私的良スレ書庫
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元スレ京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」
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たいして人いないと思って長めにしたのに……
美穂子 9
衣 5
桃子 4
透華 1
というわけでコンマ判定
1-47:美穂子
48-73:衣
74-94:桃子
95-00:透華
下2
美穂子 9
衣 5
桃子 4
透華 1
というわけでコンマ判定
1-47:美穂子
48-73:衣
74-94:桃子
95-00:透華
下2
ということで鶴賀さんちのモモに決定
そんじゃ、もうちょっとしたらほんの少しだけやります
そんじゃ、もうちょっとしたらほんの少しだけやります
・三年、初夏、男子個人戦
京太郎「咲、喉渇いてないか? お茶あるぞ」
咲「別に……」
京太郎「じゃあ腹減ってないか? さっき購買で菓子パン買ってきたんだ」
咲「だ、大丈夫だから……」
京太郎「あ、肩揉んでやろうか? お前はあんまこってなさそうだけど――」
咲「あーもうっ、あっち行ってて!」
久「……なにかしら、あれ?」
まこ「ふむ、思春期の妹にかまう世話焼きな兄、デリカシーに欠けるエディションっちゅーところかの」
久「妹と兄、ねぇ」
まこ「昔馴染みということじゃ。前からあんな関係だったのかもしれんの」
久「なんにしても、私の知らない時期なのよね」
和「先輩と咲さん、なんだかいつもより距離が近いように見えますね」
優希「もしかして、一線を超えてしまったとか?」
和「そ、そんなオカルトありえません!」
優希「もちろん冗談に決まってるじぇ」
京太郎「……」ズーン
和「……落ち込んでますね」
優希「まるで妹に嫌われたシスコンの兄だじぇ」
和「大丈夫でしょうか?」
優希「こういう時の対処法は……思いっきり甘えてあげることだじぇ!」
優希「せんぱーい、ターコースー!」
京太郎「しょうがないな……ほら、大事に食べろよ」
優希「いっただきまーす! むぐむぐ……ごちそうさまだじぇ!」
京太郎「ものの二口でっ」
咲「さっきまでは私にかまってたのに……京ちゃんのバカ」
久「京太郎、ちょっといい?」
京太郎「ん? 部活はもう終わりじゃないのか?」
久「大したことじゃないけど、これ」
京太郎「……牌譜?」
久「去年の男子個人戦のやつね。参考になりそうなのピックアップしてみたの」
京太郎「ピックアップって……これけっこう多くないか?」
久「男子の方が女子より競技人口が多いのよ。まぁ、最近は女子の方が粒ぞろいって言われてるんだけどね」
京太郎「たしかに雑誌で取り上げられてんのも女子ばっかなんだよな」
久「それは単に見栄えの問題だと思うけど……はい」
京太郎「おう、サンキュー。悪いな、久ちゃんも練習があるのに」
久「今まであんたにしてもらったことに比べればね」
京太郎「……久ちゃん、俺は」
久「自分のためだって言いたいんでしょ? じゃあこれは私の自己満足だから黙って受け取ること、いい?」
京太郎「参ったな、そう言われたらな」
久「ま、頑張んなさい」
京太郎「で、他になんもないの? 激励のキス的な」
久「バーカ、調子乗んな」
京太郎「さて、まだ明るいな……」
京太郎「せっかくだし、もう少しどこかで打っとこうかな?」
京太郎「ネト麻よりも生の相手と打ちたいし」
京太郎「まこっちゃんのとこでも行ってみるかな……ん?」
――キキーッ!
京太郎「……なんだあのフォルクスワーゲン。危ない運転すんなー」
京太郎「停車して誰か降りてくる? いや、誰もいないような……」
京太郎「いや待て、やっぱり誰かいる」ジー
京太郎「あれは……」
桃子「ふう、どうにか車を降りることに成功したっす」
桃子「加治木先輩がいないのにあの運転はさすがに辛いっすよ……」
桃子「うちの部長さんは初心者マーク付きなのに無理しすぎっすね」
桃子「かおりん先輩……なむなむ」
京太郎「お、やっぱり。たしか東横だよな?」
桃子「うわっひゃあ!」ビクン
京太郎「うおっ、びっくりさせるなよ」
桃子「それはこっちのセリフっすよ!」
京太郎「いくらなんでも過剰に反応しすぎだろ」
桃子「それは、話しかけられるはずないとこで話しかけられれば――」
桃子(私が、話しかけられた?)
桃子(特になにもしていないはずなのに……)
桃子(この金髪さん、本当に……)
桃子「……」ジー
京太郎「なんだよ、見物料取るぞ?」
桃子「……」ジー
京太郎「突っ込めとまでは言わないけど、無視か」
桃子「……」ジー
京太郎「……ほっぺたつまんでやろうかな?」
桃子(やっぱりそんなすごそうな人には見えないっす)
桃子(一見ただのチャラ男にしか)
桃子(偶然が二度続いた? でも――)
桃子「――なにしようとしてるっすか?」
京太郎「こっちのこと無視するからほっぺたつねってやろうかと」
桃子「ま、またそうやって私の体に触れようと……!」
京太郎「あー、この前のは事故だ。悪かったよ」
桃子「……本当っすかね?」ジトッ
京太郎「てかお前、後ろから近づいてきてたろ。そんなピンポイントで狙えるか」
桃子「じゃあ、そこかって掛け声は?」
京太郎「後ろからの気配を察知して……とか?」
桃子「どこの達人っすか」
京太郎「知るか」
桃子「……もうわかったっすよ」
京太郎「そうか、そりゃよかったよ」
桃子「つまり、金髪さんは隙あらば女の子の体に手を伸ばす変態さんと」
京太郎「お前がなんにもわかってないことはわかった」
桃子「こうなった以上、放置しておくわけにはいかないっす……!」
京太郎「え、なにこのめんどそうな流れ」
桃子「勝負っすよ!」
京太郎「……もーいーかい?」
京太郎「なんて言っても聞こえるはずないか」
京太郎「まったく……高三になってかくれんぼをやるはめになるとは……」
京太郎「デパートのこのフロアに隠れてるんだよな?」
京太郎「まぁ、それだったら見つけられないこともないか」
京太郎「さて、久ちゃんとならしたかくれんぼの腕、見せてやるとするか」
桃子(かくれんぼ勝負、しかも私は隠れるだけ)
桃子(これ以上有利な条件はないっす!)
桃子(普通通りにしてた今までならともかく、本気で隠れる気になった私を見つけるのは不可能)
桃子(……あのおっぱいさんならそれでも見つけてくるかもしれないっすけど)
桃子(とにかく、この勝負に勝ったら先輩との過去を洗いざらい聞き出すっす)
桃子(そして用が済んだら後はポイーっすよ!)
京太郎「お、ここにいたか」
桃子「……へ?」
京太郎「案外普通に隠れてたな。拍子抜けした」
桃子「な、なななっ、なんでっすか!?」
京太郎「なんでって言われても、隠れてるのを見つけるのがこの遊びだろ」
桃子「な、何かの間違いっす……」
京太郎「んで、これは俺の勝ちってことでいいんだよな?」
桃子「うう、うぅぅぅ」プルプル
桃子「もう一回! もう一回っす!」
京太郎「いや、素直に負けは認めようぜ」
桃子「しょ、勝負は一度きりと誰が言ったっすか?」
京太郎「あー、そういうこと言っちゃうか」
桃子「とにかく! 私が隠れて金髪さんが鬼っす!」
桃子「ここなら……」
京太郎「はいみっけ」
桃子「いくらなんでもここは……」
京太郎「いたいた」
桃子「まさか通風口に隠れてるとは思わないっすよね?」
京太郎「残念、見つけちゃうんだな」
桃子「イカサマ! イカサマに決まってるっす!」
京太郎「言うに事欠いてそれか」
桃子「きっと発信機がついてるに決まってるっす!」
京太郎「ま、疑いたいならお好きにどうぞ。なんも見つかんないと思うけどな」
桃子「うぅ……」
京太郎「で、もう負けを認めるのか?」
桃子「……」プイッ
京太郎「沈黙は肯定な。それじゃ、買った方の言うことをひとつ聞くだっけ?」
桃子「な、なでも言えばいいっす。覚悟はできてるっすからっ」
京太郎「うーん、じゃあ……」
桃子「イカサマ! イカサマに決まってるっす!」
京太郎「言うに事欠いてそれか」
桃子「きっと発信機がついてるに決まってるっす!」
京太郎「ま、疑いたいならお好きにどうぞ。なんも見つかんないと思うけどな」
桃子「うぅ……」
京太郎「で、もう負けを認めるのか?」
桃子「……」プイッ
京太郎「沈黙は肯定な。それじゃ、勝った方の言うことをひとつ聞くんだっけ?」
桃子「な、なんでも言えばいいっす。覚悟はできてるっすからっ」
京太郎「うーん、じゃあ……」
桃子(ああ……きっとこれで清らかな体とはおさらばっすね)
桃子(しかも相手がこの金髪の変態さんだなんて……)
桃子(先輩……私、汚されてしまうっす)
京太郎「飯食いに行くか」
桃子「……え?」
京太郎「もう晩飯時だし、腹減っててさ」
桃子「そ、それだけっすか?」
京太郎「もしかして変なことされるって思ってたか? 青いなぁ、後輩!」
桃子「ちょっ、違うっすよ!」カァァ
京太郎「うーん、外で食うラーメンはやっぱうまい」
桃子「……」ズズー
京太郎「どうした? さっきから黙り込んでるけど」
桃子「……別になんでもないっす」
京太郎「そうか? まあ、ここのラーメンはおいしいからな」
桃子(……屋台に女の子連れてくるってどうなんすかね)
桃子(もしかして、女として見られてないっすか?)
桃子(それはそれでムカつくっす……!)
京太郎「ほい」
桃子「え? なんすかこれ」
京太郎「玉子。物欲しそうにこっち見てたから」
桃子「……もらえるものはもらっとくっす」
京太郎「うん、やっぱり素直が一番だな」
京太郎「ごちそうさーん」
桃子「ごちそうさまっす」
京太郎「どうだった? おいしかったか?」
桃子「悪くはないっすね」
京太郎「つまりおいしい、と」
桃子「そんなこと言ってないっす」
京太郎「お前はどうも俺の言葉を素直に受け止めようとしないからな」
桃子「……ふんっ」プイッ
京太郎「あらら」
京太郎「……加治木のことだろ?」
桃子「はい?」
京太郎「お前、加治木のことが聞きたかったんだろって」
桃子「な、なんでわかったっすか」
京太郎「なんでもなにも、あいつぐらいしか接点無いだろ」
桃子「それは……そうっすね」
京太郎「まぁ、別に隠すようなことでもないし教えてやるよ」
京太郎「あいつとは中二のとき初めて会ったんだ」
京太郎「ハンドボールの練習試合の時に声掛けられてさ」
京太郎「それから一回試合見に来て……あとは中三になるまで顔を合わせなかったな」
京太郎「あいつは……恩人なんだろうな」
京太郎「きっとあの時強引に引っ張ってもらわなかったら、俺はここにいなかったと思うし」
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