元スレ京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
201 :
続けられるだけ凄いよ
気長に待つさ
202 :
朝飯は食べてこなかったので、まずは外の模擬店を覗いてみることにした
不格好な看板とか、接客そっちのけで駄弁っている男女の群れとか、文化祭らしい光景が一面に広がっていた
二人でつらつらと歩いていると、よく知った声が聞こえてきた
優希「タコスはいらんかねー、おいしいタコスはいらんかねー」
お前か
はやり「おっす」
優希「おお、京太郎か。私が味見して、皆に作らせたこの究極のタコスをぜひ食すといいじぇ!」
自分で作ったわけじゃないのかよ
優希「ところで、隣にいらっしゃるその方は一体誰だじょ、京太郎?」
はやり「ああ、この人はな」
優希「うん」
はやり「俺の恋人だよ」
今度はサラリと言ってのけた
"彼女"から、さらにレベルアップしているのは気のせいだろうか?
203 = 1 :
優希「……っ」
京太郎「?」
優希「きょ…京太郎にそんな人がいたんなて……うぅ、グスッ…そんな…」
この反応…!?ま、まさか、優希は俺のことを──
優希「あの日、夜の海岸線で交わした将来の約束はどこに行ったんだじぇ!?、私というものが、ありながら!」
はやり「……」
京太郎「……」
はやり「いや、そんな約束をした覚えはない」
俺もそんな約束をした覚えはない。というか、長野県は海に接していないし、優希とは海に行ってない
優希「乙女心を弄ばれたじぇ。タコスをおごってくれたら許してやらんこともない」
はやり「タコス2つでお願いします」
「まいどありー」
優希「無視されたじょ…」
しゃあない
204 = 1 :
はやり「はい、どうぞ」
京太郎「ありがとう、京太郎くん」
優希「お姉さん、ずるいじょ……私を前にして、タコスをむさぼるとは」
はやり「お前は働け」
京太郎「……」
京太郎「少しだけ…ほんの少しだけ、調理場借りてもいいかな?、ほんとはダメなんだろうけど」
優希「ほえっ!……いや、しっかり消毒さえしてくれれば、あとはどうとでも言い訳が…」
はやり「いや、ダメだろ」
京太郎「なら、貸してもらうね」
うん、生地はもうあるし、具材も調味料も揃ってる。大丈夫そうだ
うん、うん、うん──こんな感じかな。意外と身体は覚えてるもんだ
京太郎「はい、食べてみて」
優希「えっ、それ、私に…?」
京太郎「他にいるのなら、その人にあげちゃおうかな?」
優希「意地悪が過ぎるじぇ、お姉さん!、ぜひ私めに」
205 = 1 :
京太郎「じゃあ、はい。どうぞ、優希ちゃん」
優希「えっ、名前なんて…?」
京太郎「あなたのことなら、よく知ってるよ。だから、これもきっと気に入ると思う」
優希「ありがとう、お姉さん!、で、では早速……はむ」
京太郎「どう?」
優希「う、うまい…しかしこの味、インターハイまでの京太郎の……」
京太郎「そう」
優希「はっ、分かったじょ!、お姉さんは京太郎の師匠に違いないじぇ!」
京太郎「まっ、そんなとこ」
優希「やはりそうだったのか。お姉さん、この犬にもう一度指導のほどをお願いするじぇ」
優希「最近、味が変わって…まったく、たるんどる」
はやり「うるせー」
京太郎「そうだね、そうしとくよ」
京太郎「だから、しばらくの間は京太郎くんのことよろしく頼むね」
優希「そんなの、お安いご用だじぇ!」
206 :
結婚相手として見るなら京太郎マジ優良。戻ればはやりんに捕食されること待った無し
207 :
模擬店で小腹を満たした後は、校舎の中を見ることにした
そして、何ヶ所か回った後
はやり「さっきの、結構いい所あるじゃん」
京太郎「さっきの?、優希のですか?、そんな大層なもんでもないっすよ。腹減ってると、あいつ力がでないから」
はやり「でも、優希ちゃんがあなたのタコスを欲しがっていたのを、ちゃんと分かったじゃない」
京太郎「まずは胃袋を制圧するのが、男女関係の攻略におけるセオリーですからね」
はやり「ふふっ、私ね、京太郎くんのそういうところ好きだよ」
京太郎「は、はぁ…?///」
成りが俺じゃなかったら、今のはヤバかったかもしれない。ちょっと、キュンときかけてしまった
はやり「周りをキチンと見ていられるのって、できそうでいて、なかなか皆できないものだから」
京太郎「ただの世話好きか、でなきゃ物好きなだけですよ」
京太郎「それに、はやりさんの方がよっぽど周りが見えてるじゃないですか?」
京太郎「俺に簡単に化けるのもそうですけど、和の悩みとかすぐに見抜いて。そういうの憧れます」
はやり「…そんなことないよ」
京太郎「?」
はやり「だって、私は、ただみんなの望んだ──」
久「やっほー、須賀くん。元気してるー?」
208 = 1 :
はやり「!!、ああ…竹井先輩ですか」
京太郎「どうも」
久「あらー、初めましてこんにちは。もしかして、須賀くんのコレかしら」
ニヤニヤしながら小指を立てる竹井先輩…なに、その仕草?
京太郎「え、えと…」
はやり「いえいえ、違います。ただの、将来を誓い合った仲ですよ」
久「ああ、そうなの──ってなことをみんなにも言ってるのね?」
久「須賀くんが誰かとお付き合いしているなんて、残念ながら、だぁーれも信じないわよ」
はやり「ははは、バレてしまいましたか」
和はちょっと信じてたっぽいけどな
はやり「先輩は、何してるんですか?」
久「学生議会ので、ちょっと駆り出されちゃってね。簡単なお手伝いよ」
はやり「引退したってのに、大変ですねえ」
久「何もしないってのもあれだし、こうやって働くのも悪くはないわ」
はやり「よっ、はったらき者ー」
久「そういえば、聞いたわよ。使用許可が下りたって。やるわね、須賀くん。どんな裏技を使ったのやら」
はやり「ぐふふ、内緒です」
久「まっ、いいわ。では、お姉さんも楽しんでいってくださいね」
京太郎「ええ、ありがとう」
久「んじゃね」
209 = 1 :
忙しそうに、だけど元気に廊下を駆け回っていく竹井先輩
俺は、その姿見えなくなるまで、静かに見守ることにした
京太郎「いやー、竹井先輩も元気そうでなによりでしたね」
はやり「なんだか、京太郎くんの目、彼女のお母さんみたい」
京太郎「次、どこ行きます?、もう目ぼしい所は回ってしまったような気がしますけど」
はやり「んーと……あっ、そうだ!、大事なところに行くの忘れたよ」
京太郎「大事なところ?」
はやり「部室」
そう言ってから、旧校舎に方に向かう俺たち
部室って、もちろん麻雀部の部室を指していたのだろうけど、うちの部活って文化祭の出し物あったのか?
でも、なにやってんだろう?、麻雀教室とか?、あるいは、部長の家を見習って雀荘とか?
とにかく、部室の方に向かう。しかし、何かを催しているような雰囲気は感じられないし、人が見当たらない
京太郎「えーと、何かやっているようには見えないんですけど…」
はやり「あれー、おかしいな。もう、やってるはずなんだけど」
210 = 1 :
しかし、看板だけは立て掛けてあってそこには、こう記してあった
『夏のインターハイで大活躍した、宮永選手とぜひ打ってみよう!!』
その横には、咲の写真もあって、吹き出しも付いており、次のような文句が書いてあった
『~麻雀って楽しいよね 一緒に楽しもうよ!!~』
ちなみに、『麻雀って楽しいよね──』の部分は赤というより真紅の塗料が使われていて、少しにじんだり垂れたりしていた
京太郎「こわっ…」
そして、肝心の咲の写真なんだけど、なぜか背景は真っ黒で、目のハイライトが消えていた
京太郎「こわっ…」
なるほど、ともかく咲と麻雀で対戦するってな企画なわけだ
でも、それなら、もっとお客さんいてもおかしくなさそうなんだけど
京太郎「もうちょっと、この看板何とかならなかったんすか…」
はやり「こうした方が、お客さんも発奮できるかなーって、まこちゃんが」
発奮どころか、戦意喪失もんだよ、これ
211 = 1 :
まこ「おー、京太郎か」
はやり「はい、部長」
京太郎「どうも」
まこ「おお、これはご丁寧にどうも。いやー…まさか、おんしがこんなぺっぴんさんを連れてくるとは」
はやり「んもー、そんなぁ。世界一美しくて可愛くて綺麗だなんて、照れまちゃいますねえ」
自分で言ってて哀しくならないのか
まこ「いや、京太郎に言ったわけじゃないんじゃが」
京太郎「ははは…」
まこ「して、京太郎とはどういったご関係で?」
はやり「俺の婚約者ですよ」
まこ「なるほど、近所のお姉さん、と」
はやり「ノリが悪いなあ、部長」
まこ「京太郎に限って、婚約者はおろか、彼女すら考えられんわい」
はやり「ひっでー…まっ、そんなことはどうでもいいんですけど、人いませんね」
まこ「ああ、そうなんじゃよ。初めの頃は、あの『宮永咲』と打てるとあって大盛況じゃったんじゃが…」
はやり「何かあったんですか?」
まこ「あれは3組目のお客さんを相手にしているときじゃった」
咲『カン、カン、もいっこカン!』
咲『清一…対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花……ふふっ、32000です』
咲『あっ、そうだ決め台詞決め台詞、っと』
咲『麻雀って楽しいよね。一緒に楽しもうよ!!』ニタァ
212 = 1 :
まこ「最初の対局では、気を使ってか、例のプラマイゼロで打っておったんじゃ…」
まこ「しかし、3組目のお客さんのガラが悪くてのう。殺意……じゃなかった、闘争心に火がついたんじゃろう」
まこ「接待プレイかと思いきや、相手も気付かぬうちに、まるで薄皮を一枚一枚剥いでいくかのように点をむしり取り」
まこ「そして、いよいよ瀕死の状態になったら、明らかにやり過ぎオーバーキルの役満…」
まこ「追い打ちをかけるように、トドメの決め台詞からの、あのニタァとした不気味な笑顔…」
京太郎「Oh…」
まこ「泣き叫ぶ小学生、それをなだめる母親、脱兎のごとく逃げる観客……悲惨じゃったよ」
はやり「Oh…」
まこ「まあ、最後のあの笑顔は、ただぎこちなくなってしまっただけ、と咲は言っておったがのう」
まあ、咲はそういうの苦手だしな
京太郎「でも、なんでそんな決め台詞を…?」
まこ「久の奴が、みんな喜ぶだろうからって…見事なまでの逆効果じゃったが」
まこ「まあ、おかげで暇になって楽と言えばその通りなんじゃが、金が…」
お金とってたんかい
まこ「ちょろまかして、部費に充てようかと思っておったんじゃが…世の中うまくいかんもんじゃな」
たくまし過ぎるぜ、部長!
まこ「そうじゃ、ついでに打ってくとええ。もちろん無料じゃ」
はやり「そうっすね」
京太郎「じゃあ、私も」
213 :
提督「若葉を呼ぼう」
提督「さて、なにをしようか?」
>>146
214 = 1 :
部室の中に入る。咲が椅子に座りながら本を読んでいた
はやり「よう、文学少女」
咲「あっ、京ちゃん来てくれたんだ」
はやり「大活躍したようで」
咲「ち、違うよ!?、あの役満だってただの偶然だし、最後のあれだってうまく笑えなかっただけで…!」
はやり「知ってるよ。しかし、暇そうだな」
咲「うーん、そうだね。でも、私としてはこっちの方がよかったかも。クラスの方もサボれるし、人多いの苦手だし」
はやり「あー、クラスのみんなに言ってやろー」
咲「ちょ、ちょっとやめてよ、京ちゃん」
はやり「うそうそ、冗談だよ、咲」
咲「もうっ、京ちゃんは!」
京太郎「……」
録画した動画の映像でも見ている気分だ
215 = 213 :
ごめんなさい誤爆しました
216 = 1 :
>>215 いえいえ、構いませんよ
217 :
わろた
218 = 1 :
咲「あーと、京ちゃんこの人は」ヒソヒソ
はやり「ああ、この人はな…」
京太郎「……」
はやり「俺たち、結婚したんだ」
咲「いくらなんでも、それが嘘であることくらいは分かる」
はやり「近所のお姉さんだよ」
咲「へえ、そうなんだ。ならどうですか、一局打っていきませんか?」
京太郎「うん、いいよ。ただ、一言言っておくとね。私はあなたが想像するより、はるかに──」
咲「……」ゴクリ
京太郎「弱いよ」
咲「そ、そうなんですか」
京太郎「だから手加減してね」
咲「は、はい」
_______
____
__
219 = 1 :
はやり「ぬわー、負けたー」
京太郎「ギリギリ飛ばずに済んだよ…」
まこ「まっ、こんなもんかのう」
咲「……この打ち方、京ちゃん…?いや、微妙に守備の仕方が……でも」ボソボソ
京太郎「何か気になることでもあった?」
咲「い、いえ、なんでもありません」
京太郎「そう?」
相変らず、麻雀に関しては勘のいい奴
しかし、まったく勝てる気がしないわな
戒能さんからは、兎にも角にも守備を何とかしないといけない言われていて、それしか習っていない
まだ、片手で数えるくらいしか教えてもらってないし、ほとんどネット空間での指導だけど
でも、咲や部長相手に飛ばなかっただけ、多少進歩したのかもしれないな
もし本当にそうなら、ほんの少し嬉しく思う。戒能さんに感謝しなくては
220 = 1 :
咲「京ちゃん、この後は?」
はやり「午後は、クラスの方の出し物を手伝わなくちゃならないから、そろそろ行きなきゃだな」
咲「そうなんだ。じゃあ、体育館のやつ楽しみにしてるよ」
はやり「そうしてくれ。きっとビックリするぜ」
咲「うん。じゃあね」
はやり「ああ、またな」
京太郎「じゃあまたね、咲ちゃん、まこちゃん」
簡単に挨拶を済ませて、部室から出た
もうそろそろ、お昼の時間のはずだ
京太郎「さて、ここでしばらくお別れですね」
はやり「うん、そうみたい。じゃあまた後でね、また体育館で会おうね」
京太郎「はい」
221 = 1 :
そう言って、さっさと俺のクラスの方に、はやりさんは小走りで向かっていってしまった
つまり、ポツンと、変装した28歳のアイドル雀士だけがそこに残る羽目になったのだった
京太郎「本当に高校生なんだな」
腕時計の針を眺めてみる。うーん、時間が余ってる。何かないかな
京太郎「……」
京太郎「探し物はなんですか、見つけにくい物ですか♪」
京太郎「鞄の中も、机の中も、探したけれど見つからないのに♪」
俺の美声を響かせながら、何かないかと探すようにして、目線を前の方に向けた
京太郎「んっ……あれは?」
見知った顔が見えた、つーかあれは
京太郎「父さん…?、と誰だ、あとの2人は?」
それは、中年男性3人が、喫茶店をやっている教室に、いざ入ろうとしているちょっと嬉しくない光景だった
ちょいと気になる風景だけど、残念ながらおっさん連中の会話を盗み聞きする趣味は、俺にはない
この場面は無視が得策だな。他を見て回ろう。きっと何かあるだろ
探すのをやめたとき、見つかることもよくある話で、ってね
222 :
ファンクラブの謎の部長と副部長の秘密の会合ですかね
そして見つかる変装アイドルと
223 :
咲さん...
225 :
突然で申し訳ありません
最近忙しくて、更新していくのが難しい状況です
ですので、一旦このスレはHTML化させていただきたいと思います
完成しましたら、新しくスレを立てて一気に投下する形になると思います
今までこのスレを見ていただいてくれた方、ありがとうございました
では、また
226 :
おつかれさまでした
227 :
あら残念
228 :
仕方ないね、待ってます!
229 = 1 :
話自体は頭の中でほとんど出来上がっているので、また暇ができればそう時間はかからないと思います
230 :
どこもかしこも忙しい時期だからしょうがないね
231 :
えっ!
じゃあ一気に書くほうは書き終わってもHTML化せず自然に落ちるまで放置してほしい
忘れてて見れなかったら困る
232 = 228 :
2ヶ月だっけ?
急かすのもアレだけど、生存報告で延ばすのもアリかも。
書き直したいなら落とした方がいいけどね。
233 :
おつかれ
待ってるよ
234 :
あら
まあ仕方ないか 期待して待ってるよ
みんなの評価 : ★★★×4
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