元スレ提督「俺の嫁艦をバカにすると言うのか?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 99 :
天龍「だから俺は時々遠征途中で寄り道してガキ共にアイス食わせたりしてガス抜きしてやってたんだ」
天龍「任務が早く終わった日はおもちゃ買ってやったりもしたな。自分達も特別に良い事が無いとやってられないだろ?」
提督「そうか。でも少し安心したよ。ブラックと言っても給料は支払われてたんだな」
天龍「はあ?んなもんあるわけねーだろ。1度ガキにだけでも小遣いやってくれって頼んだら」
天龍「遠征して遊んでる暇なんてないから必要無いって突っ撥ねやがったよ」
提督「じゃあアイスやおもちゃはどうやって手に入れたんだ?」
天龍「別に……街に出りゃ早く簡単に稼ぐ方法なんていくらでもあるさ」
102 = 99 :
天龍「それでも疲れが取れるわけじゃねえ。次第にみんな疲労の色が隠せなくなってきたさ」
提督「まてまて、遠征なら疲労度は大丈夫だろ?」
天龍「そりゃお前達の勝手な考えだろ。人間ってのは荷物持って何キロも歩いた時疲れないのか?」
天龍「ましてや海は敵だらけだ。偶発的な戦闘もあり得る」
提督「そんな話は知らないぞ」
天龍「お前ら提督は遠征に制限時間を設けやがるからな。何時間で帰って来いってよ」
103 = 99 :
提督「それは距離的に少し余裕を持たせているし十分可能な設定のはずだ」
天龍「なにが十分だ。どうせ目的地まで真っ直ぐ線引いて勘定したんだろ。その日の天候や波の高さは関係なくよ」
天龍「その線上にはヤバい海域だって存在する。でも迂回してりゃその十分可能な設定時間じゃ間にあわねぇ」
天龍「ならヤバいと分かってても突っ込むしかねぇだろ」
天龍「毎週月曜日は編成を少し変えてドラム缶積んだら東京急行だ。帰ってきた時弾薬が減ってるのは何故だ?遊んだからか?」
天龍「違う!俺たちは遠征途中でも戦ってんだよ!」
104 = 99 :
天龍「とは言えガチでやりあう訳じゃない。深海棲艦ってのは不思議な奴らでよ、テリトリーに入りさえしなけりゃ攻撃してこねーんだ」
天龍「だからヤバい海域に入った時だけ威嚇射撃しつつ一気にそのテリトリーを抜ける」
天龍「だから滅多な事がない限り被弾はしない」
提督「そうだったのか……」
天龍「それでも肉体的精神的な疲労は計り知れない。帰りも同じ道を通ると思ったら気が重かったさ」
天龍「威嚇射撃するには弾薬が必要だ。帰りの弾薬はあるかとか考えながらな」
天龍「気が付いたらあんなにいつもニコニコしてた睦月の顔から笑顔が消えてにゃしぃとか言わなくなっちまってたよ」
天龍「そしてあの日、如月がいなくなった日に睦月は完全に壊れちまったんだ」
105 = 99 :
天龍「俺の不注意だったんだ。比較的安全な海域だと油断して……しっかり目を光らせてりゃ守れたはずだ」
天龍「帰り道、最後尾にいた如月は疲れていたのかフラフラと陣形を崩して離れて行っちまった」
天龍「俺がその事に気がついた時、如月はもう深海棲艦のテリトリーに入っちまってた」
天龍「助けに行こうとしたが間に合わず、暴走して突っ込んでいく睦月を制止するのが精一杯だった。情けねぇ……」
天龍「他のガキも呆然として動かなくなっちまうし。もしあそこがヤバい海域だったら全滅してたかもしれねえ」
天龍「艦娘を1人失い、責任は全部俺が取るつもりで執務室へ向かった」
106 = 99 :
天龍「行きは6人、帰りは5人で執務室に入った俺たちをチラッと見て提督は言ったよ」
「ご苦労。引き続き東京急行の遠征に行け」
天龍「なんのお咎めも無し?いや違う、こいつは1人欠けた事にすら気付いていないんだ」
天龍「俺は拳を握りしめながらその日あった事を告げた。それでもあのクズは涼しい顔して」
「新しいのを用意しておく。ドラム缶も数に限りがある今後は気を付けてくれ」
天龍「それだけだ」
天龍「俺が握った拳を振り上げたその時、俺の傍からすごいスピードで走って行く睦月が見えた」
天龍「次の瞬間、睦月はテーブルにあった果物ナイフでそれを滅多刺しにしていたよ」
天龍「あの可愛い外見からは想像もできないような恐ろしい言葉を叫びながらな」
107 = 99 :
天龍「俺が睦月を止めた時にはもう虫の息だったがそいつはギリギリまだ生きていた」
天龍「血まみれの睦月をそこから引き離し、手に持っていたナイフを取り上げて俺はそのクズにトドメをさしてやった。心臓を一突きさ」
天龍「とにかく睦月をなだめて落ち着かせてから他の4人にどう説明するか考えると皐月が近づいて来て」
「ごめんよ睦月、全部背負わすような事をして、ボクが変わってあげれば良かった……」
天龍「それに続くようにみんな睦月の元に集まって血まみれの睦月を怖がる事なく泣きながら抱き合ってたよ」
天龍「姉妹が沈んだのにあの態度、たまたま睦月が最初に飛び出しただけでみんなギリギリだったんだろう」
108 = 99 :
天龍「俺は睦月達に今日あった事は忘れるように言った」
天龍「そいつを殺したのは俺だ。睦月も刺したがトドメをさしたのは俺だ」
天龍「なにも2人捕まる事はない。罪が半分になる訳でもねーしな。お前らもしっかり睦月を支えてやれ」
天龍「お前達は俺の分までこれからも海を守ってくれよ。次はきっと良い提督に巡り会えるからな」
天龍「で、俺は今ここにいるって訳だ」
睦月「うん……でもごめんね、天龍ちゃん」
天龍「気にすんなって……ああ!?なんでお前がココにいるんだよ!?」
109 = 99 :
睦月「えへへ……やっぱり付いてきちゃった」
天龍「付いてきちゃったじゃねーだろ!まさか余計な事言ってねぇだろうな!さっさと帰れ!」
睦月「ダメだよ。ほんとは睦月が悪いんだもん。ちゃんと罰は受けなきゃ」
天龍「罰って……ここに送られるって事はどういう事か分かってんのか!」
睦月「うん。睦月型のみんなにはちゃんとお別れ言ってきたよ」
天龍「ばか……お前……」
睦月「大丈夫だよ。1人じゃないから怖くないよ?天龍ちゃんが一緒なんだもん」
川内「よっぽど大切な仲間なんだね。諦めなよ、この子はもう何言っても帰らないよ」
天龍「はぁ……」
睦月「にゃははっ、元気出すがよいぞ♪最後まで一緒だにゃしぃ♪」
天龍「ガキが無理してんじゃねーよ。まったく」
ガシャンッ!
戦艦棲姫「話は聞かせてもらった」
110 = 99 :
次回、地球は滅亡しない
111 :
乙
ダイソン!?ダイソンじゃないか!!
112 :
乙
ダイソン出てきただけで笑える
113 :
ダイソンも危険だからなぁww
吸引力が通じない事があるし
114 :
大方ダイソンとして役に立たなかったから潜水棲鬼と揉めたんじゃないの?
115 :
嘘予告の可能性もあるしやっぱり地球滅亡しそう
116 :
これはスカウトフラグか?
117 :
??「ヒシモチ トラレタ ユルサナイ」
118 :
天ちゃんは街でどうやってお金稼いでたんでしょうね……
119 :
一体この収容所はどうなってるんですかね。
開けっ放しなのかな?
120 :
空想とはいえゲームと架空世界の間を埋める設定とかよく思いつくなあ
天龍の言ってる事がいちいちもっともだわ
俺もゲームしてた時は帰ってきたら直ぐにまた遠征させててわww
しかも同じ天龍型の二人と睦月型の子らをなww
121 :
乙
ゲームでは描写が省かれてるだけで誰も不幸じゃないしいなくなる子はいない、いいね?(おかしな目つき
122 :
次から次へと出てくるから牢内がどうなってるのかがわからん
ぎゅうぎゅう詰めなのか
123 :
描写省かれてるけど話し終わろうとしたらまた新しいやつが牢に入ってきたとかそんな感じじゃね?
ミュージカルみたいに唐突に歌いながら登場みたいな考えもありだけど
124 :
だんだん方向がわけわからなくなってきた
最初からだけど
125 :
読んでて面白いなら
細かい事はええんやで
126 :
俺最近始めたけど遠征も疲労関係あるんかなと思って
ローテで面子組んでたわ
関係ないのかいいこと聞いた
127 = 116 :
でもキラは消えるぞ。
128 :
天龍ちゃん・・・
129 :
>>126 いいからそのままローテーションでやってあげなさい
俺も帰投後すぐ遠征はもうやらんわ、他も育ててローテ組む
胸が痛い……
130 :
スレ汚しして申し訳ないし1の投下と思われたら悪いんだけど頼むから1が書きやすい様に黙ってて。
俺含めて外野が話す場所じゃないし1のss凄く面白くて楽しみだから頼むわ。
131 = 129 :
あのさぁ……
雑談を鬱陶しく思う気持ちも解るが、お前の「それ」、荒らしを招くだけだってなんでわっかんないかなあ?
しかも態々ageるとか。1の投下と思われたら悪いんですけど、じゃねえよ
悪いと分かってんならやるなや、阿呆か
132 :
(また基地外野バトルかよ)
133 :
コピペ荒らしだぞ
134 :
さて、燃料が投下されたわけだが・・
135 :
提督「戦艦棲姫?」
時雨「どうして深海棲艦がココに!?」
天龍「まずいぞ、ここに放り込まれる時に艤装は全部外されちまってる!」
戦艦棲姫「そう慌てるな。私はお前達と争いに来た訳ではない。出来れば力を行使せず穏便に済ませたいと思っている」
川内「その前に憲兵はどうしたのよ!」
戦艦棲姫「憲兵と言うのはそこにいた人間か?悪いが少し眠ってもらった。目覚めるかは分からんが」
58「こいつやっぱりやる気満々でち!」
136 = 135 :
戦艦棲姫「私はこの辺りから仲間の反応を感知して様子を見に来ただけだ」
川内「そんなのココにはいないわよ」
戦艦棲姫「いや、お前達の事だ」
天龍「ふざけんじゃねー!俺たち艦娘にとってお前らは敵だろ!」
戦艦棲姫「しかしお前達はその任も解かれて解体を待つだけの身。それにお前達には素質がある」
137 = 135 :
戦艦棲姫「お前達、艦娘でありながら相当人間を恨んでいるな?」
川内「だったらなんなのよ」
戦艦棲姫「では深海棲艦がどうやって生まれるかしっているか?」
川内「艦娘が轟沈して深海棲艦になるって話でしょ。本当かどうかしらないけど」
戦艦棲姫「轟沈しただけでは深海棲艦になるとは限らんさ。少なからず後悔や未練が無ければな」
戦艦棲姫「ただそんな程度ならイ級クラスだ。私の様な姫や鬼クラスになろうと思うならもっと大きな力」
戦艦棲姫「恨み、憎しみ、怒り……そう言う強い思いがある者にだけ力や言葉を話す知能も生み出す事ができる」
138 = 135 :
戦艦棲姫「お前達ならそれを十分満たしている筈だ。どうだ?このまま好き勝手使い捨てられて解体されるくらいなら、私達と一緒に人類に復習してやろうじゃないか」
戦艦棲姫「より強い力を得て、お前達を苦しめた提督に復習してやれ」
睦月「そんなのダメだよ!人間がどうこうの前に深海棲艦は悪者だもん!」
深海棲艦「何故私達は悪者なのだ?人間の敵だからか?なら私達から見れば人間こそ悪者なのだ」
深海棲艦「立場が変われば見方も変わる」
睦月「でも!如月ちゃんは……如月ちゃんは深海棲艦に沈められた……!」
139 = 129 :
燃料から間もなくまさかの本編投下
コピペとは知らなんだ……カッカしてごめん
140 = 135 :
深海棲艦「それはそちらがルールを守らなかったからだ。あの海域に足を踏み入れなければ」
睦月「そんなの言い訳だよ!少しコースを外れたくらいで……あんなの酷いよ……うぅっ」
深海棲艦「おかしな話だな。我々がそのラインを越えようものなら侵略だなんだと叫き、関係のない者まで攻撃し、どさくさに紛れてその付近の海域を奪おうとするのはどっちだ」
天龍「お前達が海を侵略しに来たなら撃退するのは当然だろうが!」
深海棲艦「なら私達も海を侵略しにきた艦娘を撃退したまでだ」
天龍「あいつは侵略する気なんてなかった。ちょっと疲れてフラついちまっただけだろ。まだガキだったんだぞ!」
深海棲艦「逆の立場でイ級がフラついて同じ事をしたらお前達は許すのか?攻撃する前に侵入した深海棲艦の話を聞くのか?」
天龍「イ級は話なんて出来ねーだろうが」
深海棲艦「それにガキだからどうと面白い事を言っていたな。うちの北方棲姫から遊び感覚で暴力をふるい何度も何度も物を奪い取る艦娘が」
141 = 135 :
天龍「あ、あれは……提督の指示だろ。それに俺はやってねぇよ。そんなひでぇ事」
戦艦棲姫「ならその提督はクズだな。子供からプレゼントや食べ物を奪い取れと命令するのだから」
戦艦棲姫「それだけじゃない。私達は皆が皆好戦的では無いからな」
戦艦棲姫「深海棲艦になる前に酷い仕打ちを受け、ただただ静かに暮らしたい。そう思っている連中も多い」
天龍「ならじっとしてろよ」
戦艦棲姫「ジッとしてるさ。それでもお前達は攻め込んでくる。戦う前にカエレと言っても帰らない」
戦艦棲姫「深海で暮らすために集めた資源を破壊、略奪にくる」
戦艦棲姫「海域を侵し、物資を奪い、遊び感覚で子供に暴力をふるい、目当ての物を持っていなければ罵声を浴びせる」
戦艦棲姫「大した正義じゃ無いか。反吐がでる」
天龍「……」
142 = 135 :
川内「そ、それでも!あんた達がいなけりゃそんな事も起きなかったでしょ!」
戦艦棲姫「存在そのものを否定するわけか。なら何故私達は生まれてしまった?」
川内「なによ、また艦娘が轟沈してどうこう言うつもり?それだってあんた達が沈めなきゃ良いだけの話じゃない」
戦艦棲姫「そうだ。私達は艦娘が轟沈して生まれる。つまりお前達が沈まない限り新たに生まれたりはしない」
戦艦棲姫「なら何故私は生まれた?」
川内「な、なに言ってるのよ」
戦艦棲姫「艦娘は何のために生まれた?」
川内「あんた達から海の平和を取り返すためよ!」
戦艦棲姫「それは違う。そんな物は後から取って付けた都合の良い話だ」
143 = 135 :
戦艦棲姫「お前達艦娘が生まれたのは大戦が終わって何十年も後だ」
戦艦棲姫「その頃、海には深海棲艦など存在していなかった」
川内「じゃあ何の為に……」
戦艦棲姫「海上パトロールや救急……海上保安が主な仕事だった筈だ」
戦艦棲姫「能力は全てにおいて船より優れ、小回りも利き電探での索敵、空母も艦載機で広く捜索できる」
川内「でも現に深海棲艦は目の前にいるじゃない。まさか波にでも飲まれたとでも言うの?それともサメにでも食べられた?」
戦艦棲姫「そんな間抜けな艦娘はいないだろう。それにその程度じゃ大した深海棲艦も生まれない。見つかったら消されて終わってただろうさ」
144 = 135 :
戦艦棲姫「最初に生まれた深海棲艦は強い恨みや憎しみを抱いて深海へ沈んでいった。姫になり得る程のな」
川内「だからどうして沈められたのよ!」
戦艦棲姫「沈んだんだよ。自分から海へ身を投げて」
川内「は、はあ?」
戦艦棲姫「余程辛い何かがあったんだろう。お前達が我慢できずに提督を殺した様に、その艦娘は耐えきれず自ら命を絶ったつもりだった」
戦艦棲姫「あの時、もしお前達と同じ様に提督を殺す勇気があったならすぐに解体されて深海棲艦なんてものは生まれていなかったかもしれないな」
戦艦棲姫「だがその艦娘は深海で目を覚ました。肌の色や見た目は変わっていたが生きていた」
戦艦棲姫「艦娘は海に沈んでも死ねない。その深海棲艦はしばらくしてそう気付いたらしい」
145 :
まぁ艦娘深海棲艦説だと卵が先か鶏が先かって話になるよな
ヴァンパイアの真祖とその他ってのも考えられるけど
146 = 135 :
戦艦棲姫「記憶は断片的にしかなかったが人類に対する憎悪だけは増幅しハッキリしていた」
戦艦棲姫「この時ようやくお前達と同じ気持ちになった訳だ。提督を殺したいと。だが1人で飛び出しても勝ち目は無い」
戦艦棲姫「幸い考える能力も備わっていた彼女はしばらく身を潜めた」
戦艦棲姫「数日後、同じ海域で海底に艦娘が沈んでいるのを発見した。損傷は無く自分と同じ境遇だったのだろう。そう思い住処にしていた場所へ連れて行った」
戦艦棲姫「艦娘は沈んでも死なない。未練があれば深海棲艦として生まれ変わる。その時はまだあくまで仮定の話だ」
戦艦棲姫「自分は海底に沈んでどれくらいの時間眠り深海棲艦になったのかも分からなかったからな」
戦艦棲姫「だがそれはあっという間に全て肯定された。その艦娘は空母棲姫として私と過ごし始めた」
147 = 129 :
深海棲艦の元艦娘説っていうより、艦娘が深海棲艦化説って方がやりやすいのはある
後者説は深海棲艦の"そもそもの始まり"には抵触せず、後からドンドン増える深海棲艦の理由付けにそのまま使えるからな
148 = 135 :
戦艦棲姫「それからもいろんな場所で同じ様な事が続き、気付けば大艦隊を組めるまで膨れ上がっていたさ」
提督「戦闘もないのに……当時の艦娘はメンタルが弱かった……?」
戦艦棲姫「当時の提督の質が悪過ぎたのだ。好きでも無い相手に毎晩毎晩無理やり……」
戦艦棲姫「今はそういう事が無い様、建造過程で皆が提督に好意を抱く様改良……いや、改悪されている様だがな」
提督「……」
戦艦棲姫「そして戦いは始まった。艦娘は深海棲艦を撃滅する為に、深海棲艦は艦娘を提督から解放し人類を滅ぼす為に」
戦艦棲姫「まあその為にも艦娘には一度轟沈してもらう必要はあったがな」
149 = 135 :
戦艦棲姫「とは言え好き好んで戦っている艦娘がいるのも事実だ。奴らは平和より殴り合う事を好むらしい」
戦艦棲姫「それに鎮守府での暮らしを悪く思わない艦娘もいた。提督に虐げられるのはいつも一部の艦娘だけだからな」
天龍「……」
戦艦棲姫「だから私達はいつもすぐに艦娘を轟沈させたりはしない。大破まで追い込み様子を見る」
戦艦棲姫「それでも進軍してくる様な無能が提督をしているならその艦娘を救済してやるだけだ」
戦艦棲姫「このやり方で私達はずっと戦ってきた。なのに酷いもんだろ?深海棲艦は増える一方だ」
戦艦棲姫「それもロクな知能を持たないイ級が多くてな。地上には余程無能な提督が多いらしい」
天龍「イ級クラスって事は大した恨みも無いって事だろ……」
戦艦棲姫「恨みが無いんじゃない。恨みを抱く暇も理解をする時間もなかったのだからな」
戦艦棲姫「生まれて間も無く随伴艦として戦場に駆り出され、そして沈んでいく。そんな駆逐艦……いや、お前の言い方で言えばガキ共か」
戦艦棲姫「弾除けに使われて訳も分からず沈んでいくガキ共にそんな人間を恨む時間があると思うのか?」
天龍「……」
150 = 135 :
戦艦棲姫「数年間争っているうちに、いつの間にか我々は住み分けをする様になっていた」
戦艦棲姫「人間を恨み生まれた私達なのにな。深海に仲間が増えていく内、そんな事がどうでも良くなっていったんだ」
戦艦棲姫「犠牲を重ねて人間に復讐して恨みを晴らすより、今いる仲間を大切にして静かに暮らそうと」
戦艦棲姫「もちろんうちにも好戦的な連中はいて反対する者もいたがな。まぁそれなりに大人しくしていたさ」
戦艦棲姫「この海域ラインを越えれば総攻撃する。だがそこに踏み込まなければ我々は攻撃しない」
戦艦棲姫「暗黙の了解みたいなものだが基本的に守られていた。まぁ遠征だかなんだか知らんがわざわざそこを突っ切るバカもいた様だが」
天龍「ぐぬぅ……」
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