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元スレ京太郎「偶然が重なって運命の人、それから」
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………
…
ピンポーン
憧「!!」
憧「……」
ガチャ
京太郎「よっ」
憧「ん…いらっしゃい」
京太郎「いやーよかったよかった」
憧「なに?」
京太郎「入れてもらえなかったらどうしようかなとか、ちょっと考えてた」
憧「バカっ、そんなこと…」
京太郎「はははっ、上がっても?」
憧「だからいいってば」
京太郎「そんじゃお邪魔しまっす」
…
京太郎「で、どうしたのよ?」
憧「うん……」
京太郎「……」
憧「……あの、」
京太郎「あ、ちょっと待った」
憧「え?」
京太郎「先に言っとくけど」
憧「……」
京太郎「俺は憧に対してやましいことは何一つしてないからな」
憧「っ!……わかってる」
京太郎「ならいいけど」
憧「うん…………、この前の土曜日って」
京太郎「土曜日?」
憧「その日、バイトだったのよね?」
京太郎「あぁ。あれ?言ったよな?」
憧「うん、聞いた。聞いたんだけど…」
京太郎「??」
憧「泉が……その日京太郎のこと見たんだって」
京太郎「へ?」
憧「女の人と一緒だったって」
京太郎「………は?」
憧「誰?」
京太郎「はぁぁあ!!?なんだよそれ!泉の勘違いとかじゃないのか!?」
憧「なんか…仲良さそうに歩いてたって…」
京太郎「いやいやいやっ!あの日は本当にバイトだったし、そもそもそれ以外……あっ」
憧「ぇ……」
京太郎「あー…なるほど、わかった」
憧「京太郎…?」
京太郎「たしかにあの日、女の人に歩いてたわ」
憧「えっ……」
京太郎「最後まで聞けって」
京太郎「バイトに行く途中、バイト先の先輩とたまたま会って。で、そのまま一緒に」
京太郎「その先輩が女の人。そこを見られてたんだな」
憧「…………ほんと?」
京太郎「ほんとだって」
憧「ほんとにほんと?」
京太郎「俺は憧に嘘はつかないよ」
憧「うん…そっかバイトの……」ホッ
京太郎「…………」
憧「よかった……」
京太郎「つまりあれか、泉から聞いて俺が浮気してるかもーとか思っちゃったわけね」
憧「うっ…それはその……」
京太郎「なぁ憧」
憧「な、なに?」
京太郎「ヤキモチやいてくれるのはいいとは言ったけどさ」
京太郎「信用されてないのは…流石にちょっと、悲しい」
憧「っ!!」
憧「違うの!信用してないわけじゃなくって!」
憧「京太郎はそんなことしないってわかってる……わかってるけど、どうしてもモヤモヤしちゃって不安で……」
憧「もう自分でもよくわかんなくなっちゃって…それで……」
憧「ごめんなさ…キャッ!?」
ダキシメッ
憧「きょ、京太郎!?」
京太郎「俺がこうするのは……するのも、したいって思うのも、お前だけだから」ギュッ
憧「っ!!」
京太郎「だから変な心配すんな」
憧「……ごめんね」
京太郎「もう謝んなくていいって」
憧「うん…ごめん」
京太郎「だから…」
憧「あ、ごめん………あっ」
京太郎「………ぷっ」
憧「……あは、あははっ」
京太郎「うん、やっぱり憧は笑ってる方がかわいいな」
憧「ふきゅ」
乙
ここまではいい
この先チカセンの出方次第でこじれたりしなければ
ここまではいい
この先チカセンの出方次第でこじれたりしなければ
…
憧「そういえば女の先輩がいるんだ」
京太郎「そりゃ女の人くらいいるよ」
憧「それはまぁそうだけど……仲良いの?その先輩と」
京太郎「仲良いっていうか、その人に仕事教わったからな」
憧「………どんな人?」
京太郎「2こ上で……ってなんだよ、すげー聞いてくんな」
憧「かわいい?」
京太郎「かわいいっていうよりは美人さんだな」
憧「ふーん……キレイな人なんだ」
京太郎「だから変な心配すんなってば」
憧「心配っていうか、知っときたいし」
京太郎「まっ俺、弟扱いされてるからな、その人に」
憧「弟?」
京太郎「おう、男扱いされてないってやつ」
憧「そうなんだ、そっか」
京太郎「…………」
京太郎(そういえば俺、部長にも弟扱いされてると思ってたな……)
憧「でもじゃあ、その先輩は男を見る目無いのね」
京太郎「へ?」
憧「だって京太郎はこんなにかっこよくて優しいのに」
京太郎(憧がこういうこと言ってくれるから勘違いしてんな、俺)
憧「京太郎?どしたの?」
京太郎「ん?いや、なんでもないなんでもない」
京太郎(俺がそんなモテるわけないっての)
…
憧「あっ……」
京太郎「うん?」
憧「安心して忘れてたけど……」
京太郎「なに?」
憧「あたし…和にひどいこと言っちゃったんだ……」
京太郎「ひどいこと?」
憧「その……他人のくせにーみたいな……」
京太郎「ッ!?お前なぁ……」
憧「ぅぅ……ごめん」
京太郎「俺に謝ってどうすんだ」
憧「そうだよね……」
京太郎「ラインでもなんでもいいから、ひと言謝っとけよ?あいつならそれで十分伝わる」
憧「…………」
京太郎「憧?」
憧「うん…わかった、わかってる」
京太郎「おし、じゃあそろそろ帰るわ」
憧「えっ!?帰るの?」
京太郎「帰るよ。今日はこの前とは違うからな。明日1限からだし」
憧「ぁ……そっか、そうだよね」
京太郎「それにやることもあるし…」
憧「やること?」
京太郎「俺だってできることなら泊まって、憧とあんなことやこんなことしたいんだけどさ」
憧「もう…スケベ」
京太郎「帰るって言われて残念がってたのは、そういうこと考えてたからじゃねーのー?」ニヤニヤ
憧「う、うっさい!帰るんなら早く帰んなさいよ!」
京太郎「はははっ。ま、そういうのはまた今度いっぱいしよう」
憧「…………、ぅん///」
◆
京太郎「さて……」
京太郎「もしもし?なんで電話したかわかってるよな?」
京太郎「なんで俺に聞く前に、憧に話しちゃうわけ?ねぇ?」
京太郎「なに?揉めさせたかったの?」
京太郎「さー飯だ飯だー」
憧「お腹空いたー」
京太郎「今日のレディースランチはなにかしら?」
憧「またぁ?」
京太郎「頼むよーお願いっ」
憧「はいはい」
京太郎「憧が頼みづらいやつは俺が頼んでやるからさ、特盛カツカレーとか」
憧「あんなの食べ切れないし。女子であんなの頼む人いるわけ?」
京太郎「いないことはないんじゃね?運動部の人とか」
憧「あー…たしかにシズがいたら喜んで頼んでそうだわ」
京太郎「シズ?」
憧「地元の幼なじみ」
京太郎「ふーん」
憧「麻雀部だったから、あのとき京太郎も会ってるよ。覚えてない?」
京太郎「んー……あ、あのちっこい子だっけ」
憧「あははっ、合ってる合ってる」
京太郎「そういえば昨日ちゃんと和に謝ったか?」
憧「あー…うん、一応ラインしたんだけど……」
京太郎「だけど?」
憧「あの子って文面だとすっごい素っ気ないじゃない?」
京太郎「たしかに、業務連絡みたいだもんな」
憧「だからほんとにもう気にしてないのか、実はまだ怒ってるのかわかんなくって……」
京太郎「大丈夫だって」
憧「だといいんだけど」
京太郎「俺が思うに、あいつがほんとに怒ってたらそもそも……っと噂をすればだな」
京太郎「おーい和ー」
………
…
京太郎「いやー昨日はなんか俺のことでご迷惑おかけしちゃったみたいで」
和「別に迷惑なんて。憧と二条さんが勝手に騒いでただけですし」
憧「誠に申し訳ございません」フカブカー
和「もういいですってば。私もちょっと言いすぎたところがありますし」
京太郎「な?」
憧「………そうだね」
和「??」
…
和「例の人は須賀くんのバイト先の先輩なんでしたっけ」
京太郎「そうそう」
和「そういえば須賀くんってどこでバイトしてるんですか?」
和「レストランでウェイターっていうのは聞いてますけど」
京太郎「大学の近くだよ」
和「憧は行ったことあるんですか?」
憧「あたしも無いのよねー…………ね、京太郎」
京太郎「ん?」
憧「京太郎のバイト先、行ってみたいんだけど……いい?」
京太郎「へ?別にいいけど?」
憧「ほんと!?」
京太郎「うん」
憧「じゃあ和、今度一緒に行こっ」
和「私もですか?」
憧「だって一人でファミレスとか行けないし」
京太郎「いや、たまにいるぞ?」
憧「あたしは無理なの」
和「私もちょっと興味ありますし、行きましょうか」
憧「それじゃいつ行ったらいい?」
京太郎「そうだなぁ……今日は俺入ってないし、あと金土日は忙しいから構ってやる暇ないぞ」
憧「明日はバイトよね?」
京太郎「そうだな、明日なら」
憧「じゃあ明日部活終わりに行こっか」
和「そうですね」
憧「それで…………明日は例の先輩もいる?」
京太郎「先輩?たしかいると思うけど」
憧「そっか…そっかそっか」
和「やっぱりそれが目的ですか」
憧「どんな人なのか見ておきたいだけだからっ!」
和「はいはい」
京太郎「はははっ、それでは明日お待ちしております」
泉「はぁ………」
泉「顔合わせづらいなぁ……」
泉「…………ふぅ、気合入れろ二条泉」
ガチャリ
泉「おはようございまーすっ」
憧「それでね、京太郎のってすっごい大っきくって」
和「たしかに。ちゃんと見たことはありませんけど、須賀くんのは大きそうですね」
憧「やっぱり背が高いと大きいのかな」
和「父も確か須賀くんと同じくらいの身長で、大きいですからね」
泉「何の話しとんねん!?」
和「え?」
憧「あ、諸悪の根源」
泉「はぁ!?」
和「悪の枢軸」
泉「それはなんかちゃうやろ!」
憧「あははっ」
泉「まったく……原村にまでボケられると手が回らんわ」
和「まぁ冗談はこれくらいにして」
憧「まったく、こっちはあんたのせいで一悶着あったんだからね」
和「憧も憧で問題があったと思いますけど」
憧「聞こえなーい」
泉「悪かったって。昨日京太郎にもむっちゃ怒られたし、はぁ……」
憧「へ?そうなの?」
泉「ガーって言われたわけちゃうけど、こうコンコンとお説教みたいな……」
和「須賀くんは怒ってもあんまりカッとなるタイプじゃないですからね」
泉「余計疲れたわ……」
憧「自業自得よ」
和「いやだから憧も…」
憧「きーこーえーなーいー」
泉「………あははっ」
和「ふふっ……そうだ、二条さんも一緒に行きませんか?」
泉「へ?どこに?」
和「須賀くんのバイト先です。例の人を見に」
憧「べ、別にそれが目的ってわけじゃ……」
和「もしかしたら二条さんの見た人は別人かもしれないじゃないですか。ちゃんと確かめてもらわないと」
憧「あ、あたしは京太郎のこと信じてるしっ!」
泉「それ今日?」
和「いえ、明日です。今日は須賀くんもその人もいないそうなので」
泉「あー………私はやめとくわ」
和「そうですか」
憧「なんか予定でもあるの?」
泉「いやーどんな顔して京太郎に会ったらええかわからんし」
憧「あー……」
泉「まだ怒ってるかも……」
憧「大じょう…」
和「大丈夫ですよ」
憧「っ……」
和「須賀くんはそういうことを引きずるタイプじゃありませんから」
泉「そうかなー」
憧「そ、そうよ。あたしの彼氏なんだから!」
泉「ははっ、いやそれどういう理屈やねん」
和「それじゃあ……」
泉「あーごめん、そうでなくても明日は別でちょっと約束あって」
和「そうですか」
泉「悪い、また誘って」
泉「ところで……」
和「はい?」
泉「私が来る前、何の話しとったん?」
和「来る前……?なんでしたっけ?」
憧「え?えーっと………あー!靴ッ!」
泉「クツぅ?」
和「そうですそうです。須賀くんの靴が大きいとかそんな話でした」
泉「靴…靴ね……」
憧「それがどうかしたの?」
泉「あ、いやなんでもない……なんでも」
憧・和「??」
乙
信用や信頼は時間積んでる分のどっちの方が未だ強いんやなあって
信用や信頼は時間積んでる分のどっちの方が未だ強いんやなあって
乙です
アコチャーこれ京太郎への信頼度でのどっちに負けてるの気にしてんのか
アコチャーこれ京太郎への信頼度でのどっちに負けてるの気にしてんのか
そりゃあヤる事ヤってる恋人の自分より信頼度高けりゃねえ
アコチャーの自己嫌悪がマッハですわ
アコチャーの自己嫌悪がマッハですわ
最近のトビラ絵の憧ちゃんがいい具合にカワイイのでやる気出てきました
帰り道
憧「…………」
和「?……」
憧「………」
和「………憧?」
憧「え…なに?」
和「どうしたんですか、ボーっとして」
憧「ん、ちょっと考えごと」
和「考えごと、ですか」
憧「うん…」
和「……聞かない方がいいですか?」
憧「…………和と京太郎ってさ、すごい分かり合ってるよね」
和「…………は?」
憧「付き合いが長いからって言ったらそれまでなんだけど」
憧「京太郎は普段から、なんていうのかな…和に全幅の信頼を置いてるし」
憧「今回だって和は全然京太郎のこと疑ってなかったじゃない?」
和「それはまぁ」
憧「あたしも…疑ってたわけじゃないけど、不安でしかたなくって」
和「………」
憧「あたしは彼女なのに…情けないなぁって。あはは…」
和「彼女だから不安になるんじゃないですか?」
憧「え…?」
和「私だってもし須賀くんと…というか誰かとお付き合いをしていて、今回のようなことがあれば不安になっていたと思いますし……」
和「昨日憧に言われたじゃないですか、『他人』って」
憧「ぁ…ごめんね、ほんと」
和「いいんです。考えてみればその通りですし」
和「私と須賀くんは他人だから、少し離れているからこそ見えるものってあるじゃないですか」
憧「そんなもんかな……」
和「そんなもんだと思います。だから憧も変に考え込むことないですよ」
憧「うん……ありがと」
憧「………」
憧「ねぇ和、あたしもひとつ聞いていい?」
和「なんですか?」
憧「和って何で京太郎のこと振ったの?」
和「っ!?」
憧「京太郎は相手にされなかったとか言ってたけど……ほんとはそんなことないでしょ?」
和「…………そうですね、相手にしなかったということは。ちゃんと悩みましたから」
憧「悩んだんだ」
和「好きだったとかじゃないですよ?ただ……付き合ったらきっと、いまの憧みたいにすごく大事にしてくれるんだろうなとか」
憧「なら…」
和「いろいろあったんですよ、あの頃は」
憧「……咲のこと?」
和「いえ………いろいろです」
憧「そっか……」
和「というかですよ、私が須賀くんのことを振ってあげたおかげで、いま憧と付き合ってるんですから」
和「むしろ感謝してもらいたいですね」
憧「その点につきましては言葉では言い表せられないほど感謝しております」
和「ふふっ」
憧「あははっ」
和「でも…そうですね、もし憧がいらなくなったら貰ってあげてもいいですよ?」
憧「ない、ない、ありません」
和「憧の方はそうでも須賀くんのほうが憧の性格に嫌気が差して……」
憧「」ズーン…
和「じょ、冗談ッ!冗談ですからね!?」
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