私的良スレ書庫
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元スレハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」
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「さて……運命の日だ」
「ヨハネの目次録よろしく、今日がこの世界の最期の日になるかもしれないね」
「そ、そんなぁ……」
「うまくいけば、そうはならない……はずだ」
「―――……行く?」
「ああ、行こうか。終わりを始めるために」
「ふ、不吉なこと言わないでくださいー!」
「……大丈夫だ、大丈夫」
「ふぇーん! 巨乳フェチさんがなんか優しくて不気味ですしぃ!!」
「その名で呼ぶのはやめろ!!! 最近呼ばなかっただろうが!!!!」
「くつくつ、そうして緊張を解いておいた方がいいかもね。余裕を持っておこう」
「しかし僕はキョンが相手となると、うっかり油断しかねないから」
「……気を引き締めておこう」
「……っ!」ピリピリ
「(ひっ……! さ、佐々木さん威圧感凄すぎ……)」
「―――く―――ふふ―――」
「…………うーん」
ピピピピピピピピピピピ!
キョン妹「……」ジリ
キョン「……」ジリ
キョン妹「……キョンくん、目覚まし鳴ってるよ? 止めないの?」
キョン「ああ、止める。しかし本来なら目覚まし時計なんてもんは完全に目覚めてから止めるべきではないと思うんだが?」
キョン妹「そーなの??」
キョン「そうだとも。妹よ、何故本来の起床時間の3時間も前からお前に起こされ、こうして膠着状態を維持しなきゃならなかったんだ」
キョン妹「今日はキョンくん用事があるから出かけるって言ってたから、寝坊したら大変だと思ってー!」
キョン「そうか……お前なりの心づかいだったんだな。それは感謝しておく」
キョン妹「うん! 心づかい!!」
キョン「けどな……できれば次からは殺気をしまって起こしに来てくれ」
キョン妹「えーっ!?」
キョン「吃驚して飛び起きた拍子に攻撃してしまうかもしれんからな」
キョン妹「あははーっ! 攻撃? どんとこいだよーっ!! あ! 朝ごはんそろそろできるから降りてきてねーっ!」ダダダッ!
キョン「……末恐ろしい娘だ」ゴクリ
キョン「…………」ザワッ
キョン「……今度は間違えねーぜ。佐々木よ」
キョン「今日が……そうか」
キョン「…………ふっ」
キョン「どんとこいだ」
古泉「……はい。はい……了解です。それでは」ピッ
古泉「…………ふぅ」
古泉「(……このタイミングで橘京子を含む敵対勢力を捕捉したということは)」
古泉「今日がそのXデーというわけですか……」
古泉「……本当につかの間の青春でしたね」
古泉「願わくば……杞憂であってほしいものです」
古泉「……と、僕が願っても、仕方がありませんね」ハハ
朝倉「……長門さん」
長門「……姿を消していた天蓋領域の座標情報を確認。敵性勢力と同行しているとみられる」
朝倉「あたしには待機命令がでたわ。こんな時に……ッ、長門さん、大丈夫?」
長門「……確実性は保証できない。しかし」
長門「彼がいる」
朝倉「……そうね。それがなによりも頼りになるものね」
長門「そう」
朝倉「……でもね、長門さん。忘れないで、あたしはあなたのバックアップ」ギュッ!
朝倉「助けてほしくなったら、ちゃんと言ってよ?」
長門「……分かった」
朝倉「じゃあ……行ってらっしゃい」
長門「……行ってきます」
朝比奈「み、未来からの最優先コード……?」」
朝比奈「こんな急に……『警戒せよ?』……こ、これだけ!?」
朝比奈「な、なんのこと……あ、でも……そっか、そうなんだ」
朝比奈「てことは、今日が佐々木さんたちが……」
朝比奈「…………よし」
朝比奈「(まだ不完全だけど……もしもの事態になったら……)」
朝比奈「……頑張らないと!」
キョン「行ってき」
キョン「ます」シュン!
朝比奈「あっ、キョンくん」
古泉「おはようございます」
長門「……」
キョン「おーっす。例によってハルヒが最後か。いつもどおりで安心したぜ」
古泉「いつもどおりとは……言い難い状況ではありませんか?」
朝比奈「ですよね……」
長門「我々も状況は把握済み」
キョン「なるほど……話が早くて結構だ。それで……どうする?」
古泉「どうもこうも……申し上げた通り、僕たちの勝算はあなたです」
古泉「あなたがなにもできない、なにもしないというのならば僕たちには打つ手はありません」
キョン「ならただ黙って見てるってのか?」
古泉「まさか。打つ手がないなら、足でも頭でも、できることならなんでもやりますよ」
キョン「ん?」
古泉「?」
朝比奈「わ、わたしも! なにか役に立てることがあれば……その」
長門「統合思念体は現状維持を望んでいる。現在の環境を保全することがわたしの役目」
キョン「頼もしいなみんな。もちろん、俺も……」
キョン「黙ってやられてやることなんてありえねぇよ―――」
キョン「よぉ、親友」
佐々木「やぁ、親友。この前ぶり」
キョン「お友達も、ご一緒のようで」ジロッ
佐々木「ああ。この前言っていたとおり、紹介したい友人たちだよ。自己紹介は必要かな?」
藤原「……ふん」
朝比奈「あ、え、えっと……」
周防「――――――」
長門「………………」
橘「いつ……古泉さん。お久しぶりです」
古泉「……お久しぶりです。橘さん」ニコッ
キョン「いらないみたいだぜ」
佐々木「そのようだね。ところで涼宮さんがいないみたいだけれど?」
キョン「直に来るさ。ハルヒに用でもあるってのか? 10文字までなら伝えてやるぜ」
佐々木「遠慮しておくよ。直に来るなら少し待とう。その間……」
佐々木「どうだろうか。お互いに親睦を深めるために立ち話でも」
藤原「……僕から話す」
キョン「まだ聞くとも言ってないぞ」
藤原「いいや、言わせてもらう。僕としては、まだ話し合いの余地はあると思っているからな」
古泉「……では、お話をお聞かせ願いますか? もちろん、双方にとってメリットのある内容で」
藤原「……ふん」
藤原「『力』の統合……知っての通り、僕たちの目的はただそれだけだ」
藤原「涼宮ハルヒの持つ『力』の一端を回収し、『佐々木』を完成させる……分かるな?」
キョン「ああ」
古泉「ですが、そうする必要性が感じられません。僕らからすればね」
藤原「必要性? 何をバカな。それを言うならば涼宮ハルヒが『力』を保持する意味なんてないだろう」
長門「情報統合思念体は涼宮ハルヒの持つ自律進化の可能性に興味を持った」
長門「『佐々木』でも『力』でもなく、涼宮ハルヒという生命体に関心を抱いた」
長門「その存在を排除しようと言うならば、無視はできない」
藤原「それはお前たちが『佐々木』という存在を知りえなかったからだ」
藤原「『佐々木』の完全な『力』を前に、涼宮ハルヒの『力なんてものは井の中の蛙でしかない」
藤原「自律進化の可能性とやらを知りたいのなら、完全な『力』を観測する方が早いんじゃないか?」
長門「それは―――」
藤原「それに、今の状態の涼宮ハルヒに『力』を持たせておくのは危険極まりない」
藤原「去年一年だけでも、どれだけの事件を乱発した? 不安定すぎて安全性に欠ける」
キョン「だよな」コクン
古泉「あなたどちらの立場ですか……」
藤原「その度に情報処理や証拠隠滅に奔走しなければいけないのは、あんたたちだろう?」
藤原「観測が目的だというならば、今の状態は合理的とは言わない。無駄な行動が多すぎる」
長門「……」
藤原「『力』を統合してからゆっくり観測すればいい。お前たち宇宙人が求めているものはそこにあるだろう」
長門「……違う」ボソッ
キョン「……」
藤原「あんたからは何か言いたいことはないのか?」
古泉「僕ですか? そうですね、今までのことからあなたたちには言いたいことが塵の山ほどあるんですが」
古泉「超能力者という立場から言わせてもらえば、『力』は涼宮さんが持つべきものです」
藤原「お得意の信仰か?」
古泉「ええ、まぁ。超能力者の性と言いますか、言葉では説明できない本能といってもいいものでしょう」
古泉「そうあるべきだ、と遺伝子レベルで認識しているのですよ。それを覆すことはできません」
藤原「……まぁ、涼宮ハルヒの『力』の影響によって生まれた超能力者らしいといえば、らしいが……」
橘「神は、二人もいりません」
佐々木「おや……」
橘「古泉さん。あなたたちが涼宮さんを神だと信じて疑わないように、あたしも佐々木さんがそうであると思っています」
橘「『力』は二分されていていいものじゃない。唯一、本当の神だけが持つ者なのです」
古泉「ここは日本です。神様なんて八百万の数ほどいますよ」ニコッ
橘「話を逸らさないでっ! いっつもあなたは……ッ! っ、ごめんなさい……」
古泉「…………」
藤原「……分かった。分かったよ、もういい」
藤原「宇宙人にしろ超能力者にしろ……何を言っても折れるつもりはないらしい」
長門「当然」
古泉「もとより、そのつもりです」
朝比奈「あの、わたしは……?」
藤原「……話し合いや交渉の余地はあると思ったが……やはり考えを改める必要はなかったのかもしれないな」
藤原「決裂だ。僕たちとあんたたちは相容れない……残念だがな」
キョン「……ほぉ、本意か。随分としおらしくなっちまったじゃねーか、藤原よ」
藤原「…………佐々木」
佐々木「ああ、分かっているとも。僕は僕が為すべきことをするだけだよ」
ハルヒ「あら? やっぱりこの前の……佐々木さん、だっけ?」ズイッ
古泉「っ、涼宮さん」
ハルヒ「おはよ。みんな、どしたのよ? なにか揉め事?」
朝比奈「いえ、そうじゃない……とは言えないですけど」
佐々木「おはようございます、涼宮さん。この前ぶりですね」ニコッ
ハルヒ「え、ええ。おはよう」
古泉「(このタイミングで涼宮さんが来てしまった……どうする、どうなる?)」
佐々木「偶然にもまたキョンたちを見かけたので、挨拶をしておこうと思ったんです」
ハルヒ「へぇ、偶然ねぇ。その人たちがあなたのお友達?」
佐々木「ええ。左から橘さん、藤原くん、周防さんです」
橘「ど、どうも」ペコ
藤原「……」
周防「―――」
ハルヒ「へ、へぇ……ウチに劣らず個性的なお友達みたいね」
佐々木「……ええ、なんせ彼女らは―――」
キョン「―――」ピクッ
佐々木「超能力者に未来人に宇宙人なのですから。あなたたちと同じくね」
ハルヒ「………………え?」
古泉「っ……!」
長門「……」ザッ!
朝比奈「!?」
佐々木「さて……涼宮さんも来られたことだし―――それじゃあ」スッ
橘「……っ」
藤原「…………」
周防「―――……あ」
佐々木「…………―――」
キョン「……―――ハルヒ」
ハルヒ「え―――?」
α
キョン「…………」
佐々木「…………」
長門「……」
周防「―――」
朝比奈「……? ??」
藤原「っ……!?」
古泉「……これは」
橘「……えっ? えっ??」
ハルヒ「……なにしてんの? フラッシュモブとか? それに超能力者とか未来人ってどういう……」
キョン「……さ―――」
佐々木「なんてね……ジョークだよ。全部冗談さ。涼宮さん、ごめんなさいね。さっき言ったことは気にしないで」
ハルヒ「は、はぁ……?」
佐々木「キョン、今日のところは互いに友人といるようだし、またの機会にゆっくりと話そうじゃないか」
キョン「…………あぁ」
佐々木「さっ、みんな行こう。どこへ行くかを決めるために、まずはどこへ行こうか?」クルッ
橘「あっ、佐々木さん、待って!」タッタッタ
藤原「……っ」スタスタ
ハルヒ「……行っちゃった。やっぱり変わってるわね、あんたの友達。あれ? もう一人はどこ行ったのかしら?」
キョン「……」
キョン「…………」
古泉「あの……」
朝比奈「キョンくぅん……」プルプル
長門「……無事?」
キョン「……あぁ、なんとか。無事のようだ」
ハルヒ「大袈裟ねぇ。ジョークなんでしょ、ジョーク」
キョン「……はっ、笑えない冗談だがな」
ハルヒ「さっ! 早く喫茶店行きましょ! 作戦会議よ!」
キョン「(……なにも起きなかった? いや、何が起きた? あの瞬間に何かが変わったはずだ)」
キョン「……古泉よ」
古泉「……はい」
キョン「こんな拍子抜けする展開は……正直予想外だぜ」
古泉「……同じくです」
キョン「…………納得がいかねぇが」
ハルヒ「あっ、そういやキョンあんたさっきあたしに―――」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「っ? なによ?」
キョン「さっさと喫茶店に行こうぜ。眠気覚ましにコーヒーでも飲まんと途中で寝ちまZzz……」
ハルヒ「言ってる傍から!!! 何回やるのよソレ!!!」ガーン!
古泉「…………」
長門「…………」
朝比奈「……うぅーん」
佐々木「……」スタスタ
藤原「……」
橘「……あ、あのっ!」
藤原「……なんだ」
橘「さっきの、いえ、これってもしかして……」
藤原「……もしかしなくても失敗だ。そうなんだろう、なあ?」
佐々木「…………あ」ピタッ
藤原「っ、急に止まるんじゃない! どうしたんだ?」
佐々木「……そうか、そういうことなんだね」
橘「佐々木……さん?」
佐々木「良くて半々か……くつくつ。よく言ったものだよ、本当に」
藤原「なに?」
橘「??」
佐々木「藤原くん。今回の計画は半分は失敗したが、もう半分はおそらくだが成功している。いや、半分の半分というべきかな?」
藤原「半分の半分が成功……? 何を訳の分からないことを……っ!」
佐々木「まぁまぁ、落ち着いて。全てが失敗に終わったわけじゃないということさ」
橘「そ、そうなんですか? で、でも『力』は依然涼宮さんにもありますし……」
佐々木「ああ、だからこっちは失敗さ。成功したのはあっち」
橘「あっち? あっちって……?」
藤原「……あぁ?」
佐々木「さて……こちらでは何をすべきか……くつくつ」
佐々木「やはり、キミは面白い……期待通りだよ、キョン」
β
キョン「――――――――――――――――――っづッ!!」ギュオオォオォォォッ!!!!!
そういえばいつだったか古泉が機関の調べによればキョンに兄妹はいないとか言ってたよな
もし、そうだとしたらキョン妹はキョンの半分の可能性が…
なら半分の半分ってのはまさか…
もし、そうだとしたらキョン妹はキョンの半分の可能性が…
なら半分の半分ってのはまさか…
>>129
下げろガキ
下げろガキ
>>129
無意味な事すんな馬鹿
無意味な事すんな馬鹿
つまり俺たちはマイティーアクションXX(ダブルエックス)だった?
α
キョン「……で」
朝倉「……」ギュウゥ
長門「……」
朝比奈「……」
古泉「んっふ」
キョン「せっかくの不思議探索翌日の何もない日曜だってのに……なんなんだよ、この状況は? あと朝倉、長門が迷惑そうにしてるぞ」
朝倉「この面子ってことは敵対勢力に対する対策を考える会でしょうが。常識的に考えて。あと長門さんに関してはお構いなく」
長門「それを決めるのはわたし。離れてほしい」
朝倉「いやよ!! あと一歩間違えれば、間違いなく長門さんがどこか遠くへ行っていたような気がするの!!」
朝倉「だからもうあたしは長門さんを離さないわ!!!」
長門「……」グィ
朝倉「あぁっ……無言で跳ねのけられた……」グスン
キョン「過保護も大概だな。こうして全員無事に集まれてるんだからいいじゃねえか」
古泉「逆にそれが予期せぬ事態だからこそ、こうして集まっているのではないですか」
古泉「正直、佐々木さんを前にしたときは生きた心地がしませんでしたよ」
キョン「んな大げさな……ねぇ朝比奈さん?」
朝比奈「キュウ…………」フワー
朝倉「わあああぁっ!!? 朝比奈先輩!!? 思い出し恐怖で魂飛び出てません!!? ちょっとキョンくん! どうにかしてよ!!」
キョン「魂って……ジャンバルジャンの時にも言ってたろ。そんなオカルトありえねぇって。ね、朝比奈さん?」ハハハ
朝比奈「…………―――」ポワー
朝倉「昇天しかかってるじゃないの!!!!!」ガーン!
長門「もうそんな時間」ピッ
朝倉「そっちじゃなくて!!!! 古泉くんも!!! ツッコミサボんないで!!!!」
古泉「(僕よりあなたの方が適正じゃないですか、なんて言えば鋭いモノが飛んできそうなので止めておきましょうか)」フフ
朝比奈「きれいなお花畑と川が見えました……あれはどこだったんでしょうか??」
キョン「そりゃ多分ヨーロッパかどっかの……」
朝倉「三途三途、モロ三途じゃないの。適当言わないでよ」
古泉「朝比奈さんも戻られたところで、本題に入りましょうか」
朝比奈「わたしどこか行ってたんですかぁ……?」
古泉「昨日の佐々木一派との遭遇と現状……現在僕たちが置かれている状況とはどんなものなのか……」
古泉「そもそも彼女たちはあの瞬間なにをしようとしたのか、もしくは既になにかが起こってるのか……」
キョン「ゲラゲラゲラ!!」
長門「ユニーク」
朝倉「テレビは没収します!」ググッ
キョン「あぁっ!! せめて没収するのはリモコンに……テレビどうやって没収するんだよ」
古泉「……拝聴の程をお願いいたします。とにかく、僕たちには分からないことが多すぎる」
古泉「いつものことながら、あなたにお聞きしたいのですよ。あなたの考えていることをね」
キョン「悩悩悩悩悩悩眠眠眠眠壷秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘秘?????????」
朝比奈「へ?」
朝倉「誰が診断メーカ風に教えてって言ったのよ。しかもなんでちょっと壷のこと考えてんのよ、怪しいわね」
キョン「俺の考えねぇ……はっきり言って、佐々木を相手にする以上俺だって分からんことが多すぎる」
キョン「長い付き合いだってのに、今じゃまるきりアイツのことが分からんしな」
朝倉「…………むぅ」
キョン「ただまぁ、今回ヤツらが行なおうとしたことについては、それが失敗に終わったことは保証しよう」
古泉「つまり……『力』を統合するという計画は失敗した、と?」
キョン「今回はな、頓挫したわけじゃない。また次回があるかもしれんし」
キョン「一先ず、今は。今だけは、安心してもいいと言えるだろう」
朝比奈「……ふぃー……よかったぁ」ホッ
朝倉「はぁ……けど、まだこの先は安心が保証されてるとは限らない、か……」
古泉「……ですね」
キョン「今回、佐々木がやろうとしたことは俺の排除だろう。さよならだ、っていってたし」
朝倉「まぁキョンくんがいたら相手としては厄介極まりないわよね」
キョン・キョン・キョン「「「そうか??」」」
朝倉「……そうよ? 今現在もそうだもの」
古泉「計画のための第一歩というところでしょうか。あなたという存在の排除……に失敗した」
キョン「出だしにつまづいたんじゃ、とりあえずは撤退するしかないわな」
朝比奈「き、キョンくんを排除するって……親友、なのに……」
長門「合理的な判断といえる。『彼女』に拮抗できる力を持つのは唯一、あなただけ」
キョン「まぁな。ただ失敗したのは佐々木だけじゃない。俺も実は失敗したんだ」
朝倉「失敗した?? 何をするつもりだったの?」
キョン「……力と力の相殺。朝倉、いつかお前に言っただろ? 俺とハルヒの『力』を消失させるって」
朝倉「あ……」
古泉「その目的は? なぜそのようなことを?」
朝倉「あたしが聞いても答えてくれなかったわよね? なにか後ろめたいことでもあるんじゃ……」ジィ
長門「観察対象の『力』が失われることは……望ましくない」
朝比奈「わ、わたしも、その……困る、ような……」
キョン「あー……えっと……そうだな、もう言ってもいいか」
キョン「この言葉の真意だが、理屈は簡単だ。なぜなら、佐々木たちと目的は同じだからな」
古泉・朝比奈・朝倉「「「…………は!!??」」」
キョン「『力』の統合。そのために一度ハルヒの『力』を消失させなきゃいけな……」
朝倉「す、スパイよーっ!! この男、敵対勢力のスパイだったのよ!!!」デアエデアエー!
朝比奈「ええっ!!? そ、そんなっ!! こ、困りますぅ!!」
キョン「落ち着け落ち着け。ちゃんと最後まで聞けって、ほら古泉も言ってや―――」
古泉「ええ。ええ。そうです、至急各国の軍に要請を……」
キョン「お前が一番慌ててるのかよ!!!」
キョン「勘違いしないでほしいのは、俺は統合した『力』をハルヒに持っててほしいってこった」ボロッ
朝倉「なんだ、先に言いなさいよ。無駄に疲れちゃったじゃない」フゥ
キョン「そりゃこんだけボロボロにすればな。佐々木に勝てるんじゃね? これ」
古泉「統合するにあたり、あなたと涼宮さんの『力』を消失させる必要があるのですか?」
キョン「消失っつぅよりは還元だな。一度ハルヒの中から出しちまえば『力』はもとの場所に戻る。多分理屈としては」
朝倉「多分ねぇ……」
キョン「すなわち佐々木の中だな。朝倉に言ったときは『佐々木』がアイツとは思っていなかったが……」
キョン「それをもっかいハルヒに入れちまえば完璧な『力』の完成って訳だ。全くあいつらとしてることは変わらん」
キョン「向こうも『力』を欲しがってるってのがネックだがな。本来は揉めることなくうまくことを済ますつもりだったが……」
古泉「あなたの力を消失させる意味は?」
キョン「いらんから」ドンッ
朝倉「えっ?」
キョン「いや、ついでだし。もうこの際こんなモンは捨てようと思ってて、ちょうどいい機会だなって」ヘヘ
朝倉「……はあぁっ!!? 捨てるですって!!? そのヘンテコな力を!!?」
キョン「ああ」
朝倉「……ならちょうだいよ!!! もったいない!!! あたしが譲り受けるわソレ!!!」
キョン「えぇ……もったいない精神すごいなお前」
朝倉「だって、そんな……いらないって……そんな簡単に」
キョン「……簡単じゃないさ。こんなモンでも長い永い間付き合ってきたんだからよ。それ相応に思うところはあるさ」
古泉「では何故、そのようなご決断を……?」
キョン「ハルヒがハルヒだったからさ」
朝比奈「え……?」
キョン「言ったろ。涼宮ハルヒは特大のイレギュラー。今まで佐々木の側にいるためにこの力を使ってきたが」
キョン「もう……必要ない。今回の『力』の継承のトラブルを鑑みるに……」
キョン「恐らく『佐々木』の『力』も終わらせるというよりは、ハルヒで終わる」
長門「…………」
キョン「潮時ってやつだよ。俺も『佐々木』も『力』も」
朝比奈「そんな……」
古泉「しかし……」
キョン「ああ。失敗しちまった。まぁハルヒの方じゃなく佐々木の方の「力』を消そうとしたからかな」
朝倉「仮に成功していたら佐々木さんの持つ『力』は還元されて……」
長門「涼宮ハルヒに吸収される」
キョン「俺の狙い的にはそうだな。それで色々完璧に終わらせられるつもりだったんだが……まぁ上手くいかんな」
キョン「それに無断で、1人でこんなことをやるのもおかしいよな。悪かった」ペコリ
朝倉「そ、それは…………仕方ないわよ。あたしたちよりずっと前に目をつけた人がやることだもん」
古泉「止められませんよ、あなたが下した決断ならね」
長門「それが最良であるとわたしたちは信じている」
朝比奈「謝らないでくださいキョンくん。きっと正しいことだと思いますから」
キョン「……ありがとう、ございます」
朝倉「でも、結局向こうもキョンくんも計画に失敗したわけでしょ? じゃ今のこの現状は……」
長門「元のまま」
朝比奈「何も変わってはいない……はずですよね」
キョン「……ええ。少なくとも俺が認識できる範囲では」
古泉「それは喜ばしいことでありますが……不安でもありますね」
古泉「本当にこの世界は今までの世界となんら変わりない世界であるのか……今一つ確証が持てない」
古泉「悪魔の証明ではありませんが、不変の状態を確認する術を持ち合わせてはいませんしね」
キョン「まぁいいじゃねえか。束の間でもこうして落ち着いて話ができる機会があるってこった」
キョン「流石にやつらにとっても計画外の出来事なんだろうよ。策略を立て直すだけの時間を要すぐらいにはな」
朝倉「その間、あたしたちは何をすべきなのかしら?」
キョン「やりたいことをやればいいんじゃねえか? しなければならないことなんてないと思うぞ」
古泉「いつも通りの後手ですか……ふむ」
長門「あなたは何を?」
キョン「んー…………何も、かな」
朝倉「……いいの? それで、本当に??」
キョン「まぁ、実を言うと今は少し先の未来が見えてるんだよ。つまり見える程度の未来は存在する。はずだ」
朝倉「はず……ね」
朝比奈「……」ホッ
キョン「それに、恐らくこの未来になる確実性は高い」
古泉「根拠は?」
キョン「分かっちまうんだから仕方がない、ってとこかな」
古泉「それは……仕方がありませんね」
朝倉「えぇー……なんか問題を先送りにしてるだけのような……えー……うーん」
キョン「感覚的なモンだからな。運否天賦さ、どう転ぶかは」
朝比奈「あ、あのキョンくん」
キョン「どうしました?」
朝比奈「その、キョンくんが見た未来って言うのは……どういう……?」
キョン「えぇ、言うなれば……―――」
キョン「―――未来のSOS団……ってトコですかね」
朝倉・朝比奈「「???」」
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