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    元スレ勇者「全身呪いの装備で固めてしまった」

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    202 :

    >>189
    兜の発狂を靴で相殺。
    籠手の硬直を腰当てでキャンセル。

    シナジー発生してるがな。

    203 :

    兜の発狂は内部的な物だから靴で総裁出来ないだろ

    204 :

    勇者「やったか!?」

    僧侶「あの攻撃を受けて立ってていられるはずもありません…」


    「おいバカ共、それをフラグって言うんだよ」


    魔王「グッ……ヌァアアアア!!! まだだ! まだ我は死なぬ!!」

    勇者「なにっ…まだ立ち上がれるだけの余力を残していただと!」

    勇者「ならばもう一度ぶった切るだけだ!」ズバッ

    魔王「グヌッァアアアアア!!!」ドサッ

    勇者「今度こそやったか!?」


    魔王「くっはっはっは! 我は実は第三形態まで進化できるのだ!」

    勇者「うぉおおおお! 今度こそ仕留める!」ザシュッ

    魔王「ば、馬鹿な……おのれ、勇者めぇええええ!」

    勇者「流石の魔王もこれなら…」



    僧侶(あれこの流れって……すっごい面白そうな流れになるんじゃ…)

    僧侶「私も混ぜてください勇者様! 何回魔王が起き上がるか数えましょう!」



    「魔王で遊ぶな、おいバカやめてやれ」

    205 = 1 :

    勇者「ゴキブリ並みにしぶとい魔王でも、今度こそは…っ!」

    僧侶「第三形態いやに出し惜しみしてますよね、早く変わってくださいよ」ボコッ

    勇者「……あの、僧侶さん? やけに好戦的じゃないかな?」

    僧侶「だってこんなおもしろ……じゃない、人類の敵である魔王が何度でも蘇るのですよ!」

    僧侶「僧侶として見逃せるわけがないじゃないですか!」

    勇者「僧侶さん……分かった! 魔王が完全に滅びるまで俺達で何度でもやっつけてやるぞ!」

    僧侶「その意気です、勇者様!」




    「魔王が不憫すぎて同情するわ…」

    「超強化された勇者が一撃で魔王を倒してその後にフラグを言ってるのがもう…な」

    「僧侶が悪い遊び覚えなければいいんだけどな…」

    206 = 1 :

    「っつーか気になってたんだけど俺らって今どうなってんのよ」

    「ん? 呪いが反転して祝福された作用を勇者に引き起こさせてるな」

    「そこだよ、そこ…呪いと祝福で相殺されてるのか?」

    「いや、見た限りだとこれは相殺されてねぇな…」

    「…つまり?」

    「だから…呪いが逆になってんだよ、箇条書きで説明するとこうなる」


    剣:反射回復
    兜:HPMP倍増
    鎧:防御以外全能力倍増
    盾:回復呪文倍回復
    腰当:数ターンごとに回復
    篭手:エンカウントなし
    靴:行動速度高速化、たまに二連続攻撃


    「いじめってレベルじゃねーぞ!」

    207 = 1 :

    「でもさ、全て逆になるとしたら鎧とかのメリット効果も逆になるんじゃないか?」

    「そこなんだが、全部逆になってるわけじゃないっぽいな」

    「全部逆になってたらあのバカがバカじゃなくなって天才になるだろ」

    「あぁ、それもそうか…だけど俺ら人間じゃなくて装備だぞ?」

    「そこなんだが、メリット効果は俺が鎧として生まれた時からあるものだ」

    「言い換えると俺の個性って言えばいいのかな…人間で言う性格みたいなもんだ」

    「そこでさっきの話を交えつつ解説すると…どうやらメリット効果はそのままだな」


    「…じゃあ、俺ら呪い装備じゃなくて最強装備? つーか、祝福装備?」

    「祝福装備の俺らがこんなアホみたいな会話してるのって…なんか、変じゃね?」

    「……」

    篭手「……」



    「……勇者君! 僕たちの力を存分に使って一緒に魔王を倒そう!」

    「今更口調変えても遅いわ! それ以前にもう何十回も魔王倒してるし!」

    「まだだ勇者君! 臓物を引きちぎり、血祭りに上げてやるんだ!」

    「こえーよ!」

    208 = 1 :

    「魔王も無駄に体力あるよな、さっさとやられりゃいいのに」

    「倒すたびに勇者がフラグを言うから魔王も乗ってるんだろう」

    「端から見ると弱いものいじめだよな」

    「まさかこれが魔王対勇者の対決とは思えないわな」

    「魔王も魔法を解除したいんだろうが起き上がる瞬間にメッタ切りにされてるからなぁ…」




    「…あのさ、魔王がこの魔法を解除する前に勇者が魔王を滅ぼしたら俺らはどうなるんだ?」

    「どうもこうも、まず最初に魔法の効果が切れて俺らは元に戻る」

    「それにここに入ったときになったあの変な感覚…たぶんこれは空間を弄っているんだろう」

    「勇者が魔王を倒さずともここを出て行けば俺らは元の生活に戻れるって訳だ」

    「なるほどなぁ…」


    「折角の最強状態が一撃でやられる魔王相手だとつまんねぇな」

    「これってやっぱりパンツ一丁でも倒せたんじゃね?」

    「魔王弱いし結構余裕でいけてただろ」

    209 = 1 :

    魔王「グ……ググ、ただでは、死なぬ……勇者よ、貴様も黄泉へと道連れにしてくれるわ!」


    グンッ!


    僧侶「あ、ちょっと遊びすぎたかも…」



    「魔王このループに気付いて流れ変えてきたわ…っつーか、ヤバくね?」



    勇者「こ、コイツ、最後の力でなにを…っ!」

    魔王「ふっ……ふはは……貴様は、魔の狭間に…永久に出れぬ地で朽ち果てるが、よい…」

    勇者「か、体が引きずり込まれ…マズっ!」

    僧侶「勇者様ぁ!」

    勇者「う、うわぁあああ―――………」


    シュンッ

    210 = 1 :

    ――魔の狭間



    勇者「うぉおああああっ!」

    ドシッ


    勇者「いででっ……くっそ、魔王め…死ぬなら一人だけにしろ! 俺を巻き込むなっ!」

    勇者「出口はどこだ! はやく戻らないと…」

    勇者「出口……の前に早速魔物のお出ま…し……」

    勇者「はは、ちょっと魔物が……多すぎるんじゃないかな」



    「万は越えてるな、もしかしたら億はいそうだ」

    「これは流石の勇者でも、これはダメかもわからんね」



    勇者「…出口を探すのはこいつらを全部倒した後にしろって事かよ」

    勇者「それに、ここに来てからなんだか、体が重くなった気がするし…ん? 魔王の間だと普通だったか?」

    勇者「そんな難しい話は後だな……とりあえずこいつらを片付けるのが先だ!」

    211 = 1 :

    ――数十時間後



    勇者「はぁ……っはぁ…まだ、いるのかよ……少しは休憩させてくれ」

    勇者「うぐっ…ダメージが……キツイな」

    勇者「ゲホッ……くそっ…」


    魔物「グァアアッ!」

    勇者「っ! しまっ…」ドガッ

    勇者「っぐぅ…体当たりだと……」




    「おいやべぇぞ! このままじゃ勇者、死んじまうんじゃねぇのか!?」

    「…いや、今回は大丈夫だな、むしろいいタイミングだったかもな」

    「はぁ!? 何言ってるんだよ! お前の効果だと逆に勇者が苦しむだろうが!」

    「俺のことは俺が一番知ってる、今回は大丈夫だって言ってるんだから…まぁ見ておきな」

    212 = 1 :

    勇者「ぐっ…この、野郎っ!」

    勇者(ダメだ…力が、コイツを振り払う力が沸いてこねぇ…)

    勇者(このまま……俺は、死ぬのか?)



    ゴギュ…ゴギ…


    勇者「うぐっ…ぐっ……ん…んん?」

    勇者「な、なんだ? 力が…回復、した?」



    「どうなってんだ、こりゃあ一体……」

    「前にも言ったが、俺は吸収しているんだ、どんなものでもな」

    「そんなことは知ってる、だが、どういうことだ?」

    「そうだなぁ…前回同じような状況になった時、勇者はダメージなんて受けてなかっただろ?」

    「あぁ、僧侶守った時か」

    「そうそれ、今回は疲労困憊、もう戦えませんって状況だったな」



    「最初の時は過剰すぎる回復を勇者に与え、今回は丁度良い回復を与えただけだ、デメリットはねぇよ」

    「あまりにも強すぎる回復は時として毒になる…薬と一緒だな」

    213 = 1 :

    「お前って…呪い装備だよな?」

    「最初に作られたときは呪われてなんかなかったさ、それはお前だってそうだろ?」

    「まぁそうだが…」

    「俺が作られた当初の目的は回復役を必要としない完璧な戦士を作り上げることだったわけだ」

    「…もっとも、過剰回復については不具合として出てきた訳で、これが呪いを生み出す要因になったわけだが…まぁここは説明しなくていいか」

    「とにかく、今回初めて勇者が俺を本来の目的で使いこなしたと言う訳だ」

    「そうか…そういうことだったのか」

    214 = 1 :

    勇者「…なるほど、この鎧はこの時の為にこの効果があったわけか!」

    勇者「なら、俺はまだ戦えるっ!」


    魔物「――ッ!!」カァッ


    魔物はベギラゴンを唱えた!


    勇者「おっと…盾でガード!」

    勇者「そして呪文の唱え終わりが一番の弱点だ! 踏み込み切り!」ザシュ


    勇者「ははっ…なるほど、初めて盾を使ったけど、これは便利だな」

    勇者「…これなら、こいつらを全て倒せるな」

    勇者「魔の狭間だかなんだかしらねぇけど…魔って付く位なんだから、その魔を全部倒せばいいって訳だろ!」

    勇者「っしゃあ! やってやるか! 勇者様と伝説の装備が相手してやるぜ!」



    「ヤバイ、惚れそう…」

    「やっぱりお前ソッチの趣味あったんじゃねぇかよ」

    「……い、言い間違えだ」

    215 = 1 :

    勇者「もう何時間? 何日? いや、何年経ったかわかんねぇや……」

    勇者「ただひたすらに戦い続けた……けど、お前で最後だ!」

    魔物「ゲヒュッ…」


    勇者「あーーっ! 終わったぁ! 疲れた…これ以上はもう無理だ、戦えねぇ」ドサッ

    勇者「……帰れないよなぁ、魔物全滅させたらもしかしてとか思ったけどさ」

    勇者「……僧侶さん、心配してるよなぁ」

    勇者「いやでも魔王を倒してからどのぐらい経ってるか分からないし、もう俺のことなんて忘れてるか」

    勇者「実はもう何百年も経ってて別の魔王や勇者が生まれてたりしてな!」

    勇者「その時は俺も加勢して今度こそ魔王を完全に倒しに行きたいもんだ…」

    勇者「……僧侶さん、可愛かったなぁ」

    216 = 1 :

    「かーっ、こんな時まで色恋沙汰取り出すとかやってらんねぇわ」


    勇者「なっ…なんだ!? どこから声がした?」

    「俺らが封印されてるときに一発僧侶とヤっておけば良かったんだよ」

    「でもよ、このバカがそんな考えまで持ち出せるわけねぇだろ」

    勇者「バ、バカとはなんだ! 俺は勇」

    腰当「あー、はいはい勇者だろ? 聖水飲むと決まって……」


    「え、ちょっと待って…俺らの声聞こえてる的な?」

    217 = 1 :

    「ちょっと待て勇者、緊急呪い会議開くからお前黙っとけよ!」

    勇者「呪い会議って…」

    「だから黙っとけって言っただろ! …なぁこれどういうことだ?」

    「こんなの初めてだ、俺に聞くな」

    「いぇーい、勇者? 聞こえてるぅ?」

    勇者「うるさいほどに聞こえてるよ…というかこの声って誰だ? 神様なのか?」

    「ちげーわボケ、お前がいつも身に着けてる物だよ」

    勇者「……パンツなのか?」

    「パンツじゃねーよ! お前呪い殺……せなかったわ」

    218 = 1 :

    「っつーかお前、何勝手に俺らの会話に割り込んできてるんだよ」

    勇者「勝手にと言われてもな…聞こえてくるんだから仕方ないだろ」

    勇者「でも、話し相手に困ることは無くてよかったよ」

    「まさかお前、このままこの何もない場所で一生を終えるつもりか?」

    勇者「……元の世界へ戻る手段が見つからないんだから仕方ないだろ」

    「お前なぁ…仮にも魔王倒した勇者だろ、こんな所で諦めてどうすんだよ」

    「それにこんな何も無い場所でお前と一緒に居たくねぇし、こっちから願い下げだ」

    勇者「はは、男相手だと色々嫌だよな」

    「ちげぇよ、ゴムに牛乳ブッ込んで他人に見せ付ける変態と一緒に居たくねぇだけだ、勘違いすんな」

    勇者「やはりアレはまずかったのか…確かに、そうかもしれないな」

    「当たり前だろ、ゴムに白い液体って時点でダウトだよ」

    勇者「そうだよなぁ…」



    勇者「天気が良いと中に入れた牛乳が腐っちまうもんな…」

    「そこじゃねーよ」

    219 = 1 :

    「あぁもう、コイツ! 剣術と魔術覚える前に一般教養を覚えろよ!」

    「薬草と聖水一緒に飲み食いする時点で色々勉強しなおせ!」

    勇者「いやぁでもあれ結構回復するんだ、ケアルラぐらいに」

    「ケアルラってなんだよ、せめてベホイミって言えよ!」

    勇者「そうは言ってもそう例えるしかないんだって…あ、聖水飲んで良い?」

    腰当「ばっかおめぇそれだけはやめろ、俺にナニをくっつけんじゃねぇ、ガチで呪い殺すぞ」

    勇者「」

    腰当「…つっても呪い殺そうとしてもお前には全く効果無いからな…呪い装備としてやってらんねぇわ」

    勇者「それは…ごめん?」

    220 = 1 :

    腰当「俺が装備じゃなけりゃ勃起不全の呪いも付けてやるのによ…装備だから出来ねぇし」

    腰当「っつか、そんな事したら勇者のガキを拝めねぇからな…お前も男ならさっさと僧侶を襲っちまえってんだ」

    腰当「そんで僧侶だけにナニを使え…俺に使うな、イカ臭くなっちまうだろうが」

    勇者「善処してみる…」

    腰当「善処じゃなくやれ、これは俺からの命令だ、いいな?」

    腰当「いいか、お前に対して言ってるんじゃない、俺の身を守るために言ってるんだ、勘違いすんじゃねぇ」


    「腰当ってツンデレとか言われた事ないか?」

    腰当「言われたことねぇし……おいやめろバカ共、俺を見るな」

    221 = 1 :

    一旦終了。

    222 :

    仮に本当に一億体いて一体一分で倒したとしたら約190年、一体一秒でも3年ちょっとか……

    223 :

    勇者さん魔法も一級品なんでしょ? ならサクサクっすよ

    224 :

    範囲魔法でね、こうサクッとね…?

    225 :

    いいぞ

    226 :

    呪われ装備かわいい

    227 :

    百万体の魔物が合体して戦ったんだよ

    229 :

    盾をブーメランにして投げれば敵無しな気がするの

    230 :

    おもしろいな
    期待

    231 :

    その盾はどうやって回収するんだ?

    232 :

    呪いの装備だから盾以外の使い方はできないと思うの

    233 :

    >>231
    呪いだから投げても絶対戻ってきそう
    キャプテンアメリカみたいな感じ?

    234 :

    合成素材に使ったら強い装備に生まれ変わりそう

    235 :

    呪いなら手放せないんじゃない?

    237 :

    勇者「そっか、信じたくはなかったけどこの装備は伝説の装備じゃなかった訳か…」

    「誰がどう見たって違うって分かるだろうよ」

    勇者「そうは言っても長年放置されてたり、封印がされていたりしたらそう思うだろ?」

    「あのなぁ…確かに俺らは封印されてたけどこの封印は閉じ込める的な封印だぞ」

    「悪い意味の封印だ、伝説要素なんて皆無だよ」

    勇者「……それでも、俺はこの装備を伝説の装備として使い続けていくさ」



    勇者「なんていったって俺の冒険を支え続けていてくれた紛れもない装備だからね」

    「……気色悪ぃな、けどまぁ気持ちだけ受け取っておくぜ」

    「一番活躍したの剣だもんな、そう照れるなよ」

    「ばっ…! うっせ、黙れ!」

    「おもしれぇ奴だ……けどまぁ勇者もイカれずによく装備し続けたな」

    勇者「はは、もしかしたらもうとっくの昔からイカれてるのかもな!」

    「ちげぇねぇ、全身呪い装備で固める奴なんて今後絶対出てこねぇな」

    勇者「そこは嘘でもイカれてないと言ってほしかったよ」

    238 = 1 :

    「そう考えると俺らがこうやって揃っていけるのは勇者が最初で最後になるって訳か…」

    「勇者が俺らを使わなくなったら、俺らはお別れか……」




    「……そういうの、やめろよ」

    「……」

    篭手「……」



    「勇者、お前が俺らを揃えてくれて良かった……やっぱ色んな意味でお前は化け物だ」

    「最後の最後でやっと俺も使ってくれたしな…正直忘れられてるかと思ったぜ」

    篭手「呪い装備同士、話し合えて楽しかったぜ…勿論勇者、お前もな」

    腰当「ナニをつけてくるのだけは嫌だったがお前はまさしく勇者だ、俺が認める」

    「この見た目で勇者ってのもおかしな話だが一人くらいこんなのがいても良いよな」



    「このしみったれた空気は俺らには似合わねぇな…けど、最後ぐらいはいいか」



    勇者「……あぁ、俺もこの装備に出会えて本当に良かったさ」

    239 = 1 :

    勇者「しかし…どうやって帰ればいいものか」

    「魔王が死に際に放った魔法をお前も使ってみればいいんじゃね?」

    勇者「俺はそんな魔法なんて知らないぞ、第一使えたとしても魔力が足りるかどうか…」

    「ルーラとかは使えるだろ、確かあれって行きたい場所を念じるだけで行けたりする魔法だったよな」

    「それで最後にあんだけボコボコにした魔王の場所をイメージしたら案外いけるんじゃないか?」

    勇者「だが、そんな正確な場所を指定するとしたらどれだけ魔力を使うか…」

    「……はぁ、しかたねぇな」

    「本当だったら最後まで黙っておくつもりだったけどよ…俺の魔力を使え」

    240 = 1 :

    勇者「お前…攻撃力が上がるだけの武器じゃなかったのか!?」

    「そんな安っぽい武器な訳ないだろ……一応俺が作られた理由を話すか」

    「いいか? 人間ってのは魔力の限界が誰にもある」

    「過去の人間ってのはその限界を超えた魔力を求めたって訳だ」

    「兜は限界を超えた魔力を引き出せるように作られたが、俺は違う」



    「殺した奴の魔力を蓄えておけるんだよ」

    「まぁ大半が使い物にならない魔力だから、そこを攻撃力に割り振ってるわけでこれが原因で呪いが…って今はそんな事どうでもいいか」

    「とにかく、山ほど魔物を倒してきたんだから帰れるぐらいには溜まってるだろ」

    「ここで使わないなんて勿体無いし、勇者がこの魔力を使って俺らを元の世界に戻してくれた方がいい訳だ」

    「仮にも魔王を倒した勇者様が行方不明じゃ寝覚めが悪いからな」

    241 = 1 :

    勇者「……なら、ありがたく使わせてもらうよ」

    「礼なんていらねぇ、俺はその為に作られた訳だからな」

    「ほら……さっさとルーラ的なの唱えろ、天井に頭ぶつけたりとかはしないはずだ」

    勇者「……よし、じゃあ帰るぞ! 魔王もまさか帰ってくるとは思わなかっただろうな!」

    「ちげぇねぇ」

    勇者「じゃあ行くぞ…転移魔法!!」

    「あ、そこは明確な呪文名じゃないんだ」




    (……この魔力を使っちまったらお前と話せなくなるなんて、かっこ悪すぎて言えねぇよ)

    242 = 1 :

    ――魔王城内部、魔王の間



    僧侶「勇者様を、返してください!」ボコッ

    僧侶「いつまで寝てるんですか! 魔王ならさっさと起きて勇者様をここに呼び戻してください!」ドガッ

    僧侶「さっきまでの元気の良さはどうしたんですか! ほら、早く起きて…」

    僧侶「勇者様を…あの優しい勇者様を……返し、て……」ポロッ





    僧侶「ぅ……ぅぅ……」グスッ

    243 = 1 :

    シュンッ



    勇者「ぅうっ…気持ち悪っ……目眩がして、おぇえええ……」

    僧侶「……ゆう…しゃ、様…?」

    勇者「ここは……? 戻れた、のか?」

    勇者「そうか……戻れたのか」



    勇者「僧侶さん……心配かけてごめんな?」

    僧侶「勇者様ぁ……」

    勇者「ははっ、僧侶さん涙出しすぎだって…」

    僧侶「本当に……本当に勇者様なんですよね? 偽物じゃない、ですよね…?」

    勇者「偽物じゃないって……いやでも本家がいるから俺はやっぱり偽物?」

    勇者「じゃあ勇者代行? …いやでも魔王倒したしやっぱり俺は勇者?」

    僧侶「……ふふっ本物の勇者様でした」

    244 = 1 :

    勇者「落ち着いたところで少しいいかな? 魔王を倒してからどのぐらい経ったか分かるかな?」

    僧侶「そうですね…大体30分ぐらい、ですかね」

    勇者「30分!? …そっか、あの世界はこっちとは時間の流れが違うのか」

    僧侶「時間の流れってどういうことですか?」

    勇者「いや、なんでもない……ところで俺ってどこか変わっていたりしてないかな?」

    僧侶「えっと…見た目的には特にこれといった変化は見られないですかね」

    勇者「そっか、それは良かった……あの世界は時間が緩やかに流れていた世界、だったのかもな」

    勇者「……それじゃあ帰るか、魔王を倒したってことを皆に伝えるまでが冒険だ!」

    僧侶「でしたら最後まで一緒にいきますよ、勇者様だってことを私が伝えないと町に入れませんからね!」

    勇者「そうだった……その時はお願いするよ」

    僧侶「お安い御用です!」

    勇者「それと、この装備と共にな!」



    勇者「……? あれ、おかしいな」

    僧侶「どうかしたんですか勇者様?」

    勇者「……そっか、そういうことだったのか…剣も良い格好見せやがって」

    僧侶「え、えっと…?」

    勇者「いや、なんでもない! もう聞こえないけど、今頃色々言い合ってるのが居るって思ってさ」

    僧侶「は、はぁ……」

    勇者「今度こそ帰ろう! 皆が俺たちの帰りを待ってるぞ!」




    勇者「呪いの装備で固めてしまった」

    勇者「……けど、俺にとっては伝説の装備だ!」

    245 = 1 :

    終わり
    一週間以上続けるつもりなかったけど見てくれてありがとう

    247 :

    おつ。ここ数日の楽しみだった

    248 :

    呪いの武具たちも、これで晴れて最強の勇者の武具セットになれたわけだ!

    249 :


    俺も呪いの装備着てみたくなってきた

    250 = 1 :

    いくつかレス抜けあったけどもう思い出せないからスマンな…唐突に出てくる上官衛兵とかとか…
    手直しするのもアレだしこのままHTML化出してくる


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