんですか?」
女「苦しい所をついてくるなぁ。ひとり、ですよ」
男「付き合っている人とか、いないんですか」
女「い、ま、せ、ん。ココに来ている度合いを見れば、分かりそうなものでしょう」
男「すみません」
女「ココって、クリスマスとかもやってるんですか?」
男「ええ、まあ、やっています」
女「じゃ、来ます。クリスマスやりましょうよ。ね」
男「はいわかりました。準備しておきますね」
女「やったー」
男「いらっしゃい」
女「へへー」
男「どうしました?ご機嫌ですね」
女「じゃーん!!」
男「こ、これは」
男「そうですか。内定出ましたか」
女「一応、第2志望ではありましたけど、ここも立派な所です」
男「本当に良かった。うん、良かった」
女「男さん、私より喜んでるみたい」
男「あ、そうですか?そうかな」
女「嬉しいです。こうやって喜んでもらえると、私も頑張ったかいがあるし」
男「さて、ご飯まだなんでしょう?今日はおめでたい日だし、サービスしますよ」
女「え、そんな」
男「いいんですよ。数少ない常連さんなんだから。女さんの前途に、ね。今日は暖かい物にしましょう」
女「はいっ、お願いします」
女「ごちそうさまでした」
男「春からは社会人ですね。勤め先はどこになるんですか?」
女「多分、品川の本社だと思います。ここからだとちょっと遠いけど」
男「引越しはしないんですか?」
女「正直、迷ってます。ココに来れなくなるのも、その、嫌ですし」
男「ここはここ、仕事は仕事ですよ。あんまり無理はしないでくださいね」
女「またそうやって・・・」
男「あ、ああ、そうですね。でも、本当に、ここを大切にしていただいているのは嬉しいんですけど、実生活に負担をかけないようにしないと」
女「・・・男さん、そうやって、やさしいのは嬉しいですけど、私にとってココはすごく大切なお店なんです」
男「うーん、そういう意味で言ったつもりは」
女「ほんと、お兄ちゃんみたい」
男「・・・そういえば、ほら、来週はもうクリスマスですよ」
女「話、そらしましたね。でも、そっか、今年ももう少し」
男「女さんはクリスマス、どうするんですか?」
女「苦しい所をついてくるなぁ。ひとり、ですよ」
男「付き合っている人とか、いないんですか」
女「い、ま、せ、ん。ココに来ている度合いを見れば、分かりそうなものでしょう」
男「すみません」
女「ココって、クリスマスとかもやってるんですか?」
男「ええ、まあ、やっています」
女「じゃ、来ます。クリスマスやりましょうよ。ね」
男「はいわかりました。準備しておきますね」
女「やったー」
大学キャンパスにて
友女「おーい、女ー」
女「あ、友女」
友女「内定決まったんだって?やったじゃない」
女「うん。友女もでしょ?」
友女「まあね。ところでさ」
女「どうしたの?」
友女「こないだ、一緒に行ったあのお店。営業時間とかどうなってるの?」
女「あそこは、別に決まってないみたいだよ」
友女「そうなんだ。あれから何回か友男と行ったんだけど、いっつもやってないんだよね」
女「そうなんだ。私は結構遅くに行くから、いつも開いてるけど」
友女「そっかー。友男の友達とかにも話したら、みんなも行ってみたいって言ってるし、今度みんなで行こうね」
女「うん、そうだね」
友女「あ、そういや、今日はもう終わり?まだ昼前なのに」
女「卒論もまあまあだし。今日はもう終わり。あ、そうだクリスマス空いてる?・・・って、そんなわけないか」
友女「う、うん。まぁ、あれだ。なんかあった?」
女「そうだよね。なんでもないよ、じゃ、また明日ね」
友女「おー、また明日」
女(私、クリスマスに男さんと二人が嬉しいのかな。それともみんなで・・・)
女(あれ?いい匂い)
女(店、開いてるし。しかもこの匂いって)
男「いらっしゃい」
女「こんにちは。この時間もやってたんですか」
男「いえ、たまたまなんですよ。たまに昼間も開けるんです」
女「この匂いってもしかして?」
男「ああ、自分の昼飯も兼ねてるんですけどね。ハンバーグです。女さんも食べませんか?」
女「はい。食べます。なんか懐かしいなぁ」
女「昔、なにかいい事があったとき、お母さんが作ってくれたんですよ、ハンバーグ」
男「そうなんですか。お母さんの味にはかなわないかもしれませんけど、食べてください」
女「美味しい。なんか、お母さんの味を思い出します。あんまり覚えてないけど」
女「こんばんは」
パーン
女「うわっ」
男「メリークリスマス」
女「あ、えと、その、男さん、なんか、似合わないんですけど」
男「・・・そうですか。すみません」
女「あ、ああ、落ち込まないで。えっと、こんなの久しぶりだから、その、えっと」
男「・・・」
女「あー、もう。メリークリスマス」
パーン
男「メリークリスマス」
女「男さん・・・」
男「はい、ケーキですよ。さすがに今日は日本酒はやめときましょう。シャンパンを用意しておきました」
女「なんか、のりのりですね」
男「年に一度ですし、ね。じゃあ開けますよ・・・うーん、と、よいしょ」
女「あー、シャンパンって開けるのドキドキしますよね。お兄ちゃんもそうだった」
男「まかせといてください。それっ」
ぽーん。しゃわわわわ
女「かんぱーい。このケーキって手作りなんですか?」
男「ええ、まぁ。うまく出来ないかもしれませんけど」
女「すごく美味しい。男さんって、なんでも作れるんですね」
男「いえ、そんな」
女「あ、そうだ。これ、はい、プレゼントです」
男「え?いいんですか?」
女「もちろんですよ。開けてみてもらえます?」
男「・・・はい。これって・・・指輪、ですか」
女「えっと、その、妹さんに、ね、対抗してみたんです」
男「・・・ありがとうございます。早速してみますね」
女「あ、その、妹さんの指輪は、外さないでください」
男「・・・」
女「妹さんは、多分お兄さんを思って、その。私は私の感謝を込めて、なんです。だから、その、両手に」
男「ありがとうございます。大事に、しますね」
女「・・・やっぱり、照れます、ね」
パーン
女「うわっ」
男「メリークリスマス」
女「あ、えと、その、男さん、なんか、似合わないんですけど」
男「・・・そうですか。すみません」
女「あ、ああ、落ち込まないで。えっと、こんなの久しぶりだから、その、えっと」
男「・・・」
女「あー、もう。メリークリスマス」
パーン
男「メリークリスマス」
女「男さん・・・」
男「はい、ケーキですよ。さすがに今日は日本酒はやめときましょう。シャンパンを用意しておきました」
女「なんか、のりのりですね」
男「年に一度ですし、ね。じゃあ開けますよ・・・うーん、と、よいしょ」
女「あー、シャンパンって開けるのドキドキしますよね。お兄ちゃんもそうだった」
男「まかせといてください。それっ」
ぽーん。しゃわわわわ
女「かんぱーい。このケーキって手作りなんですか?」
男「ええ、まぁ。うまく出来ないかもしれませんけど」
女「すごく美味しい。男さんって、なんでも作れるんですね」
男「いえ、そんな」
女「あ、そうだ。これ、はい、プレゼントです」
男「え?いいんですか?」
女「もちろんですよ。開けてみてもらえます?」
男「・・・はい。これって・・・指輪、ですか」
女「えっと、その、妹さんに、ね、対抗してみたんです」
男「・・・ありがとうございます。早速してみますね」
女「あ、その、妹さんの指輪は、外さないでください」
男「・・・」
女「妹さんは、多分お兄さんを思って、その。私は私の感謝を込めて、なんです。だから、その、両手に」
男「ありがとうございます。大事に、しますね」
女「・・・やっぱり、照れます、ね」
男「女さん。私も、あの、プレゼントです」
女「え?いいんですか?」
男「さっきの私と同じ科白ですよ。開けてみてください」
女「あ、パスケース」
男「ほら、4月からは電車通勤ですよね」
女「ありがとう。実は私、引っ越すの止めるつもりなんです。ここから通おうかなって」
男「だいぶ遠いですけど、大丈夫なんですか?」
女「とりあえずは、です。結構愛着のある街ですし、ココも、ほら」
男「無理はしないで、って言ってもダメなんでしょうね」
女「はい、ダメです」
女「小さかった頃、なんですけどね」
男「はい」
女「クリスマスイブはこうやって、家族みんなでケーキを食べて、お兄ちゃんと一緒にプレゼントにわくわくしていて」
女「私、ませていたからサンタさんとかは信じてなかったんだけど、わかってはいたんだけど、それでも」
女「私が最後に貰ったプレゼント、2年前にお兄ちゃんから貰った、このマフラー」
男「・・・」
女「・・・泣くとか、思った?」
男「え?」
女「去年は、本当に一人だったから泣いちゃいました。だけど、今年は違った。本当にこの店に来てよかった」
男「私も、ここのところ、一人でしたから。まさかこんなクリスマスになるとは思っていませんでした」
女「えへへ。お兄ちゃん」
男「こらっ。それは止めてください、って」
女「今日くらい、いいじゃない」
男「うーん」
女「え?いいんですか?」
男「さっきの私と同じ科白ですよ。開けてみてください」
女「あ、パスケース」
男「ほら、4月からは電車通勤ですよね」
女「ありがとう。実は私、引っ越すの止めるつもりなんです。ここから通おうかなって」
男「だいぶ遠いですけど、大丈夫なんですか?」
女「とりあえずは、です。結構愛着のある街ですし、ココも、ほら」
男「無理はしないで、って言ってもダメなんでしょうね」
女「はい、ダメです」
女「小さかった頃、なんですけどね」
男「はい」
女「クリスマスイブはこうやって、家族みんなでケーキを食べて、お兄ちゃんと一緒にプレゼントにわくわくしていて」
女「私、ませていたからサンタさんとかは信じてなかったんだけど、わかってはいたんだけど、それでも」
女「私が最後に貰ったプレゼント、2年前にお兄ちゃんから貰った、このマフラー」
男「・・・」
女「・・・泣くとか、思った?」
男「え?」
女「去年は、本当に一人だったから泣いちゃいました。だけど、今年は違った。本当にこの店に来てよかった」
男「私も、ここのところ、一人でしたから。まさかこんなクリスマスになるとは思っていませんでした」
女「えへへ。お兄ちゃん」
男「こらっ。それは止めてください、って」
女「今日くらい、いいじゃない」
男「うーん」
時は流れ、3月
女「こんばんは」
男「いらっしゃい、って」
友女「ごぶさたでしたー」
友男「こんばんは」
友A「どもー」
友B「お邪魔します」
男「今日は大勢ですね」
女「今日、卒論発表会だったんです。で、その打ち上げってことで、ゼミのみんなが」
友女「みんな、ここに来てみたいって、ずっと言ってたんですよ」
友A「すごく美味しくて、いい雰囲気の店だって聞いてたんで」
友B「かっこいい、ってか、渋いよな」
友男「ほら、みんな座ろう。女さん、ほら、あれ」
女「え、と、男さん。お勧めを適当に、それとみんなの分、隆を」
友A「おー。かっこいー」
友B「常連って感じだよな」
男「はい、少々お待ちください」
友女「女の卒論、教授連中がみんな褒めてたよね」
女「そう、だったかな」
友男「そうだよ。頑張ってたもんな」
友B「いやほんと、すごかったよ」
男「おまたせしました」
友A「あ、どうも」
男「そうですか、女さん、頑張ってましたか」
友B「ええ、すごく、もう」
女「・・・そんな」
男「私の妹、みなさん、仲良くやってくださいね」
女「!!」
友男「えー?妹なんですか?」
女「違う、違うよ。男さん、もう」
男「いつもの仕返しですよ。ははっ」
友A「なんだか、すごく仲いいな。流石は常連」
友B「いいなー」
女「男さん・・・」
友女「ほら、乾杯しようよ」
「「乾杯!!」」
友男「とりあえず、みんなの進路も決まったし」
女「みんなよかったね」
友女「たしか友Aって、女と一緒の職場だったよね?」
友A「おう、そうだよ。女、よろしくな」
女「よ、よろしくね」
友B「いいなぁ、女さんと一緒で。オレもあそこにすればよかった」
友女「なにいってんのさ」
女「あ、あの、友Aくん、よろしくね」
友A「おう。頼むな」
友B「なんか、やっぱり、悔しいぞ、この状況」
友女「私なんか、友男と一緒だしー」
友男「なー」
友B「孤独、だ」
女「あははは」
友A「それじゃねー」
友男「友女、大丈夫か」
友女「うー、飲みすぎたかも」
友B「オレも・・・」
友A「しかたないなぁ、ほら」
友B「すまん」
男「いいお友達ばかりですね」
女「うん。半年前までは、こんなこと考えられなかった」
男「でも今は、こういう状況なんですよね。良かったじゃないですか」
女「ここに来て、男さんといろいろお話して、そしてみんなと、こうやってお酒が飲めました」
男「よかったんですよ、ね」
女「はい!!」
女「来週にはもう、卒業」
男「女さんがここに来て、半年くらいですか」
女「不思議ですね。もう何年も前から、ココに来てたみたい」
男「私も店をやって長いわけじゃないですけど。そんなものなんじゃないんでしょうか」
男「居場所ってそういうものなんですよ。だけど、それも変わっていく」
女「私、卒業しても、就職しても、ココに来ます。必ず来ます」
男「・・・ありがとうございます」
女「みんなよかったね」
友女「たしか友Aって、女と一緒の職場だったよね?」
友A「おう、そうだよ。女、よろしくな」
女「よ、よろしくね」
友B「いいなぁ、女さんと一緒で。オレもあそこにすればよかった」
友女「なにいってんのさ」
女「あ、あの、友Aくん、よろしくね」
友A「おう。頼むな」
友B「なんか、やっぱり、悔しいぞ、この状況」
友女「私なんか、友男と一緒だしー」
友男「なー」
友B「孤独、だ」
女「あははは」
友A「それじゃねー」
友男「友女、大丈夫か」
友女「うー、飲みすぎたかも」
友B「オレも・・・」
友A「しかたないなぁ、ほら」
友B「すまん」
男「いいお友達ばかりですね」
女「うん。半年前までは、こんなこと考えられなかった」
男「でも今は、こういう状況なんですよね。良かったじゃないですか」
女「ここに来て、男さんといろいろお話して、そしてみんなと、こうやってお酒が飲めました」
男「よかったんですよ、ね」
女「はい!!」
女「来週にはもう、卒業」
男「女さんがここに来て、半年くらいですか」
女「不思議ですね。もう何年も前から、ココに来てたみたい」
男「私も店をやって長いわけじゃないですけど。そんなものなんじゃないんでしょうか」
男「居場所ってそういうものなんですよ。だけど、それも変わっていく」
女「私、卒業しても、就職しても、ココに来ます。必ず来ます」
男「・・・ありがとうございます」
女「こんにちは」
男「おっ、早いですね、今日は」
女「卒業式でしたー」
男「似合っていますよ、それ」
女「お母さんが、買っていてくれたんです。私が大学に入る前だったのに」
男「そうだったんですか。お母さんも、お父さんも、喜んでいると思いますよ」
女「それと、お兄ちゃんも喜んでて、くれるかな」
男「そりゃもう。喜んでいるに決まってるじゃないですか」
女「男さんは?」
男「・・・綺麗ですよ。頑張りましたね。これからは社会人だ」
女「うん」
男「卒業式なのに、ここに来ていていいんですか?」
女「この後、みんなで打ち上げです。でも、その前に、男さんにお礼を言いたくって」
男「お礼?」
女「そう。私が、こんな私が、みんなと笑ってこうしていられるの、男さんのおかげです」
女「男さんが、お兄ちゃんみたいに、私を、その、だから」
男「女さんが、そう望んで、そうなったんですよ」
女「男さん・・・」
男「ほら、お酒は一杯だけですよ、この後がありますし」
女「残念」
男「ちょっと待っていてください」
がちゃーん
女「男さん!?」
男「あ、ああ、すみません。ちょっと手が滑って」
男(・・・なるほど。そういうこと、か)
男「お待たせしました。隆ですよ。せっかくですし、私もいいですか?」
女「?珍しいですね。でも、いいですね。乾杯しよう」
男「ええ、女さん、卒業おめでとう。そして、社会に出ても、頑張ってください」
女「うんっ!!」
「「乾杯」」
男「おっ、早いですね、今日は」
女「卒業式でしたー」
男「似合っていますよ、それ」
女「お母さんが、買っていてくれたんです。私が大学に入る前だったのに」
男「そうだったんですか。お母さんも、お父さんも、喜んでいると思いますよ」
女「それと、お兄ちゃんも喜んでて、くれるかな」
男「そりゃもう。喜んでいるに決まってるじゃないですか」
女「男さんは?」
男「・・・綺麗ですよ。頑張りましたね。これからは社会人だ」
女「うん」
男「卒業式なのに、ここに来ていていいんですか?」
女「この後、みんなで打ち上げです。でも、その前に、男さんにお礼を言いたくって」
男「お礼?」
女「そう。私が、こんな私が、みんなと笑ってこうしていられるの、男さんのおかげです」
女「男さんが、お兄ちゃんみたいに、私を、その、だから」
男「女さんが、そう望んで、そうなったんですよ」
女「男さん・・・」
男「ほら、お酒は一杯だけですよ、この後がありますし」
女「残念」
男「ちょっと待っていてください」
がちゃーん
女「男さん!?」
男「あ、ああ、すみません。ちょっと手が滑って」
男(・・・なるほど。そういうこと、か)
男「お待たせしました。隆ですよ。せっかくですし、私もいいですか?」
女「?珍しいですね。でも、いいですね。乾杯しよう」
男「ええ、女さん、卒業おめでとう。そして、社会に出ても、頑張ってください」
女「うんっ!!」
「「乾杯」」
女「じゃあ私、打ち上げ行ってきますね」
男「はい、飲み過ぎないように」
女「ほんとに、心配しすぎ。・・・お兄ちゃん」
男「女・・・さん」
女「え?」
男「ずっと言えませんでしたけど、私は、ここにいる時は、女さんのお兄ちゃんでしたよ」
女「どうしたんですか?珍しい」
男「いえ、たまには、こういうのも、ね」
女「・・・お兄ちゃん、行ってきます」
男「いってらっしゃい。楽しんできてください」
女「うん」
女「どのみち三月一杯は休みだから、明日また来るね」
男「はい・・・」
男「はい、飲み過ぎないように」
女「ほんとに、心配しすぎ。・・・お兄ちゃん」
男「女・・・さん」
女「え?」
男「ずっと言えませんでしたけど、私は、ここにいる時は、女さんのお兄ちゃんでしたよ」
女「どうしたんですか?珍しい」
男「いえ、たまには、こういうのも、ね」
女「・・・お兄ちゃん、行ってきます」
男「いってらっしゃい。楽しんできてください」
女「うん」
女「どのみち三月一杯は休みだから、明日また来るね」
男「はい・・・」
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