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    元スレヒカル「佐為。オレ、強くなったかな?」

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    251 = 248 :

    ヒカルは行き先を告げぬまま、奈瀬の手を取り、ある場所に向かった。

    その場所とは。


    奈瀬「ここって、棋院じゃない。ヒカルくん、行きたい所って、
    もしかして」

    ヒカル「そっ、ここ。ちょっと待っててくれよな」

    ヒカルは奈瀬を待たせて、売店に向かった。
    そして。

    ヒカル「お待たせ」

    奈瀬「?」

    ヒカル「奈瀬、オレからもプレゼント。オレの方は奈瀬の合格祝いな」

    奈瀬「えっ。これって……」

    奈瀬はヒカルから扇子を手渡された。

    252 :

    婚約扇子ですね

    253 = 248 :

    ヒカル「奈瀬もこれからプロだからな。一人前になったってことで」

    奈瀬「…………」

    ヒカル「奈瀬?」

    奈瀬「あ、ご、ごめん。ヒカルくんに渡すだけだった筈なのに、まさか
    私の方がこんなの貰えるなんて思ってなかったから、ビックリしちゃって」

    ヒカル「そっか。でも奈瀬はオレの弟子だからな。弟子が合格したからには
    師匠としてお祝いの一つでもしないと」

    ヒカル「師匠のオレだけ貰ってちゃ示しつかねーし」

    奈瀬「わ、私別にそんなつもりでプレゼントした訳じゃ」

    ヒカル「分かってるよ、そんなの。でも、受け取ってくれないか。オレの
    気持ちもこもってるしな」

    254 = 248 :

    奈瀬「ヒカルくんの、気持ち?」

    ヒカル「うん。プロ試験の最終日、奈瀬と越智の一局。あれ見て思ったんだ。
    奈瀬の手ってオレの打つ碁に似てるなって」

    ヒカル「そりゃ、まったく同じって訳じゃないぜ。オレが奈瀬を指導したの
    なんか1年とちょっとだし」

    ヒカル「でも……越智との対局で、奈瀬の手がオレの手とダブった。師匠
    として嬉しかったよ。オレの指導も無駄じゃなかったんだって分かって」

    奈瀬「…………」

    ヒカル「そういうワケだからさ。奈瀬にならオレの想い託せれると思うから、
    プレゼント」

    ヒカル「その扇子、隣にオレがいると思って持っててくれないか?」

    255 :

    こ、告白じゃないですかねそれは……

    256 :

    オチタナ……

    257 = 248 :

    奈瀬「………」

    ヒカル「奈瀬?」


    奈瀬は泣いていた。
    ヒカルは自分を認めてくれていた。ちゃんと見てくれていた。
    それが凄く嬉くて、次から次へと涙が溢れてしまう。

    奈瀬は思った。

    自分はヒカルの前じゃいつも泣いている。
    どうしてこの人は、私の心にこんなに入ってきてしまうんだろう、と。

    プロ試験の最終日。
    越智との対局の後もそうだった。

    合格が決まって、奈瀬は泣き崩れた。
    和谷も越智も、なんで合格したお前の方が泣くんだよと言ってきたが、
    だって仕方ないじゃん。嬉しかったんだもん、と、奈瀬は泣きながら
    答えた。

    そんな奈瀬を、ヒカルは頭を撫でながら「おめでとう」と言った。
    嬉しすぎて、涙はいつまでたっても止まってくれなかった。


    今日もやっぱり、涙が止まらない。

    ヒカルはいつものように、奈瀬の頭を撫でながら、泣き止むのを待った。

    258 :

    あそこの方もだだ濡れやんけ!

    259 :

    嬉ションか

    260 :

    名瀬ション

    261 = 248 :

    それからしばらくしての院生研修日。


    あかり「え?伊角さんやめちゃったの?」

    「ああ。卒業する奴だって普通3月までは残るのにな。
    しかもそれだけじゃない。九星会もやめたってさ」

    あかり「九星会も!?」

    「そっか。お前もやめてるから知らなかったか」

    あかり「……うん」

    「プロ試験の後、伊角さん落ち込んでたからな。電話とか
    掛けにくかったし、今日姿が見えないから篠田先生に聞いたらさ。
    やめたって話された」

    あかり「そうだったんだ…」

    262 :

    いたいけな高一を若作りした男がコマすシーンやな

    263 = 248 :

    「篠田先生は、伊角さんのためにはその方が良いかもって
    言ってたけどな」

    あかり「?」

    「一人になって冷静に自分を見つめ直した方が良いって」

    あかり「そうなのかな。私だったら傍に誰かにいて欲しいけど」

    「先生は、『伊角くんは納得してない。きっとまた来年受け
    に来る』って言ってたけどな。あー、あと、伊角さんのことは伊角
    さんに任せて、キミはキミのことを頑張りなさいって言われちまったよ」

    264 = 248 :

    「そーなんだよなー。今年こそ合格ーって思ってたから
    ショックでかいぜ」

    「今から高校受験の勉強だぜ?間に合うかビミョーすぎる」

    あかり「そんなにヤバイの?」

    「ヤバイに決まってるじゃねーか。学校の勉強なんざ全然
    してないってーの」

    「はぁぁぁぁ…」

    あかり(やっぱり、受験って大変なんだ。私はヒカルや日高先輩
    に勉強習ってるから成績よくなったけど、他の院生の子は碁の
    勉強ばっかりだもんね)

    265 :

    あかりは普通の子になるんだろうな…

    266 = 248 :

    越智「そんな様子じゃ、来年も落ちるんじゃない、和谷。
    高校入試も受からない奴が、プロ試験を突破出来るとは
    思えないけどね」

    「なにぉう!碁の腕と頭の出来は違うだろ!」

    本田「いやいや、逆に高校に行かずに碁の勉強を一日中
    やれば、和谷が一番受かりやすいぞ」

    「本田さぁん。それ冗談に聞こえねーぞ」

    本田「ははは」

    あかり「あははは…」

    267 :

    碁と普通の勉強以外はダメそうなヒカルを家庭的に支える方が合ってそうな気もする

    268 :

    次のプロ試験まで1年ヒカルと朝から晩まで打ってたら
    和谷は強くなるか……
    引き取ろう
    ってか

    269 = 248 :

    本田「まぁ、プロ試験は夏だからな。受験も終わってるし、あんまり
    心配することもないだろ」

    本田「今年受かった奈瀬だって、高校入試明けのプロ試験だったんだし」

    「そうそう!だからお前に心配される必要はねーんだよ、越智」

    越智「ふん。別に心配して言った訳じゃない。ただの事実さ」

    「ほんっとに口のへらねー奴だな、お前は!」

    本田「……さてと、来年こそはオレも受からなきゃな。伊角さんが院生
    やめたから、オレが最年長になったわけだし」

    越智「本田さんは来年、院生でいられる最後の年だもんね」

    本田「ああ、そういうことだな」

    270 :

    あかりやっと自分の置かれてる立場に気付き始めたか

    271 :

    二組の雑魚が一組の上位陣のグループに混ざる神経

    272 :

    >>268
    ヒカルもプロになったら忙しくなるだろうし今までみたいには打てないっしょ

    273 :

    女流だったら今のあかりでも頑張ったら手が届かないかな

    274 :

    あかりはモチベーションの低下が休んでる原因だからヒカルと共に囲碁を打つ意義を本人が生み出したら相当強くなるんじゃないか

    275 :

    ヒゲのおっさんとタクシーのおっさん碁会所のおっさんたちが
    ヒカルファンになる機会が無くなった?

    276 :

    あと 秀英は?韓国のスランプ小僧

    277 :

    この流れで北斗杯に社が出れるのか

    278 :

    ヒカル派閥で関西棋院殲滅ルート

    279 :

    本田「ところで和谷。さっき小宮と進藤の家に行くとか、
    話してなかったか」

    越智「え?」

    「ああ、してたしてた。奈瀬の奴、急に強くなったてだろ?
    まぁ、オレも自分自身、随分強くなったと感じてるんだけどさ」

    「これってやっぱり、オレも奈瀬も、進藤の家に行き始めて
    からだと思うんだよ」

    「森下師匠にも最近調子上がってるけど、何かあったのか
    って聞かれたし。時期的に丁度、進藤のとこに行き始めてから
    だったから、間違いなくあいつの影響だと思うんだ」

    「んで、小宮にさ。奈瀬やオレが強くなった理由聞かれて、
    たぶん進藤のおかげだって言ったんだ。そしたらさ」

    本田「自分も連れてってくれって頼まれたのか」

    「そゆこと」

    280 = 279 :

    本田「進藤か。確かに強かったな」

    越智「……ふん」

    本田「なぁ、和谷。進藤に小宮を紹介するとき、オレも一緒に
    行っていいかな」

    越智「なっ」

    「いーんじゃねーか、別に。進藤なら誰が来ても文句言わねー
    だろうし」

    越智「ふ、ふん。院生上位の面子が、揃いも揃って、プロでもない
    進藤に習いに行くなんて笑っちゃうね」

    「なに言ってんだよ。進藤はもうプロだぜ。合格したんだから」

    越智「ま、まだだろ!進藤がプロとしてスタートを切るのは4月からだ!」

    「かわんねーだろ。そんなの。プロ試験に合格したら、もう実質
    プロみたいなもんだ」

    本田「だな」

    越智「ぐっ…」

    281 = 279 :

    「それに、どーせお前は来ねーんだから良いじゃねーか」

    越智「……だ、誰も行かないとは言ってない」

    「えっ。まさか、お前も来るの?」

    越智「……い、行くさ。僕も」

    本田「…………っぷ」

    「あっははは!あの越智が自分から行くって言うなんて」

    越智「わ、笑うな!進藤の弟子の奈瀬に負けたからって、進藤
    が気になってるわけじゃないんだ!」

    「気になってんじゃねーか!あははははは」

    越智「ぐっ。ふ、ふん。笑ってればいいさ!その代わり、来年の
    プロ試験では笑えなくしてやるから!」

    282 = 279 :

    「言うじゃねーか。今年オレに負けたくせに」

    越智「次は負けない!」

    本田「……そうだな、来年は負けられないな」

    「……だよな。分かったよ越智。お前も来いよ」

    「あと、そーだ。おーい、藤崎」

    あかり「わ、私?」

    「おう。お前も来いよ。勉強になるぜ」

    あかり「えっ。で、でも……」

    283 = 279 :

    越智「藤崎?和谷、2組でノロノロやってる藤崎なんか誘って
    どうするんだよ」

    「なに言ってんだよ。藤崎は元々1組にいたじゃねーか。
    それに藤崎は進藤の一番弟子だぞ」

    越智「!?」

    本田「ほんとか、和谷」

    「ホントホント。そもそも奈瀬が進藤に弟子入りしたのだって、
    藤崎の紹介からなんだぜ」

    「だよな?」

    あかり「う、うん。確かにそうだけど」

    284 = 279 :

    本田「……そういえば、藤崎が院生に入ってきたとき、確かに
    そんな噂があったな」

    「誰も信じなかったけどな。オレも含めて」

    越智「僕は聞いてないけど」

    「そりゃあ、お前の方が藤崎より後に院生になったんだから、
    知らなくて当然だろ」

    越智「ふん。僕より早く院生になって、1組にいたのに今じゃ2組か。
    進藤の弟子にも当たり外れがいるんだね」

    「おい、越智!」

    285 = 279 :

    越智「いや、言わせてほしいね。僕は藤崎を見てるとイライラするんだ。
    真剣に碁に打ち込んでもないくせに、ヘラヘラして院生研修に参加する
    こいつが」

    あかり「わ、私はそんな」

    越智「そんなことないって?僕にはそう見えるけど?」

    越智「確かに奈瀬は強かった。進藤もね。でも、おまえは違う!」

    「おい、越智!」

    越智「プロ試験のときの奈瀬をおまえは知らない!最終日、僕は進藤をバカ
    にした。そしたら奈瀬は言った。黙れってね」

    越智「師匠がけなされて怒ったんだ。そして奈瀬は僕に勝った。師匠の
    名誉を守るために、必死で戦って!」

    越智「もし僕がここで進藤をバカにしても、お前は僕に向かってこないだろ?
    指を加えて見てるだけさ。一番弟子のくせにね」

    越智「藤崎の、一番弟子としてのプライドなんて、所詮その程度さ。碁に
    対する姿勢が、まるでなっちゃないんだから」

    286 = 279 :

    あかり「………」

    越智「ふん!」

    「お前なぁ、女相手に恥ずかしくねーのかよ」

    越智「男だろうが女だろうが関係ないね。女だろうが敬意を払うべき
    相手には敬意を払うし、年上でも払いたくない相手には払わない」

    「はぁ、やれやれだよ」

    「まぁ、藤崎もこんなの気にすんなよな」

    あかり「だ、大丈夫。気にしてないから…」

    287 :

    元々興味も才能もそんなになかったのにヒカルブーストで院生までこぎつけただけだからな
    一般人とさほどスペック変わらないあかりにこれは酷だ

    288 = 279 :

    「…………けど、越智の言ってることも間違ってはないぜ。
    言い方はアレだけどな」

    あかり「えっ?」

    「お前が真剣じゃないのは皆知ってる。顔見りゃ分かる。一人
    だけノホホンとしてるから」

    あかり「………」

    「進藤もお前のことで随分心配してたぜ。何か言われなかったか?
    そう、丁度お前が1組にまだいて、2組に落ちそうだったときとかに」

    あかり「………」

    「その頃、オレは初めて進藤に会ってさ。院生でのお前について
    聞かれたんだ。どんな様子だって。オレはあいつに調子悪そうって
    答えたんだ」

    「そしたらあいつ、すっげー怖い顔して、お前の家に向かって
    行ったよ」

    289 :

    進藤道場がパンクしそう。物理的な意味で

    プロ合格祝に名人に家買って貰わなきゃ

    290 :

    名人の年収から考えたら安い買い物だな

    291 = 279 :

    あかり(それって、ヒカルが私に別れようって言ったときだ)

    あかり(あの時、ヒカルにも言われた。自分と恋人になったから
    私から真剣さが消えたって)

    あかり(そんなことないと思ってた。最近は調子悪いだけだって。
    でも、他人から見ても、やっぱり私は碁に打ち込めてないように
    見えるんだ…)

    あかり「…………」

    「どうやら、思い当たる節があるみたいだな」

    「やっぱりお前も来いよ。一回だけでいいから」

    あかり「でも……」

    「多分来たら、きっと良く分かるからさ」

    あかり「何が、分かるの?」

    「自分のこと」

    292 :

    勝負師の世界と学生の青春
    二つ同時に取るには酷すぎるよね

    293 = 279 :

    数日後。


    ヒカルの部屋には大勢が詰めかけていた。

    いつもの面子の奈瀬と和谷。
    そして、小宮、本田、越智。さらに、あかり。

    あと、面白そうという理由で何故か日高も。

    ヒカルを入れて計8人。
    ヒカルの部屋はいっぱいいっぱいだった。

    294 :

    さて、これであかりも一念発起するのか、それとも…

    295 = 279 :

    ヒカル「……せまい」

    奈瀬「さすがにこの人数だとね」

    「……女子はまだいいだろ。ベッドの上にいるんだから。こっち
    なんか無駄に本田さんがでかいから、苦しいんだからな」

    本田「おい、どういう意味だ」

    奈瀬「こっちだって3人いるんだから狭いわよ!」

    ヒカル「あぁ、もう!せまいせまい言うなよ!仕方ねーだろ!」

    ヒカル「まぁ、確かにせまいけどさ。今日は門脇さんいなくて助かったぜ」

    「なんだよ。門脇さんまでお前の家来てんのか?」

    ヒカル「うん。プロ試験の後、家の連絡先聞かれてさ。そしたらもう一回
    打ちたいからって来るようになった」

    「へー。じゃあもし門脇さんも来たら、誰か廊下だな」

    296 = 279 :

    皆の視線が本田に集まる。

    本田「おいっ!門脇さんだってでかいだろ!」

    「いや、まぁ、ねえ」

    ヒカル「さすがに門脇さんを廊下には……」

    小宮「と、なると……」

    本田「分かったよ!でも、絶対これからもオレは来るからな!」

    ヒカル「あはははは…」

    297 :

    いっそ爺ちゃんの家に行けばいいんじゃね?

    298 :

    次は碁会所か棋院だな

    299 :

    搭矢の家の碁会所なら頼めば貸切にしてくれそう

    300 = 279 :

    「さてと、くっちゃべってても仕方ねーし、打とうぜ」

    「誰と誰が打つ?」

    ヒカル「そうだな。とりあえずオレが4面打ちするよ」

    「4面打ち?でも、お前の部屋に碁盤って2つしかねーだろ」

    ヒカル「うん。でも、あかりに持ってきてもらったから大丈夫」

    あかり「はい。私が普段使ってる折り畳みの碁盤」スッ

    越智「折り畳みか。足付きじゃないんだ」

    あかり「足付きもあるんだけど、重くて運べないからこっちにしたの」

    「まぁ、そうだよな。いくら近所でもいちいち運ぶのはしんどいし。
    でも、一つしかないじゃないか。もう一つは?」

    あかり「もう一つは、これ」スッ

    「紙?」


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