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    元スレ電「司令官さんは・・・人じゃないのですね・・・」

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    1 : ◆DpM/5n - 2015/05/15(金) 22:59:37.55 ID:lYHcYyKf0 (+120,-29,-5)


    ※この物語はフィクションです



    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1431698367
    2 : ◆DpM/5n - 2015/05/15(金) 23:22:01.11 ID:lYHcYyKf0 (+95,+30,+0)

    白い軍服が太陽に反射して眩しく見え、高級将校の出入りが多い場所
    そんな施設に僕は赴いていた
    周りの視線が痛いのは僕の軍服が茶色のせいだろう

    そんな視線を避けるように目的地へと急ぐ
    海軍から陸軍の僕へ指名がかかったからだ
    理由は知らない
    何のとりえもない歩兵中尉の僕には指名を受ける覚えがない

    いや、訂正する
    今の僕には階級が無い

    案内窓口らしきところで書状を見せ、案内役の人間が来るまでの数分の時間
    きっとその数分は海軍というものを嫌いになる理由になりえると僕は断言できるだろう

    貴様等の事だよ
    笑うな
    指を指すなと親に習わなかったのか
    腰に下げたコイツの顔をそんなに拝みたいのかクソ野郎
    いやもちろん奴等の本拠地で抜く度胸など無いのだが

    あんまり見てるとやっちゃうぞ
    そんな態度を殺気に込めて奴等にぶつける(ような気持ちで睨み付ける)

    そうだ
    散れ散れ、臆病者共が

    そんなくだらないやり取りをしていると案内役の軍人が来た
    階級など知らない
    しかし私は見事であろう陸軍式敬礼をそいつに見せてやる



    そしたらその河童・・・返礼してきやがった
    貴様にはきれいな水をやろう
    頭の白い皿に俺が注いでやる




    そいつの後ろを追い、目的地へと急いだ


    事を済ませ早急に立ち去りたいものだ


    河童共の巣窟の居心地が良いはずはないのだから…


    3 : ◆DpM/5n - 2015/05/15(金) 23:45:36.88 ID:lYHcYyKf0 (+89,+30,+0)

    「失礼します」

    「うむ」

    ガチャリ

    案内された部屋に入ると大柄な男がいた
    貴様は力士でも目指した方が良いのでは?

    「――中尉をお連れしました!」

    「ご苦労、さがりたまえ」

    「こんにちは陸軍中尉殿、私はこの鎮守府を任されている提督の1人だ。階級は大将、敬いたまえ」

    中尉「はっ!」


    Fuck you.
    心の中で中指を立てておこう


    中将「さて、君をここへ呼んだのは・・・わかるか?」

    中尉「わかりません!」

    大将「さすが陸軍はうるさいな、しかし威勢がいいと評価しておこう」

    中尉「ありがとうございます!」

    大将「褒めているわけではない、バカの一つ覚えのように敬うなバカ」

    中尉「…」

    大将「返事は?」

    中尉「はい!」


    このくそったれ、禿げろ


    大将「話を戻そうか中尉・・・端的に言えば栄転だ、二階級特進で少佐だ、野戦任官の経験しかない貴様は泣いて喜ぶといい」

    中尉「……理由をお聞かせ願いますか?」

    大将「そうだな、それでいい、考えて返事をしろ」

    大将「陸軍の貴様も艦娘は知っているな?」

    中尉「十年ほど前から現われる原因不明の深海棲艦とやらを駆逐する生物兵器と聞いています」

    大将「大筋あっているが言葉には気を付けろよ中尉・・・いや少佐、彼女等の前で生物兵器などと呼んだ日には後ろ弾に怯えることになるぞ」

    中尉「申し訳ありません!」

    大将「彼女等も一応人間だ」

    大将「妖精というバカげた存在によって、かつての大戦の戦艦や駆逐艦の能力と一時的かつ限定的な不老不死を得たそこらの少女」

    大将「それが艦娘だ」

    中尉「???」

    大将「その気持ちはわからんでもないが考えるのはよせ、明確な答えにたどり着けたものなど誰もいない」

    中尉「はぁ…」


    そんなわけのわからぬ者に国防を任せるとは…世も末だな…



    4 : 以下、名無しにか - 2015/05/15(金) 23:47:32.25 ID:yVmrkYpc0 (-9,+2,-4)
    期待
    5 : 以下、名無しにか - 2015/05/15(金) 23:47:32.25 ID:yVmrkYpc0 (-9,+2,-4)
    期待
    6 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 00:22:43.01 ID:2KYwd9Ip0 (+30,+30,+0)


    大将「艦娘の説明はそのくらいでいいだろう…さて…話は変わるが私のモットーは物事は単純になのだ」

    中尉「はぁ…」

    大将「故に細かいことは後で質問として受け付ける」

    大将「君に生殺与奪権を与える、鎮守府の信任提督の職を隠れ蓑とし、救いようのない提督・憲兵・艦娘を殺せ。全ての判断は君に委ねる」

    中尉「…」

    中尉「…仰ってる事の意味が分かりません」

    大将「艦娘はな・・・贔屓目に見ても見目麗しい女ばかりだ、故にそれらの管理を任される提督の中には邪なたくらみを持つ者も少なからずいる」

    大将「また戦果を急いて彼女等を酷使する者もいる」

    大将「捕まるのは氷山の一角だ、そういったやからほど憲兵などを買収して外面は問題の無い鎮守府を演じる」

    大将「大本営も、直属の憲兵艦娘を派遣したりしているが…撲滅には至らない・・・・・・それが昨今の海軍の現状だ」

    中尉「…話は分かりました、しかしそういう事はそれこそ憲兵隊に任せればいいのでは?」

    中尉「私は問題だらけの人間ですよ?誰彼かまわず殺すかもしれないのでは?」

    大将「餅は餅屋というだろう?君を指名した理由は二つだ」

    大将「幼少期から医者の卵として英才教育を施され、外科内科、精神医学にも詳しいそうじゃないか…まだ若いのに素晴らしい」

    大将「精神科医ならば脅されているとか、様子が変だとかいう普通の人間が気付かないものも気づくかもしれない・・・これが一つ目の理由だ」

    中尉「…」

    大将「…徴兵されてからは数々の傷ついた軍人を戦地へ戻している・・・」

    大将「しかし…助かる見込みのない者や気のふれた者は容赦なく殺すことで着いたあだ名が死神・・・かっこいいじゃないか…」

    大将「そして死神は前線へ送られ、そこでも同じことを繰り返し・・・果てには将校にまで手をかけたという噂まで・・・」

    大将「なるほど…君はそうやって中尉になったのか・・・」

    中尉「…」ギロ

    大将「そう睨むなよ…しかし死神中尉はついに陸軍教化隊に送られた」

    大将「・・・味方を殺した理由が『生きても苦しかない、僕は彼等を死によって救ったのだ』か」

    大将「詭弁だな…虫唾が走る・・・」

    大将「その後は懲罰部隊で歩兵として奮戦・・・現在に至る・・・か」

    大将「確かに問題だらけだな…」

    大将「しかし…君が殺した者は共通して自ら懇願した者や手の施しようのない者、後はゴミだ」

    大将「私はそこに君なりの信念というか…美学を感じた、もちろん私にとって貴様は共感できない人殺しであることに変わりは無い」

    大将「君は人を躊躇なく殺せる、これが二つ目だ人殺し」

    中尉「…」

    大将「業を背負いたいのなら私が背負わせてやる、理由には興味はないが利用はさせてもらう」

    大将「拒否すれば殺す、やり過ぎても殺す」

    大将「貴様は少々やり過ぎたのだ中尉、死にたくば存分に殺せ、生きたくば考えて殺せ」

    大将「監視もつける、私の指示で貴様の体は蜂の巣になる」

    大将「さぁ頷け、この書面にサインしろ、その後初めの指示を与える」

    大将「…早くしろ、殺しぞ」チャキ


    銃口を僕に向ける大将
    急かされるままに書面にサインした
    よくは読んでいない
    今の僕にとって、仕事を行えば殺されない
    この保障だけで十分であったからだ

    僕はまだ・・・死ねない

    7 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 00:28:58.04 ID:mh0KEnHx0 (+9,+24,-3)
    面白そう、期待
    8 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 00:34:37.76 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-200)

    大将「…よろしい…中尉・・・」

    大将「はじめの指令だが、実は今は鎮守府の提督に空きが無いのだ」

    中尉「…」

    大将「ここの鎮守府・・・ここの提督は解体後の艦娘で身寄りのない者を売りに出しているらしい」

    大将「まずはこいつを殺せ、殺したら連絡しろ」

    大将「貴様が人を殺す際、必要なものがあったら言え」

    中尉「…」

    中尉「それでは・・・大将の銃に込めた弾丸を一発いただけますか?」

    大将「…殺害予告か?」

    中尉「ご想像にお任せします」

    大将「…いいだろう、銃ごと持って行け」スッ

    中尉「…ありがとうございます」タシッ

    大将「お前が死ぬ前に、私を殺せるといいな」

    中尉「失礼します」


    バタン


    大将「私も死神の…ブラックリスト入りか…」

    大将「精々殺して回れ・・・ゴミめ・・・」
    9 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 01:01:17.32 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,+0)

    中尉「散々な言われようだな…」


    とはいうものの特に気にしちゃいない
    だってそれは間違いのない事実だからだ
    殺した数は両手の指じゃ足りない

    誰かが言った
    死に際、誰一人泣いてくれぬ人生に生きがいなど無いと
    僕は僕が誰かを殺そうとした時、必ず後からその人物の死が悲しくて泣く
    僕のようなゴミにしか泣いてもらえぬなど、あまりにも報われないからだ
    だからと言って殺さないわけではない

    引き金は思考を停止し、無慈悲に、そして機械的に引く
    人間として酷く退廃的なこの一連の動作を止めたことは一度も無い

    業か…特に業を背負った覚えはない…
    何故人を殺すのか問われれば、それが救いであるからだと答えるだろう
    互いの命のやり取りが極限に至った時、そこに論理や道徳など無い
    奪うか奪われるか

    僕に銃口を向ける者には人を殺した罪悪感に苦しんでほしくないから殺す
    無駄な治療になりそうな患者は苦しいだろうから殺す

    やはり死で救われると思うから
    この答えがしっくりくる


    だがしかしこんな人生を送る僕もまたその苦しみから逃れることなどできない
    罪悪感に押しつぶされそうな夜は何度もあった
    死ぬ夢を何度も見た


    それでもなお、僕が死によって自分を救わないのは

    今だなお、僕の死を悲しんでくれる人がいないからであろう

    それはダメだ、それは悲しい



    万が一それが見つかった時

    僕は救われる





    緑色の二輪車
    エンジン音よろしく跨り進む
    ここから3時間ほど
    顔も知らない提督さん
    死に救われる


    10 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 01:18:34.65 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-132)


    僕が着任するであろう鎮守府に着いたころには、日も沈み夜になっていた
    鎮守府近くの宿屋に泊り、機会を窺う

    焦ることは無い
    わざわざ乗り込んで射殺なんて真似をすれば返り討ちに合うのは見えている
    手持ちの拳銃と道すがら買った安物の包丁
    十分すぎるほどの装備を整えることができた

    女将に頼んだ少しの酒と肴を飲みながら晩酌をする
    炙りイカは最高のつまみだ


    11 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 01:23:01.47 ID:E7i2flI10 (-9,+2,-4)
    期待
    12 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 01:28:42.97 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-237)

    そんな日が三日ほど続くと奴らの行動パターンは読めてきた

    夕刻、その時間帯になると鎮守府の向かい三本の道を小さな子供と決まって歩く
    交差する道路を三本ほど超えたあたりの店で奴等は団子を買う

    狙うならそこであろう
    交差する道路のどこかですれ違いざまに仕留める

    ・・・しかし・・・・・
    子どもが邪魔だ…
    殺すところを見せるのは・・・少し気が退ける
    僕は人殺しであるが…医者である

    身近な者が目の前で殺されるのを見た子供がどれほどのショックを受けるのかを想像するのはたやすい

    他に手は無いものか…
    憲兵や諜報部の身分証明などの手筈を奴にとってもらうべきであった…
    ええいくそ!無いものをねだってもしょうがない…

    考えろ…
    子どもを巻き込まない方法を・・・
    13 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 01:33:59.10 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-59)

    いや…待て・・・
    良く考えればあそこの提督を殺した後、僕が後釜に入るのであれば
    僕が治療を行えばいいじゃないか

    時間はかかるだろうが…できなくはないだろう…

    決まった
    子どもに関しては事後の対応を間違えずに行動すれば問題は無い

    14 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 01:54:01.07 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,+0)

    そして次の日の昼、国民服に着替えて僕は宿を出ることにした
    女将には傷痍軍人の往診に来て、今日帰る事を話していたので宿に近寄らなければ怪しまれることは無いだろう
    二輪を隠し道順の確認に向かった
    軍服ではなく、国民服に着替えて

    中尉(三本目の道・・・必ずここを通る・・・)

    中尉(そうして真っすぐ・・・あの店で団子を買う)

    中尉(二本目の交差路・・・奴から向かって右の位置は確認したら…死角になる・・・)

    中尉(ここから・・・飛び出して、奴の心臓を抉り向かいに走る)

    中尉(あらかじめ止めておいた二輪で逃走…これで行こう・・・)

    そういえば奴らがいつも食う団子は上手いのだろうか?
    ロクな娯楽も無いこの時代、食う事、酒を飲むことは全ての人間に共通する娯楽だ

    中尉「よし…」

    店に入ると子どもが持っていた団子に加え、おはぎやまんじゅうもあった
    店主は何やら不思議そうな顔で僕を見る
    そんな店主を無視し、おはぎを一つ買い外に出て口に運ぶ

    中尉「!!!」

    しつこすぎるほどの甘さが口に広がる
    なるほどこれは子供の食い物だ
    店主の奴め・・・知っていたな、商売上手め・・・

    何とか我慢してそれを胃に流し込んできた道を戻る

    振り向きざまに、ある集団の1人と目が合った

    奴が連れていた子どもだ

    ニコリと笑うと、あちらも笑い返してきた


    …決行は明日だ……
    適当なところで野営の準備をしなくては・・・
    15 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 01:57:56.86 ID:2KYwd9Ip0 (+79,+29,-2)
    眠らねば
    16 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 03:17:00.48 ID:cNIt8snS0 (+8,+23,-5)
    乙…
    17 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 08:08:17.27 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-107)

    次の日の夕刻
    帽子を深くかぶり、季節外れの外套を片手にあの路地に待機する
    あちらからは視認できないこの絶好の位置に待機する
    向かいの道路の先には隠してある二輪がある
    奴さんの胸を抉り急いで二輪に跨り逃げる
    顔を見られなければ何とかなるだろう…

    肋骨に対し平行になるように包丁を突き刺す
    痩せ形の奴さんには必ず致命傷となるはずだ…


    18 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 08:28:57.57 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-275)

    奴を視認した、楽しそうに談笑している
    隙だらけだ

    奴等に向かい一歩踏み出そうとした時


    中尉「!?」


    背筋に悪寒が走った
    何かが僕にこれ以上先へ進むなと言っている
    稀に戦場で遭遇する現象だ
    怯えとはまた違う直感
    それを察知できなかった者は皆死んでいった

    あの時の感覚が俺の脚を鉛のように重くした



    深くかぶった帽子の中からちらりとのぞく



    「…」



    巫女装束のような服を纏った髪の長い女がこちら側をじっと見つめていた
    間違いないあの悪寒は奴の殺気というかそんなものだ

    流石は化物と戦ってる元人間だ
    きちがいじみている

    僕は何事も無かったように
    顔を向いていた方向へ歩き出す

    つまり彼女に向かい歩いているわけだ



    すれ違いざまにちらりと顔を覗き見る

    彼女の視線は間違いなく僕を捉えていた


    僕は早足にその場を去る


    作戦変更だ
    畜生め、この日に限って奴のお守りに鬼がいた
    運が悪い







    「おい金剛?何をしている?」

    「なんでもないヨ!速くお団子タベタイネー!!」スタスタ




    19 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 08:43:21.43 ID:2KYwd9Ip0 (+93,+30,-145)

    大将「それで?おめおめと帰ってきたわけか臆病者め・・・」

    中尉「陸の戦場では勇者から死にます!大将殿!」

    大将「言い訳など聞く耳持たん、このような展開ぐらい予想せんかバカめ」

    大将「で?何が必要だ?」

    中尉「九九式狙撃銃を」

    大将「あっちにあるから持って行け、とっとと消え失せろ」


    大将が顎で指した先には九九式狙撃銃の他に南部式拳銃、二式小銃などが飾られていた


    中尉「…お借りします・・・・・」

    大将「返す必要は無い、一般的なものと同じだ」

    中尉「頂きます」

    大将「しくじるなよ」

    中尉「はっ!」
    20 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 08:54:20.89 ID:E7i2flI10 (+27,+29,-8)
    乙です
    艦娘に慕われているとしたらいい提督なんじゃ・・・
    21 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 09:13:18.28 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-202)

    大将から奴さんの殺害命令を受け二週間が経った
    僕は当初の作戦を変更し、狙撃を行うことにした

    これぞ暗殺という奴だな

    綿密な観察の結果、彼の執務室の場所と最適な狙撃ポイントを見つけた
    狙撃はきっと成功するだろう、僕は軍医であるが射撃も得意なのだ
    懸念はあの金剛という艦娘
    スコープを覗いたら奴と目が合った・・・なんてのは最高の恐怖だ

    決行の日は近い・・・願わくば奴さんの近くに彼女がいないことを願おう


    余談ではあるがその期間の間、僕はずっと野宿であった
    長期間宿に泊まれば顔を覚えられてしまう
    それは避けたかった
    おかげで夜は蚊との戦闘で眠れなかった
    まったく最高の気分だよ…
    22 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 09:44:18.22 ID:EEa1DiNt0 (+16,+26,-4)
    面白い
    続きはよ
    23 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 09:44:57.95 ID:2KYwd9Ip0 (+93,+30,+0)

    夜も更け、月が輝く今夜
    鎮守府近くに位置する丘陵に横たわりスコープを覗く
    スコープの先に彼を捉える
    こんな遅くまで熱心に仕事を行う彼の姿には好感を覚える

    しかしそれはまた別の問題である

    艦娘の除隊は解体と呼ばれ、解体された時点で普通の人間に戻る
    基本的に艦娘は歳をとらない
    故に20歳で艦娘になったら10年経っても体の構造は20歳のままであるという

    まさに現代版浦島太郎である

    夢のような話であるが、いいこと尽くしではない
    そんな彼女達を異質なものと捉え、排除する団体もいる

    仮に自分の家族がそんな団体に毒されれば、解体後の帰る場所は無くなってしまう

    勿論海軍もそれに対応する規則は作っている
    しかし悲しいかな
    規則や法は基本的に知っているものの味方なのだ

    情報によると奴さんはそんな無知な艦娘に職業紹介と称して身売りをさせている
    騙される方も馬鹿だが騙す方もゴミ

    自由意思の介在しないそれを肯定するわけにはいかない

    考えることを止め
    スコープの照準を彼の頭に合わせる

    無慈悲に
    引き金に手をかけた

    機械的に
    それを引く

    ボルトを上げて
    引く

    薬莢を排出して薬室に次の弾丸を込める

    ボルトを押して
    降ろす

    無慈悲に
    引き金に手をかけ

    機械的に
    それを引く




    彼の胴体に二発目を撃ち込む



    彼は机に伏していた
    その様子はまるで踏みつぶしたザクロの様

    あれで生きていたらそれこそ化物だ

    僕は足早にその場を離れた

    24 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 10:09:52.92 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,+0)

    翌日、鎮守府を訪れるとそこには大量の憲兵がいた
    野次馬に話を聞くと、鎮守府の司令官が殺されたという

    僕はホッとした
    彼は人間だった
    正直、微細な殺気を感じ取る女たちを率いる人間の事だ
    魔改造されていてもおかしくは無いと思っていた

    そこで俺は見覚えのある人物を見かける
    河童の巣窟で俺を案内したあの軍人だ

    彼も僕を見つけ足早に近寄ってくる

    「こんにちは中尉殿、覚えておられますか?大将の副官であります」

    中尉「これは副官殿・・・どうしてここへ?」

    副官「はい、実はこの鎮守府の提督が何者かに殺されまして…」

    中尉「僕も先ほど野次馬から聞いたところです・・・心中お察しします…」

    副官「…どこかで恨みでも買ったのでしょう・・・まぁそれはいいのです」

    副官「大将は今回の件を連絡で受け、この鎮守府の提督にあなたを据えるとのことでした」

    副官「私はその指令書を渡しに来たのです」

    中尉「そうですか…ご苦労様でした」

    副官「・・・あぁ失礼、今は昇進して少佐殿でしたね」

    中尉「中尉で結構ですよ副官殿、少佐と呼ばれると何かむず痒いのです」

    副官「では中尉殿・・・ひとつお聞きしてもいいですか?」

    中尉「僕に答えられることであれば」

    副官「何故中尉殿はここにおられたのですか?大将は中尉殿がここにいることを知っていました」

    副官「ここの鎮守府の提督が殺され、貴方が後釜・・・ここにいたのは偶然ですか?」


    あの野郎・・・何も説明していないのか・・・
    ややこしい…面倒だ…
    今度会ったら文句の一つでも言ってやろう


    中尉「察しがいいですね副官殿、偶然ではありませんよ・・・僕があそこの提督を・・・この軍刀で真っ二つに・・・ね…」

    副官「…」

    中尉「…」

    副官「冗談は笑えるものにしてください中尉殿、不謹慎です」

    中尉「…それは失礼・・・・・」

    副官「・・・それとここの提督は狙撃で殺されたんです……斬殺じゃありません」

    中尉「ほぅ…そうだったんですか」


    あいつめ・・・狙撃銃はすぐに補充していたのか・・・
    罠にかけるつもりではなかったらしいな
    間違いのない嫌がらせだ…


    副官「それで?本当のところは?」

    中尉「僕も大将に呼ばれてここに来たまでですよ…きっと行き違いになったのでしょう」

    副官「つまり・・・大将はわざと我々を困らせた・・・と・・・」

    中尉「嫌味な上官で心底同情します…」

    副官「はぁ…なんだか疲れてしまった・・・・・ごちそうしますので何か甘いものでも食べませんか」

    中尉「おっいいですね…それでは・・・・あそこの店にしましょう…」

    副官「何かおすすめはありますか?」


    中尉「おはぎがね…凄く美味しいんですよ」
    25 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 10:18:09.70 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-226)


    副官「私は貴方が嫌いだ…」

    中尉「僕は副官殿の事、結構好きですよ」

    副官「・・・はぁ・・・・・あなたも大将と同類ですね」

    中尉「それは心外です」

    副官「まぁいいです…鎮守府には明日の午後に着任してください」

    中尉「わかりました」

    副官「では失礼します、この借りはいずれ返します」ビシィ

    中尉「返り討ちにして差し上げます」ビシィ

    副官「それでは失礼」

    中尉「道中お気をつけて」


    彼は帰った
    あのクソ野郎の部下とは思えないほどの好青年だった
    仲良くなれそうだ・・・

    はてさて
    明日の午後に着任か
    どうしましょうかね…

    26 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 10:30:36.84 ID:2KYwd9Ip0 (+95,+30,-80)

    霧島「お姉さまはまだ部屋から出てこないの?」

    榛名「うん・・・提督が殺されてしまったんだもの…簡単には立ち直れないわ…」

    比叡「…お姉さま・・・・・・」







    金剛(テートク・・・テートク・・・・・・)

    金剛(あの男だ…きっとあの男・・・・I swear it's true・・・あいつがテートクを・・・・)ギリィ

    金剛(許さない許さない許さない許さない許さないユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ・・・・・・・・・)ギリギリギリィ





    27 : ◆DpM/5n - 2015/05/16(土) 10:33:17.82 ID:2KYwd9Ip0 (+89,+29,-40)
    休日は掃除をせねば

    乙とかコメとか嬉しいけど
    作者が安価付けて返事するのはウザいと思うから基本返信しないので気を悪くしないでね
    28 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 10:35:38.15 ID:FjN+sqddO (+13,+28,-4)
    ええんやで
    29 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 11:07:21.27 ID:nk+Tv87wo (+9,+24,-3)
    乙乙
    30 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 12:08:31.56 ID:e5UVHvEHo (+19,+29,-3)
    別にうざくはないけど、了解
    31 : 以下、名無しにか - 2015/05/16(土) 13:47:09.37 ID:7JHc7wLyo (-9,+5,-3)
    32 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 04:19:00.67 ID:4gHNqxkV0 (+30,+30,-221)

    さてさて
    いま僕は自分が着任するはずの鎮守府の前まで来た
    着任前に何を用意すべきかと迷ったが、結局のところ職務上に必要なものはわからないし知らない
    結局考えは自分をどう守るかに至った
    腐っても陸軍が海軍にいるのだ、用心に越したことは無い
    それにどこで恨みを買っているかもわからんしな

    仕事も大事だが、やはり自分の命も大事なのだ
    大事・・・大事か?
    少なくともまだ死ぬ気はないのだからこの表現が妥当かな?


    中尉「昨日の騒ぎも無かったかのように静かだな…」

    中尉「そう言えば午前は奴の葬式であったな…そこに息つく間も無く新しい提督が着任ね…」

    中尉「いったいどうなる事やら…」


    歓迎など期待はしていない・・・というよりもこの状態で歓迎などされたら一週間は眠れないな
    せめてこう・・・静かに・・・幽霊のように入り込みたいものだ…

    気分は敵地に侵入して偵察兵だな…
    よし行こう




    33 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 04:46:52.90 ID:4gHNqxkV0 (+93,+30,+0)

    中尉「よし…」

    中尉「よしよーしよしよし…」

    驚いた・・・
    僕のスニーキングスキルは大変すばらしいものだった
    目の前の表札には間違いのない表記
    執務室
    今日からここが俺の城か


    中尉「…」ガチャリ

    中尉「ふむ…やはりというか・・・・・前任者の私物などは全て片づけられているようだ・・・」

    中尉「奥の荷物は頼んだものか…あの奴めぇ…いい仕事しやがる・・・」


    奥の荷物・・・俺の身を守る武器だ
    九九式小銃に狙撃銃にテラ銃
    九九式軽機関銃・・・
    各種弾薬

    ふふふ…武器はあればあるほどいいのだ…
    まさに一人分隊と言ったところか


    中尉「机の上に乗っているのは・・・」ペラ

    中尉「…胸糞わるいな・・・・・・」


    顧客リストだ・・・
    あえてこれを残したってことは・・・こいつらも殺せという事か?
    口封じ・・・しかし書いている人物は僕が知っているのもチラホラと
    こいつらがわざわざ自分の首を絞めるだろうか…


    中尉「考えて殺せとはこういう事か…」


    つまり、邪魔者は殺せ・・・・だな…

    やり過ぎれば


    死ぬ



    中尉「大将殿は実は僕を殺したいんじゃないだろうか?」

    中尉「いや…こういう嫌がらせを楽しんでいるとも考えられるな・・・・」

    中尉「…」

    中尉「考えるのは後だな…」


    大将殿から送られた小銃に弾丸を込め、開いたドアに隠れるような位置に移動する


    中尉(お客様だ…)






    34 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 05:06:52.06 ID:4gHNqxkV0 (+91,+30,-224)

    木曾「物音がしたのはこっちなのか?」

    まるゆ「はい・・・ここここっちですぅ…」

    木曾「盗っ人か…猫か…どっちにしろ確かめる必要があるな・・・・」

    コンコン

    木曾「おーい、誰かいるのか?」

    まるゆ「き!木曾さぁん!!!」

    木曾「平気だろ、俺は滅多に負けん」





    中尉(おいおい・・・ノックしてきやがった・・・)

    中尉(馬鹿なのか?いや馬鹿だろ・・・まぁ敵意が無いのはいいことだ…)

    中尉「あぁいるぞ・・・敵意は無いか?」




    木曾「ははっ・・・本当にいたぞ、どうするまゆる?」

    まゆる「はわっわわわわわわわわ」

    木曾「こりゃダメだな…敵意か…お前次第だ、てかお前は誰だ?」




    中尉「新しく着任した君たちの上司だ」

    木曾「そうか、なら話は早い…俺は球磨型軽巡洋艦五番艦木曾だ、入室してもいいか?」

    中尉「…許可しよう・・・・・・」


    35 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 05:29:45.37 ID:4gHNqxkV0 (+95,+30,+0)

    木曾「それじゃあ失礼する・・・おら行くぞまゆる」ガチャ

    まゆる「うぅ…失礼します…」

    木曾「なんだその軍服…お前陸軍か?」

    中尉「陸軍から出向した、今は海軍少佐だ」

    木曾「なるほどなぁ!おいまるゆ!よかったじゃねぇか!」バンバン

    まるゆ「ぐべべべべべべ!!」

    木曾「で?どこの部隊にいたんだ?階級は?」

    中尉「懲罰部隊の中尉だ」

    木曾「はっはっはっ!はみ出しもんか!何をやったんだ?」

    中尉「助かる見込みのない患者を殺しただけだ」

    木曾「へぇ…医者が人殺しとは因果なもんだなぁ…」

    まるゆ「懲罰部隊・・・中尉・・・・ああああああああああああああああぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁ!!!!!!」

    木曾「なんだ…うるさいぞモグラ」

    まるゆ「もぐらじゃありません!じゃなくて…この人・・・・・味方殺しの死神・・・」

    木曾「……へぇ」

    中尉「まるゆ・・・と言ったね、僕はその仇名が嫌いなんだ…わかるね?」

    まるゆ「あっ・・・・ごめんなさい…」

    中尉「よろしい…木曾と言ったな、階級は?」

    木曾「何を言っている?俺たちに階級なんてないぞ?」

    中尉「おいおい、それじゃあ誰が現場で指揮を執るのだ?」

    木曾「主に旗艦がとっているな、俺たちは皆対等だ」

    中尉(面倒だな…上下関係がわからないじゃないか…)

    中尉「ならば木曾君、君に頼みごとがある」

    木曾「面倒事は御免こうむるぜ」

    中尉「簡単な事だ、今日の夜・・・ここの食堂に皆を集めてほしい」

    木曾「…いいぜ、何をするんだ?」

    中尉「今後の身の振り方をね…さぁ、僕は仕事があるので出て行ってもらえるかな?」

    木曾「おう、いくぞまるゆ」

    まるゆ「あっ、はい!失礼しました!!」


    バタン

    中尉「…」


    あれが艦娘・・・姿かたちはそこらの女子供と変わらんな
    年端もいかない子女を頼るとは


    中尉「本格的に世も末だな…」
    36 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 05:48:23.11 ID:4gHNqxkV0 (+95,+30,-121)

    中尉「それと・・・」プルルルル

    大将『私だ』ガチャ

    中尉「中尉です」

    大将『貴様か、いったい何の用だ?』

    中尉「実は…」




    大将『貴様本気で言っているのか?』

    中尉「えぇ、その方が動きやすいですし…私は素人ですので」

    大将『・・・よかろう』

    中尉「では、失礼します」

    大将『うむ』ガチャリ

    中尉「…」チーン



    中尉「さて…次はと・・・・」カキカキ


    37 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 05:59:22.04 ID:4gHNqxkV0 (+95,+30,-192)


    こうして時間は過ぎて・・・夕食時
    この鎮守府に所属する艦娘の全員が食堂に集まっていた

    そこに彼はやってきた

    茶色の軍服に軍刀を腰に下げて
    手提げ袋には大量の封筒が入っていた

    全ての艦娘が彼に注目する
    彼は早足に不自然に開いた一つのテーブルに荷物を置き
    彼女達を一瞥した


    中尉(軽く百人は超えているな…ん?)


    彼はこちらをじっと睨みつけている女性に気が付いた
    あの日自分の存在に気が付いた女性
    高速戦艦金剛
    前任者のただ一人の指輪保持者


    中尉(気が付いたのか・・・注意しよう)

    中尉「僕はここに新しく着任した提督…君たちの上司だ!」

    中尉「話に先んじて渡すものがある!呼ばれたら来てくれ!」

    中尉「まずは重巡洋艦青葉!」


    ―――
    ――
    38 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 06:09:25.38 ID:4gHNqxkV0 (+93,+30,-99)

    中尉「戦艦金剛!」

    金剛「…」ガタッ

    金剛「…」トトト

    金剛「…」トト

    金剛「…」スッ

    霧島「!」

    榛名「いけない!!!」

    比叡「お姉さま!!!!」

    金剛「…」ダダダダダダ

    中尉「…」チャキ


    鬼の形相で突っ込んできやがった
    しかしこんなところで来るとは・・・こいつ猪か?
    俺を殺すなら他に手があったろうに

    仕方がない、正当防衛だ
    間合いも考えずツッコむバカめ
    軍刀を抜いて袈裟に・・・

    降ろす!!!!!
    39 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 06:15:26.66 ID:4gHNqxkV0 (+95,+30,-157)

    榛名「お姉さま・・・大丈夫ですか?」

    比叡「先ほどから顔色が・・・」

    霧島「お姉さまの書類はこの霧島が・・・」

    金剛「ノゥ・・・大丈夫ネ・・・」


    中尉「戦艦金剛!」

    金剛「…」ガタッ
    (ワタシの番・・・)

    金剛「…」トトト
    (このタイミング・・・不自然ネ・・・・間違いない、あいつがテートクを・・・)

    金剛「…」トト
    (あの時もあいつを見た・・・絶対・・・絶対・・・)


    金剛「…」スッ
    (コロス・・・・コロシテヤル・・・)


    霧島「!」

    榛名「いけない!!!」

    比叡「お姉さま!!!!」

    金剛「…」ダダダダダダ
    (テートク・・・仇は・・・私が!!!!)

    中尉「…」チャキ


    金剛「ヤアァアァァアアァ!!!!!!」
    40 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 06:34:45.92 ID:4gHNqxkV0 (+95,+30,+0)

    中尉「…」ギリギリギリギリ

    金剛「ハァ…ハァ・・・・ハァ…ハァ…」グググ




    僕の軍刀は彼女にはあと一歩届かず
    彼女の包丁もまた、僕には届かなかった

    第三者の手によって、阻まれたのだ


    木曾「おいおい・・・女に手をあげんのかよ…」ガリガリガリガリ

    中尉「…あげねば僕が殺されていた、戦闘に性別は関係ない…刃物を持てば皆一様に戦士だ」ギリギリギリ

    木曾「筋は通っているが…気に入らねぇな・・・」ギリギリギリギリ

    中尉「結構だ」スッ・・・チンッ

    木曾「ふぅ…重い剣だな…」


    金剛「離せ!!はなせぇぇ!!!!」

    長門「くそ!面倒だ!!!」ギリギリギリギリ

    金剛「はっ!!!ぐぅ・・・・かはっ・・・・」

    金剛「…」

    陸奥「ちょっと長門!絞め落とす必要は無いじゃない!!」

    長門「こいつは冷静でなかったのだ!・・・これが妥当だ…」

    陸奥「だからって…」

    比叡「お姉さま!!」

    榛名「長門さん!!!やり過ぎですよ!!」

    長門「ならばメンタルケアぐらいはやっておくんだな」スタスタスタ

    陸奥「ちょ!!長門!!!」

    中尉「誰かそいつを医務室に連れて行け・・・」

    榛名「ぐっ・・・」

    比叡「お姉さま・・・しっかり・・・・」

    金剛「…」グタァ

    霧島「大丈夫、気を失っているだけよ」


    提督「続けるぞ!敷波!」



    41 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 06:42:46.82 ID:4gHNqxkV0 (+80,+25,-3)
    ゲームうぃせねば
    42 : 以下、名無しにか - 2015/05/17(日) 06:45:02.58 ID:36KwxaSq0 (+13,+28,-7)
    終わり?
    …乙
    43 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 06:51:01.71 ID:4gHNqxkV0 (+90,+30,-54)
    訂正
    ゲームをせねば

    関係ないことつぶやいたら一旦終わりと言う解釈で
    ここまでとか書いたら暇になって書こうとした時気まずいし
    一旦終わりと書いたらいざ書けないってなった時になんか申し訳ないし
    44 : 以下、名無しにか - 2015/05/17(日) 07:07:59.20 ID:cDk+qSZfO (+18,+28,-2)
    乙です
    >>1丁寧やね
    45 : 以下、名無しにか - 2015/05/17(日) 07:12:39.89 ID:Lpagzec2O (-9,+5,-3)
    46 : 以下、名無しにか - 2015/05/17(日) 07:49:29.92 ID:l/uV15XaO (+24,+29,-9)
    乙、念の為言っておこう
    まゆるじゃない、まるゆだ!
    47 : 以下、名無しにか - 2015/05/17(日) 09:15:09.46 ID:c2BsjuYx0 (+24,+29,-23)
    後ろで直ってるんだから言う必要もない
    48 : 以下、名無しにか - 2015/05/17(日) 09:34:01.84 ID:mjYJhrxlo (+27,+29,-7)
    木曾は性別こだわらんのじゃないか、と思った
    49 : 以下、名無しにか - 2015/05/17(日) 11:34:06.77 ID:0VZ0LZpDO (+19,+29,-3)

    続きがとても楽しみ
    50 : ◆DpM/5n - 2015/05/17(日) 12:40:02.98 ID:4gHNqxkV0 (+95,+30,-206)

    そうして約百人分のとある書類を入れた封筒を渡し終えた
    各人、それを勝手に開けることなくいる姿はある程度の常識を感じさせられる


    中尉「全員渡せたな・・・では中身を確認してほしい」


    僕の合図とともに各所で封筒を破る音が聞こえる
    その後に聞こえた音は・・・ヒソヒソと話しを始める声
    当然だろう、それは天国への片道切符に・・・あるいは地獄への片道切符に成り得るものであったからだ

    やがて一人の艦娘が手を挙げた
    僕が書類に関する質問かと問うと、頷く
    僕は一つ咳払いをして話を始める準備をする



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