元スレ右京「聲の形?」
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101 :
>>97 >>99
右京の推測や本人の言動から言って、竹内担任は悪意をもって意図的にやってるし自分が被害者だと思ってる。校長は無能。
この件の本質は、学校を末端とする行政が人為的に硝子にヘイト集中させてるって事
上は過失、下は悪意込みで自分らの職務放棄のケツをクラスの児童に押し付けて、
ほらほらガイジがいると迷惑でしょメンドクサイでしょwwwwww
って児童を煽動して、てめぇらの手を汚さずに硝子をいびり出そうってのがこの件の本質
だから、よく出来てるとは思うけど「相棒」クロスとして見ると違和感ってのも自分の感想
この学校で行われた事は犯罪含めた不法行為(民事)で実態は精神的殺人未遂だからな
>>1は悪い事はもちろん悪いと慎重に書いてるとは思うけど、
明らかないじめ、ハラスメントの精神的殺人に居直る様な奴らにあの絶対正論マンの杉下右京が理屈を寄せるかって事
も一度言うけど、個人個人に同情の余地があっても
法に反して、それも罪の無い他人を傷付けて居直る様な奴には冷酷なぐらいの正論通すのがあの人
植野はまだしも、竹内辺りは右京が通りすがりの立場、子どもの前で抑えてなきゃ恥を知りなさいと怒鳴られかねない
このssだと、被害者「側」が招いた事だと右京が半ば認めてるからな
西宮の問題は問題で現実的な硝子の負担をどうするかって課題はあるけど、「本来は」両成敗が成り立つ次元の事じゃないから
ちょっと勝手な感想長くなっちまったけど、竹内はもう無理だね。
警察絡んでの発表会で多額弁償担任逆ギレ暴力事件しかも障害児差別まで重なったら
校長も教育委員会に報告書出さざるを得ないし部外者含めた証人が多すぎる。竹内本人も意図的にやったと公然とぶっちゃけてる
教育委員会は辞表出させる方向で動くし懲戒免職されても文句は言えない、
マスコミ動いたら全国ニュースで公開謝罪レベルの事案だから教育委員会も揉み消し不能なら危機管理モード入る
「相棒」だと、過去にそういう押し付けられて踏み外した警察官がちょくちょく尻尾切られてる
長くなり過ぎて本当に申し訳ないが、最後にもう一つだけ
やっぱり>>1は「バベルの塔」をみたのかな
102 :
長すぎ。推敲すれば半分に出来る
103 :
専ブラで消せば0に出来る
104 :
>>101
よく長文書けたねwwえらいえらいww
105 :
「西宮…?」
それは偶然だった。
一人で廊下を歩いていた石田が階段を駆け上がろうとする硝子を見かけた。
その硝子は目から大粒の涙を零しながら階段を上がって屋上へと向かっていた。
何故西宮が屋上へ?
そのことが気になった石田はすぐさま跡をつけた。
それから屋上へとやってきた硝子はフェンスを超えようとする。
そこで石田もようやく硝子が何をしようとしているのかがわかった。
106 = 105 :
「オイッ!西宮!?」
急いで硝子に声を掛けようとする石田。
だが難聴の硝子にその声は決して届かない。
だから自分も急いでフェンスを超えて硝子の近くまで駆け寄った。
早く…急がないと…
その思いが石田を突き動かしていた。
「やめろ西宮!お前何やってんだよ!?」
硝子の手を掴んでその行動を静止する石田。
その足元はあと5cmでも離れれば地面へと真っ逆さまな危険な場所だ。
ここは4階の屋上、この高さから落ちれば命はない。
そんな場所に硝子がやってきた理由などひとつしかないはずだ。
107 = 105 :
「お前…まさか死ぬ気なのか…?」
思わずそんなことを聞き出そうとする石田。
しかし難聴である硝子に石田の声など届くはずもない。
そんな硝子だがその声が通じたのか石田に対して手話であることを訴えた。
『 死 に た い 』
手話の出来ない石田にはその意味がなんなのかわからなかった。
だが硝子は涙を流しながら何かを必死に訴えていることはわかる。
硝子は限界だった。
先ほどの母と右京の話し合いは
耳の聞こえない硝子には二人が何を話していたのかわからなかった。
だが自分の障害について話し合っていたことだけは肌身で感じ取ることができた。。
それにクラスで起きたこともすべては自分のせいだということがわかっていた。
だからこれはそのために行う。
自分が命を絶つことですべてが解決出来る。
家族の問題も学校での問題も…
108 = 105 :
「やめろ西宮…ちがう…そうじゃない…」
「お前は何も悪くない…」
「本当に悪いのは…」
それはまさに懺悔だった。
硝子をここまで追い詰めたのは石田が行ったイジメが原因。
だからこそ本当に悪いのは自分であると告げようとした。
しかし耳の聞こえない硝子に石田の声は届かない。
こんなにも近しい距離にいるのに二人はお互いの声が届かずにいた。
「キャァァァッ!?」
だが悩んでいる暇はなかった。
硝子は足元を滑らして屋上から落っこちてしまう。
109 = 105 :
「西宮――――――――ッ!!」
そんな硝子を石田は腕を掴んで危機一髪の状況で救ってみせた。
だが所詮は小学生の腕力。
いくら女子とはいえこんな不安定な場所で硝子の身体を支え続けることなど出来ない。
「西宮…しっかりしろ…絶対離すな…」
「う゛…うぅ…」
さらに厄介なことに硝子は自殺を行おうとしていた。
いざとなれば硝子自身がその手を離してしまう可能性すらある。
石田はそれをなんとしても止めたいと思っている。
だがそれは無理だ。
この状況で耳の聞こえない硝子に自分の意思を伝えることなど出来ないからだ。
「頼む…誰でもいい…助けてくれ…」
石田はこの自分たちしかいない屋上で思わず救いを求めた。
だがそんな救いなど都合よく現れるはずがない。
何故なら事の発端は自分にあるからだ。
先日のクラス会で誰もが自分に西宮イジメの責任を擦り付けた。
さらに先ほどLHRで
これから緊急の保護者会を開いて改めて補聴器の損害について話し合いが行われる。
そんな大事な時に他人の心配などしている余裕などあるわけがないのだが…
110 = 105 :
「石田くん…何してるの…?」
そこへ一人女子が現れた。それは同じクラスの川井だ。
どううやら自分と同じく様子のおかしい硝子の跡をつけてきたようだ。
「本当だ。石田お前何してんだよ。」
「オイ見ろよ!西宮が…」
そんな川井と一緒に現れたのは同じくクラスメイトの島田に広瀬も…
さらにはクラスの児童たちが挙ってこの場所へ集まっていた。
よかった。これでなんとかなる。
安堵した石田はすぐさまみんなに助けを求めた。
「頼む助けてくれ!西宮が落ちそうなんだ!」
もう石田の腕力は限界だった。
これ以上自分一人だけで硝子の身体を支えることなど無理だ。
だから早く手伝ってくれと訴えるのだが…
111 = 105 :
「嫌よ…」
「川井…お前…どうしたんだ…」
「だって西宮さんのせいだよ。
西宮さんのせいで親が来るんだよ。そしたらどうなるかわかってるの!?」
この切羽詰まった状況下で川井はそんなことで喚いていた。
他人から見れば何を下らないことを言っているのかと思うだろう。
だが川井にとってこの問題は死活問題だった。
これまで川井は自他共に認める優等生として過ごしてきた。
それこそ誰もが川井のことをいい子だとそう言ってくれている。
それなのに今回の西宮のイジメでなんと自分にまでその疑いが向けられてしまった。
杉下という刑事が乗り込んできて補聴器を調べるといってきた。
もしあれを調べられたら厄介だ。
あの補聴器には間違いなく自分の指紋が付着している。
石田たちが硝子イジメを行っていた際に悪戯半分で川井も補聴器に触ったからだ。
だから確実に自分も疑われる。そうなればどうなるか?
確実に親から叱責を受ける。それに周りの大人たちからも失望されるはず。
そうなればこれまで優等生でいた自分に耐えられるはずがない。だから…
112 = 105 :
「ねえ…西宮さん…死んでよ…」
川井は必死に硝子の身体を支えている石田の腕を掴みその手を強引に離そうとしていた。
いきなりの川井の行動に戸惑う石田。
普段は心優しい川井がまさかこんな行動に出るとはあまりにも予想外の出来事だった。
「おい…川井…何してんだ…やめろよ!」
「いいからその手を離してよ!西宮さんが死んでくれたら全部解決するんだから!」
「ふざけんな!そんなこと出来るわけないだろ!?」
「ダメなの!西宮さんが死ななきゃ…私が怒られる…お願い!その手を離してよ!」
いくら女子の腕力とはいえ
こんな態勢の悪い状態では川井でも充分に石田の手を離すことができる。
そんな川井になんとか抵抗してみせる石田だが…
113 = 105 :
「そうだ…西宮が死んでくれたら…」
「親にバレないはずだよ。」
「元々西宮が転校してきたのが悪いんだよな。」
「それなら…」
そんな川井を見て他のクラスメイトたちも挙って硝子を落とそうとしてきた。
元はといえば西宮が転校してきたことが始まりだった。
川井の言うように
西宮さえいなくなれば自分たちがイジメを行っていたことなどバレるはずがない。
親から叱られることを恐れた子供たちは愚かにもそんなことを信じてしまうようになった。
「石田!早く西宮を離せ!」
「そうよ!石田くんが一番西宮さんのことイジメてたじゃない!」
「今更いい子ぶっても意味ねえだろ!」
川井たちの言う通りだ。
元々硝子へのイジメはこの石田から始まったもの。
他の子供たちはそれに便乗したにしか過ぎない。
だが川井たちも硝子のことを疎ましく思っていたのは事実だ。
クラスの足を引っ張ってばかりの硝子を排除したい。
それが石田のイジメに便乗した子供たちの心情だった。
そして石田もまた後悔した。
こうなった原因はすべて自分の愚かさが招いたことにあるのだと…
114 = 105 :
「あ゛…は゛…な゛…じ…で…」
そんなみんなの心情を察したのか
未だ危機の状況にある硝子が石田にその手を離せと告げた。
もういい。自分なんていなくなった方がいいんだと…
今の川井たちを見れば硝子がそう思うのも無理はない。
だがそれでも石田は決してその手を離さなかった。
「ダメだ…絶対離さないからな…」
「お前は…悪くなんてない…」
「本当に悪いのは俺なんだよ。」
「俺がお前をイジメなければ…こんなことにはならなかったんだ…」
それは石田の懺悔でもあるかのような罪の告白。
硝子がクラスから疎遠されたのは石田のイジメが原因だ。
それをこの状況になりようやく痛感することが出来た。
自分がイジメなんて行わなければ硝子が自殺に及ぶことはなかった。
それにこのクラスメイトたちもこんな凶行に及ぶこともなかったはずだ。
だからこれはすべて自分のせいだと…
「そうだよ!全部石田くんが悪いんだよ!」
「もういい!石田ごと西宮を落とせ!」
遂に子供たちが強硬手段に出た。
その手を決して離さない石田ごと突き落とそうとしてきた。
この状況だと石田は抵抗すら出来ない。
もうダメかと覚悟を決めた。
115 = 103 :
善悪が分からない子供は危険で怖い
116 = 105 :
「石田くん!大丈夫ですか!」
「その手を絶対に離さないで!!」
だが間一髪のところで助けが入った。
この事態を察知した右京たちが遮る児童たちを押しのけて
転落寸前だった石田と硝子を引き上げてくれた。
助け出されたことでようやく安堵する石田…
だがこれで終わったわけではない。
他の児童たちは酷く動揺しながら右京たちに怯えていた。
117 = 105 :
「キミたち、自分が何をしたのかわかりますか。」
「だって…西宮さんが…それに石田くんも…」
「確かに発端は彼らにあった。
だからといってキミたちの行いは許されるべきではありませんよ。
さらに悪質なのはあの二人を始末することで自分たちの行いをなかったことにする。
そんなことは決して許されませんよ!」
右京からの叱責を受けて
ようやく冷静になった子供たちは我に返り自分たちの行動を振り返った。
先ほど自分たちは二人の人間を殺そうとした。
それは未遂で防がれたものの既にその行いは明らかにされた。
もう自分たちもタダで済まされない。
118 = 105 :
「お前たち!なんてことをしてくれたんだ!」
「そんな…あなたたち…どうして…」
そこへ遅れて駆けつけたのは担任の竹内にそれと喜多だ。
竹内はこの光景を目の当たりにして目を疑った。
まさか自分のクラスで殺人未遂まで発展するとは…
「どうしてお前たちはここまで馬鹿揃いなんだ!
石田は勿論だがお前らまでこんなことしてもうタダじゃ済まされんぞ!」
「そうよ…あなたたち…クラスメイトをこんな危険な目に合わせるなんて…」
駆けつけた二人はすぐさま児童たちの愚行を責めた。
何でこんなことをしたのだと…
こうなればもうタダ事では済まされない。
隠し通すなんて不可能だ。既に右京と神戸の警察の人間に知られてしまった。
この学校のすべての人間が糾弾に晒される。
そうなれば自分たちの責任問題だって生じる。
特に竹内はこの愚行を犯した6年2組の担任教師だ。
どう言い訳したところで責任逃れなど出来るはずもない。
「お前たちはどうしようもない愚か者だ!」
打ちひしがれる子供たちの前で思わず竹内が叫んだこの言葉。
どうしようもない愚か者。
確かに今の子供たちはその通りかもしれないが…
119 = 105 :
「確かに子供たちの行動は愚かでした。しかしこうなった原因は先生方にありますよ。」
「ふざけないでくれ!いくら教師とはいえここまで責任を負えるものか!」
「そんなことはありませんよ。
竹内先生が最初から硝子さんの問題を無碍にしなければこうはならなかったはずです。」
確かにこの事件の背景にあったのは竹内による硝子への放任主義が原因だ。
児童たちに障害のある硝子の世話を押し付けてしまったこと。
またそれに対する適切な対応を教えなかったことにあるのだと右京は指摘した。
「それに喜多先生もこの件に関して無関係とは言わせません。」
「そんな…私がどうして…」
「あなたも合唱コンクールなどで度々硝子さんを後押ししていた。
確かに硝子さんを想う気持ちはわかります。
ですが他の児童に理解をしてもらう対応が疎かだった。」
喜多はこれまで幾度となく硝子と他の児童たちへのコミュニケーションを図るために
手話を教えようとしたり硝子を合唱コンクールに参加させようと促した。
だがその結果はどうだったろうか?
手話を教え込もうとすれば児童たちは何故そんなことをしなければならないのだと拒絶。
また合唱コンクールも硝子が参加したせいで結果は散々だった。
そうなった原因は何か?
「喜多先生、あなたの対応もまた中途半端だったからですよ。」
「でも…私は…」
「ええ、硝子さんを想っての行動だったのはわかります。
しかしそれにはまず児童への理解を得なければならなかった。
あなたがどんなに張り切ったところでそこに児童たちの理解がなければ無意味なこと。
硝子さんを思う余り、他の児童への配慮が欠けてしまった。
だからこのようなことが起きてしまったのですよ。」
所詮喜多は指導する側の人間。
当事者となるのは6年2組の児童たちでしかない。
その児童たちの理解を得られなければ喜多がどんなに張り切ろうとそれは無駄な努力。
つまりこうなった原因はこの学校の教師たちにも責任があることは免れないものだ。
120 = 105 :
「そうよ…先生が悪いのよ…私たちは悪くないもの…」
そんな時、先ほど強硬手段に出た川井がそんなことを呟いた。
悪いのは教師であり自分たちはそうではないと…
それは自らの過ちを認めようとはしない責任転換でしかない。
先ほどのLHRでもそうだったが川井は自らの過ちから目を背けていた。
「確かに先生方にも問題はあります。
だからといってあなたに問題がないわけじゃありませんよ。」
「そんな…だって私は…」
「あなたが普段どんな人間なのか僕にはわかりません。
ですがこれはあなたたちが行った罪です。
疎ましく思ったクラスメイトの子たちを殺そうとした。
自殺幇助、むしろこれは殺人未遂の行いが成立しますね。」
殺人未遂。そのことを告げられて川井の顔は醜く歪んだ。
いや、川井だけではない。この行いに同乗した島田たちも同じ反応だ。
子供たちは思った。もしこれが親に知れ渡ったらどうなるのかと?
そうなれば先ほどの西宮イジメ以上の叱責を受ける。
自分たちは未成年だから少年院に行くことはない。
だが既にこの行いは校内に広まってしまうはずだ。
そうなれば学校だけでなくこの地区全体にこの事実が広まってしまう。
そんなことになればこの街で生きていくことなど不可能だ。
そんな不安を抱いた子供たちは右京たちに詰め寄ってこう訴えた。
121 = 105 :
「悪いのは西宮さんにイジメを行った石田くんです!」
「先生たちだってこのことを知らないフリしていました!」
「それに…西宮さんだって…」
「そもそも西宮さんに障害がなければこんなことにはならなかった!!」
最早形振り構っている余裕はない。
誰でもいいからこの責任を擦り付けなければならない。
それは石田でも教師たちでもそれに硝子でも誰だっていい。
とにかく自分たちが無事であればそれでいいと川井たちは誰もがそう願った。
「確かに発端は石田くんのイジメによるものでした。
ですがキミたちもその石田くんのイジメに便乗していた。
イジメ問題が発覚すると誰もがその責任を石田くんに押し付けた。
それこそ自分の責任を追及されたくないと必死に…」
「だって…悪いのは…石田くんたちで私たちじゃ…」
「イジメに便乗していた時点でキミたちも同罪です。
そして今度はあろうことか
その罪を帳消しにしようと硝子さんと石田くんを殺害しようと及んだ。
先ほどの竹内先生の言葉を借りるならあなた方はどうしようもない愚か者ですよッ!」
教師だけでなく右京にまで愚か者と蔑まれる川井たち。
自らの罪を認めることが出来ない人間など愚か者でしかない。
涙ぐみながら誰もが自分たちの行いを後悔した。
122 = 105 :
「硝子ォッ!」
「石田ァッ!」
「将ちゃん!」
川井たちが自らの行いに後悔しているところへ母親の八重子と美也子、植野が駆けつけた。
先ほど落下寸前だった石田と硝子に駆け寄る二人。
石田と硝子は殺されそうになったショックからか未だに呆然としていた。
そんな二人だが先ほどから手を握り締めたままだった。
「石田…もう大丈夫だからね…」
「将ちゃん…頑張ったわね…」
呆然としている石田を慰めるかのように抱きしめる植野と美也子。
それは大切な息子でありそれに友達を心配してのことだ。
だが…八重子はちがった…
123 = 105 :
「硝子、立ちなさい。」
「さっさとこんな学校から出て行くわよ。」
「それで新しい学校へ行きましょう。」
「次の学校ならきっとあなたを受け入れてくれるはずよ。」
「あなたは普通の子なのよ。だから…」
そうブツブツと呟きながら未だ打ちひしがれる硝子の手を乱暴に掴む八重子。
その様は最早狂気に駆られていると言っても過言ではない。
この学校がダメなら次の学校へ行けばいい。今度こそ硝子を受け入れてくれるはず。
自分の娘は普通の子だからとまるでその言葉を自分に言い聞かせるように唱えていた。
だがしかし…
124 = 105 :
「 「う゛ぎぃっ!?」 」
硝子は掴んできた母の手を思い切り突き放した。
それから未だに手を繋ぐ石田に肩を寄せていた。それは明らかな拒絶。
何で…?どうして…?
これまでなら決してあり得なかった硝子の行動に
八重子の心は亀裂が入ったかのようなショックを受けた。
「もう無理だと…硝子さんはそう言っています…」
そんな硝子の心の声を代弁するかのように右京がそう告げた。
それから硝子は泣きじゃくりながら手話で必死に訴えた。
125 = 105 :
『お母さんごめんなさい』
『頑張ったけど…もう無理…』
『私は…普通の子になれない…』
それが硝子の手話による訴えだった。
今の出来事で硝子の心は完全に傷ついてしまった。
先ほどの右京と八重子の話し合いで自分が母の重荷であることを知った。
そのために屋上へ昇ってこれ以上みんなの迷惑にならないように自殺を決行した。
だがまさか自分がクラスの子たちから殺されるまで恨まれていたことを知り絶望した。
これ以上この学校には居られない。それでもまた普通の学校に行くことなど出来ない。
行けば必ず同じ繰り返しが起きる。
それは自分がこの障害を抱えている限り一生付き纏うものだと改めて思い知らされた。
だからもう無理だ…自分は普通の子たちとやっていくことなど出来ない…
それが硝子の出した結論だった。
「西宮さん、これが娘さんの意思です。これ以上無理をさせれば今度こそこの子は…」
「そんな…どうしてよ…娘を普通の子として育てるのがどうしていけないことなのよ…」
「娘さんを普通の子として育てたい気持ちはわかります。
ですがそれはあなたの願望であり硝子さんが望んだことではなかった。
唯それだけのことなんですよ。」
八重子がどれだけ硝子に普通を求めようとしても
難聴である硝子と周囲の子供たちはそれに理解を示さなければ無意味だ。
こんな事態になってそのことがようやく理解できた八重子。
そんな中、パトカーのサイレンが聞こえてきた。
右京の指示を受けて神戸が岐阜県警の応援を要請していた。
126 = 105 :
「これでもうあなた方は逃げることなど出来ませんよ。」
「今回の件は決して石田くんだけが悪かったわけではありません。」
「硝子さんの障害に関して無関心であった担任教師の竹内先生。」
「また理解を示しておきながら中途半端な対応であった喜多先生。」
「それに硝子さんの障害により被害を被ったとはいえイジメを起こした児童たち。」
「そして障害を患う娘に普通を求めてしまった母親の西宮さん。」
「みんなが硝子さんを傷つけてしまった。」
「このような愚かな結末を迎えてしまったことをどうか反省してください。」
それからパトカーから降りてきた警官たちが続々と校舎の中へと入っていった。
恐らく屋上に居る自分たちのところへ来るのだろう。
もう逃げることなど出来ない。
これで誰もが自分の罪と向き合わなければならない。
この場にいる全員が後悔した。こんなことならもっと他にやり方があったはずだと…
だがもう手遅れだ。
先ほどから鳴り響くパトカーのサイレン。
子供たちにはそれがまるで破滅の序曲のように聞こえていた…
127 = 105 :
とりあえずここまで
今日中にもう一度更新出来たらいいなと思っています。
>>100
相棒は全話視聴済みなので勿論見てますよ
128 :
乙
クラスメイトクズ過ぎて笑えない……どう考えても結論で悪いのはお前らだろ……
この小学校、廃校にはならないけど休校は間違いなしだな……
129 = 103 :
事態は一応の決着に至ったが…これから先が大変
130 = 128 :
母親→担当→クライメイトと連鎖的に原因作っているよな。読んだら
こいつら、もし石田と硝子が死んでも何年かしたら完全に忘れてそう。いたとしても植野が夢で石田を思い出してうなされるぐらいか
131 :
いい加減にしなさーいっ!!!って右京さんが叫ぶかと楽しみにしてたけど案外冷静だったな
132 :
そもそも全国大会とかならともかくたかが校内のコンクールでボロ負けしたくらいで
クラス全体でイジメだもんな…有り得ないレベルのクズですわ。だけど小学生って本当に
クソガキだから似たような状況が現実にあったら殺しはしないまでも確実に見捨てると思う
133 = 128 :
>>132
クソガキにもレベルがひどいけどな。1人も援護しない時点でこのクラスの腐ってる
大人になってもロクな大人にならない。いじめられた一人を抜きにしても原作の石田の方がまだまとも(高校生以降を考えると)
134 = 103 :
叫んで怒らなかったけど、ドラマみたいに台詞の最後辺りで
早口で若干怒気を放つ感じで脳内再生できた
135 = 132 :
>>133
まあ現実なら直接イジメに加担するのは二割くらいで一割は口ではやめた方がいいとは言うが
直接動かず残りの七割は静観してると思うよ。で、この状況で助けてくれそうなのは
その一割だけでイジメっ子と静観してた残りの九割は見殺しにすると思う
136 = 128 :
最初の始まりは母親かもしれないけど、担当の対応が悪いからここまでひどくなった
右京さんが言ったことをすれば最悪の事態は避けられたんじゃないか?石田みたいないじめっこは止められないとしても
137 :
善意も悪意も関係なく全てが硝子を追い詰めたのかな。
それこそ第三者の右京さんが口を挟まなければならないほどに
138 :
公式的な「正解」を言えば、この件のメイン戦犯は学校サイドで、授業進度に就いては担任から校長、教育委員会に報告を上げて
教育委員会レベルで加配を行うなり保護者に情報開示して通級、転校を打診するなりの対応をすべきだった
八重子が病的に反発する(あえてあの言葉は使わない)
のは目に見えてるにしても、衝突を恐れて実情を伝えず立場の弱い無知な児童に負担を押し付けたのなら論外
実際八重子は右京の話に動揺してたぐらいだから、すぐに解決しなくても直接関わる学校から八重子に伝えるべきだった
あの性格だとそう言われると硝子に無理押ししかねないし
西宮家は八重子中心にハイリスク家庭だから、展開次第では児相に精神的含む虐待通告して母子分離する奇手も考えられた
問題は何処で情報が止まっていたかだけど、聾唖の転校生を普通学級に受け容れておいて無関心ならその事自体が校長失格
判例上は教育委員会側に最終決定権があるから、逆に言うと受け容れたからには責任持てと言う事にもなる
当たり前だけど統合教育の「教育的意義」として児童に補助を指示するなら負担を調整するのは教師の責任
担任教師がクラスの児童にストレスフルな負担を押し付けて特定の児童、それも障害児にヘイト集めている以上、
それがいじめの煽動ではない、それ以前に感情に気が付かないと言うのなら教師以前に失格
学習を保障できず、その事を伝えず、いじめを煽動して、事ここに至れば竹内は良くて辞職勧告付の停職、校長も懲戒処分付の更迭
クラスの児童は中身に応じて殺人未遂、自殺幇助、芋蔓で器物損壊つけて警察から児童相談所送致
大概は指導レベルだけど、クラスぐるみの障害児いじめの上の殺人未遂って反響も考えると家裁から児童自立支援施設に強制措置もあり得る状況
139 = 138 :
>>138訂正
「公式的な「正解」を言えば」と「この件のメイン戦犯は学校サイドで」
の順序逆だった。只でさえ長すぎて申し訳ないが、
訂正しない順序だと言い過ぎだった、すいません。
140 :
だからなげーっての
言いたいこと全部書くから長くなる。削れ
141 :
そう無下にするなよ
童貞ニートさんがチンコ握りながら必死にそれっぽい長文をシコったんだぞ、それだけで面白いじゃないか
面白コンテンツを提供してくれる人にそんなこと言っちゃ申し訳ないだろう?
142 :
その後、警察の介入より事態は大事へと発展した。
当初は硝子の補聴器の件で集められるはずだった保護者会は
6年2組の児童たちによる殺人未遂の犯行が明らかとされた内容へと変わった。
集められた保護者たちはこの事実を知らされて愕然とした。
ある親は子供を叱りつけ、またある親は何故こんな事態になったのかと学校側を責めた。
当初は石田のみが責任を取らされる補聴器の件がここまで大事を迎えてしまった。
この事態に誰もが困惑せずにはいられなかった。
「それでは石田さん、西宮さんと硝子さんのことをお願いします。」
「わかりました。西宮さん、硝子ちゃん、行きましょう。」
それから数時間後…
いち早く事情聴取を終えた石田家と西宮家は早々に解放されて帰路に着くことになった。
だが娘の硝子は未だに動揺しており
母親の八重子もまた一連の騒動による疲労困憊で自力での帰宅は困難だった。
そこで石田の母である美也子は自分たちが西宮親子を送っていくことを約束してくれた。
こうして右京と神戸に見送られて学校を去ろうとするのだが…
去り際に右京は石田に対してこんな質問をした。
143 = 142 :
「待ってもらえますか。
石田くんに聞きたいことがあります。何故キミは硝子さんにイジメを行ったのですか?」
それはこのイジメ問題のきっかけとなった原因。
石田が硝子をイジメた理由。それは何なのか?
これを明らかにしない限り今回のイジメ問題は解決することは出来ない。
そのために石田からそのことを直接聞く必要があった。
押し黙ること数分、石田は重い口を開いてこう呟いた。
「俺…寂しかったんだ…」
寂しかった。そう語る石田。
それから硝子へのイジメを行うきっかけを話し出した。
事の発端は以前まで仲の良かった島田と広瀬たち。
その二人が塾に通いだしたのがきっかけとのことだ。
普段は仲のいい友達が自分から離れだした。
硝子が転校してくる前、石田はクラスの人気者だった。
だが段々それが思うようにいかなくなった。
小学6年生ともなれば塾通いや中学受験の準備などを始めていく。
そうなれば次第にクラスメイトたちもバカ騒ぎをやっている暇もなくなり
そのリーダー的存在であった石田になど構う余裕すらなくなった。
144 = 142 :
「そんな時に西宮をからかってみた。
最初はウケ狙いのつもりだった。けどそれをみんなが面白がって…」
恐らくクラスメイトたちが面白がった理由は
普段はクラスの足を引っ張る硝子に対するストレスの発散によるものだろう。
そのことでクラスメイトから賛同を受けた石田はさらに調子に乗った。
だがいつしか歯止めが効かなくなり遂には補聴器を壊すまでに至った。
これが硝子のイジメが本格化したきっかけだった。
「あなた…そんな下らない理由で硝子を…ふざけないでよ!」
そんなイジメの理由を淡々と語る石田の襟首を掴み問い詰める八重子。
どんな理由であれ自分の娘がイジメられたことに何の変わりもない。
イジメを行った石田を許せないのは母親としては当然のこと。
そんな八重子を神戸と美也子がなんとか宥めようとする。
それから美也子が母親として八重子に謝ろうとするのだが…
だがそんな三人を押しのけて右京が石田の前に立ちはだかり予想もしない行動に出た。
145 = 142 :
パン――――――ッ!
一瞬、石田は自分の身に何が起きたのかわからなかった。
だが赤く染まった頬に鋭い痛みが走りそれでようやく理解した。
自分は目の前にいるこの右京に叩かれたのだと…
「何で将ちゃんをぶつんですか!」
「失礼、ですがこれは誰かが石田くんにやらなければならなかったことです。」
目の前で我が子をぶった右京に怒鳴る美也子。
だがこれは右京が言うように誰かがやらなければならないことだった。
それは本来ならこの母親である美也子や担任である竹内がやらなければならないこと。
だが母の美也子はそこまで石田を怒ることが出来ず担任の竹内は未だ警察で事情聴取の身。
そのため、本来なら彼らがやらなければならいことを右京がやってみせた。
そうでなければ今回のことがすべて無駄になってしまうからだ。
「今回、硝子さんに行われたイジメは
恐らくキミがやるまでもなくいずれは起きることでした。
クラスでは既に硝子さんへの不満が高まっていた。
ですがそれでも硝子さんに対するイジメが始まったのはキミのせいです。
キミの身勝手で幼稚な行いがそうさせてしまったのですから。」
自らの行いを幼稚と蔑む右京。
確かに小学6年生ともなれば善悪の分別はつくはず。
それなのに石田は自らの人気取りのために硝子へのイジメを行い続けた。
その行いがクラスに何をもたらすのかわかっていたはずなのに…
146 = 142 :
「今回キミの愚行が何をもたらしたのか?それはクラスの学級崩壊ですよ。」
「学級崩壊って…そんな…」
「今回は担任教師である竹内先生が既にその責務を放棄していた。
さらにこんな事態にまで陥ったのだから当然その責任を取らされる。
恐らく近日中に彼は担任を解任させられるでしょう。」
「植野さん以外の6年2組の児童たちも同様です。
彼らは硝子さんとキミに殺人未遂を行った。これはもう子供の悪戯の限度を超えた犯罪。
しかし彼らは14歳未満の子供であり実刑が与えられることはない。
ですがここまで大事になったのです。
既に周囲の人間にはこの事実は伝わってしまっているはず。
近隣の人々にこの愚行が伝わればこの街で生きていけますか?
きっとこの街を出て行かざるを得ない子もいますよ。」
「それに硝子さんもです。
恐らくですが彼女も近日中に学校を転校しなければならないはず。
この子には何の非もないのにそうなった原因はなんですか?
キミがくだらないイジメを行ったからじゃありませんか。」
右京からの説明で石田は自分の悪戯が何をもたらしたのかようやく理解できた。
まさかここまで大事になるなんて…
最初は些細な理由だった。いつもみんなの足を引っ張るだけの硝子を懲らしめようとした。
それが思いの外みんなにウケたので調子に乗ってしまった。
だがこんなことになるなんて思いもしなかった。
147 = 142 :
「確かに竹内先生や6年2組の児童たちにも問題はありました。
ですがそんな彼らの負の感情に火をつけたのは誰ですか?
それは石田くん、キミですよ。
キミのイジメがここまで事態を混乱に貶めてしまったのですよ。」
「勘違いしてほしくないことですが今回僕たちはキミを助けたわけではありません。
本来ならキミだけが責任を取らされてこの件は終わるはずだった。
その方がキミにとってはまだマシだったはずです。
何故ならここまで被害が及んだのですから…
これからキミは
6年2組のクラスメイトたちや担任の竹内先生に恨まれることを覚悟してください。」
右京にそんなことを言われて石田の心にズシリと罪悪感が伸し掛った。
これはある意味、石田に課せられた罰であり明日になればきっと学校で騒がれるだろう。
それで自分はどうなるのだろうか?当然このまま何事もなく済まされるはずもない。
きっと誰もが自分にこの責任を取れと訴えるはずだ。
だが…そんなこと…出来るはずがない…
自分は単なる小学生。何の責任も取れないガキだ。
足元が震えて覚束無い。胃から何かがこみ上げて吐き気がする。
これならまだ島田たちのイジメを受けていた方がマシだとそう思えた。
そんな石田だがふとある疑問が過ぎった。
「………だったら何でなの?」
「はぃ?」
「何で俺を助けたの?」
そう、今朝の公園でイジメられていた石田を助けたのはこの右京と神戸だ。
こんなことになるのなら何で助けた?そう尋ねた。
148 = 142 :
「先程も言ったように僕たちはキミを助けてはいません。助けたのは硝子さんですよ。」
石田を助けたのは未だに自分の手を引かれながら泣き続けている硝子だと伝える右京。
そこで石田はようやく隣にいる硝子に振り向いた。
自分のせいでイジメを受けた西宮がまさか助けてくれたなんて…
「思えばキミと硝子さんには共通点があった。二人とも父親がいないことです。」
子供たちに父親がいないこと。
それを言われて母親である八重子と美也子は思わずお互い目を背けた。
こればかりはさすがに大人の問題であり子供には関係のことだ。
「キミと硝子さんのちがいなんて障害があるかどうかです。
本来ならキミこそが硝子さんの理解者になれたはずだった。
キミが硝子さんを受け入れればクラスの子たちともうまくやっていけたかもしれない。
こんな醜い事態に陥ることなど決してなかったはずです。」
そのことを聞かされて石田はかつて植野に言われたことを思い出した。
名前が似ていると…
将也(しょうや)と硝子(しょうこ)
その時は少し名前の読みが似ている程度だろと聞き捨てていた。
だが実際は自分たちの境遇が似ていたことに石田は少しだけ驚いた。
149 = 142 :
「最後にひとつだけ言っておかなればならないことがあります。
石田くん、それに八重子さん。お二人は硝子さんが声を出せない。
何も伝えることが出来ないと思っていますね。」
「だって西宮は耳が…」
「そうよ。そのせいで硝子は声が出せないのよ。」
「そんなことはありませんよ。
彼女は正しい声を出せませんが我々と異なる声を出せることが出来ます。
それが手話でした。」
石田は硝子と出会ってから彼女がずっと手話で語りかけていたことを思い出した。
確かに硝子は手話を用いて自分たちとコミュニケーションを取ろうとした。
だが…自分たちはそれを拒絶した…
理由なんて単純だ。面倒くさかったからでしかない。
硝子一人のためにそこまでやりたくないと自分を含めた6年2組のみんなが思った。
けれど声が伝わらない硝子はそれ以外に何かを伝えることなど出来なかった。
硝子のつらさを知っていれば決してそんなことは思わなかったはずなのに…
「硝子…」
そんな後悔に打ちひしがれる石田と同じく
母親の八重子もまた手話を覚えなかったことに後悔した。
ずっとこの子のためを思って頑張ってきた。
自分の意思を伝えられない哀れな子だと思って…
けどそうじゃなかった。
硝子にもちゃんと意思がありそれを伝えることは出来たはず。
それが伝わらなかったのか…自分が娘の障害に目を背けていたから…
夫と別れる原因となった硝子の障害をずっと疎ましく思っていた。だから…
今頃になってそのことを悔やむ八重子と石田。
そんな時、硝子が石田の前で手話を用いてこう語りかけてきた。
150 = 142 :
『石田くん、さっきはあなたのおかげで助かった』
『私を助けてくれてありがとう』
『それと…迷惑をかけてごめんなさい…』
手話のわからない石田に右京がそのことを伝えてあげた。
その意味を知って石田はこの場で号泣した。
「ちがう…そうじゃない…」
「俺はお前を助けたんじゃない…お前が俺を助けてくれたんだ…」
「それなのに俺は…お前を傷つけてばかりだった…」
「お前は何も悪くないのに…痛い思いをして…」
「ごめんなさい…西宮…本当に…ごめんなさい…」
それから石田は何度も硝子の前で何度も謝り続けた。
それはきっと遅すぎる後悔なのかもしれない。
石田はこの先ずっと今回のことを引きずって生きていくはずだ。
しかしそれでも石田は硝子に謝ってみせた。
その光景を目の当たりにしてこれまで静観していた神戸が右京にこう問いかけた。
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