のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,863人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ提督「臆病で愚図」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 艦これ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    201 :


    秘書艦の分担を確認し終わった後、夕立の背中に左手を回して抱き寄せる。

    摩耶「お前、そのままで出るのかよ?」

    膝窩に右手を回そうとしたところで、摩耶から声が飛んだ。

    顔を上げると、摩耶が訝むような目つきを私に向けている。

    提督「駄目か」

    摩耶「当たり前だろ、女抱えて点呼に出るなんて、馬鹿にしてるとしか思えねえぞ」

    正論だ。

    榛名「仮眠室で休ませておくのは如何ですか?」

    提督「……ふむ」

    左に目線を向け、入り口から見て右奥にある扉を見る。

    扉を少し眺めた後、夕立に目線を移す。

    夕立は俯いたまま、右手で私の裾を弄っている。

    提督「いや、点呼には夕立と一緒に出る」

    摩耶「はあ?」

    愛宕「提督、摩耶の言葉聞いてなかったの? それ邪魔なのよ?」

    聞いていたよ。

    202 = 201 :


    摩耶の言う通り、抱きかかえたままなのは駄目だろが、放って置く訳にはいかない。

    提督「夕立、一緒に歩こうか」

    夕立に点呼場所まで行けるか尋ねる。

    夕立が顔を上げる。先ほどと打って変わって、弱々しく口を結んだ顔が見える。

    提督「行けるか?」

    夕立の髪を梳く。

    先端の桜色の髪が、舞うように揺れる。

    夕立「もう少し、このままが良いっぽい」

    金剛「夕立ィ、Don't be selfish、テートクが困っているネー」

    金剛が腕を組んで夕立を見下ろす。

    夕立「提督さん、夕立、迷惑っぽい?」

    提督「いや、別に」

    何かを訴えるような目つきの夕立に、さっさと返答する。

    金剛、摩耶、顔をしかめないでくれるか。

    夕立「じゃあ……」

    提督「ただ、夕立と一緒におさんぽが出来たら、と思ったんだがな」

    夕立の首元を右手で撫でる。

    夕立「あ♡」

    鎖骨の上から頚動脈の真横をなぞり、顎の下を舐めるように指を這わせる。

    ゆっくりと、優しく。

    何度も。

    夕立の頬が上気し、水飴が垂れるように口が開く。愛宕、目が怖い。

    提督「なあ、夕立」

    視線が虚空をさ迷い始めた頃、夕立に声を掛ける。

    提督「おさんぽ、するか?」

    焦点が合わない瞳が、私に照準を定めた。

    夕立「……する」

    203 = 201 :


    提督「そうか、ならまず、膝から降りないとな」

    夕立「うん」

    夕立が私の膝から降り、床に足をつける。

    床に足をつけた途端、前のめりにふらついた。

    榛名が反射的に手を出したのとほぼ同時に、私は椅子から立ち上がり、夕立の肩を掴んでその身体を支える。

    夕立をそのまま抱き寄せる。

    夕立は私にくっつくと、服の裾を引っ掴んで姿勢を保つ。

    愛宕「あら、本当に体調が悪かったのね」

    夕立に目を据えていた愛宕が、意外だといわんばかりに呟く。

    摩耶「……マジで休ませといたほうがいんじゃねえか」

    私もなんだか不安になってきた。

    提督「……夕立」

    夕立は服の裾を更に強く掴む。

    夕立「おさんぽ……する」

    金剛「夕立ぃ、無理はよくないデース、Have a rest」

    夕立は首を振る。

    夕立「おさんぽ、する」

    夕立の言葉に全員が口を閉じる。

    摩耶、愛宕、金剛、榛名が視線を私に送る。

    私は夕立以外の全員に視線を送り返す。

    提督「……すまん」

    溜息が部屋に満ちた。本当にすまん。

    204 = 201 :

    ・深夜は ここまで

    ・ワンパターン…… orz

    ・もっと バリエーションを 増やさないと

    ・感想 要望 改善等 あれば どうぞ

    205 :

    相変わらず続きが気になる書き方をしよる

    206 :

    夕立とお○んぽしたい

    207 :


    金剛たちと共に、夕立に抱きつかれたまま執務室を出る。

    本館を出て、しばらく歩くと営庭と朝礼台が見えてきた。

    朝礼台の前には、時間が迫っていることもあって、既に娘たちが整列していた。

    提督「少ないな」

    榛名「遠征や哨戒、明けの娘が今日は多いので」

    そういやそうだったか。

    朝礼台に向かって歩いていくと、こちらに気づいたのか、何人かの娘たちが視線を向けてくる。

    娘たちの視線が、私から夕立に移る。

    刹那、強烈な寒気が肌を刺した。

    夕立「……」

    摩耶「……どうすんだよ、かなりキてるぞ、これ」

    提督「さあな」

    私が聞きたい。

    というより、娘っ子一人抱きついているだけで、よくこれだけ威圧感が放てるものだ。

    提督「それと金剛、収めろ」

    摩耶の小言に素っ気無く返し、金剛が艤装を展開しようとするのを止める。

    寒気を感じながら歩みを進め、朝礼台に向かう。



    朝礼台近くに到着し、私は娘たちと対面した状態で、朝礼台の右横に二人分空けて控える。

    その後、金剛が私の左後ろに立ち、更に左に榛名、朝礼台の真後ろに摩耶、朝礼台の左側に愛宕と並ぶ。

    私は点呼に立ち会うだけなので、進行や挨拶は補佐である摩耶が進めることになる。

    摩耶が朝礼台に上がる。

    摩耶「あー、始めていいか?」

    摩耶の声が響く。

    それにも関わらず、娘たちの視線は私と、私の左腕に抱きついている夕立に向かっている。

    摩耶が私に、訴えるような視線を向ける。

    提督「摩耶、始め「待ちなさいよ」

    怒気を含んだ声が飛ぶ。

    提督「……どうした、霞」

    満潮の後ろに並んでいた霞に視線を向ける。

    208 :

    よりにもよって駆逐艦では一番口煩そうな霞か

    209 = 207 :


    「どうしたじゃないわよ、女侍らせて出てくるとか、馬鹿にしてんの?」

    提督「馬鹿にしたわけではない……色々とあったんだ」

    「へえ、色々、ねえ、ならその色々とやらをご高説願えるかしら?」

    提督「ご高説ってほどではないが……夕立が体調を崩したようなんでな。私が預かって面倒を見ているんだ」

    「はあ!? このクズ、馬鹿じゃないの!? 半病人を連れ回すとか何考えてんのよ!?」

    提督「……夕立も出たがっていたんだ。無碍には出来ないだろう」

    「ああっ!? そういう時は意地でも休ませるべきでしょうが!? そんな常識もないわけ?」

    提督「休ませるといっても、な。医務室も開いて無かったし、なにより一人にはしておけなかったんでな」

    「一人にしておけない? なにあんた、医者にでもなったつもりなの? だったら今すぐその帽子を捨てて医学校にでも行ったらどう?」

    提督(……)

    霞の言葉で、満潮の左隣に並んでいる、陽炎、不知火、黒潮を横目で見る。

    提督「……」

    医者にでもなったらどう、ね。

    不知火の前で、それを言うのか、糞餓鬼。

    210 :


    誰かの押し殺すような笑い声が聞こえた。

    誰のだ?

    夕立「提督さん……?」

    夕立が不安な顔つきで私を見ていた。他の娘たちも同様の顔つきをしている。

    ……ああ、笑っていたのは私か。

    「何よ、いきなり……気持ち悪い」

    霞の顔が蜚蠊でも見たかのように嫌悪に染まる。まあ、いきなり笑いだしたらそういう顔にもなる。

    提督「霞」

    笑い声を殺して、霞に呼び掛ける。

    「何よ」

    提督「お前、部下を見捨てるような上官が欲しいのか?」

    霞は一瞬呆気に取られると、服に百足が入り込んだような顔になる。

    「はあっ!? 何をどうしたら、そう受け取れるのよ!?」

    提督「そうか、違うのか」

    「当り前でしょ! 何考えてんのよ!?」

    提督「悪いな、お前が何を言いたいのかさっぱりわからないんだ。私はお前たちの命を預かる身として、大事な部下を保護しているだけに過ぎない」

    夕立の頭を優しく撫でる。

    提督「明石が医務室に居ない以上、万一何か遭った時のために傍に置いておくのが最善だろう……そう考えたんだが、なにがいけないんだろうな」

    霞から夕立に目線を移す。擽ったそうにする夕立の顔が見える。

    提督「霞、そのあたり、私にご教授願えないか?」

    言葉だけを霞に送る。

    「用があるなら、目を、見て、言いなさいよ」

    提督「目を見て話して貰える立場だと思っているのか、お前は」

    野外とは思えないほど、営庭が静かになった。

    「人としての、当り前の礼儀を言っているのよ、あたしは」

    提督「人に恐喝まがいの怒号を飛ばし、暴言とも取れる言葉を吐く娘に、礼儀を問われているのか、私は?」

    勘違いを装い、正論を理不尽で返し、揚げ足を取る。

    霞、もうお前とまともに話をするつもりは、ない。

    「なによ、つまらないことに意地張って、恥ずかしくないの?」

    提督「礼儀や部下への配慮を『つまらない』扱いか、酷いもんだな。お前がそういう奴だとは思わなかったよ、霞」

    霞に視線を向ける。

    霞は顔をしかめ、私を鋭く睨んでいる。

    「なによその言い方、もしかしてこの程度のことで逆ギレしてるわけ?」

    提督「お前は私が怒っているように見えるのか。存外怖がりなんだな、霞」

    「……」

    提督(おや?)

    霞が、初めて黙った。

    もしかして図星だったか? いや、霞に限ってそれはないか。

    だとしても、これは好都合だ。こんな下らん押し問答はさっさと終わらせよう。

    211 = 210 :


    提督「さて」

    娘たち全員に聞こえるように、声を上げる。

    提督「お前たちも言いたいことは色々あるのだろうが、私は私なりに判断してこういう行動をしている」

    全員の視線が私に集まる。

    提督「意見があるなら、後ほど個別に受けよう」

    寒気は既に無くなっている。

    提督「もちろん、二人きりでな」

    愛宕から殺気が飛んできた。

    朝礼台が愛宕の殺意で軋む。

    すまん愛宕、ちゃんと埋め合わせするから、その殺気を抑えてくれ。間にいる摩耶と榛名がとばっちり喰らって痛そうな顔してるぞ。

    「……」

    霞が口を開こうとする。

    提督「霞」

    「何よ」

    提督「悪いがもう時間だ……摩耶、始めろ」

    摩耶「あ? ああ」

    摩耶が、今目が覚めたかのように反応し、号令を掛ける。

    朝の点呼が始まる。

    212 :

    おお!きてたのか

    213 :


    摩耶の号令と共に点呼が開始し、娘たちが伝達事項を述べていく。

    その間に、私は細くゆっくりと息を吐き、気持ちを落ち着かせる。

    霞の言葉で一瞬頭に血が上ったが、なんとか抑えることができた。

    妙高との一件が無ければ、もっと酷いことを言っていたかもしれない……恥ずかしい限りだ。

    提督(……それに)

    夕立に目線を降ろす。

    私と霞が問答を繰り返している間、夕立はずっと私を抱き締めていてくれた。

    それによるものかどうかは不明だが、娘たちに手を出さずに済んだ。それだけは本当によかった。

    霞に視線を移す。

    提督(助かったよ、霞)

    霞が、全員を代表して、不満を私にぶつけてくれたおかげで、営庭に充満していた寒気が和らいだ。

    霞のような、主張が強く、口煩い娘は、往々にして厄介なものだが、時折そのように、所謂ガス抜き役になってくれることもある。

    本人が気づいているかどうかは不明だが。まあ、便利な娘ということだ。

    提督(さてと)

    他の娘に目線を移し、気に掛かる娘たちを探す。

    不知火は先ほど確認した。姿勢が綺麗だ。

    加賀もいる。相変わらず無表情だな、顔だけは。

    夕張も……いるな。

    那珂もいる……………敬礼に独創性を混ぜるのはやめなさい。

    熊野は……鈴谷はいるが、後ろが空いている。出ているんだったか。

    伊58たちは……いないな。確か非番だったか?

    提督(……ふむ)

    不知火と那珂の件は後日に回そう、まずは熊野に話を聞きたい。

    妙高との予定は加賀がいれば何とかなるな。可能であれば今日中に終わらせたい。

    夕張も同様だが、できれば個別に話したい。金剛と榛名が許してくれればいいが。

    伊58たちは……あとで大鯨のところに行って様子を聞くか。

    提督(こんなところか?)

    まあ、まずは夕立からだ。その後は愛宕たちとの予定を済ませなければ。

    点呼が終わる。

    摩耶「━━━━━以上! 別れて爾後の行動、別れ!」

    さあ、今日も一日を始めよう。

    214 = 213 :

    ・本日は ここまで

    ・感想 要望 改善等 あれば どうぞ

    215 :

    乙です

    夕立に抱きつかれるのは嬉しいが抱きつかれた状態でみんなの前に出るとか怖すぎてできねえよww
    だが、その状況で上手く捌くとかこの提督はとことんすげえww
    そして霞の言動はまさか確信犯的なのかどうか…

    216 = 212 :


    楽しみにまってるわ

    218 :

    スレタイに違わぬ性格してんなー
    この提督

    219 :

    おつでち

    220 :


    娘たちが営庭からいなくなり、一息つく。

    夕立「ていとくさん、おさんぽ、おさんぽ」

    しかし一息つくや否や、夕立が左腕の裾を引っ張りながら、私を急かし始めた。

    私は夕立に体の正面を向ける。

    私は左腕を上に動かして、夕立から腕を離す。

    それと共に夕立は腕から手を離し、私の左半身に寄りかかる。

    左手で夕立の頭を撫で始める。

    耳の部分をくすぐってやると、夕立は眼を瞑り、身体全体から力が抜け、私の手の感触を味わう。

    愛宕「提督、先程のはどういうことですか」

    肌を差すような空気を放つ愛宕が、腕一本分の距離まで近づいてきた。

    目尻が釣り上がり、顔が怒りを表現している。

    私の後ろに付いた金剛が、異な気配を携える。

    榛名と摩耶は、二歩ほど離れた場所から遠巻きに見ている。

    提督「先程というと?」

    愛宕「惚けないで」

    愛宕が半歩詰め寄る。

    詰め寄った瞬間、愛宕の腰に右手を回し抱き寄せる。

    眼前に驚いた愛宕の顔が現れる。

    胸板に張りのある二つの膨らみが触れ、腹部の柔らかな……

    ……愛宕、お前、太ったか?

    提督「すまない愛宕、先程のはああするしかなかったんだ」

    愛宕の目を真直ぐに見る。

    すると愛宕は頬を染めて、丸めた右手で唇を隠しながら、目を細めて顔を反らす。なんだその反応は。

    ……私の口が臭いとかじゃないよな? 歯磨きはしてきたし。

    提督「お前とのことを蔑にしたわけではないんだ」

    そう言って愛宕を見つめていると、愛宕は顔を反らしたまま、私に目線を送る。

    提督「ちゃんと、埋め合わせはするから」

    しばらくそうやって見つめていると、愛宕が再び目線を反らす。

    愛宕「こんなことじゃ、誤魔化されないんだから……」

    提督「そんなことはしない」

    そう言って愛宕の言葉を否定すると、愛宕は顔を私に向け、胸元の服を掴み、顎を引いて上目遣いに見てくる。

    豊満な二つの膨らみが、私と愛宕の間に挟まれる。

    またブラジャーを着けてないのか、こいつは。

    愛宕「ほんとですか?」

    提督「本当だ」

    愛宕「なら、今ここで、証明して貰えますね?」

    提督「証明?」

    愛宕「こういうことよ」

    そう言うと、愛宕は顔を挙げ、瞼を閉じ、唇を軽く窄める。

    221 = 220 :


    それを見て、一旦榛名に目線を送る。

    榛名「……」

    榛名は何も言わず、ただ此方を見ている。

    能面を張り付けたような顔で、ただ此方を。

    提督(すまん、榛名)

    愛宕に口づけを交わす。

    交わした直後、夕立が服に噛みつき、引き摺り降ろすように服を掻き毟ってきた。

    夕立を宥めるために、左手を夕立の耳の部分から左頬に移動させる。

    左手親指の根元、第1中手骨部に硬い痛み。

    夕立の歯が、喰い込む。

    夕立からの痛みに耐えながら、愛宕と唇を押しつけ合う。

    愛宕が私の唇を押しのけ、舌を入れてきた。

    愛宕の舌が、私の閉じた歯の表面をなぞり、品定めをするかのように歯茎一本一本を舐め取っていく。

    前歯から犬歯、小臼歯から大臼歯、そして親知らずまで、一本も残さず。

    右上の歯を舐め終わると、愛宕は一度唇を離す。

    愛宕は口を開き、舌を突き出し、犬のように息継ぎをする。

    私の上唇から糸が引き、愛宕の舌の先に繋がる。

    再び唇を交わす。次は左上。また同様に。

    上が終われば、次は下。

    愛宕の舌乳頭が私の歯のエナメル質に粘りつくように這う。

    愛宕の舌尖が私の歯肉を味見するかのように蹂躙していく。

    五度目の口付けで、愛宕の舌が上歯と下歯の隙間を抉じ開けようとする。

    歯を少し開いて招き入れる。

    愛宕の舌が、蛇の如く私の舌に絡みつく。

    ヌルヌルとした硬いゼラチンの塊が、生温かい蜜を纏いながら、口内で融け合う。

    愛宕の執拗な舌を、舌先で押し返す。

    舌の粘膜と粘膜が舌の表面で乱れながら交り合い、互いの粘液が混ざり合う。

    押しては交わり、粘りついては離れ、口と口が一つなったような錯覚。

    ぷはぁ、という呼吸音と共に、互いの唇が離れる。

    粘液の混合物が、互いの唇の間に残滓を煌めかす。

    愛宕がその残滓を啜る。

    愛宕は眼を瞑り、口の中で残滓を味わうと、私の鎖骨部に顔を寄せる。

    寄せた瞬間、驚愕の顔で私から顔を離した。

    私の鎖骨部をじっと見つめる。

    提督「愛宕?」

    愛宕「ねえ、提督」

    愛宕が顔を挙げる。

    愛宕「あなたから、雌の匂いがするわ」

    濁った瞳が、私を捕捉した。

    222 :

    鎮守府にはメスしかおらんやろ!

    乙です

    223 = 220 :


    提督「お前たちと過ごしているんだ。女性の匂いぐらい一人やふ「違うわ」

    愛宕「女の匂いじゃないわ。雌の臭いよ」

    愛宕は鼻を、私の鎖骨部から首筋へとひくつかせながら移動させる。

    愛宕「こびり付いてる」

    愛宕は私の襟のフックと第一ボタンを外し、胸元に鼻を当てる。

    愛宕「濃さからいって、朝食前ね。それに潮の香りもする。外でヤッたのかしら……ああ、臭い臭い」

    朝食前、外、シャワーを浴びた時間、なおかつ、ヤッた娘。

    愛宕「私の提督にこんな臭いをつけるなんて、一体どこの雌豚かしら。ねえ、提督」

    妙高だな。

    提督「気のせいだ」

    朝食後にシャワーを浴びなかったのは失策だったか。

    服も着替えて、消臭剤まで使ったのにこの様か。

    提督「そもそも毎日お前たちと触れ合っているんだ。どんな匂いがついたって不思議じゃあない」

    愛宕の腰に回した手を離す。

    夕立も既に左手から牙を離して、こちらを睨みつけている。

    愛宕は胸元から鼻を離すと、顔を動かさず、濁った眼球をグルンッと動かし、私を視界に捉える。

    愛宕「飽くまで知らないふりをするのね」

    提督「振りも何も、身に覚えがないんだから当然だろう」

    正直に話して私にだけ被害が行くのならばまだしも、妙高になにかあってはいけない。

    愛宕「白々しい……」

    しばらく愛宕と睨み合いになる。

    224 = 220 :


    突如、左襟を掴まれ、体が少し前のめりになる。

    耳全体に、濡れた生温かい感触。

    摩耶が私の左耳をしゃぶっていた。

    摩耶が口を耳から離す。

    摩耶「提督、体温が高くなってるぜ。それに……」

    再び襟を引っ張られ、今度は頸動脈を舌全体でじっとりと舐められる。

    摩耶「脈拍が速くなってるな。おまけにこの汗の塩気……」

    鼻先寸前まで、口を歪めた摩耶の顔が近づく。

    摩耶「この味は……嘘をついてる味だぜ、提督」

    なんでわかるんだよ。

    愛宕「へえ……やっぱり嘘を吐いているのね、提督」

    愛宕が目を見開いて私を覗き込む。

    まるで心の奥底まで見透かされているような気分だ。

    榛名「そういえば」

    左後ろから榛名の声。いつの間に移動したんだ。

    榛名「瞬きの回数が増えておりますね、提督。2秒に一回ほどでしょうか」

    榛名が私の左肩に手を載せる。

    榛名「呼吸は2.7秒に一回……提督の平均の呼吸数は3.3秒に一回ですから、少々増えておりますね」

    榛名の左手が、私の左横腹から左腰をなぞる。

    榛名「そういえば、本日は腰部がお疲れのようでしたね」

    榛名が私の体に身を寄せたのか、背中に柔らかい感触。

    榛名「昨晩の睡眠時間を考えますと、いささか疲労が大きいように思われます」

    榛名の左手が腰から左足の太ももをなぞる。

    榛名「歩幅のほうも、4 cm狭まっておりましたし、今朝、何かしていらっしゃったのではないですか?」

    榛名の息が、首の左後ろに掛かる。

    榛名「提督」



    榛名「誰と、ナニを、しておられたのですか?」


    225 = 220 :

    ・本日は ここまで

    ・矛盾点が 多い orz

    ・感想 要望 改善等 あれば どうぞ

    226 :


    ドキドキするわ

    228 :

    つかもう事あるごとに濃厚な修羅場とか・・・
    おっそろしくテンポ悪いのがナンだけど面白いので良し

    229 :

    こんな剃刀の刃の上を歩くようなハーレム嫌だ

    230 :


    愛は何でも可能にするな

    231 :

    おつでち

    232 :


    提督「もう一度言うが、気のせいだ」

    溜息をつく。

    提督「さっきから匂いだの、汗だの、歩幅だの……只のこじつけだろう」

    愛宕と摩耶に睨み返す。

    提督「お前らの戯言には付き合えん。さっさと執務室に戻「妙高さん」

    左腕から、声。

    夕立「妙高さんの臭い、提督さんに混ざってるっぽい」

    逃がさないと言わんばかりに、睨みつけられる。

    夕立「さっき嗅いだからわかるっぽい」

    廊下でのことか。

    夕立「だから、夕立、提督さんに一杯いっぱいイっぱいイッぱいイッパいイッパイ匂い付けしたっぽい」

    夕立「でも、全然消えない」

    真っ赤な双眸からの、焦げ付くような視線。

    夕立「この臭い、嫌い」

    愛宕「そう……妙高さんと」

    愛宕が値踏みするように目を細める。

    愛宕「ああ……『後日』ってそういう……へえ」

    榛名「提督」

    冷たい声。

    榛名「以前、榛名は提督にこう申し上げました」

    榛名「『女性に会う時に、他の女性の匂いが付いているのはマナー違反です』と」

    榛名の右手が、私の右肩に乗る。

    榛名「ですが、私たちと過ごす以上は仕方ありません。だから、こうも申し上げました」

    榛名「『せめて、雌の臭いは洗い流して欲しいです』と」

    榛名の左手が、私の左肩に乗る。

    榛名「そのとき、提督から『わかった』とお答え頂けました」

    榛名の右手が、私の右首筋を覆う。

    榛名「榛名は『きれい』な提督が好きです」

    榛名の左手が、私の左首筋を覆う。

    榛名「ですが、提督は今、とても、とてもとてもとてもとてもとてもとてもとても とても」

    榛名の両手が、私の首を覆う。

    榛名「とても『汚い』です」

    少しでも力が入れば、首を絞められるように、覆う。

    榛名「『キレイ』ナ テイトク ハ ドコ?」



    これは、あれだな。詰みというやつだ。

    漣ならこう言うだろう。

    「おおごじゅじんさま、しんでしまうとはなさけない」と。

    233 = 232 :

    ・本日は ここまで

    ・テンポを もっと よくしたい orz

    ・感想 要望 改善等 あれば どうぞ

    234 :

    乙です

    ああ、これはもうだめだわww

    235 :


    どう見ても絶望やん…

    236 :

    あ、これ知ってる。どうあがいても絶望ってやつだ。

    237 :

    むしろよくここまでもったもんだ

    238 :


    提督「すまん」

    これ以上は何も言えなかった。

    言えば言うだけ、墓穴を掘るだけだ。

    榛名「……どうしてですか」

    少しだけ、首の手が緩む。

    榛名「いつもの提督なら、決して榛名たちを裏切ることはしないのに」

    一度はお前たちの元を去った者に、それを言うのか、榛名。

    榛名「どうして」

    しばし、沈黙。

    鳥の鳴き声。

    目線を空に向ける。

    そういえば、今日は晴だったな。

    金剛「これ、榛名があげたものネ」

    右後ろから、金剛の声。

    うなじに息が掛かる。

    榛名「……本当です」

    榛名の手が首元に下がる。

    榛名「榛名が差し上げた物を、使っていただけたのですか?」

    詰みから一転、逃げの一手。

    自己保身。

    吐き気がする。

    提督「榛名がくれたものなら大丈夫だと、そう思ってな」

    実際は、着替えていたときに、足柄が渡してきたものを使っただけなのだが。

    今、それを言うのは得策ではない。

    嘘つきめ。

    提督「すまない、本当ならば洗い流すべきだったのだが、時間が無くてな」

    こうは言うが、匂いも、時間も、妙高との交接がなければ問題にはならなかったことだ。

    更に元を辿るなら、私が一人で散策に出ようとしたことに起因する。

    陽炎、那智、羽黒、皆を不安にさせてばかりだ。馬鹿者め。

    自分の行為に後悔していると、すすり泣く声が聞こえた。

    239 = 238 :


    榛名「ごめんなさい、ごめんなさい」

    悲痛な声。

    逃げの一手は成功。

    何が成功だ。大事な娘を泣かせておいて。

    榛名「榛名が、榛名が粗末なものをお渡ししたばかりに……」

    後ろを見ると、榛名が顔を露で濡らしていた。

    榛名「提督は、榛名たちに気を遣ってくださったのに」

    榛名は両手で涙を拭う。

    榛名「榛名は、提督を、疑うような、ことを」

    金剛「榛名……」

    すすり泣く榛名を金剛が寄り添う。

    愛宕「妙高さんとは、本当に、したのですね」

    棘が取れた声。

    顔を愛宕に向ける。

    提督「ああ」

    愛宕「それならそうと、言ってくれればいいのに」

    裾を弄りながら、冷めた珈琲のような視線を向けられる。

    愛宕「別に提督が誰を抱こうが構いません。でも、臭いを残したままなのはエチケットに反します」

    抱くのは良いのか。

    いや、それが秘書艦の特権だからか。

    その特権を否定することは、今の愛宕にはできないだろう。

    提督「臭いは消したつもりだったんだがな」

    逃げの一手を、さらに進める。

    240 = 238 :


    愛宕の後ろ髪に触れ、指先で弄る。

    触れられるのは好きだろう? 愛宕。

    提督「そもそも、どうしてそこまで匂いを気にするんだ」

    匂いについて、少し踏み込む。

    要因がわかれば、後々対策もしやすいというものだ。

    触れている間は、愛宕は暴力を振ってこないしな。

    摩耶が、愛宕と同様の視線を送ってくる。

    愛宕の視線が更に冷める。

    愛宕「臭いっていうのは『なわばり』なんです」

    まるで獣だな。

    愛宕「だから、臭いを受け入れることは『なわばり』を認めること……ここまで言えばわかりますよね」

    私は誰のものでもない。

    匂い程度で誰かのものになるなど、ありえない。

    そんな当たり前のことですら、お前たちにとっては不安の種なのか。

    提督「善処する」

    愛宕「善処では困ります」

    鋭く、強い言葉。

    鋭く、強い視線。

    提督「約束する」

    愛宕「絶対に、ですよ」

    その強さは、不安と恐怖の裏返しに見える。

    優しく、あやすように髪を撫でてやる。

    241 = 238 :


    提督「榛名、もう泣くな」

    後ろを振り向く。

    罪悪感に苛まれる榛名に優しく声をかける。

    榛名は、まだ泣いている。

    榛名「ですけど、榛名は……榛名は」

    提督「元はと言えば、私が中途半端なことをしたのがいけなかったんだ」

    罪悪感の共有。

    敢えて責めずに、非を詫びる。

    提督「だから、もう泣かないでくれ」

    優しく甘く。

    提督「それに、お前がくれたもの、良いものだぞ」

    堕として、上げる。

    いや、上げてさえいない。

    今の言葉を言い換えれば「もっと良いものをくれれば、こうはならなかった」と責めているようなものだ。

    罪悪感を深めるだけ。

    だからこそ、榛名には効く。

    最低だな。

    榛名「ありがとう、ございます」

    榛名は嗚咽に耐えて、答える。

    提督「部屋に戻ったら、すぐにシャワーで洗い流す」

    全員に、宣言する。

    提督「もう少し、待っていてくれ」

    反論はなかった。

































    夕立「……臭い」




    242 = 238 :

    ・本日は ここまで

    ・今回だけ 心理描写を 少し深めに したつもり

    ・エディタが 壊れてた orz

    ・感想 要望 改善等 あれば どうぞ

    243 = 235 :


    まるで綱渡りやなぁ

    244 :

    ドキドキとキリキリが一緒に来るような面白さ

    245 :


    榛名を金剛と共に慰めながら、夕立と愛宕に腕を引かれて本館へ戻る。

    道中、摩耶から小言が何度も飛ぶが、適当にはぐらかしたりしながら、しばらく歩く。



    摩耶「だから、何度も言うけどよ。体を洗うぐらいならそんなに時間は掛からねえだろ」

    何度目かわからない摩耶の小言。

    大体言っていることは同じで、要約すると「体を洗い忘れたのは提督の怠慢、しっかりしろ」だ。

    提督「わかったわかった、今度から体を洗ってから出てくるから、その話はもう良いだろう」

    投げやりに返答する。

    摩耶「ぜってーわかってねーし」

    拗ねた顔をする摩耶が一睨みする。

    愛宕「まあまあ、いいじゃない。次は忘れないって約束したわけだし」

    私の右腕に抱きついている愛宕が、朗らかな表情で摩耶を宥める。

    愛宕「それに私、寝取られって嫌いじゃないわよ?」

    先ほど営庭であれだけ殺気を出しておきながらこの発言である。

    摩耶「寝取られって……」

    摩耶もさすがにあきれた表情をする。

    愛宕は私の腕を抱き寄せ、左手の指を私の手に絡ませる。

    柔らかな微笑みを湛えながら、含みのある目線を摩耶に向ける。

    愛宕「だって奪い返す楽しみがあるでしょ?」

    摩耶「それは姉貴だけだ」

    やだ、この娘怖い。



    そうこうしているうちに本館へ戻ってきた。

    玄関をくぐり、まず執務室へ向かう。

    補佐は執務室に常在し、事務手続きや資料整理などの業務を遂行することになっている。

    そのため、摩耶は執務室に居てもらわなければいけない。

    執務室がある階まで上り、廊下を渡っていく。



    執務室の前に、人影。

    「遅かったわね」

    提督「まあな」

    そりゃ危うく殺され掛けたからな。

    足柄から渡された消臭剤を使っていなければ、どうなっていたことやら。

    提督「それよりどうした、加賀」

    246 = 245 :


    加賀は私に引っ付いている愛宕に一瞥をくれた後、夕立に視線を向ける。

    夕立を視界に映すと、路傍の石でも見るかのような目つきになる。

    数秒、夕立に視線を向けた後、私に目線を戻す。

    加賀「両手に花、と言ったところかしら」

    無表情な顔からの抑揚のない声。

    不知火と似て、感情が読みにくい。

    提督「皮肉か?」

    加賀「さあ、どうかしら?」

    煙に巻かれる。

    金剛「加賀ァ~、用がないなら自分の仕事に戻るネ」

    金剛が加賀の傍まで近づくと、腰を曲げて下から覗き込む。

    金剛「I was wondering if you could do your job」

    加賀「書類を一枚、お願いしたいのだけれど」

    金剛を無視して、加賀は書類が入ったクリアファイルを掲げる。

    計画書か?

    だとすれば、補佐の承認が取れれば実施可能になる。

    提督「わかった。署名は部屋で行おう、今鍵を開ける」

    出ていくときに執務室の鍵を閉めていったので、ポケットから鍵を取り出さなければいけない。

    加賀「鍵なら開いていたわよ?」

    提督「なに?」

    執務室の扉を見る。

    提督「お前が開けたのか?」

    確かに加賀も鍵は持っているが、補佐か代理でないときは、原則、執務室への出入りは禁じている。

    書類の紛失など、万一のことも考えてのことだ。

    加賀「私ではないわね」

    提督「中は?」

    加賀「音で三人いることは確認したわ。ただ、ノックしても返答がなかったので、入らなかったけど」

    放置せずに対応して欲しかったのだが、それは後で聞こう。

    提督「金剛」

    加賀の言葉を聞き、金剛に警戒態勢を取らせる。

    大仰かもしれないが、相手がわからない以上、これが最善だろう。

    金剛は背を壁に付け、扉をノックする。

    反応なし。

    金剛がドアノブに手を掛け、私に視線を送る。

    ゴーサインを送る。

    247 = 245 :



    強烈な殴打音とともに、金剛が部屋に突入する。

    金剛は即座に艤装を展開、侵入者三名に砲口を向ける。

    「きゃっ!」

    「えっ!? なに、なんです!?」

    「ん~?」

    三名全員の動きが止まったところで、部屋に入る。

    提督「……なにやっているんだ、大鯨」

    部屋の窓際、私の執務机のあったところに、ビニールシートが敷かれ、その上に脚立が置かれている。

    脚立の上では、明石が天井に突き刺さった机の脚を掴んでおり、その脚立を北上が倒れないよう支えている。

    そしてその傍に大鯨が見守るように佇んでいた。

    三人とも、いや、北上を除いて二人、明石と大鯨が驚愕の表情を顔に浮かべていた。

    加賀「随分大げさな入室ね」

    加賀が寸劇を批評するかのような台詞を吐く。無論、無表情で。

    加賀、お前、わかっていたな。

    248 = 245 :

    ・本日は ここまで

    ・感想 要望 改善 矛盾点等 あれば どうぞ

    249 :


    蹴り上げた机か

    250 :


    提督「加賀、中の様子がわかっていたなら、言ってくれ」

    金剛が艤装を収める間、横にいる加賀に顔を向け、苦言を呈する。

    加賀「明石さんの声が聞こえたから、あなたが何か指示をしたのかと思ったので」

    加賀も、身体を正面に向けたまま、顔を私に向ける。

    加賀「それに、私がいたら邪魔になるわ」

    確かに、室内に明石がいるとわかれば、何か修理していると考えるだろうし、明石の仕事に加賀が手伝えることはない。

    明石が勝手に執務室に入るとは考えづらいから、私が指示したものだと考えるのが普通か。

    ノックをしても反応がなかったという事実も、室内が忙しなかったという判断をする材料になってしまったのだろう。

    加賀は日頃の態度に反して繊細な部分があるから、今回はそれが裏目に出たということか。

    加賀の眼を見ながら、そう勝手に結論付ける。

    提督「そうか、すまない。もう少し話を聞くべきだったな」

    加賀は私の顔を静かにみつめると、

    加賀「いえ」

    と染み入るような声音で答え、顔を正面に戻す。

    よくよく考えれば、加賀が不審者を放置するわけがないのだ。

    加賀から情報を十分に引き出さず、先走った私の落ち度だな。

    大鯨「提督、これは一体何事ですか?」

    声がした方に振り向くと、怒り顔の大鯨が、腕を組んで構えていた。

    提督「すまん、不審者と勘違いした」

    大鯨の眉間にさらに皺がよる。

    大鯨「そんなことで砲を向けられたら、修復材がいくつあっても足りませんよ」

    提督「悪かったよ。だが、なんの断りもなく部屋に入ったお前たちもお前たちだぞ」

    大鯨が顔をキョトンとさせる。

    大鯨「あれぇ? わたし、妙高さんから『天井を見てほしい』って言われてここに来たんですが、提督が伝言を頼んだんじゃないんですか?」

    提督「……そういうことか」

    引き継ぎ時に私が言った「明石に頼む」というのを、妙高が代わりに実行したといったところか。

    大鯨はマスターキーを持っているから、明石と北上を部屋に入れるには大鯨に鍵を開けてもらわなければいけない。

    しかし、変だな。妙高も鍵は持っているから、直接明石に頼めばよかったのに。なぜ大鯨に頼んだんだ?

    大鯨「提督、一人で勝手に納得されても困るんですが」

    大鯨が、再び眉間に皺を寄せる。

    提督「ああ、いや、私と妙高とで思い違いがあったようでな。ところで妙高は? 一緒に立ち会ってないのか?」

    部屋を見渡すが、妙高の姿は見えない。

    大鯨「妙高さんは本日非番ですから、お休みしていただいていますよ」

    それで代わりに大鯨が立ち会った、ということか。

    提督「そうか、朝から悪いな」

    大鯨「構いませんよ、もう慣れましたから。次から注意してくださいね?」

    提督「ああ」

    私と大鯨の話に一区切りついたのを見て、北上は視線を天井に戻す。


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 艦これ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について