私的良スレ書庫
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元スレ電「司令官さんは・・・人じゃないのですね・・・」
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お盆にお面が売られてるのは、生者と死者がわからないようにする為なんだって
もしかしすると君と一緒に踊っている人は、君が逢いたい誰かなのかもしれないね
byなんかの小説
ねば
ウィズ面白いね
モバマスは宗教、俺は文月教
先入観は怖い
ではお前ら
世に文月のあらんことを
もしかしすると君と一緒に踊っている人は、君が逢いたい誰かなのかもしれないね
byなんかの小説
ねば
ウィズ面白いね
モバマスは宗教、俺は文月教
先入観は怖い
ではお前ら
世に文月のあらんことを
中尉「ふむ・・・・」
若葉「というわけだ…どうする?」
中尉「敵意は?」
若葉「無かった」
中尉「では電は無事だと?」
若葉「そういう事だ」
中尉「であれば…」
執務室に若葉が来たのは、夕飯が終わってすぐの事だった
電と少々問答を行った後の彼女の動向について
若葉の話によると、電は鎮守府近海に漂流していた人型深海棲艦を助けたそうだ
彼女が選んだ道は僕と反対
であれば僕は…
中尉「泳がせよう、ただこの鎮守府に害ありと判断したら僕に報告してくれ」
中尉「僕が殺す」
若葉「…人の身で深海棲艦を?」
中尉「陸に上がればシャチでさえ人に殺される」
若葉「それもそうか…承知した」
中尉「ご苦労だったな…」
若葉「気にするな、若葉は中尉の片腕なのだ」
そう言って部屋を後にする若葉
残ったのは二人
中尉「…何か言いたげだな副官殿」
大鳳「大鳳とお呼びください」
大鳳「一つよろしいですか?」
中尉「許可しよう」
大鳳「深海棲艦を殺す…そのことについては重ね重ね同意です」
大鳳「しかし早急に殺さねば…情が移ります」
中尉「その時はその時だ、守りたいものを…助けたいものを僕からすら守れないようなら彼女は何も守れない」
中尉「仲間でさえな…」
大鳳「…私は反対です…やり過ぎです」
中尉「ではどうする?今すぐ殺すか?」
大鳳「何故中尉は殺す殺さないの二択で話し合おうとしないのですか!」
中尉「説法はいい、僕に反対というならば君はどうするのだ?」
大鳳「…まずは接触します、その後話し合う」
大鳳「そして…」
大鳳「排除しようというものの排除」キッ
中尉「僕を殺すのか?」
大鳳「殺しはしませんが泣かせます」
そう言って彼女は執務室の出入り口に向かう
大鳳「ご心配なく、責任もって看病しますので」
大鳳「失礼します」バタン
中尉「…まったく・・・・・・」
中尉「感情的なところはホント女だな…」
中尉「尻まで振っちゃってまぁ…」
大鳳(戦ばかりの世の中、派閥争いの繰り返す本部に艦娘を兵器としてしか見ない提督)
大鳳(ゴミだめみたいな世界、誰が敵か味方かもわからない世の中)
大鳳(電ちゃんは艦娘の使命に背を向けてまで敵を助けようとした)
大鳳(それは…間違っているかもしれない)
大鳳(でも…)
大鳳(私は泥の中で光る花を見つけた、そんな気がした)
大鳳(私はあの心を折らせたくはない…)
大鳳(電ちゃんは何処へ)
若葉「入り江の洞窟だ」
大鳳「!」
若葉「探してたのだろ?」
大鳳「…そうですけど」
若葉「黙っていろという命令は受けていない」
大鳳「では何故…」
若葉「なに、中尉のおぜん立てさ」
大鳳「……中尉もあなたも…何を考えているのかさっぱりわかりません…」
大鳳「言いなさい、おぜん立てとはなんですか?」
大鳳「これは命令です」
若葉「…若葉の上官は中尉だ、失礼する」スタスタ
大鳳「…今は…入り江に…」
ナノデス・・・・
キルノデス!
(誰かの声が聞こえる・・・・)
イシキガナイノデス・・・・
(よかった、私はまだ沈んでいないんだ・・・・・)
ミズハハキダシタシ・・・・
(この人が…助けてくれたんだ・・・・・)
・・・・ヤムヲエナイノデス
(お礼を・・・・言わないと・・・・・)
「…」パチリ
電「Nano death!!!!!!!!」ドゴォ
「ブッフォン!!!!!」メリメリゲフゥ
電「あっ!やっとおき…「ぅぅ・・・・」あわわわ!寝ちゃ駄目なのです」
電「こうなったらもう一発」スッ
「待って!起きた起きました!!!」
電「良かったのです・・・・闘いは嫌ですから・・・・」
(戦いというよりもリンチ・・・・)
(それよりも…)
「・・・・・あなたが助けてくれたの?」
電「はい!危ない所だったのです!」
「ありがとうございました・・・・えっと・・・・・」
電「電は電なのです」
「あっ私は春雨」
春雨「駆逐艦春雨・・・・です・・・・・」
春雨「・・・・・いや・・・・・・今はもう・・・・・」
春雨「ごめんね迷惑かけて、すぐに出ていくから」
電「その必要は無いのです!」
春雨「・・・・えっ?」
電「深海棲艦でも戦う気が無いなら友達なのです!」
春雨「友達・・・・?」
春雨「でもここ・・・・・鎮守府の近くなんじゃ?」
電「そうですが?」
春雨「電ちゃんが許してくれても・・・・・提督さん達は・・・・」
電「電が守るのです!!」
春雨「・・・・なんで?」
電「なんで・・・・ですか・・・・」
電「電は・・・・・あなたを助けたいと思ったのです…」
電「それだけなのです」
春雨「・・・・ないでよ・・・・・」
電「へ?」
春雨「同情なんて・・・・・しないでよ・・・・・」
電「あ?」
春雨「私の姿はそんなにも醜いですか?」
春雨「白い肌に赤い目、膝から下はイ級が付いてて・・・・」
春雨「私の存在はそんなにもかわいそうですか?」
春雨「深海棲艦に堕落した身でも!私は誇り高き艦娘です!!!」
春雨「私の気持ちなんてあなたにはわからないでしょうけどね!!!」
春雨「他人の情けで生き延びるくらいなら!!」
春雨「死んでやる!!!こんな生き恥耐えられない!!!!」
電「うるせーのです!!」バチン
春雨「うえぶ!!」
電「ぎゃーさかやかましいのです!!死ぬとかなんとか物騒なのです!!
電「こちとら半端な覚悟で助けるって言ってないのです!!」
春雨「ふぇ…」
電「最悪司令官さん殺してでも守ってやるって言ってんのです!!」
電「確かに電は貴方の気持ちなんてわからんのです!!」
電「でも!泣きたいときに傍にいてあげるくらいの事は出来るのです!」
電「悲しいことを分かち合うことはできるのです!!」
春雨「うぅ・・・・でもぉ・・・・・」
電「そんなにも怖いですか?また攻撃されるのが?」
春雨「うっ・・・・・なんでそれを・・・・・」
電「ケガを見ればわかるのです・・・・」
電「そんなにも傷つくのが怖いなら、電の後ろに隠れるのです!」
電「電が壁になるのです」
電「とにかく生きるのです!」
春雨「・・・・・」グジュ
電「生きていれば何かが変わります!でも死んだら終わりです!!」
電「答えるのです!生きるのか!本当に死ぬのか!!」
電「二つに一つなのです!!」
春雨「・・・・・」マブタゴシゴシ
春雨「・・・・私は・・・・・生きたい・・・・・です・・・・」
春雨「・・・・勇気が出るまで、私を守ってください」
電「その言葉が聞きたかったのです」
電「さぁ行くのです!」グイッ
春雨「えっ?ど、どこへ?」
電「ばれる前に先手を打つのです」
春雨「ま、まさか・・・・・」
電「敵(中尉)は鎮守府にあり!なのです!」
春雨「えええぇぇ!!!!!」
イクノデスー!!!
ウソッ!ジョウダンデショ!?
大鳳「・・・・」
大鳳「ふふっ・・・・若い子は無鉄砲でいいわね・・・・」
大鳳「ヤダ!私何おばさんみたいなことを・・・・」スタスタスタ
それは一本の館内放送
夕食が終わり皆が各々で自由に過ごしてた時に鳴り響いた
電『電の本気を見るのですー!!』
電『司令官さん!今すぐ演習場に出てくるのですー!!』
電の突然の館内放送
鎮守府の面々は演習場に集まった
電の放送直後
雷「電・・・・あんたなんて奴を招いてるのよ!!」
電「覚悟の上なのです!」
暁「・・・・艤装までつけてる」
響「電、悪いことは言わない、こっちにくるんだ」
電「この子は友達なのです」
睦月「・・・・姫級?」
吹雪「多分・・・・」
夕立「・・・・・春雨?」
夕立「随分とハッピーな恰好っぽい?」
春雨「・・・・」タジ
長門「・・・・・」ゴゴゴゴ
(新たな駆逐艦・・・・しかも・・・・・美肌!!)
木曾「・・・・」ゴクリ
(姉さんが笑ってる・・・・こいつはここが戦場になるかもしれない・・・・)
五分後・・・・
雷「電!私はあんたをそんなふうに育てた覚えは無いわ!!」
電「育てられた覚えは無いのです!!」
暁「不良よ!不良だわ!!」
響「電!雷になんてことを言うんだ!!」
電「うるさいのです!このわからずやぁ!」
睦月「・・・・コント?」
吹雪「多分・・・・」
夕立「へぇ・・・・・これ浮くんだ・・・・」サワサワ
夕立「ちょっとうらやましいっぽい!」
春雨「あ・・・・えへへ・・・・」
長門「・・・・・」ドドドドドド
(浮く・・・・だと?・・・・か?・・・・・ホバリングなのか!!)
木曾「・・・・」ゴクリ
(姉さんがますます笑ってる・・・・あの眼は深海棲艦から装備を剥ぎ取った時と同じ目だ・・・・)
20分後
雷「うぅ・・・・電が悪い子になっちゃった・・・・司令官に合わせる顔が無いわ・・・・」オヨヨ
電「あっ・・・・その・・・・・くぅぅ・・・・・」
暁「・・・・なんか苦しそうね?」
響「良心の呵責という奴だ」
電「冷静に分析しないで欲しいのです!」
睦月「・・・・反抗期かな?」
吹雪「それは違うかな・・・・」
夕立「きゃー♪艦載機みたーい!」
夕立「もっと高くとぶっぽーい!!」ユラシユラシ
春雨「姉さん!あんまり暴れないで!」ヒューン
長門「・・・・・」シュインシュインシュインシュイン
(あの深海棲艦!!)
木曾「・・・・」ゴクリ
(何かに気付いたのか!?)
30分後
雷「・・・・」
暁「・・・・・・・」コクンコクン
響「暁、眠いなら帰ろうか?」
暁「・・・・まだいりゅ・・・・」
睦月「・・・・にゃは?」
吹雪「にゃは・・・・」
夕立「ぽいー!!!!」
夕立「ぶふっ」ザブーン
春雨「暴れないでって言ったじゃないですか!!」ヒューン
長門「・・・・・」シュー
(はいてない)
木曾「・・・・」ゴクリ
(一転して穏やかな顔に)
電「なんで来ないのです!!!!」
大鳳「行かないのですか提督?」
中尉「行くかバカ」
大鳳「バカとはなんですかバカとは」グリグリ
中尉「頼みがあるなら来るのが礼儀だ」
(>ry<)-\
/ { { { 八 '、
<,_彡ハ_八_/リ\// 彡_>
f⌒)|八 |> < |八
\ ∨ 「" r'ー┐"∠ィ|) \__
∨ 人 、_丿 イ| , \ \
/ ∧」」>、 __, イト八 V⌒) 厂
/ ノ '\__/├‐) )く. \
/ ( ( くr:《人》└∠/ \厂
|/\ \|\r「|:::::::::::::r< F_ヲ/⌒
\ノ 厶乂_/X/┘,」 \
| |マ┴く ̄ ̄\厂
l∧| ー‐ヘ
\∧
次は夕立ちゃんがぽいぽいする話をかきたいっぽい!!!
ねば
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次は夕立ちゃんがぽいぽいする話をかきたいっぽい!!!
ねば
中尉「さて・・・・正直なところ、こんなに強引に来るのは予想外だったぞ」
中尉「電」
電「・・・・電は本気なのです」フンス
場所は変わって執務室
一向に演習場に来ない提督に腹を立てた電は、自ら執務室へと足を運んだ
執務室への入室を許可されたのは電、春雨、長門、木曾、吹雪であった
春雨「電ちゃん・・・・」
電「大丈夫、電が守るのです」
中尉「そいつが若葉の言っていた・・・・」
春雨「うぅ・・・・・」スス
長門「こいつの様子を見ていた限り、敵意は無いと思えるが」
中尉「長門、貴様の言葉は今では説得力は無い」
中尉「そのドアを壊す原因を作ったのは誰だったかな?」
長門「ぐっ・・・・しかしだな・・・・・」
木曾「あぁー姉さんの味方をするつもりはないが・・・・少なくとも敵意は無いと思うぜ?」
中尉「そんなことはわかっている、あればお前が見過ごすはずはない」
中尉「しかし問題はそこではない」
中尉「こいつが深海棲艦であることが問題なのだ」
春雨「・・・・」
電「深海棲艦なら誰でも殺していいはずが無いのです!!」
中尉「・・・・」ハァ
中尉「吹雪、お前たちの使命はなんだ?何のためにお前たちはここにいる?」
吹雪「それは・・・・」
中尉「答えろ」
吹雪「・・・・深海棲艦の・・・・・殲滅・・・・です」
中尉「その通りだ」
電「吹雪さん!」
電は批判的な目で吹雪を見る
吹雪「ごめんね・・・・・でも・・・・・」
木曾「電、俺たちは軍人だ」
木曾「軍人は上官が定めた敵と戦うから軍人だし金が貰える」
木曾「軍人は敵を殺す、敵の抑止力となることが仕事なんだ」
木曾「軍人として、そこがぶれちゃやってけねぇんだよ」
木曾「吹雪は軍人として正しい、今お前がやってんのは軍紀違反だという事を理解しているか?」
木曾「わかってんならそんな目で吹雪を見るな、わかってないなら今すぐ軍から抜けろ」
電「・・・・・・」
春雨「・・・・電ちゃん・・・・・・」
電「大丈夫、大丈夫なのです・・・・・」
地味に台本書きと地の文の改行を二行から一行に変えた
その方が多く書けるという理由だ
読みづらかったら言ってくれ
二行に戻す
その方が多く書けるという理由だ
読みづらかったら言ってくれ
二行に戻す
言われるまで気が付かなかった
自分はスラスラ読めてるけど他の人はどうだろか?
自分はスラスラ読めてるけど他の人はどうだろか?
読みづらくはなかった
このスレの木曾は真っ当に格好よくていいな
このスレの木曾は真っ当に格好よくていいな
大鳳「木曾さん・・・・」
大鳳が木曾をなだめようとした時
中尉が彼女を手で制す
中尉「木曾、確かに電のやっていることは軍紀違反だ」
中尉「しかし、彼女のやっていることを咎める気は僕には無いんだ」
木曾「・・・・何故だ?」
中尉「ついさっき、電と話した」
中尉「彼女は自分の力を誰かを守るために使いたいと言った」
中尉「僕は彼女にこう返した、貫きたい信念があるなら僕を殺してでも貫けと」
中尉「そして今、彼女は敵の前に立ってその力を行使しようとしている」
中尉「僕を殺す覚悟を決めてだ」
中尉「僕はそんな彼女の姿勢を評価したい」
中尉「無論、勝手に鎮守府に敵を入れた罰は与えるがな」
木曾「・・・・お前がそう言うなら俺がいう事じゃないな」
電「・・・・司令官さん」
中尉「勘違いするなよ電、僕は君の味方をするつもりは無い」
中尉「だが・・・・よく知っておいてほしい」
中尉「守るというのは、本当に難しいんだ」
中尉「どんなに傍にいようと、助けられない命もある」
中尉は立ち上がり後ろにある窓を開ける
そして引き出しから電鍵を取り出し、打ち込んだ
ツ ツー ツ ツ ツー ツ
中尉「良く肝に銘じておくといい」
中尉「自らの無力さを」
中尉「そして学ぶんだ」
中尉「君はどうすればよかったのかを」スッ
中尉が左手をあげる
瞬間
発砲音
春雨「ああああぁあぁぁぁあぁぁ!!!!!」
電「・・・・・え?」
響き渡る絶叫
春雨の左肩から血が噴き出す
目の前に立っていた電は大量の血飛沫を浴びた
電「・・・・はる・・・・・さめさん?」
状況が理解できない電を置いて、状況は進む
木曾「お前・・・・」
春雨「痛いぃ!肩が!!肩が!!!!」
吹雪「狙撃!!電ちゃん伏せて!!」バッ
電「ひゃあ!」
吹雪は飛びついて電を床に倒す
長門「とにかく止血だ!傷口を抑えつつ入居施設へ運ぶ!」
素早く駆け寄る長門
大鳳「待って!艤装を付けていない段階ではお湯につけてもダメ!!」
大鳳「まずは銃弾の摘出と縫合を!」
春雨を連れて行こうとした長門を止める大鳳
長門「深海棲艦の艤装は常に展開されている!」
大鳳「でも血が出てるじゃないですか!!」
春雨「あぅぅ・・・・・いだい・・・・いやぁ・・・・・・」
長門「バカモン!つまりこいつは妖精の加護を受けた弾にやられたという事だ!!」
大鳳「妖精の加護?まさか!!!」
中尉「・・・・」
長門「とにかく手伝え大鳳!!」
長門「艤装を展開してると言えどこのようすじゃ障壁なしで食らっているんだ!!」
大鳳「わ、わかったわ!!」ダダダ
静まりかえる室内
床に伏せる吹雪と電
目を真ん丸に開けて注意を見る木曾
そして
中尉「なんだ電」
中尉「守るんじゃなかったのか?」
中尉「あの深海棲艦を」スラッ
静かに抜刀する中尉
電「あ・・・・」
彼女はようやく状況を飲み込んだ
そしてそれをシンプルに解釈する
結果
その怒りは中尉へ向かった
電「・・・・なんで・・・・・なのです・・・・・」
木曾「電・・・・・」
電「なんで電を狙わないのですかぁ!!!」
吹雪「電ちゃん!!」ガシィ
電「離して!離してよぉ!!!」
暴れ狂う電を吹雪が羽交い絞めにして止める
練度の差はあれど、電は興奮していた
吹雪「くぅぅ・・・・」
電「司令官さんは!!司令官さんは!!!」
中尉「これが道を貫くという事だ電」
中尉「僕は僕の流儀で道を貫く」
中尉「言ったはずだ、勇気が無ければ黙って僕について来いと」
電「吹雪さん離してよ!!」
吹雪「出来るわけないでしょ!!」
中尉「あぁ、何故春雨を狙ったのかだったな」
中尉「僕の経験上、死ぬ気で守ろうとする奴は強いんだ」
中尉「だがそう言う奴は守る奴が傷つけば途端に弱くなる」スッ
電「離せぇ!!!」バッ
吹雪「ダメぇ!!!」
中尉「怒りに身を任せるから攻撃が単調になる」
中尉「こんな風にな」
電「このおおぉぉおぉ!!!」
咆哮と共に中尉に直進する電
上段に構えた軍刀を振り降ろす中尉
しかしそれはかつての金剛の時のように
第三者の手で阻まれた
木曾「やめねぇかてめぇら!!!」ゲシィ ガキィン
電「ふぇぶ・・・・」
中尉「…」キリキリ
木曾は電の横面を蹴り飛ばし、その勢いで抜刀
中尉のひと振りを止める
木曾「吹雪!そのバカを地下牢に入れとけ!!」
吹雪「は!はい!!」
吹雪は電を担いで素早く執務室から出ていく
中尉「・・・・懐かしいな」キン
中尉「前も君が止めた」
木曾「んなこと言ってる場合じゃないだろ・・・・」キン
木曾は刀を鞘に戻し、ソファに座る
そして諭す様に中尉に言った
木曾「やり過ぎだ」
中尉「・・・・」
中尉は開けた窓を閉め、イスに座る
中尉「君だってあそこまで蹴る必要は無かったんじゃないか?」
木曾「仕方ねえだろ・・・・」
木曾「姉さんは腕は立つがいかんせん駆逐艦に甘い」
木曾「大鳳は厳しく叱ることができない」
木曾「それで俺までへらへらしてたら兵士の質が下がる」
中尉「下士官の鏡だな」
木曾「そりゃどうも、だが話を逸らすな」
中尉「・・・・」
木曾「あそこまでやる必要は無いだろ?口で言ってやりゃあいいじゃねぇか」
木曾「あいつらは素直に聞くぞ?」
中尉「木曾・・・・それではすぐに忘れてしまうのだ」
中尉「なるほど、毎日のように言い聞かせれば皆忘れないだろう」
中尉「だが・・・・・どれだけ奴が清い奴であろうと、我々の敵の1人なのだ」
中尉「悲しいかもしれないが、それが現実だ」
木曾「・・・・」
中尉「長く過ごせば慣れが出てくる、慣れは隙を生む」
中尉「ふとした切っ掛けで上層部にばれればどうなる?」
中尉「俺は責任を取って辞任、春雨は殺されるだろう」
中尉「ではどうするか?」
中尉「電の信念を尊重し、助けた敵を守るにはどうすればいいか?」
中尉「答えは身近に敵を作ることだ」
中尉「少なくとも今回の僕の反応で、電は僕を警戒する」
中尉「僕にばれぬ様に隠すだろう・・・・だがそれでいい」
中尉「これで彼女の信念も、彼女の守るものも僕は守れる」
中尉「この環境を作り出すために、今回の事は必要だったのだ」
木曾「・・・・じゃあ俺たちに見せたのは」
中尉「事の顛末を広げるためだ・・・・話がどう変わろうと悪人が変わることは無いだろう?」
木曾「・・・・知ってるか?あんたのそれは自己犠牲というんだぜ?」
中尉「それは見解の相違だ」
中尉「これは教育だよ」
木曾「教育だと?」
中尉「そうだ教育だ」
そう言うと中尉は引き出しからチョコレートを出して机の上に置いた
中尉「胎児の時から耳に響くのは母の声だ」
中尉「故に子供は、母に甘えることが多い」
中尉「何せ生まれる前から自分を守ってくれた奴なのだからな」
中尉「では家庭内に置いて、父親がすべきことは何か?」
中尉「それはいずれ超えるべき壁となり、子供を正しい方向へ導くことだ」
中尉「例え殴ってでもだ」
中尉は立ち上がり、戸棚を開ける
取り出したのはせんべいの袋
中尉「甘やかすのは母親がやってくれるからな」
中尉「電に限らず、第六駆逐隊の心はまだ未熟だ、だから教育が必要だ」
中尉「鎮守府において、母の役割は皆でやれるだろう」
中尉「だから僕が厳しくする、君がやってきたようにな」
中尉「こう言ってみれば・・・・」
中尉「たしかに僕の行動は自己犠牲と言えるのかもしれん・・・・」
木曾「お前・・・・見k中尉「では君と僕の見解の相違とは何か?」
まだ僕がしゃべっている
そう言っているかのように木曾の話を遮る
中尉「僕は決して仕方なく叱るのではない」
中尉「ましてや兵の質を高めるために叱るのなどもってのほかだ」
中尉「僕は君たちを人あるいは軍人として、正しき方へ導くために叱る」
中尉「よって木曾、君では嫌われ者としていささか不適格と言える」
中尉は取り出したチョコレートを木曾に投げ渡す
木曾「うわっと!!」
中尉「お役御免だ、さっさと謝ってこい」
中尉「あとこの会話は誰にも言うなよ?」
木曾「・・・・言えるかこんなの」
もう何も言うことは無い
中尉はそう主張するかのように窓の外に視線を向ける
木曾「・・・・あんたの言ってることは・・・・正しいのかもしれない」
木曾は立ち上がり出入り口に向かう
木曾「でもその理論には・・・・あんたが幸せになる為の勘定がねぇ・・・・」
木曾「俺ぁ嫌いだ・・・・」
そう言い残し、彼女は出て行った
中尉「・・・・」
中尉「僕が幸せかどうかは」
中尉「僕自身が決めるのだ馬鹿者め・・・・」
中尉の木曾への悪口は
誰に聞かれるでもなく、ふわりと宙に消えた
訂正
中尉は取り出したチョコレートを木曾に投げ渡す
↓
中尉は取り出したチョコレートとせんべいの袋を木曾に投げ渡す
中尉は取り出したチョコレートを木曾に投げ渡す
↓
中尉は取り出したチョコレートとせんべいの袋を木曾に投げ渡す
翌日、中尉が何者かに依頼して春雨を狙撃したという噂はすぐに広まった
いつ、誰に、何故あんなよいタイミングだったのか?
数々の不明確な点はあったものの、確かなことが一つあった
”司令官は春雨を殺そうとしている”
演習場で顔を合わせた艦娘たちは彼女に敵意が無いことを知っていた
故に数人を除いてほぼ全員に
”私たちが協力して春雨をかくまう”
という共通認識が生まれた
中尉はそのことを大鳳に言われるも
黙認した
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