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    元スレ提督「クソったれなこの世界で」

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    51 :

    高速戦艦ってああやって移動してたのか…(驚愕)

    52 = 1 :

    急な仕事が入ったのでバレンタイン話は明日ということで

    53 = 50 :

    はいよ

    54 :

    ~執務室前~

    金剛(ついにここまで来ましたネー)

    金剛(妹たち(比叡除く)に手伝ってもらった結果、なんとかバレンタインにを間に合わせることが
        できマシタ……)

    金剛(あとはこれを渡すダケ……)

    金剛(渡す……ダケ……)

    金剛(…………)

    金剛(それが一番の難所デース!)

    55 = 1 :

    金剛(渡した途端ゴミ箱にぽいっ、なんてことになったら……)

    金剛(私のハートはマリアナ海溝より深い深い海の底へ轟沈確定ネ……)

    金剛(……そもそも受け取ってすらもらえないかも?)

    金剛(うう、悪い想像ばかりがよぎりマース)

    金剛(…………)

    金剛(やっぱりプレゼントは日を改めて……)

    56 = 1 :

    ~金剛ルーム~

    榛名「お姉さまは今頃、提督にチョコを渡しているのでしょうか……」

    霧島「どうだろ。お姉さまのことだし、案外まだ提督の部屋の前でうだうだしてたりしてね」

    榛名「あ、想像出来ちゃいますね、それ」クスクス

    榛名「……ちゃんと渡せますかね? お姉さま」

    榛名「積極的に見えて意外と踏ん切りつかないところもありますし」

    榛名「結局渡せず終い、なんてことには……」

    霧島「大丈夫よ、榛名」

    榛名「霧島?」

    霧島「たしかにお姉さまはいざって時にチキンで二の足ふんでばっかりでもう見ててバレバレなんだから
        早く告白しちゃいなさい! って感じだけど」

    榛名(そこまで言ってない……)

    霧島「だけどね――」

    ――――――――――

    金剛(……ううん、それじゃあダメダメネー、金剛!)

    金剛(このチョコには妹たち(比叡除く)の想いだって込められてる……)

    金剛(これを今日渡さないということは、すなわち)

    金剛(妹たち(比叡除く)を裏切ることに他なりマセーン!)

    ――――――――――

    霧島「私たちの期待はいつだって裏切らない、素敵なお姉さまでしょ?」

    榛名「……ふふっそうでしたね」

    榛名「それにしても……」

    比叡「くかー……」

    榛名「つまみ食いするだけして真っ先に眠りこけるなんて……」

    57 = 1 :

    ~執務室前~

    金剛「これ以上悩んでいても決心が鈍るだけデース」

    金剛「いざ! 私の実力見せてあげ、」

    バタァン!

    島風「…………」

    金剛「Wow、ぜかまし! 急に中から出てこないでくだサーイ!」

    島風「…………」ウルル

    金剛「……ぜかまし?」


    島風「提督の――――ぶぁっっっっかああああぁぁぁぁぁぁ!」

    スタタタタタタタ……

    金剛「…………」ポカーン

    金剛(中で何が起こったのかわかりませんが……)

    金剛(私の中で決心が音を立ててへし折れたのはたしかネー……)

    58 = 1 :

    金剛(ぜかまし、泣いてたネー……)

    金剛(一体、なにが……)

    金剛「――ええい、ままヨ!」

    ガチャ

    金剛「ヘーイ提督! 今日が何の日か知ってマスかー!」

    提督「俺が初めてお前にコブラツイストをかけた日と俺が初めてお前に腕ひしぎ十字固めをかけた日と
        俺が初めてお前に投げっぱなしジャーマンをかけた日のどれにしたい? いずれにしても忘れられない
        記念日にはなりそうだなぁ」

    金剛「失礼しましたネー!」

    バタン

    金剛「…………」

    金剛(はっ、体が反射的に防衛行動を取ってしまいマシタ)

    59 = 1 :

    金剛「し、失礼しますネー……」ガチャ

    提督「……ったく、できるなら最初から普通に入って来いってんだ」

    提督「俺がやかましいのが嫌いだってのは知ってるだろうが、嫌がらせか? むしろ嫌がらせか? あぁん?」

    金剛「そ、そういうわけではないデース!」

    金剛「ただ、その……」

    金剛(テンションに任せないと……何を喋っていいのかわかんないんデース……)

    60 = 1 :

    提督「で? 何の用だ。俺だって暇じゃねぇんだ、手短にな」

    金剛「あぅ……」

    金剛(後ろ手に隠したチョコレートが……重いデース……)

    金剛(と、とりあえず世間話を挟んで……)

    金剛「そ、そういえば今しがたぜかましが泣き叫びながらこの部屋を飛び出していきマシタよ?
        まーったく、一体どんな酷い仕打ちをしたデスかー?」

    提督「ああ、島風か。あいつならバレンタインだーとかほざいてたからチョコレートは嫌いだと一喝してやったらあのザマだ」

    提督「あいつのやかましさも筋金入りだな、お前にゃかなわんが」

    提督「……どうした、世界が終わったような顔しやがって。間抜け面に拍車がかかってるぞ」

    金剛「え? あ、いや……」

    金剛(チョコレートは嫌い、ですか)

    金剛(任務失敗――ですネ)

    61 = 1 :

    一旦離脱、夜には終わらせると思う

    62 :

    提督、夜って今さ!

    63 :

    金剛「あ、ゴメンナサーイ、私ちょっと急用を思い出したネー!」

    提督「あぁん?」

    金剛「いやー申し訳ない、可及的速やかに処理しなければならない案件を抱えていたことをすっかり
        忘れていマシター! それでは私はこれにて失敬するネー!」

    提督「……ったく、台風みてぇな奴だな手前ぇは。まぁお引き取り願えるってんならそれに越したこたぁ
        ねぇけどよ」

    提督「その手に持ってるブツをどうにかする暇もねぇくらい忙しいのか」

    金剛「…………!」

    金剛(今日に限って……なんでこんなに鋭いデース……)

    64 = 1 :

    金剛「や、これはその……」

    提督「はぁ……あのな、普段手前ぇが俺のことをどう見てるのかは知らんが、俺だってそこまで馬鹿な
        わけじゃねえさ」

    提督「手前ぇが俺にチョコを渡しに来たんだろうってことぐれぇ簡単に想像つくわこのたわけ」

    金剛(……全部ばればれデース……)

    金剛「て、提督がチョコレートを嫌いだなんて知らなかったんデース! それは、ほんとに、ごめんなさいネー……」

    金剛「これは私が責任もって――」

    提督「持って帰る必要はねぇだろうが」

    金剛「――え?」

    65 = 1 :

    提督「せっかく持ってきた手荷物をそのまま持って回れ右する必要もないだろうって言ってんだよ、
        察しが悪ぃな脳内螺子不足娘」

    金剛「脳内螺子不足娘って……いや、そんなことより!」

    金剛「じゃ、じゃあその、これ……」


    金剛(あ、私今すっごくドキドキしてる……)

    金剛(きっと、人に気持ちを伝えるときってこんな気持ちなんだ……)

    金剛(胸がぎゅってなって、顔がかーって熱くなって、切なくて苦しくて……だけど――)

    金剛(――嫌な気分じゃ、ないデース)


    金剛「提督、じゃあ、このチョコレート――」

    66 = 1 :




    提督「おう、そこのゴミ箱にでも突っ込んどけ」



    金剛「――――ぇ、」

    提督「俺に渡すためのチョコレートだったんだろ? 俺が受け取らねぇならつまりはゴミってことじゃねぇか」

    提督「わざわざゴミを持って帰る必要もないだろ」

    提督「あぁ、敗戦処理が趣味だってんなら無理にとは言わねぇがよ」

    金剛「――――」

    金剛「――あ、はは」

    金剛「は、ははは、ははははは!」

    提督「……なんだよ」

    金剛「いえいえ、なんでもないデース! 提督の想像通りの反応にちょっとおかしくなっただけネー!」

    金剛「ただ、ひとつだけ予想外だったのは、」

    67 = 1 :









    金剛「海の底って、こんなに真っ暗なんデスね――」









    68 = 1 :

    バレンタイン編終わらず
    続きはまた明日

    69 :

    提督としては嫌われたほうがいいからな

    70 :

    しょっぱいのは海だから。しょっぱいのはここが海だから

    71 :

    深海化待った無し

    72 :

    落として上げてまた落とす

    73 :

    もしかしたら超ヤンデレな艦娘がいて他の子達を守るために仕方なく演技してるのかも(考えうる精一杯のフォロー)

    74 = 71 :

    それってもしかして雪かz……おっと、誰か来たようだ

    75 = 1 :

    ~金剛ルーム~

    金剛「ただいまネー」

    榛名「お帰りなさいお姉さま!」

    霧島「お帰りなさい。首尾はどうでした?」

    金剛「あはは……残念ながら、デース」

    榛名「あ……」

    霧島「それは……なんというか……」

    金剛「そんな顔しないでくだサーイ、二人とも! ある意味予想通りの結果ネー!」

    金剛「この程度でめげてなんていられまセーン! バレンタイン大作戦が失敗に終わっても第二第三の作戦が
        提督に襲い掛かりマース!」

    76 = 1 :

    榛名「……お姉さま、無理してますよね……」ヒソヒソ

    霧島「……みたいね。あんまり励ましたりしないで流してあげたほうがいいかしら……」ヒソヒソ

    金剛「二人でなんの内緒話デース?」

    榛名「あっ、いえ、なんでもありません」

    霧島「ちょっと今後の話について……」

    金剛「Oh、そうでしたカー! それなら――そこのねぼすけさんもお話に混ぜてあげましょうかネ」

    比叡「くかー……むにゃむにゃ」

    金剛「Hey、比叡! さっさと起きるデース!」

    比叡「んぅ……むにゃ?」

    77 = 1 :

    比叡「ぅあれ? お姉さま……」

    金剛「やーっとお目覚めですネー! まったく、徹夜で手伝ってくれたのは妹二人も同じなのに
        次女が聞いてあきれマース!」

    比叡「…………」

    金剛「ホラ、いつまで寝ぼけてるデース? ちゃっちゃと頭を切り替えて次の作戦を、」

    比叡「えーっと、お姉さま? よくわかんないんですけど――」


    比叡「私でよければ胸を貸しますよ?」


    金剛「……っ」

    金剛「……まだ頭がお目覚めじゃないみたいですネー。まずは顔を洗って……」

    比叡「うーん……まどろっこしい!」ガバッ

    金剛「ひゃうっ!? 急に抱きしめないでくだサーイ!」

    78 = 1 :

    比叡「もー、私がどれだけお姉さまのこと見てると思ってるんですか」

    金剛「ひ、えい?」

    比叡「そりゃ私真っ先に寝ちゃって状況よくわかんないですけど、お姉さまが無理してるなーってことくらい
        顔見て声聞いたら一目瞭然ですよ」

    比叡「元気いっぱい明るさ爆発はお姉さまのいいところですけど……」

    比叡「私らの前で無理なんかしないでください。悲しくなっちゃいます」

    金剛「――――」

    金剛「――なぜ、なんでしょうネ」

    79 = 1 :

    金剛「顔を見れば憎まれ口」

    金剛「気に食わなければすぐ暴力」

    金剛「ホント、酷いところしか見つからないような人なのに」

    金剛「なんで、なん、で……」


    金剛「なんで――嫌いになれナイの……!」

    80 = 1 :

    金剛「つらいよ! 苦しいよ!」

    金剛「胸が、胸が……張り裂けソウなの!」

    金剛「嫌いになれたどれだけ楽になれるか……!」

    金剛「デモ、無理なの!」

    金剛「私は好き! あの人が、提督が好き! それだけはどんなにがんばっても嘘つけナイ!」

    金剛「あの日から、初めて会ったあの日から――」

    金剛「最初で最後の、あの人の『本当の笑顔』が、忘れられナイ……!」

    金剛「ひっ……く」

    金剛「うっ……ぁぁぁぁぁあああああん!」

    81 = 1 :

    比叡「よしよし、お姉さまは泣き虫ですねー」ナデナデ

    金剛「ひっ、ぅぅぅぅぅううう! ぁぁぁぁぁあああ!」

    比叡「仕方ないですよね、恋ってそういうものらしいです」

    比叡「ささいなことがきっかけで」

    比叡「希望ないなー、これ無理だなー、ってわかってて」

    比叡「でも、諦められない。諦めたくない」

    比叡「ほんと、泣きたくなっちゃいますよね」

    榛名「…………」

    霧島「…………」

    82 = 73 :

    比叡……

    83 = 1 :

    比叡「でもね、お姉さま。この戦いに終わりなんてないんです」

    比叡「敗北なんてないんです」

    比叡「人の心なんてとっても不確かなものだから、『今』が無理でも『いつか』がある」

    比叡「相手が振り向いてくれるって信じていられるなら――恋に終わりなんて、ないんです」

    金剛「……ひっく……比叡……」

    比叡「だから、お姉さま。大丈夫ですよ」

    比叡「お姉さまが嫌いにならないなら。嫌いになれないなら」


    比叡「恋の戦いは――お姉さまの完全勝利です!」


    金剛「…………」

    金剛「…………くすん」ゴシゴシ

    金剛「そう、ですね」

    84 = 1 :

    金剛「エヘヘ……ちょっと情けないところ見せちゃいマシタ」

    金剛「うん、そうデース! つらくても頑張りマース! 立ち向かいマース!」



    金剛「いつの日か――恋の地平線に、勝利を刻むその日マデ!」



    霧島「……なんていうか、さ」ヒソヒソ

    榛名「……なんでしょう」ヒソヒソ

    霧島「本当、お姉さま『たち』は……期待を裏切らないわね」ヒソヒソ

    榛名「ふふ……そうですね」ヒソヒソ

    85 = 1 :

    金剛「……ところで比叡?」

    比叡「なんでしょうお姉さま? 泣き足りないならいくらでも……」

    金剛「いや、そうじゃなくて……いつまで私のこと抱きしめてるデース?」

    比叡「……お姉さま」

    金剛「……What?」

    比叡「相手が振り向いてくれるって信じていられるなら――恋に終わりなんて、ないんです」

    金剛「いいセリフが一気に台無しデース! ええい、さっさと離すデース!」

    比叡「嫌だー! 数少ないお姉さまをハグできるチャンス、みすみす逃せませーん!」


    ギャーギャーワーワー


    霧島「……うん、ほんと裏切らないわよね……」

    榛名「あはは……そう、ですね……」

    86 = 1 :

    もうちょっとだけ続くんじゃ
    明日は無理なんで明後日でようやくバレンタイン編に一区切りの予定

    87 :

    乙です
    幸せになってほしいなぁ

    88 :

    乙乙
    比叡はやればできる子

    89 :

    島風は今泣いているんだ(1人で)

    90 :

    乙。
    島風には連装砲ちゃんがいるから(震え声)

    91 :

    連装砲ちゃん「島風さん、今月のお友達料金まだっすか?」

    92 :

    改めて読み直すといろいろとミスが酷いけど気にしない
    書いていきます

    93 = 1 :

    提督「…………」カリカリ

    提督「…………」トントン

    提督「……ふう、終わった」

    提督「これでようやくこの仕事も一区切りか」

    提督「……けっ、もう日付が変わっちまうじゃねーか」

    94 = 1 :

    提督「どれ、寝る前に仕事上がりの一服でも――」

    コンコン

    提督「――入れよ、秘書艦」

    長門「失礼します」ガチャ

    長門「よくわかりましたね、私だと」

    提督「悲しいことにご丁寧にドアをノックするような奴、この鎮守府にゃお前以外いねぇんだ
        ったく、泣ける話だぜ」

    長門「なるほど、そうでしたか」

    95 = 1 :

    提督「で? 我が信頼すべき秘書艦サマがこんな時間になんの御用だい?
        悪ぃが夜這いなら余所当たってくれや、ラブドールのデリヘルなんかじゃ
        勃つもんも勃ちゃしねぇ」

    長門「そろそろお仕事を終えられた頃かと思いまして。明日の任務に必要な資料です、
        今日のうちに預かっておこうかと」

    提督「……図ったかのようなタイミングだな、相変わらず気色悪ぃ。手前ぇのそういうところは
        いつまで経っても好きになれねぇやね」

    提督「ああすまん語弊があったな、お前に好きになれる要素なんざなかったわ」

    長門「ご安心ください、私も貴方のことが嫌いです」

    提督「そうか、そりゃ安心だな」

    長門「ええ」

    提督「…………」

    長門「…………」

    提督「……話を戻そうか」

    長門「……はい」

    96 = 1 :

    長門「――たしかに受け取りました」

    提督「おぉ、好きなだけ持ってけ。そして二度と俺の一服の時間を邪魔するんじゃねぇ」

    長門「それは失礼しました。それでは――」

    長門「――この、ゴミ箱に捨てられているのは?」

    提督「あぁん?」

    提督「……はん、クソみてぇな目ざとさだな。ビッグセブンなんて御大層なあだ名つけられてるわりにゃ
        目の付け所はゴミ屑みてぇなみみっちさだ」

    長門「そうですか」

    長門「して、これは?」

    提督「……見ての通りだ。ゴミになったチョコレート。それ以上でも以下でもねぇ」

    97 = 1 :

    長門「チョコレート――なるほど。あの娘ですか」

    提督「一体どいつのことを思い浮かべたのかさっぱり想像もつかんが違うとだけ言っておく」

    長門「金剛型戦艦の一番艦のことですが」

    提督「訊いたわけじゃねぇ黙っとけ」

    長門「それで? なぜ彼女のチョコレートがこのように捨ててあるのでしょう?」

    長門「丁寧にラッピングされているところから察するに、バレンタインのプレゼントかなにかだったのでは
        ないでしょうか」

    提督「……はんっ、知るかよ」

    提督「俺は食わねぇから持って帰れと命令したんだ。しかしあの娘っ子、泣きわめきながら結局
        そのゴミ箱に捨てていきやがった、けっ、余計なゴミ増やしやがってよ」

    長門「…………」

    98 :

    長門「……ゴミ箱に捨てる、ということは、所有権を放棄するということ」

    提督「あ?」

    長門「言い換えれば今このゴミ箱に捨てられているチョコレートは誰のものでもない」

    提督「おい秘書艦、手前ぇ急になに言ってやがる」

    長門「それはつまり」

    長門「このチョコレートを今の段階で拾ったとしても、それは誰かから受け取ったということにはならない」

    提督「……なにが言いてぇ」

    長門「時刻は……もう日付を跨いでいますね」

    長門「バレンタインデーも終わりました。日付とチョコレートの因果関係もなくなります」

    提督「やめろ」

    長門「もしも提督がそれを『捨てさせた』のだとしたら――」

    提督「長門」

    99 = 1 :

    長門「……そう呼ばれるのも久しぶりですね」

    提督「くだらねぇ戯言はやめろ。詭弁だ」

    長門「そうだ、詭弁だ」

    提督「――――」

    長門「ゴミ箱に捨てられたのだとしても」

    長門「日付を跨いだのだとしても」

    長門「それが彼女からの、貴方に対する想いの現れであることに変わりはない」

    長門「それは誰よりも貴方がわかっているはずだ」

    提督「…………」

    提督「……何の話をしてるのか、さっぱりだな」

    100 = 1 :

    長門「……そうか。ならばこれ以上言うことはなにもあるまい」

    長門「つくづく難儀な生き方を選んだものだな」

    長門「では。……上官に対する無礼な発言、どうぞお許しください」

    提督「不問にする。とっとと失せろ」

    長門「ありがとうございます。それでは私はこれで」ガチャ

    提督「ああ、最後にひとつだけ」

    長門「……なんでしょう」


    提督「難儀な生き方を選んだのは――お互い様だろうが、長門」


    長門「…………」

    長門「……ふっ、なんのことだかわからんな」

    提督「そうかよ、とっとと行っちまえ秘書艦」

    長門「失礼しました、提督」

    バタン


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