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元スレ八幡「妖精を見るには」
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【ジャム】
原作開始の約30年前、南極大陸に突如として現れた巨大な霧の柱【超空間通路】を通じて出現、各国の観測基地へと襲い掛かった侵略性異星体。
漆黒かつ視覚的にぶれて見える大型の制空戦闘機、または攻撃機としての存在が確認されている。
開戦以来、長いこと航空戦力しか確認されておらず、推進機関の原理は不明だが航空力学に基いて飛行し、地球側の航空戦力と拮抗するか僅かに下回る程度の性能を有している。
基本的な武装は各種ミサイルに機銃、攻撃機や爆撃機タイプに至っては核弾頭を標準装備している事も。
ミサイルとキャリアーの区別が然程ないらしく、搭載ミサイルを撃ち尽くした後に本体が基地に突っ込んで核爆発を起こす、制空権を奪った後に艦船に特攻するなど、無茶苦茶な戦術を用いる事も多い。
搭乗員が確認された事はなく、破片も短時間で消滅する為に解析が全くと言って良い程に進んでいない。
襲撃された南極基地要員の『えらく混乱(JAM)しちまって』という通信から命名された。
フェアリィ星の其処彼処に潜んでおり、突如として何も無い地中からブースターで射出されたり、小規模な超空間通路から前触れ無く現れたりする。
数も無尽蔵ではないかというほど存在し、技術の進化速度も速い。
地球側の兵器が進化すると、歩調を合わせるかの様にジャム側の兵器も進歩する、というイタチごっこを30年に亘って繰り返している。
その本質は人類には捉えられず、地球側では機械知性体群にのみ正確に存在を感知する事が出来るという、概念からして人類には理解不可能な存在。
曰く『われは、われである』との事。
同時に、人類がジャムを知覚できない様に、ジャムもまた人類を知覚できなかった。
実はジャムによる地球侵攻は人類を標的としたものではなく、地球上に広がるコンピュータネットワークそのものが攻撃対象であった。
南極基地への攻撃も奇襲ではなく、事前に地球上の人工知能群に対し宣戦布告が為されていた可能性が高い。
挙句、人間を完全に無視してFAF機械知性体群に対し非戦協定の批准まで打診しており、完全に人間を無視していた。
しかし雪風とそのパイロット深井零中尉との接触と問答を経て、人類の存在とその危険性、互いの相容れない性質をおぼろげながら理解、FAF側の内通者を通じ、開戦30余年を経て遂に
『われはここに 人類に対して 宣戦布告する』
とのメッセージを放つに至った。
フェアリィという惑星を人工的に造り上げ、空間を思う様に操り、環境を一変させ、果ては現実の在り方まで変えてしまう等、神としか思えない程の力を持つ。
一方で融通が利く訳ではないのか、それ程の力を持ちつつも特殊戦とFAFの各部隊との正面戦闘では、多少の優劣の変化はあれど劣勢を強いられている様にも見える。
しかし毎度の如く数に物を言わせ、最終的にはFAFが防戦一方となってしまう。
天敵は特殊戦、特に雪風と深井零。
【ジャム:航空戦力】
格闘戦能力に優れたType-1、機動性を向上させた大型のType-2、一撃離脱型の大型タイプなど、数多くのタイプが確認されている。
それそのものが巡航核ミサイルとして機能する超大型戦闘爆撃機や、電子戦タイプなども存在。
FAF最強の機体、FFR-31MRスーパーシルフを性能まで丸ごとコピーしたグレイシルフや、FFR-41メイヴを模したと思われる機体などもある。
主翼に対気流を受けて浮力を得る航空機である事は確かなのだが、推進機関については良く解っていない。
同じタイプでもサイズがまちまちだったり、推進機関の形状や数が個体ごとに一致していなかったりと、機械的構造かどうかすら怪しい。
しかし性能はFAFのそれに匹敵か僅かに下、分野によっては凌駕してさえいる。
【ジャム:地上戦力】
通路を中心に円周線上に複数の巨大基地があり、他にも無数のレーダーサイトや小規模な基地がある。
これらの基地は目視が非常に困難で、電子的に探知して叩くしか方法が無い。
苦労して叩き潰しても何時の間にか復活し、再び航空戦力の運用を始めるなど悪質極まりない。
大型の基地は通路を挟んで対角線上に位置する他の基地と連動しているらし、く双方を短期間の内に叩く事で壊滅させられるとの推測が立てられ、実行された。
これにより最大のジャム基地『リッチウォー』とペアである『クッキー』が壊滅。
基地内部の調査も画策されていたが、実行はされていない。
【ジャム:工作員】
ジャム人間とも、ジャミーズとも。
前線で行方不明となったFAF人員をコピーし、生前の記憶を保ったままジャムの意に従って行動する『実体のある亡霊』としてFAFに送り込む。
前線基地での破壊工作や、FAF六大基地でのロンバート大佐一派によるクーデターに加担。
特殊戦、FAFの内部崩壊を目論む。
原作開始の約30年前、南極大陸に突如として現れた巨大な霧の柱【超空間通路】を通じて出現、各国の観測基地へと襲い掛かった侵略性異星体。
漆黒かつ視覚的にぶれて見える大型の制空戦闘機、または攻撃機としての存在が確認されている。
開戦以来、長いこと航空戦力しか確認されておらず、推進機関の原理は不明だが航空力学に基いて飛行し、地球側の航空戦力と拮抗するか僅かに下回る程度の性能を有している。
基本的な武装は各種ミサイルに機銃、攻撃機や爆撃機タイプに至っては核弾頭を標準装備している事も。
ミサイルとキャリアーの区別が然程ないらしく、搭載ミサイルを撃ち尽くした後に本体が基地に突っ込んで核爆発を起こす、制空権を奪った後に艦船に特攻するなど、無茶苦茶な戦術を用いる事も多い。
搭乗員が確認された事はなく、破片も短時間で消滅する為に解析が全くと言って良い程に進んでいない。
襲撃された南極基地要員の『えらく混乱(JAM)しちまって』という通信から命名された。
フェアリィ星の其処彼処に潜んでおり、突如として何も無い地中からブースターで射出されたり、小規模な超空間通路から前触れ無く現れたりする。
数も無尽蔵ではないかというほど存在し、技術の進化速度も速い。
地球側の兵器が進化すると、歩調を合わせるかの様にジャム側の兵器も進歩する、というイタチごっこを30年に亘って繰り返している。
その本質は人類には捉えられず、地球側では機械知性体群にのみ正確に存在を感知する事が出来るという、概念からして人類には理解不可能な存在。
曰く『われは、われである』との事。
同時に、人類がジャムを知覚できない様に、ジャムもまた人類を知覚できなかった。
実はジャムによる地球侵攻は人類を標的としたものではなく、地球上に広がるコンピュータネットワークそのものが攻撃対象であった。
南極基地への攻撃も奇襲ではなく、事前に地球上の人工知能群に対し宣戦布告が為されていた可能性が高い。
挙句、人間を完全に無視してFAF機械知性体群に対し非戦協定の批准まで打診しており、完全に人間を無視していた。
しかし雪風とそのパイロット深井零中尉との接触と問答を経て、人類の存在とその危険性、互いの相容れない性質をおぼろげながら理解、FAF側の内通者を通じ、開戦30余年を経て遂に
『われはここに 人類に対して 宣戦布告する』
とのメッセージを放つに至った。
フェアリィという惑星を人工的に造り上げ、空間を思う様に操り、環境を一変させ、果ては現実の在り方まで変えてしまう等、神としか思えない程の力を持つ。
一方で融通が利く訳ではないのか、それ程の力を持ちつつも特殊戦とFAFの各部隊との正面戦闘では、多少の優劣の変化はあれど劣勢を強いられている様にも見える。
しかし毎度の如く数に物を言わせ、最終的にはFAFが防戦一方となってしまう。
天敵は特殊戦、特に雪風と深井零。
【ジャム:航空戦力】
格闘戦能力に優れたType-1、機動性を向上させた大型のType-2、一撃離脱型の大型タイプなど、数多くのタイプが確認されている。
それそのものが巡航核ミサイルとして機能する超大型戦闘爆撃機や、電子戦タイプなども存在。
FAF最強の機体、FFR-31MRスーパーシルフを性能まで丸ごとコピーしたグレイシルフや、FFR-41メイヴを模したと思われる機体などもある。
主翼に対気流を受けて浮力を得る航空機である事は確かなのだが、推進機関については良く解っていない。
同じタイプでもサイズがまちまちだったり、推進機関の形状や数が個体ごとに一致していなかったりと、機械的構造かどうかすら怪しい。
しかし性能はFAFのそれに匹敵か僅かに下、分野によっては凌駕してさえいる。
【ジャム:地上戦力】
通路を中心に円周線上に複数の巨大基地があり、他にも無数のレーダーサイトや小規模な基地がある。
これらの基地は目視が非常に困難で、電子的に探知して叩くしか方法が無い。
苦労して叩き潰しても何時の間にか復活し、再び航空戦力の運用を始めるなど悪質極まりない。
大型の基地は通路を挟んで対角線上に位置する他の基地と連動しているらし、く双方を短期間の内に叩く事で壊滅させられるとの推測が立てられ、実行された。
これにより最大のジャム基地『リッチウォー』とペアである『クッキー』が壊滅。
基地内部の調査も画策されていたが、実行はされていない。
【ジャム:工作員】
ジャム人間とも、ジャミーズとも。
前線で行方不明となったFAF人員をコピーし、生前の記憶を保ったままジャムの意に従って行動する『実体のある亡霊』としてFAFに送り込む。
前線基地での破壊工作や、FAF六大基地でのロンバート大佐一派によるクーデターに加担。
特殊戦、FAFの内部崩壊を目論む。
【フェアリィ空軍】
略称FAF。
約30年前のジャム侵攻を受け、国連(実質的に特定の大国)が主体となって地球防衛機構が設立された。
激戦の末に地球上からジャムを駆逐し、その勢力を通路の向こうへと押し返す事に成功。
しかし逆侵攻を掛けた通路の先にフェアリィ星が発見されると、宇宙天体条約を盾に各国が大国による通路の独占管理に反対。
地球防衛機構は国連から独立し、独自の航空宇宙戦力を有する超国家組織フェアリィ空軍として再編された。
航空戦力限定ではあるが、間違いなく地球上のどの国家をも凌駕する最強の軍事勢力。
核弾頭すら保有し、運用する航空機の性能は地球各国のそれとは数世代分の格差があると目される。
というのも、30年に亘るジャムとの技術進化のイタチごっこ、ネジの飛んだシステム軍団と機械知性体群の開発能力により、バケモノなみの戦闘機や兵器が次々に開発される為である。
未だ実現の目途が立たないものでも、時空反転爆弾や重力子ガンなどが大真面目に開発されている始末(提案者のコンピュータ群は大真面目)。
レーザー機関砲や無人機は既に実戦配備されており、複数のバンシー級原子力空中空母を運用するなど常軌を逸した戦力を有する。
ロンバート大佐とシステム軍団により、初の地上戦力となるBAX-4(重機関砲を搭載したパワードスーツ、OVA版では8輪式双輪空挺戦車)が開発配備されたが、これらはジャムではなくFAF自身に対して使用される事となってしまった。
ジャムの戦略変化により、バンシーⅢ及びⅣを喪失、トロル基地の人員全滅、情報攪乱による同士討ち、ジャムによる総攻撃、再教育部隊(ジャミーズ)とロンバート大佐によるクーデター勃発など、大規模な被害を受ける。
元々は地球防衛という崇高な使命を帯びた超エリートの集団だったが、長引く消耗戦により貴重な人員が底なしに消耗する事を嫌った各国は、次第に犯罪者や精神疾患者などの社会不適合者を送り込む様になっていった。
要は全地球規模の掃き溜め。
所属人員は全て軍属としての扱いとなり、軍人はもちろんのこと文官や技官、市街地で商業に従事する者、地球からフェアリイに出向しているサラリーマンや果ては娼婦にまで階級が与えられている。
最下級は少尉。
【特殊戦】
正式名称『戦術空軍団・フェアリイ基地戦術戦闘航空団 特殊戦第5飛行戦隊』
その任務は著しい進化速度を誇るジャム兵器群に対し優位を確保すべく、戦場におけるあらゆる情報を収集、手段を問わず生還し情報を持ち返る事。
その為にFAF最強の機体と最高の武装、他の追随を許さないAIを搭載し、最高の技量を誇るパイロットとフライトオフィサが配属されている。
しかし彼等が友軍を救援する事は基本的になく、それが可能な場面であっても基本的には見殺しにする。
所属人員もそれを当然の事とする事が出来る非人間的な者ばかりであり、協調性やら共感性といったものが欠如している心理傾向の者ばかり。
必ず生還するその運用体制から、他戦隊から皮肉と憎悪混じりに、獲物に当たる事もなく戻る『ブーメラン戦隊』と呼ばれており、実際に部隊のエンブレムにはブーメランが描かれている。
略称FAF。
約30年前のジャム侵攻を受け、国連(実質的に特定の大国)が主体となって地球防衛機構が設立された。
激戦の末に地球上からジャムを駆逐し、その勢力を通路の向こうへと押し返す事に成功。
しかし逆侵攻を掛けた通路の先にフェアリィ星が発見されると、宇宙天体条約を盾に各国が大国による通路の独占管理に反対。
地球防衛機構は国連から独立し、独自の航空宇宙戦力を有する超国家組織フェアリィ空軍として再編された。
航空戦力限定ではあるが、間違いなく地球上のどの国家をも凌駕する最強の軍事勢力。
核弾頭すら保有し、運用する航空機の性能は地球各国のそれとは数世代分の格差があると目される。
というのも、30年に亘るジャムとの技術進化のイタチごっこ、ネジの飛んだシステム軍団と機械知性体群の開発能力により、バケモノなみの戦闘機や兵器が次々に開発される為である。
未だ実現の目途が立たないものでも、時空反転爆弾や重力子ガンなどが大真面目に開発されている始末(提案者のコンピュータ群は大真面目)。
レーザー機関砲や無人機は既に実戦配備されており、複数のバンシー級原子力空中空母を運用するなど常軌を逸した戦力を有する。
ロンバート大佐とシステム軍団により、初の地上戦力となるBAX-4(重機関砲を搭載したパワードスーツ、OVA版では8輪式双輪空挺戦車)が開発配備されたが、これらはジャムではなくFAF自身に対して使用される事となってしまった。
ジャムの戦略変化により、バンシーⅢ及びⅣを喪失、トロル基地の人員全滅、情報攪乱による同士討ち、ジャムによる総攻撃、再教育部隊(ジャミーズ)とロンバート大佐によるクーデター勃発など、大規模な被害を受ける。
元々は地球防衛という崇高な使命を帯びた超エリートの集団だったが、長引く消耗戦により貴重な人員が底なしに消耗する事を嫌った各国は、次第に犯罪者や精神疾患者などの社会不適合者を送り込む様になっていった。
要は全地球規模の掃き溜め。
所属人員は全て軍属としての扱いとなり、軍人はもちろんのこと文官や技官、市街地で商業に従事する者、地球からフェアリイに出向しているサラリーマンや果ては娼婦にまで階級が与えられている。
最下級は少尉。
【特殊戦】
正式名称『戦術空軍団・フェアリイ基地戦術戦闘航空団 特殊戦第5飛行戦隊』
その任務は著しい進化速度を誇るジャム兵器群に対し優位を確保すべく、戦場におけるあらゆる情報を収集、手段を問わず生還し情報を持ち返る事。
その為にFAF最強の機体と最高の武装、他の追随を許さないAIを搭載し、最高の技量を誇るパイロットとフライトオフィサが配属されている。
しかし彼等が友軍を救援する事は基本的になく、それが可能な場面であっても基本的には見殺しにする。
所属人員もそれを当然の事とする事が出来る非人間的な者ばかりであり、協調性やら共感性といったものが欠如している心理傾向の者ばかり。
必ず生還するその運用体制から、他戦隊から皮肉と憎悪混じりに、獲物に当たる事もなく戻る『ブーメラン戦隊』と呼ばれており、実際に部隊のエンブレムにはブーメランが描かれている。
【戦闘知性体群】
FAFに存在するコンピュータ群の事。
『ジャムに勝て』という、創造主である人間が組み込んだアイデンティティに基き行動する。
経験を積む事でコンピュータ間にも階級付けがなされており、ジャムに勝つ為に組織そのものを
【SSC】
特殊戦戦略コンピュータの略。
『敵は自分自身の存在を脅かすもの全て。特殊戦とFAFの人間も自分を護る事に繋がるから一緒に護るよ。そのほかの人間を護るかは対象によって異なるかな。情報軍団とそのボス? イラネ』
【STC】
特殊戦戦術コンピュータの略。
『敵はジャム。特殊戦と其処の人間は必要だけど、FAFは目障りだからぶっ潰しちゃえ。その他の人間? シラネ』
FAFに存在するコンピュータ群の事。
『ジャムに勝て』という、創造主である人間が組み込んだアイデンティティに基き行動する。
経験を積む事でコンピュータ間にも階級付けがなされており、ジャムに勝つ為に組織そのものを
【SSC】
特殊戦戦略コンピュータの略。
『敵は自分自身の存在を脅かすもの全て。特殊戦とFAFの人間も自分を護る事に繋がるから一緒に護るよ。そのほかの人間を護るかは対象によって異なるかな。情報軍団とそのボス? イラネ』
【STC】
特殊戦戦術コンピュータの略。
『敵はジャム。特殊戦と其処の人間は必要だけど、FAFは目障りだからぶっ潰しちゃえ。その他の人間? シラネ』
ミス、再投稿。
【戦闘知性体群】
FAFに存在するコンピュータ群の事。
『ジャムに勝て』という、創造主である人間が組み込んだアイデンティティに基き行動する。
経験を積む事でコンピュータ間にも階級付けがなされており、ジャムに勝つ為に組織そのものを変質させている。
ヒエラルキーが組み変わる中で人間は最下位に置かれてしまったのだが、当の人間達はその事に長い間気付いていなかった。
対ジャム戦の足を引っ張る人間を纏めて排除しようと画策するコンピュータもあれば、良い様に利用してから使い捨てようと目論むコンピュータもある。
当然の事ながら感情など無いので、人間的な共感など意味が無い。
トロル基地のメインコンピュータなどは、ロンバート旗下の部隊と正規部隊の人間同士による交戦に混乱し、基地要員の全てを対ジャム戦におけるノイズと判断、遠隔操縦したBAX-4により閉所に追い詰めた挙句に大虐殺を引き起こし殲滅している。
他にも除雪師団の天田少尉、システム軍団のオドンネル大尉、特殊戦13番機サミア大尉などが、味方である筈のコンピュータにより非業の死を迎えている。
【SSC】
特殊戦戦略コンピュータの略。
『敵は自分自身の存在を脅かすもの全て。特殊戦とFAFの人間も自分を護る事に繋がるから一緒に護るよ。そのほかの人間を護るかは対象によって異なるかな。情報軍団とそのボス? イラネ』
【STC】
特殊戦戦術コンピュータの略。
『敵はジャム。特殊戦と其処の人間は必要だけど、FAFは目障りだからぶっ潰しちゃえ。その他の人間? シラネ』
【戦闘知性体群】
FAFに存在するコンピュータ群の事。
『ジャムに勝て』という、創造主である人間が組み込んだアイデンティティに基き行動する。
経験を積む事でコンピュータ間にも階級付けがなされており、ジャムに勝つ為に組織そのものを変質させている。
ヒエラルキーが組み変わる中で人間は最下位に置かれてしまったのだが、当の人間達はその事に長い間気付いていなかった。
対ジャム戦の足を引っ張る人間を纏めて排除しようと画策するコンピュータもあれば、良い様に利用してから使い捨てようと目論むコンピュータもある。
当然の事ながら感情など無いので、人間的な共感など意味が無い。
トロル基地のメインコンピュータなどは、ロンバート旗下の部隊と正規部隊の人間同士による交戦に混乱し、基地要員の全てを対ジャム戦におけるノイズと判断、遠隔操縦したBAX-4により閉所に追い詰めた挙句に大虐殺を引き起こし殲滅している。
他にも除雪師団の天田少尉、システム軍団のオドンネル大尉、特殊戦13番機サミア大尉などが、味方である筈のコンピュータにより非業の死を迎えている。
【SSC】
特殊戦戦略コンピュータの略。
『敵は自分自身の存在を脅かすもの全て。特殊戦とFAFの人間も自分を護る事に繋がるから一緒に護るよ。そのほかの人間を護るかは対象によって異なるかな。情報軍団とそのボス? イラネ』
【STC】
特殊戦戦術コンピュータの略。
『敵はジャム。特殊戦と其処の人間は必要だけど、FAFは目障りだからぶっ潰しちゃえ。その他の人間? シラネ』
【MAcProⅡ】
メンタル的な負荷要素が実行動に及ぼす影響を数値的に弾き出し、入力者が設定したシチュエーションに於いてターゲットがどのような行動を取り、どの様な心理状態になるかをシミュレートする、心理解析用ツール。
非情に優秀な解析エンジンなのだが、本領を発揮するには地球のネットワーク上に存在するデータベース『マークBB』に接続する必要がある。
つまり地球と隔絶されたFAFでは本来のパフォーマンスを発揮できないのだが、フォス大尉による運用により特殊戦隊員専用の心理解析ツールとして進化。
人間に止まらず雪風を始めとする戦闘知性体や、果てはジャムまで解析対象とする万能分析ツールに変貌。
しかし、比企谷 八幡に対しては有効な結果を残せなかった。
【深井 零】
FAF大尉、日本国出身。
特殊戦1番機、B-1『雪風』パイロット。
戦闘妖精・雪風シリーズの主人公。
他人に関心を持たない特殊戦隊員の中でも特に冷淡な人格だった。
しかし冷血という訳ではなく、多くの人間との出会いと別れ、雪風との確執と決別、関係の再構築を経て人間として成長。
本質的なところは変わらないが、リーダーとしての素質を有する人材へと急成長する。
地球への一時帰還によりジャムとの戦いを継続する意思を固め、新たなフライトオフィサと共に雪風に乗り込み戦略偵察行動に臨む。
FAF入隊の理由は、地球で博物館に展示されていた蒸気機関車を『非効率な機械であり我慢できない』として爆破しようとした、ストレスから職場に放火した、独自アーキテクチャのマシンを組み上げCPU処理時間の外部開放義務を忌避した等の罪による逮捕。
【ジェイムズ・ブッカー】
FAF少佐、イギリス出身。
特殊戦の戦隊指揮官にして、事実上の副司令。
イギリス空軍在籍時、やってもいない殺人事件の罪を被り、軍法会議で抗弁もせずに有罪判決を受ける。
当時の経歴は、八幡の自己犠牲的なやり方と対人関係への絶望を凝縮したかの様なもの。
刑罰免除の代わりにFAFにやってきた。
元パイロットかつ電子工学のスペシャリスト、無神論者で哲学を崇拝するナイスミドル。
ブーメラン制作が趣味だが、過去にAI搭載の『完璧なブーメラン』を制作したところ『製作者の想定を超える完璧な角度と速度で』ブーメランが投擲位置に飛来、今に至るまで頬に残る大きな切り傷が刻まれた。
ジャムに真っ向から思想戦を挑む事が出来る程に強靭な精神と思索の持ち主。
ジャムとの戦争が人間のものではないと逸早く気付き絶望、戦いを人間のものとすべく奔走し、遂に『人間&コンピュータ vs ジャム』の形に落とし込む事に成功する。
【リディア・クーリィ】
FAF准将、アメリカ合衆国出身。
FAF入隊は自らの意思によるもので、肩書きは特殊戦副司令だが事実上の司令官。
一戦隊に過ぎない特殊戦を軍団レベルの実力集団に引き上げたスーパー婆さん。
【エディス・フォス】
FAF大尉、アメリカ合衆国出身。
特殊戦所属の軍医であり自らの研究テーマ【実戦下における『排他的傾向者』の精神構造】を追求する為に志願してフェアリィ星にやってきた。
当初は特殊戦のあり方に理解が及ばなかったが、特殊戦やジャムとのかかわりを通じて変化し、ジャムに対するプロファイリングを担当するようになった。
クーリィ准将とは遠縁に当たる。
【桂城 彰】
FAF少尉、日本国出身。
元情報軍団所属、ロンバート大佐の部下であり、嘗ての零に良く似た冷淡な人格だった。
しかしジャムとの邂逅を経て変容、個人的興味によりさらにジャムを探るべくロンバート大佐との接触を試みる。
現時点で最後の雪風フライトオフィサ。
【アンセル・ロンバート】
FAF大佐、イギリス出身。
FAF情報軍の代表者であり、桂城彰少尉を特殊戦に派遣した人物。
生まれた時から脳に微小な傷を持っており、その影響からか思考傾向が常人とかけ離れた方向に偏りがちで、他人と同じ事をするのを殊更に嫌う。
情報戦の見地からジャムに対する独自の戦略を練り、ジャムと同化する事を決意。
ジャミーズを集めた再教育部隊と旗下の情報軍団部隊を率い、腐敗したFAF上層部の一掃を含めた独自の作戦目標を達成すべくクーデターを引き起こした。
コンピュータとしか直接対話できない筈のジャムと自前の脳で交信し、独自に協定を結び、果てはジャムに代わり人類へと宣戦布告するなど、スペックが常人から掛け離れている。
自身の異常性を理解し、その上で自分の命すらチップとして状況を愉しむ異常者。
メンタル的な負荷要素が実行動に及ぼす影響を数値的に弾き出し、入力者が設定したシチュエーションに於いてターゲットがどのような行動を取り、どの様な心理状態になるかをシミュレートする、心理解析用ツール。
非情に優秀な解析エンジンなのだが、本領を発揮するには地球のネットワーク上に存在するデータベース『マークBB』に接続する必要がある。
つまり地球と隔絶されたFAFでは本来のパフォーマンスを発揮できないのだが、フォス大尉による運用により特殊戦隊員専用の心理解析ツールとして進化。
人間に止まらず雪風を始めとする戦闘知性体や、果てはジャムまで解析対象とする万能分析ツールに変貌。
しかし、比企谷 八幡に対しては有効な結果を残せなかった。
【深井 零】
FAF大尉、日本国出身。
特殊戦1番機、B-1『雪風』パイロット。
戦闘妖精・雪風シリーズの主人公。
他人に関心を持たない特殊戦隊員の中でも特に冷淡な人格だった。
しかし冷血という訳ではなく、多くの人間との出会いと別れ、雪風との確執と決別、関係の再構築を経て人間として成長。
本質的なところは変わらないが、リーダーとしての素質を有する人材へと急成長する。
地球への一時帰還によりジャムとの戦いを継続する意思を固め、新たなフライトオフィサと共に雪風に乗り込み戦略偵察行動に臨む。
FAF入隊の理由は、地球で博物館に展示されていた蒸気機関車を『非効率な機械であり我慢できない』として爆破しようとした、ストレスから職場に放火した、独自アーキテクチャのマシンを組み上げCPU処理時間の外部開放義務を忌避した等の罪による逮捕。
【ジェイムズ・ブッカー】
FAF少佐、イギリス出身。
特殊戦の戦隊指揮官にして、事実上の副司令。
イギリス空軍在籍時、やってもいない殺人事件の罪を被り、軍法会議で抗弁もせずに有罪判決を受ける。
当時の経歴は、八幡の自己犠牲的なやり方と対人関係への絶望を凝縮したかの様なもの。
刑罰免除の代わりにFAFにやってきた。
元パイロットかつ電子工学のスペシャリスト、無神論者で哲学を崇拝するナイスミドル。
ブーメラン制作が趣味だが、過去にAI搭載の『完璧なブーメラン』を制作したところ『製作者の想定を超える完璧な角度と速度で』ブーメランが投擲位置に飛来、今に至るまで頬に残る大きな切り傷が刻まれた。
ジャムに真っ向から思想戦を挑む事が出来る程に強靭な精神と思索の持ち主。
ジャムとの戦争が人間のものではないと逸早く気付き絶望、戦いを人間のものとすべく奔走し、遂に『人間&コンピュータ vs ジャム』の形に落とし込む事に成功する。
【リディア・クーリィ】
FAF准将、アメリカ合衆国出身。
FAF入隊は自らの意思によるもので、肩書きは特殊戦副司令だが事実上の司令官。
一戦隊に過ぎない特殊戦を軍団レベルの実力集団に引き上げたスーパー婆さん。
【エディス・フォス】
FAF大尉、アメリカ合衆国出身。
特殊戦所属の軍医であり自らの研究テーマ【実戦下における『排他的傾向者』の精神構造】を追求する為に志願してフェアリィ星にやってきた。
当初は特殊戦のあり方に理解が及ばなかったが、特殊戦やジャムとのかかわりを通じて変化し、ジャムに対するプロファイリングを担当するようになった。
クーリィ准将とは遠縁に当たる。
【桂城 彰】
FAF少尉、日本国出身。
元情報軍団所属、ロンバート大佐の部下であり、嘗ての零に良く似た冷淡な人格だった。
しかしジャムとの邂逅を経て変容、個人的興味によりさらにジャムを探るべくロンバート大佐との接触を試みる。
現時点で最後の雪風フライトオフィサ。
【アンセル・ロンバート】
FAF大佐、イギリス出身。
FAF情報軍の代表者であり、桂城彰少尉を特殊戦に派遣した人物。
生まれた時から脳に微小な傷を持っており、その影響からか思考傾向が常人とかけ離れた方向に偏りがちで、他人と同じ事をするのを殊更に嫌う。
情報戦の見地からジャムに対する独自の戦略を練り、ジャムと同化する事を決意。
ジャミーズを集めた再教育部隊と旗下の情報軍団部隊を率い、腐敗したFAF上層部の一掃を含めた独自の作戦目標を達成すべくクーデターを引き起こした。
コンピュータとしか直接対話できない筈のジャムと自前の脳で交信し、独自に協定を結び、果てはジャムに代わり人類へと宣戦布告するなど、スペックが常人から掛け離れている。
自身の異常性を理解し、その上で自分の命すらチップとして状況を愉しむ異常者。
【リン・ジャクスン】
世界的ジャーナリスト、アメリカ合衆国出身。
ジャムの脅威を記した著書『ジ・インベーダー』で一躍有名になるも、多くの人はその内容をフィクションであるかの様に受け止めている。
現在もジャムの脅威を世界に訴え続けているが、今では対ジャム戦争は殆どファンタジー扱いで、それ以外の著書で高い評価を受けている有様。
南極では日本海軍原子力空母『アドミラル56』甲板上でペンフレンドのブッカー少佐と邂逅し、ジャムの脅威と雪風を目の当たりにする。
その後、オーストラリアのシドニーで地球へと一時帰還した零と邂逅、地球とフェアリィ間のギャップに付いて共通の懸念を示す。
ジャムの脅威を正確に理解する人間として零にフェアリィ星へと勧誘されるが、まだ人間に絶望してはいないとこれを固辞。
彼女を地球人と呼ぶ零をフェアリィ星人と呼び、幸運を祈る言葉を互いに送って別れた。
後にロンバート大佐から手紙という形で、ジャムの人類に対する宣戦布告文書を受け取る。
【比企谷 八幡】
FAF大尉、日本国出身。
高校を中退(卒業扱い)後、FAFに志願。
教育装置での高速学習中にパイロットとしての高い適性を示し、前線部隊に配置される筈であった。
しかし、その経歴と心理傾向に目を付けたロンバート大佐が情報軍団への引き抜きを画策。
更に、感情に左右されない高いコミュニケーションスキルに目を付けたシステム軍団コンピュータが人事に介入し、最終的にシステム軍団へと配属される。
無人戦闘機『フリップナイト・システム』開発計画に参与し、開発責任者であるカール・グノー大佐の下で経験を積む。
しかしグノー大佐がフリップナイト試験中に戦死すると、新型戦術戦闘機『ファーンⅡ』の開発計画に参画。
テストパイロットであるヒュー・オドンネル大尉が乗員安全を無視した高G機動により死亡すると、誰もが敬遠する中で実戦テストのパイロットに志願。
前線基地TAB-06に異動し実戦でファーンⅡの性能確認を行うも、その多大な戦果から隊長が戦死した508th飛行戦隊の指揮を引き継ぐ。
各戦隊であぶれた『優秀でありながらコミュニケーションスキルの欠如により排斥されるパイロット及び後方要員』を次々に引き抜き、新生508th飛行戦隊として組織、これを統括。
結果的に508thはFAFでも3本指に入る精鋭部隊となり、ジャム大攻勢の最中でも1人の戦死者を出す事もなく、TAB-06とブラウニィ基地へのジャム攻撃隊を全滅させる大戦果を叩き出した。
その戦果と結成までの経緯、所属人員の心理傾向に目を付けたSSCとブッカー少佐に引き抜かれ、部隊ごと特殊戦に所属する事となる。
新たな乗機B-13『時雨』を与えられ、特殊戦機としてジャムに対する戦術偵察任務に就く。
世界的ジャーナリスト、アメリカ合衆国出身。
ジャムの脅威を記した著書『ジ・インベーダー』で一躍有名になるも、多くの人はその内容をフィクションであるかの様に受け止めている。
現在もジャムの脅威を世界に訴え続けているが、今では対ジャム戦争は殆どファンタジー扱いで、それ以外の著書で高い評価を受けている有様。
南極では日本海軍原子力空母『アドミラル56』甲板上でペンフレンドのブッカー少佐と邂逅し、ジャムの脅威と雪風を目の当たりにする。
その後、オーストラリアのシドニーで地球へと一時帰還した零と邂逅、地球とフェアリィ間のギャップに付いて共通の懸念を示す。
ジャムの脅威を正確に理解する人間として零にフェアリィ星へと勧誘されるが、まだ人間に絶望してはいないとこれを固辞。
彼女を地球人と呼ぶ零をフェアリィ星人と呼び、幸運を祈る言葉を互いに送って別れた。
後にロンバート大佐から手紙という形で、ジャムの人類に対する宣戦布告文書を受け取る。
【比企谷 八幡】
FAF大尉、日本国出身。
高校を中退(卒業扱い)後、FAFに志願。
教育装置での高速学習中にパイロットとしての高い適性を示し、前線部隊に配置される筈であった。
しかし、その経歴と心理傾向に目を付けたロンバート大佐が情報軍団への引き抜きを画策。
更に、感情に左右されない高いコミュニケーションスキルに目を付けたシステム軍団コンピュータが人事に介入し、最終的にシステム軍団へと配属される。
無人戦闘機『フリップナイト・システム』開発計画に参与し、開発責任者であるカール・グノー大佐の下で経験を積む。
しかしグノー大佐がフリップナイト試験中に戦死すると、新型戦術戦闘機『ファーンⅡ』の開発計画に参画。
テストパイロットであるヒュー・オドンネル大尉が乗員安全を無視した高G機動により死亡すると、誰もが敬遠する中で実戦テストのパイロットに志願。
前線基地TAB-06に異動し実戦でファーンⅡの性能確認を行うも、その多大な戦果から隊長が戦死した508th飛行戦隊の指揮を引き継ぐ。
各戦隊であぶれた『優秀でありながらコミュニケーションスキルの欠如により排斥されるパイロット及び後方要員』を次々に引き抜き、新生508th飛行戦隊として組織、これを統括。
結果的に508thはFAFでも3本指に入る精鋭部隊となり、ジャム大攻勢の最中でも1人の戦死者を出す事もなく、TAB-06とブラウニィ基地へのジャム攻撃隊を全滅させる大戦果を叩き出した。
その戦果と結成までの経緯、所属人員の心理傾向に目を付けたSSCとブッカー少佐に引き抜かれ、部隊ごと特殊戦に所属する事となる。
新たな乗機B-13『時雨』を与えられ、特殊戦機としてジャムに対する戦術偵察任務に就く。
>>57
低学歴かな?
低学歴かな?
ちょいと時間が遅いので、続きは明日に延期します
上の用語とか人物は、訳がわからなくなった時にでも参考にして頂けると幸いです
上の用語とか人物は、訳がわからなくなった時にでも参考にして頂けると幸いです
「地球へ?」
「はい。やはり私のMAcProⅡでは、比企谷大尉に対し適切なプロファクティングを行う事は不可能です。地球上のマークBBに接続し、再度判断を下す必要があります」
「それはつまり、彼が特殊戦の形態に当て嵌まらない人間である、と明確になったという事か?」
「特殊戦だけではありません。情報軍団としても決して適性があるとは言えない。寧ろ当初の配属先であるシステム軍団こそが、彼にとって最適であったでしょう。現状のプロファクティングでは、其処までしか判断できません」
「彼は我が戦隊の選抜基準を満たし、これまでの経歴から人格面でも問題は無いとSSC、STC共に判断している。何よりMAcProⅡを用いた当初のプロファクティングでは、特に問題は無かった筈だ」
「そのプロファクティングを実行したのはSSCです。私はジャムと雪風の件に掛かりきりで、其方にまで手が回らなかった」
「まあ、その件に関しては私と准将の不手際でもある。しかし君の言葉からすると、彼はプロファクティングでSSCを欺いてみせたとも取れるが」
「欺いたというよりはSSCが既知の人格傾向に囚われ、其処に比企谷大尉を強引に当て嵌めたというべきでしょう。大尉の経歴と行動だけを見るならば、特殊戦隊員と近似の人格を有していると判断してもおかしくはない」
「要はコンピュータのコミュニケーション不足……言うなれば人見知りか。『こいつは自分の良く知る人間達と同じ振る舞いをしているから、恐らくは同じタイプの人間だ』―――SSCはこう判断した、という事か」
「恐らくはそうでしょう。しかし人間は、コンピュータが考えているほど単純ではない。アウトプットが同じだからと言って、コードまで同じであるという確証はない」
「人間であれば容易に想像が付く事だ。いや、其処に思考が至らない、そもそも興味が無い人間も居るが。特殊戦がそうである様にだ」
「しかし、人のコードは常に変化し続けている。それを正確に読み解き結果を予測する事など、それこそジャムであっても不可能だわ」
「フォス大尉、エディス。君がジャム教に染まっているとは意外だったよ」
「例えです、少佐。どうやら私も此処で過ごす内に、だいぶコードを書き換えられているらしい。神という言葉を持ち出すよりも、ジャムと表現した方がしっくりくる」
「神という『言葉』か。普遍的かつ絶対的存在、という概念からは外れたのかな」
「信仰を捨てた訳ではありませんが、実際に力の片鱗を体感した身としては、やはりジャムという概念を当て嵌めた方がイメージし易いですね。かといって、何ら気後れする点はありませんが」
「そうだ、例えジャムが神の様な存在であろうと―――」
「人間にとってのジャムも同様、理解できない存在なのはお互い様、ですね」
「だが隊員についてはそうも言っていられない。我々は比企谷大尉の心理傾向を掴み、彼が増強される特殊戦の指揮官たり得るかを判断せねばならん。その為に必要だというのならば―――君の地球への帰還も、考慮せねばならん」
「認め難いと言いたげですね」
「地球に戻るならば、行き先はオーストラリアになる。恐らくはシドニーのFAF本部になるだろうが、防諜が完璧であるとは言えん」
「ネットワークに繋げれば、それだけで良いのです。態々地球側の本部にまで行く必要は―――」
「君は地球上の各国にとって、垂涎の的だ。強引に身柄を押さえるという事は考え難いが、搦め手など幾らでもある。最悪、マークBBにアクセスした時点で、これまでに蓄積されたデータとFAFの人員情報から、誰がどの部隊の中枢かを割り出される恐れもある」
「……加えて、既にネットワーク上に浸透したジャムによる工作も、ですか」
「そうだ。情報軍団からも無視できない報告が寄せられている。どうやら地球側で、此方を探ろうと動いている一団が居るらしい。行動の杜撰さと規模の小ささからして民間中心の動きだろうが、近い内に国家側から接触が持たれるだろう」
「別に珍しくもない事なのでは?」
「対象と、その手段が問題だ。件の連中が探ろうとしているのはFAFに在籍する、ある特定の個人についての情報なんだ。だがその対象たる人物は、我々にとってどうでも良いと無視できる様な存在ではない。その上、あまりにタイムリー過ぎる」
「……我々とはFAF全体ではなく、特殊戦の事を指しているのですか?」
「ああ」
「まさか……」
「そうだ。対象は比企谷大尉―――比企谷 八幡だ」
「随分と熱心なんだな、比企谷大尉」
「……深井大尉」
「時雨のレンズと睨み合いをしていても、それで向こうが意を酌んでくれる訳じゃないぜ」
「何か気に障る事でも? 私の作業が大尉の邪魔をしたとは思えませんが」
「敬語は止めろ、階級は同じだ」
「貴方の方が年上です」
「年功序列などFAFに存在するとでも?」
「……何の用だ」
「用という程のものじゃない。空いた時間は常に時雨の機上に居るみたいだからな、少し前の自分を思い出しただけだ」
「あんたは……いや、大尉。幾つか訊きたい事がある」
「なんだ」
「あんたは以前、雪風の手で強制射出された事があるとの報告を目にした。それはやはり、雪風が要求するパイロットとしての条件を満たせなかった為か」
「条件を満たさなかったというよりも、履き違えていたんだ。勝手な期待を押し付け、勝手に裏切られたと思い込み、愛想を尽かされて放り出された。補完できたか?」
「……ああ」
「……」
「もうひとつ良いか。あんたにとって集団とは何だ」
「全体としてのパフォーマンスを安定させる為に、個のパフォーマンスを殺す事を余儀なくされる形態だ。不合理極まりないが、人間として生きるならば必須なんだろう。俺は御免被るが」
「それは特殊戦でも同じか?」
「個を殺して振舞う事など、クーリィ准将もブッカー少佐も望んでいない。各々が個として最高のパフォーマンスを発揮した結果、組織にとって最大の益が齎されるのが特殊戦だ。そうなる様に選ばれた人間の集団だからな」
「508thが引き抜かれたのもそうだったのか」
「其処までは俺には解らない。少なくともSSCは、独力で特殊戦に近い形態の組織を造り上げた君の手腕と、冷徹な戦術眼を極めて高く評価した。君の心理傾向を分析し、ブーメラン戦士として最適な人間であると判断したんだろう」
「あんたはそう思っていないみたいだな」
「俺の個人的な見解などどうでも良いだろう。君自身がどう思っているかだ」
「……雪風の要求に、あんたは応えられていると思うか」
「あまりに要求を満たせないのなら、いずれ排除されるだろう。君も同じだ。制御権を奪われたとの事だが、時雨はそれを君に返したとの意思表示は今に至るまでしていない。様子見といったところだろう。
君が要求を満たせないのであれば、ジャムではなく時雨の手によって殺される事も有り得る。肝に銘じておくんだな」
「雪風があんたに望んだ事とは何だ」
「ジャムの狩り方を教える事、雪風にとって不可知の存在を感知する為の偵察ポッドとして行動する事、パフォーマンスを最大限に引き上げる為の優秀な部品となる事」
「それを受け入れたのか」
「俺は雪風に殺されても、それでジャムに勝てるのならば構わない。雪風もそうだろう。ジャムに勝つ為ならば俺は雪風を犠牲にする事も厭わないし、雪風も其処に疑問を挟みはしない。
的外れな判断で相互に否を叩き付ける事も有り得るが、それはそれでどちらかがジャムに対し誤った対処を取ったという事だから、自業自得だろう」
「……そうか」
「意外だな。否定的な反応が返ってくるものだと思っていたが」
「……最後の質問だ。時雨は俺に、雪風と同じ事を求めているのだと思うか」
「それこそ知った事か……と言いたいところだが、正直言うと俺にも良く解らん。ジャムに勝つ、という目的はFAFの戦闘機械知性体群に共通しているだろうが、個々の認識はやはり異なる。
時雨のパイロットは君であって、俺じゃない。俺ではなく、君からしか学べない事があるだろう。此処には1つとして同じ戦隊機は無い。それぞれに個性がある。搭乗員から学び取り、経験を独自に反芻して獲得した個性だ。
互いに不必要な干渉はしないが、ジャムに勝つ為に活発な情報交換を行っている。同時に互いを『偵察』してもいるんだ。特殊戦の人間と同じさ」
「俺の経験……508thか」
「今は第四飛行戦隊だ」
「解っているさ。何を学ばせたいかも、俺の中では明確に定まっている。だが、こいつがそれを良しとするかどうか。何を以って自らの力とするか、選択権はこいつにあるんだからな」
「なら飛んで学ばせろ。他にどんな方法がある」
「あるにはあるが、もう少し根回しが必要だ。だがそれよりも、時雨の側で俺を拒絶している感が否めない。例の一件以降だが」
「君はジャムを撃つ好機を前にして、引き金を引く事を躊躇った。時雨からすれば、理解できない事だったろう。いや、それ以前になぜ君が突如として攻撃を開始したのか、其処から理解が及んでいないに違いない」
「……それは、俺が交渉を拒絶したからで―――」
「その声は時雨には届いていないか、届いていても記録上には残っていない。仮に時雨には伝わっていないのだとしたら、君は順調に推移していた偵察活動を突如として放棄し、観察対象に向かって攻撃を開始した事になる。
ミッションの放棄だ。時雨が不信感を持ったとしても不思議ではない。だが、帰還後に君が書いたレポートはSTCも把握している。当然、時雨も内容を確認した事だろう。その上で今も君を拒絶しているかどうか、はっきりとは解らない」
「……仮に時雨が俺のレポートの内容を理解しているとして、ならばどういった理由で目に見える反応を返さない」
「それは時雨に対する擬人化が過ぎるんじゃないか。こいつらは戦闘知性体であって人間じゃない。間違いに気付いたからといって、謝罪の言葉を返してくるとでも?」
「目に見える形で伝えなければ重大な齟齬を齎す場合だってある。人間とコンピュータでは現実に対する認識が違うんだ。いや、そもそも共有できる現実なんてものがあるのかどうか。いずれにせよ、何らかの形で歩み寄りが必要だ。人間同士の様に、小手先の策を弄してどうにかなる相手じゃない。ジャムと同じだ」
「……驚いたな。其処まで踏み込んだ考察を持っているとは」
「意外か」
「ああ。其処まで至りながら、時雨が君を拒絶している理由が解らないという点にな」
「……」
「恐らく時雨は、君のレポートの内容を理解している。君の経歴とSSCの判断を元に、自己学習には最適の教師と踏んでいただろう。だが、土壇場の躊躇がその評価を揺るがした。ジャムを撃てる立場にありながら、その機会を取り逃がしたからだ。君にどんな葛藤があるのかは知らないが、時雨がそれを理解する事はないだろう」
「……レポートを読んだのか」
「本来の声の主に関する個人情報は書かれていなかったな。君と彼女との間、奉仕部とやらで何があったかは知らないし、興味もない。だが、それを理由として作戦行動に負の影響を齎されるのは御免だ」
【―――なるほど、伊達に特殊戦でトップエース張ってねえって訳か。随分と鋭い突っ込みじゃねーか】
「……!」
【何だよ? なに驚いてんだ、大尉】
「……随分と久し振りに聞いたよ、日本語なんて。少なくともフェアリィでは初めてだ」
【出身が日本なんだ、日本語喋ったっておかしくねーだろ】
「それが君の素か。覇気というものが感じられないな」
【そんなもの始めから―――ああ、やめだ、やめ】
「―――日本語とFAF語とで話すのがこんなに苦痛とはな。コンピュータと話してる方がまだマシだ。それで深井大尉、本当は別に訊きたい事があるんじゃないのか」
「……時雨が君に対する不信を抱く、その原因に心当たりがある。君の特殊戦への適性を判断したのはSSCだが、ブッカー少佐はその結果に現実とのギャップがあると睨んでいるんだ」
「ギャップとは?」
「君が本来、特殊戦の任務には向かない心理傾向を有しているのでは、という事だ」
「なら、フォス大尉にプロファクティングとやらを行って貰えば良いだろう。もっともSSCによるそれは疾うに済んでいるし、508thの構成員を見ればすぐに結果が出るだろうが」
「其処だよ。SSCが用いたMAcProⅡは、特殊戦の隊員用に特化したツールだ。他部隊の人間に応用できない事もないが、FAF外部の人間となると途端に信頼性が落ちる」
「外部ね。俺はFAFの人間と看做されていないのか」
「理由は君自身が良く解っているんじゃないか。君が特殊戦に適合できる人格を有していると判断されたのは事実だが、しかしそれでは508thを組織できた事に対する説明が付かない」
「似た様な連中を纏め上げただけだ。後は勝手に居心地の良いコミュニティを築き上げる」
「なら、良いんだがな」
「他に理由なんてないさ」
「……比企谷大尉。君は、何を恐れている。どんな理由でFAFに来たかは知らないし、知ろうとも思わないが、しかしその恐れをジャムとの戦いの最前線にまで持ち込むのは何故だ。ジャムがその知人を模倣したとして、本物でない事は判りきっているだろう」
「本物……『本物』か。なあ、大尉。『本物』って何だ」
「なに?」
「俺達が見ているジャムは『本物』なのか? それとも其処にジャムが居て欲しいという願望が生み出した、単なる幻なのか?」
「君はあれが幻だと言いたいのか? 確かめるのは簡単だ。向かってくるジャムに対して、引き金を引かなければ良い。そのジャムが本物かどうか、すぐに解るさ」
「その前に俺は時雨に殺されるだろうな。だが、ジャミーズにされてしまえばどうだ。その状態が本来の自分だと信じ込まされてしまえば、永久に本物には辿り着けない。本物の是非を問う意味すら無くなってしまう」
「……何が言いたい?」
「深井大尉。俺にとってあの声は、確かに特別なものだった。効果覿面だよ。俺はあれを聞いてからというもの、レティクルに捉えられたジャムが本物かどうか、確信が持てなくなっちまった」
「時雨の機上でよくもそんな事が言えるものだ。知ってるか、イジェクションシートは地上でも動作するんだぜ」
「俺が天井の染みになっていないところを見ると、まだ利用価値があると判断されたという事かな。まあ、俺は好き好んで死ぬつもりは無いし、こいつに叩き込んでおきたい事もある」
「ジャムの存在に確信を持てない、などと言い放っておいてそれか。君が時雨に何を教えるというんだ」
「戦い方だ、ジャムとの。雪風とも、他の戦隊機とも違った形。俺とこいつだけのやり方で、最大の打撃を与えられる様に」
「興味があるな」
「言ったろう、根回しが必要だと。だがそれ以前に、俺自身の問題を解決しなくては、時雨もこのやり方を受け入れられないだろう」
「問題?」
「俺の中に渦巻いている疑念を払拭したい。あの時、俺の前に現れたものがジャムであると、俺の知る『あいつ』ではなかったと確信したいんだ」
「此処は地球じゃない、フェアリィだ。そんなのは当然の事―――」
「そんな規模のでかい話じゃない。俺はただ、俺の知る嘗ての世界が、このフェアリィから隔絶された場所に存在しているジャムとは何ら関係の無い場所だと、其処が今も存在しているのだと信じたい」
「其処に例の知人が居る事もか」
「……」
「方法に当てはあるのか」
「気は進まないが、ブッカー少佐に掛け合おうと思っている。結局は情報軍団を頼る事になるだろうが」
「そんな事では君の不安は晴れないぞ、大尉。君の疑念を払拭したのなら、方法は1つだ」
「なに?」
「地球だよ。フェアリィを離れて、君の知る世界が、地球が本当に存在するのか、君自身の目で確かめるんだ」
今夜は此処まで
次回はまた元奉仕部視点です
エリート&ハイスペックボッチの集団、特殊戦の明日はどっちだ
次回はまた元奉仕部視点です
エリート&ハイスペックボッチの集団、特殊戦の明日はどっちだ
雪風かな?と思ったら雪風だった
フローズンアイならぬロッテンアイだな
フローズンアイならぬロッテンアイだな
「改めて自己紹介させて頂きます。日本海軍省、開発部の梶田です。以後、お見知りおきを」
「川崎 小町、旧姓は比企谷です。あの、それで兄の事で解った事があると……」
「はい。其方の雪ノ下さんと由比ヶ浜さんには既に説明させて頂きましたが、私どもの部署はFAF退役軍人に対する職業斡旋事業などを執り行っております。我々の方で今回、FAF側に比企谷 八幡氏の地球帰還に向けた動きがある事を掴みまして」
「兄が戻って来るんですか!?」
「小町さん」
「あ……済みません、取り乱しまして……」
「いえ、お気になさらず。お兄さんですが、我々が調査したところFAFでの階級は大尉。再来月で25歳ですから、FAFの中でもかなりの早さで昇進しておられる様です」
「大尉……比企谷くんが……」
「配属先ですが、此方も実に珍しい経歴となっておられます。パイロット適性は最高ランクのS2、入隊当初はシステム軍団に在籍。其処で新兵器の開発計画に参与していた模様です。しかし、新型機のテストパイロットを務め、実戦テストの為に前線へと移動した後、前線基地で一隊を任され飛行隊長となっております」
「隊長って、お兄ちゃんが!?」
「小町ちゃん!」
「驚かれるのも無理はありませんが、もう少しだけ御辛抱を。前線基地TAB-06で508th飛行戦隊の隊長となった彼は、其処で極めて優秀な戦果を上げています。彼が各方面から引き抜いた戦隊員もみな優れたパイロットで、508th飛行戦隊はFAF内でも3本指に入る精鋭部隊となっております」
「……その、俄には信じ難いのですが。あの比企谷くんが戦場に身を置いて……隊長にまで、なっているなんて」
「ヒッキーは……失礼しました。比企谷くんは戦闘機に乗って……ジャムの戦闘機と、戦っているんですよね? 本当に……彼が、本当に?」
「事実です。彼と指揮下の部隊は、先日のジャムによる大攻勢でもTAB-06と六大基地の1つへの攻撃を完全に阻止し、ジャムの攻撃部隊を全滅させています」
「うそ……」
「そして何より、今現在の彼の所属戦隊です。508thの戦果に目を付けた戦術戦闘航空団により、彼が特殊な部隊に配属された事が確認されています」
「特殊な部隊、ですか」
「特殊戦第五飛行戦隊。通称『特殊戦』或いは『ブーメラン戦隊』」
「特殊戦……!」
「おや、御存知でしたか」
「待って下さい! ヒッキーが特殊戦に……あんな部隊に所属しているんですか!? だってあそこは……!」
「結衣さん、落ち着いて!」
「あの、済みません。その、特殊戦って……?」
「簡単に言えば、戦場に於ける偵察任務を主体とする部隊です。絶対生還が義務付けられ、その為にFAFで最も強力な機体と武装、戦闘空域に於いて必要となるあらゆる措置を独自に実行できる権限が付与されている。
搭乗員はFAF全体の中でもトップエースに位置するパイロットと、特に情報処理能力に秀でたフライトオフィサで構成されていますが、この戦隊に配属されるには他にも特殊な条件が必要となる」
「何です?」
「他者への共感性の欠如。いわば周囲の人間に関心を抱かない孤立主義の人間である事です。先に述べた様に、特殊戦機は絶対生還が義務付けられている。その為に、戦闘空域に於いて交戦中の味方は、例え援護が可能な状況であっても見殺しが原則なのです」
「見殺しって……!?」
「特殊戦機であるスーパーシルフは、配備年数からすれば既に旧式でありながら、総合的には依然FAF最強の機体です。更に特殊戦パイロットの腕を加味すれば、戦闘への介入によって多くの味方を救う事が出来る。
しかしそれは同時に、収集した貴重な情報を要らぬ喪失の危機に晒す事にも繋がる。よって、情報を確実に後方へと持ち帰る為にも、彼等はジャムとの積極的な交戦を避け、友軍機が撃墜される様をも冷徹に記録し、そのまま基地へと帰還するのです。
その為、彼等は他戦隊の人間からは侮蔑を込めて『ブーメラン戦隊』と呼ばれています。獲物に当たる事もなく、投げられた地点まで必ず舞い戻って来る、役立たずのブーメランと」
「お兄ちゃんは誰かを見殺しになんてしない!」
「小町ちゃん! ……梶田さん、私も俄には信じられません。小町ちゃんの言う通り、彼は誰かを見殺しにできる様な人じゃありません。寧ろ、それができなかったからこそ、彼は総武高校を去ったんです」
「失礼ですが……梶田さん、その情報は何処まで信憑性のあるものなのでしょうか。FAFに関しては、広報以外に碌な情報源が無い。私は軍事や諜報には疎いですが、それでも『通路』を隔てた先の、超国家的組織の内実にまで此方の軍の力が及ぶとは思えません。
そもそも何故、軍が比企谷くんに此処まで関心を寄せるのですか。地球に戻って来る比企谷くんを、軍に引き抜こうとでも仰るのですか」
「有り体に言ってしまえば、そうなります。FAFを退役した者の殆どが、地球での就職難に苦しんでいる事実はご存知ですか?」
「いいえ」
「実際の理由がどうであれ、FAFからの帰還者は色眼鏡で見られる事が避けられません。犯罪歴があるか、或いは社会不適合者か。FAFに送られる者は、その双方が圧倒的多数を占めておりますので」
「……たとえ戻ってきても、比企谷君に居場所は無い。そう、仰るのですね」
「雪乃!?」
「はい。しかも彼は、地元であるこの千葉では悪名が轟いている。いえ、全国に散った嘗ての風評を知る方々の口から、更に広範囲へと悪評が広がっていてもおかしくはない。それは川崎さん、御結婚を機に姓を変えられた貴女が、一番よく御存知なのではありませんか」
「小町さん……」
「……確かに私は結婚に際して、両親から川崎姓となる事を勧められました。お兄ちゃんは間違った事なんかしていないと信じてはいても、今となっては比企谷の姓を持っていても良い事は無いと」
「そんな!」
「目に見える形での実害は無いし、両親の職場の同僚も含めて理解ある方々も居ます……でも、やっぱり比企谷 八幡の名に付いて回る悪意ある風評は、6年経った今でも消える事は無いんです。それが、どれだけ事実から歪められた内容だとしても」
「そして、これからも消える事は無いでしょう。そもそも事の発端が発端です、雪ノ下さん。総武高校から始まった一連の悪評は、雪ノ下議員……当時は県議でしたが、その政敵と雪ノ下建設の競合他社が組んで始まった、彼等の子息を利用した貴女への攻撃だった」
「ッ……はい、存じております」
「彼等もまた、個人的な怨恨から貴女への過激なネガティブキャンペーンを開始。その苛烈さは由比ヶ浜さん、親友である貴女をも巻き込む程だった」
「……ッ」
「無論、多くの御級友が貴女がたを守ろうと動いた事でしょう。しかし、人の口に戸は立てられない。他人の耳を愉しませるべく面白おかしく脚色されたそれは、他学年どころか卒業生、校外の第三者にまで広がる素振りを見せた。
雪ノ下議員とその奥方には珍しい事に、悪意ある広報戦で完全に後手に出てしまった……そう、雪ノ下 陽乃現社長でさえも」
「ゆきのん……」
「……ええ、そうです。両親も姉も、あの時は完全に手玉に取られてしまった。気付いた時には、もう手の施し様が無い程に」
「火を起こした側としては、そのまま雪ノ下議員と雪ノ下建設へのネガティブキャンペーンへと発展させたかったのでしょう。だが彼が、比企谷 八幡が動いた。彼のやり方は……いや、実に見事なものです。
ある火種から目を逸らしたい時には、より大きな火種を用意すれば良い。使い古されてはいるが極めて有効で、それでも実行するとなると覚悟が必要だ。しかし、彼は見事に実行してみせた。
燃え上がらんとする火種の側で、炎どころか爆発を起こして全てを呑み込んだ」
「止めて……」
「飽くまで比企谷 八幡個人としての暴走を装うべく、彼による攻撃の手は貴女がたにも及んだ。小町さん、御家族である貴女も、彼からの激しい攻撃に曝された筈だ」
「あれは私達を庇う為に……!」
「彼を良く知る者なら、そう気付くでしょう。しかし大多数の周囲は、本性を露にした異常者が一部の生徒とその家族を不当に攻撃し、更には親しくしていた者にまで牙を剥いたとしか受け止めていない。
その後に、攻撃を受けた一部の者に後ろ暗い面があったと明らかにはなっても、それが発覚する切っ掛けとなったのは異常者が起こした事件であると認識されている。
だが、その御蔭で貴女がたは、彼の関係者であった事による二次被害を免れた。周囲は彼からの非道かつ無情な攻撃を受けた貴女がたに同情し、敵意の全てを比企谷 八幡個人へと向けた」
「止めてってば……!」
「彼にはもう、居場所など無かった。死なば諸共とばかり、元凶となった一団により意図的に校外へと拡散された噂は、彼の未来を断ち切るには充分に過ぎるものだった」
「黙ってよ……!」
「そして、彼はFAFに目を付けた。地元どころか、この地球から隔絶された、異星の戦場。拭い難い悪名だけを置き去りにして、彼は―――」
「黙れッ!」
「結衣さん……」
「黙ってよ……! 皆して、何にも知らない癖に……! 何もかもヒッキーに押し付けて、自分達は知らんぷりして……!」
「結衣……」
「あたしだって……あたし達だってそう。何にもしなかった、何にもできなかった! ヒッキーが『また』あんなやり方であたしたちを救ってくれるのを、指を咥えて見てただけ!
ヒッキーを悪く言う人達なんて嫌い、顔も見たくない! でもあたしは……あたしが本当に嫌いなのは……!」
「結衣さん、落ち着いて!」
「何にもできないまま見てるだけ、そんな自分が一番大っ嫌い!」
「……」
「結衣さん……貴女も……」
「……知ってたよ、ゆきのん。ゆきのんだってあれからずっと、自分の事が嫌いで嫌いで仕方なかったんだよね。同じ部屋で暮らしてるんだもん、気付かない訳がないよ」
「……ええ、そうよ」
「雪乃さん?」
「偉そうな事ばかり言って、そのくせ肝心なところでは何もできない。何時だってそんな私を、私達を助けてくれたのは比企谷くんだった。自分を犠牲にして、そんな事は些細な問題とばかりに。
それが嫌で、認めたくなくて、彼を拒絶したりもした。彼のやり方を否定して、一度は決別しようとまでしたのよ……なのに!」
「ッ!」
「また……彼がまた同じ事をするのを、私は見ている事しかできなかった! 解っていたのに! 彼ならそうするって、真っ先に自分を犠牲にするって、解っていたのに! 私は……私は……!」
「雪乃さん……」
「御免なさい、小町さん……ごめんなさい……ごめんね……」
「ゆきのん……雪乃ぉ……」
「……え?」
「比企谷 八幡を。彼を地球に、この地に呼び戻したくはありませんか」
「なに……言って……居場所なんて、無いって……!」
「ええ、そうでしょう。通常ならば」
「……FAFに比企谷くんを地球に戻す動きがある。貴方はそう仰りましたね、梶田さん」
「はい」
「でも、貴方の今の口振りでは、彼が地球に戻る事は確定事項でないとも受け取れるわ」
「前例がありましてね」
「前例?」
「昨年の事です。我々はFAFを退役し、地球に帰還した我が国の人間を保護すべく接触しました。しかし彼は帰国を拒否し、我々の制止を振り切って『通路』の向こうへと舞い戻って行ったのです」
「どうして……」
「彼はこう言っていました。『国家などというものの為にジャムと戦ってきたのではない、そんな原始的なものに関わるつもりはない』と。更に彼は、FAFの実働部隊による護衛まで受けていた。彼の帰国を妨げる為に、FAFが相当の労力を割いていた事は明白です」
「何で、其処まで」
「要は、情報を持った人間を地球に戻したくないのです。FAFは既に半ば以上、地球側から独立した意思の下に動いている。元より超国家的組織ではありますが、今や超地球的組織となりつつあるのです。ジャムから地球を守ろうという創設当時の意思など、今となってはどれほど残されているものやら」
「でも、お兄ちゃんは! お兄ちゃんなら、そう簡単に誰かを切り捨てたりする訳ない!」
「……これは、少しばかり情勢に明るい者なら誰でも知り得ている事実ですが、FAF入隊時に適性を測る為に用いられる高速学習装置。各国の軍隊でも用いられている代物ですが、世界で初めて実用化したのはFAFなのです」
「それが何か?」
「他の軍事技術でもそうですが、FAFの技術力は地球側の最先端技術、その数世代先に位置すると言っても過言ではない。当然、学習装置に用いられている技術にもかなりの差があるでしょう」
「何が仰りたいのです」
「学習中の対象を洗脳する事など容易い、と申しているのです」
「洗脳……!?」
「現に、軍役を終え地球に帰還した人間の内、半数以上がフェアリィ星へと逆戻りしている。地球での生活に違和感を覚え、国状に拘らず自国社会を、それどころか地球規模で人間社会を敵視し、FAFへと再志願するのです。通常の精神状態であれば、全く理解できない事だ」
「FAFが入隊者に、地球側への敵意を植え付けている、という事ですか?」
「恐らくは。そもそも彼等が強調するジャムの脅威ですが、何処まで本当かも定かではありません。先日の大攻勢にしても、独立派と反対派の内輪揉めであった可能性すらある」
「それって、つまり……」
「内戦!?」
「というより、クーデターでしょうな。現に犠牲者の中に、将官クラスの名が多すぎる。軍団総司令は疎か、六大基地の最高司令官までもが戦死しているのです。それも不自然な事に、同じ航空機での移動中に」
「……何処かへ移送すると見せかけて、纏めて処分した?」
「ゆきのん、それは……」
「それが正解でしょう。こんな手間の掛かる事を、ジャムがする訳がない。そもそも航空戦力以外にジャムは確認されていないのだから、内部工作などやり様もない」
「……FAFが戦っているのは、ジャムではない? いえ、そもそもジャムなど居ない……?」
「居る事は居るのでしょう。あの霧の柱『通路』を造り上げる事など、如何なFAFでも不可能だ。しかしジャムが実存するからといって、人類にとって最も危険な存在がそれであるとは限らない」
「ジャムよりもFAFの方が余程危険である、そう言っている様にも聞こえますが」
「そう考えている人間は世界中に多い。我が国でもそうです」
「FAFは地球に対し明確な敵意を有していて、入隊者に対し洗脳を施し地球への帰還を思い止まる様に仕向けている。たとえ地球に帰還しても、洗脳の結果として帰還者自らの意思でFAFに戻ってしまう。要約するとこの様なところですか」
「可能性の話ですが、信憑性は高いかと。彼等の目的は―――」
「情報の漏洩を防ぐ事、ですね」
「正確には各種情報の漏洩を防ぎ、地球側軍事力に対する技術面、軍事面双方での優位を保つ事でしょう。当然、比企谷大尉は帰還妨害対象の筆頭となる筈です」
「……比企谷くんは新兵器開発部署の中枢に居た。しかも新型機のテストパイロットまで勤めているし、実戦でも大きな戦果を上げている。部隊運用のノウハウも持っている訳だし、何より特殊戦という名の通り特殊な部隊に在籍している。手放して地球に帰すには、FAFにとってあまりにリスクが大きいという事ですね」
「そうなります」
「でも! でも、お兄ちゃんが本当に帰還を拒むっていう確証は、まだ……!」
「先ほど例として挙げた帰還者ですが、彼もまた特殊戦の人間です。恐らくは比企谷大尉も、同様の反応を示す公算が大きい。少なくとも数名の護衛は着けられているでしょう」
「そんな……!」
「待って、待って下さい梶田さん。そもそも何故、FAFはヒッキー……比企谷くんを地球に戻そうとしているのですか? 本人の意思による帰還なのですか」
「不明ですが、恐らくは。先述の特殊戦隊員も、自らの意思で一時的に退役し地球に戻ってきた。しかし帰国を拒否し、FAFに戻ったのです」
「目的は不明だけれど、お兄ちゃんは自分の意思で地球に戻る可能性が高いという事ですか。そして何もしなければ、そのままFAFに戻ってしまうと」
「通常のFAF軍人ならば、一時帰省という事も有り得る。しかし、比企谷大尉は特殊戦の人間だ。一時的なものとはいえ、重要情報を握る人間の地球帰還をFAFは望まない。彼は来月で軍役期間が切れる。更改をする前に、一時退役という扱いで地球に戻るでしょう」
「其処で、FAFとの契約更改を思い止まらせる事が出来れば……」
「帰国後の彼の社会的地位は海軍省が保証します。FAFは帰還を思い止まらせる為に、二階級特進を打診するかもしれない。我々はそれ以上の待遇を彼に約束します」
「……やはり、彼を軍に引き入れるのですか」
「どんな悪評があろうと、現在の軍では実力と実績が全てです。無論、後ろ盾は在るに越した事はない。彼には国家による強力なバックアップが付く。誰にも文句は言わせないし、そもそも比企谷大尉ほどの実績があれば彼を貶めんとする者など、それこそ黙っていても官民問わず一掃されるでしょう」
「お兄ちゃんに……兄に何をさせるつもりなんですか」
「社会的に極めて高いポストが、彼を求めているのです。それこそ、複数の部署から」
「つまり?」
「海軍航空隊、国防省技術研究本部、空間制御技術研究所、その他多数……国防に関わるありとあらゆる部署が、比企谷 八幡という人物の獲得を熱望しているのです」
今夜は此処まで
次回、八幡地球帰還
ついでに用語追加
【日本海軍】
旧海上自衛隊および航空自衛隊の流れを汲む日本独自の正規軍。
フェアリィ戦争勃発後ほどなくして、自衛隊は『日本軍』に改名した。
原子力空母『アドミラル56』を旗艦とする空母戦闘群を保有し、完全国産ステルス戦闘機『F/A-27C』を艦上戦闘機として運用する。
嘗て旧雪風が地球大気圏内でのエンジンテストを目的に通路を潜った際、アドミラル56は国連軍の一部として通路防衛任務に就いていた。
その際に通路を潜ったジャムと相対したが、地球で1.2位を争う性能のF/A-27Cであってもジャムには太刀打ちできず、艦隊旗艦撃沈の一歩手前で雪風によって難を逃れた。
他国軍と同様FAFの事は好ましく思っておらず、帰還者した日本国籍保有者には軍が接触、情報源かつ即戦力として囲い込みを掛ける。
次回、八幡地球帰還
ついでに用語追加
【日本海軍】
旧海上自衛隊および航空自衛隊の流れを汲む日本独自の正規軍。
フェアリィ戦争勃発後ほどなくして、自衛隊は『日本軍』に改名した。
原子力空母『アドミラル56』を旗艦とする空母戦闘群を保有し、完全国産ステルス戦闘機『F/A-27C』を艦上戦闘機として運用する。
嘗て旧雪風が地球大気圏内でのエンジンテストを目的に通路を潜った際、アドミラル56は国連軍の一部として通路防衛任務に就いていた。
その際に通路を潜ったジャムと相対したが、地球で1.2位を争う性能のF/A-27Cであってもジャムには太刀打ちできず、艦隊旗艦撃沈の一歩手前で雪風によって難を逃れた。
他国軍と同様FAFの事は好ましく思っておらず、帰還者した日本国籍保有者には軍が接触、情報源かつ即戦力として囲い込みを掛ける。
乙、凄く面白い。
もし八幡が日本海軍に来たら・・・中佐・・・・・24歳で中佐とかトップエリートどころじゃねーよwwww
・・・・・ってかこの世界の八幡、一体何をやらかしたんだ?
もし八幡が日本海軍に来たら・・・中佐・・・・・24歳で中佐とかトップエリートどころじゃねーよwwww
・・・・・ってかこの世界の八幡、一体何をやらかしたんだ?
多忙につき投下が遅れてしまい、申し訳ありません
明日の22時頃に投下する予定なのでもう少しお待ちを
明日の22時頃に投下する予定なのでもう少しお待ちを
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