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    元スレ京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」

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    201 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 02:19:54.95 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-56)


    (森林限界を超えた嶺上の花には、届かない!)


    「2000・1000!」


    「ほう……これはこれは」


    ゆみ(今、一瞬だけあの引きずりこまれる感覚が緩まった?)

    ゆみ(清澄……なにかしたのか?)

    ゆみ(まあいい、今は乗らせてもらおう)


    202 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 02:27:31.45 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-58)



    (支配力じゃ及ばなくても、嶺上牌をツモれれば勝機はある)

    (カンができれば……でも、刻子がないよ)

    (それなら――)


    「――ポン」


    ゆみ(オタ風を鳴いた? 一体何のために)

    ゆみ(……まさか、カンをするためか?)

    ゆみ(ならば――)


    「来た……カン」


    (加槓……これで!)


    ゆみ「――ロン」

    203 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 02:34:58.22 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-135)


    「……え?」

    ゆみ「嶺上牌を取る必要はない、そう言った……槍槓だ」


    (字牌の槍槓……それって、まさか!)


    ゆみ「国士無双、32000」



    桃子「先輩かっこいいっす!」

    智美「ユミちん決めてくれるなー」

    佳織「国士無双って一番点数高いやつじゃ……す、すごい」

    睦月「妹尾さんがそれ言うのはどうかと思う」

    智美「まったくだなー」

    桃子「かおりん大砲は二回ぶっぱなしたっすからね」

    佳織「ええっ」


    204 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 02:41:07.70 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-130)



    ゆみ(さて、どうにか二位にこぎつけたか)

    ゆみ(さっきの国士は奇跡みたいなものだ)

    ゆみ(手が進まないならいっそと無茶を狙ったのが当たった……それだけだ)

    ゆみ(だが、なんにしてももらえるものはもらった)

    ゆみ(前半のラス親……上がっておきたいところだ)


    (……どうしよう、三位に落ちちゃった)

    (天江さんに集中してて、あっちに注意が行かなかったよ……)

    (まだそこまでの点差じゃない……けど)


    ゆみ「ノーテン」

    華菜「ノーテン」

    「ノーテンです」

    「聴牌」


    205 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 02:46:41.78 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-93)



    透華「衣が上がれないなんて……」

    「今更様子見ってわけでもなさそうだしな」

    智紀「多分、清澄の子が原因」

    「宮永咲……須賀くんが言ってた子だよね」



    ゆみ(結局ノーテンで流局か)

    ゆみ(まだもう半荘ある)

    ゆみ(巻き返せるチャンスはいくらでも、な)


    華菜「……ツモ」

    206 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 02:50:45.76 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-83)


    「えっ」

    ゆみ「……」

    「ほう?」


    華菜「まったく、さっきから華菜ちゃん無視して盛り上がりすぎだし」

    華菜「でもそろそろ終わりだし」

    華菜「ここから華麗に逆転して――」


    ゆみ「いいから早く点数申告をしてくれないか?」


    華菜「わかったよもう……はい――」


    華菜「四暗刻単騎、16000オール!」

    華菜「さぁ、連荘だし!」


    207 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 02:54:13.32 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-88)



    美穂子「華菜……!」

    未春「やった!」

    星夏「ま、また役満……」

    「でもこれで鶴賀と僅差で三位」

    「あいつ……やるじゃねえか」



    「……ふふっ」

    「楽しい……楽しい!」

    「衣は今、楽しい!」


    華菜「な、なんだよいきなり」トン


    「ロン、8300」


    華菜「え゛っ」


    ゆみ(早い……!)

    華菜(海底ツモだけじゃないのかよぉ)


    「後半も楽しみだ!」


    208 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:00:07.53 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-121)



    『前半戦終了!』


    「……なんともハラハラする展開ね」

    まこ「国士の槍槓は痛かったのぉ」

    京太郎「四位か……まだ逆転できないこともないけどな」

    「……」ギュッ

    優希「のどちゃん……」


    京太郎「……」


    京太郎(なにか、なにかできることはないか?)

    京太郎(あいつだって昔のように打ててたら、もっと……)

    京太郎(……昔のように?)


    京太郎「ちょっと出てくる」

    「咲のところ?」

    京太郎「ああ、最後のアドバイス」

    「そう……じゃあ私の伝言も頼むわ」

    京太郎「わかった」


    209 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 03:02:08.81 ID:lJFtqtlW0 (+19,+29,-9)
    後輩に「生足がイイ」と伝える系男子
    210 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:03:41.44 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-52)



    「最下位……どうしよう」

    「このままじゃ部長の夢も、和ちゃんも……」


    京太郎「なに暗い顔してんだよ」


    「……」

    京太郎「まぁ、お前の気持ちもわかるよ。俺もハンドの試合ででっかいビハインド背負ったときは暗い気分になったさ」


    京太郎「そんなわけで先輩からのアドバイスだ」

    211 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:09:32.08 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-118)


    「今更なんですか……」

    京太郎「余計なこと考えないでリラックスしろ。家にいる時みたいにさ」

    「こんな状況じゃできないよ……」

    京太郎「じゃああれだ。試合後のご褒美のことでも考えとけ」

    「ご褒美?」

    京太郎「主に出費は俺だから、好きなものでいいぞ」

    「……わかりましたからもうほっといてください」

    京太郎「はいはい。じゃあ俺は退散するよ」


    京太郎「最後に一つ。勝敗は気にせず楽しめって久ちゃんが言ってたぞ」


    京太郎「じゃあな」

    「……」


    「無理だよ、そんなの」


    212 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:14:33.50 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-141)



    「大将戦もいよいよ後半に突入しました」

    靖子「さっきから役満が飛び出してるな」

    「龍門渕の一人浮きで、鶴賀と風越が僅差……そしって清澄が最下位ですか」

    靖子「他のところが上がり下がりしている中で龍門渕だけは安定している。さすがと言ったところだね」

    「このまま優勝は龍門渕で決まりでしょうか?」

    靖子「おいおい、まだ半荘も残ってるんだぞ? それに、清住が黙りっぱなしとも思えない」

    「宮永選手でしょうか?」

    靖子「あの久が連れてきた秘蔵っ子だからな。まだ何かやってくれると私は思ってるよ」


    213 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:19:42.98 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-99)



    (リラックスしろ、楽しめって言われても……)


    ゆみ「ロン、7700」


    華菜「ツモ、4000・2000!」


    「ふふっ、海底撈月! 6000・3000」


    (こんなんじゃ、楽しめないよ……)

    (場の支配は多少抑え込めてるけど、なんだか上がれる気がしない)

    (牌だって応えてくれないし……)

    (どうして、こんな時に傍にいてくれないの?)

    (お姉ちゃん、京ちゃ――)


    「あっ」

    214 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:26:21.99 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-110)


    (欲しいもの、一つだけならあった)

    (……負けたく、ないな)


    「すみません、靴下脱いでもいいですか?」

    「えっ、ああ……構いませんよ」

    「よいしょ……」ヌギヌギ


    (サキの雰囲気が変わった?)

    (まだ楽しませてくれるということか……!)


    「……サキ」

    「なに?」

    「衣には欲しいモノがある」

    「うん、私も」

    「きょうたろーが欲しい。焦がれて焦がれてやまない」

    「そう……でも、渡さない」


    「京ちゃんは、絶対に……!」ゴッ


    215 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:31:01.42 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-99)

    華菜(何の話だかさっぱりだし)

    ゆみ(話の内容はさておき、清澄が盛り返してきそうだな)


    「……」ズズズッ


    (場の支配……私のは天江さんほど色々できるわけじゃない)

    (もともと勝ちもせず、負けもしないように使ってたものだから)

    (プラスマイナスゼロ……これやるのはいつぶりかな?)


    華菜(なんだ、これ? 自分が進んだぶん、戻らされるような……)

    ゆみ(引きずり込まれる力が弱まったと思ったら、今度は……!)


    「支配の力が強まった……面白い!」


    216 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:33:56.66 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-117)



    「ロン、12000」


    「ツモ、2600・1300」


    「ツモ、4000・2000」


    華菜(なんだよこれ……)

    ゆみ(化物の独壇場だとでも言うのか?)


    「ツモ! 6000オール!」

    「――っ」


    (衣が競り負けた!?)

    (支配力が拮抗してきている……そうなのか?)

    (もう月も昇りきったはずなのに……)

    217 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:38:53.04 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-88)


    華菜(あーもう! 調子乗んなっ!)


    華菜「リーチ!」

    華菜「一発ツモ! 8100・4100!」


    「なっ」

    「まだ折れないか」

    華菜「いい加減華菜ちゃんもまぜろよ!」


    ゆみ(オーラス……私のラス親か)

    ゆみ(まわりは強敵はおろか、化物まで揃っている)

    ゆみ(だけどまだ、勝ちの可能性はゼロじゃない)

    ゆみ(私一人諦めるわけにはいかないな……!)


    ゆみ「……ツモ、4000オール」

    ゆみ「こんな楽しい試合なんだ。私もまぜてくれ」

    218 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:44:21.77 ID:g3c8OfZc0 (+93,+30,-134)


    華菜「ふふん、どうせ勝つのは華菜ちゃんだし」

    「ふん、烏滸言をほざく」

    華菜「よくわかんないけど馬鹿にされた気がするし!」


    ゆみ「連荘だ」


    ゆみ(ここに至って、誰もが逆転のチャンスがある)

    ゆみ(天江の圧力とは別のものが広がり、拮抗しているせいか)

    ゆみ(ダマで18000、リーチで24000……是非もない)

    ゆみ(ここで終わらせる……!)


    ゆみ「リーチ!」


    華菜(にゃにゃっ! すごい手が来たし! リーチで数え!?)

    華菜(もうオーラス。これを上がれないようじゃ勝ちは見えない)

    華菜(なら、やることは一つだし!)


    華菜「リーチ!」


    219 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:48:03.46 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-104)



    「鶴賀と風越がリーチをかけました」

    靖子「勝負を決めにかかってるな」

    「しかし、鶴賀はダマで張り通せば次局もあるのでは?」

    靖子「たしかにその方が確実に上がれるが、決着がのびたぶん誰かが上がる可能性も増える」

    「なるほど」

    靖子「それに、今は勢いがある。それに乗ったんだろうな」


    靖子「最後の大一番、見逃せないな」


    靖子(衣、今のお前ならわかるだろう?)

    靖子(そこにいるのは自分で麻雀を売っている者たちばかりだ)


    220 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:51:10.19 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-116)



    「あはっ」

    華菜「な、なんだよ」

    「福楽は刹那の中にある……今まさにこの時だ」


    「リーチ!」


    「この熱気に、衣も身を任せてみようと思う」

    「サキもそう思わないか?」


    「……うん」

    「麻雀って、やっぱり楽しいよ」

    「だから、全力で勝ちに行く……ポン!」


    ゆみ(また加槓か? あいにく、今は国士を張っていない)

    華菜(でも、なんかヤバそうなオーラだし)

    (嶺上の花を咲かせるつもりか? でもそれじゃ衣には届かない)

    221 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:55:30.20 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-37)


    「――カン」

    「もいっこ、カン」

    「さらに――カン!」


    ゆみ(いったいどこまでいくつもりだ……!?)

    華菜(くっそ、見てるだけなんて!)

    (まさか――)


    「最後に……カン!」


    「ツモ……四槓子、役満です」


    222 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 03:58:32.83 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-87)



    『長野県予選決勝、勝利をもぎ取ったのは――清澄高校ですっ!!』


    京太郎「やったな!」パシッ

    「そうね!」パシッ

    まこ「やれやれ、一時はどうなることかと思うたが……」

    「咲さん……私、迎えにいってきます!」ダッ

    優希「私も行くじぇ!」ダッ


    京太郎「一年坊たちは行っちまったな」

    まこ「わしらはどうする?」

    「行きましょう。抱きついてなでなでしてあげなきゃね」

    まこ「なんじゃそりゃあ……」


    223 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:01:34.44 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-121)



    (プラマイゼロ……久しぶりにやったけどうまくいかなかったな)

    (最後のリーチ棒三本分、はみ出ちゃった)


    「サキ」

    「なに?」

    「礼を言う。こんなに麻雀を楽しめたのは久しぶりだ」

    「私も……久しぶりに心から麻雀を楽しいって思えた」

    「役満で負けるなんて……きょうたろーと打った時のことを思い出す」

    「え?」


    華菜「おい、清澄の!」


    「な、なんですか」

    華菜「来年は、来年はこうはいかないんだからな!」

    「は、はぁ」

    「それ、去年も衣に言ってたよ?」

    華菜「うっ……とにかく! 覚えておくし!」タタッ

    224 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:04:59.14 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-105)


    「……なんだったんだろう?」

    ゆみ「来年か……私にももう一年あればな」

    「あ、お疲れ様です」

    ゆみ「見事だった。あんな役で上がるやつは初めて見たよ」

    「あはは……私も初めてです」

    ゆみ「楽しかったよ。もう少しだけ打っていたかった」

    「本当に? 本当に楽しかった?」

    ゆみ「ああ……負け惜しみに聞こえるかもしれないが」

    「ううん、衣も真に楽しめたっ」

    ゆみ「機会があったらまた打とう。じゃあ」

    「ばいばーい!」


    「咲さん!」

    優希「咲ちゃん!」

    225 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:06:55.67 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-137)


    「和ちゃん、優希ちゃん」

    「ありがとうございます、本当に……」

    「そんな、私だって勝ちたかったし……」

    優希「咲ちゃんにはこの先輩特製タコスを進呈するじぇ!」

    「そ、それはちょっと興味が……」


    「……ペンギンさん」


    「エトペンのことですか?」

    「そうか、その子の名はエトペンというのか……ちゃんと持ち主に会えたんだな」

    「まさか、これを拾ってくれた人って……」

    「うん、衣がきょうたろーに預けた」

    「あ、ありがとうございますっ」

    「べ、別に衣はペンギンさんがかわいそうだと思っただけで」


    京太郎「なんでそこで素直にならないんだ、お前は」グニグニ

    226 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:09:53.42 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-165)


    「ひょうひゃろー!」

    京太郎「咲、よく頑張ったな」

    「う、うん」

    「離せっ、まったくきょうたろーは」

    京太郎「まったくはこっちのセリフだ……ほら、迎えが来たぞ」


    透華「衣っ!」


    「透華……」

    透華「よく、頑張りましたわ」

    「でも、負けちゃった」

    透華「私たちには来年がある……気にすることはありませんわ」

    「うん……」

    透華「戻りましょう。みんな待ってますわ」

    「わかった。じゃあきょうたろー、サキ、さよならだ」

    京太郎「気をつけて帰れよ」

    「また一緒に打とうね」

    227 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:13:57.38 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-89)


    「咲っ」ダキッ

    「わっ」

    「あーもう、よくもやってくれちゃってぇ」スリスリ

    「ちょっ、ぶ、部長!?」


    優希「部長がご乱心だじぇ」

    「でも、ちょっと気持ちはわかります」

    優希「まさかのどちゃん、そっちの気が!?」

    「違います! そっちってどっちですか!」


    まこ「やれやれ、止めんのか?」

    京太郎「いいだろ、たまにはさ」

    まこ「じゃな」


    228 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:16:54.07 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-118)



    「さ、帰るわよ!」

    優希「今夜は祝杯だじぇ! 飲んで食いまくりだじぇ!」

    「ゆーき、お酒は二十歳になってからですよ?」

    まこ「いやいや、冗談じゃろ」


    京太郎「お前、やっぱ強いよな」

    「お姉ちゃんほどじゃ……」

    京太郎「どうだろうな。照ちゃんもお前は強いって言ってたし」

    「お姉ちゃんが……」

    京太郎「俺のアドバイス、役に立ったろ?」

    「うん」

    京太郎「そういやさ、何か欲しいものとかあるか? ほら、ご褒美の件」

    「あ、そういえば」

    京太郎「今思い出したって顔だな」

    229 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:23:56.15 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-127)


    (ど、どうしよう……本当に欲しいものなんて言えないし)

    (じゃあ何か別のもの? ……急には思い浮かばないよ!)


    京太郎「ものすごく悩んでるとこ悪いけどさ、別に今じゃなくていいんだぞ?」

    「で、でも……後になって誤魔化されるのはやだし」

    京太郎「お前は俺をなんだと思ってるんだ……」


    (本当に欲しいものは言えないけど……)


    「あの、じゃあ……」


    (これぐらいなら、ありだよね?)


    「手、つないで帰ってもいい?」


    「――京ちゃん」




    『三年、初夏、男子個人戦』が解放されました
    230 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:24:28.72 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,+0)
    選択済みエピソード

    ・一年
    入学式、久との再会
    春、美穂子登場
    春、二人のあいだにある壁
    美穂子再び
    初夏、久との対立
    初夏、美穂子への依頼
    初夏、美穂子との特訓
    初夏、決戦前夜
    決戦
    初夏、リスタート
    夏、新たな出会い
    夏、欠けた月
    夏、初めての執事(アルバイト)
    夏、衣の麻雀講座
    今宵、月が満ちるとも
    夏休み、遠征初日
    夏休み、松実姉妹
    夏休み、遠征二日目――鹿児島
    夏休み、眠り姫
    夏休み、遠征三日目――大阪
    夏休み、目覚めぬ未来
    夏休み、遠征四日目――岩手
    夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
    夏休み、遠征最終日――東京
    夏休み、グランドマスター
    夏の始まり
    エピローグ
    その後の美穂子
    秋、バイト執事再び
    秋、衣の誕生日(略してころたん)
    秋、膝枕の日
    秋、祭りの後で
    秋、恋敵?
    冬、雪の降り始め
    冬、年の初めに
    冬、画面の向こう側
    冬、節分の前の日
    冬、アラフォー(予備軍)
    三月八日、一年後の誕生日
    三月十五日、好みのタイプは?
    三月十六日、初めてのお出かけ
    三月、おもちと温泉と
    三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)
    231 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:25:50.08 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,+0)
    ・二年
    部活動紹介、まこ入部
    春、学食にて
    美穂子との再会
    初夏、ストーカー?
    初夏、池田の逆襲
    初夏、タイムリミット
    初夏、県予選開始
    初夏、団体戦決着
    初夏、縺れた糸
    初夏、まこの苦労日記
    初夏、ライバル
    夏、全国へ
    夏、ワールウィンド
    夏、奈良の王者
    夏、修羅の国のクールビューティー
    夏、大阪の魔物
    夏、大阪の姉妹
    夏、神代の姫
    夏、一番目と二番目
    夏、スリーピングビューティ
    秋、次の目標
    秋、まこの苦労日記その2
    秋、二人と一人
    冬、旅行に行こう
    冬休み、小悪魔
    冬休み、ゆきみだいふく
    冬休み、神社の娘と王者の進路相談
    冬休み、はとこ
    エピローグ
    五月十日、膝枕とおんぶ
    八月二日、パンツの日
    秋、月見の夜に
    秋、キャットチャンバー
    秋、初めての学校祭
    秋、牌のお兄さん
    秋、こどな
    秋、苗字と名前
    冬、記憶と縁
    冬、王者の休日
    冬、蓼食う虫もなんとやら
    冬、鎖でつなぐもの
    三月、主役のいない旅行
    三月、ゆきが消える前に

    ・三年
    優希との出会い
    春、和の初恋?
    春、インハイチャンプ
    初夏、最後の一人
    初夏、不和
    和の悩み
    咲との微妙な関係
    優希の好物
    初夏、合宿
    初夏、家庭訪問@原村家
    初夏、最後の県予選
    初夏、鏡
    初夏、見えない彼女の見つけ方
    初夏、決意
    初夏、県予選決勝戦
    初夏、東風とビギナーズラック
    初夏、個人戦9位と卓上の天使
    初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月

    ・EX
    小学五年、幼馴染
    小学五年、嫉妬
    中学二年、初夏、ゆみとの出会い
    中学二年、夏、試合観戦
    中学二年、三月、照との別れ
    中学三年、初夏、空白
    232 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:26:17.71 ID:g3c8OfZc0 (+95,+30,-73)
    『三年、秋、天照大神』の解放条件を一部満たしています

    三年編のインターハイを終わらせることで完全に解放されます


    現在選択可能エピソード

    1・二年、秋、ロッカーの中

    2・三年、初夏、男子個人戦



    >>+2
    233 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 04:27:26.35 ID:RwdQq3Sg0 (-29,-17,-1)
    1
    234 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 04:28:18.13 ID:DMZHRENzO (+197,-17,-1)
    1
    235 : ◆E9fuiK - 2015/08/26(水) 04:30:08.46 ID:g3c8OfZc0 (+89,+29,-5)
    1で了解

    上埜さん激おこですね

    それじゃ、沈みます
    236 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 04:32:26.86 ID:RwdQq3Sg0 (+22,+29,-2)
    おつー

    ゆっくり休んで下せぇ
    237 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 04:33:33.80 ID:DMZHRENzO (-9,+5,-2)
    238 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 07:25:35.03 ID:PFAgeJuoo (+10,+25,+0)
    おつかれー
    239 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 07:32:46.35 ID:83GMqMRbO (-29,-17,-2)
    乙ー
    240 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 10:10:08.72 ID:0xGw/ijG0 (+24,+29,-4)
    やっぱり京咲がNo.1!

    とでも言うと思いましたか咲さん
    241 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 12:42:54.22 ID:8eEOX17Wo (+24,+29,-5)
    遂にここの咲さんからの京ちゃん呼び
    やはり京咲がno.1
    242 : 以下、名無しにか - 2015/08/26(水) 17:13:50.10 ID:HGzPjI9uO (-4,+10,+0)
    乙です
    243 : 以下、名無しにか - 2015/08/27(木) 01:29:54.54 ID:nB4ZElKEO (+19,+29,-3)

    ここからが楽しくなってくのさ
    244 : ◆E9fuiK - 2015/08/28(金) 23:33:31.61 ID:6pGlOthI0 (+23,+28,+0)
    こんばんわー

    もうちょっとしたらやります
    245 : 以下、名無しにか - 2015/08/28(金) 23:36:00.84 ID:/vGApWg00 (+9,+24,-1)
    ほいきた
    246 : ◆E9fuiK - 2015/08/29(土) 00:01:03.09 ID:WVpIRnmT0 (+17,+27,+0)
    それじゃ、始めます
    247 : ◆E9fuiK - 2015/08/29(土) 00:07:48.72 ID:WVpIRnmT0 (+95,+30,-134)


    ・二年、秋、ロッカーの中


    「明日、美穂子が来るってさ」

    京太郎「みほっちゃんが? なんでまた」

    「なんでって、遊びに来るんでしょ」

    京太郎「ふーん、遊びにね」

    「あ、変なことは考えないようにね」

    京太郎「別に変なことなんて考えてないって。ただちょっと一緒にご飯でもって思っただけだ」

    「つまり、可愛い女の子を誘ってご飯を、あわよくばその先をと」

    京太郎「言ってない、そこまで言ってないから」

    「私だったら別にいいわよ?」

    京太郎「じゃあ飯食いに行こうぜ。今日のレディースランチはうまそうだし」

    「その後は?」

    京太郎「そうだな……保健室にでも寝に行くか?」

    「あら、いいの?」

    京太郎「じょ、冗談だから……」


    248 : ◆E9fuiK - 2015/08/29(土) 00:13:52.81 ID:WVpIRnmT0 (+95,+30,-145)



    京太郎「というわけで、明日みほっちゃんが遊びに来るらしい」

    まこ「はぁ、そうですか」

    京太郎「おいおい、興味ナッシングか」

    まこ「いや、買い物に付き合わされた原因がそれかと思うと」

    京太郎「なんだよー、先輩と後輩のコミュニケーションじゃないか」

    まこ「わしゃあ、ただ引っ張り回されてただけのような気がします」

    京太郎「そう言うなって。ちゃんとジョークグッズだって手に入ったし」

    まこ「ジョークグッズって……何する気ですか」

    京太郎「ほんのささやかなおもてなしってやつだ」ゴソゴソ


    京太郎「ほら、これよくできてないか?」ヒョイッ

    249 : ◆E9fuiK - 2015/08/29(土) 00:19:16.73 ID:WVpIRnmT0 (+88,+30,-218)


    まこ「うわっ、こ、この黒光りしたボディはっ」

    京太郎「触った感じとかめっちゃリアルだろ思うんだよ。本物触ったことないけど」

    まこ「……この、今にも飛んできそうなブツをおもてなしに?」

    京太郎「ジョークグッズだからな。一発驚かせて終了だよ」

    まこ「下手したら部長に絞め殺されそうなもんですけどね」

    京太郎「そしたら俺の命が終了だ」

    まこ「そんなとこで命張ってどうするんですか」

    京太郎「いや、でもどんな反応するのかすっごい楽しみなんだよな」

    まこ「先輩は童心を忘れない方のようで」

    京太郎「だろ? いつまでも少年のように真っ白な心なんだ」

    まこ「いたずら小僧の間違いでしょうに」

    京太郎「じゃああれか、好きな子をいじめたくなる小学生の心理か?」

    まこ「どっちでもいいですけど、ふざけすぎると本気で怒られますよ?」

    京太郎「うっ……たしかにマジギレされたら手に負えなくなるな」

    まこ「それがわかっとるんなら不用意な真似はしないように」


    250 : ◆E9fuiK - 2015/08/29(土) 00:26:57.30 ID:WVpIRnmT0 (+95,+30,-182)



    京太郎「やっぱこの黒光りしたGはまずいか……」

    京太郎「買い物の最中に盛り上がりすぎて我を忘れてたな、こりゃ」

    京太郎「他には……触るとビリっとくるキーホルダーに振動機能付きの棒、あとはなぜか売ってた清澄のセーラー」


    京太郎「……俺は一体何を買ってるんだ」


    京太郎「ヤバイ、どうしようこれ。処分に困る」

    京太郎「というか後輩の女子をつれてこんなものを買うって……我を忘れるってレベルじゃねーよ」

    京太郎「家に置いとくのは危険だし……主に母親の目が」

    京太郎「かといって捨てるのもなんか気が引けるし……」

    京太郎「そういや、部室に使ってないロッカーあったよな?」

    京太郎「誰も開けないだろうし、明日の朝イチそこに放り込んどくか」


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