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    元スレ武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」

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    301 = 1 :

    さて、簡単なのはプロデューサーさんと二人っきりの時に、寂しそうに「昔、付き合っていた人がいるって聞いて……本当、なんですか?」という具合に聞くことです。

    私と出会う前でもう終わった事だってわかっています。そもそも私にプロデューサーさんのプライベートに口を出す権利なんてないですし……出しちゃいけないってわかっているんです。けど……けど、なぜかわからないんです。そのことを知ってから、ずっと胸が痛くて……苦しいんです――という表情をするのがポイント。

    プロデューサーさんはどんな反応をするでしょうか。

    自分の過去のこと……それも学生時代の交際経験という、アイドルをプロデュースするうえでまったく関係の無い出来事が原因な事にひどく驚くでしょう。
    そして、なぜそのことで私が傷ついているのが考え始めて、一瞬とはいえよぎるはずです。
    もしかして私が、プロデューサーさんに恋心を抱いているのではと。

    プロデューサーさんのことです。
    すぐに理屈としては間違っていないけど、女心を少しも考慮していない方向で結論付けるでしょう。

    それを、何度も揺さぶる。

    私に愛されていると確信できない絶妙な力加減で、悲しそうな顔をして、私自信も困惑している態度をよそおい、そして今はその女性と会っていないことに心底安心してみせる。

    どんな形であれ結論が出ればある程度落ち着き、腰を据えてその解決に乗り出そうとするはず。
    だから結論なんか出させないで、寝ても覚めても何日も何週間も私のことを考えさせ続ける。

    うん、シンプルだけど効果は抜群。
    でもちょっと面白みがありません。

    やはりここは――


    「こんにちは、まゆちゃん」

    「あら、卯月ちゃん。こんにちは」


    皆一緒に楽しんで、プロデューサーさんが煩悶する色んな姿を思う存分楽しみましょう♪


    「どうしたんですか? 何だかとってもご機嫌に見えますけど」

    「はい。実は例の話を進めたいなと思って」

    「まあ♪」


    まゆちゃんが手のひらを合わせて、嬉しそうに顔をほころばせます。
    うーん、これで目にハイライトがありさえすれば文句なしの美少女なんですけどねえ。
    けどまゆちゃんのファンにしてみればそこがいいそうなので、いいとしましょう。
    まゆPさんの胃はボロボロですけどね!


    「それでは早速――」

    「ああ、ちょっと待ってください。進めるのは一週間ほど先で、詳しくはもっと計画を煮詰めてから連絡しますから」

    「そうなんですかぁ。ということは、やっぱり卯月ちゃんが何かするのでそのタイミングに合わせて……ということですか?」

    「はい、そうです!」

    302 = 1 :

    例の話、というのは水面下で進めている【まゆちゃん結婚大作戦】のことです。
    まゆPさんに気づかれないように私も協力しながら、まゆちゃんをアイドルから女優・モデルへと転属させるよう関係者に働きかけました。
    当然、担当はまゆPさんのままです。

    私たち二人で笑顔でお願いしたらなぜか命の危険を覚えたような顔をして了承してくれたり、中には時子様の豚もいたので心よく応じてくれたりもしました。

    まゆちゃんがまゆPさんの家族や親戚と、何気なく知り合うセッティングにも協力しました。
    場所さえ整えればあとはまゆちゃんの独壇場です。
    最初のうちこそ歳の差を気にされていましたがすぐに打ち解けて、この子を逃したらもうダメだと思わせるほど。

    まあそんな感じで私も協力したわけですが、その見返りがまゆPさんを落とすタイミングを私に決めさせてほしいというものでした。

    まゆちゃんの転属はもう三週間前に決まっています。
    親戚の方々への根回しも先週終わりました。

    まゆちゃんとしては、いつまゆPさんに気づかれてしまうのか気が気でなかったでしょう。

    まあ転属を決めた関係者には口止めがばれないための工作をお願いしましたし、そして親戚の方々には――

    『プロデューサーさん……私のことを愛してくださっているんですけど、やはり歳の差を気にされているようで家族に言いづらいと……でもあと少しで決心される様子なので、見守っていただきたいんです』

    ――と、名演技を見せているのでそう簡単にはばれないんですけどね。


    「いいですよぉ。まゆがプロデューサーさんを落とせそうな時に、卯月ちゃんのプロデューサーさんに邪魔されたら困りますし――」

    「私の方もプロデューサーさんが苦悶で喘いでいるところを、まゆPさんが助けに来られたら困っちゃいますからね」

    「うふふ」

    「あはは」


    快諾を得て、笑顔でまゆちゃんと別れます。
    さて、次の問題はいつ実行に移すかです。

    他の皆を後押ししてプロデューサーさんを悶々とさせるのに障害となり得るのは、厄介な人から順に挙げればちひろさん・楓さん、美波ちゃん、杏ちゃん、そして小梅ちゃんといったところでしょうか。

    ……うん、やっぱり一週間後がベストです。
    その日から数日間は、楓さんと小梅ちゃん以外はプロデューサーさんと接触しません。
    後は楓さんに気づかれないように細心の注意を払えばよし。

    小梅ちゃんも侮りがたい相手ですが、多少の困難はいいスパイスになります。
    一週間後を決行日として、計画を頑張って練り上げます!

    303 = 1 :

    ※ ※ ※



    「卯月ちゃん。最近困ったことしてない?」


    十分注意して、計画を練ったはずなんですけどねえ。

    中庭でたそがれているプロデューサーさんのことを、美嘉ちゃんに伝えたあとのことです。
    つまり計画を動かし始めた翌日。
    島村卯月、さっそく笑顔の楓さんに捕まっちゃいました。


    「困った事だなんて……心当たりが多すぎてどれのことか」

    「まあ、困った子」


    嘘を言えばあっさりバレそうなので、嘘でも本当でもないことを口にします。
    まあ普段からタイミングさえ合えば実行に移せる策は複数ストックしているので、本当にどれがバレたのかはわからないんですけど。

    策士策に溺れるって言葉がありますけど、それは一つの策に拘泥するからです。
    常に複数の策を進めて、状況に合わなくなった策は切り捨てればいい。
    たしかナルサルかスイフリーのどちらかがそんなこと言っていました。


    「それじゃあ何が原因かまったくわからないけど、プロデューサーが悩んでいるようだから今夜飲みに誘っていいかしら?」

    「はい! ぜひお願いします!」


    楓さんに気づかれました。楓さんはごまかせません。
    下手な抵抗をするより舞台に上がってもらって、私以上の手腕でプロデューサーさんを翻弄する姿を存分に楽しませてもらいます。

    とはいえ、楽しんでばかりじゃいられません。

    立ち去る楓さんの後ろ姿を見送りながら、今後の対応策を考えます。
    楓さんは今夜プロデューサーさんとお酒を飲むことで、私が関与していることへの確信を強めるでしょう。
    横やりを防ぐためにも計画の前倒しと情報の錯綜、そしていざという時に楓さんと対峙する人物が必要です。

    なので――


    「え~~~ん、時子様えもーん! 手伝ってくださーい!」

    「三枚おろしにされたいの?」


    腰にしがみつきながら泣きつくと、時子様はすごくゾクゾクする目で見下ろしながら吐き捨てました。


    「ちょっとだけ、ちょっとだけ手伝ってほしいんです! 時子様のプロデューサーさんの巨乳好きを矯正するの手伝いますから! 時子様の手の平にちょっと余るぐらいが至高だって植え付けますから!」

    「物わかりの悪い子ね。既に矯正済みよ」

    「え、でもこの間くるみちゃんにデレデレしていましたよ?」

    「あの、豚……っ」


    超然として全てを見下す態度であったのが、一瞬だけど嫉妬で怒り狂う女の顔になりました。
    これは今夜は燃え上がりそうだなあ。

    304 = 1 :

    「はい、これがその時の映像です」

    「……でかしたわよ、卯月。ちょっとだけ協力してあげようじゃない」


    協力していただけるのならもう少し怒りを抑えてもらえませんか。
    普通に怖いんですけど。

    何はともあれ協力を得ることができました。
    時子様は同じパッション組の友紀さんと茜ちゃんに働きかけてくれるとのこと。

    あ、メタ発言ですけど丸数字は私、ローマ数字は時子様です。

    楓さんは私と時子様のつながりを知らないはずなので、時子様の介入を不審に思いしばらくは様子見になるでしょう。
    そしていざ止めに入った時は、お手数をおかけしますが時子様に相手をしてもらいます。
    楓さんの相手ができる人なんて、ちひろさんを除けば時子様しかいませんから。

    かくして計画は修正したおかげか順調に進み、最終日となりました。
    本当はあと一日ほど時間をかける予定だったのを前倒しすることに成功したのです。
    おかげで密度が濃くなってプロデューサーさんは心身ともにズタボロで……たまりません!
    前倒しにした思わぬ副産物です。


    「状況は整いました。行ってきます、時子様!」

    「はいはい。勝ちを確信した時こそ危ういから気をつけなさい」


    少し疲れた様子の時子様が気だるげに、けど優しく、ここ数日でさらに前髪が後退した時子様のプロデューサーさんを椅子にしながら見送ってくれました。

    高鳴る鼓動に胸を躍らせ、へそ下辺りのむずがゆさでおかしな歩き方にならないよう細心の注意を払い、ついにプロデューサーさんの部屋にたどり着きます。
    深呼吸を一つして、ノックの後に部屋に入ると――


    「失礼しま――プ、プロデューサーさん!?」


    一瞬、意識が飛びかけます。

    物憂げな吐息、ストレスと過労からくる汗。
    部屋に充満したそれらを一息吸うだけで視界が真っ白な輝きに包まれ、危うく膝から崩れ落ちてへそ下辺りに手をやりそうになりました。

    ああ――やっぱり、やっぱりプロデューサーさんは最高です!!!

    崩れ落ちそうな体を前へ走り出すことでごまかし、至近距離からプロデューサーさんの顔を観察します。

    顔色は青く、目の下には大きなクマ。
    気丈に耐えようとしていますが、まるで隠せていません。

    この数日、どれだけ思い悩んだでしょう。
    どれだけの誘惑に耐えたのでしょう。
    普通の人なら我慢できずに思い出しながら手淫をしたでしょうが、プロデューサーさんはそんなに器用な性格じゃありません。

    ごめんなさい、ごめんなさいプロデューサーさん。
    普通の人なら天国でも、貴方からしてみれば地獄以外の何物でもない目に遭わせてしまって。
    でも――今のプロデューサーさんは、世界で一番魅力的です。
    そんな貴方も悪いんですよ?

    熟れに熟れて、最高の食べ時じゃないですか♪

    本題に入る前に少し味見させてもらわなきゃ、お腹が減り過ぎてこのまま押し倒しそうです。

    305 = 1 :

    「プロデューサーさんはお疲れみたいですから、肩を揉みながら話させてもらいます」

    「あ、いえ。そんなことをさせるわけには――」


    断ろうとしますが、いつもと比べて呂律が回っていません。
    これならちょっと押せばいけます。


    「まあまあ! パパが卯月の肩もみは世界で一番って言ってくれてるんですから、任せてくれて大丈夫です」


    プロデューサーさんが遠慮しているのだと勘違いしたフリをして、そのまま手に力を入れる。
    肩は予想していた以上に固く、申し訳ない気持ちになりました。

    ごめんなさい、プロデューサーさん。
    貴方にとってお詫びにならないとわかっていますけど、他の人から見たら幸せな結末を用意しますから。

    最初のうちこそアイドルに肩をもまれることに居心地が悪そうにしていましたが、私の肩もみ技術とここ数日の疲れが相まってすぐに力が抜けました。
    プロデューサーさんの無防備な表情――いいですね!

    普通に肩をもむのも、首筋やうなじなど普段なかなか見えない場所を眺められて、さらに肩の盛り上がりや広背筋などを指先で堪能できて楽しいです。
    でもプロデューサーさんも眠そうになってきたので、次の段階に行っちゃいましょう。


    「前も失礼しますね」


    断らせるつもりなんかない、形式だけの確認。
    言いながら私はプロデューサーさんの胸に手を伸ばす。
    手を届かせるために前のめりになって、斜め上からプロデューサーさんの分厚い胸板を見下ろしました。

    シャツの上から私の指を躍らせる。
    痛すぎないように、こそばゆくないように。
    今すぐシャツを引きちぎって直接撫でまわしたい欲求を膨らませながら、指先で弾力と形を確認する。

    広くて弾力のある胸。
    この胸に飛び込めたらどれだけの幸せだろう。
    この胸に飛び込んだらどれだけ困惑するだろう。

    胸を押しつけて、精いっぱい抱きつくふりをしながらお尻を撫でまわしたい。乳首をつまみたい。
    困惑に興奮を混ぜ合わせたい。

    担当アイドルに欲情したことを恥じる貴方の顔が見たい。
    欲情して当然なのに、それでもまずは自分を恥じる貴方を誇りに思う。

    その誇りを穢したい。
    私の手で。


    「ふっ……んっ……」


    いよいよ興奮を隠すのが難しくなってきました。
    吐息が荒くなってきています。

    でもこれは力仕事をしているので仕方ないことなんです。
    そう、わざとプロデューサーさんの耳元で息を吐くのも仕方ないですよね?

    306 = 1 :

    「プロデューサーさん、気持ちいいですか?」


    私も気持ちいいです。
    さっきから内股です。
    前後不覚となった貴方に、その太くて固いモノで私の初めてを強引に貫いてほしくてたまりません。

    味見のつもりだったのに、空腹だったお腹は食べれば食べるほどお腹が減ります。

    プロデューサーさんの胸の上辺りだった指先を、少しずつ下にずらします。
    あと少しずらせば乳首に届く。

    プロデューサーさんの乳首は、元カノに開発済みでしょうか?
    試してみないと。

    さっきより前のめりになって、未央ちゃんやみくちゃんには負けますけど、それでも十分に大きい私のおっぱいがプロデューサーさんの首にあたります。

    あっ。
    大きくなってる。

    机が邪魔で直接は見えません。
    けどさっきとは違うスーツのシワの形が教えてくれました。
    プロデューサーさんはうつろになりながらも、私を欲しているんだと。

    捧げたい。
    プロデューサーさんに私の全てを捧げたい。

    その代わりに、プロデューサーさんをありとあらゆる方法で味わいたい。

    プロデューサーさんの顔を横に逸らして後ろからキスしたいという衝動に耐えていた時。
    プロデューサーさんの意識の変化に気づきます。

    ここ数日のアイドルたちの猛攻で欲求不満となり。
    疲労困憊で気力が尽きかけているのに。
    快楽の流れに乗るまいと、歯を食いしばって意識を覚醒させようとしているのです。

    嗚呼――――貴方と出会えて、本当に良かった。

    体は奪われても心は奪われず、でも快感にはもだえてくれる。
    そんな貴方がそばに居てくれれば、私はいつだって最高の笑顔を貴方に向けてあげられます。

    味見はここまでとしましょう。
    ここからは予定通り、プロデューサーさんを私の家に招く約束をして終わりとします――

    307 = 1 :

    ※ ※ ※



    「……うん、やっぱりそうだったんだ。教えてくれてありがとう卯月。あとは私が片づけるから」


    プロデューサーさんと約束を交わしてから少しあと。
    凛ちゃんにプロデューサーさんがここ数日誰に何をされたのか、ざっくりと説明しました。
    あ、もちろん私のことは除いています。

    プロデューサーさんのキスマークに気づいていたりして、薄々何か起きていることを察していたんでしょう。
    すんなりと私の話を受け入れてくれました。


    「片づけるって……何をするんですか?」

    「ううん、卯月は気にしなくていいから」


    凛ちゃんはもう少し気にした方がいいですよ。
    例えばなぜ私がこんなにプロデューサーさんの情報を持っているのかとか。
    そこを突っ込まれたら誤魔化す準備をしていたのに何だか拍子抜けです。

    凛ちゃんはプロデューサーさんのことになると視野が狭くなってしまうので、そこは私がフォローしないと。
    私の幸せと凛ちゃんの幸せが、ちゃんと両立できるようにですね。


    「じゃあ行ってくるから。急がなきゃいけないのは未央かな。まったく、パ……パイズリだなんて。プロデューサーは脚が好きなんだから」

    「い、行ってらっしゃい?」


    別に急ぐ必要は無いのに、足早に去る凛ちゃんを見送ります。
    あの未央ちゃんがプロデューサーさんにエッチなことをする覚悟は、どう少なく見ても一週間は必要なのに。

    それに凛ちゃん……脚に自信があるからって、勝手にプロデューサーさんを脚フェチにしちゃ駄目ですよ。
    プロデューサーさんは人並みにおっぱいが好きで、人並みに脚が好きで、そしてお尻が大大大好きなんですから。

    まあともあれ、今回の騒動でプロデューサーさんと取り付けた約束と得られた好感度を合わせると、トップは私と楓さん。
    美嘉ちゃんとみくちゃんもかなり高いです。

    けど私以外の約束はこれから凛ちゃんが破らせようとします。
    全部が全部とまではいきませんが、効果は大きいでしょう。
    このままいけば私の一人勝ちです。

    凛ちゃんにはお礼をちゃんとしないといけませんね。
    私とプロデューサーさんが結婚した後、わざと隙をつくって襲うチャンスを用意してあげます。

    強引に迫る凛ちゃんを拒み切れず関係を持ち、罪悪感で押しつぶされそうなプロデューサーさんが帰宅すると、そんなことがあったなんてつゆほどにも思わない信頼しきった様子の私が笑顔で出迎えるんです。
    その時、プロデューサーさんがどんな顔をするのか……あ、ああっ。


    「お、落ち着かないと。勝ちを確信した時こそ危ういって、言われたばかりです」


    そう、このままいけば私の勝ちは確定です。
    前々からプロデューサーさんを家に招いてパパとママと合わせる計画は練っていました。
    そしてそれがうまくいけば、雪だるま式に次から次へと計画が連鎖して、もう誰にも私とプロデューサーさんの邪魔はできなくなる。

    そう、今邪魔さえされなければ全てがうまくいく段取りに――


    「……やっぱり、そううまくはいきませんか」

    308 = 1 :

    楓さんは今、時子様と対峙しているはず。
    それなのに背後から明確な敵意と嫉妬が近づいてきています。

    私の計画に最低でも楓さんは気づく。
    そして、小梅ちゃんも気づきかねないと見ていました。

    侮りがたい相手ですけど、小梅ちゃんの友達は何故か私に怯えていますし、それ以外もまだまだ未熟。


    「このまま一気に決めさせて……あれ?」


    あれあれ?
    あれれ?


    「ヤッホー……卯月ちゃん」

    「見捨てない…見捨てない……あの人は私を見捨てたりなんかしない。見捨てさせたりなんか……させないよね、卯月ちゃん?」

    「橘です」


    何だか、多いです。
    小梅ちゃんだけがそこにいるはずなのに、ハイライトオフ智絵里ちゃんとドヤ顔ありすちゃんまでいます。


    「あ、あーーー。そういうわけですか」


    合点がいくと同時、自然と額に手を当てて嘆いていました。

    結局、私は策にこだわり過ぎたようです。
    楓さんに気づかれた時点で、今回は楽しむだけに止めておくべきでした。
    それなのに強引に修正して、しかも修正するにあたっての焦点は楓さんにあててばかり。
    それだけ楓さんの脅威が大きかったわけですが、そのせいで普段なら気づけるようなこと――小梅ちゃん以外にも勘付いている予兆があったはずなのに、完全に見逃していました。


    「年貢の納め時だよ……」


    年貢の納め時……ですか。

    このまま事が進むとどうなるでしょうか。
    凛ちゃんが次々と皆が立てたフラグを全壊とはいかなくとも半壊にして、無事に残すつもりだった私のフラグはここで叩き壊されます。
    そして近い内に戻る予定の杏ちゃんが、凛ちゃんが壊し損ねたフラグを丁寧に片づけつつ、他の皆から反感を得ない程度にプロデューサーさんの好感度を得ることでしょう。

    そして、また平和な日常が訪れます。
    私がここでやられさえすれば予定調和。

    勧善懲悪の時代劇で悪役が言われるセリフを持ってくるとは、中々的を得ています。

    しかし――

    309 = 1 :

    「卯月ちゃん……?」

    「見捨て……させようとするんですね? 許さない許さない許さない許さない――」

    「何を?」


    三人で囲みながら徐々に距離を詰める三人に、会心の笑顔を見せます。


    「年貢の納め時を踏み倒してこそ真のへそ下者!!!」


    欲一念を貫いてこそ真のへそ下者!
    そのような生き様が人に許されるのか!?
    否……許されてはなりません。
    許されては面白くも何ともないです!

    私はようやくのぼりはじめたばかりですから
    このはてしなく遠い殲琴・ダウルダブラをね……



    ――

    ――――

    ――――――――





    このあと滅茶苦茶普通に数の暴力で負けました。
    島村先生の次のへそ下に期待しないでください。




    ~おしまい~

    310 = 1 :

    最後まで読んでいただきありがとうございました
    どの話が面白かったですか?
    読み返してPa3人の出来に満足、楓さんと幸子はもうちょっとうまくやれたなと反省しています


    今回はいつもと作風が違う理由ですが

    ①たまにはシリアスな恋愛物が書きたいな。武内P、凛、美嘉の三角関係でいこう!

    ②シリアスな恋愛物だから、地の文の一人称でやろう。よしプロットを練るか

    ③へそ下辺りがむずがゆくなる

    ④ご ら ん の あ り さ ま だ よ


    次回は係の変更やら研修やらで忙しくなるので、夏ぐらいになると思います

    ちなみに私のSSは過去作品と都合よくつながってたりつながってなかったりします
    しまむーと時子様の関係について質問があったので、過去作品の一部を置いておきます


    【モバマスSS】凛「プロデューサーにセクハラしたい」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446375146/

    「私たちも」美嘉「プロデューサーに」小梅「…セクハラしたい」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449474797/

    島村卯月の性教育【※武内Pもの】
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471173660/

    311 :

    文香の話が一番好きかな
    後、幸子が攻勢に出れたようで何よりです

    312 :

    クールタチバナのタブレットはどうなったんだろうか。。

    313 :

    ふみふみと小梅が良かった

    314 :

    未央と小梅がツボだった、あと楓さんの演技も。

    一部と言わず、過去作全部載っけてくれ。もっかい読み返したいからな

    315 = 1 :

    こうやって振り返るとそこそこ書いたなあ


    【モバマスSS】凛「プロデューサーにセクハラしたい」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446375146/

    加蓮「CPのプロデューサーってかっこいいよね」凛「」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447574640/

    未央「貴方の視線」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448895601/

    「私たちも」美嘉「プロデューサーに」小梅「…セクハラしたい」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449474797/

    莉嘉「Pくんってかっこいいよね!」美嘉「」【※武内Pもの】
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454068376/

    武内P「襲われました…」卯月「へそ下辺りが満たされました♪」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455880196/

    早苗「CPのプロデューサー君(武内P)ってかっこいいじゃない」楓「どやぁ」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458041208/

    (五体投地)「お願いだからやらせてください」武内P「」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461585627

    島村卯月の性教育【※武内Pもの】
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471173660/

    武内P「これは……私の抱き枕?」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474714761/

    藍子「CPのプロデューサーさん(武内P)ってかっこいいですね」未央「」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479472847/

    武内P「渋谷さんがお神酒を飲んだら……」凛「プロデューシャー♪」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483266061/

    322 :

    乙!今回も最高だった・・・

    323 :

    まずはお疲れ、そして完結感謝
    期間が空いたことも一因だろうが、ラストはへそ下がメインで、武内が隅に追いやられてしまった印象。
    へそはスパイス程度に添えるのがバランスいいと感じる。

    それまではキャラの掛け合いとか生き生きしてて面白かったです。

    324 :

    いつも通りひどかったなw

    325 :

    乙。クール橘の謎の強キャラ感
    智絵里が見事にヤンデレ化してて草

    326 :

    乙!
    面白かったけどへそ下が少ししつこいかな

    327 :

    お疲れさまでした
    もっとあなたの武内Pものが読みたいです
    新作を待ってます!

    328 = 327 :

    申し訳ない
    あげてしまった

    329 :

    >>326
    へそ下は大事な場所だからね

    330 :

    美城専務「彼の押しの弱さにも困ったものだな・・・・・・・・ちょっと私の部屋に来なさい」

    332 :


    ちゃんと過去作全部読んであったことが確認できてよかった

    333 :

    お疲れ様でした

    334 :

    新章は近々始めますが、それにあたって作者からお願いがあります。といっても、単に「作品の連載中、読んでる人は随時コメントをして欲しい」という、それだけです。連載が終わってから纏めて、とかではなくて、“連載中に”コメントが欲しいのです。

    ここでもmixiのコミュニティでも再三言ってることですが、私はSSの作者として、「SSとは読者とのインタラクションの中で作っていくものである」というポリシーを持っています。
    つまり、読者からの声がなく、作者が淡々と書いて投下しているだけという状況では、全く意味がないということです。それなら「書かない方がマシ」といっても大袈裟ではありません。
    特にこの都道府県SSは、本来3年前に終わっている作品を、需要があると言われて新たに書き続けているものです。投下しても1件2件しかコメントが付かないのでは、その「需要」があるのか否かさえ曖昧になります。
    全ての読者にレスを求めるのは酷な事だと思いますが、出来る限り「ROM専」というのはやめて下さい。少なくとも、一夜投下する度に10~20件くらいのレスは付いてほしいです。この数字は、私の考える、SSが正常に連載の体裁を保てる最低限度のレス数です。
    連載を続けるにあたり、そのことだけは、皆さんにお願いします。

    335 :


    面白かった

    336 :

    乙です!
    夏まで待ってる!

    338 :

    ちえりんの話がすこ

    339 :

    いやー続編見たいですね!まあ貴方の作品ならどれでも見たい!


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