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元スレハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」
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ここまでー
聡明な方々が予想していた通りの展開?になりつつあります
ペースが安定しているのは書き溜めがあるからであり、なくなれば…………です
安定投下を目指して頑張るます
聡明な方々が予想していた通りの展開?になりつつあります
ペースが安定しているのは書き溜めがあるからであり、なくなれば…………です
安定投下を目指して頑張るます
もしやショック受けたのは佐々木に狙ってたいいのを取られたからとか
「いつから」には「いつから狙っていた」ってニュアンスが含まれてる?
いいのを取られたかキョンは次にいいのを狙うために考えていた?
「いつから」には「いつから狙っていた」ってニュアンスが含まれてる?
いいのを取られたかキョンは次にいいのを狙うために考えていた?
あーなるほどねー
聡明だからわかったわーそういうことかー
いやーそうくるとはねー聡明でよかったー
聡明だからわかったわーそういうことかー
いやーそうくるとはねー聡明でよかったー
古泉「…………」
古泉「(結局、あれからフリーマーケット巡りは無難に終わり、彼から『佐々木』さんについて語られることはなかった)」
古泉「(彼が何を知ったのか……その答えについてなにかお話いただけると期待しましたが……)」
古泉「よもや、この空間の相手が先とは……」
オォオオオォオォォオオォオォォォォォオオオォォォオオオォオォォォォオォォオオオォォォオオオォオオオ!!!!!!
古泉「閉鎖空間……このところ涼宮さんが落ち着いていたため、久しぶりに感じますね」
古泉「原因は……まぁ言わずとも分かるでしょう。なので……」
古泉「一仕事終えたら、付き合ってもらいますよ―――いいですよね?」
キョン「さっさと行け」バーンッ!
古泉「了解っ!」ドンッッ!!
朝倉「……昼間」
キョン「……はい」
長門「……」
朝倉「なんの説明もせず帰ったのは、ちゃんと時間と場所を変えて説明するつもりだったと?」
キョン「はい……ちゃんと古泉と朝比奈さんのところにも同時に行っています」
朝倉「どう……それはいいとして。まぁきちんと状況説明してくれるなら文句はないわ。聞かせて頂戴」
長門「……わたしも、聞かせてほしい」
キョン「ああ、そのために来たんだからな」
朝比奈「…………」プスプス
キョン「朝比奈さん!? 朝比奈さん!!? 朝比奈さーん!?」
朝比奈「……うへ、あは? 『佐々木』しゃんがキョンくんの中学の? あえ?」
キョン「正気!! 正気に戻ってください朝比奈さん!! クソッ!」
朝比奈「でも、未来は?? 過去がこうで、あれはあーだから?? あええぇ!?」
キョン「説明しにきたら、既にショートしてパンク寸前の朝比奈さんがいた!? なんだこの状況!?」
朝比奈「うぅ……禁則事項? えぇーっと……なんでしたっけ?? PPAP?」
キョン「朝比奈さーーーーーーーん!!!!!!」
古泉「ふぅ……戻りました」シュウゥ
キョン「早いな。残業はなしか?」
古泉「ええ、あとは森さんたちに頼みましたよ。あなたを長く待たせるわけにもいきませんしね」
古泉「まったく、あなたも罪なお方だ。こうも簡単に涼宮さんの心理状態を左右させることができるのですから」
キョン「愚痴はまた今度だ。俺も長く話すつもりはない。この場で簡潔に、分かりやすく、テストに出るトコだけを伝えるからな!」
古泉「はい。余裕を取り戻していただいてホッとしましたよ」
キョン「まず、今日会った佐々木だがあいつは元々―――」
朝倉「ええ、ホントにただのクラスメイトだったってのは国木田くんから聞いたわ」
キョン「当時はな。俺がヤツの『力』に気づいていなかった可能性もなくはないが……」
長門「では、いつから彼女はその『力』を自覚した?」
キョン「ま、佐々木が言ってたように、完全に覚醒したのはごく最近の去年の冬頃と考えるのが妥当かもな」
朝倉「そもそも……どうしてあの佐々木さんに『力』が? 今は涼宮さんが持ってるはずでしょ?」
長門「今代の『器』が涼宮ハルヒであるのは間違いないはず」
キョン「あぁ、そうだ。だがあの佐々木は―――」
朝比奈「ふええっ!!? きょ、今日会った佐々木さんは『佐々木』さんの子孫!!?? ええっ??」プスプス
キョン「あ、朝比奈さん冷静に……煙が出かかってます。鶴屋さんが『佐々木』の子孫であるって話はご存じですよね」
朝比奈「え、ええ……古泉くんから聞いてビックリしましたけど……ということは鶴屋さんと佐々木さんは親戚同士?」
キョン「何代も前に血を分けた遠縁の親戚ですがね」
朝比奈「な、なんで佐々木さんが『佐々木』さんの子孫だって分かったんですか?」
キョン「俺は感覚的に『佐々木』の子孫にあたる人間を理解できます。なので中学時代からあいつが子孫であることは知っていました」
朝比奈「え、ええぇ……?? えええぇ??」
キョン「でも、正直言って『佐々木』の子孫なんて数えりゃ山ほどいるんで特に珍しくはないんです」
朝比奈「そ、そうなんですね……なんか、スケールの大きい話ですね」
古泉「しかし、それがなぜ、彼女が『力』を有している理由になるのですか?」
朝倉「鶴屋先輩だって『佐々木』の子孫だけど『力』は持ってないでしょ?」
長門「イレギュラー……ではない。前提条件がイレギュラーそのものだった?」
朝比奈「えーっと……じゃあ『佐々木』さんは本当は―――」
キョン「……まあ、検討はついていただろうが」
キョン「概ね、みんなが思っている通りだよ。やっぱり、ハルヒってのは超特大のイレギュラーなんだ」
キョン「『佐々木』の生まれ変わりっつう属性を持ちながら血の繋がりはなく、本来なら『器』には選ばれることはなかった」
キョン「誰が決めたか、どんなルールに従ったかは知らんが、事実として言えるのは―――」
キョン「アイツは……佐々木は、本来なら今代の『器』になるはずだった『力』の正当後継者だ」
古泉「…………」
キョン「むしろ『力』を持ってしかるべきヤツなんだ、アイツは」
古泉「それが……」
キョン「涼宮ハルヒによって正常に受け継がれなかった。俺はハルヒが突然変異で『佐々木』という自我を押し込めたと思ってたが……」
古泉「『佐々木』の自我は受け継がれていた。それも、正当な後継者に……」
キョン「『佐々木』として覚醒するのが随分遅かったがな。おかげであんなドッキリを仕掛けられる羽目になった」
古泉「……では『力』は現在、涼宮さんと佐々木さんのお二方に分裂しているということですか?」
キョン「そうなる。だが力関係で言えば佐々木が圧倒だ。ハルヒは扱いきれていないからな」
古泉「そうですか……」
朝倉「『力』を奪った涼宮さんの方が覚醒が早いなんて……おかしなものね」
キョン「だが今の佐々木の『力』はハルヒと比べるまでもなく強いぞ」
長門「……あなたよりも?」
キョン「それは…………どうだろうな? ハルヒに奪われた分、俺の方がちっとは強いかもな」ハハ
朝倉「女の子にハンデもらうとか……」
キョン「……」
朝倉「あと聞きたかったことなんだけど、キョンくん。今日佐々木さんに会うまで『佐々木』はナンだと思ってたの?」
キョン「ナンだとは思ってないぞ。カレーにつけようだなんてそんな……」
長門「カレー?」ピクッ
朝倉「キョンくん?」ニコッ
キョン「はい、お答えしますとですね―――」キリッ
朝比奈「えっ、じゃあキョンくんは『力』の正当後継者が涼宮さんの他に存在することを知っていたんですか?」
キョン「まあ、憶測や可能性の域を出ない範囲でしたがね。それがあの佐々木だったことがアンビリーバボーだったわけですが……」
キョン「思えばずっと佐々木佐々木言ってたんだよなぁ……あれは『力』のことじゃなくて当人の苗字だったとはなぁ……」
キョン「オホン、とにかく。俺が驚いたのは『佐々木』が佐々木であったこと。ややこしい言い回しですいません」
キョン「『力』を有すべき本来の正当後継者が他にいたとかは正直、想定の範囲内です」
朝比奈「は、はい……ちょっとまだ少し混乱してるんですけど……」
朝比奈「それで……その、佐々木さんが、姿を現したということは……何かが起きる、起こすということです、よね……?」
キョン「はい。そしてその目的は―――」
「『力』の統合……涼宮ハルヒが持つ『力』の一端を、アンタの『力』と統合させ、『佐々木』を完成させる」
「……今更だが確認だ。この目的に異を唱える者は?」
「いいえ……」
「―――ないわ―――」
「結構だよ」
「……よし。目的を達成次第、各々自らの行動方針に従い行動する……が」
「アンタに限って言えばこれは当てはまらない。『佐々木』としての『力』を僕たちに供与する義務がある」
「ああ、いいとも。思う存分使ってくれて構わないよ」
「……僕から言うことは以上だ」
「あの……もし、計画が上手くいかなかったら……?」
「心配はいらないさ。今まで幾度なく失敗を重ねた分、その対応については僕たちは玄人を名乗ってもいいだろう」
「は、はぁ……」
「……臨機応変に対応する。それだけだ」
「(大丈夫かな……?)」
「―――くす」
「おや、何か嬉しいことでもあったのかい九曜さん。思わず笑みが零れるぐらいに」
「―――ええ――――――人形劇……踊れ―――踊れ」
「われらは―――天蓋より―――俯瞰する者」クスクス
「九曜さん……こ、壊れた?」
「いいえ橘さん。彼女も楽しみのようだよ」
「僕たちが織り成す、輪舞曲をね」
古泉「『力』の統合……ですか」
キョン「ああ」
古泉「……やはりといいますか、我々『機関』が調べ上げた通りの回答です」
キョン「まあな。ここまで来て他の目的があるとは考えづらいだろ」
古泉「具体的にどうやって……と、聞きたいところではありますが……」
キョン「どうとでもなるんだろ。佐々木になら腐るほど手段はあるだろうさ」
古泉「あなたがそうであるように?」
キョン「アイツがそうであるように。俺にだってできることはあるさ」
古泉「さすがです。心底、信頼いたしますよ」
キョン「当然、お前にもあるんだろう?」
古泉「もちろんですよ。涼宮さん及びSOS団は僕にとって全てをかけて守るべき対象ですから」
キョン「頼りにしてるぜ副団長」
古泉「全力を尽くします」
キョン「そんじゃ今日は帰るとする。じゃあな」シュン!
古泉「ええ、また明日……」
古泉「それにしても……」
古泉「………………橘京子、か」
古泉「『力』の統合……ですか」
キョン「ああ」
古泉「……やはりといいますか、我々『機関』が調べ上げた通りの回答です」
キョン「まあな。ここまで来て他の目的があるとは考えにくいだろ」
古泉「具体的にどうやって……と、聞きたいところではありますが……」
キョン「どうとでもなるんだろ。佐々木になら腐るほど手段はあるだろうさ」
古泉「あなたがそうであるように?」
キョン「アイツがそうであるように。俺にだってできることはあるさ」
古泉「さすがです。心底、信頼いたしますよ」
キョン「当然、お前にもあるんだろう?」
古泉「もちろんですよ。涼宮さん及びSOS団は僕にとって全てをかけて守るべき対象ですから」
キョン「頼りにしてるぜ副団長」
古泉「全力を尽くします」
キョン「そんじゃ今日は帰るとする。じゃあな」シュン!
古泉「ええ、また明日……」
古泉「それにしても……」
古泉「………………橘京子、か」
>>69
連投ミスです
連投ミスです
キョン「じゃあな―――」シュン!
朝倉「……」
長門「……」
朝倉「……あー! やだやだ! もうホントに手に負えない状況になってきてない!?」
長門「そう?」
朝倉「そう思わない!? 未来人、宇宙人、超能力者に『力』にキョンくんまでいるのよ?」
朝倉「宇宙の中の辺鄙な星での出来事にしちゃちょっと壮大過ぎない? 収まりつくのこれ!?」
長門「……慌てる程じゃない」
朝倉「慌てるわよ!! 観察対象である涼宮さんを堂々と狙うって宣戦布告を受けてるのよ!? しかも敵の大将から!」
長門「そうは言ってない」
朝倉「言ってるようなもんじゃない!! あぁ……自律進化の可能性を探りに来た地でこんなことになるなんて……」
長門「不服?」
朝倉「不ふ……どっちかって言うと」
朝倉「今のこの生活を脅かされてることのほうが不服!! 黙ってやられてやるわけにはいかないわ!」
朝倉「今こそ、敵勢力に対して強行的な対抗策を講じるべきよ!! 相手がキョンくんじゃなきゃまだなんとかなるでしょ!!」
長門「わたしも、そのつもり」
朝倉「……ナイフ砥いどこ!」フンス!
長門「今はナイフより、包丁を砥いでご飯を……」
朝比奈「なるほどなるほど……全部わかりました!!」プシュゥゥウウ!!!
キョン「頭からいくつも煙が出ているんですけど……本当に大丈夫ですか?」
朝比奈「上に確認してみます!!」プスプス!
キョン「ご自分はご自分で管理してください!!?」
朝比奈「うぅ……ごめんねキョンくん。やっぱり今日はいろんなことがあって頭が追いついていないみたい」シュウゥ
朝比奈「明日また、落ち着いたらいま言ってくれたことちゃんと整理しておくね……ごめんなさい」
キョン「いえいえ、朝比奈さんならきっと大丈夫ですよ」
朝比奈「……キョンくんは」
キョン「はい?」
朝比奈「……仮に、佐々木さんと対することになっても……その」
キョン「朝比奈さん」
朝比奈「は、はい」
キョン「……過去がどうであれ、俺が今所属しているのはSOS団です」
朝比奈「!」
キョン「これでいいですか?」
朝比奈「……はいっ!」
キョン「それじゃ夜分も遅いことですし、これで失礼します。また部室で」シュン!
朝比奈「はい。また……部室で」
朝比奈「…………わたしにも」
朝比奈「わたしにもできることが……あるはず」
朝比奈「考えて……考えて……考えなきゃ!」ムムム
つまりハルヒが朝比奈さんで佐々木になった朝倉が可愛いってことだろ?(モクモクモクモク)
プシュゥゥ(つまりハルヒの力は長門が朝比奈さんにふんもっふしてできたものってわけだ。)
ストーリーの展開もさる事ながら、キョン分身を利用してのキャラクター別シーンの繋げ方が秀逸過ぎる……
『やぁ』
『ん? あぁ、確か同じクラスの……』
『覚えてくれていてなによりだ。キミは……キョンくん、だったかな?』
『キョンでいい。もはやどんな理由で名づけられたのかも忘れちまったあだ名さ』
『……へぇ。にしても意外だね。キミは学習塾に通うようなタイプではないと思ったんだけど』
『あぁ。まぁ単なる気まぐ、おふくろがうるさいんだよ。このままだと高校も危ういだとかナンダトカー?』
『それなら納得だ。ただ僕としてはキミは学力では測れない聡さを持っているとふんでいる』
『買いかぶり過ぎだ。俺はただの一中学生さ。ストーカーまがいの観察行為を行ってる以外は』ボソッ
『ん? 何か言ったかい?』
『なんでも。まぁ塾も悪くねぇよ。いつもとは違った環境に身を置くことで気分転換になる』
『一つのことに根を詰め込みすぎるとヘタを打っちまうかもしれんしな』
『それがキミの言うストーカーまがいの観察行為のことかい?』
『……聞こえてたなら聞き返すなよ』
『聞き間違いであって欲しかったけどね。まぁ、冗談か比喩表現であることを切に願うよ』
『そうしてくれ。間違っても警察や児童相談所には駆け込むなよ』
『面白いことを言うなぁ、キミは。いっそ実行に移してキミの反応をみるもの愉しそうだ』
『勘弁してくれ』
『考えておくよ。おや、もう講義の開始の時間だね……キョン』
『なんだ?』
『これも何かの縁だ。卒業まで、仲良くしてくれるとありがたい』
『ああ、よろしくな―――』
『……よろしく―――』
中庭
キョン「とまぁ……ハルヒに近づ離れずの距離を保ちながらの中学生活だったさ」
古泉「本当に平凡な中学生活を送ってらっしゃったのですね」
キョン「何を想像してたんだよ」
古泉「涼宮さんを見守る傍ら、敵国からの刺客との戦闘や、潜入任務などを行っていたのかと……」
キョン「なんの映画だよそりゃ。てか敵国って何だ」
古泉「こうであったらなという、ただの僕のイメージです」ニコッ
キョン「どんなイメージだよ。まぁ確かに、わざわざ俺が普通の中学生を演じる必要もなかっただろうが……」
キョン「ほんとうに……なんとなくだよな、うん。それこそ気まぐれだ」
古泉「気まぐれ……ですか?」
キョン「ああ。なんでだろうな? 今となっちゃほんとになんでだろうと感じるんだが……」
キョン「アイツが『佐々木』だと分かった今……なんらかの因果だったのかと考えざるを得ないな」
古泉「……運命に導かれた二人、ですか」
キョン「洋画のキャッチコピーみたいな言い回しやめろ」
古泉「んふっ。言い回しと言えば……これはどうなんでしょうね?」ピラッ
【挑戦者求ム!!! 文芸部室ニテ待ツ!!! 文芸部!!! ※ただし、面白い人間に限る】
キョン「…………隠す気も隠れる気もないよな、アイツ」
古泉「涼宮さんらしいですよね。しかし、目を引かれるキャッチコピーではあるものの」
古泉「こうして中庭のど真ん中に陣取っているにもかかわらず、中々新入生は目を向けてはくれませんね。どうしてでしょう?」
キョン「見ちゃいけません、って本能が告げているんだろ。正常な反応だ」
キョン「それに正体不肖の団に進んで入ろうなんて輩は……できればいてほしくはないな」
古泉「いいではありませんか。未来人宇宙人、超能力者の連合に攻め入られるよりかは」
古泉「そちらの方がよっぽど可愛げがありますよ」
キョン「どうだかな」
キョン「新入生に新学年に新学期か……新しいものばかりで俺には眩しすぎるぜ」
古泉「新入生を入団させることによってSOS団の戦力アップというのが涼宮さんの望みでしたが……」
キョン「……戦力アップとは意味深な」
古泉「都合が良すぎますかね? 今の我々を救済する助っ人がこの中に紛れ込んでいるのかもしれませんよ?」
キョン「そんな実力を持つ奴が現れたら、第三勢力であることを疑った方が良いな」
古泉「ごもっともです。つまりは、現存の戦力で対抗するほかない、ということですね」
キョン「俺は平和主義者なのになぁ……嵐の前の静けさというか、こんな心地のいい日を過ごしてる場合じゃ……」
キョン「……Zzz」
古泉「言ってる傍から油断ーーっ!!?」ガーン!
古泉「……とはいいますが。僕も可能であるなら、このままこの青春とも言える日々を安全に謳歌したいものですね」
古泉「そうは思いませんか、長門さん?」
長門「……今までも、決して安全とは言い難い日々」ペラッ
古泉「ははっ、仰る通りです。では、刺激的な日々とでも言い換えましょうか」
長門「……それを今後も保持するのがわたしの役目。わたしたちの役目」
古泉「同感です。あなたにそう言っていただけますと、非常に頼もしいことこの上ありませんよ」
長門「……そう」
キョン「Zzz……んごあぁ」
古泉「……まったくもって、平和ですね」
長門「……」ペラ
会長「む」ピクッ
キョン・長門「「よかろう」」ドンッ!
会長「なにがだ!!! 貴さ……ッ! コホンッ。キミたち、ここでなにをしている」
キョン「見ての通り、新入生の勧誘だ。ちゃんと生徒会に申請したはずだが?」
会長「もちろん、文芸部名義では申請は通ってはいる。しかし、キミたちが行っているのは本当に文芸部への勧誘活動かね?」
キョン「そう見えないか?」
会長「……ふん」ピラッ
会長「……文芸部に何を挑戦しろというのかね、このチラシは」
キョン「……長門、言ってやれ!」
長門「………………大食い?」
会長「……本気で言っているのか?」
長門「…………」ペラ
会長「…………食えん集団だな。好きにするといい」
キョン「大食いだけに?」ボソッ
会長「あ?」
古泉「どうも。会長も見回りご苦労様です」
会長「ああ。春はどうも気分が浮かれるらしく、不遜不埒な輩が我が学園にも増えてしまって敵わん」
会長「キミたちも、公序良俗校内規制を遵守し、学園生活を送るように」
会長「ここにはいない、例の団長と名乗る人物にもそう伝えたまえ」
キョン「へいへい。言っても聞かないと思うけど」
会長「彼女の手綱を引くのがキミの役割と伺っているが……違うのかね」
キョン「違うよな? な?」
古泉「さあ。個人的に、あなたほど適した人間はいないとは思いますけどね」
会長「過激苛烈な行為は控えるように。では失礼させてもらう」クルッ
喜緑「失礼します」ペコッ
キョン「うおっ!! いたんだ喜緑さん……」
古泉「できるだけ視界に入れないようにしていた人がなにを言っているんですか」
ハルヒ「キョーン! 古泉くーん! 有希ーーっ!!」ダダダッ!!!
朝比奈「ひ、ひえぇ!! ま、待ってくださぁい涼宮さぁん!!」ヨタヨタ
ハルヒ「今あの陰険会長がいなかった!!?」
会長(偽)「バカモーン!! そいつがルパ―――」
ハルヒ「いやがったわね!!!!」バチンッッ!!
キョン「いたらそうするつもりだったの!!?!?!?」ドテン!
朝比奈「きょ、キョンくぅん……」
ハルヒ「あら、キョンだったのね。全然気づかなかったわ。さすがね、褒めて差し上げ仕りたてるわ」
キョン「分かったうえでビンタしただろ、しかもなんだその日本語……で?」
ハルヒ「で?」
キョン「目ぼしい新人はいたかよ? 未来の団長になり得そうな潜在犯は」
ハルヒ「だれが潜在犯よ。それがね、今年の新人はダメね!! 消極的なヤツばっか!!」
ハルヒ「まず誰もあたしたちに近づこうともしないのよ!? ありえなくない!?」
キョン「それが正常だろ。あぁ、朝比奈さんの魅力に気づかないやつがいたならそいつは愚鈍の称号をやってもいいな」
ハルヒ「みくるちゃんの可愛さだけにつられてくるようなやつには速攻入団拒否にしといたわよ! 当たり前でしょ!」
古泉「こちらにも、入団希望の新入生は訪れませんでしたから……今年は入団希望者はいないのかもしれませんね」
朝比奈「そうですかぁ……」
ハルヒ「まだ諦めるのは早いわよみくるちゃん! 後日、何らかの理由で今日これなかった有望株が部室に訪れるかもしれないわ!」
ハルヒ「来たら入団テストをするのよ!! 今の内にテスト内容を考えておかなくっちゃ!!」
キョン「第一関門は俺か長門のどちらかを制限時間内に倒しきることとか……」
古泉「現代兵器の使用の許可をいただきたいものですね」
ハルヒ「てわけで! これ以上の長居は無用!! 撤収撤収ーっ!!」
キョン「やれやれだ」
「フフ、お世話になりますよっ、先輩っ♪」
翌日
谷口「しっかし、新鮮味のねぇクラスだな、おい」
国木田「いいじゃない。見知った顔が多い方が谷口の奇行も目立たないよ」
谷口「お前は俺のことどう思ってるんだよ!!? ったく、なあキョン、お前はどう思う?」
キョン「自己紹介がまだだったな、俺はキョンだ」
谷口「いらねーよ!!? ていうかついにお前は俺の名前どころか存在を抹消しにかかってないか?」
キョン「冗談だ、谷村」
谷口「冗談になってねぇじゃねーか」
国木田「あ、そうそう。キョン、この前は大丈夫だったかい?」
キョン「ん。あぁ、心配ない。悪かったなあん時は」
谷口「なんの話だ? お前ら、俺のいないとこで女絡みでもしてるんじゃないだろうな!」
国木田「うーん。女性絡みと言えば、そうならなくもないのかな?」
谷口「なんだとっ!!? 抜け駆けか!!?」
国木田「僕とキョンの同級生にたまたま二人で遭遇したんだよ。その人が女性ってだけ」
谷口「可愛いのか?」
国木田「だってさ、キョン」
キョン「なぜ俺に聞く?」
谷口「だってよぉ、それって話に聞くキョンの中学時代の『コレ』だろ? ん? 1年の時言ってた変な女だとかいう」
キョン「……国木田」
国木田「ごめんよ。ただ、ここまで勘違いしているのは谷口にも過失があると思うんだ」
谷口「くぅーっ! どいつもこいつもなんだかんだ青春しやがって!! ちくしょう!!」
キョン「……やれやれ」
古泉「ほう、谷口さんにもからかわれたと」
キョン「語弊があるな。あいつにからかわれたなんて、思いたくない信じたくない負けたくない」
古泉「なんの勝負ですか……しかし、話を聞く限り、あなたと佐々木さんとの関係の親密さは恋人と錯覚するほどですからね」
キョン「別に普通だろ? 塾の行きかえりに自転車で…………あ」
佐々木『いやぁ、それにしても久しぶりだね、こうしてキョンと自転車を押しながら帰るというのも』
キョン『いや、こんなシチュエーションに覚えはないぞ? 意外といえば意外かもしれんが……』
キョン「(そういやあいつ、消失世界でこんなこと言ってたな……そういうことだったのか)」
古泉「どうかしましたか?」
キョン「ん? あぁ、だから塾の帰りに自転車で自動車と並走して帰るぐらい普通だろ?」
古泉「……異常ですが??」
キョン「アレー?」
朝比奈「涼宮さん、お茶です」
ハルヒ「ありがとみくるちゃん!」カタカタ
朝比奈「なにつくってるんですか?」
ハルヒ「新入団員へのテストよ!! テスト内容は極秘だから口外禁止よ!!」
キョン「(Q1『SOS団を志望する動機を教えなさい』)」
ハルヒ「(はい。御団の不思議に対する熱意が―――!)」
ハルヒ「メンタリズムもテレパシーも禁止!!!」ウガーッ!
キョン「へーへー」
鶴屋「やっほーっ!! みんなっ! いるかいっ!?」バンッ!
ハルヒ「鶴ちゃん! やっほーっ! なになに? どうかしたの!?」ハイ!
鶴屋「そうそうっ! またまたお誘いっさ! 花見大会第二弾っ!!」ターッチ!
朝比奈「あれ? お花見ならこのまえしませんでした?」
鶴屋「みーくーるーぅ、あれはソメイヨシノくんたちのお花見だよっ! 今回は八重桜っさ!!」
鶴屋「家の庭に天然の八重桜ちゃんたちが生えてるから是非と思ってね!!」
キョン「けふ九重に匂ひぬるかな」
鶴屋「いにしへの~……ってキョンくん早っ!! 下の句が上の句になっちゃってるよ!? 傑作だねこりゃ!」アッハッハッハ!
キョン「しづこころなく花の散るらむ」
ハルヒ「ひさかたの~……むぅ!」
キョン「花ぞ昔の香にほひける」
鶴屋「ひとはいさ~……すっげー! キョンくんすっげーっ!!」
キョン「エスパーですから」ドヤッ!
古泉「文化や定型をも変えてしまうのはやめていただけませんか?」
鶴屋「じゃあじゃあ、逆に……身をつくしても 逢はむとぞ思ふ!」
キョン「わびぬれば 今はた同じ 難波なる」
鶴屋「あっはっは!! ホント、さっすがキョンくん!! 魅せてくれるねぇ!」
朝比奈「……あの、これってどういう遊びなんですか?」
古泉「短歌はご存じでありませんか? 彼はそれを先読みして順序を入れ替えているんですよ」
朝比奈「???」
古泉「例えば、今の歌でいいますとわびぬれば、から始まる上の句に続く下の句を答えればいいのですが」
古泉「逆に下の句から上の句を連想するという遊びに発展したみたいですね」
朝比奈「わ、わびぬれば……ってどういう意味でしたっけ?」
長門「現代語訳にすると『これほど思い悩んだのだから、今はどうなっても同じ」
長門「難波の海に差してある澪漂ではないが、この身を滅ぼしてもあなたに逢いたいと思う』」
長門「情熱的な……恋歌」
朝比奈「へぇ……素敵ですね」
古泉「身を滅ぼすほどの覚悟を持った歌……ですか」
鶴屋「あぁみくる あぁあぁみくる あぁみくる!」
キョン「あぁ朝比奈さん あぁ朝比奈さん」
鶴屋・キョン「「……さすが!!」」グッ!
ハルヒ「……なにが!!??」ガーン!
鶴屋「てわけでっ! あたしはこれにて失礼するよっ! 本年度もよろしくねっ!」バビューン!
古泉「さながら旋風のようなお方ですね」
ハルヒ「鶴ちゃんのおかげでゴールデンウィークの予定がまた埋まったわ!! 感謝しなくっちゃ!!」
キョン「お花見もいいが、この団の活動内容としてはそれでいいのか?」
ハルヒ「いいトコに気が付いたわキョン!! あんたにしては鋭い指摘よ!! これで実績±0に大きく近づいたわね!!」
キョン「なんで現在マイナス評価なんだよ」
ハルヒ「SOS団としての本来の活動も疎かにしてはいけない、というわけでっ!!」
キョン「解散っっ!!」
ハルヒ「んなわけあるかっ!! てわけで明日! 土曜日!! 朝九時駅前集合して通算ホニャララ目の不思議探索やるわよっ!」
長門「49回目」
朝比奈「もうそんなにやってたんですねぇ」
古泉「早いものです」
ハルヒ「SOS団も創設してそろそろ二年目に差し掛かる今がチャンスなのよ!! 陽気にあてられて油断しているトコを狙うのよっ!」
キョン「……z」ウツラウツラ
ハルヒ「こんな……風にねっ!!」シュッッ!!!
キョン「――――――残像だ」ゴッシャァア!!
古泉「ええ、残像が見える勢いで吹き飛んでいましたよ。大丈夫ですか?」
ハルヒ「明日はーどこまわろうかしら? みくるちゃん、どっか行きたいとこある?」スタスタ
朝比奈「うーん……もう温かくなってきましたし、公園をのんびり歩いたりとか?」スタスタ
ハルヒ「いいわねっ! 全員逆立ちで後進したらなにか起きるかもしれないわ!!」
朝比奈「その光景が不思議そのものですよ!?!? 普通にお散歩しましょうよぉ」
ハルヒ「それじゃ普通すぎるもの。ねっ、有希はどっか行きたいとこある??」
長門「どこでも」
ハルヒ「いいわねっ!! 採用!! 有希らしい!!」
朝比奈「ええっ!?」
古泉「こう下校していると、つい先日、想定外の遭逢があったとはとても思えないですね」
キョン「大戦争でも期待してるのか?」
古泉「まさか。申しました通り、僕はこの日々を心より謳歌したいと思っていますよ」
キョン「ならいいじゃねえか。お望みの日常を過ごしてるんだからよ」
古泉「……そう楽観視できないのも、また事実であり、僕が恐れている事なのですよ」
古泉「未だに敵対勢力の所在は不明のままです。機関は常に厳戒態勢ですよ、もちろん僕もね」
キョン「そうだな。結局、佐々木もあれ以来消息を絶ってやがるし、今度はなにを企んでいるやら……」
古泉「今度ではなく、次が最後……と考えているのでは? だからこそ彼女は姿を現した」
古泉「機が熟したのか、それとも勇み足なのかは定かではありませんが」
古泉「ある程度の勝算は持ち合わせていると考えています」
キョン「こっちにゃねえのか? その勝算ってやつは」
古泉「お言葉を返すようですが、あなたになければ、僕はお手上げですよ」ニコッ
キョン「……ったく」
キョン「勝算…………か」
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