のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,863人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ勇者「全身呪いの装備で固めてしまった」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    101 = 1 :

    ――最後の町……の門前





    勇者「ど、どうも…」

    門番「待て! お前らは何をしにここまで来た」

    勇者「そりゃ世界をすく」

    僧侶「私達は王様から頼まれてこの近辺の魔物の生態を勇者様に伝えるべく調査しに来ました」

    門番「ふん、なるほどな……貴様はともかく、そこの者はなんだ? まるで化け物ではないか!」

    勇者「なんだとこの」

    僧侶「うっさい! 少し黙ってて! …い、いえ申し訳ありません」

    僧侶「この者は暗黒騎士なのです、見た目は少し…いえ、かなりアレですがこれでもかなり腕の立つ者でして…」



    勇者「いや俺はゆ」

    僧侶「黙れって言ってんのがわからないの!?」

    僧侶「私の苦労も少しは考えてくださいよ! 毎度毎度あなたの装備でこう言われる身にもなってくださいよ!」

    僧侶「今度生意気な口出すと容赦しませんからね! グーで殴りますよ! グーですからね!」

    勇者「ご、ごめんなさい…」

    僧侶「分かればよろしい…で、あの…入れて頂けませんかね?」

    門番「う、うん…いいよ……あ、宿屋はそこの角を曲がったとこにあるからそこで休むといい」

    僧侶「わぁ! 本当ですか! ありがとうございます!」

    僧侶「さぁ行きましょう、ゆ…暗黒騎士さん」


    門番(おっかねぇ…あの僧侶怒らせたらいけない人だわ)

    102 = 1 :

    僧侶「ごめんなさい勇者様…あそこを乗り切るにはこう言うしか無くて…」

    勇者「いや別に気にしてないよ…うん、気にしてない」

    僧侶「でも流石最後の町だけあって勇者様のその格好でもそこまで怪訝な顔をされずに済みましたね」

    勇者「格好は問題ないと思うんだけどなぁ…ただちょっと風化されすぎてるだけで」

    僧侶「はいはい、そういうことにしておきます…あ、宿屋が見えてきました!」

    勇者「久々に宿屋に入れるな…温泉とかあるといいなぁ」

    僧侶「えっと…勇者様、どうやってお風呂入るつもりですか?」

    勇者「え? そりゃ脱げないからこのまま…」

    僧侶「いや、いやいや……それは流石にダメですって」



    「なぁ、俺って湯に浸かったら錆びる?」

    「錆びるんじゃね? 俺も錆びるだろうし」

    「錆びた呪われた装備って嫌だなぁ…」

    腰当「なんとか俺らが生き残りつつ風呂と布団で寝るときだけ外せるようなそんなアイテムとかってないかなぁ」

    「そんなご都合主義なアイテムあるわけないだろ…」

    103 = 1 :

    僧侶「と、言うことで用意してました! 教会に一セット分しかなかったこの装備を外せるお札!」



    「あるのかよ! 都合良すぎだろオイ!」

    「やったじゃん、なんだかんだ言って頼りになる奴だわ」

    「やっぱ最後に頼りになるのは僧侶だわ」

    「おうお前ら、少し前に僧侶に対して言った台詞もう一度言ってみろや」

    104 = 1 :

    勇者「そんな便利アイテムがあったなんて…凄い世の中になったもんだ」

    勇者「じゃあ風呂入ってる時と寝るときはそれを使わせてもらうかな」

    僧侶(きたっ! これで私の解呪の計画が大幅に進む!)

    僧侶「そりゃもうドンドン使ってください!」

    勇者「あぁ、ありがたく使わせてもらうよ、それも解呪までしてくれるなんて僧侶はいい人だなぁ」

    僧侶「でしょう? さっすが勇者様、私の計画が言わなくても分かるなんて……ハッ!?」

    僧侶「あっいや、これは違っ…」



    勇者「…さて、どうやって保管しておくかな」

    僧侶「あたしって…ホント馬鹿……」



    「バカで助かったぁっ!」

    「バカは呪いを救う…これは名言になりそうだ」

    105 = 1 :

    ――宿屋




    店主「やぁいらっしゃい、一人一泊150ゴールドだよ」

    店主「それにプラス300ゴールドで開放感溢れる素敵な露天風呂と夕食、朝食セットも付くからお得だよ」

    勇者「じゃあそれにしようかな…すいません、それを二部屋で」

    店主「一部屋で二人寝れる部屋も案内出来るけど…それでも良いのかい?」

    店主「大丈夫、防音もバッチリしてるからどんな大声出してもお隣には聞こえないさ」ニヤッ

    勇者「大声? あぁ…」

    僧侶「なぁっ!? そ、そんな…私達はそんな関係じゃ…」

    勇者(解呪の儀の時に色々言うんだろうな…お隣さんに迷惑がかからないようにって配慮かな?)

    僧侶(待って…勇者様とはそんな関係じゃ…でもよく見たら勇者様ってキリっとした目つきだし…)チラッ

    僧侶(口には出してないけど勇者様から幾度と無く助けられたし…それに)

    僧侶(それに…あの装備の下ってどうなってるのか…気になる)

    僧侶「ど、どうします? わ、私は…いい、ですよ?」

    勇者「……いや、やっぱり二部屋にしてもらえるかな」

    店主「お、おやおや…その彼女さんがいいって言ってるのに…本当にいいんだね?」

    勇者「えぇ、大丈夫です…むしろ相部屋だとどんな事が起きるか不安で…」

    勇者(朝起きて俺の装備が粉々になってたら立ち直れないし…)

    僧侶「そう、ですね……その方がお互いのために良いですよね」

    店主「そうかい…なら900ゴールドを頂くよ」

    106 = 1 :

    「これは…どう見る? チキンな勇者と見るのが正解か?」

    「いや、勇者はバカだ、ソッチのこととは全く気付いてないだろう」

    篭手「じゃあ僧侶はどうなんだ? どう考えてもソッチの事を匂わせた発言をしていたが」

    腰当「あー…僧侶に関しては最初はソッチの方を考えた……が、途中で考えを改めたな」

    「あの目つきから察するに大方勇者のこの装備の下ってどうなってるか気になったんだろうな」

    「ま、俺らとしちゃ解呪されなきゃなんでもいいんだけどな」

    107 = 1 :

    勇者「ふぅー…数ヶ月ぶりの宿屋か…風呂入る前にハサミとか髭剃りとか用意しておかないと…」

    勇者「あぁ、僧侶は先に風呂にでも入ってくれ」

    勇者「長旅と道中の魔物との戦いで疲れただろ、しっかりと休んでくれ」

    僧侶「そうですね、ではお言葉に甘えさせていただきます」

    勇者「僧侶が風呂に入ってる間に俺は売店で少し買い物でも済ませておくかなぁ」

    勇者「っと、その前に荷物を部屋に置いて……ん? なんだ、この紙切れは」


    「使いたくなったらいつでもどうぞ」



    勇者「なんだこの輪ゴムは、こんなの何に使うんだ?」

    勇者「…そうか、これで薬草を束ねておけってことか! いやぁあの店主さんもいい人だなぁ」

    勇者「じゃあありがたく使わせてもらうか!」ベリッ

    勇者「なんだこれ…なんか、ヌルヌルする……輪ゴムを守るためにこうしてるのかな?」

    勇者「それにこれ風船っぽいな…これに水でも入れて水筒代わりにも使えるって事かな」

    勇者「そうかなるほど…見かけによらずあの店主さん本当にいい人だなぁ」



    「そのまま町の外まで行ったら真の勇者だな」

    108 = 1 :

    僧侶「勇者様! いいお湯加減でしたぁ…あ、お札を貼りますね」

    勇者「もう上がってたのか、じゃあお願いするかな」

    僧侶「それじゃあ…鎧とかに肌が触れないように注意してっと…」ペタッ




    「ははっあんなお札貼っただけで簡易的とはいえ俺らが封印されるわけ無いよな」

    「」

    「鎧? …え? マジ?」

    「あっちょっ…や、優しくお願いしま」

    109 = 1 :

    一旦終了。

    110 :

    呪いも大したことねえなぁ!! やばいよぉ!!

    111 :

    装備組の僧侶に対する掌返し連打が面白すぎる
    しかしこの勇者呪われてなければどれだけ強いんだろ

    112 :

    腰簑のようにコン○ーム(液体入り)を腰にぶら下げる勇者(意味深)か…

    113 :

    この勇者なら牛乳を輪ゴムの中にいれてくれるはず…

    114 :

    勇者が勇者すぎて吹くわ

    115 :

    僧侶「これで全部ですかね」

    勇者「お、おお? なんだか体が軽くなったような…これがそのお札の効果か?」

    僧侶「まぁ一時的にですけど、持って一晩が限界だと思います」

    勇者「一晩が限界か…このまま冒険続けられれば苦労も無いんだけどなぁ」

    僧侶「それだと解呪するしかないです…でも解呪だけはしたくないんですよね?」

    勇者「それをやったらこの装備が壊れるからな」



    僧侶「……」ジーッ

    勇者「あの、僧侶さん? そう見られると脱げないんだが…」

    僧侶「あ、そ、そうですね! ごめんなさい!」

    勇者「はぁ…全く、じゃあ俺も風呂に入ってくるよ」トコトコ

    僧侶「……」トコトコ

    勇者「……」トコトコ

    僧侶「……」トコトコ



    勇者「…なんで付いてくるの?」

    僧侶「なんでって…おかしいですかね?」

    勇者「…僧侶、お前もしかして疲れてるのか?」

    116 = 1 :

    勇者「ようやっと僧侶が我に返って部屋に戻っていった…」

    勇者「さてと…この装備を脱げる日が来るとは…」ヌギッ

    勇者「んぉおっ!? 脱いだ瞬間に体から羽が生えたような開放感がするぞ!?」

    勇者「これは…待ちに待ち望んだ風呂に入れるという喜びからなのか!?」

    勇者「もう我慢できん、サッと体洗ってじっくり風呂に入って今までの疲れを癒す!」




    勇者「……僧侶さんが入ってこられたら困るから装備も持っていこう」

    117 = 1 :

    勇者「かーーっ!!! 生き返るなぁ!」ザブン

    勇者「いやぁ…風呂ってのはいいもんだ…人類が生み出した最高の設備だよ」

    勇者「それに景色もいい! 至れり尽くせりの境地だなぁ…」

    勇者「ふぅ……そういえば、久々に地肌に触ったなぁ」

    勇者「あの突き刺さるような痛みがあったから、てっきり穴でも開いてるかと思いきやそういうのは無いようだ」

    勇者「まぁ攻撃されたこと無いから当たり前といえば当たり前か…」

    勇者「それと装備を外して思い出したけど、俺ってトイレに行った事無かったな」

    勇者「便意って言うか…そういうのがまるで沸いて来なかったし」


    勇者「まさかあの装備の効果で便意が抑えられてたってわけじゃないよな…」




    ぐぎゅるるるるッッッ!!!!




    勇者「ハァウッ!!!」

    勇者「うんこぉおおおおお!!!! もれ、漏れぇええええ!!!!」

    118 = 1 :

    勇者(落ち着け勇者……ここで一瞬でも気を抜いたら確実にヤられるっ!)

    勇者「フゥーッ!! ――ッ!!!」

    勇者(思い出せ…トイレの場所を……トイレは確か部屋にあったはず!)

    勇者(全力で部屋に駆け込んでトイレに行く最短ルートを辿れば……ギリギリ間に合うっ!)

    勇者(服なんて着てる暇がねぇ! この際恥も全て捨てて全裸で行くしか道は残されてないっ!)ザバァ



    勇者(肛門の筋肉鍛えておけば良かった…っ!)ダッ

    勇者(鍛え方しらねぇけど!!!)

    119 = 1 :

    ――勇者の部屋前


    勇者(ここまではエンカウントなしっ! これなら想定より3秒早く便器に座って用を足せる!)

    勇者(あとは俺の部屋になだれ込んでいくだけだ!)ガチャ



    僧侶「あっ随分と早かったですね、もう上がったんですか?」クルッ

    勇者「―――ッ!!!」フルチーン

    僧侶「」

    僧侶(落ち着け私……まず状況を整理しよう)

    僧侶(私は勇者様のお部屋で荷物整理をしていた、そしたら全裸で額から大量の脂汗流した男が現れた)

    僧侶(ここには私が一人…勇者様はお風呂でいない……これってもしかして)




    僧侶(……変態!?)




    僧侶「いやぁああああ!!! デカイっっ!! ケダモノ! 近寄らないでぇ!!!」ブンッ

    勇者(ボディだけはやめて! それやられると出ちゃうから!)ヒョイッ

    勇者(っしゃあラッキー! 避けた拍子にトイレの前にたどり着いた!)ガチャッ


    バタンッ!


    勇者「あっはあああああぁぁ……も、漏らすとこだった……」

    僧侶「いやぁああ……って、この声って勇者様……?」

    120 = 1 :

    勇者「」ボー

    勇者「極限まで我慢したあとに用を足すと幸福感みたいなのが湧き出てくるよな…」

    勇者「はぁああ……やっぱりおかしいと思ったんだ、便意が起こらないのは」

    勇者「原理は不明だが戦闘に特化したように体が切り替わっていたとかかな…」

    勇者「しかしそれだと腹が減るのはおかしい話で…うーん、謎だ」



    勇者「よいしょっと……紙は…あれ、後ろかな?」

    勇者「…戸棚の中とか、あとは便器の後ろに一個だけあったり…しないか」

    勇者「あのー…僧侶さん? トイレットペーパーを渡してもらえます?」

    僧侶「前は…隠してください」

    勇者「そういや俺全裸だったな」

    121 = 1 :

    勇者「すっかり快調! いやぁトイレって良いものだなぁ」ガチャ

    僧侶「あばばっ!! 前隠して! 前!」

    勇者「おっと…悪気は無かったんだ、誤解しないでくれ」

    僧侶「分かりましたから! はやく出てってください!」

    勇者「…この格好で?」バッ

    僧侶「その格好で風呂からここまで来た人が今更何を言ってるんですか! だ、だから前!」

    勇者「俺の親父は風呂から上がったらいつも素っ裸だったからなぁ…あ、そうだパンツだけでもくれない?」

    僧侶「勇者様の家庭事情なんて知りませんよ! 変態!」

    勇者「変態じゃなくて俺は勇者だ!」

    僧侶「もう、いやぁ……」

    122 = 1 :

    勇者「なんだかんだ言いつつパンツ渡してくれた」

    勇者「いや違うんだ、俺はただ見せたかったからこんなことをしてたんじゃないからな!」

    勇者「俺は誰に向かって言ってるんだ…」

    勇者「……もう一回風呂に入ろう」

    123 = 1 :

    勇者「と、言うわけで風呂に戻ってきたわけだ」

    勇者「今度はパンツ履いてるからセーフだ、何を持ってセーフなのかはこの際別にしておこう」ヌギッ

    勇者「しかしすっかり湯冷めしちゃったなぁ…もう一度体を温めてゆっくりくつろごう」ガラッ

    勇者「明日からまた冒険の旅が始まるわけだしここで英気を養っておかないと…」


    勇者「…おかしいな、確かに浴場に装備を全部持ってきたよな…目の錯覚かな」

    勇者「…あれ? 俺の装備全部無くね?」

    124 = 1 :

    勇者「捨てられた…? いやそんな、そんなはずは…」

    勇者「無い…風呂の底にも無い……この壁の向こう側に投げ捨てられたか…?」


    「なに堂々と覗いてるのよ! 変態!」ブンッ



    勇者「うわっ! っぶね…女性の人がいただけでそれらしきものは無い…か」

    勇者「それに俺は変態じゃない、ごく一般的な勇者だ」

    勇者「……仕方ない、一度部屋に戻って僧侶と相談しよう」

    勇者「気が休まらない一晩になりそうだな…」

    125 = 1 :

    ――勇者の部屋



    勇者「んー……僧侶さんが知ってたら嬉しいなぁ」ガチャ



    「あ、ダメです…勇者様、私達はそんな事をする関係じゃ…」

    「僧侶……君が欲しい」

    「あぁ…勇者様…」



    勇者「ん? 話し声…なぁ僧侶さん、俺の装備持ってたりとかしてない?」


    勇者「……」

    僧侶「え? パンツ一丁…勇者様が二人?」

    勇者「んん? …あぁ! 俺の装備!!」

    勇者「ち、違うんだ僧侶、アイツは偽物だ!」

    僧侶「…え?」

    126 = 1 :

    勇者「てめぇ…よくも俺の伝説の装備を!」

    勇者「ふんっパンツ一丁の変態が、俺様に勝てると思うな!」

    勇者「この剣で血祭りに上げてやらぁ!」ブンッ

    勇者「はは、こいつはいい! 体が思う以上に動きやがる!」

    勇者「そういう割には剣の振り方がなってねぇな…それじゃあ剣に扱われてるみたいだぜ」

    勇者「なに言ってんだよお前…その格好で頭までイカれちまったか?」

    勇者(とは言ったものの…あの鎧には手が出せないし、敵に回るととことん厄介なシロモノだな)

    勇者(なら…装備が唯一守れていない後ろの太もも付近を攻めるっ!)ダッ

    127 :

    これ呪いが復活したら偽物やばくね?

    128 :

    やっぱり剣さん達がいないと駄目だわ(ツッコミ的な意味で)

    129 = 1 :

    勇者「おらっ! そこだ!」

    勇者「おっと…腐っても伝説の装備か…迂闊に踏み込めないな」

    勇者「はは、最初の威勢の良さはどうした! 雑魚がぁ!」

    勇者「クク、この装備があればなんだって思うがままだ…圧倒的な力が湧き出てくる!」

    勇者「今の俺は無敵だ! ハハハ!!」



    勇者「……どうやらあいつ、勝った気でいるみたいだな」

    勇者「装備付けただけで級に強くなるなんてそんな話があるわけないだろうが…」

    勇者「仕方ない、手加減なしでやってやるよ」スッ


    勇者「はぇ!? き、消えたっ?」

    勇者「後ろだ…そこそこ力出したパンチッ!」ズドン

    勇者「それと僧侶さんに手を出そうとした罰の結構痛いキーック!」

    勇者「オマケにこれは…ゆっくりと温泉に入れない、俺の恨みの篭もった本気の一撃だァッ!」メシャァア

    勇者「あとなんで勝手に俺の装備着てるんだよ! 外せオラァ! この野郎!」ドカッバキ

    僧侶「お風呂に入れないことに対して全力だったような気がしてたまらない…」

    130 = 1 :

    勇者「ぅぐふぅ……あ、足が…」ガクッ

    勇者「今のが拳で良かったな、剣だったらお前死んでるぞ」

    勇者「はひぃっ! わ、悪かった…外すから殺さないでくれ…」

    勇者「殺しは魔物以外にしない、今の俺の格好で外をうろつかせるぐらいで手を打ってやる」

    僧侶「それって社会的に殺しにかかってますよね」

    勇者「命があるだけマシだな、全く…僧侶さん、怪我とかはなかったか? 乱暴されたりとかは?」

    僧侶「怪我はないですけど…その、ごめんなさい…勇者様だと気が付かずに、こんな…」

    勇者「顔が隠れていたんだから仕方ないって、人間誰だって間違いはあるさ」

    勇者「そんな気負わずにいこう、また明日から旅が始まるんだし」

    勇者「それじゃあ今度こそゆっくりと温泉に浸かってくるよ…あぁ、疲れたぁ」

    131 = 1 :

    勇者「はぁ…いい湯だったなぁ」

    勇者「風呂上りには牛乳とか飲みたくなるなぁ…コーヒー牛乳も捨てがたいけど」

    勇者「牛乳かぁ……おっ良い事を思いついた!」

    勇者「これは僧侶さんビックリするだろうなぁ……善は急げだ!」

    132 :

    面白い

    133 = 1 :

    食堂



    僧侶「勇者様遅いですねぇ…何があったとも思えないですし、何をしてらっしゃるんでしょう」

    勇者「いやぁ遅れた! ちょっとヤボ用で……」

    僧侶「あ、勇者様! 遅いですよ、せっかくのご飯が冷めちゃいますよ!」

    僧侶「それに、明日から魔王城に向けて出発するんですから今からルートを決めておかないと」

    勇者「そうだったな……魔王の城まで最短でどのくらいかかりそうかな?」

    僧侶「地図を見る限りですと…大体一週間と言ったところでしょうか」

    僧侶「早く見積もっても五日、遅ければ九日でしょう」

    僧侶「でもこのルートだとかなり険しい道のりを突っ切るのであまり得策とは言えないかもしれません」

    勇者「じゃあ回り道をした場合は?」

    僧侶「んーっと、この場合はかなり遠回りをすることになりそうです」

    僧侶「大体二週間近くかかるかもしれません」

    勇者「そうか…二週間も野宿していくのはこの先厳しいものがあるな」

    僧侶「ましてやひっきりなしに魔物が襲い掛かってくる旅ですからね」

    僧侶「聖水の効果もこの場合あまりあてにならないと見たほうがよろしいかと」

    134 = 1 :

    勇者「そうだなぁ…よし、最短ルートで行く!」

    勇者「僧侶さんはどうする? …もしあれならここで待っていてもらっても構わないけど」

    僧侶「いえ、私は勇者様のサポートをする為にここまで来たんです、最後まで一緒に行きますよ!」

    僧侶「薬草だって勇者様一人だと持ちきれないですよね?」

    僧侶(それに、魔王と戦う前には解呪したいですからね…流石に呪われたまま戦うのは無理があります)



    勇者(いやでも勇者様ならそのままでも勝てそうかな…)

    135 = 1 :

    一旦終了。

    136 :

    最後に勇者が増えたように見える

    137 :

    最後誤字ってね?
    そして水袋(?)に牛乳ががが

    138 :

    見ず知らずの野郎の股間とコンニチハした腰巻が不憫だ

    139 :

    あぁコンドーム牛乳フラグ立ったよ
    そういえば今回は呪い装備は喋らなかったねお札スゲェ

    140 :

    最後誤字った。すまん、投下再開




    勇者「そっか、それを聞けて安心したよ…ありがとう」

    僧侶「いえいえ、お礼を言うのは魔王を倒してからにしましょう」

    僧侶「そんなことよりご飯食べちゃいましょう、折角のご飯が冷めちゃいますよ?」

    勇者「それもそうだな、食える時に食っとかないとって言うしな」

    僧侶「あの…勇者様はどうして魔王を倒そうと決心したんですか?」

    勇者「ングッ……そうだな、元々俺は勇者様ご一行について行くために修行をしてきていたんだ」

    勇者「子供の頃から親父にお前は世界一の剣士になれって言われてきててさ」

    勇者「母さんは世界一の魔法使いになれって言われてきててさ、めんどくさくて全部やったわけよ」

    勇者「そのときにさ、魔物が近所に現れたんだ」

    勇者「あのときの俺はまだ弱くて、魔物3匹倒したところで疲れ果てたんだ」

    勇者「でも親父と母さんは涼しい顔してその後も魔物を蹴散らしてて、決心したんだ」

    勇者「魔王倒せば親を超えられるんじゃないかって、それが動機かな」

    僧侶「…かなり話が飛躍しすぎている気もしなくはないですが、分かりました」

    僧侶「そのときの勇者様って何歳の出来事だったんですか?」


    勇者「忘れもしないさ、あの時の俺は7歳だ」

    僧侶「」

    141 = 1 :

    勇者「ふぅ…ご馳走様でした」

    僧侶「勇者様って凄いんですね…」

    勇者「凄くないさ、本当の勇者に比べたら俺なんかまだまださ」

    僧侶「ってことは本当の勇者様はもっと強いんですか?」

    勇者「そりゃそうだ、由緒ある血統を継ぐものだから強くて当たり前だな」

    勇者「前に一度戦ったことがあるけど全力を出してないのが分かったさ」

    僧侶「戦ったことがあったんですか!?」

    勇者「まぁな…王国主催の剣術大会の決勝で戦ったよ」

    勇者「そうだな、結果としては俺が勝ったんだが、本当の勇者は全く力を入れてなかったんだ…」

    勇者「表情だけはいかにも全力出してますよって感じでさ、俺に対して配慮したんだろうな、あれ」

    勇者「全力出せば一瞬でケリがつくからってさ、悔しかったなぁ…」

    勇者「俺が勝ったあと、全力を出し切ったような顔して無言で立ち去るし…別次元に生きてるってことを思い知ったよ」



    僧侶(もしかして本物の勇者様はその試合全力だったんじゃないかなって…)

    僧侶(あぁ、だから部屋から出てこなかった訳ですか…なるほど)

    142 = 1 :

    勇者「くぁ……飯を食べたら眠くなってきたな」

    僧侶「ふふっ…食べた後に寝ると牛さんになっちゃいますよ?」

    勇者「朝起きたら牛かぁ…その時は治してくれるかな?」

    僧侶「そりゃもちろん! ……じゃあまた明日から頑張りましょうね、勇者様」

    僧侶「それと……勇者様の素顔、素敵ですよ? では、おやすみなさい!」

    勇者「お、おう……」


    勇者「こういうの言われたことないから、どう反応すれば良かったんだ…?」

    143 = 1 :

    ――翌朝



    勇者「装備良し、天気良し、トイレ良し、体調良し」

    勇者「薬草良し、牛乳…腐ってない! 良し!!!」

    勇者「さて…一晩ぶりに装備を着けるか」カチャカチャ



    「あー、よく寝たぁ…って、なんか変な感じするなぁ」

    「ウィーッス、俺もそうなんだよなぁ…まるで寝てる間に誰かが使ったような気がするんだよなぁ」



    腰当「それは間違ってないな、昨晩誰かが着用して力を引き出したんだろう」

    腰当「勇者のナニとは違うナニかの感触がある…」

    「お前も苦労してんだな…ナニの感触が分かるなんて」

    腰当「聖水飲むたびに当たる感触を味わいたいか? 代わってやっていいんだぞ?」

    「そのままぜひとも腰当を続けてください」

    144 :

    ナイスタイミングで更新きてうれC

    145 = 1 :

    勇者「ぐぅ……やはりこの装備の感触は続くか」

    勇者「っと…僧侶さん驚かせるために今のうちに袋にアレを入れておかないと…」ゴソゴソ

    僧侶「勇者様、おはようございます! よく寝れましたか?」ガチャ

    勇者「うぉっと! お、おはよう僧侶さん」

    勇者(あっぶねぇ! …危うくバレるとこだった)

    僧侶「? なにを驚かれているんですか?」

    勇者「い、いや…なんでもないよ……それよりご飯食べにいこうか」




    「おいコイツ今袋にスゴいの入れなかったか!?」

    「それだけ溜まってたってことだよ、丁度僧侶も仲間になってるんだし出し切ったんだろうよ」

    「引くわぁ…マジもんの変態じゃねぇか」

    「それ牛乳だと思うんだが、流石の俺も擁護出来ないわ」

    146 = 1 :

    勇者「ついに魔王の城に向けて出発か…気を引き締めていこう」

    僧侶「ですね、方角的にはこの湿地帯を進むことになります」

    僧侶「その後にあの山を越えたら魔王の城まで一気に行けると思います」

    勇者「そっか…じゃあまずはこの手厚い歓迎をしに来た魔物を蹴散らしながら進むか!」チャキ



    「俺らが封印されてる間にルートは決まってたっぽいな」

    篭手「一晩ぶりとは言え腕が鳴るな…」

    「篭手だけにってか…ちなみに篭手の能力はなんなんだ?」

    篭手「俺は限界以上に筋力を引き出させる能力だ、ミスリルゴーレムと腕相撲勝負できる位にはな」

    篭手「まぁそんなことしたら腕がもげるけど勇者なら平気か」

    「まぁ勇者だしな」

    147 = 1 :

    僧侶「やあっ!」ボコッ

    魔物「グッ…」

    僧侶「もう一発! 確実に仕留めます!」ボコ

    僧侶「はふぅ…これで、終わりですね」

    勇者「みたいだね、僧侶さんも近接戦闘がだいぶ板についてきたと思うよ」

    僧侶「本職ではないんですけど、こうも魔物が多いと必然的と言えますね」

    勇者「でも僧侶さんがいてくれて助かってるよ、ここらの魔物はHPが多くて厄介だからなぁ」

    僧侶「勇者様に出来ることと言えば薬草を渡すことと戦うことぐらいしかできないですから…」



    僧侶「あ、そうだ勇者様口を開けてください」

    勇者「ん? あ、あー」

    僧侶「じゃあ薬草を食べさせてあげますね?」

    勇者「んんっ! い、いやそれはいいよ…自分で食べれるから」

    僧侶「あーん!」

    勇者「はい…」



    「爆ぜろ」

    「ムカつくわぁこれ、見せ付けんならよそでやれ」

    148 :

    筋力を増加じゃなくて引き出させるってとこがいかにも呪いっぽい

    149 = 1 :

    勇者「死ぬほど恥ずかしかった…」

    勇者「いやでも…これは、いつも食べる薬草より効果が出てるような?」

    僧侶「やっぱりそうでしたか、じゃあこれからは私が勇者様に食べさせてあげますね!」

    勇者「あ、あー…そうだ、喉、喉渇かないかな? そうだ、何か飲もう」

    勇者「とっておきを用意したんだ! 僧侶さん驚くなよぉ?」

    僧侶「話題をすりかえられたような気がしますけど…何か用意したんですか?」




    「まさかお前、アレを出す気じゃねぇよな…」

    「今ならまだ間に合うから、アレを出すのはやめておけ」

    150 = 1 :

    勇者「そら、牛乳だ!」タプッ


    「やっちゃったこのバカ…つーかデカッ!」

    「入れすぎだバカ…2リットルは入ってるぞそれ」


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について