私的良スレ書庫
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元スレいろは「せんぱーい、いちゃいちゃしましょー」八幡「無理」
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【妊娠】
――比企谷八幡、社会人五年目。一色いろは、社会人四年目。
いろは(「おめでとうございます」とお医者さんに言われた時、私の頭の中は真っ白だった)
いろは(ていうか、何を言われているのか分からなかった)
いろは(そして、「三ヶ月目です」とお医者さんは続けた。私のお腹の中には三ヶ月も誰かがいたらしい)
いろは(じわじわと驚きがやってきて、嬉しさがやってきて。次に思ったのは「旦那さんに何て言おう」、だった)
――比企谷八幡、社会人五年目。一色いろは、社会人四年目。
いろは(「おめでとうございます」とお医者さんに言われた時、私の頭の中は真っ白だった)
いろは(ていうか、何を言われているのか分からなかった)
いろは(そして、「三ヶ月目です」とお医者さんは続けた。私のお腹の中には三ヶ月も誰かがいたらしい)
いろは(じわじわと驚きがやってきて、嬉しさがやってきて。次に思ったのは「旦那さんに何て言おう」、だった)
――比企谷夫婦宅、夕食後のリビング。八幡、食後の一服中
いろは「旦那さん、旦那さん」
八幡「ん」スパー
いろは「ご報告があります」
八幡「おお」スパー
いろは(旦那さんはテレビをぼんやりとした表情で眺めていた。画面の中では若手らしい芸人が何事かを叫んでいる)
いろは「赤ちゃんができました」
八幡「ん。……え?」
いろは「私たちの赤ちゃんが、できたようです」
八幡「……」
いろは(旦那さんは煙草を手にしたまま固まった。その目は大きく見開かれて、よく分からない顔でこちらを見つめていた)
八幡「……あっつ!」
いろは(いつの間にか煙草の火がフィルターを焦がすところまできていたことにも気づかないくらいには、私たちは固まっていたらしい。慌てたように旦那さんは灰皿に煙草を押しつけて火をもみ消した)
八幡「……本当か?」
いろは「今日、病院に行ってきました。三ヶ月だそうです」
八幡「そうか……」
いろは(旦那さんは一つ頷くと、俯いてしまった。そのまま床を見つめて、なかなか顔を上げてくれない)
いろは(もしかして嫌だったのかなと思い、不安になる)
いろは「あの……どうしました?」
八幡「嬉しいだけだから、気にすんな」
いろは「そうですか」
いろは(そう言う旦那さんの声はたしかにうるんでいて、私も泣きそうになる)
八幡「そうか……そうか」
いろは「はい」
八幡「じゃあもう、やめるか」
いろは(旦那さんはそう言って、まだたくさん入っている煙草の箱をゴミ箱に入れた)
いろは「え、いいんですか」
八幡「もう必要ないしな。……いや、とっくに必要はなくなってたのを惰性でダラダラと吸い続けてただけだ。やめるにはいい機会だろ」
いろは「旦那さん……。なんかちょっとキュンときたんですけど」
八幡「アホ、照れるからそういうのは声に出さないでいい」
いろは「は~い」
八幡(いろははクスクスと笑うと、俺の隣に座った)
いろは「パパですよ」
八幡「お前はママだな」
いろは「そうですね……ママって呼びます?」
八幡「嫌に決まってんだろ……誰が呼ぶか」
いろは「えーなんかいいじゃないですかー。お互いのことをパパとママって呼ぶの」
八幡「俺がそういうこと言っちゃう人間じゃないのは知ってんだろ」
いろは「まあそうですけどね~」
八幡(いろはは俺の肩にもたれかかって、耳元で呟く)
いろは「旦那さん」
八幡「何だよ」
いろは「……ふふ、なんでもないです」
八幡「……あっそ」
八幡(少しくすぐったくて、とても甘くて。幸せで)
八幡(俺はこの女のことが、本当に好きなのだと実感する。これからももっともっと好きになって、大切になるのだろうと思う。これは予言だ、的中率100パーセントの予言だ)
八幡(いろはは俺の肩に頭を預けて目を閉じている。その口から柔らかい鼻唄がこぼれるのを聴きながら、彼女の右手に俺の左手を重ねた)
俺喫煙厨だけど、アレ上がってない若い嫁と同じ部屋でスパスパやるのはマジキチだと思うよ
>>170
たしかに同じ室内で吸いまくってるのはよくないですね。ところで不快になられたらすみません、アレ上がってないとはどういう意味でしょうか
たしかに同じ室内で吸いまくってるのはよくないですね。ところで不快になられたらすみません、アレ上がってないとはどういう意味でしょうか
>>170
その理論だと煙草吸ってる女は生きてる価値無いってことか。
その理論だと煙草吸ってる女は生きてる価値無いってことか。
>>170
その理論だと煙草吸ってる女は生きてる価値無いってことか。
その理論だと煙草吸ってる女は生きてる価値無いってことか。
>>170
その理論だと煙草吸ってる女は生きてる価値無いってことか
その理論だと煙草吸ってる女は生きてる価値無いってことか
【ナンパ】
――比企谷八幡と一色いろはが付き合って一ヶ月目の頃
八幡(いつものようにゼミを終えて、帰路に就いていると珍しいものを見た)
男>1「なあいいじゃん、暇なんやろーて」
男>2「どっか遊び行こうや」
いろは「……」ポチポチ
八幡(どうも男が二人で一色をナンパしているようだ。一色はその男二人がいないものであるかのように、携帯を触り続けている)
――比企谷八幡と一色いろはが付き合って一ヶ月目の頃
八幡(いつものようにゼミを終えて、帰路に就いていると珍しいものを見た)
男>1「なあいいじゃん、暇なんやろーて」
男>2「どっか遊び行こうや」
いろは「……」ポチポチ
八幡(どうも男が二人で一色をナンパしているようだ。一色はその男二人がいないものであるかのように、携帯を触り続けている)
男>1「おい何調子乗ってんだよ」
男>2「こっち見ろやアアン!?」
いろは「……」ポチポチ
八幡(男二人が凄んで見せるも、なおも一色は携帯を触り続けている。そのメンタルちょっと俺にも分けてください)
八幡(なんにせよこれ以上はマズイと思い、声をかけることにした)
八幡「おい一色、帰るぞ」
一色「……」ポチポチ
八幡(えーなんで俺のことまで無視してんのこいつ。いないものとして扱われた中学のときの記憶がチラつくからやめよう)
男>1「お兄さん、ダメっすよこいつ。なんか調子乗ってるっていうか」
男>2「ああ、ブスのくせに勘違いしてるパティーンだわこれ。お兄さん暇なら俺らと一緒にナンパする?」
八幡(何故かナンパ男たちが俺を仲間にしようとしてきた。どうする?)
八幡( 逃げる ウホる 戦う →無視)
八幡(特に迷うことなく「よし、無視だな」と決めて強引に一色の腕を掴む。一色は驚いたような表情をしていたが特に文句を言うこともなくついてきた)
男>1「はあー何それ。おもんな」
男>2「しけるわー」
八幡(男たちは文句を言いながらも追ってはこなかった。態度こそデカいが、そんなに喧嘩をしたがる奴らではなかったらしい。最近の省エネ主義のヤンキー、万歳)
八幡「ったく、何やってんだよ」
いろは「すみません、せんぱいの姿が遠くから見えたのでちょっと反応を見たくて」
八幡「……本当に、何やってんだよ。あのな、運がよかったからいいけどな。あれがもし――」
いろは「あーうるさ。お説教の前に言うことあるんじゃないですか?」
八幡「は?」イラ
いろは「私、ブスじゃないですよねー?」
八幡「…………いや、もうブス。相当なブス」
いろは「は?」イラ
八幡「あ?」イラ
いろは「……私可愛いもん可愛いもん可愛いもん可愛いもん」
八幡「ブスブスブスブスブサイク」
いろは「はー?今日のご飯トマトしか出しませんよ?それが嫌なら可愛いって言ってください」
八幡「……ブッサイク」
いろは「可愛いって言っえっ」ポカポカ
八幡「あーはいはいかわいいかわいい」
いろは「……とても不本意ですが、私の方が精神的に大人なので許します」
八幡(精神的に大人とか言うやつはほぼ間違いなく子供。ソースは小町)
いろは「今なにかイラッとすること考えませんでした?」
八幡「……こえーよ、お前のアンテナ。あとこわい」
【カラオケ】
――比企谷八幡、一色いろは、付き合って一年目くらい。カラオケ屋。
八幡(「珍しく二人とも全休ですし、カラオケでも行きません?」という一色の一声で俺たちはカラオケに来ていた)
八幡(デートするにも映画や公園、海の多い俺たちにとってカラオケはとても珍しい。一色は好きみたいだが、俺と二人で来るのは初めてかもしれない)
いろは「私飲みもの注いでくるんでせんぱい何か先に入れててくださーい」
八幡「ああ」
八幡(デンモクを操作し適当な曲を入れる。高校の頃によく聴いていた曲だが、覚えているだろうか)ピピッ
八幡(曲名が表示され、イントロが流れ始める)
八幡(声をメロディに乗せる。意外と覚えてるもんだ)
――歌い終わる頃
八幡「名前なんかないよ なんにも だから君が今つけたらいいんだよ……♪」
八幡(唄い終わった。一色の方を見ると、なんとも言えない表情をしていた)
いろは「ちょ、ドヤ顔でこっち見ないでくださいよ。……なーんか無難というか普通に上手くてつまんないですねー」
八幡「はあ?完璧だっただろうが」
いろは「ラブソングなんですからもっと感情こめこめましましで歌ってくださいよー。はい、もう一曲入れといたので歌ってください」
八幡「いやマジかお前」
八幡(もうすでにイントロが流れ始めていた。仕方なくマイクを手に取る)
いろは「なんだかんだで歌ってくれるせんぱい大好き~」
八幡「……歌う気なくなるからやめろ」
――二曲目を歌い終わる頃
八幡「くしゃみひとつで取り戻せるよ 離れてもそばにいる 気でいるよ……♪」
八幡(少しうろ覚えだったがなんとか歌いきった。さっきよりは感情的に歌ってみたが……一色の表情をうかがってみる)
いろは「……!」グッ
八幡「……」
八幡(一色は掌で目元を覆って泣き真似をしながらサムズアップしていた。なんかそれはそれで照れるからやめろ)
八幡「くしゃみひとつで取り戻せるよ 離れてもそばにいる 気でいるよ……♪」
八幡(少しうろ覚えだったがなんとか歌いきった。さっきよりは感情的に歌ってみたが……一色の表情をうかがってみる)
いろは「……!」グッ
八幡「……」
八幡(一色は掌で目元を覆って泣き真似をしながらサムズアップしていた。なんかそれはそれで照れるからやめろ)
いろは「いや~せんぱいワンマンライブ最高です……今後も定期的にしていきましょう」
八幡「え、嫌だけど……」
いろは「拒否権なしです♪」
八幡「えぇ……」
いろは「せんぱいの歌声が良すぎるのが悪いんです。とりあえずもういっちょ行きましょー♪」
八幡「仕方ねえなぁ……」
いろは(せんぱいチョロいな~)ニヤリ
――三曲目を歌い終わる頃
八幡「あなたに逢えてよかった よかった……♪」
八幡(この曲は俺もかなり好きだったのでかなり感情をこめて歌えたと思う。一色の反応を見てみる)
いろは「……なんかちょっと暑くないですか?」ハア、ハア
八幡(おもむろにカーディガンを脱いで胸元をパタパタしていた。……発情してやがる)
八幡「アピールされてもカラオケなんかじゃ絶対やんねえからな」
いろは「ちょ、べ別にそんなんじゃないですし!本当に暑いだけですし!」
八幡(顔を真っ赤にして一色は否定してくる。いや、お前ってムラムラしてるときのサイン結構分かりやすいからな?)
いろは「うー……だってせんぱいが悪いんですよう。あんなに色っぽい声で私に逢えてよかったなんて言ってくるから……」
八幡「いやそれ歌詞だし……」
いろは「拒否権なしです♪」
八幡「ありです」
いろは「異議を申し立てます!」
八幡「却下します」
いろは「ひどい……」
八幡「当たり前だろうが。俺はカラオケでそういうことやる連中が嫌いなんだよ、知ってるだろ」
いろは「まあ知ってますけどー……。いいこと思いつきました!」
八幡「はあ、なんだよ」
いろは「私が甘い曲唄ってせんぱいをその気にさせてみせます!なのでちゃんと聴いててくださいね」
八幡「はいはい頑張れ」
いろは「ぶーぶー。適当だなー。絶対させますからね!」
八幡「はいよ」
八幡(結果だけ言おう。二時間とっていたカラオケを一時間で出て、気が付くとラブホテルの中にいたということだけ、記述しておく)
【再会】
――【喧嘩】の一週間後。某繁華街のレストランの前。
八幡(今、俺はとある店の前に立っている)
八幡(これからここに来る、ある女性を待っているからだ)
八幡(胸にこみあげてくる気持ちは、なんとも形容のしがたいものだった)
八幡(動悸がやたらと早くなり、足が小刻みに揺れていることが分かる)
八幡(腕時計を何度も確認するし、スマホの画面をつけては消してを繰り返している)
八幡(だが不思議と、後悔の気持ちは微塵もないことは確かだった)
――【喧嘩】の一週間後。某繁華街のレストランの前。
八幡(今、俺はとある店の前に立っている)
八幡(これからここに来る、ある女性を待っているからだ)
八幡(胸にこみあげてくる気持ちは、なんとも形容のしがたいものだった)
八幡(動悸がやたらと早くなり、足が小刻みに揺れていることが分かる)
八幡(腕時計を何度も確認するし、スマホの画面をつけては消してを繰り返している)
八幡(だが不思議と、後悔の気持ちは微塵もないことは確かだった)
――
八幡(一週間前に、俺と一色は初めて喧嘩をした。いつもの軽口のたたき合い、じゃれ合いではなく本当に破局する手前の喧嘩だった)
八幡(だが、どうにか仲直りをすることができた。一色の言うところによると、葉山と三浦に助けてもらったらしい)
八幡(雪ノ下と再会した日の話、お互いにずっと思っていたこと、考えていたこと)
八幡(色々なことを話し合った。その結果、一色は『結衣先輩にも会ってください。会って、話してください』と提案した)
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