私的良スレ書庫
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元スレ咲「京ちゃんの日記?」久「あら、面白そうじゃない」
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>>102 から
ハギヨシ(…内心予想していた内容ではあるのですが、びっくりしましたね。あまり問い詰めるのは得策ではない、か)
ハギヨシ「そうなんですか…」
京太郎(流石にこんなこと言われても戸惑うだけかな)
京太郎「まぁ、夏休みって大きな区切りの一つじゃないですか。だからもう、いいかなって」
ハギヨシ「他の皆さんとはちゃんと相談しましたか?」
京太郎「そういえばしてないっすね…どっかで言うつもりではあったんすけど」
ハギヨシ「…………」
ハギヨシ(踏み込むのは難しい…彼もこの辺でやめておこう、という顔をしている)
ハギヨシ「おそらく皆さん反対されるでしょうが、納得できる理由があるのなら仕方ないでしょう」
京太郎「反対…してくれるんですかねぇ」
ハギヨシ「……? ああ、もうお昼の時間ですね。私はこれからお嬢様方のところへ戻りますが、京太郎さんはどうしますか?」
京太郎「んー、それって一緒に食べようってお誘いですか?」
ハギヨシ「はい。 よろしければ私から皆さんに掛け合っておきますが」
京太郎「…せっかくですけど、午後からでも部活に出たいんで遠慮しておきますね」
ハギヨシ「やめるつもりだったのでは?」
京太郎「一応、最後まではしっかりやっておきたいんで」
ハギヨシ「そうですか…。では、玄関まで送りますね。また何かあれば相談してください」
京太郎「ありがとうございます…!」
………
……
…
衣(今の男…麻雀、やめてしまうのか?)
ハギヨシ「―――盗み聞きとは、感心しませんね」
衣「むぅ…気付いていたのか」
ハギヨシ「………」
ハギヨシ(無関係な衣様にお願いするのもあれですが…)
ハギヨシ「―――衣様、もしまた彼が来るようでしたら一緒に相談に乗ってあげてはもらえませんか?」
衣「………うん、わかったっ」
ハギヨシ(それはきっと、真剣に麻雀をやっている方でないと意味がないでしょうから)
――――――――――――
――――――――
―――
〇〇月△△日
予選はあっさりと終わった。
圧倒的な勝利を周囲に見せつけ、あっという間に決勝まで駒を進めていった。
むしろ応援しているだけの俺の方が緊張してたんじゃないか?
途中、部長に言われて昼飯の席取りしてる時も気が気でなかった。
あと買い出しから戻るときにある光景に出くわした。
思いっきり負けたのか、もう麻雀やめる!と叫びながら走る女の子がいたのだ。
可哀想に、なんて他人事のように思ったけど、今改めてここに書いてみると…
明日は県大会決勝だそうだ。
相手は名門風越、前回大会の優勝者龍門渕に加え、謎の実力を持った鶴賀の三高だ。
俺は帰りの電車でずっと寝てたせいもあるが、家では緊張のせいで眠気が来ない。
しかたない、この後三校の牌譜でも見ておこう。少しでも役に立つために。
久「たしか、朝に少しだけ須賀くんが話してきたわね」
和「そんな事があったんですか?」
優希「鶴賀の牌譜なんてあんまし無かったはずだじぇ。つまり予選の中継テレビの録画を、帰って一から見直したってことに…」
咲「帰れたのは夜で、次の日集まったのって早朝だよね。京ちゃんあんまり寝てないんじゃ…」
まこ「………ふむ」
久(でも、可哀想だけど内容はあまり参考にならなかったから誰にも伝えなかったのよね)
〇〇月△△日
結果だけ書く。清澄高校が優勝した。
今日は応援と買い出しで疲れたからもう寝る。
過程はまだしも自分の所属する部が優勝してこの内容とか想像以上に闇が深い気がしてきた
〇〇月△△日
今日の部活は皆でプールに行った。部長の提案だが、素晴らしい!
まさか男女比1対5でプールに行けるなんて、中学時代の俺からしたら信じられないことだ。
大会が終わってすっきりしたのか、みんな伸び伸びとしていた。
特に和は自前のビーチボールを持ってくるなど、可愛らしい一面も見れた。
さて、改めて決勝の事を書こうと思う。
といっても皆凄かったとしか書けることは無いんだけど。
心配だった優希や咲の活躍は本当に心躍った。
俺もあんな風に打てたら良いのにな。
さっそく次の土日に個人戦がある。
英気も養ったし、正直不安だらけだけど頑張ろう!
まこ「おうおう、まるで決勝なんてどうでもいいかのようなはしゃぎ様じゃのぅ」
久「まったく須賀くんは…けど、喜んでもらえたならいいわ」
優希「犬は年中発情してるから仕方ないじぇ」
咲「でもほんと楽しかったよね!プール!」
和「…ええ、また『みんな』でいきたいですね」
次は自分の番って考えたらプレッシャーデカくて余裕持てないだろ
何で部室に日記なんて持って来てるんだろう
実は構ってちゃんなのかな京太郎
実は構ってちゃんなのかな京太郎
自分で騒いでも勝手に切れたと相手にされそうにないから、部への貢献を無視され続けた事ややった仕事を誰かに知って貰いたかったじゃね。
〇〇月△△日
今日から部活が平常運転に戻った。
次は俺も出るので、ダメ元で指導を部長にお願いしたらOKをもらえた。
部長の目標だった団体戦出場が決まり、少し余裕ができたのだろう。
もしろ、今まで負担をかけてごめんね、なんて言われたくらいだ。
その一言で報われた気分だ。モチベーションも上がり、今までより真剣に麻雀に向き合った。
それとは別に、買い出しを頼まれることも増えたんだけどな。
この頃から部長も俺の扱いがわかってきたのか、少し気安い感じになった。
久「…そういえばこの頃が一番須賀くんが燃えてた時期よね」
和「ええ。でも指導といっても付きっ切りではなく、ネット麻雀をしている彼に部長が空いた時間を使ってアドバイスする形でしたね」
まこ「咲や和みたいにうちの雀荘にぶち込むわけにもいかんしのぅ」
優希「ボコボコにされる未来しか見えないじょ」
咲「い、いくらなんでもそんなことないよ。…きっと」
まこ(咲、その言い方はうちの常連にも京太郎にも失礼だと思うのはわしだけか?)
久(でも、可哀想だけど内容はあまり参考にならなかったから誰にも伝えなかったのよね)
畜生ってレベルじゃないんだが
畜生ってレベルじゃないんだが
でも下手に伝えて参考ならんと京ちゃんの前で明言されるよりマシじゃね?
タコスや和なら言っちゃう可能性あるし。
タコスや和なら言っちゃう可能性あるし。
はっきり参考にならないと言って、大会が終わったらきちんと指導するとか言うべきだったと思う。
>>218
牌譜に個人の意見なんて入りようないんですが
牌譜に個人の意見なんて入りようないんですが
日記読んでいる面々の京ちゃんのこと凄くどうでもよさそうな感じが笑える反面悲しい
〇〇月△△日
指導は苛烈をきわめた。どうやら俺は基礎からしてダメダメらしい。
点数計算や切る牌の順番。相手の捨て牌を見ての待ちの予想。どれも下手くそだった。
今までで俺が覚えたと自信を持って言えるのは基本的なルールと役の名前と形、それぐらいだしな。
チラッと俺の打ち筋を見た和には、自分の牌しか見ていないから駄目なんですと言われた。
そんな俺を相手に部長も教えてて大変そうだった。
全国にへ行こうっていう先輩の貴重な時間を借りているんだ。
せめて個人戦を勝ち抜いて、安心させたい。無駄な時間ではなかったんだと。
久「え、そんなに厳しくした覚えはなかったんだけど」
まこ「…わしらに出来ることが当たり前にできるとは思わんほうがええっちゅーことじゃけぇ」
和「部長も、本当に麻雀をやったことの無い人に教えるのは初めてだったんでしょうから仕方ないですよ」
咲「わ、私も空いた時間とかに教えた方が良かったかなぁ」
優希「…咲ちゃんは教えるのが下手そうだしやめた方が良いと思うじょ?」
〇〇月△△日
大会が近づくにつれ、俺は打ちのめされていった。
小手先の技術や半端な知識ばかり、なんの役にも立たない。
何かを覚えたつもりになっては咲たちに挑み、負ける。
その牌が危険牌なのは捨て牌を見ればわかるでしょ?
そう言われても、打ってる時はいっぱいいっぱいでそんなこと考えてられないんだ。
明後日が本番だ。もう時間がない。
咲「………」
和(その努力が結果になるのには時間がかかりますからね…)
優希「そんなに気負わないでもっと楽に打てばいいのに」
久「あのねぇ、それが出来ないのが須賀くんなのよ」
まこ(…っちゅうより環境じゃ)
まぁダークホースで女子が優勝しちゃったからな
そりゃそれなりにプレッシャーはかかるやろ
そりゃそれなりにプレッシャーはかかるやろ
まこさん流石に伊達に雀荘勤めてないな
初心者に厳しすぎるよね、自分以外全員が全国出場できるレベルって
初心者に厳しすぎるよね、自分以外全員が全国出場できるレベルって
うん、とりあえずこいつらは京太郎がガチで初心者ということを頭におこうか
〇〇月△△日
大会当日。
個人戦は散々だった。1勝も出来ずに予選落ち。
清澄の名に顔に思いっきり泥を塗ってしまった。
それでも皆とても優しく慰めてくれた。また次がある、来年頑張りましょう、と。
嬉しかった。すごく嬉しかったんだが…
ただ気がかりだったのは、俺が負けた事を報告した時、誰一人として動揺が見られなかったんだ。
それって元から期待してなかったって事に…いや、よそう。
ちなみに当然のように皆は本戦へ進んだ。
〇〇月△△日
大会二日目。今日は気持ちを切り替え応援として会場へ行った。
でも、いつもと違ってみんな選手として出るから周りにいるのは知らない人達だけだ。
何かあっても、誰とも想いを共有できない。そう思うと少し寂しかったのを覚えている。
染谷先輩はそんな俺を見て勘違いしたのか、昨日のことは気にするなと言ってくれた。
微妙にズレてるんですが…
そう言われて改めて昨日のことを考えると、不思議と悔しさは湧いてこない事に気づいた。
みんなへの申し訳なさだけだったのだ。
そして、個人戦でも和と咲は全国への切符を手にしたのだった。
悔しさを感じずに申し訳なさを感じるのか
この時点で熱意が義務感とか責任感に刷り変わってるな
この時点で熱意が義務感とか責任感に刷り変わってるな
誰も関心を払わない環境で熱意で続ける事は出来ないって
むしろ義務感と責任感にすり替えたから続けられた
むしろ義務感と責任感にすり替えたから続けられた
〇〇月△△日
今日は部室で打ち上げをやった。
夏の大会までは一ヶ月以上時間があるから、少しくらい休んでも良いでしょ?とのことだ。
俺だけ何も成し遂げていないのに参加するのは心苦しかったが、
部長が須賀くんも私たちの仲間なんだから、と言ってくれたんだ。
打ち上げ中、優希なんかは思いっきりハメを外して、俺に異常に絡んできた。
少し鬱陶しいくらいのそれだが、実は内心悪くないと思っていた。
こいつの相手をしていると心が軽くなる。
頭を使わずに接することの出来る珍しい相手だからな。いや、それは咲も同じか?
部長は特に嬉しそうだった。
染谷先輩にそれを指摘され、照れ隠しで唐突に豆知識を披露したり…
やっていることはわけわかんなかったけど、すごく嬉しいんだなと一目でわかった。
和は慣れない事に戸惑っていたけど、咲と話しているうちに硬さも抜けていった。
最初は、大会まで休んでなんかいられません、とか言ってたのになぁ。
かく言う俺も今日はめいっぱい楽しんだ。日記がかつて無いほどに長いのがその証拠だ。
最後に写真をみんなで撮ったんだけど、今度は俺も入れてもらえた。
みんなが団体戦で優勝した時は、一人だけ撮る側だったからな。
今日は本当に良い一日だった。
まあでも1年の夏休みでやめるなら次の部活探すにはまだ大丈夫な時期だわな
ハンドボールに出戻っても良いな
中学でそこそこ良いとこまで行ってたんだし
中学でそこそこ良いとこまで行ってたんだし
麻雀部で鍛えた荷物運びと、雑用スキルを生かし、山岳部なんてどうだろう。
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