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元スレ提督「艦娘の目の前で死んでみる」 不知火「これで最後ですね」
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提督「そういうことだな、おはよう、不知火」
不知火「おはようございます、司令」
提督「寝不足か、目が開いてないぞ」
不知火「朝は弱いもので、すいません」
提督「仮眠が必要なら一時間ほど許可するが」
不知火「大丈夫です、どうせ半時間後には目を見開いています」
提督「今日で三日目だしな、よく理解してるこって」
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1464368418
提督「艦娘の目の前で死んでみる」 不知火「は?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459599682/
提督「艦娘の目の前で死んでみる」 不知火「またですか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460123068/
の続きですが単体でも楽しんでいただけると思います
今回もよろしくお願いします
提督「さて、昨日の七人の様子はどうだった?」
不知火「朝潮は曙と同じですね、光景を思い出す度に泣いているみたいです」
不知火「責任感の強い子は丁重に扱えと、あれほど言ったのですが」
提督「何事も楽観視してしまうのは悪い癖だな、明日にでも謝りに行くよ」
不知火「青葉さんはカメラを覗きこむのが、少しトラウマになっているようです」
不知火「あれ以降、古鷹さんがずっと慰めていたと聞きます、あの人はさすがですね」
提督「青葉を守ろうとする古鷹の意志は、それこそ半世紀にも渡る鋼の意志だ」
提督「それに青葉はあれが商売道具だからな、直に克服するだろう」
不知火「何事も楽観視するのが悪い癖だと、先程仰られたばかりですよ」
不知火「信頼と無責任は訳が違います、直接慰めてあげてくださいね」
提督「そう言われると心苦しいな、分かった、それについては任せてくれ」
提督「雪風はどうだ」
不知火「雪風は、ああいうことを割り切れる子ですからね」
不知火「笑顔で造花に勤しんでいましたよ、不知火も驚きました」
提督「雪風は、俺らが思ってるより強いのかもしれんな」
不知火「『かも』ではありませんよ、実際に強いんです」
不知火「あの子は、私達の誇りですよ」
提督「お姉さんも鼻が高いな」
不知火「ええ、とっても」
提督「如月と睦月はどうだ、あの後も少し気に掛けていたんだが」
不知火「ご心配なく、仲良く間宮アイスを食べていましたよ」
提督「良かった、なら安心だ」
不知火「強いて言うなら、少し睦月が引き目を感じていたくらいでしょうか」
不知火「事ある毎に謝っていて、如月も全然気にしてはいなかったんですが」
提督「まあ、見ていて気持ちの良い光景ではないな」
不知火「仲の良い姉妹艦に亀裂を生じさせるようなことは、あまり得策ではありませんよ」
提督「予定ではああなる前に秘書艦が止めに入る予定だったんだ、済まない」
不知火「その件は本当に申し訳ありませんでした」
提督「もちろん俺も悪いと思ってる、お互い気を付けよう」
不知火「ええ、そうしましょう」
不知火「さて、摩耶さんですが」
提督「知ってる、俺をスッコスコにしたって吹聴してるんだろ」
不知火「あら、よくご存じで」
提督「雷と電に朝会った時に言われたよ」
不知火「ドッキリを仕掛けてきた相手を懲らしめるわけですから」
不知火「勧善懲悪、肴にならない方がおかしいですよ」
提督「まあな、俺だってそんな美味しい話あれば肴にするさ」
不知火「でも、不知火には後から謝罪に来ましたよ」
提督「あいつも変なところで真面目だな」
不知火「良い人ですね、摩耶さん」
提督「良い奴だよ、摩耶は」
提督「他に変わった様子はなかったか」
不知火「一昨日仕掛けた四人についても一応報告しておきますね」
不知火「響は摩耶さんの話を聞いて笑える程度には回復してます」
不知火「龍驤さんは昨日の休養日でリフレッシュしたと言ってました」
不知火「曙はまだ夜中に目が覚めてしまうらしいです、困り果ててます」
提督「曙がそこまで引きずるとは思ってなかったな」
不知火「昨日、司令が部屋に行って謝ったと聞いていますが」
提督「夜も遅かったし、一言二言しか言葉を交わしてないんだよ」
提督「不知火が今度ご飯にでも連れて話を聞いてやってくれ、お代はツケていい」
不知火「もちろんですよ、曙を不安にさせた代償は安くないので覚悟してくださいね」
提督「ああ、肝に銘じておくよ」
不知火「瑞鳳さんは、昨日と同じような状況ですね」
不知火「きっと、大丈夫ですよ」
提督「瑞鳳に関してはやたらと口を濁すな、本当に大丈夫か」
不知火「異変というか、なんというか、感情が抑えきれないようなんですが」
不知火「そのベクトルが悪影響をもたらすことはないと思うので、心配ご無用です」
提督「そうか、一応昨日は休養日を設けたが、大丈夫そうで何よりだ」
不知火「ええ、ご心配なさらずに」
不知火(とは言っても、一日中部屋で提督を模した人形を抱きながら)
瑞鳳『てぇとく、てぇとくっ』
不知火(と呟いてる状態らしいですからね、そりゃ口濁しますよ)
不知火(どちらかと言うと同室の祥鳳さんの方が大丈夫じゃありません)
不知火(まあ、触らぬ神に祟りなしです、この件は黙っておきましょう)
提督「さて、終わり良ければ総て良し、最終日も頑張ろう」
不知火「そうですね、頑張りましょう」
提督「流れはいつもと同じだ、俺が艦娘の目の前で死んだフリをする」
不知火「その直前に必要な情報があれば、不知火はそれを伝えます」
提督「ドッキリの間、不知火は俺の私用部屋にてモニターでその様子を確認してほしい」
不知火「司令の指が動いたら、不知火が執務室へと行ってネタばらし、ですね」
提督「一応指は動かすが、不知火の来るタイミングは全て任せるよ」
不知火「そこは臨機応変に、その場その場で対処していきます」
提督「どうやら俺は少し行動が遅いようだからな、不知火の勘に頼りたい」
不知火「これで三日目ですからね、信頼してください」
提督「元より信頼してるよ」
提督「それじゃあ今日も、張り切っていこう」
不知火「ええ、頑張りましょう」
【 川内 】
提督「さて、最終日の出だし、誰からいったものか」
不知火「こういうのはテンポが重要ですからね、長考するより先ず決断です」
提督「なるほど」
不知火「どうしますか」
提督「四月馬鹿な艦娘と言えば?」
不知火「また突拍子もない質問ですね、いきなり言われると難しいですよ」
提督「さて、最終日の出だし、誰からいったものか」
不知火「こういうのはテンポが重要ですからね、長考するより先ず決断です」
提督「なるほど」
不知火「どうしますか」
提督「四月馬鹿な艦娘と言えば?」
不知火「また突拍子もない質問ですね、いきなり言われると難しいですよ」
提督「連想ゲームだ、簡単に考えればいい」
不知火「連想ゲームですか、それでは逆に、馬鹿と言えば?」
提督「馬鹿か、馬鹿と言っても色んな種類があるが」
提督「そういや、ウチの鎮守府には夜戦馬鹿が一人いたな」
不知火「決まりですね」
提督「それじゃあ早速いくか、不知火は情報を」
不知火「心得ました、どのような情報を」
提督「俺が悩んでいるとでも伝えておいてくれ」
不知火「二日ぶりですね、素晴らしい演技力をご期待してますよ」
提督「ご期待に沿えるよう善処するさ」
不知火「それでは、また後で、失礼します」
提督「ああ、また後で」
不知火「川内、おはようございます」
川内「うん、おはよう、不知火」
不知火「寝起きですか、目が開いてませんよ」
川内「いつもこの時間は寝てるんだもん、そりゃ眠いよ」
不知火「司令にお呼ばれですか」
川内「そう、前の夜戦についての見解を聞きたいってさ」
川内「私もあの時は失敗しちゃったからね、力にならないと」
不知火「…あれから二週間が経ってるのに、まだ作戦の反省ですか」
川内「仕方ないよ、緒戦で撃墜し損ねた相手が、あれだもん」
不知火「あれは、この鎮守府海域だけでの責任だけではありませんよ」
不知火「まだ、司令は苦悩の中にありますから」
川内「うん、私からも、不知火を困らせんなって言っとくよ」
不知火「ふふっ、それじゃあお願いします」
川内「不知火も、あんまり悩まないでね、それじゃあ」
不知火「ふぅ、夜戦が関わらない川内は純粋に良い人だから困りますね」
不知火「面倒見の良いお姉さんタイプの人を騙すのも、それはそれで心が少し」
不知火「まあ仕方ありません、申し訳ありませんが」
不知火「川内にはタチの悪い目覚ましとでも思ってもらいましょう」
不知火「さて、モニターは、と、真っ暗ですね」
不知火「故障でしょうか、いや、まさかそんなことは」
川内『失礼します、ってあれ?』
不知火「あ、シャッター降ろして部屋の電気消してるんですね、なるほど」
不知火「今、執務室はドアの周辺しか照らされていません」
不知火「夜戦好きな川内の為の状況ですね、ご愁傷様です」
川内『てーとくぅ?寝てんの?電気つけるよー?』
川内『夜目も慣れないと見えないってもんなのになぁ』
川内『スイッチは、確かこの辺に』パチッ
川内『ほら、提督、なに昼寝してん、の』クルッ
提督『』ハラキリ
川内『ひ、ぁっ』
不知火「っ、ぅぷ、あ、朝からキツすぎる光景ですね」
不知火「耐性というか、目の鳴れてない朝にこの光景は、ちょっと」
川内『て、てーとく、なん、で…』ヘナヘナ
川内『うそ、だよね、だって、さっきまで、元気で』
川内『いつも通りで、え、え、え、だって…』ビチャッ
川内『あ、あああぁあぁ、ぅうっ、ぅぷ、おええぇ』エズク
不知火「司令は、執務机の前で、短刀を手に横たわっています」
不知火「腹部から色々出てて、ちょっと直視に耐え難い光景ですね」
不知火「服の上から切っているので、実は腹部には、ということでしょうが」
不知火「服の切れ端から中身が出ていても、普通は違和感なんて出ないでしょう」
川内『おぇ、うぅ、あ、ちが、ちがう、違う、こんなの違う』
川内『あ、ああぁぁ、私が、私が、私の、私のせいで』
川内『でも、そんな、そんなことって、うぅぅ、うぅぅぅっ』
川内『お願い、提督、死なないで、死なないで、お願い、お願いだから』
川内『もう、嫌なの、前にも後ろにもいけない、その場でとどまるような』
川内『そんな、そんな暗闇は、夜戦もできないような暗闇は、もう、嫌だから』
川内『だから、だから、ねえ、お願い、いや、いや、おきて、よ』
川内『ああぁあぁぁぁ、てーとく、ひぁ、あああぁぁ…』
提督『』ピクッ
不知火「司令の指が動きました、ネタ明かしの時間です」
不知火「暗闇、ですか、確かにあの闇を経験するのはもう嫌ですね」
不知火「不知火の目が黒い内はそんなこと、経験させませんよ」
不知火「失礼します、入りますよ」
川内「ひぐっ、うぅぅ、てーとく、うああぁぁ」ポロポロ
不知火「ほら、川内、せっかくの服が汚れますよ、顔を上げてください」
川内「し、しらぬい、ていとくが、ていとくが、うあぁぁぁ」
不知火「ええ、大丈夫、大丈夫ですから、そんなことはありませんよ」
不知火「司令、二人共目覚めたんですから、司令も起きてください」
提督「っと、朝から暗闇で横になったから俺は眠くなっちまったよ」
不知火「全く、珈琲を準備しますので、床の掃除をお願いします」
川内「っぇ、え、あれ、どういう、え」
提督「すまんすまん、川内、ドッキリだよ、ちょっと趣味の悪い」
川内「で、でも、提督、お腹に、お腹から…っ」
提督「仮にも提督たる者が、服の上から切腹なんて不躾なことするわけないだろう」
提督「ほら、全然この通り、傷もなにもない、平気だよ」
川内「…ぅ、ほんと、だ、ぁ、うぅぅぅ」
川内「ああああああぁ!よかっだああぁぁぁl!」
川内「うわああああああああん!」
提督「お前達残して自殺なんてするかよ、な」
川内「てえとくうううう!うわああああん!」
川内「今度絶対に夜戦連れてってもらうから!覚えててよね!」
川内「それじゃあ失礼します!おやすみ!」
提督「もう寝るのかよ、はいはい、おやすみ」
不知火「お疲れ様です、目は覚めましたか」
提督「ああ、朝から何も起こらなくてよかったよ」
不知火「まあ、あの手のものだと、怒りの矛先も何もありませんからね」
提督「強いて言うなら、朝からあの図は少し重かったと思ってる」
不知火「朝も何も、トラウマ一直線ですよ、やはり中身が出ると」
提督「兎にも角にも、適度な滑り出しだ、良い開幕だ」
不知火「ええ、流れを断ち切ること勿れ、次に行きましょう」
一度寝ます、また昼頃来ると思います
素敵で儚い駆逐艦姉妹出てくると思います、いったん失礼します
素敵で儚い駆逐艦姉妹出てくると思います、いったん失礼します
しばらくは暗闇を見る度に自害している提督の姿を思い出すんだろうなぁ
ちゃんとアフターケアしないとな
ちゃんとアフターケアしないとな
この人のSS読む度に台本形式も書き手の筆力でここまで変わると思い知らされる
【 夕立 時雨 】
提督「次はそうだな、これで最終日だ、まだ攻めてないような娘がいい」
不知火「そうですね、それだと、オープンに表現してくるような」
不知火「金剛、鈴谷、雷らと言った部類の艦娘が良いのではないでしょうか」
提督「なるほど、悪くない」
提督「でも、もうちょっと刺激が欲しいのもある」
不知火「司令も変わったお方ですね、知っていましたが」
提督「愛情に黒いものが渦巻いてるような奴、とか」
不知火「あぁ、なるほど、それはそれで面白そうですが」
不知火「どうなってもしりませんよ、本当に」
提督「最終日だ、ちょっとくらい無理してもいいじゃないか」
不知火「ここまで無理しかしてないですよ、司令」
提督「せっかくだ、不知火に脚本はお願いしよう」
不知火「嫌です、何かあるような艦娘を相手に責任取れません」
提督「そう固いことを言うなよ、責任なんて大それたこと背負わなくていい」
提督「それに、不知火にはオオトリで脚本を任せたいからな」
提督「それの予行演習だと思ってくれ、提督命令ということで、な」
不知火「無責任な命令もあったものです、仕方ないですね」
提督「さすが秘書艦、それで、どういったことがしたい」
不知火「どうせするなら、今までにない攻め方をしたいですね」
提督「そこは全て、不知火のしたいようにすればいい」
不知火「…せっかくの一任です、司令を満足させるようなものにしましょう」
不知火「では司令、時雨と、夕立にご連絡お願いします」
提督「時雨と夕立か、素敵なパーティーが見えそうだな」
不知火「不知火は私用部屋でいます、途中で夕立に司令の悩みをお伝えしますので」
不知火「司令はどうぞご自由に、目を輝かせて死んでください」
提督「目を輝かせて俺を殺すのはお前だろう、わかった」
不知火「対象が対象なので、まずいと思ったらすぐ行きます」
不知火「後、絶対に不知火が計画したと伝えるのは止めてくださいね」
提督「もちろんだ、期待しておくぞ、修羅場大好き不知火さんよ」
不知火「ほう、面白いことを司令は仰られますね」
提督「如月と睦月の時、怯えてたのも本当なんだろうけど」
提督「楽しくて仕方ないと言った表情、隠せてなかったからな」
不知火「不知火に何か、落ち度でも?」
提督「いいや、何も、さあ、頑張ろう、悪趣味秘書艦」
不知火「黙って死んでくださいね、悪趣味司令」
夕立「あっ、不知火、お久しぶりっぽい」
不知火「昨日資料を渡した時に会ったばかりですよ、夕立」
夕立「そうだったっぽい、資料、さらっと昨日読んだよ」
不知火「どうでしたか、第一線に立った方の印象としては」
夕立「うん、敵の主力部隊は事前の報告と一緒だったっぽい」
夕立「編成も、作戦も、持ちうる能力を全て出したものだと言えるっぽい」
不知火「それでも、結果がああなってしまったのは」
夕立「提督さんの、みんなを沈ませないという意思、だよ」
不知火「…そう、ですか」
夕立「あたしも、みんなも、提督さんの味方っぽい」
不知火「ええ、もちろんです」
夕立「提督さんには辛い報告になるかもしれないけど」
夕立「これがあたしの役目だから、伝えてくるね」
不知火「前に進むためとはいえ、本当に聞きたくない報告でしょうね」
不知火「不知火も薄々分かってはいたんですが、なかなか言い出せずに、その」
不知火「損な役回りを押し付けて、本当にすいません」
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