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元スレ利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」
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北上「まったく……三年もサボってたはずなのに全然変わらないねぇ提督は」
提督「そうでもない。私とて変わっている所は変わっている」
北上「ふーん? どこが変わったのか、あたしには分かんないけどね」
提督「それを見つけるのも楽しみの一つだろう。存分に悩むと良い。──さて飛龍。お前は何を希望するんだ?」
飛龍「あ、え……」
加賀「…………」ジッ
飛龍(加賀さんの無言の圧力が怖いっ!!)ビクン
提督「加賀、そう睨むな」
加賀「……ごめんなさいね」フイッ
北上「ちなみにだけどさ提督。ご褒美って何でも良いの?」
提督「ある程度までだ。内容にもよるが、せいぜい普段では出来ない事を許可するくらいだろう」
時雨「例えばどんなの?」
提督「そうだな……。ふむ、間宮と伊良子の甘味を三人前ほど味わっても良い……とかか?」
夕立「何その贅沢!? そんなの良いの!?」ガタッ
提督「それくらい大事な事だった。……言っておくが、今回の意見の事を他の子には言うんじゃないぞ?」
北上「提携してご褒美を貰い合うのはダメって事かー」
提督「そういう事だ。お前達ならばしないとは思うが、念の為にな」
加賀「……それで、飛龍はどうするのかしら?」ジッ
提督(……色々な意味で機嫌が悪そうだな)
飛龍「ごめんなさい。後に取っておきます……」
長門(無難だな。……それにしても、この鎮守府の子達は提督と如何に親密に接するかで苦労していそうだ)
提督「そうか。いつでも言ってこい。──さて、一応先に計画を言っておこう。時が来たら今居るこの六隻で五人を迎えに行く。実際に出撃し、その帰りに回収だ」
長門「その三人は分かったが、残りの二人は誰なんだ?」
提督「前にも言ったかもしれんが、向こうで説明をする。今ここで言うよりもずっと良いはずだ」
長門「なんだか怪しいな……」
提督「そう思ってくれて構わん。お前の前でだけ見てくれを良くしても意味が無い」
長門「本当に食えない奴だな、貴様は……」ハァ
加賀「大丈夫よ。すぐに慣れるわ」
長門「むしろ、慣れなければやっていけそうにないのだが……」
飛龍「アハハ……間違ってはいないですね……」
長門(……さて、この五人の反応を見る限りでは信頼出来るであろう人物だが、他の艦娘はどういう反応をするかが気になるな)
……………………
…………
……
提督「そうでもない。私とて変わっている所は変わっている」
北上「ふーん? どこが変わったのか、あたしには分かんないけどね」
提督「それを見つけるのも楽しみの一つだろう。存分に悩むと良い。──さて飛龍。お前は何を希望するんだ?」
飛龍「あ、え……」
加賀「…………」ジッ
飛龍(加賀さんの無言の圧力が怖いっ!!)ビクン
提督「加賀、そう睨むな」
加賀「……ごめんなさいね」フイッ
北上「ちなみにだけどさ提督。ご褒美って何でも良いの?」
提督「ある程度までだ。内容にもよるが、せいぜい普段では出来ない事を許可するくらいだろう」
時雨「例えばどんなの?」
提督「そうだな……。ふむ、間宮と伊良子の甘味を三人前ほど味わっても良い……とかか?」
夕立「何その贅沢!? そんなの良いの!?」ガタッ
提督「それくらい大事な事だった。……言っておくが、今回の意見の事を他の子には言うんじゃないぞ?」
北上「提携してご褒美を貰い合うのはダメって事かー」
提督「そういう事だ。お前達ならばしないとは思うが、念の為にな」
加賀「……それで、飛龍はどうするのかしら?」ジッ
提督(……色々な意味で機嫌が悪そうだな)
飛龍「ごめんなさい。後に取っておきます……」
長門(無難だな。……それにしても、この鎮守府の子達は提督と如何に親密に接するかで苦労していそうだ)
提督「そうか。いつでも言ってこい。──さて、一応先に計画を言っておこう。時が来たら今居るこの六隻で五人を迎えに行く。実際に出撃し、その帰りに回収だ」
長門「その三人は分かったが、残りの二人は誰なんだ?」
提督「前にも言ったかもしれんが、向こうで説明をする。今ここで言うよりもずっと良いはずだ」
長門「なんだか怪しいな……」
提督「そう思ってくれて構わん。お前の前でだけ見てくれを良くしても意味が無い」
長門「本当に食えない奴だな、貴様は……」ハァ
加賀「大丈夫よ。すぐに慣れるわ」
長門「むしろ、慣れなければやっていけそうにないのだが……」
飛龍「アハハ……間違ってはいないですね……」
長門(……さて、この五人の反応を見る限りでは信頼出来るであろう人物だが、他の艦娘はどういう反応をするかが気になるな)
……………………
…………
……
利根「……………………」
提督「……ふむ。今日も起きず、か」
救護妖精「そうだねぇ……。流石のあたしもちょっと心配になってきたよ」
飛龍「よっぽど辛かったんですかね……」
提督「かもな……。色々と辛い思いをさせてしまったのは確かだ」
救護妖精(……医者の立場的に何か気の利いた事でも言えば良いんだろうけど、あたしはそういうのが苦手だからねぇ……。さて、どうしようかな……)
提督「救護妖精、昏睡──いや、半昏睡状態の者にしてやれる事は他に無いか?」
救護妖精「ん? んー……………………あ」
飛龍「あるんですか?」
救護妖精「そうだね、ちょっとやってみると良い事があるかも」
提督「どういったものだ?」
救護妖精「ボディタッチとかしてみるのとかどうかな。頬とか頭とか撫でてみたりとかさ」
飛龍「痛みに反応するのなら、そういったものにも反応を示すかもしれない──というものですか?」
救護妖精「そんな所だよ。意味があるかは分からないけどさ、やらないよりは良いと思うよ」
提督「なるほど」ポンポン
飛龍(頭をポンポン……向こうでもやっていたんですかね?)
救護妖精「それっていつもやってた事なのかい」
提督「いや、あまりやった事がない」
救護妖精「なるべくなら、今までずっとやってきた事とか気に入られてるような事をした方が良いんじゃないかな。身体が覚えてて、反応するかもしんないしね」
提督「ふむ……。ならば少しやりたい事があるんだが」
救護妖精「んー? 何をやりたいんだい」
提督「私の背中に圧し掛からせたり、足の間に座らせたりしたい。良いか?」
飛龍(え、何ですかその羨ましい体勢は)
提督「……ふむ。今日も起きず、か」
救護妖精「そうだねぇ……。流石のあたしもちょっと心配になってきたよ」
飛龍「よっぽど辛かったんですかね……」
提督「かもな……。色々と辛い思いをさせてしまったのは確かだ」
救護妖精(……医者の立場的に何か気の利いた事でも言えば良いんだろうけど、あたしはそういうのが苦手だからねぇ……。さて、どうしようかな……)
提督「救護妖精、昏睡──いや、半昏睡状態の者にしてやれる事は他に無いか?」
救護妖精「ん? んー……………………あ」
飛龍「あるんですか?」
救護妖精「そうだね、ちょっとやってみると良い事があるかも」
提督「どういったものだ?」
救護妖精「ボディタッチとかしてみるのとかどうかな。頬とか頭とか撫でてみたりとかさ」
飛龍「痛みに反応するのなら、そういったものにも反応を示すかもしれない──というものですか?」
救護妖精「そんな所だよ。意味があるかは分からないけどさ、やらないよりは良いと思うよ」
提督「なるほど」ポンポン
飛龍(頭をポンポン……向こうでもやっていたんですかね?)
救護妖精「それっていつもやってた事なのかい」
提督「いや、あまりやった事がない」
救護妖精「なるべくなら、今までずっとやってきた事とか気に入られてるような事をした方が良いんじゃないかな。身体が覚えてて、反応するかもしんないしね」
提督「ふむ……。ならば少しやりたい事があるんだが」
救護妖精「んー? 何をやりたいんだい」
提督「私の背中に圧し掛からせたり、足の間に座らせたりしたい。良いか?」
飛龍(え、何ですかその羨ましい体勢は)
救護妖精「んー……。足の間に座らせる方なら良いよ。ただ、変に腕とか弄らないようにね。たぶん大丈夫だろうけど抜けたりしたら良くないから」
提督「分かった。──よっと」グッ
飛龍(あ……まるで抱っこされてるみたい。…………良いなぁ。良いなぁ……)ジー
救護妖精(その体位なら、点滴スピードはこんくらいか)クイッ
提督「……ふむ。起きるだろうか」クシクシ
飛龍「……あの、提督。どういう状況になれば、そんな体勢で髪を梳くなんて事になるんですか?」
救護妖精「セックスでもしてんじゃないかねぇ?」
飛龍「ぶっ!?」
提督「冗談でもそんな事を言うな……。加賀辺りが耳にしたら深海棲艦すら射殺しかねん目で問い詰めてくる……」
飛龍「……じゃあ、どうしたらそうなるんですか?」
提督「……………………」
飛龍「あの……何か言って下さい提督……。それとも本当に──」
提督「違うから、そんな物欲しそうな目で見るんじゃない……」
飛龍「…………」ジー
提督「…………」
飛龍「…………」ジー
救護妖精「……これは、はぐらかすなんて事が出来そうにないねぇ。もう素直に言っちゃえば、提督?」
提督「……はあ……分かった。だが、絶対に誰にも言うなよ?」
飛龍「約束します」
提督「…………向こうでドラム缶の風呂に入った際、こうして背中を預けると安心できると言われたんだ。いつもは背中に圧し掛かられていたが、それが出来ないならばこっち……という形だ」
飛龍「お風呂……」ヂー
提督(……非常に嫌な予感がする)
飛龍(……………………)
利根「ん……」
三人「!」
提督「分かった。──よっと」グッ
飛龍(あ……まるで抱っこされてるみたい。…………良いなぁ。良いなぁ……)ジー
救護妖精(その体位なら、点滴スピードはこんくらいか)クイッ
提督「……ふむ。起きるだろうか」クシクシ
飛龍「……あの、提督。どういう状況になれば、そんな体勢で髪を梳くなんて事になるんですか?」
救護妖精「セックスでもしてんじゃないかねぇ?」
飛龍「ぶっ!?」
提督「冗談でもそんな事を言うな……。加賀辺りが耳にしたら深海棲艦すら射殺しかねん目で問い詰めてくる……」
飛龍「……じゃあ、どうしたらそうなるんですか?」
提督「……………………」
飛龍「あの……何か言って下さい提督……。それとも本当に──」
提督「違うから、そんな物欲しそうな目で見るんじゃない……」
飛龍「…………」ジー
提督「…………」
飛龍「…………」ジー
救護妖精「……これは、はぐらかすなんて事が出来そうにないねぇ。もう素直に言っちゃえば、提督?」
提督「……はあ……分かった。だが、絶対に誰にも言うなよ?」
飛龍「約束します」
提督「…………向こうでドラム缶の風呂に入った際、こうして背中を預けると安心できると言われたんだ。いつもは背中に圧し掛かられていたが、それが出来ないならばこっち……という形だ」
飛龍「お風呂……」ヂー
提督(……非常に嫌な予感がする)
飛龍(……………………)
利根「ん……」
三人「!」
利根「ん……んん……?」
提督「起きたのか、利根?」
利根「お、おぉ……? 提督? それに飛龍と救護妖精……? ──ああ、なるほどのう。ここは本土か」
救護妖精「おー……本当に起きたねぇ」
飛龍「本当にって……」
救護妖精「いや、起きる可能性も勿論あったよ。ただ、一発で起きるのは予想外だったというかなんというか……」
利根「……頭がふらつく」
提督「救護妖精、頼む」スッ
利根「ぁ……」
提督「…………」ピタッ
救護妖精「……あー、うん。もう少しそのままにしてあげたらどうかな? そんな母親から離れそうになった小さい子供みたいな声を出されたら、気の済むまでそうさせた方が良いんじゃないかね」
救護妖精「だけど、気分が悪くなったらちゃんと横にさせるけどね」
利根「既に気分が少し悪いぞ……」
救護妖精「じゃあ横にさせよっか。提督、ほらどいたどいた」
提督「そうだな」スッ
利根「あ、ちょっ! う、嘘じゃ! 嘘じゃからもうちょっと──!」
提督「ダメだ」ポフッ
救護妖精「身体は大事にしな」
提督「代わりにこうしておくから、これで我慢しろ」ソッ
利根「ぬ……。額に手を置かれると、何やら看病されているような気持ちになるのう」
提督「嫌か?」
利根「心地良いからもっと頼む」
提督「お前らしいな」ナデナデ
利根「……思ったよりも良いのう、これ」
提督「そうか」ナデナデ
飛龍(……良いなぁ)ヂー
飛龍(…………胸がチクチクしますね。やだな……私、嫉妬してる……)チクチク
救護妖精「まあ、それもこれくらいにしておきな。利根、これから検査だよ。何日も寝たきりだったんだ。あと、筋肉や関節も固まって身体が痛いはずだから軽くストレッチさせるよ」
利根「むぅ……」
提督「また見舞いとして来る。──夜ならば良いか?」
救護妖精「明日にしな。今日一日は安静だよ」
提督「だそうだ。また明日だ、利根」
利根「むぅー……」
飛龍「まあ……早く元気になったら提督の傍に居放題ですよ、利根さん」
利根「! ならば早く元気になるぞ!」
提督「……単純な奴め」
飛龍「……………………」
飛龍(利根さんが起きたという事は、私の臨時秘書も終わりですね……)
飛龍(良くて三日──いえ、下手をすれば今日が最後になりかねませんから、思いっきり秘書として頑張りましょうか。……早く終わらせたら、その分だけ提督と自由に居られるのかな)
…………………………………………。
提督「起きたのか、利根?」
利根「お、おぉ……? 提督? それに飛龍と救護妖精……? ──ああ、なるほどのう。ここは本土か」
救護妖精「おー……本当に起きたねぇ」
飛龍「本当にって……」
救護妖精「いや、起きる可能性も勿論あったよ。ただ、一発で起きるのは予想外だったというかなんというか……」
利根「……頭がふらつく」
提督「救護妖精、頼む」スッ
利根「ぁ……」
提督「…………」ピタッ
救護妖精「……あー、うん。もう少しそのままにしてあげたらどうかな? そんな母親から離れそうになった小さい子供みたいな声を出されたら、気の済むまでそうさせた方が良いんじゃないかね」
救護妖精「だけど、気分が悪くなったらちゃんと横にさせるけどね」
利根「既に気分が少し悪いぞ……」
救護妖精「じゃあ横にさせよっか。提督、ほらどいたどいた」
提督「そうだな」スッ
利根「あ、ちょっ! う、嘘じゃ! 嘘じゃからもうちょっと──!」
提督「ダメだ」ポフッ
救護妖精「身体は大事にしな」
提督「代わりにこうしておくから、これで我慢しろ」ソッ
利根「ぬ……。額に手を置かれると、何やら看病されているような気持ちになるのう」
提督「嫌か?」
利根「心地良いからもっと頼む」
提督「お前らしいな」ナデナデ
利根「……思ったよりも良いのう、これ」
提督「そうか」ナデナデ
飛龍(……良いなぁ)ヂー
飛龍(…………胸がチクチクしますね。やだな……私、嫉妬してる……)チクチク
救護妖精「まあ、それもこれくらいにしておきな。利根、これから検査だよ。何日も寝たきりだったんだ。あと、筋肉や関節も固まって身体が痛いはずだから軽くストレッチさせるよ」
利根「むぅ……」
提督「また見舞いとして来る。──夜ならば良いか?」
救護妖精「明日にしな。今日一日は安静だよ」
提督「だそうだ。また明日だ、利根」
利根「むぅー……」
飛龍「まあ……早く元気になったら提督の傍に居放題ですよ、利根さん」
利根「! ならば早く元気になるぞ!」
提督「……単純な奴め」
飛龍「……………………」
飛龍(利根さんが起きたという事は、私の臨時秘書も終わりですね……)
飛龍(良くて三日──いえ、下手をすれば今日が最後になりかねませんから、思いっきり秘書として頑張りましょうか。……早く終わらせたら、その分だけ提督と自由に居られるのかな)
…………………………………………。
とりあえず今回はここまでです。たぶんまた一週間後にくるかもしれません。
まさか、ゆーまさんにこのスレを紹介して頂けるとは思っていなかった。感謝です。
やる気が沸いて書いたらサラサラっと書けたので、やっぱりモチベは重要。ゆーまさんに負けないくらい甘々の飛龍も書……けたら良いなぁ。
まさか、ゆーまさんにこのスレを紹介して頂けるとは思っていなかった。感謝です。
やる気が沸いて書いたらサラサラっと書けたので、やっぱりモチベは重要。ゆーまさんに負けないくらい甘々の飛龍も書……けたら良いなぁ。
乙
・・・これだけコナかけて、いつも選ばれるのは一人だけなんだよね
・・・これだけコナかけて、いつも選ばれるのは一人だけなんだよね
1の話は必ず失恋する子が出てる、まあそれが心に残るわけだが
今回はいつもより諦めなければならない子が多いような
今回はいつもより諦めなければならない子が多いような
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
提督「……さっきから思っていたが、今日は一段と張り切っているな」サラサラ
飛龍「はい。ちょっと、やりたい事がありまして」カリカリカリカリカリ
提督「ほう。珍しいな」サラサラ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
提督(ふむ……。相当集中している。何をやりたいのかは分からないが、私もそれなりに急いで片付けておこうか)スッ
提督「…………」パラパラパラ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
提督「…………」スッ──サラサラサラサラ
提督(……書く事が少ないな。出撃も遠征もしていないから当たり前だが、それでもこの報告書やら何やらを書かなければならないのは面倒だ)サラサラサラサラ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
提督(しかし、茶にも手を付けないとは……よっぽどやりたい事なのか。そうだったら一言相談をして休みを貰えば良かっただろうに……。真面目だな)サラサラサラ
提督(む……終わってしまった。簡単な書類はこっちに集中していたのか。…………飛龍の分を貰ってしまおう)ソッ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
飛龍(さて次の……って、あれ? なんか物凄い少なくなってるような……)カリカリ
飛龍「…………」チラ
提督「…………」サラサラサラ
飛龍(……あ。やっぱりそうでしたか。……ダメだなぁ。周りの事もちゃんと見ないといけないのに。──っとと、提督のお茶を注いでおかなきゃ)ソッ
提督「む。すま……助かる」ズズッ
飛龍「いえ、これも秘書としてのお仕事ですっ」カリカリカリ
提督「……………………」サラサラサラサラサラ
飛龍「……………………」カリカリカリカリカリ
提督「……さっきから思っていたが、今日は一段と張り切っているな」サラサラ
飛龍「はい。ちょっと、やりたい事がありまして」カリカリカリカリカリ
提督「ほう。珍しいな」サラサラ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
提督(ふむ……。相当集中している。何をやりたいのかは分からないが、私もそれなりに急いで片付けておこうか)スッ
提督「…………」パラパラパラ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
提督「…………」スッ──サラサラサラサラ
提督(……書く事が少ないな。出撃も遠征もしていないから当たり前だが、それでもこの報告書やら何やらを書かなければならないのは面倒だ)サラサラサラサラ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
提督(しかし、茶にも手を付けないとは……よっぽどやりたい事なのか。そうだったら一言相談をして休みを貰えば良かっただろうに……。真面目だな)サラサラサラ
提督(む……終わってしまった。簡単な書類はこっちに集中していたのか。…………飛龍の分を貰ってしまおう)ソッ
飛龍「…………」カリカリカリカリカリ
飛龍(さて次の……って、あれ? なんか物凄い少なくなってるような……)カリカリ
飛龍「…………」チラ
提督「…………」サラサラサラ
飛龍(……あ。やっぱりそうでしたか。……ダメだなぁ。周りの事もちゃんと見ないといけないのに。──っとと、提督のお茶を注いでおかなきゃ)ソッ
提督「む。すま……助かる」ズズッ
飛龍「いえ、これも秘書としてのお仕事ですっ」カリカリカリ
提督「……………………」サラサラサラサラサラ
飛龍「……………………」カリカリカリカリカリ
提督(……ふむ、終わりか。ならばそこの最後の一枚を貰うか)スッ
飛龍(さて、そろそろ終わりますから次のを──)スッ──ピトッ
提督「む?」
飛龍「え? ──あ」
提督「先に手を付けたのは私だから、これは……ん?」
飛龍「ぁ……う、ぁ……」ドキドキ
提督(ああ……)
提督「……すまん」スッ
飛龍「い、いえ! 私こそ気付かなくてすみません!」ビクン
飛龍(あー……もう……。提督と触れる事なんて滅多にないから、つい頭の中が真っ白になっちゃった……)ドキドキ
飛龍(……手、温かかったなぁ。提督はなんて思ったんだろ)チラ
提督「…………」サラサラ
飛龍(……読み取れないや。昔っからこれだから、嫌に思ってるのかどうなのかが分からないんですよね)カリカリ
飛龍(っとと、書類が全部終わりましたね)スッ
提督「こっちも終わる所だ。──いや、もう終わった」スッ
飛龍「はい。お疲れ様です」
飛龍(もう当たり前になっていますけど、提督は見ていないようでちゃんと見ててくれているんですよね。……そういうのが嬉しくて、好きになっちゃったんだっけな。──あー、でも……終わったのは良いんだけど、どうしようかぁ。さっきまでは『終わらせたら目一杯、提督と二人きりの時間を過ごそう』って思ってたのに……)
飛龍(……とりあえず、書類を纏めておこう)スッ
提督「さて、後の書類の纏めは私がやっておこう。飛龍は好きにしていて良いぞ」スッ
飛龍「……え? 好きに?」
提督「やりたい事があるのだろう? 蒼龍との約束か、それとも別の何かがあるのかは分からんが、お前はこれから自由時間だ」ゴソゴソ
飛龍「あー……なるほど。そういう事ですか」
飛龍(鋭いのか鈍いのか……いえ、たぶん自分の事をあまり勘定に入れないんでしょうね)
飛龍(さて、そろそろ終わりますから次のを──)スッ──ピトッ
提督「む?」
飛龍「え? ──あ」
提督「先に手を付けたのは私だから、これは……ん?」
飛龍「ぁ……う、ぁ……」ドキドキ
提督(ああ……)
提督「……すまん」スッ
飛龍「い、いえ! 私こそ気付かなくてすみません!」ビクン
飛龍(あー……もう……。提督と触れる事なんて滅多にないから、つい頭の中が真っ白になっちゃった……)ドキドキ
飛龍(……手、温かかったなぁ。提督はなんて思ったんだろ)チラ
提督「…………」サラサラ
飛龍(……読み取れないや。昔っからこれだから、嫌に思ってるのかどうなのかが分からないんですよね)カリカリ
飛龍(っとと、書類が全部終わりましたね)スッ
提督「こっちも終わる所だ。──いや、もう終わった」スッ
飛龍「はい。お疲れ様です」
飛龍(もう当たり前になっていますけど、提督は見ていないようでちゃんと見ててくれているんですよね。……そういうのが嬉しくて、好きになっちゃったんだっけな。──あー、でも……終わったのは良いんだけど、どうしようかぁ。さっきまでは『終わらせたら目一杯、提督と二人きりの時間を過ごそう』って思ってたのに……)
飛龍(……とりあえず、書類を纏めておこう)スッ
提督「さて、後の書類の纏めは私がやっておこう。飛龍は好きにしていて良いぞ」スッ
飛龍「……え? 好きに?」
提督「やりたい事があるのだろう? 蒼龍との約束か、それとも別の何かがあるのかは分からんが、お前はこれから自由時間だ」ゴソゴソ
飛龍「あー……なるほど。そういう事ですか」
飛龍(鋭いのか鈍いのか……いえ、たぶん自分の事をあまり勘定に入れないんでしょうね)
飛龍「他に秘書としての仕事は無いんですか?」
提督「無いから安心しておけ」
飛龍「そっか。なら安心かな。……提督、私のやりたい事はですね? 提督と二人の時間を過ごしたい……ですよ」
提督「……そういう事か」
飛龍「そういう事です。早くお仕事を終わらせたら、その分だけ提督と二人で一緒に過ごせますよね?」
提督「こんな駄目な上に傷物の男の何が良いのか分からんな」
飛龍「傷物って……本来は女性に対して使う言葉じゃないですか、それ……? というか、傷物だとかなんだとか関係ありませんよ。提督だから良いんです。そもそもの話、提督はしっかりとしているじゃないですか」
提督「幻想かもしれんぞ。そう見えるだけだというのも充分に有り得る」
飛龍「でも、私の目からはそう見えます」
提督「盲目はいかんぞ」
飛龍「もう……。ああ言えばこう言いますね。どうすれば信用してくれますか?」
提督「……何も言わんぞ?」
飛龍「むむ。言ってくれたらそれをしたのに……」
提督「本当に何でもやりかねないから言わないんだ……」ハァ
飛龍「流石に限度はありますけどね?」
提督「仮にこの場で服を脱げと言ったとしてもやりかねん。どこまで許容するかが分からない相手に条件を突き付けるのは怖くて堪らんよ」
飛龍「……なんというか、割と変態的な事を言う割りにやらしさが無いですね?」
提督「あくまで例えだからではないか? ……まあこの話は置いておこう。昨日の褒美でも使うか?」
飛龍「それは……ううん……難しいですね。…………そうだ。ちょっとズルいですけど、確認して良いですか?」
提督「……なんとなく察しは付くが、言ってみろ」
飛龍「もし……もしですけど、私にキスとその続きを下さい、って言ったら……どうします?」
提督「無いから安心しておけ」
飛龍「そっか。なら安心かな。……提督、私のやりたい事はですね? 提督と二人の時間を過ごしたい……ですよ」
提督「……そういう事か」
飛龍「そういう事です。早くお仕事を終わらせたら、その分だけ提督と二人で一緒に過ごせますよね?」
提督「こんな駄目な上に傷物の男の何が良いのか分からんな」
飛龍「傷物って……本来は女性に対して使う言葉じゃないですか、それ……? というか、傷物だとかなんだとか関係ありませんよ。提督だから良いんです。そもそもの話、提督はしっかりとしているじゃないですか」
提督「幻想かもしれんぞ。そう見えるだけだというのも充分に有り得る」
飛龍「でも、私の目からはそう見えます」
提督「盲目はいかんぞ」
飛龍「もう……。ああ言えばこう言いますね。どうすれば信用してくれますか?」
提督「……何も言わんぞ?」
飛龍「むむ。言ってくれたらそれをしたのに……」
提督「本当に何でもやりかねないから言わないんだ……」ハァ
飛龍「流石に限度はありますけどね?」
提督「仮にこの場で服を脱げと言ったとしてもやりかねん。どこまで許容するかが分からない相手に条件を突き付けるのは怖くて堪らんよ」
飛龍「……なんというか、割と変態的な事を言う割りにやらしさが無いですね?」
提督「あくまで例えだからではないか? ……まあこの話は置いておこう。昨日の褒美でも使うか?」
飛龍「それは……ううん……難しいですね。…………そうだ。ちょっとズルいですけど、確認して良いですか?」
提督「……なんとなく察しは付くが、言ってみろ」
飛龍「もし……もしですけど、私にキスとその続きを下さい、って言ったら……どうします?」
提督「……どっちが変態的な事を言っているんだか」
飛龍「ほら、目の前の人に影響されちゃってますしね?」ニヤ
提督「困った奴だ……。──その時の飛龍に依る。無条件でイエスとは言わん」
飛龍「……ふーん」
提督「どうした」
飛龍「いえいえ、なんでもありませんよ♪ ──あ、ご褒美はまだ取っておきますので」
飛龍(無条件では──という事は、条件さえ満たしていれば良いって事ですよね? ……よしっ! 頑張ろう!)グッ
提督「……言っておくが」
飛龍「? なんですか?」
提督「お前の目指している道中は茨の道だぞ」
飛龍「そんなの、ずっと前から知っていますよ」
金剛『──────────────、────!』
飛龍「ずーっと前に……一度諦めた身ですから、よく分かっています。勿論、今は更に厳しいって事も……」
提督(……金剛の事、か)
飛龍「……あ、あはは。すみません。しんみりとさせちゃいました」
提督「……構わん。私もいずれ乗り越えなければならん事だ。でなければ、アイツに怒られてしまいそうだからな」
飛龍「あー……確かに怒りそうですね……」
提督「怒ると加賀以上に怖かった」
飛龍「ビンタも飛んできますからね。──じゃあ、提督」ソッ
提督「……頬に手を添えてどうする気だ? 飛龍も私にビンタをするのか?」
飛龍「違いますって! ……こうするだけですよ」クイッ
──ちぅ
飛龍「ほら、目の前の人に影響されちゃってますしね?」ニヤ
提督「困った奴だ……。──その時の飛龍に依る。無条件でイエスとは言わん」
飛龍「……ふーん」
提督「どうした」
飛龍「いえいえ、なんでもありませんよ♪ ──あ、ご褒美はまだ取っておきますので」
飛龍(無条件では──という事は、条件さえ満たしていれば良いって事ですよね? ……よしっ! 頑張ろう!)グッ
提督「……言っておくが」
飛龍「? なんですか?」
提督「お前の目指している道中は茨の道だぞ」
飛龍「そんなの、ずっと前から知っていますよ」
金剛『──────────────、────!』
飛龍「ずーっと前に……一度諦めた身ですから、よく分かっています。勿論、今は更に厳しいって事も……」
提督(……金剛の事、か)
飛龍「……あ、あはは。すみません。しんみりとさせちゃいました」
提督「……構わん。私もいずれ乗り越えなければならん事だ。でなければ、アイツに怒られてしまいそうだからな」
飛龍「あー……確かに怒りそうですね……」
提督「怒ると加賀以上に怖かった」
飛龍「ビンタも飛んできますからね。──じゃあ、提督」ソッ
提督「……頬に手を添えてどうする気だ? 飛龍も私にビンタをするのか?」
飛龍「違いますって! ……こうするだけですよ」クイッ
──ちぅ
提督「────────」
飛龍「……今は頬だけです。いつかは茨を渡りきって、きっと提督の心を掴んでみせます。だって……私は提督のあの笑顔が好きですから」
提督「……好き者め」
飛龍「お返しをくれても良いんですよ?」
提督「その時が来たらだ。……本当、不器用に真っ直ぐだよ、お前は」
飛龍「じゃあ、頭を……いえ、頬を撫でて下さい。不器用な私は、真っ直ぐ言うしかありませんからね?」
提督「……………………」
提督「いや、頭だけだ」ポンポン
飛龍「むむむ……。まあ、一歩前進という事で」ニコニコ
飛龍(悩んでくれたのも事実ですしね)ニコニコ
飛龍「ついでに抱き締めても良いですか?」
提督「調子には乗らさんぞ」ペシッ
飛龍「あー……やっぱりダメですか」
提督「許したら際限が無さそうだからな」
飛龍「言えてますね。──じゃあ提督、一緒にお茶でも飲みませんか? 今あるやつなんで少し温いかもしれませんけれど」
提督「そうだな、頂こう。少しくらい温くても飛龍の淹れる茶は美味い」
飛龍「そうでしょそうでしょ? これでも頑張ったんですからね!」
提督(……本当、苦労を掛けてしまっているな……私は)
飛龍「~♪」
提督(……この楽しそうにしてくれている顔の裏で、どれだけの苦悩があったのか。……いや、考えないでおこう。むしろ、それだけ私の事を想ってくれてありがたいと思うべきだ)
提督「良い子だよ、本当……」ボソリ
飛龍「え?」
提督「いや、なんでもない。独り言だ」
提督(さて……これからどうなるか……)
…………………………………………。
飛龍「……今は頬だけです。いつかは茨を渡りきって、きっと提督の心を掴んでみせます。だって……私は提督のあの笑顔が好きですから」
提督「……好き者め」
飛龍「お返しをくれても良いんですよ?」
提督「その時が来たらだ。……本当、不器用に真っ直ぐだよ、お前は」
飛龍「じゃあ、頭を……いえ、頬を撫でて下さい。不器用な私は、真っ直ぐ言うしかありませんからね?」
提督「……………………」
提督「いや、頭だけだ」ポンポン
飛龍「むむむ……。まあ、一歩前進という事で」ニコニコ
飛龍(悩んでくれたのも事実ですしね)ニコニコ
飛龍「ついでに抱き締めても良いですか?」
提督「調子には乗らさんぞ」ペシッ
飛龍「あー……やっぱりダメですか」
提督「許したら際限が無さそうだからな」
飛龍「言えてますね。──じゃあ提督、一緒にお茶でも飲みませんか? 今あるやつなんで少し温いかもしれませんけれど」
提督「そうだな、頂こう。少しくらい温くても飛龍の淹れる茶は美味い」
飛龍「そうでしょそうでしょ? これでも頑張ったんですからね!」
提督(……本当、苦労を掛けてしまっているな……私は)
飛龍「~♪」
提督(……この楽しそうにしてくれている顔の裏で、どれだけの苦悩があったのか。……いや、考えないでおこう。むしろ、それだけ私の事を想ってくれてありがたいと思うべきだ)
提督「良い子だよ、本当……」ボソリ
飛龍「え?」
提督「いや、なんでもない。独り言だ」
提督(さて……これからどうなるか……)
…………………………………………。
今回はここまでです。大体たぶん恐らくきっと一週間後くらいにくるかもしれません。ただ、お仕事があるからちょっと微妙かも。
気付いたら飛龍を掘り下げていた。最近、飛龍ばっかり書いているような気がするけど気のせいだろうか。
気付いたら飛龍を掘り下げていた。最近、飛龍ばっかり書いているような気がするけど気のせいだろうか。
乙
例の金剛スレの時みたいにそれぞれの√分岐のすれ作るです?つくるなら金剛√と飛龍√おなしゃす
例の金剛スレの時みたいにそれぞれの√分岐のすれ作るです?つくるなら金剛√と飛龍√おなしゃす
コンコンコン──
提督「入れ」
ガチャ──パタン
利根「提督よ!! 救護妖精から許可を貰ったぞ!」
提督「……たった一日でここまで元気になったか」
飛龍「凄いですね、本当に……」
利根「フフフ。何せ今の我輩には目的があるからのう。地獄の底からでも這い戻ってこれる自信があるぞ」
飛龍「…………」
飛龍(……本当に短い間でしたけど、少しでも提督の秘書になれて嬉しかったです。約束のようですし、これからは利根さんに任せましょう……)スッ
提督「待て飛龍。どこへ行く」
飛龍「え……? だって、秘書は利根さんですよね? 提督は秘書を二人取らないと言っていたじゃないですか」
提督「……飛龍、今の利根を見ろ」
利根「む?」
飛龍「えっと……?」
提督「利根、この書類の見分け方は分かるか?」ペラ
利根「……分からぬ」
提督「では、何を書けば良いか答えてみろ」
利根「…………分からぬ」
提督「処理した書類はどうすれば良い?」
利根「むがー!! 分かる訳がなかろう!? 我輩は何も知らぬのじゃぞぉ!?」
提督「こういう事だ。何も知らない利根に教える必要がある。私一人では教える事に集中して、今日中にこの書類の山を終わらせる事が出来ないだろう」
飛龍「……えっと、つまり……私はまだここに残って秘書のお手伝いをすれば良いんですか?」
提督「そういう事だ。利根の教育は飛龍に任せる」
飛龍「────────」
提督「返事はどうした、飛龍」
飛龍「──やったっ! これでまだ近くに居られる!!」グッ
利根「お、おぉ……? それは心の中に留めておくべき言葉ではないか……?」
飛龍「私の気持ちは既に提督も知っていますので、問題ありません!」
利根「むむ、なんと……! 飛龍は提督の事を好いておったのか」
飛龍「勿論です! 秘書になれた時なんて、顔がニヤけないように必死だったんですよ?」
提督「……テンションが高いのは良いが、あまりうるさくするようならば……吊るすぞ?」
利根・飛龍「ご、ごめんなさい……」ビクッ
提督「よろしい。──では飛龍、改めて言い渡す。利根が秘書としてやっていけるよう教育を頼む。……酷かもしれんが、私からの願いと思って堪えてくれ」
飛龍「はいっ! 飛龍、承りました!!」ピシッ
提督「すまんな……」
飛龍「いえ、昨日で終わりだとばかり思っていましたので、まだ続けられると思うと嬉しいです! ──では利根さん、まず書類の説明からしますね」スッ
利根「お願いじゃ。我輩の我侭で迷惑を掛けてしまった……すまぬ」
飛龍「いえいえ。──それでですね、この書類なんですけれど、全て左上のここに書類の種類がありますので────」
利根「ふむ。ふむふむ……」
…………………………………………。
提督「入れ」
ガチャ──パタン
利根「提督よ!! 救護妖精から許可を貰ったぞ!」
提督「……たった一日でここまで元気になったか」
飛龍「凄いですね、本当に……」
利根「フフフ。何せ今の我輩には目的があるからのう。地獄の底からでも這い戻ってこれる自信があるぞ」
飛龍「…………」
飛龍(……本当に短い間でしたけど、少しでも提督の秘書になれて嬉しかったです。約束のようですし、これからは利根さんに任せましょう……)スッ
提督「待て飛龍。どこへ行く」
飛龍「え……? だって、秘書は利根さんですよね? 提督は秘書を二人取らないと言っていたじゃないですか」
提督「……飛龍、今の利根を見ろ」
利根「む?」
飛龍「えっと……?」
提督「利根、この書類の見分け方は分かるか?」ペラ
利根「……分からぬ」
提督「では、何を書けば良いか答えてみろ」
利根「…………分からぬ」
提督「処理した書類はどうすれば良い?」
利根「むがー!! 分かる訳がなかろう!? 我輩は何も知らぬのじゃぞぉ!?」
提督「こういう事だ。何も知らない利根に教える必要がある。私一人では教える事に集中して、今日中にこの書類の山を終わらせる事が出来ないだろう」
飛龍「……えっと、つまり……私はまだここに残って秘書のお手伝いをすれば良いんですか?」
提督「そういう事だ。利根の教育は飛龍に任せる」
飛龍「────────」
提督「返事はどうした、飛龍」
飛龍「──やったっ! これでまだ近くに居られる!!」グッ
利根「お、おぉ……? それは心の中に留めておくべき言葉ではないか……?」
飛龍「私の気持ちは既に提督も知っていますので、問題ありません!」
利根「むむ、なんと……! 飛龍は提督の事を好いておったのか」
飛龍「勿論です! 秘書になれた時なんて、顔がニヤけないように必死だったんですよ?」
提督「……テンションが高いのは良いが、あまりうるさくするようならば……吊るすぞ?」
利根・飛龍「ご、ごめんなさい……」ビクッ
提督「よろしい。──では飛龍、改めて言い渡す。利根が秘書としてやっていけるよう教育を頼む。……酷かもしれんが、私からの願いと思って堪えてくれ」
飛龍「はいっ! 飛龍、承りました!!」ピシッ
提督「すまんな……」
飛龍「いえ、昨日で終わりだとばかり思っていましたので、まだ続けられると思うと嬉しいです! ──では利根さん、まず書類の説明からしますね」スッ
利根「お願いじゃ。我輩の我侭で迷惑を掛けてしまった……すまぬ」
飛龍「いえいえ。──それでですね、この書類なんですけれど、全て左上のここに書類の種類がありますので────」
利根「ふむ。ふむふむ……」
…………………………………………。
提督「──なんとか夕食までには終わりそうだな。調子はどうだ、利根」サラサラ
利根「覚える事自体はそこまで無いが……適切な判断を下せるかどうかが心配になる……」カキカキ
飛龍「最初はそんなものです。私も初めはおっかなびっくりしながらやったんですよ? ──はい、お二人ともお茶です」スッ
提督「ありがたい」ズズッ
利根「ありがたいのう。……のう飛龍、我輩も茶の淹れ方を覚えたいぞ」ズズッ
飛龍「後でです。今は書類の処理を覚えちゃって下さい。焦っても仕方が無いですよ?」
提督「…………」チラ
飛龍「……言いたい事は分かりますけれど、言葉に出さない分キツイですね」
提督「ならば言葉にしようか」
飛龍「ごめんなさい……遠慮しておきます……」カリカリ
利根「……うーむ。飛龍、ここはこれで良いのかの?」スッ
飛龍「どれですか? ──ふむふむ。大丈夫ですよ。この調子で腕を付けていきましょう」
利根「おお、本当か! 少しずつじゃが自信が付いてきたぞ!」カキカキ
提督「利根、突然だが一つ問題を出そう」サラサラ
利根「うむ? どうしたんじゃ?」カキカキ
提督「一番危険なミスを犯すのは、どういう状況だと思う? 無論、日常の範囲内でだ」サラサラ
利根「うむ……? むぅ……寝不足、かの?」カキ
提督「いいや違う。それはだな、物事に慣れ始めた時だ」サラサラ
提督「初めは慎重に行動するが、段々とミスが少なくなってきて慣れてきた所で確認不足をしてしまう。その結果、とんでもないミスを起こしかねない事になる。これは乗り物の運転でよく聞く話で、死人も出るくらいだぞ。……そうだな、今回だと数字の桁を一つ間違えているとかだな」サラサラ
利根「? ────!!」
利根「……今後も今回のようにならぬよう、慢心せず注意して書類を片付けてゆくようにする」カキカキ
提督「よろしい」サラサラ
飛龍「まだまだこれからですよ、利根さん」カリカリ
利根「むむぅ……」カキカキ
…………………………………………。
利根「覚える事自体はそこまで無いが……適切な判断を下せるかどうかが心配になる……」カキカキ
飛龍「最初はそんなものです。私も初めはおっかなびっくりしながらやったんですよ? ──はい、お二人ともお茶です」スッ
提督「ありがたい」ズズッ
利根「ありがたいのう。……のう飛龍、我輩も茶の淹れ方を覚えたいぞ」ズズッ
飛龍「後でです。今は書類の処理を覚えちゃって下さい。焦っても仕方が無いですよ?」
提督「…………」チラ
飛龍「……言いたい事は分かりますけれど、言葉に出さない分キツイですね」
提督「ならば言葉にしようか」
飛龍「ごめんなさい……遠慮しておきます……」カリカリ
利根「……うーむ。飛龍、ここはこれで良いのかの?」スッ
飛龍「どれですか? ──ふむふむ。大丈夫ですよ。この調子で腕を付けていきましょう」
利根「おお、本当か! 少しずつじゃが自信が付いてきたぞ!」カキカキ
提督「利根、突然だが一つ問題を出そう」サラサラ
利根「うむ? どうしたんじゃ?」カキカキ
提督「一番危険なミスを犯すのは、どういう状況だと思う? 無論、日常の範囲内でだ」サラサラ
利根「うむ……? むぅ……寝不足、かの?」カキ
提督「いいや違う。それはだな、物事に慣れ始めた時だ」サラサラ
提督「初めは慎重に行動するが、段々とミスが少なくなってきて慣れてきた所で確認不足をしてしまう。その結果、とんでもないミスを起こしかねない事になる。これは乗り物の運転でよく聞く話で、死人も出るくらいだぞ。……そうだな、今回だと数字の桁を一つ間違えているとかだな」サラサラ
利根「? ────!!」
利根「……今後も今回のようにならぬよう、慢心せず注意して書類を片付けてゆくようにする」カキカキ
提督「よろしい」サラサラ
飛龍「まだまだこれからですよ、利根さん」カリカリ
利根「むむぅ……」カキカキ
…………………………………………。
加賀(……さて、暗くなり始めましたね。今の内に食料をあの島へ届けましょうか)スッ
艦戦妖精「いってくるなのー」フリフリ
加賀「いってらっしゃい。気を付けてね。──あと、絶対に誰にも言っちゃダメよ?」
艦戦要請「はーい。──準備完了なのー!」
加賀「発艦」パヒュンッ
加賀(……さて、カモフラージュに本当の哨戒機も出しておきましょうか)スッ
赤城「──あら、加賀さん?」
加賀「! 赤城さん、こんな所でどうしたの?」パヒュンッ
赤城「それはこちらの台詞ですよ。こんな時間に艦載機を発艦させてどうしたのですか?」
加賀「提督からの指示です。妖精も訓練をすれば夜目が利くようになるのか試したいとの事よ」
赤城「なるほど。そうすれば私たち空母も夜間に攻撃が出来る可能性があるという訳ですね?」
加賀「ええ。ついでに哨戒にもなりますから、こうして私が試験的にやってみているの」
加賀(そういう話にしておくようにとは言われましたが……赤城さんに嘘を吐くのは少し辛いですね。……ごめんなさい、赤城さん)
赤城「加賀さん」
加賀「?」
赤城「分かっていますよ。何か言えない事情があるんですよね?」
加賀「なっ……」
赤城「私と加賀さんはどれだけ一緒に居たと思っているんですか? 嘘を吐いている事くらいは分かりますよ」
加賀「そ、それは……その……」
赤城「でも、珍しいですね? 加賀さんが私に嘘を吐くなんて。提督絡みの事かしら」
加賀「……ええ。間違っていないわ」
赤城「やっぱりね。ちょっと嫉妬しちゃいそうです。私よりも提督の方が大事なんだなーって」
加賀「あ、あの……私はどちらも大事だと──」
赤城「分かっていますって♪ 困り顔の加賀さんを見たかっただけですよ」
加賀「……赤城さんも、なんだか提督のようにイタズラ好きになっているような気がします」フイッ
赤城「提督に教えて頂きましたからね。加賀さんはこうすれば困るぞーって」
加賀「なんて事を教えているんですか、あの人は……」ハァ
加賀「……赤城さん。本当は極秘の任務中なの。だから、誰にも言わないで頂けるかしら」
赤城「はい、勿論ですよ。提督が何を考えているのか私では考え付かない事も多々ありますが、悪い事ではないはずですからね。──頑張って下さいね、加賀さん」
加賀「ありがとうございます」フリフリ
加賀「…………」
加賀「後で提督に問い詰めておきましょうか。……提督や赤城さんになら、弄られるのも嫌いではないけれど……一応ね」フイッ
……………………
…………
……
艦戦妖精「いってくるなのー」フリフリ
加賀「いってらっしゃい。気を付けてね。──あと、絶対に誰にも言っちゃダメよ?」
艦戦要請「はーい。──準備完了なのー!」
加賀「発艦」パヒュンッ
加賀(……さて、カモフラージュに本当の哨戒機も出しておきましょうか)スッ
赤城「──あら、加賀さん?」
加賀「! 赤城さん、こんな所でどうしたの?」パヒュンッ
赤城「それはこちらの台詞ですよ。こんな時間に艦載機を発艦させてどうしたのですか?」
加賀「提督からの指示です。妖精も訓練をすれば夜目が利くようになるのか試したいとの事よ」
赤城「なるほど。そうすれば私たち空母も夜間に攻撃が出来る可能性があるという訳ですね?」
加賀「ええ。ついでに哨戒にもなりますから、こうして私が試験的にやってみているの」
加賀(そういう話にしておくようにとは言われましたが……赤城さんに嘘を吐くのは少し辛いですね。……ごめんなさい、赤城さん)
赤城「加賀さん」
加賀「?」
赤城「分かっていますよ。何か言えない事情があるんですよね?」
加賀「なっ……」
赤城「私と加賀さんはどれだけ一緒に居たと思っているんですか? 嘘を吐いている事くらいは分かりますよ」
加賀「そ、それは……その……」
赤城「でも、珍しいですね? 加賀さんが私に嘘を吐くなんて。提督絡みの事かしら」
加賀「……ええ。間違っていないわ」
赤城「やっぱりね。ちょっと嫉妬しちゃいそうです。私よりも提督の方が大事なんだなーって」
加賀「あ、あの……私はどちらも大事だと──」
赤城「分かっていますって♪ 困り顔の加賀さんを見たかっただけですよ」
加賀「……赤城さんも、なんだか提督のようにイタズラ好きになっているような気がします」フイッ
赤城「提督に教えて頂きましたからね。加賀さんはこうすれば困るぞーって」
加賀「なんて事を教えているんですか、あの人は……」ハァ
加賀「……赤城さん。本当は極秘の任務中なの。だから、誰にも言わないで頂けるかしら」
赤城「はい、勿論ですよ。提督が何を考えているのか私では考え付かない事も多々ありますが、悪い事ではないはずですからね。──頑張って下さいね、加賀さん」
加賀「ありがとうございます」フリフリ
加賀「…………」
加賀「後で提督に問い詰めておきましょうか。……提督や赤城さんになら、弄られるのも嫌いではないけれど……一応ね」フイッ
……………………
…………
……
提督「──さて、本日より通常の仕事へと戻る。全員が大きく変わっていないようで安心したよ。──まずは出撃組から通達する」
提督「今回の出撃は加賀を旗艦と置いた飛龍、北上、夕立、時雨、そして長門の六隻で行うものとする。……この鎮守府では初の出撃となるが、長門も問題は無いな?」
長門「任せておけ。必ずや戦果を持って帰ろう」
赤城(代理の提督の時はあれだけ反発していた長門さんが、こんなに素直になるなんて……。やはり、提督は惹かれるような何かがあるのでしょうか)
提督「良い返事だ。海域は鎮守府周辺の海域だ。ただし、正面ではなく手付かずである南側となる。強力な深海棲艦が出没するらしく、航路を確保するよう本部から通達が来た。また、黄と赤のオーラを纏った戦艦や空母が確認されているとの事だ。油断はするなよ」
六人「はいっ!」
提督「作戦については朝礼が終わり次第言い渡す。続いて遠征組みは──」
…………………………………………。
飛龍「──加賀さん、周囲に敵影はありません。比較的平和のようです」
加賀「了解したわ。ご苦労様、飛龍」
長門「……しかし、不思議だな。飛龍は秘書艦ではなかったか? なぜ出撃をしているんだ」
飛龍「たまにありますよ。その点につきましては秘書艦も例外ではありません。少ないのは確かですけど、今回みたいな場合ですと他に人員も割けませんしね」
長門「ふむ……そういうものなのか」
北上「むしろそれが普通だと思ってたんだけど、長門さんの方は違ったの?」
長門「私の方では秘書は秘書として専属だった。戦闘に駆り出されるような事も無かったはずだ」
夕立「んー……ちょっとよく分からないんだけど、そんなに違うっぽい?」
時雨「結構違うんじゃないかな。まず、秘書艦の負担は提督のやり方よりもずっと軽いのは確かだよ。だけど、実際の現場の状況を理解するのは難しいと思う。やっぱり、自分の目で見て感じないと問題点とかは見えてこない時もあるしね。どっちが良いか一概には言えないけれど、性質自体は異なると思うよ」
夕立「ふーん……?」
時雨「……まあ、やり方はひとそれぞれって事だよ」
加賀「! 肉眼でも島が確認できたわ」
五人「!」
長門「あの島に三人が……。元気なのか?」
加賀「ええ。不自由はあれど、問題無く暮らしているそうよ。物資として毛布なんかも持っていたそうですし、食料も島に自生している物で食べられる物を選んでいると言っていたわ」
長門「ありがたい事だ……」ホッ
加賀「再度言いますけれど、長門さんは私の指示があるまで攻撃はなさらないようにして下さいね」
長門「ん? それは構わないのだが、なぜ今になってもう一度言うんだ?」
加賀「一応よ。これから何が起こるか、誰にも分からないもの」
長門「…………? そうか」
加賀(……そう。あの二人の姿を見て、この人が何をするのか分からないもの)
飛龍(どうなるでしょうかね……。何も起こらないのが一番なんですけど……)
…………………………………………。
提督「今回の出撃は加賀を旗艦と置いた飛龍、北上、夕立、時雨、そして長門の六隻で行うものとする。……この鎮守府では初の出撃となるが、長門も問題は無いな?」
長門「任せておけ。必ずや戦果を持って帰ろう」
赤城(代理の提督の時はあれだけ反発していた長門さんが、こんなに素直になるなんて……。やはり、提督は惹かれるような何かがあるのでしょうか)
提督「良い返事だ。海域は鎮守府周辺の海域だ。ただし、正面ではなく手付かずである南側となる。強力な深海棲艦が出没するらしく、航路を確保するよう本部から通達が来た。また、黄と赤のオーラを纏った戦艦や空母が確認されているとの事だ。油断はするなよ」
六人「はいっ!」
提督「作戦については朝礼が終わり次第言い渡す。続いて遠征組みは──」
…………………………………………。
飛龍「──加賀さん、周囲に敵影はありません。比較的平和のようです」
加賀「了解したわ。ご苦労様、飛龍」
長門「……しかし、不思議だな。飛龍は秘書艦ではなかったか? なぜ出撃をしているんだ」
飛龍「たまにありますよ。その点につきましては秘書艦も例外ではありません。少ないのは確かですけど、今回みたいな場合ですと他に人員も割けませんしね」
長門「ふむ……そういうものなのか」
北上「むしろそれが普通だと思ってたんだけど、長門さんの方は違ったの?」
長門「私の方では秘書は秘書として専属だった。戦闘に駆り出されるような事も無かったはずだ」
夕立「んー……ちょっとよく分からないんだけど、そんなに違うっぽい?」
時雨「結構違うんじゃないかな。まず、秘書艦の負担は提督のやり方よりもずっと軽いのは確かだよ。だけど、実際の現場の状況を理解するのは難しいと思う。やっぱり、自分の目で見て感じないと問題点とかは見えてこない時もあるしね。どっちが良いか一概には言えないけれど、性質自体は異なると思うよ」
夕立「ふーん……?」
時雨「……まあ、やり方はひとそれぞれって事だよ」
加賀「! 肉眼でも島が確認できたわ」
五人「!」
長門「あの島に三人が……。元気なのか?」
加賀「ええ。不自由はあれど、問題無く暮らしているそうよ。物資として毛布なんかも持っていたそうですし、食料も島に自生している物で食べられる物を選んでいると言っていたわ」
長門「ありがたい事だ……」ホッ
加賀「再度言いますけれど、長門さんは私の指示があるまで攻撃はなさらないようにして下さいね」
長門「ん? それは構わないのだが、なぜ今になってもう一度言うんだ?」
加賀「一応よ。これから何が起こるか、誰にも分からないもの」
長門「…………? そうか」
加賀(……そう。あの二人の姿を見て、この人が何をするのか分からないもの)
飛龍(どうなるでしょうかね……。何も起こらないのが一番なんですけど……)
…………………………………………。
瑞鶴「! あ、見てあれ」スッ
金剛「あれは……艦娘デスね」
響「もしかして迎えに来てくれたのかな」
ヲ級「島の暮らし、おしまい?」
瑞鶴「うん。そうなるわよ。これからはちゃんとした場所で住めるわね!」
ヲ級「楽しみ……!」ワクワク
空母棲姫「……………………」
響「空母棲姫さん、どうしたの?」
空母棲姫「……いや、どう見ても一隻、見慣れない顔が居るからな」
金剛「ワーオ……目が良いデスね……」
空母棲姫「……嫌な予感がするから、私とヲ級は隠れておこう」
響「どうしてだい? 提督ならちゃんと分かってる人達を向かわせると思うけど」
空母棲姫「念の為だ。無害だと判断すれば私達から出る」
瑞鶴「ヲ級も嫌な予感とかするの?」
ヲ級「んー……。ちょっとだけ?」
瑞鶴「うーん……そっかぁ……」
金剛「では、一応そのようにしておきまショウか。デスガ、もし何かトラブルが起こりそうでしたら守りマスよ」
空母棲姫「……艦娘に守られる深海棲艦、か」
響「普通ではちょっと考えられないね。でも、私達は二人が他の深海棲艦とは違うって分かってるよ。心境も、そして立場もね」
空母棲姫「……すまん」
響「良いって事さ。──さて、見慣れない顔って誰なんだろうね?」
瑞鶴「……提督さんの理解者とか?」
金剛「あの好かれようを考えると、ほぼ全員が理解者なのではないかと思いマスが、どうなのでショウか」
瑞鶴「んー……まあ、会ったら分かるわね。私達は出迎えましょうか」
響「うん。──じゃあ、行ってくるね」フリフリ
ヲ級「いってらっしゃい!」ブンブン
…………………………………………。
金剛「あれは……艦娘デスね」
響「もしかして迎えに来てくれたのかな」
ヲ級「島の暮らし、おしまい?」
瑞鶴「うん。そうなるわよ。これからはちゃんとした場所で住めるわね!」
ヲ級「楽しみ……!」ワクワク
空母棲姫「……………………」
響「空母棲姫さん、どうしたの?」
空母棲姫「……いや、どう見ても一隻、見慣れない顔が居るからな」
金剛「ワーオ……目が良いデスね……」
空母棲姫「……嫌な予感がするから、私とヲ級は隠れておこう」
響「どうしてだい? 提督ならちゃんと分かってる人達を向かわせると思うけど」
空母棲姫「念の為だ。無害だと判断すれば私達から出る」
瑞鶴「ヲ級も嫌な予感とかするの?」
ヲ級「んー……。ちょっとだけ?」
瑞鶴「うーん……そっかぁ……」
金剛「では、一応そのようにしておきまショウか。デスガ、もし何かトラブルが起こりそうでしたら守りマスよ」
空母棲姫「……艦娘に守られる深海棲艦、か」
響「普通ではちょっと考えられないね。でも、私達は二人が他の深海棲艦とは違うって分かってるよ。心境も、そして立場もね」
空母棲姫「……すまん」
響「良いって事さ。──さて、見慣れない顔って誰なんだろうね?」
瑞鶴「……提督さんの理解者とか?」
金剛「あの好かれようを考えると、ほぼ全員が理解者なのではないかと思いマスが、どうなのでショウか」
瑞鶴「んー……まあ、会ったら分かるわね。私達は出迎えましょうか」
響「うん。──じゃあ、行ってくるね」フリフリ
ヲ級「いってらっしゃい!」ブンブン
…………………………………………。
金剛「──え?」
瑞鶴「あれ……? えっと、長門さん? どうしてここに居るの?」
響「……久し振りだね」
長門「…………」
金剛「ええと……どうしたデスか?」
金剛(もしかして……あの時の事で怒っているのデスか……?)
加賀(……どうしたのかしら。話を聞く限りではとても喜ぶはずです。……まさか、あの二人が居るのに勘付いた?)
長門「……本当に、お前達なのか」
響「……そうだよ。司令官から──元司令官から轟沈命令を出された私達だよ」
長門「っ……!」ガバッ
瑞鶴「わ、わわっ!?」ギュー
金剛「ど、どうしたのデスかいきなり?」ギュー
響「……ちょっと痛いかも」ギュー
長門「良かった……! 本当に良かった……!! お前達の事が本当に気がかりだったんだ……! 生きてくれていて、本当に……良かった……」ギュゥ
金剛「……ハイ。私達は、提督に拾われたデス。これからもちゃんと、生きていくデス」
長門「ああ……! おまけに、あの場所に居た時よりもずっと元気そうだ。丁寧に扱ってくれていたのがよく分かる」ソッ
響「ところで、長門さんはどうして提督の艦隊に居るの? ……まさかとは思うけど」
長門「いや、そういう訳ではない。私があの愚か者の神経を逆撫でして教育送りとなっただけだ。その先であの人間から話を聞いて、ここへ来させて貰った」
響「なるほどね。確かに長門さんだったら行動に出そうだ。──一緒に私達と提督の所に行っちゃう?」
長門「……そうだな。それも良い。正式に異動が出来るか調べてみよう。……出来れば、あの愚か者を提督の座から引き摺り下ろしたいのだがな」
金剛「どこかで耳にしましたケド、提督になるには特殊な何かが必要らしいデス。きっと、それがあるのではないでショウか」
長門「ふん。あんな愚か者にそんなものがあるとは思いにくいがな」
瑞鶴「あれ……? えっと、長門さん? どうしてここに居るの?」
響「……久し振りだね」
長門「…………」
金剛「ええと……どうしたデスか?」
金剛(もしかして……あの時の事で怒っているのデスか……?)
加賀(……どうしたのかしら。話を聞く限りではとても喜ぶはずです。……まさか、あの二人が居るのに勘付いた?)
長門「……本当に、お前達なのか」
響「……そうだよ。司令官から──元司令官から轟沈命令を出された私達だよ」
長門「っ……!」ガバッ
瑞鶴「わ、わわっ!?」ギュー
金剛「ど、どうしたのデスかいきなり?」ギュー
響「……ちょっと痛いかも」ギュー
長門「良かった……! 本当に良かった……!! お前達の事が本当に気がかりだったんだ……! 生きてくれていて、本当に……良かった……」ギュゥ
金剛「……ハイ。私達は、提督に拾われたデス。これからもちゃんと、生きていくデス」
長門「ああ……! おまけに、あの場所に居た時よりもずっと元気そうだ。丁寧に扱ってくれていたのがよく分かる」ソッ
響「ところで、長門さんはどうして提督の艦隊に居るの? ……まさかとは思うけど」
長門「いや、そういう訳ではない。私があの愚か者の神経を逆撫でして教育送りとなっただけだ。その先であの人間から話を聞いて、ここへ来させて貰った」
響「なるほどね。確かに長門さんだったら行動に出そうだ。──一緒に私達と提督の所に行っちゃう?」
長門「……そうだな。それも良い。正式に異動が出来るか調べてみよう。……出来れば、あの愚か者を提督の座から引き摺り下ろしたいのだがな」
金剛「どこかで耳にしましたケド、提督になるには特殊な何かが必要らしいデス。きっと、それがあるのではないでショウか」
長門「ふん。あんな愚か者にそんなものがあるとは思いにくいがな」
加賀「……そろそろ再開に花を咲かせるのは良いかしら」
長門「む。すまない。つい嬉しくて……」
加賀「構わないわ。そうなるのも無理はないでしょうからね。──長門さん、これから貴女にはとある二人と会って貰いたいの」
飛龍(……ついにきましたね。どうなるか予測が付きません……)
加賀「そこで、艤装を一旦下ろして欲しいの。私達は面識があるのでともかく、初対面の貴女が兵器を持ったまま会話をするのは怖がらせてしまうかもしれません」
長門「……ふむ。確かにそうだな。相手が艦娘でもない限り、そういうのは良くないだろう。少し待ってくれ」ガキン
長門「──よし。これで良いだろう」ガシャッ
加賀「ありがとうございます。──金剛さん、二人はどこに?」
金剛「向こうで待っているデス。呼んでくるネー」スッ
響「……………………」
長門「どうした、響?」
響「いや、なんでもないよ」
響(ただちょっとだけ嫌な予感がしただけさ)フイッ
長門「?」
金剛「連れてきたデース」スタスタ
ヲ級「ひさしぶりっ」ブンブン
空母棲姫「……………………」
長門「────深海棲艦!?」サッ
長門(しま……っ! 艤装は……!!)ダッ
加賀「長門さん、命令です。攻撃の意志を静めなさい」ガシッ
長門「馬鹿を言うな!! 敵を目の前にして何を言っているんだ貴様は!!」
瑞鶴(あちゃぁ……やっぱりというかなんというか……)
加賀「言ったはずです、私の指示があるまで攻撃をしないようにと。私はこの場において指示を出すつもりは毛頭ありません」
長門「黙れッ!! くそっ……! こうなるのであれば艤装を下ろすんじゃなかった……!!」ググッ
夕立(うわぁ……長門さん、凄い剣幕っぽい……)
長門「む。すまない。つい嬉しくて……」
加賀「構わないわ。そうなるのも無理はないでしょうからね。──長門さん、これから貴女にはとある二人と会って貰いたいの」
飛龍(……ついにきましたね。どうなるか予測が付きません……)
加賀「そこで、艤装を一旦下ろして欲しいの。私達は面識があるのでともかく、初対面の貴女が兵器を持ったまま会話をするのは怖がらせてしまうかもしれません」
長門「……ふむ。確かにそうだな。相手が艦娘でもない限り、そういうのは良くないだろう。少し待ってくれ」ガキン
長門「──よし。これで良いだろう」ガシャッ
加賀「ありがとうございます。──金剛さん、二人はどこに?」
金剛「向こうで待っているデス。呼んでくるネー」スッ
響「……………………」
長門「どうした、響?」
響「いや、なんでもないよ」
響(ただちょっとだけ嫌な予感がしただけさ)フイッ
長門「?」
金剛「連れてきたデース」スタスタ
ヲ級「ひさしぶりっ」ブンブン
空母棲姫「……………………」
長門「────深海棲艦!?」サッ
長門(しま……っ! 艤装は……!!)ダッ
加賀「長門さん、命令です。攻撃の意志を静めなさい」ガシッ
長門「馬鹿を言うな!! 敵を目の前にして何を言っているんだ貴様は!!」
瑞鶴(あちゃぁ……やっぱりというかなんというか……)
加賀「言ったはずです、私の指示があるまで攻撃をしないようにと。私はこの場において指示を出すつもりは毛頭ありません」
長門「黙れッ!! くそっ……! こうなるのであれば艤装を下ろすんじゃなかった……!!」ググッ
夕立(うわぁ……長門さん、凄い剣幕っぽい……)
金剛「……あのー、長門。確かにこの二人は深海棲艦デスが、スペシャルな事情があるデス」
長門「…………ッ。……なんだ、お前たち全員は深海棲艦と手を組んだと言うのか」ジッ
瑞鶴「いや、手を組んだというか成り行きでこうなったというか……。単純にこの二人とは中将さん達と一緒に暮らした仲なのよ」
長門「……意味が分からん。どうして深海棲艦と暮らそうと思ったんだ」
響「二人とは艦載機を全て失った状態で会ったんだ。傷付いてたのを見た提督が修理をして、そこから一緒に暮らし始めたね」
長門「何をやっているんだ、あの人間は……」
響「二人が居てくれたおかげで助かった事もあるよ。何も無い島だから食糧問題もあったんだけど、海に潜ってくれて魚とか貝とか海草とか一杯採ってきてくれたりもしたんだ」
ヲ級「提督の料理、すっごく、美味しい! だから、頑張って、採った」キラキラ
長門「…………なんだこの無邪気な笑顔は……本当に深海棲艦とは思えん……」
加賀「落ち着いてくれたかしら」
長門「……話は聞こう。そこから判断する」
空母棲姫(……どうしてここに居る艦娘達は、こうも簡単に敵を理解しようとするのかしら)
加賀「助かります。……ですが、気持ちは分からないでもないわ。私も初めは提督の気が振れたのかと思ったもの」スッ
北上「まあー……やっぱそう思うよねぇ」
夕立「時雨もそう思ったっぽい?」
時雨「……秘密にしておくね」
夕立「えー……」
飛龍「では、説明は空母棲姫さんにお任せしましょうか」
空母棲姫「待て。なぜ私なんだ」
瑞鶴「まあ……自分の事は本人が一番知ってるからでしょ?」
空母棲姫「いや……どう考えても私の口から出る情報は信用ならないだろう。この艦娘からすれば、私の言う言葉の何が嘘なのか分かる訳がない。あの島で暮らしていた三人の誰かが説明した方が信憑性もある」
加賀「なるほど。確かに一理あります」
長門「……意外と常識があるな」
瑞鶴「なんか長門さんが物凄い失礼な事言ってる……」
空母棲姫「構わん。私達は本来敵同士だ。このくらいが一番良い。……むしろ、お前たちがおかしいという事を忘れるな」
響「信頼というものは、その人の行動で得られるものだよ。私にとって空母棲姫さんとヲ級は信頼できる。あの島で一緒に生活をして思ったよ」
長門(……あの愚か者を信頼しなかった響が信頼する深海棲艦、か)ジッ
長門「…………ッ。……なんだ、お前たち全員は深海棲艦と手を組んだと言うのか」ジッ
瑞鶴「いや、手を組んだというか成り行きでこうなったというか……。単純にこの二人とは中将さん達と一緒に暮らした仲なのよ」
長門「……意味が分からん。どうして深海棲艦と暮らそうと思ったんだ」
響「二人とは艦載機を全て失った状態で会ったんだ。傷付いてたのを見た提督が修理をして、そこから一緒に暮らし始めたね」
長門「何をやっているんだ、あの人間は……」
響「二人が居てくれたおかげで助かった事もあるよ。何も無い島だから食糧問題もあったんだけど、海に潜ってくれて魚とか貝とか海草とか一杯採ってきてくれたりもしたんだ」
ヲ級「提督の料理、すっごく、美味しい! だから、頑張って、採った」キラキラ
長門「…………なんだこの無邪気な笑顔は……本当に深海棲艦とは思えん……」
加賀「落ち着いてくれたかしら」
長門「……話は聞こう。そこから判断する」
空母棲姫(……どうしてここに居る艦娘達は、こうも簡単に敵を理解しようとするのかしら)
加賀「助かります。……ですが、気持ちは分からないでもないわ。私も初めは提督の気が振れたのかと思ったもの」スッ
北上「まあー……やっぱそう思うよねぇ」
夕立「時雨もそう思ったっぽい?」
時雨「……秘密にしておくね」
夕立「えー……」
飛龍「では、説明は空母棲姫さんにお任せしましょうか」
空母棲姫「待て。なぜ私なんだ」
瑞鶴「まあ……自分の事は本人が一番知ってるからでしょ?」
空母棲姫「いや……どう考えても私の口から出る情報は信用ならないだろう。この艦娘からすれば、私の言う言葉の何が嘘なのか分かる訳がない。あの島で暮らしていた三人の誰かが説明した方が信憑性もある」
加賀「なるほど。確かに一理あります」
長門「……意外と常識があるな」
瑞鶴「なんか長門さんが物凄い失礼な事言ってる……」
空母棲姫「構わん。私達は本来敵同士だ。このくらいが一番良い。……むしろ、お前たちがおかしいという事を忘れるな」
響「信頼というものは、その人の行動で得られるものだよ。私にとって空母棲姫さんとヲ級は信頼できる。あの島で一緒に生活をして思ったよ」
長門(……あの愚か者を信頼しなかった響が信頼する深海棲艦、か)ジッ
空母棲姫「……ならば、そこの艦娘が信頼できる者を選んで話を聞けば良い。その方が納得しやすいだろう」
長門「なるほど。──では瑞鶴、頼む」
瑞鶴「ちょっ!? どうして私なのよ!? 私、説明とか苦手なんだけど!!」
長門「だからこそだ。嘘も吐けないだろうし、嘘を言ったとしても説明下手ならばすぐに分かる。何よりも、思った事や見た事をそのまま言ってくれたら良い」
瑞鶴「もー……。というか、そもそも何をどう説明したら良いのよ……」
長門「では聞こう。その深海棲艦の二人は信用できるのか?」
瑞鶴「ん、うん。食料では本当に助かったし、攻撃する気だったら島でさっさとやったら良かったしね。私は信用してるわよ」
長門「だが、その空母棲姫が大破しているのはどういう理由だ? 私には鹵獲したようにしか見えん」
瑞鶴「あー……それなんだけど、別の深海棲艦から攻撃を受けたのよ。実際に私たちも空爆されたし……」
長門「それはなぜだ」
瑞鶴「中将さんや私達と一緒に暮らしていたからって話よ。レ級がそれを見て二人を裏切り者って認識したみたい。……というか、たぶん利根さんもレ級に撃たれたからだろうし。あ、利根さんは中将さんの艦娘よ。もしかしたら会ったかもしれないけど」
長門「ああ。秘書艦として四苦八苦しているのを見ていたから分かる。……そうか。負傷したのはレ級から砲撃を受けたからか」
瑞鶴「……えっと、利根さんってもう動けるようになったの? だいぶ酷かったと思うんだけど……」
長門「今は元気に秘書としての勉強をしているぞ。仕事が終わる度に疲れ切った顔をしている」
瑞鶴「そっか。良かったぁ……」ホッ
長門(……今の所、嘘や誤魔化しはしていないように見える。ならば、本当に信用出来る相手なのか……?)
瑞鶴「えーっと、他に言った方が良いのってある?」
長門「……いや、充分だ。一応信用しよう。だが、信頼はせんぞ」
空母棲姫「構わん」
飛龍「ふー……。なんとか纏まりもついたようですし、連れて帰りましょうか」
加賀「そうね。陽も傾いてきましたし、丁度良いでしょう」
飛龍「日没後までの哨戒は利根さんがやる事になっていますので、かなり近くまで帰ってもバレません。金剛さん達には別の場所から上陸してもらい、そこで一先ず待機。その後で提督が迎えに来てくれる手筈になっています」
金剛「オーケーデース」
瑞鶴「今夜はベッドで寝られるのかしら……」
響「どうだろね。提督がどういうやり方でで私達を在籍させるのかによると思う」
飛龍「その辺りは提督がしっかりと説明してくれるはずです。私達で説明するよりも分かりやすいはずです。ただ、簡単に言うと他の子達と同じように海から拾ってくるという形にするそうですよ」
長門「……三人は分かるのだが、どうして深海棲艦も一緒なんだ」
空母棲姫「……あの人間の言う事が本当ならば、私達は恩人だそうだ」
瑞鶴「あー、そういえば確かにそんな事を言ってたわね」
長門「恩人……? どういう事だ」
空母棲姫「分からん……。何か悩んでいた時に私の言葉を聞いて勝手に悩みを解決したようだが、それの事について言っているのかもしれん……」
長門「……あの人はつくづく変な人間だな」ハァ
空母棲姫「全くだ……」ハァ
時雨(なんだか……この口調の空母棲姫さんは長門さんや提督に似ていて、素の時は加賀さんっぽく見えるかな……)
北上「まー、長門さんは納得できたのかな。出来ればちゃっちゃと連れて帰ってあげたいんだけど」
長門「……今は計画の通りに動くが、後で問い詰める。この状態ならば後でどうとでも出来るだろう」
加賀「では帰りましょう。きっと提督も待っているはずよ」
…………………………………………。
長門「なるほど。──では瑞鶴、頼む」
瑞鶴「ちょっ!? どうして私なのよ!? 私、説明とか苦手なんだけど!!」
長門「だからこそだ。嘘も吐けないだろうし、嘘を言ったとしても説明下手ならばすぐに分かる。何よりも、思った事や見た事をそのまま言ってくれたら良い」
瑞鶴「もー……。というか、そもそも何をどう説明したら良いのよ……」
長門「では聞こう。その深海棲艦の二人は信用できるのか?」
瑞鶴「ん、うん。食料では本当に助かったし、攻撃する気だったら島でさっさとやったら良かったしね。私は信用してるわよ」
長門「だが、その空母棲姫が大破しているのはどういう理由だ? 私には鹵獲したようにしか見えん」
瑞鶴「あー……それなんだけど、別の深海棲艦から攻撃を受けたのよ。実際に私たちも空爆されたし……」
長門「それはなぜだ」
瑞鶴「中将さんや私達と一緒に暮らしていたからって話よ。レ級がそれを見て二人を裏切り者って認識したみたい。……というか、たぶん利根さんもレ級に撃たれたからだろうし。あ、利根さんは中将さんの艦娘よ。もしかしたら会ったかもしれないけど」
長門「ああ。秘書艦として四苦八苦しているのを見ていたから分かる。……そうか。負傷したのはレ級から砲撃を受けたからか」
瑞鶴「……えっと、利根さんってもう動けるようになったの? だいぶ酷かったと思うんだけど……」
長門「今は元気に秘書としての勉強をしているぞ。仕事が終わる度に疲れ切った顔をしている」
瑞鶴「そっか。良かったぁ……」ホッ
長門(……今の所、嘘や誤魔化しはしていないように見える。ならば、本当に信用出来る相手なのか……?)
瑞鶴「えーっと、他に言った方が良いのってある?」
長門「……いや、充分だ。一応信用しよう。だが、信頼はせんぞ」
空母棲姫「構わん」
飛龍「ふー……。なんとか纏まりもついたようですし、連れて帰りましょうか」
加賀「そうね。陽も傾いてきましたし、丁度良いでしょう」
飛龍「日没後までの哨戒は利根さんがやる事になっていますので、かなり近くまで帰ってもバレません。金剛さん達には別の場所から上陸してもらい、そこで一先ず待機。その後で提督が迎えに来てくれる手筈になっています」
金剛「オーケーデース」
瑞鶴「今夜はベッドで寝られるのかしら……」
響「どうだろね。提督がどういうやり方でで私達を在籍させるのかによると思う」
飛龍「その辺りは提督がしっかりと説明してくれるはずです。私達で説明するよりも分かりやすいはずです。ただ、簡単に言うと他の子達と同じように海から拾ってくるという形にするそうですよ」
長門「……三人は分かるのだが、どうして深海棲艦も一緒なんだ」
空母棲姫「……あの人間の言う事が本当ならば、私達は恩人だそうだ」
瑞鶴「あー、そういえば確かにそんな事を言ってたわね」
長門「恩人……? どういう事だ」
空母棲姫「分からん……。何か悩んでいた時に私の言葉を聞いて勝手に悩みを解決したようだが、それの事について言っているのかもしれん……」
長門「……あの人はつくづく変な人間だな」ハァ
空母棲姫「全くだ……」ハァ
時雨(なんだか……この口調の空母棲姫さんは長門さんや提督に似ていて、素の時は加賀さんっぽく見えるかな……)
北上「まー、長門さんは納得できたのかな。出来ればちゃっちゃと連れて帰ってあげたいんだけど」
長門「……今は計画の通りに動くが、後で問い詰める。この状態ならば後でどうとでも出来るだろう」
加賀「では帰りましょう。きっと提督も待っているはずよ」
…………………………………………。
今回はここまでです。また一週間後くらいにきますね。
最近の中じゃ少し多めに投下したけど、やっぱり昔と比べると何十分の一くらいに少ない。時間って大切。
>>834
やっぱり、次スレの残り次第ですね。たぶんというかほぼ間違いなくこのスレじゃ終わらないので、残っている限りor気の済むまで書くと思います。
どのルートを辿るかはその時の需要がありそうだなーって思った子にします。
メインルートはこのスレの最初の方から決まっていますので、変えません。IFルートも現在二つほど決めています。この二つは書きたい。時間とか状況に余裕があれば他のルートも考えています。
誰がルートに選ばれるかは敢えて言わずにおきますので、楽しみにして下さるとありがたいです。
最近の中じゃ少し多めに投下したけど、やっぱり昔と比べると何十分の一くらいに少ない。時間って大切。
>>834
やっぱり、次スレの残り次第ですね。たぶんというかほぼ間違いなくこのスレじゃ終わらないので、残っている限りor気の済むまで書くと思います。
どのルートを辿るかはその時の需要がありそうだなーって思った子にします。
メインルートはこのスレの最初の方から決まっていますので、変えません。IFルートも現在二つほど決めています。この二つは書きたい。時間とか状況に余裕があれば他のルートも考えています。
誰がルートに選ばれるかは敢えて言わずにおきますので、楽しみにして下さるとありがたいです。
乙
書きたいことを、書きたいだけ書けば良いよ
ここはそういう場所なんだから
書きたいことを、書きたいだけ書けば良いよ
ここはそういう場所なんだから
前に自分で再確認してたじゃない書きたいこと書いたからこそこうゆう仕事につけたんだって
俺らならいくらでも待つから続き待ってる
俺らならいくらでも待つから続き待ってる
本命はガチガチのスレタイで決まりだろう
対抗飛龍
次点空母棲姫か
大穴はここしばらく登場してない比叡でどうだ?
対抗飛龍
次点空母棲姫か
大穴はここしばらく登場してない比叡でどうだ?
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