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元スレ京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」
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・三年、初夏、代償
京太郎「何食おうかなー?」
京太郎「ゲン担ぎにトンカツとかか?」
京太郎「うーん、今更だしな」
美穂子「京太郎さん?」
京太郎「お、みほっちゃん」
美穂子「お昼はもう?」
京太郎「いや、これから。なににしようか迷ってて」
美穂子「そうですか……」
京太郎「みほっちゃんはもう済ませたのか?」
美穂子「あ、華菜たちと約束してますから」
京太郎「あの猫娘ね」
美穂子「みんなで食べられるように重箱を持ってきたんです」
京太郎「じゅ、重箱か……」
京太郎(自分だって試合があるだろうに……)
京太郎(さすがというべきかなんと言うか)
美穂子「それで、あの……一つだけお願いがあるんですけど」
美穂子「ダメ、ですか?」チラッ
京太郎(はい、必殺技入りましたー!)
京太郎(その上目遣いは大抵の男に効くんだよなぁ)
京太郎(もちろん断るという選択肢はない)
京太郎「わかった、君のためなら」ガシッ
美穂子「え、ええっ」
京太郎「悪い、つい体が」パッ
美穂子「あ、嫌というわけじゃないですから」
京太郎「……なんか、随分優しくなったよな」
美穂子「私、ですか?」
京太郎「二年前はそれこそ思いっきり警戒されてたからな」
美穂子「それは、えっと……誤解してましたから」
京太郎「実はさ、あの頃ってわりかし不純な考えで声かけてたんだよな」
美穂子「不純?」
京太郎「そーそー、はっきり言ってどストライクだったんだよね、みほっちゃん」
美穂子「どすとらいく……私が……あの、それって」カァァ
京太郎「話それちゃったな。で、お願いってなんだ?」
美穂子「えっと、その……」モジモジ
美穂子「これ、良かったら食べてください!」
美穂子「それじゃ……」
京太郎「……ふむ、弁当か」
京太郎「余らせたからってパターンかな? 勘違いしないでよねっていう」
京太郎「にしては適量なんだよな。多すぎず、少なすぎずというか」
京太郎「どう受け取ったものか……」
京太郎「とりあえず勘違いしとこうかな」
京太郎「というわけで弁当をもらいました」
まこ「妙に浮かれとると思うたらそういうことかい」
久「美穂子の手作り……おいしいのが保証されてるようなものよね」
和「お弁当……その手がありましたか」グヌヌ
咲「私も作ってこればよかった……」グヌヌ
優希「二人ともぐぬぬってるじぇ」
京太郎「さーて食べようかな……おお!」
京太郎「とても余り物の寄せ集めには見えないな、これは」
京太郎「どれから食べようかなー」
久「じゃあ、この唐揚げもらうわね」ヒョイ
京太郎「ちょっ」
優希「タコさんウィンナーゲットだじぇ!」
京太郎「まっ」
咲「だし巻き玉子……えいっ」パクッ
京太郎「おまっ」
まこ「やれやれ、見事にたかられとるのぅ」
和「お弁当、お弁当……」ブツブツ
まこ「こっちはこっちでこれか」
京太郎「てめぇら俺にも食わせろや!」
京太郎「よし、みんな飯食ったな? 午後もやってやろうぜ!」
まこ「なんじゃ、いやに元気じゃの」
咲「さっきのお弁当に何か悪いものでも入ってたのかな?」
和「先輩……心配です」
京太郎「お前らさ、もう少しテンション合わせてくれよ……」
咲「だって、普段あんなにボロ負けしてるんだよ?」
まこ「男子は数が多いけぇ、午前でふるい落としがあるんじゃろ?」
咲「落ちた現実が信じられなくてハイテンションになっているのかと思って」
京太郎「……しまいには泣くぞ?」
久「はいはい、そこまで」
久「ともかく、無事に午後を迎えられそうだし、みんなでベストを尽くしましょう」
和「あの、ゆーきの姿が見えないんですが」
まこ「たしかに。迷子かの?」
京太郎「まさか。こいつじゃあるまいし」
咲「わ、私だって迷わないときもあるもん」
まこ「その言い方だと、迷子になる時の方が多いように聞こえるんじゃが……」
久「優希ねぇ……もうすぐ帰ってくると思うんだけど」
優希「追加のタコスゲットだじぇっ」
久「あら、おかえり」
京太郎「いないと思ったらタコスか」
優希「それもこれも先輩が買ってきてくれないからだじょ!」
和「普通は自分で買うものですよ?」
優希「ともかく、これで午後もかっ飛ばしてくんだじぇ!」
京太郎「こいつもいつにも増して元気だな」
まこ「あれじゃろ、今日は東風戦しかないからの」
咲「優希ちゃん、午前が終わってダントツでトップだし……」
優希「ふふん、もっと褒め称えていいんだじぇー」
和「……調子に乗ってますね」
京太郎「……ごめん、俺もじつは超浮かれてる」
和「先輩はその……普段があれなので仕方ないというか……」
京太郎「言葉を濁す優しさは嬉しいけど、それはそれで地味に突き刺さってるからな?」
和「す、すみません」
京太郎「まぁ、気にするな。今日で昨日までの汚名とはおさらばしてやるさ」
久「そろそろ時間ね」
京太郎「おっと、俺は向こうの会場だから急がないとな」
久「午後でいきなり失速しないようにね」
京太郎「わかってる。久ちゃんもこれから追い上げてくんだろ?」
久「当然」
京太郎「じゃ、お互い頑張ろうぜ」
久「そうね」
「さて、男女ともに一日目、午後の試合が始まりましたね」
靖子「始まる前からわかっていたことではあるけれど、今年の女子は中々に粒ぞろいだね」
「今年の長野は魔境などと囁かれているという話も聞きます」
靖子「風越や龍門渕は言わずもがな、それを破った清澄、同じく全く無名ながらも互角に渡り合った鶴賀……」
靖子「それぞれが違う県に配置されていたら、そろって全国へ進んでいてもおかしくはない」
「その団体戦に出場していた面子が今度は個人戦で争う……大荒れは必至ということでしょうか」
靖子「それより私は男子の方も気になるがね」
「男子というと……こちらは逆に団体戦に出場しなかった選手が目立っていますね」
靖子「ここ数年は女子に押され気味の印象だったが、渡り合えそうなのも出てきているな」
「女子同様、男子の試合からも目が離せませんね」
京太郎「ロン、7700」
京太郎(午前に引き続き、午後もツイてる……)
京太郎(もちろん、こんな急にツキが良くなるなんて偶然がそうそうあるとは思えない)
京太郎(もしこれが俺のオカルトってやつなら、なんで急に効果が出たのかもわからない)
京太郎(それでも、今戦うための武器になるなら、なんだって使ってやるさ!)
京太郎「……」
京太郎(来た、これで聴牌だ)
京太郎(これを捨てれば三面張……リーチをかけて上がれる見込みは十分にある)
京太郎(でも……)
京太郎「リーチ」
京太郎(あえて、こっちを捨てる)
京太郎(地獄単騎、久ちゃんがよくやる悪待ち)
京太郎(ゲン担ぎ……それだけじゃない、今なら――)
京太郎「ツモ、4000オール!」
京太郎「っしゃ! 予選通過!」
京太郎「今日は終始調子が良かったな」
京太郎「久ちゃんの真似だってうまくいったし」
京太郎「さて、みんなはどうかな?」
聡「予選は通過できたようだな」
京太郎「ああ、南浦の爺さん。またこっちで待ち合わせか?」
聡「さて、な」
京太郎「なんだよ、それ。お孫さんのことはいいのかよ」
聡「数絵なら無事に予選を勝ち抜いた」
京太郎「まぁ、あれだけ生意気なこと言ってたからそれぐらいはな」
聡「それより、お前の周りで不調な奴はいなかったか?」
京太郎「不調? 思い当たらないけど」
聡「それならいい……ではな」
京太郎「一体何しに来たんだ?」
京太郎「まさか俺の様子見に来たってことはないよな?」
京太郎「今日会ったばかりのやつにそこまで気をかけるわけないし」
京太郎「てか、俺の周りで不調なやつね……」
久『そういうわけじゃないけど、なーんかツイてないのよね』
京太郎「そういや、久ちゃん調子悪そうだったな」
京太郎「まあでもそれぐらいだったらひっくり返しちゃうよな」
京太郎「自他ともに認める逆境に強い女だし」
京太郎「さて、色々気になるし合流するか」
京太郎「よーっす」
まこ「ああ……どうじゃった?」
京太郎「無事予選通過」
まこ「それは……奇跡じゃな」
京太郎「だからそれはもういいって……」
京太郎「そういや、他のやつらは?」
まこ「一年生たちは連れ立ってお花摘みじゃ」
京太郎「またか……もしかしてミーティングでもしてるんじゃないだろうな?」
まこ「どうじゃろな」
京太郎「で、久ちゃんは?」
まこ「……調子が良くないみたいでの、少し休んどる」
京太郎「風邪かな? 明日本戦だしゆっくり休まないとな」
まこ「……」
京太郎「どした? まこっちゃんも風邪か?」
まこ「久のことなんじゃが……」
京太郎「なんだよ、隠し事か? 言えよ、俺らの仲だろ」
まこ「……落ちた」
京太郎「ん?」
まこ「予選で、落ちたんじゃ」
京太郎「……え?」
選択済みエピソード
・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)
・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)
・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、ゆきが消える前に
・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、ゆきが消える前に
・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白
てなわけで終了ー
書きながらだと遅くなりますね
次回は『三年、初夏、いつも傍にあるもの』です
それはそうと怜竜ヒロインの話めっちゃ書きたい
ジゴロな京太郎と怜竜の三角関係みたいな感じで
それじゃ、おやすみなさい
書きながらだと遅くなりますね
次回は『三年、初夏、いつも傍にあるもの』です
それはそうと怜竜ヒロインの話めっちゃ書きたい
ジゴロな京太郎と怜竜の三角関係みたいな感じで
それじゃ、おやすみなさい
乙
昨年の個人入賞者が予選落ちとか魔境呼びされても仕方ないね
怜竜ヒロインの話も見てみたい
昨年の個人入賞者が予選落ちとか魔境呼びされても仕方ないね
怜竜ヒロインの話も見てみたい
乙です
無自覚なままの方がいいかもしれんとかいいながらヒントを出す南浦プロマジツンデレ
無自覚なままの方がいいかもしれんとかいいながらヒントを出す南浦プロマジツンデレ
自覚したら荒れに荒れて引っ越すとか言いそうだもんなあ……最悪、崖まで行くか?
怜竜の話はこのスレと根本的に設定が違うからやるとしても新スレですね
場合によっては18禁ですからね、間違っても一応健全なこのスレじゃちょっと
それはともかくとしてもう少しで始めます
場合によっては18禁ですからね、間違っても一応健全なこのスレじゃちょっと
それはともかくとしてもう少しで始めます
・三年、初夏、いつも傍にあるもの
京太郎「久ちゃん……」
久「……ああ、いたのね」
京太郎「……」
久「あーあ、やらかしちゃった」
京太郎「残念、だったな」
久「ホントにね……でもまぁ、団体戦があるから」
京太郎「……どうして」
京太郎(どうして、笑ってるんだよ)
京太郎(どうして、何も言わないんだよ)
京太郎(俺に気を使っているのか?)
京太郎(俺が、そうさせているのか?)
久「予選突破、おめでとう」
京太郎「あ、ああ」
久「まったく、普段ならきっと逆のはずなのにね」
京太郎「本当だ、本当ならこんなこと、ありえない」
久「私のツキがあんたに取られちゃったのかも……なんてね」
京太郎「はは、そんなわけ――」
聡『……愛を貪り、おのが糧とする』
聡『それより、お前の周りで不調な奴はいなかったか?』
京太郎「……まさか」
久「ただの冗談じゃない。そんなに気にしなくても」
京太郎「悪い、用事が出来た。先に帰っててくれ」
久「あ、京太郎……」
久「……ちょっと見栄はりすぎたかしら」
久「本当は慰めてほしかったんだけどな……」
数絵「お爺さまはまだかしら……」ソワソワ
京太郎「ちょっといいか?」
数絵「ひゃっ」
京太郎「驚かせて悪いけど、爺さんはいないのか?」
数絵「あなたはいきなり人の後ろから……!」
京太郎「それはもう謝った。爺さんはどこだ」
数絵「……お爺さまに何の用ですか?」
京太郎「いいから爺さんに会わせろ!」
数絵「――っ」
聡「俺に何のようだ、若造」
京太郎「あんた、俺の力がどうとか言ってたな。不調な奴がいるかどうかとも……」
京太郎「知ってるんだろ? 知ってるんだよな……!?」
聡「……数絵、席を外せ」
数絵「わかりました」
聡「さて、何が聞きたい?」
京太郎「さっきから言ってるだろ。あんたが知ってること全部だ!」
京太郎「そんな、嘘だろ……」
聡「気づかなければそれでいいと思っていたんだがな……」
京太郎「そんなオカルト、ありえねぇよ……」
聡「だが、真実だ」
聡「己を愛する者の運気を奪う……それがお前の力だ」
聡「俺もじっくりと観たわけではない。説明には不足があるかもしれん」
京太郎「でも……」
聡「ああ、今日お前の運気がいきなり向上したのも、それと呼応するように不調な者が現れたのも……」
京太郎「俺の力が原因、だってのか」
聡「……信じる信じないは自由だ。どう向き合うかも自分で決めるしかない」
京太郎「……」
聡「だがお前に責任はない。気休めにもならないかもしれんが、それも事実だ」
聡「悩め、答えは自分にしか見つけられん……ではな」
京太郎「……好き勝手言いやがって」
京太郎「でも、まだだ……まだ、確証がない」
京太郎「確証? 何言ってるんだかな」
京太郎「まだ俺のせいじゃないって思いたいのか?」
京太郎「それでも……」プルルル
『もしもーし、あなたの三尋木プロですよー』
京太郎「早速で悪いけど、聞きたいことがある」
咏『要するにさ、想いが向き合ってないと何にも起きないんだよねぃ』
咏『片想いじゃ成立しない、だからお兄さんの周りには向けられた想いだけがうようよ浮かんでる』
咏『だから誰か一人にしぼらないと意味がない……ま、全員愛してるなんて言ってのけるやつは例外かね?』
京太郎「向けられた想いと、向かい合う……」
京太郎(龍門渕の屋敷でくじけそうな時、俺は誰を想った?)
京太郎(小蒔を取り戻すために神様に挑んだ時、俺は誰に呼びかけた?)
京太郎「全部、力を貸してもらってたのか……」
京太郎「当たり前だ……あんなタイミング良く役満が出るわけ無いだろ」
京太郎「そっか、そうだったのか……」
京太郎「じゃあ、やっぱり俺のせいってことじゃん」
京太郎「久ちゃん、ごめん、ごめん……」
京太郎「……謝りに、いかなきゃな」
京太郎「謝ったって、今更どうしようもないけど……」
あなたのって言うくらいなら三尋木プロじゃなくて咏ですよーくらい言ってほしいな。
もしかしたらそこまで本気じゃないから冗談なのかもしれないけどさ
もしかしたらそこまで本気じゃないから冗談なのかもしれないけどさ
久「ふぅ……」
久「明日、みんなを笑って送り出せるかしら?」
久「いいえ、部長なんだもの、しっかりしないと」
久「……」
久「どうして、こんなことになっちゃったのかな」
久「やだ、なんか泣けてきた……」
久「家に誰もいなくてよかったかも……」
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