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    元スレ男「魔が差して奴隷を買ってしまった」 少女「…………」

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    201 :

    [ピーーー]

    202 :

    こんなスレ荒らして何になるんだろうな……

    203 :

    やることないんだろうよほかっとけ

    205 :

    勝手にVIPに転載して飽きたら今度は荒らしかよ

    206 :

    悲しいなぁ

    207 :

    奴隷ものの某スレみたいにならないようにね

    208 :


    ……………………………………………………………
    ……………………………………………
    ……………………………


    元兵士長『ここか!』

    元兵士長『総員! 警戒に当たれ!』

    『『サーッ!!』』


    司祭『止まれ! 愚かな異教徒共め!!』

    元兵士長『あいつが騒ぎを起こしてるってやつか!?』

    元兵士長『抜刀! 捕らえるぞ!!』

    司祭『汚らわしい異教徒風情がぁー!! それ以上私に近づくなぁ!!』

    元兵士長『あぁ? なんだあいつは?』

    司祭『私はこれから永遠の魂を手にする儀式を行うのだ! 邪魔をするな!!』

    司祭『来い小娘ぇ!!』グイッ

    元妻『い、痛い!! 離して!』

    司祭『ええい暴れるなぁー!!』ゲシッ

    元妻『うぅっ!?』

    『……っ!?』
     
    元兵士『人質の存在を確認!!』

    元兵士長『騒ぎを起こしてる犯人と断定! 総員構えろ! 但し命があるまで飛びかかることは許さん!!』

    『『サーッ!!』』

    『妻…… 妻なのか……?』


    209 = 208 :



    『嘘だ…… 妻のはずが無い!』

    『あいつはこんなことに巻き込まれていい女じゃ……』


    司祭『ふははは!! 喜べ小娘!』

    司祭『お前は私が永遠の命を手にするための生贄に選ばれたのだ!』

    司祭『私の中でお前は生き続ける! 異教徒とはいえ光栄なことであるぞ!!』グイッ

    元妻『い、痛い!! 離してぇ!!』


    元兵士長『その手を離せ! お前は今自分が何をしているのか分かっているのか!』

    司祭『汚らわしい口を開くな異教徒がぁ!! 私はこの女の心臓を一突きにしそれを喰らうことで永遠の命を手にいれ、不死の存在へと昇格するのだ!!』

    元兵士長『何バカなこと言ってんだ!! そんなことで不死になれるわけがねえだろ! 大人しく投降しろ!』

    司祭『あああああーー!!! 貴様ぁー!! 神の御言葉を代弁する崇高な私を愚弄するかぁーーー!!!』

    司祭『許さんぞぉおおおおお!!』

    元兵士長『まずいな激昴してる…… 総員、すぐに取り押さえられるようにしておけ』

    『『……………!!』』ジリッ



    司祭『今こそ悲願の成就の時!!』グイッ

    元妻『いやぁっ! 助けて男ぉー!』

    『やっぱり妻なんだな!?』

    『妻ぁぁぁぁーーーー!!!』


    210 = 208 :



    元兵士長『妻……? じゃああれはお前の嫁か!!』

    『妻ぁー! 今助けるぞ!!』ダッ

    元兵士長『待て!! お前は下がれ!!』ガシッ

    『なっ……!?』

    元兵士長『お前は戻れ! 後退し味方の応援を呼んでくるんだ!!』グイッ

    『何するんですか兵士長!! 行かせてください!!』

    元兵士長『駄目だ! お前は邪魔だ!! 作戦に参加することは許さない!!』

    『ふ、ふざけるな!! この隊の中で私はあなたの次に強い!! それにあの人質は私の妻だ!!』

    元兵士長『だからなんだ!! 上官命令だ!! 下がって応援を呼べ!!』

    『ふざけるな!! 妻ぁぁぁぁーーーー!!!』



    元兵士長(まずい……こいつは冷静さを失ってる! これではチームの連携が崩れる恐れがある!)

    元兵士長(それにもし人質が最悪の事態になって……それを男が見てしまったら!)

    元兵士長(こいつの心が壊れてしまう……!)



    『どけよ兵士長!! そこをどかないってんなら……!』チャキッ

    元兵士長『……!!』

    211 = 208 :



    しゅんっ!

    しゅしゅしゅしゅしゅしゅん!!!!


    『敵襲ぅーーー!!!!!』


    『ぐわあああああ!!!』

    『ぎゃああああああああ!!』

    『弓矢だぁ!! うわああああ!』


    元兵士長『なんだ!? どうなっている!! 報告しろ!!』

    『陣営の横から伏兵による弓矢での強襲! 負傷数二桁ほど!』

    元兵士長『なんだと!? 応戦し、各個で敵を撃破しろ! 俺があのいかれた野郎を取り押さえる!』

    元兵士長『くそ…… 罠だったか…… やられたぜ畜生!!』


    司祭『ふははは!! まんまと引っかかったな異教徒の汚れた兵団共め!』

    司祭『私の狙いは厄介な異教徒の兵団の駆除でもあるのだぁー!!』

    司祭『ふははは!! 貴様らを粛清した後、ゆっくりとお前のの心臓を頂くとしよう』ペロ

    元妻『ひっ……!?』

    212 = 208 :



    『あの野郎……!! 今助けるぞ妻ぁぁ!!』

    元兵士長『ちっ、下がれって言っただろ男』

    『正面から敵が来てますよ! 兵士長、援護してください!!』

    元兵士長『はぁ!? てめぇ! 俺に命令するたぁいい度胸じゃねえか!!』

    『今はそれどころじゃないです!! いきますよ!』

    元兵士長『はっ! 俺についてこれなかったらおめぇ除隊だからな』ダッ

    『上等ですよ!!』ダッ



    敵兵『死ね…!!』

    元兵士長『死ぬのはてめえだクソ野郎!』ヒュンッ

    敵兵『……っ!?』ザシュゥ

    元兵士長『次ィ! おらおらぁ!!』ヒュンヒュン

    敵兵『がぁっ!!』


    ぶしゃぁぁー!



    『強い…… 敵を一撃で……』

    元兵士長『おら! 足を止めんじゃねえぞ男!』

    『サーッ!』

    213 = 208 :



    司祭『やはりあの兵士長は異教徒の呪われた力を持つ故に強いぃぃー!!』

    元妻『男……』

    司祭『ええい!! 偉大なる神の信徒よ! あの呪われた異教徒を取り囲み、殺せぇ!! 私の前に刈り取った首を並べてみせろぉ!!』

    『『ヤー!!』』


    『まずい! 敵が多いです兵士長!』

    元兵士長『んなこと分かってる! 突っ込むぞ!』

    元兵士長『お前はただ俺の背中から嫁さんのことだけ見てな! お前の道はなんとしても俺が開いてやるよぉ!!』

    元兵士長『うおおおおおおおお!!!』


    ひゅんっ!!


    敵兵『ぐおおおわああああ!!』

    敵兵『くそおおおお!』


    『妻……待ってろ!!』

    214 = 208 :


    ……………………………………………………………



    元兵士長『おらぁ!!』ヒュンッ

    敵兵『がぁぁ……』ザシュゥ

    元兵士長『次ィ!! てめぇで最後かぁ!!』

    敵兵『覚悟ぉ!!』

    元兵士長『おせえんだよ!! 出直して来やがれ!!』ヒュンッ



    しゅんっ!!


    ばしゅっ!!


    元兵士長『んぐっ!?』ヨロッ

    『兵士長!?』

    元兵士長『ちっ…… おらああああ!!!』ヒュンッ

    敵兵『ぐっ、ごぁぁっ!!』バタン



    215 = 208 :



    『兵士長!! 足に矢が!?』

    元兵士長『畜生……前方にも弓兵がいたとはな……』

    元兵士長『だが、構わねえ!! 足止めんな! いくぞ男!』

    『兵士長、そんな足じゃ無理です! あとは俺が行きます!!』

    元兵士長『馬鹿言ってんじゃねえよ! 弓兵相手に剣しか持ってねえお前だけで対処できるか!!』

    『盾持ちの応援など待っていられません!!』

    元兵士長『馬鹿野郎!!!』

    『……!?』ビリビリ


    元兵士長『ちったぁ落ち着きやがれ。 おめぇの道は俺が開いてやるって言っただろ! いくぞ』フラッ

    『兵士長………』



    元兵士長(あぁ畜生! 血が流れすぎたのか、毒が塗ってあんのか分かんねえけど目が霞みやがる)

    元兵士長(足の感覚なんかねえし、敵の位置すらよく見えねえ……)

    元兵士長(畜生……太ももがいてぇ…… 立ってるのすらキツいぜ)

    元兵士長(はっ! だから、なんだってんだ! 俺らの前には助けを待つ女がいんだよ! それを助けなきゃならねえ男がいんだよ!!)

    元兵士長(俺がここで立ち上がらなくてどうすんだってんだよ!!)


    元兵士長『いくらでも撃って来いやクソ野郎共がぁぁぁぁーーー!!!』ダッ

    元兵士長『いくぞ! 男! 何があっても突っ走れぇーー!!』

    『兵士長………!! サーイエッサー!!』

    216 = 208 :



    司祭『ぐぬぬぅ……しぶといな呪われた異教徒め!!』

    司祭『まぁいいわ!! こちらにはまだ弓兵がいる!! 殺せぇー!! 射って射って射りまくれぇー!!』

    元妻『男……もう来ないで………死んじゃうよー!』


    『妻ぁー!!』

    元兵士長『うおおおおお!!!』


    ばしゅっ!! ばしゅっ!!


    元兵士長『ぐっ、あああああ!!! それがどうしたってんだよおおお』ダッ


    司祭『なんだあいつは!? 矢をあれだけ食らってまだ走っているだとぉー!?』


    『兵士長!』

    元兵士長『うるせぇ!! 黙って走れ!!』



    敵兵『ちっ! 死ね!!』ビュンッ!


    ばしゅっ!!


    元兵士長『ぐぅぅぅぅぅおおおおおおお!!!』


    ばしゅばしゅっ!!

    217 = 208 :



    司祭『と、止まれ!! 止まれ異教徒めぇー!!』

    元兵士長『はぁっ!! はぁっ!!』ダッ

    敵兵『死ねぇ!!』ビュンッ!


    ばしゅっ!!


    元兵士長『ぐぅ……!?』


    元兵士長(畜生、もう前も見えねえ…… なんも聞こえねえ)

    元兵士長(体が浮いてる感覚しかねえよ…… 俺は走ってるのか? それともへばっちまってんのか?)

    元兵士長(分かんねえ、分かんねえよ!!)

    元兵士長(でもなぁ! 俺は!!)

    元兵士長(例え全身穴だらけになろうがなぁ!!)


    元兵士長『くたばってでも、てめぇらを殺さなきゃなんねえんだよおおおおおお!!!』シュンッ


    敵兵『なっ……!?』ブシュゥー!!


    ばたんっ



    元兵士長『いけえええええ!! 男ぉぉおーー!! 走れぇぇえーーー!!』バタッ

    『………サーッイエッサー!!』

    218 = 208 :



    司祭『く、来るな化け物めぇーー!!!』

    元妻『男……』ウッ

    『妻を離せクソ野郎!!』

    司祭『こ、このナイフが見えないのか!! お前を刺し殺すぞぉーー!!?』

    『黙れ!! その汚い手で妻に触れるな!!』シュンッ

    司祭『ひっ!? ひぃぃぃぃぃいいい!?!』


    ずばぁぁぁん!!!


    司祭『がっ………がふっ………』ビチャビチャ

    司祭『わ、わたしは……永遠の命をぉぉ……この、手にぃぃ………』バタッ

    219 = 208 :



    『妻!!』

    『はっ……!!?』

    『ど、どうして……!!?』


    元妻『はぁ……はぁ……男……』カヒュー

    『妻!? 妻ぁー!!』ギュッ

    元妻『ふふ、そんなおっきい声出さないでよ。 怖いよ?』カヒューカヒュー

    『ま、待ってろ!! 今止血するから!!』

    元妻『はぁ………はぁ……… 男聞いて』カヒューカヒュー

    『喋るな!! 体力を消耗させちゃダメだ!!』

    元妻『いいよ、もう……』カヒューカヒュー

    『くそ!なんで!! なんで止まらねえんだよぉ!!』

    元妻『はぁ……今日で……一年記念日、だね』カヒュー

    『あぁ、分かってる!! 家に帰って一緒に飯食うんだろ!!』

    元妻『ふふ、ごめんね…… はぁ……はぁ……… だめ、みたい………』カヒュー

    『ふざけんなよ!! そんなわけないだろ!! そんな事言うな!!』

    元妻『男……きいて………おねがい……』カヒュー

    『いやだ……嫌だよ妻……どうしてこんなことに………』

    221 = 208 :


    …………………………………………………………
    ………………………………………
    ………………………


    「妻の葬儀が終わって、久しぶりに家に帰ったらとても豪華な食事が用意されていました」

    兵士「…………」

    「とても頑張って作ってくれたんであろう食べきれないほどの料理の数々」

    「私の大好きだったパンケーキに紅茶」

    「ふふ、パンケーキは冷えてガチガチになっていました」

    「紅茶は浸かりすぎて最早葉っぱを飲んでいるようでした」

    「それでも……おいしかった………本当においしかったんですよ……」

    兵士「兵士長……」

    「さ、もう陽も沈みます。 話が長くなってしまいましたね、すみません」

    兵士「その………なんといったらいいか……」

    「いえ、気にしないでください。 もう過去のことですから」

    兵士「兵士長、私はやっぱり隣国が許せません! 兵士長の奥様を殺したそいつも!」

    兵士「無差別に国民を殺したあいつらも!! 全ての隣国の悪行が許せないんです!!」

    「ありがとう兵士。 ですがもう戦争は終わりました。 過去の因縁は水に流すべきです」

    兵士「そんな…… 兵士長の奥様があいつらの毒牙にかかった最初の犠牲者なんですよ!?」

    「兵士、やめましょうこんなところで」

    「私の妻なら、こんな争いをもう望んでいないと思います」

    兵士「すみません…… 感情的になりすぎました……」

    「いえ、いいんですよ」

    「あぁ、そうだ兵士」

    兵士「はい?」

    「私は…… 優しい人になれたでしょうか?」

    222 = 208 :


    更新終わります

    転載、荒らし、及びそれに反応することは以降禁止です

    223 :

    おつ

    224 :

    紅茶は大事な言葉か

    225 :

    おつ!!

    いってらっしゃいのキスしてで泣いた

    226 :

    おつ
    なんて過去だよ…

    227 :

    シルヴィと杉下右京

    228 :

    (´;ω;`)ぶわっ

    軽い気持ちで開いたスレだったのに…
    なんてこったい…
    まだ午後から仕事残ってるのに……

    229 :

    元兵士長がぐだぐだ言ってなければ妻助けられた説

    230 :

    E-1道中でまろーん出るのね
    びっくりしたわ

    231 :

    唐突すぎる誤爆で草

    232 :

    ここに書かれてたのか
    艦コレスレに書かれてたのかと思ってスルーしてた

    233 :

    そんなんだから提督はハゲって言われるんよ……

    234 :


    ……………………………………………………


    がちゃり



    「ただいま帰りましたよ」


    しーん…………



    「少女? いますか?」

    「……お迎えを心の底で期待していたのですが、残念ですね。 部屋にいるのでしょうか?」

    「……おっと、いましたね」


    「……すぅ………すぅ………」

    「待ちくたびれて寝てしまったんですか」

    「……! あぁ、そうか…… 紅茶の用意をして待っていてくれたんですね…」

    「また……紅茶をいれて待っていてくれる人が出来るなんて…」

    「思いもしなかったですよ……」ポロ

    「少女……ありがとう」グスッ

    235 = 234 :


    「まったく…… いけませんねこんなことで泣くなんて。 歳でしょうか」ゴシゴシ

    「すー……はー……」


    「少女、起きてください。 こんなところで寝ていたら風邪をひいてしまいますよ」ユサユサ

    「…………ぅ?」パチ

    「少女、おはよう。 ただいま帰りましたよ」

    「…………」ボー

    「どうしました? まだ眠いですか?」

    「……………」

    「……………」ブワッ

    「え?」

    「~~~~!」ギュ

    「しょ、少女!?」

    「ひっく………ぐすっ……」スリスリ

    「少女……」

    「ただいま。 少女」

    「…………」コクリ

    (おかえりなさい、ご主人様)

    236 = 234 :



    「うーん……出来合いのものはやはりいまいちですね……」

    「…………」

    「私が自分で料理をした方がおいしいですからね。 明日からは帰ってきてから作りますね」

    「…………」ペコリ

    「少女もお腹がすいてしまうかもしれませんが、待っていてくださいね」

    「…………」コク

    「あ、そういえばサンドウィッチはどうでしたか? お口に合いましたか?」

    「…………」コクン

    「…………」カキカキ

    「ん?」

    「…………」ソワソワ

    『とてもおいしかったてす。』

    「おぉ…! すごいですね! もうこんなに書けるようになったんですね!」

    『かんはりました。』

    「本当に頑張ったのが伝わってきますよ! 少女は頑張り屋さんなんですね」ナデナデ

    「…………///」プイ

    「あと、難しいんですけど、ひらがなで濁音の場合は右上に……

    …………………………………………………………………


    237 = 234 :



    『じはむずかしいです。』

    「そうですね……でも」カキカキ


    『わたしはしょうじょとおはなしできて、とてもうれしいですよ。』

    『わたしもです。 いつもごしゅじんさまにいいたいことがたくさんあったのに、つたえられなくていやでした。』

    『いいたいことですか? なんだかこわいですね。』アハハ

    『ほんとうにいいたいことがたくさんあるんです。』

    『そうですか。 そしたらかみにかいてわたしにみせてくださいね。』

    『はい。 まだかくのおそいですけど、がんばります。』

    『うんうん、がんばってくださいね。』

    『まいにちこうしておはなしをしましょうか。』

    『はい、わかりました。』


    「では、今日はもうお終いに……

    「…………」グイッ

    「んん? どうしました? まだなにかありますか?」

    「…………」コクリ

    『わたし、ごしゅじんさまのてだけはこわくなくなりました。』

    「!」

    『こんなわたしを、かってくれてありがとうございます。』ペコリ

    「そんな……私の方こそ……」

    「また、家族の……大切な人がいる温かさを教えてくれてありがとうございます少女」

    「…………??」

    「あなたが来てくれて私は、とても救われた気がします」ナデナデ

    「…………///」ンー?


    238 = 234 :

    少しですが終わります

    240 :

    こんな子ほしい

    241 :

    嫌な展開だけはやめてください…乙です!

    242 :

    読者様(笑)の意見に左右されず書きたいように書いてください(切実)

    244 :

    一波乱あるだろうが、予測がつかないな。
    楽しみにしていよう。

    245 :


    ……………………………………………………………
    ………………………………………
    ……………………


    『いってらっしゃい。』

    「はい、いってきますね」

    「なにか買ってきて欲しい食材とかはありますか?」

    「…………」コクリ

    「…………」カキカキ

    『たまごが無くなるのでおねがいします。』

    「分かりました。 帰りに買っていきますね」

    「…………」コクン


    「あ、そうだ」

    「…………?」

    「少女にこれを渡しておきます」スッ

    「…………!」

    「これは家の鍵です。 一人で外出するときはこれを使って鍵を締めてください」

    「…………」フルフル

    「少女、なにも今すぐ使えと言っているわけではありません。 このまま家の中にいてくれても構いませんからね」

    「ですがもし外に出たい気持ちが少しでもあるなら」

    「チャレンジしてみてもいいんじゃないかと、私は思いますよ」

    「…………」


    246 = 245 :



    ………………………………………………………………


    「…………」

    「…………」カキカキ


    『私は声が出せません。』


    (漢字もだいぶ書けるようになった。 ご飯も少しなら作れるようになった。 お掃除も出来るようになった)

    (でもまだ……外には出られない……)

    (外に出るのは、ご主人様と一緒に買い物に行ったりするときだけ)

    (ご主人様の大きな手が私を包んでくれないと……外に出るのは怖くて……)

    (ご主人様がいないと私……ダメなんです)

    (外に、出なきゃダメなんですか?)

    (暖かくて、紅茶のいい香りがするこのお家にいてはいけないんですか?)

    (ご主人様…… どうして私を外にださせようとするんですか…… 怖いですよ)

    247 = 245 :


    「…………」ハァ…

    (……今は考えなくていいよね。 ご主人様も無理はするなって言ってたし)

    (分かってるんです…… このまま家の中だけで暮らすのはよくないって)

    (外に出て、私が見たくないものも見て、それも受け入れなきゃいけないって)

    (でも……そんなの簡単に出来ないですよ)

    (……はぁ。 お掃除しよ……)


    248 = 245 :


    ……………………………………………………………

    「…………」フゥ…


    (お掃除も終わった)

    (お昼ご飯も食べた)

    (お洗濯も干して完璧)

    (……つまり、やることがないです)

    (いつもなら字のお勉強をするのですが……)チラッ

    (ご主人様が、私に外出できるようになってほしいと考えてるなら……)

    (そう、したい)カチャ


    (鍵、冷たいな……)

    (ドアも冷たい……)

    (外に行く道はどうしてこんなに冷たいんですか)

    (お家なら、ご主人様なら私を暖かく包んでくれるのに……)

    (世界が私に冷たくするんですよ。 酷いじゃないですか……)

    (ううん、怖いけど、でも行くの)

    (ご主人様の願いを叶えたいから)

    (ご主人様が驚いて笑ってくれる顔が見たいから)

    (……よくできましたねって撫でてもらいたいから……)

    (だから……いってきます)


    ガチャ

    ギイッ…………


    249 = 245 :



    「…………」ドキドキ

    「……すぅ~」

    「……はぁ~」

    「……………」

    (お外、暖かいな)

    (お日様がポカポカで、鳥たちのさえずりが聞こえてきて、お花のいい香りがする)

    (そっか……お外は私に冷たくなくなんかなかったんだ)

    (こんなに外に出ることは、簡単で、素敵なものだったんだね。 私が一方的に遠ざけていただけだったんだ)

    (ご主人様……私、お外に出られましたよ)ギュ

    (いいお天気……風が気持ちいい…… お昼寝日和ですね……)

    250 = 245 :


    …………………………………………………………………


    「…………!」

    (街はやっぱりすごい活気ですね…!)

    (いつも離れないようにご主人様が手を握ってくれてたけど、今日は私一人だもんね)

    (ご主人様がいないだけで、こんなに不安になるものなんだ……)

    (ご主人様…… 会いたいですよ……)


    「……………」ハァ…

    「へいらっしゃい! どうしたんだい別嬪さん! そんな溜息なんかついちゃって!」

    「………!?」ピッ

    「がっはっは! そうだよあんだだよー。 なんだよそんな驚くことないだろ」

    「…………」

    「んん? あれー? あんたどっかで見た顔だな……」

    「…………?」

    「あ! 思い出したぜ! あんた兵士長のお連れさんじゃねえか!?」

    「…………」コクン

    「やっぱりー! 今日は兵士長はいないのかい?」

    「…………」コクリ

    「そうかそうか。 いつも世話になってるからな、よろしく伝えておいてくれよ?」

    「そうだ、このコロッケ持ってきな。 サービスだよ」


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