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元スレ提督「左遷(なが)されて」港湾棲姫「港町」
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~作戦海域~
提督「なに!?鬼級以上の上位個体を複数含む敵艦隊が、本土を急襲しているだと!?」
扶桑「はい!!しかも、この進行ルートは……」
山城「ほっぽ達のいる……港町……!!」
提督「なんということだ……」
提督「本土への連絡は……」
扶桑「駄目です、もう深海棲艦にジャミングを受ける海域です。この情報は、前線の一部艦隊のみに共有されるだけです」
山城「本土の人間が気付けるかは不明です……でもおそらく、気づいた時には手遅れに……」
提督「……」
提督「なに!?鬼級以上の上位個体を複数含む敵艦隊が、本土を急襲しているだと!?」
扶桑「はい!!しかも、この進行ルートは……」
山城「ほっぽ達のいる……港町……!!」
提督「なんということだ……」
提督「本土への連絡は……」
扶桑「駄目です、もう深海棲艦にジャミングを受ける海域です。この情報は、前線の一部艦隊のみに共有されるだけです」
山城「本土の人間が気付けるかは不明です……でもおそらく、気づいた時には手遅れに……」
提督「……」
扶桑「……どうするのですか、提督」
山城「……既に作戦は発令され、我々は戦闘海域を目前としています。もしここで引き返せば」
提督「……我々は敵前逃亡で銃殺、前線の味方は戦力が不足し作戦は失敗、援軍を信じて戦っている友軍は全滅しかねない上に、下手をすれば本土への逆撃も受けかねない」
提督「……」
扶桑「……」
山城「……」
***
ヲ級の帽子「……ッテ、状況でい」
ヲ級の帽子「町は完全に包囲されてる、かなりの大戦力をもつ一軍がこちらに向かっている」
ヲ級の帽子「しかも、さっきからなんらかのジャミング兵器で通信妨害までされてるとくらあ、かなり念入りってもんでい」
ヲ級「ド、ドウシヨウ……」
港湾「町ハ、包囲サレテル……無線ハツウジナイ……」
レ級「モシカシテ、ツンデル?町ノ皆ハ……」ガタガタ
ほっぽ「……」
***
扶桑「戻りましょう、提督」
山城「ほっぽ達を、見捨ててはいられませんよ」
提督「……」
提督「……いや」
提督「前に……進もう……」
扶桑「提督!?」
山城「ほっぽ達をみすてるの!?」
提督「違う!!!」
扶桑「……っ!」ビクッ
山城「……っ!」ビクッ
提督「これが、私個人の首一つで済む問題なら、幾らでも引き返す」
提督「だが、事ここに至っては、私の肩には既に多くの者の命が乗っている」
提督「それを投げ捨てる事だけは、してはならない」
提督「既に賽は投げられたんだ、私達はルビコン川を越えて、前に進むしかない」
扶桑「しかし……それではあの娘達が……」
山城「戦いを好まないあの娘達だけにするなんて……生き残れると思うの……?提督」
提督「……そうか、扶桑達は知らないんだったな」
扶桑「何をですか?」
提督「あの娘達の……特に、ほっぽの二面性だ」
扶桑「二面性……?」
提督「ああ、二面性だ」
***
ほっぽ「オチツケ!!」
ヲ級「!!」
港湾「!!」
レ級「!!」
***
提督「あの娘は人としてまだまだ未熟で子供だ」
提督「だが、それと同時に、時々恐ろしく冷徹な判断を下す事ができる」
***
ほっぽ「レ級!港湾!オマエ達ハ避難ノ誘導ヲシロ!!半鐘ヲタタイテ町ノ人ヲ防空壕ヘ誘導スルンダ!!」
レ級「リョ、了解!!」ビシィ!
港湾「ワカッタ!!」ビシィ!
ほっぽ「ヲ級!!オマエハ唯一航空機ノ発艦装置ヲモッテイル!!町ノ鎮守府ヘムカッテ事情ヲ説明シ、町ヲ防衛シロ!!方法ハマカセル!!」
ヲ級「了解!!」ビシィ!
***
提督「特にほっぽは元々北方海域の方面軍最高司令官だ」
提督「『立場が人を作る』というように、ほっぽは幼いながらにその重責の中で歪ながらに成長してきた」
***
ほっぽ「ホッポ達ニ出来ル事ハ限ラレテイル、出来ル事ヲ最大限ヤルンダ!!己ノナスベキ事ヲナセ!!」
皆『了解!!』
ヲ級「……ホッポハ」
ホッポ「ウン?」
ヲ級「……ホッポハドウスルノ?」
ホッポ「……ホッポハ一番身体能力ガ高イケド、艤装ナシジャ一番ヨワイ、ダカラ」
***
提督「己の責務をどう果たすのか、なにをなすべきか」
提督「あの娘はいざとなれば、己のなすべきことを成すことがきるんだ」
提督「あの娘達は強い。父親としては情けないかぎりだが、あの娘達の強さを信じるしかない」
***
ホッポ「単身、包囲網ヲツッキッテ、山向コウノ陸軍基地マデ、ハシリヌケル!!!!」
『ナッ!?』
***
提督(無事でいてくれよ……みんな…)ギリィッ!!
扶桑(握りしめた拳から血が……)
山城(提督……)
提督「急ぐぞ、既に作戦は動いているんだ。我々は、我々の成すべきことをなそう」
赤城「……っ!!索敵に敵大艦隊がかかりました!!このまま進行ルートを進めば会敵します!!」
提督「総員!!!戦闘準備!!!」
提督「我が国の興廃はこの一戦にあり!!総員よく奮闘し、敵を撃滅せよ!!」
提督「戦闘開始!!!!!」
「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」
~ほっぽ、町の外周~
ほっぽ(戦艦マデイルノカ、敵モ本気ダナ)ガサッ
ほっぽ(ヲ姉チャン、港湾姉チャン、レ級……)
ほっぽ(扶桑母サン、山城母サン……)
ほっぽ(オ父サン……)
ほっぽ(……)スゥーッ
ほっぽ「ヨシッ」キッ
ほっぽ「覚悟ハ、完了シタ!!」グッ
ほっぽ「皆!!ホッポ、絶対ヤリキッテミセルカラ!!!」ダッ!!
ほっぽ(戦艦マデイルノカ、敵モ本気ダナ)ガサッ
ほっぽ(ヲ姉チャン、港湾姉チャン、レ級……)
ほっぽ(扶桑母サン、山城母サン……)
ほっぽ(オ父サン……)
ほっぽ(……)スゥーッ
ほっぽ「ヨシッ」キッ
ほっぽ「覚悟ハ、完了シタ!!」グッ
ほっぽ「皆!!ホッポ、絶対ヤリキッテミセルカラ!!!」ダッ!!
タ級「敵ダ!!ウテェ!!」ジャキン
ドドドドドドン!!!!
ほっぽ(オシトオル!!!)
ほっぽ「ガァァァァァ!!!」バギッ!!ドガァッ!!ベギンッ!!ドチャッ!!
ほっぽ(イタイ!!デモ……)ペッ、ベチャッ
ほっぽ「コレクライデ、姫級ガクタバッテタマルカ!!!」キッ
ほっぽ(指揮官ハ……)ギロリ
タ級「クソッ!?総員次弾ソウテ……」
ほっぽ「オマエダッ!!」ダッ!!
タ級「ナッ」
ほっぽ「オ父サン直伝……」ググツ
ほっぽ「正拳突キ!!!」ブオン
タ級(轟沈)「ガヒュツ!?」
深海棲艦達「隊長!?」ザワザワ
ほっぽ(イマダ!!)ダッ!!
ル級「イカセルナ!!」
チ級「デモ隊長ガ!!」
リ級「トニカクウテ!?」
ほっぽ「オソイ!!サヨナラ!!」ダッ!!
ほっぽ(ハヤク、基地マデ!!)
~避難誘導組、レ級、港湾~
レ級「防空壕ニ避難シテ!!深海棲艦ガクルヨ!!」ガァン!ガァン!ガァン!ガァン!ガァン!ガァン!
港湾「レ級!!半鐘ハソレ位デイイ!!避難誘導ヲ!!」
レ級「ワカッタ!!」
港湾「足ノ不自由ナ人、老人、子供ヲ優先シテクダサイ!!」
レ級「防空壕ハコッチダヨ!!列ヲミダサズツイテキテ!!」
港湾(ホッポハ、ナスベキ事ヲナセトイッタ)
港湾(オソラク、町ハ戦場ニナル)
港湾(ソノ時ハ……)
~ヲ級、鎮守府~
先任「なに!?この港町に向けて敵の大艦隊が!?」
先任の艦娘A「はい!!住民を防空壕に避難させ、近隣陸軍の増援を呼びましょう!!」
先任「わかった!!」
先任の艦娘B「先任提督ー!!!大変です!!!」
先任「今度はどうした!?」
先任の艦娘B「町の周囲に隠れ潜んでいた深海棲艦が一斉に蜂起し、町からでる送電線を始めとした通信インフラを寸断されました!!」
先任の艦娘B「しかも、新型の電波ジャミング装置を持ってきているらしく、ネットや、無線機の類も使えません!! 完全に外部との連絡を絶たれました!!!」
先任「な……!?それでは、助けも呼べないし、住民を内陸へ避難させる事も出来ないぞ!?」
先任「なんということだ!!完全に、この町を滅ぼす事だけを考えた布陣ではないか!?一体何故!?」
先任「なに!?この港町に向けて敵の大艦隊が!?」
先任の艦娘A「はい!!住民を防空壕に避難させ、近隣陸軍の増援を呼びましょう!!」
先任「わかった!!」
先任の艦娘B「先任提督ー!!!大変です!!!」
先任「今度はどうした!?」
先任の艦娘B「町の周囲に隠れ潜んでいた深海棲艦が一斉に蜂起し、町からでる送電線を始めとした通信インフラを寸断されました!!」
先任の艦娘B「しかも、新型の電波ジャミング装置を持ってきているらしく、ネットや、無線機の類も使えません!! 完全に外部との連絡を絶たれました!!!」
先任「な……!?それでは、助けも呼べないし、住民を内陸へ避難させる事も出来ないぞ!?」
先任「なんということだ!!完全に、この町を滅ぼす事だけを考えた布陣ではないか!?一体何故!?」
ガチャン
ヲ級「深海棲艦ハ、アセッテイルノ」
先任「お前は!」
ヲ級「私達北方海域方面軍ガ、丸々人類ニ寝返ッタカラ、元々人類側ニカタムイテイタ天秤ガ大キク動イタノ」
ヲ級「ソノ差ヲ縮メヨウトイウ動キノ標的ニ、コノ町ガ、エラバレタ」
ヲ級「ソレガ、コノ戦イノ理由」
先任「……それで」
先任「貴様は、それを何故私達に伝えにきた」
先任「『深海棲艦の正規空母』である貴様が!!」
先任の艦娘A「!?」
先任の艦娘B「ヲ級ちゃんが……!?」
ヲ級「……今、私ガ何ヲイッテモ、貴方ノ疑念ヲ拭ウ事ハ出来ナイカラ、行動デ示ス」
ヲ級「……時間ガナイ、要点ダケツタエル」
ヲ級「今、レ級ト、港湾ガ、防空壕ニ人ヲ誘導シテル、ホッポハ、敵陣ヲツッキッテ陸軍基地ニタスケヲ呼ビニイッタ」
ヲ級「私ハ、敵ノ航空戦力ヲ、クイトメル」
ヲ級「私ハ貴方ニ命令スル事ハ出来ナイ」
ヲ級「ダカラ、『オネガイ』ニキタ」
先任「……」
ヲ級「私達ガ、時間ヲ稼グカラ、貴方ハ、貴方ノ、ナスベキ事ヲナシテホシイ」
先任「武装解除されてる貴様達がどうやってだ?」
ヲ級「私ノ武装ハ解除シタケド、発艦装置ハノコッテル」ゴソゴソ
ヲ級「コレ」ヒョイッ
ヲ級の帽子「……」
先任の艦娘A「それ、深海棲艦の……」
先任の艦娘B「本当にヲ級ちゃんって……」
ヲ級「……オ父サンガ、万が一ニソナエテノ御守リニッテ、艦娘ノ装備ヲコッソリ融通シテクレタノ(帽子装着)」
ヲ級「震電改トカイウノヲ」
先任「随分と……凄まじいお守りだな……」
***
~部屋の外~
先任の艦娘C「レ級ちゃん達が……深海棲艦……」
先任の艦娘D「武装もなくて、町の人のところに……」
先任の艦娘C「……ねえ、Dちゃん」
先任の艦娘D「……なに?」
先任の艦娘C「後で一緒にぶっ殺されるかもしれないけど、それでも手伝って欲しい事があるんだ」
先任の艦娘D「奇遇だね、私も同じこと思ってた」
先任の艦娘C「急ごう」ダッ
先任の艦娘D「うん」ダッ
***
ヲ級「ジャア、イクカラ」
先任「待て」
先任「貴様をいかせるとおもうか?」ジャキッ!
ヲ級「……」
先任「貴様が本当の事をいっておるのかすら、最早私には判断がつかん」
先任「だが、一つだけ確かなことは、ここで貴様を始末しておけば、少なくとも懸念の一つを消す事ができる」
ヲ級「……ソレデ、町ノ防空ガ総崩レニナッテモ?」
先任「わからん、私には、もう判断がつかん」
ヲ級の帽子「……」イライラ
先任「なら、手をつけやすいところから手を付けようと思うのだ」
先任の艦娘A「……」ジャキッ!
先任の艦娘B「……本当にやるのですか、先任」ジャキッ!
ヲ級「……」
先任「……総員う」
ヲ級の帽子「」ブチッ!!
ヲ級の帽子「身体かりっぞヲ級」
ヲ級「エッ?」
ヲ級?「……」スゥーッ
ヲ級?「喝!!!!!!!」ビリビリビリビリビリ
先任達「!?」ギョッ
ヲ級?「てやんでいべらぼうめい!!!黙って聞いてりゃベラベラと女の腐った様な愚にもつかねぇ口上述べやがって!!手前らそれでも帝国軍人かああん!?」
ヲ級?「手前らの役目は町の人間護るこったろうが!!!それがなんだ!?町護る為に立ち上がった嬢ちゃん一人によってたかって腹立ちを発散しようてっかぁ?」
ヲ級?「腑抜けるのも大概にしやがれ玉無し野郎どもが!!!!」ズカズカズカ
ヲ級?「歯ァ食いしばれやダボハゼ野郎!!」ブンッ!
バキィ!!
先任「……」ジンジン
ヲ級?「ちったぁ魂に気合入ったかよ玉無し」
先任「……そうだな」
ヲ級?「手前はそこで腑抜けてろ、後ろ玉(裏切り)やりかねねぇ奴がいるよりやりやすいってもんでい!!!」ビシィ!
ヲ級?「あー、すっきりした、ヲ級、身体かえすぞ」スッキリ
ヲ級?「……」スゥーッ
ヲ級「アレ?」キョロキョロ
先任達「……」
ヲ級「……?ヨクワカラナイケド、時間ガナイカラ、モウイクネ」
先任「一つきかせてくれ」
ヲ級「ナニ……?」
先任「深海棲艦の君が何故、人の為に戦うんだ……?」
ヲ級「変ナ事ヲキクノネ」
ヲ級「ミンナヲ護リタイ、ソウオモウノニ、理由ハイルノ?」
パタン
先任「……」
先任の艦娘A「先任……」
先任の艦娘B「どうするのですか……?」
先任「…………」
~埠頭~
敵艦載機<ブオオン!!
ヲ級「マルデ、雲霞ノ様ネ」
ヲ級「『艤装展開』」
ヲ級「ヲ父サンノ艦載機達、私ニチカラヲカシテ」
震電改<まっかせろい!!
ヲ級「サテ、ドレダケモツカナ……」
ヲ級の帽子「おいおい、始める前から弱気になってんじゃねえよヲ級」
ヲ級の帽子「そんなんじゃあ、手前に名前までくれてやった親父さんの名前が泣くんじゃねえかい?」ケラケラ
ヲ級「……ソウネ」
ヲ級「オ父サンニ、ハズカシイ真似ハ、見セラレナイモノネ」
ヲ級(皆、無事デイテネ)
~防空壕~
港湾「多分、スグニ敵ガクル」
港湾「覚悟ヲ、キメテオイテ、レ級」
レ級「……」
レ級「……ネェ」
港湾「ドウシタノ?」
レ級「港湾姉チャンハ、コワクナイノ……?」
レ級「町ノ人ニ、キラワレル事ヤ、怖ガラレル事ガ……」
駐在『深海棲艦め!!!!』
レ級「オレハ、怖イヨ……」ガタガタ
港湾「……」
港湾「ソウネ、私モ怖イワ」ポンッ
港湾「デモ、レ級ノ怖ガルモノヨリ、モット怖イモノガ、コノ世ニハアルカラ」ナデナデ
レ級「何、ソレ……」
港湾「ソレハ……」
深海棲艦がきたぞー!!!
港湾「ッ!」
レ級「ッ!!」ビクッ
駐在「クソッ!クソッ!!町の皆に近づくな!!」ドンッ!!ドンッ!!
イ級「ギィッ!?」バギッ!!
イ級「……」ゾロゾロ
イ級「……」ゾロゾロ
駐在(駄目だ!!数が違いすぎる!!)ドンッ!!ドンッ!!
駐在(また私は、護れないのか!?今度は、街のみんなさえ!!)ドンッ!!ドンッ!!
駐在「畜生!!畜生!!私にもっと力があったら!!お前らなんか!!お前らなんか!!」ドンッ!!ドンッ!!
イ級「……」ジャキッ!
駐在「畜生おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」
ドドドドドドン!!!
駐在「ッ!!」
バキンッ!!バキンッ!!バキンッ!!
駐在「……ッ!」
港湾「大丈夫」シューッ
駐在「……え?」
港湾「皆、絶対ニ死ナセナイカラ」
駐在「……あっ!?私の盾に!?おい!!なんて真似を……」
港湾「大丈夫ダカラ、コノ程度ジャ、私ハ殺セナイ」ムクッ
駐在「!?」
港湾「レ級、サッキノ続キダケド」
港湾「タシカニ、キラワレル事モ、怖ガラレル事モ、スゴクツライ」
港湾「コンナチカラ、ナイ方ガシアワセダトモ思ウ……デモ……」
レ級「……」
港湾「デモ、私ハ、自分ニチカラガアッテ良カッタト思ウ」
港湾「大切ナ人々ヲ襲ウ理不尽ヲ前二、己ノ無力ヲ嘆カナクテイイモノ」
港湾「タトエ、ソノ結果人々カラ疎マレ、後悔シタトシテモ」
港湾「助ケラレズニ後悔スルヨリ、キラワレテ後悔スル方ガイイカラ」
レ級「!!」
港湾「『艤装展開』」
カッ!!
港湾「戦闘形態……!」
村人「一本角に鋭い鉤爪……」
駐在「……深海棲艦!?」
おっちゃん「港湾ちゃんが、深海棲艦だってのか!?」
港湾「下ガッテテ、皆」
港湾「オ父サンカラ貰ッタ、コノ名ニカケテ、指一本フレサセナイカラ」トスットスッ
港湾「コイ、有象無象」ギラン
深海棲艦達「……ッ!?」ビクッ
港湾「コノ大要塞、ヌケルモノナラ、ヌイテミロ」ゴゴゴゴゴ
レ級「……」
レ級( 助ケラレズニ後悔スルヨリ、キラワレテ後悔スル方ガイイ…… )ドクン
提督『殺される筈だったおばあちゃん達の命が助かったんだ。恐怖を乗り越えて人の為に立つっていうのは、とてもとても尊い行いなんだ』
レ級(ソウダ、オレハモウ、知ッテルジャナイカ)ドクン ドクン
おばあちゃん『ありがとうね……レ級ちゃん……私達の為に……銀行強盗と戦ってくれて……』
おばあちゃん『何も出来なくて……ごめんなさいね……助けてくれて……ありがとうね……』
レ級(大切ナ事ハ、自分ノ魂ニキケバイイ)
レ級(自分ガ正シイト思ウ事ヲ、貫クンダ!!!)
レ級「……」キッ!!
レ級「オット、一人ダケイイカッコハサセナイヨ、港湾オ姉チャン」ザアッ!
港湾「レ級?」
レ級「ソウダヨネ、嫌ワレテモ、ヤラナキャイケナイ事モアルモンネ」
レ級「デモ、ドウセヤルナラ、景気ヨク派手ニヤラナキャ!!」
港湾「?」
レ級「イクヨ!」ザァッ
レ級「変!」シュッ
レ級「身!!」シュッ
カッ!!!
レ級「天ガ呼ブ、地ガ呼ブ、人ガ呼ブ」
レ級「悪ヲ倒セトオレヲ呼ブ……」
レ級「聞ケ!悪人ドモ!!オレハ正義ノ戦士!!」
レ級「仮面!!」シュッ
レ級「ライダー!!!」ビシィッ
港湾「」ポカーン
レ級「……ナンチャッテ、ニシシ」ケラケラ
村人「レ級ちゃんも、深海棲艦だったのか……」
駐在「あの時の仮面ライダー深海棲艦は、レ級だったのか……」
ザワザワ
レ級(怖イ……デモ……オ姉チャンハ、ソレヲ乗リ越エタンダ!!)
レ級(ナラ、オレニモ出来ル!!!)キッ
レ級「タッタ一ツノコノ命ヲカケテ、イトオシキ愛ノ為ニ戦ウ」
レ級「ソレガ仮面ライダー!!ヒーローノ心得!!!」
レ級「嫌ワレテモ、貫キ通セバ、後悔ハナイ!!!」
レ級「ダロ?姉チャン」ケラケラ
港湾「……ソウネ」
港湾「ナラ、今カラ私モ、仮面ライダーネ」クスッ
レ級「オ姉チャンモ、ライダー……?」
レ級「……」ピコーン!!
レ級「……敵ハ多イネネ、オ姉チャン」
港湾「ソウネ」
レ級「デモ、問題ナイ」
港湾「?」
レ級「今夜ハ、オレト港湾姉チャンデ『ダブルライダー』ダカラネ!!」ニッ
港湾「ダブルライダー?」キョトン
レ級「ニシシ、最強コンビッテ事サ!!」
おばあちゃん「……レ級ちゃん」
おばぁちゃん「……良いの?」
レ級「ウン、モウ大丈夫ダヨ、オバァチャン、ダッテ……」
おばぁちゃん「……?」
レ級「オレハ、北方(きたかた)レ級、世界最強ノ提督ノ娘ダモノ!!!」
レ級「オレハ絶対ニ、マケナイカラ!!!」ニッ
レ級「オバアチャン、皆、絶対ニマモリヌイテ、ミセルカラ!!」
~陸軍基地~
ほっぽ「ハァっ!!ハァっ!!ツイタ!!」ボロボロ
番兵「うん……っ!?おい傷だらけじゃないか!?どうしたんだいお嬢ちゃん!?」
ほっぽ「深海棲艦ガ!!港町ニ!!」
番兵「なっ!?そんな馬鹿な!!」
あきつ丸「うん?ほっぽ殿?何してるでありますか?」
ほっぽ「アキツ丸!!大変ダ!!町ニ深海棲艦ガ!!タスケテクレ!!」
ほっぽ「町ガ、奇襲ヲウケテル!!通信設備ヲ無力化サレテ、タスケモヨベナイ!!」
あきつ丸「……」
あきつ丸「番兵殿、基地司令殿に第一次戦闘態勢を発令するようにいってきてください、責任はこのあきつ丸が取るから急げと添えるように」
番兵「は!?いや……しかし……」
あきつ丸「聞こえなかったか二等兵、即座に命令を実行しろ、急げ」
番兵「!?」ゾクッ
番兵「は、はい!!了解しました!!」ダッ!
ほっぽ「ア、アリガ」
あきつ丸「……」
シュバン!!
ほっぽ「ナッ……」
あきつ丸「答えろ北方棲姫」チャキ
あきつ丸「提督殿の留守を狙いすましたようなピンポイントな襲撃、人類の弱点を明確につく通信設備の破壊」
あきつ丸「そして……真っ先に助けを呼びに来たのが貴様だ」
あきつ丸「北方棲姫、貴様」
あきつ丸「最初から、人類に仇為すつもりで提督殿に近づいたのではないか?」
ほっぽ「!!!!!!!!!」
あきつ丸「あきつ丸は陸軍の艦娘である前に、帝国臣民の盾である前に、『提督殿の艦娘』であります」
あきつ丸「もし、貴様が提督殿の優しさにつけ込んだ嘘吐きの下郎であったのならば」
あきつ丸「たとえ提督殿に恨まれ殺されようとも、提督殿の為に貴様を殺す」
あきつ丸「嘘を見抜けぬと思うなよ北方棲姫、もし貴様の言葉に微塵でも嘘が感ぜられれば」
あきつ丸「この軍刀で貴様のそっ首叩き落としてくれる」ジャキン
ほっぽ「……」
あきつ丸「……」
ほっぽ「……ホッポヲ疑ウナラ、疑エバイイ」
ほっぽ「殺シタイナラ、殺セバイイ」ガシイッ!!
あきつ丸(軍刀を掴んで切っ先を首に……!)
ほっぽ「ダケド」
ほっぽ「港町ノ皆ト、ヲ姉チャン達ダケハ、タスケテクレ」グサツ
ほっぽ「タノム……」ツーッ
ほっぽ「見テノ通リ、装甲ハ弱メテアル、ソノママ軍刀ヲオシコメバ、ホッポハ死ヌカラ」
ほっぽ「ダカラ……町ノ、ミンナヲ……」
ほっぽ「タスケテクレ」
あきつ丸「……」
あきつ丸「……何か、言い残したい事はあるか?」
ほっぽ「……」
ほっぽ「……ソウダナ」
ほっぽ「……ヒトツダケアル」
ほっぽ「ホッポヲ疑ウノハ構ワナイ」
ほっぽ「ダガ、ホッポ達トオ父サンノ絆ヲ愚弄スル事ダケハ……」
ほっぽ「絶対ニ、ユルサナイ」
あきつ丸「……!」ゾクッ
北方ほっぽ「私ハ、北方(きたかた)ホッポ、誰ガナント言オウト、オ父サンノ娘ダ」
北方ほっぽ「ソレダケハ、絶対不変ノ事実ダカラ」
北方ほっぽ「覚エテオケ」
あきつ丸「……なるほど」
あきつ丸「軍刀から、手を離せ」
北方ほっぽ「……」パッ
あきつ丸「……」スッ
北方ほっぽ「……切ラナイノカ?」
あきつ丸「あきつ丸は、『深海棲艦である北方棲姫』を信じる事は出来ないであります」スーッ
あきつ丸「でも」チャキン
あきつ丸「『提督殿の娘である北方(きたかた)ほっぽ』なら、信用するでありますよ」ニヤリ
あきつ丸「『北方ほっぽは一片の疑いもなく提督の娘である』それだけが確かなら、あきつ丸は信じられるであります」
北方ほっぽ「……ソウカ」
あきつ丸「そうであります」ニコリ
あきつ丸「でも一つだけ言っておく」
あきつ丸「先程の啖呵、嘘にしてくれるなよ」
北方ほっぽ「愚問ダ」
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