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元スレ八幡「やはり俺の三学期はまちがっている」
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飯を食った後はけーちゃんと川崎と一緒にプリキュアの映画を見たり、
おままごとをして遊んだりした。
時折高い高いをねだってくるので、やってあげたりもした。
その度にけーちゃんは大手を振って喜んでいた。
俺はというと、その三人でなにかをしていると、まるで、家族みたいだなーとか思ってしまい、その思いが胸をよぎる度、頭の芯が熱くなるような感覚に襲われた。
だ、だって川崎が悪いんだ!何かある度に顔を赤くし目線を逸らそうとするんだもん!
そんなことされたら理性はもう限界なんですよぅ。
そんなこんなしている内にもう帰宅の時間となった。
はぁ、長かったような短かったような、何とも言えない時間だった。
ただただ恥ずかしかった。
俺が玄関まで出ていくと二人が見送ってきてくれた
「今日はありがとね。いろいろと。」
「気にすんな。そもそも俺は借りを返しただけだ。」
「そう言ってくれると助かる。」
「ああ、じゃあな。」
「じゃあね。」
「はーちゃん、さーちゃんとさよならのキスしないの?」
「な、何言ってんの京華!」
慌てふためく川崎
しかし俺はこうなることは予想していた。
小さい子と言えば恋愛=キスだからだ。
むしろいつ言われるかと身構えてたまである。
だから俺は用意していた文句をさらっと言う
「あのなけーちゃん、キスっていうのは結婚してからしかしちゃいけないんだ。
だからまだ俺たちはキスできないんだ。」
「へー、そうなんだー!初めて知った!」
「ああ、だからまたこんどな。バイバイ、けーちゃん。」
「うん!バイバイ!」
そう言って俺は足早に川崎家をあとにする。
帰り際に川崎が「まだ…まだ…」
とつぶやいてるのが聞こえたので今日は眠れぬ夜確定である。
くっそー、明日も予定あるのにどうしてくれるんだ川崎の奴。
おままごとをして遊んだりした。
時折高い高いをねだってくるので、やってあげたりもした。
その度にけーちゃんは大手を振って喜んでいた。
俺はというと、その三人でなにかをしていると、まるで、家族みたいだなーとか思ってしまい、その思いが胸をよぎる度、頭の芯が熱くなるような感覚に襲われた。
だ、だって川崎が悪いんだ!何かある度に顔を赤くし目線を逸らそうとするんだもん!
そんなことされたら理性はもう限界なんですよぅ。
そんなこんなしている内にもう帰宅の時間となった。
はぁ、長かったような短かったような、何とも言えない時間だった。
ただただ恥ずかしかった。
俺が玄関まで出ていくと二人が見送ってきてくれた
「今日はありがとね。いろいろと。」
「気にすんな。そもそも俺は借りを返しただけだ。」
「そう言ってくれると助かる。」
「ああ、じゃあな。」
「じゃあね。」
「はーちゃん、さーちゃんとさよならのキスしないの?」
「な、何言ってんの京華!」
慌てふためく川崎
しかし俺はこうなることは予想していた。
小さい子と言えば恋愛=キスだからだ。
むしろいつ言われるかと身構えてたまである。
だから俺は用意していた文句をさらっと言う
「あのなけーちゃん、キスっていうのは結婚してからしかしちゃいけないんだ。
だからまだ俺たちはキスできないんだ。」
「へー、そうなんだー!初めて知った!」
「ああ、だからまたこんどな。バイバイ、けーちゃん。」
「うん!バイバイ!」
そう言って俺は足早に川崎家をあとにする。
帰り際に川崎が「まだ…まだ…」
とつぶやいてるのが聞こえたので今日は眠れぬ夜確定である。
くっそー、明日も予定あるのにどうしてくれるんだ川崎の奴。
今日はこれで終わり。
ここまで甘くするつもりなかったんだけどなー。なんでだろ
ここまで甘くするつもりなかったんだけどなー。なんでだろ
>>54
小町とデート
小町とデート
すいません 1です
大志ともう一人の弟(たしかいたはず)は部活でいません。
それをサキサキに言わせるつもりでしたが完璧に忘れてました。
ほんまにすまん。
大志ともう一人の弟(たしかいたはず)は部活でいません。
それをサキサキに言わせるつもりでしたが完璧に忘れてました。
ほんまにすまん。
とりあえず大志はストレートでぬっころす
右ストレートでぬっころす
右ストレートでぬっころす
「葉山先輩!これなんてどうですかね?」
「ああ、いいと思うよ。いろはは何を着ても似合うと思うし。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
時は某日曜日、普段ならアニメでも見ながら惰眠を貪っているところだが、
いまはららぽーとにある俺一人なら絶対に来ないような服屋にいる。
一色と葉山のデート(笑)になぜか付き合うことになったためである。
因みに昨日はほとんど眠れなかった。
川崎との一日のことをいろいろ思い出してしまい、蒲団の中で悶々としてしまったからである。
夜中に奇声を上げながらベットの上をゴロゴロしていると
「お兄ちゃんほんとにうるさい!」と小町に言われたときは泣きそうになった。
しかし出掛ける時には
「お兄ちゃんが休日におでかけなんて…小町的にポイント高いよ!」
とかわいい笑顔で見送ってくれたのでその悲しみも無くなったがな。
あれ?でもそれって俺は家に要らないとかそういうこと?なんか死にたくなったんですけど。
何はともあれ俺は一色が俺が居た方が葉山に対して素を出せるということで付いてきたのだが…
「でもー私的にはー、葉山先輩が一番似合うと思ったものを選んでもらいたいっていうかー。」
全く素なんて出してないですね。どういうことあれ?俺いる意味ある?
「じゃあこれなんてどうかな?」
しかし、今日の葉山の態度には大きな違和感を感じる。
今だって服を選ぶのに全く悩む素振りを見せなかった。
葉山のような、相手に何をしてやればその相手が喜ぶか理解してるやつなら、
あそこは店中の服をある程度見渡してから服を選ぶはずである。
もちろんそれが本当に似合っているかは問題ではなく、
「葉山先輩が私の事で真剣に悩んでくれた!」という事実が必要なのであり、
もしいつもの葉山なら、相手がどんなにどうでもいい相手でも、そういうふりだけでもするはずである。
だが今の葉山は0.1秒も迷うそぶりも見せず、なんなら選んだ服さえ見ずに一色に服を手渡した。
それはもう、あからさまに。
一色に対して、「君には一片の欠片ほどの興味もない」とでも言うように。
「ああ、いいと思うよ。いろはは何を着ても似合うと思うし。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
時は某日曜日、普段ならアニメでも見ながら惰眠を貪っているところだが、
いまはららぽーとにある俺一人なら絶対に来ないような服屋にいる。
一色と葉山のデート(笑)になぜか付き合うことになったためである。
因みに昨日はほとんど眠れなかった。
川崎との一日のことをいろいろ思い出してしまい、蒲団の中で悶々としてしまったからである。
夜中に奇声を上げながらベットの上をゴロゴロしていると
「お兄ちゃんほんとにうるさい!」と小町に言われたときは泣きそうになった。
しかし出掛ける時には
「お兄ちゃんが休日におでかけなんて…小町的にポイント高いよ!」
とかわいい笑顔で見送ってくれたのでその悲しみも無くなったがな。
あれ?でもそれって俺は家に要らないとかそういうこと?なんか死にたくなったんですけど。
何はともあれ俺は一色が俺が居た方が葉山に対して素を出せるということで付いてきたのだが…
「でもー私的にはー、葉山先輩が一番似合うと思ったものを選んでもらいたいっていうかー。」
全く素なんて出してないですね。どういうことあれ?俺いる意味ある?
「じゃあこれなんてどうかな?」
しかし、今日の葉山の態度には大きな違和感を感じる。
今だって服を選ぶのに全く悩む素振りを見せなかった。
葉山のような、相手に何をしてやればその相手が喜ぶか理解してるやつなら、
あそこは店中の服をある程度見渡してから服を選ぶはずである。
もちろんそれが本当に似合っているかは問題ではなく、
「葉山先輩が私の事で真剣に悩んでくれた!」という事実が必要なのであり、
もしいつもの葉山なら、相手がどんなにどうでもいい相手でも、そういうふりだけでもするはずである。
だが今の葉山は0.1秒も迷うそぶりも見せず、なんなら選んだ服さえ見ずに一色に服を手渡した。
それはもう、あからさまに。
一色に対して、「君には一片の欠片ほどの興味もない」とでも言うように。
一色だって馬鹿ではない。むしろそういうメッセージは敏感に察知してしまうタイプだ。
しかし一色は痛々しいほど顔を引き攣らせながらも
「あは、あははー。いやー葉山先輩が選んでくれるなんて私嬉しいです。
でちょっとお金がなー。」
と笑顔で気丈に応える。
ほんとお前ってすげーやつだな。
「ごめん、実は俺もお金あんまり持ってきてないんだ。なにせ小遣い前でね。
金があったらかってあげたんだけど。」
「いえいえ!そんなおごってもらおうとか思ってなかったんで結構ですよー。
でもお気持ちはありがとうございます!」
これも嘘だ。もし本当に金を持ってないのなら、葉山はこんなデートには来ない。
相手への、特に女性への気遣いを忘れない葉山なら、どんな女性にもある程度の出費を見越してデートの誘いに乗るはずである。
これもまた、「君に出す金はない。」というメッセージであり、
またお金をあまり持っていないダサい自分を演じて一色を遠ざけたいのだろう。
…はぁ、やっぱり俺の危惧していた通りになってしまった。少し胸が苦しい。
別に一色なんてどうでもいいやつなんだが、一応俺の知っている後輩の中では
一番関わっている後輩である。というか知ってる後輩とかこいつだけだけど。
知っている女の子の思いが踏みにじられていく様子を見るのは、どうも気分が悪い。
しかし一色は痛々しいほど顔を引き攣らせながらも
「あは、あははー。いやー葉山先輩が選んでくれるなんて私嬉しいです。
でちょっとお金がなー。」
と笑顔で気丈に応える。
ほんとお前ってすげーやつだな。
「ごめん、実は俺もお金あんまり持ってきてないんだ。なにせ小遣い前でね。
金があったらかってあげたんだけど。」
「いえいえ!そんなおごってもらおうとか思ってなかったんで結構ですよー。
でもお気持ちはありがとうございます!」
これも嘘だ。もし本当に金を持ってないのなら、葉山はこんなデートには来ない。
相手への、特に女性への気遣いを忘れない葉山なら、どんな女性にもある程度の出費を見越してデートの誘いに乗るはずである。
これもまた、「君に出す金はない。」というメッセージであり、
またお金をあまり持っていないダサい自分を演じて一色を遠ざけたいのだろう。
…はぁ、やっぱり俺の危惧していた通りになってしまった。少し胸が苦しい。
別に一色なんてどうでもいいやつなんだが、一応俺の知っている後輩の中では
一番関わっている後輩である。というか知ってる後輩とかこいつだけだけど。
知っている女の子の思いが踏みにじられていく様子を見るのは、どうも気分が悪い。
しかし一概に葉山の事を悪いとも言えない。
一色にこれ以上希望を持たせないようにするというのが、葉山なりの優しさなのだろう。
以前の葉山ならこんなことはできなかっただろう。
自分から一色を捨て、一色から自分を捨てさせる。
他人との関わりを適度に保ってきたこいつからは、考えられないことである。
…いや、違うか。葉山が変わったんじゃない。
俺の知らない葉山の一面が出ているだけだ。
おれはこいつのことなんてほとんど知らない。
今日の葉山は俺の知らなかった葉山だというだけだ。何そのフレーズ、海老名さんが喜びそう。
「じゃあ先輩!先輩は何が似合うと思います?」
「はぁ?」
「いいじゃないかヒキタニ君、選んであげたらどうだ?」
「こいつ…」
どの面下げて言ってるんだこいつ…店の中じゃなかったらぶっ飛ばしてとこだ。
「先輩早くしてください。」
今までの甘ったるい声から一転、やや冷たくも聞こえる声で俺に催促をする一色。
ぷよぷよで言ったら二トリ並の催促である。ふぇぇ、そんなの対応できないよぅ。
ていうかそれを葉山にやれよとも思うが、もう手遅れか。
「わーったよ」
俺は仕方なく服を選ぶ。
と言っても女の子の服の良しあしなんてこれっぽっちも分からない。
そう言えば川崎は昨日清楚系だったな。意外だったが、あれはあれで良かった。
一色も清楚系というわけでもないが、そういう服装というのもギャップ萌えでいいかもしれない。
結局、上は水色、下は黒のシフォンワンピースを選んだ(服の種類は書いてあった)。
「ありがとうございます、先輩!じゃあ早速奢ってください!」
「え?なんで俺は奢らなきゃいけないの?」
「つべこべ言わない!はい先輩。」
そういって服を渡される。くそ、なんでこんなことに。
…まぁ小町に女の子には服の一着ぐらい奢れって言われてるしな。仕方ないか。
一色にこれ以上希望を持たせないようにするというのが、葉山なりの優しさなのだろう。
以前の葉山ならこんなことはできなかっただろう。
自分から一色を捨て、一色から自分を捨てさせる。
他人との関わりを適度に保ってきたこいつからは、考えられないことである。
…いや、違うか。葉山が変わったんじゃない。
俺の知らない葉山の一面が出ているだけだ。
おれはこいつのことなんてほとんど知らない。
今日の葉山は俺の知らなかった葉山だというだけだ。何そのフレーズ、海老名さんが喜びそう。
「じゃあ先輩!先輩は何が似合うと思います?」
「はぁ?」
「いいじゃないかヒキタニ君、選んであげたらどうだ?」
「こいつ…」
どの面下げて言ってるんだこいつ…店の中じゃなかったらぶっ飛ばしてとこだ。
「先輩早くしてください。」
今までの甘ったるい声から一転、やや冷たくも聞こえる声で俺に催促をする一色。
ぷよぷよで言ったら二トリ並の催促である。ふぇぇ、そんなの対応できないよぅ。
ていうかそれを葉山にやれよとも思うが、もう手遅れか。
「わーったよ」
俺は仕方なく服を選ぶ。
と言っても女の子の服の良しあしなんてこれっぽっちも分からない。
そう言えば川崎は昨日清楚系だったな。意外だったが、あれはあれで良かった。
一色も清楚系というわけでもないが、そういう服装というのもギャップ萌えでいいかもしれない。
結局、上は水色、下は黒のシフォンワンピースを選んだ(服の種類は書いてあった)。
「ありがとうございます、先輩!じゃあ早速奢ってください!」
「え?なんで俺は奢らなきゃいけないの?」
「つべこべ言わない!はい先輩。」
そういって服を渡される。くそ、なんでこんなことに。
…まぁ小町に女の子には服の一着ぐらい奢れって言われてるしな。仕方ないか。
しかし、ここで俺はある違和感に襲われる。
何で俺は今一色の服装について真剣に考えた?こんなやつの服装なんてどうでもいいはずである。
高2になってから、何人かが俺のATフィールドを侵してきたが、どうやら一色もその中の一人になっていたらしい。まったく癪に障る。
会計を済ませた後、俺は八つ当たり気味に乱暴に一色に服の入った紙袋を渡す
「ありがとうございます!先輩!えへへー」
なんかにやけてるこいつをみてると、さっきまでの怒りも引いてきた。
ったく、これだから女の笑顔は卑怯だ。
「やっぱりそれ返せ。妹への土産にする。」
「えーそりゃないですよ先輩!」
「うるさい。まぁ今日のお前の俺への態度次第で返してやる。」
そう言って紙袋をひょいと取り上げる
「あ!…あーそういうことですか、全く、先輩は素直じゃないですねー。」
「…うっせ」
目論見があっさり看破されてしまい、少し気恥ずかしくなる。
「葉山せんぱ~い、お腹すきました。おやつにしません?」
「いいね、どこにする?」
俺がぼーとしていると、どんどんと予定は進んでいく。なんかもう俺の存在意義がやばい。
あ、それは元々か。
「あ、あそこにミスドがありますよ!」
「じゃああそこにしようか。」
どうやら3時のおやつはミスドに決まったらしい。
あんたら昼飯食ってきたんじゃないの?ほんとにリア充というのはよく物を食う。
その分ぼっちというのは何分カロリー消費が少ないため、あまりご飯を食わなくても大丈夫だ。つまりぼっちというのは食糧不足問題の解決に一役買っているのである。
もうぼっち全体でノーベル平和賞とかもらってもいいレヴェル。それはないか。ないな。
もう少しでミスドに到着というところで、俺たちは最悪の人物に出くわした。
「あれ?比企谷くんに隼人じゃなーい。それともう一人…お名前なんて言うのかな?」
「陽乃さん…」
最悪だ、最悪過ぎる。考えられる限りで最悪の人物に遭ってしまった。
俺たちはこの後、この人にめちゃくちゃにされるかもしれない。
そんな俺のほぼ百発百中とも言える悪い予感を胸に、俺たちは店の中に入っていった。
何で俺は今一色の服装について真剣に考えた?こんなやつの服装なんてどうでもいいはずである。
高2になってから、何人かが俺のATフィールドを侵してきたが、どうやら一色もその中の一人になっていたらしい。まったく癪に障る。
会計を済ませた後、俺は八つ当たり気味に乱暴に一色に服の入った紙袋を渡す
「ありがとうございます!先輩!えへへー」
なんかにやけてるこいつをみてると、さっきまでの怒りも引いてきた。
ったく、これだから女の笑顔は卑怯だ。
「やっぱりそれ返せ。妹への土産にする。」
「えーそりゃないですよ先輩!」
「うるさい。まぁ今日のお前の俺への態度次第で返してやる。」
そう言って紙袋をひょいと取り上げる
「あ!…あーそういうことですか、全く、先輩は素直じゃないですねー。」
「…うっせ」
目論見があっさり看破されてしまい、少し気恥ずかしくなる。
「葉山せんぱ~い、お腹すきました。おやつにしません?」
「いいね、どこにする?」
俺がぼーとしていると、どんどんと予定は進んでいく。なんかもう俺の存在意義がやばい。
あ、それは元々か。
「あ、あそこにミスドがありますよ!」
「じゃああそこにしようか。」
どうやら3時のおやつはミスドに決まったらしい。
あんたら昼飯食ってきたんじゃないの?ほんとにリア充というのはよく物を食う。
その分ぼっちというのは何分カロリー消費が少ないため、あまりご飯を食わなくても大丈夫だ。つまりぼっちというのは食糧不足問題の解決に一役買っているのである。
もうぼっち全体でノーベル平和賞とかもらってもいいレヴェル。それはないか。ないな。
もう少しでミスドに到着というところで、俺たちは最悪の人物に出くわした。
「あれ?比企谷くんに隼人じゃなーい。それともう一人…お名前なんて言うのかな?」
「陽乃さん…」
最悪だ、最悪過ぎる。考えられる限りで最悪の人物に遭ってしまった。
俺たちはこの後、この人にめちゃくちゃにされるかもしれない。
そんな俺のほぼ百発百中とも言える悪い予感を胸に、俺たちは店の中に入っていった。
わたりんが八幡は小町の教育で女の子の服には詳しいという裏設定を呟いてたな
一人称なのに女子の服装の描写が妙に細かいことの言い訳なんだろうけど
一人称なのに女子の服装の描写が妙に細かいことの言い訳なんだろうけど
登場の度に挿し絵なんかいれられないからな
言い訳とはちがうでしょー
言い訳とはちがうでしょー
笑顔に囲まれている状況という言葉を聞いたとき、あなたならどんなイメージを持つだろうか。
字面だけ見ればまるで何か大きな物語がハッピーエンドを迎えたときのような、まるで天国に居るかのような幸福感を味わうことができるだろう
。
今、わたくしこと比企谷八幡の周りにも三つの笑顔が存在している。
ひとつは、愛想笑い。
想い人とのデートのはずが、見ず知らずのお姉さんと何故か相席してしまうことになったが、そのお姉さんがやけにニコニコしているのでとりあえず笑っている、そんな笑顔。
ひとつは、苦笑い。
後輩とのデートに付き合っていただけのはずが、なぜかとんでもない人との出会いを果たしてしまい、もう笑うしかないといった感じで笑っている、そんな笑顔。
最後に、黒笑い。
そんな言葉ねーよと言う人もいるだろうが、実物を見てみればそうとしか言い表せないであろう、これからこいつらをどう料理してやろうかという、そんな笑顔。
地獄である。幸せな要素など何一つ無い。いったいなんの修羅場なんだと誰かに答えを求めたい。あっ、まじで胃が痛くなってきた。
「へ~、いろはちゃんっていうんだ~。なんか水の名前みたいだね!」
「え、ええ。よく言われます。」
「もう、そんなに固くならなくていいよ~。でも今日はなんで隼人と一緒にいたの?
まさか彼女とか?隼人も隅におけないねー。」
「いや…そんなんじゃないよ、陽乃さん。ただの部活のマネージャーさ。」
「そっかーそれもそうだねー。そうじゃないと比企谷くんが居る意味がよく分からないもんねー。」
「どっちにしても俺のいる意味あんま自分でもよく分かってないっすけどね。
なんなら自分の生きてる意味がわからないまであります。」
「うわー相変わらず卑屈だねー。、…もしかして比企谷くんの彼女?」
「そ、そんな訳ないですよ!私が先輩とつ、付き合ってるとかありえないです。」
俺が否定するより先に一色が顔を赤くして否定する。雪ノ下さんに怒れるとかすげーなこいつ。いや、ただ単にまだ雪ノ下さんの強化外骨格に惑
わされているだけか。
「そっかー!よかったよかった。もし比企谷くんの彼女だったらどうしちゃおうかと思ったよ~。」
完璧な笑顔で雪ノ下さんが言う。ていうか「しちゃう」ってなんだよ、怖すぎんだろ。
「ひっ!」
字面だけ見ればまるで何か大きな物語がハッピーエンドを迎えたときのような、まるで天国に居るかのような幸福感を味わうことができるだろう
。
今、わたくしこと比企谷八幡の周りにも三つの笑顔が存在している。
ひとつは、愛想笑い。
想い人とのデートのはずが、見ず知らずのお姉さんと何故か相席してしまうことになったが、そのお姉さんがやけにニコニコしているのでとりあえず笑っている、そんな笑顔。
ひとつは、苦笑い。
後輩とのデートに付き合っていただけのはずが、なぜかとんでもない人との出会いを果たしてしまい、もう笑うしかないといった感じで笑っている、そんな笑顔。
最後に、黒笑い。
そんな言葉ねーよと言う人もいるだろうが、実物を見てみればそうとしか言い表せないであろう、これからこいつらをどう料理してやろうかという、そんな笑顔。
地獄である。幸せな要素など何一つ無い。いったいなんの修羅場なんだと誰かに答えを求めたい。あっ、まじで胃が痛くなってきた。
「へ~、いろはちゃんっていうんだ~。なんか水の名前みたいだね!」
「え、ええ。よく言われます。」
「もう、そんなに固くならなくていいよ~。でも今日はなんで隼人と一緒にいたの?
まさか彼女とか?隼人も隅におけないねー。」
「いや…そんなんじゃないよ、陽乃さん。ただの部活のマネージャーさ。」
「そっかーそれもそうだねー。そうじゃないと比企谷くんが居る意味がよく分からないもんねー。」
「どっちにしても俺のいる意味あんま自分でもよく分かってないっすけどね。
なんなら自分の生きてる意味がわからないまであります。」
「うわー相変わらず卑屈だねー。、…もしかして比企谷くんの彼女?」
「そ、そんな訳ないですよ!私が先輩とつ、付き合ってるとかありえないです。」
俺が否定するより先に一色が顔を赤くして否定する。雪ノ下さんに怒れるとかすげーなこいつ。いや、ただ単にまだ雪ノ下さんの強化外骨格に惑
わされているだけか。
「そっかー!よかったよかった。もし比企谷くんの彼女だったらどうしちゃおうかと思ったよ~。」
完璧な笑顔で雪ノ下さんが言う。ていうか「しちゃう」ってなんだよ、怖すぎんだろ。
「ひっ!」
一色が小さく悲鳴を上げ隣に居る俺を涙目で見つめている。
俺に助けを求めんな。正面にいる葉山にそういう顔をしろ。
大体泣きたいのはこっちだ。雪ノ下さんと向かい合わせだぞ。
ストレスで禿げそう。
「陽乃さん…あんまり怖がらせないでやってくれ、」
「えー、別に怖がらせるつもりは無かったんだけどなー。ごめんね?いろはちゃん。」
「い、いえー、気にしなくてけっこうですよ~。」
一色も即座に猫を被りなおすが、その声根は震えている。いやー気持ちはわかるわ。
すると、急に何か洋楽っぽい音楽が鳴り出した。どうやら陽乃さんの携帯がなっているらしい。
「あ、ごめーん。ちょっと席外すね。」
そう言って席を立つ雪ノ下さん。ふぅ~。ひとまず解放だ。
「先輩、あの人って雪ノ下先輩のお姉さんですよね。」
一色が囁くように耳打ちしてくる。
「ああ。よく分かったな。」
「そりゃ苗字が同じであの風貌だったら分かりますよ。
でも雪ノ下先輩と全然フインキちがいますね。」
「まぁな」
「雪ノ下先輩もあれはあれで怖いんですけど、
なんか違う感じのこわさがありますね。
最初はなんかいい人っぽかったのに。びっくりしました。」
「だろうな。まぁあの人はおまえなんか可愛く見えてくるほどの面の皮持ってるからな。
多分お前が勝ってるところなんて一つもないぞ。」
「先輩ひどい!って言いたいとこですけど確かにあのひとにはいろいろ勝てそうにないです。」
ほう、自分以外の女を全てゴミ同然と思ってそうなこいつにそんなこと言わせるなんて、やっぱ雪ノ下さんパネェ。
「まぁでも勝負しなければ負けませんから。それに味方にしたら心強そうな人ですし。
利用できそうだったら利用しましょうかねー。」
うわぁ~。こいつも変な所で負けずぎらいだなー。
でも雪ノ下さんを利用するとか少なくとも劣化版雪ノ下さんのこいつには絶対無理。
逆に気づかないうちに利用されてるパターンまである。
俺に助けを求めんな。正面にいる葉山にそういう顔をしろ。
大体泣きたいのはこっちだ。雪ノ下さんと向かい合わせだぞ。
ストレスで禿げそう。
「陽乃さん…あんまり怖がらせないでやってくれ、」
「えー、別に怖がらせるつもりは無かったんだけどなー。ごめんね?いろはちゃん。」
「い、いえー、気にしなくてけっこうですよ~。」
一色も即座に猫を被りなおすが、その声根は震えている。いやー気持ちはわかるわ。
すると、急に何か洋楽っぽい音楽が鳴り出した。どうやら陽乃さんの携帯がなっているらしい。
「あ、ごめーん。ちょっと席外すね。」
そう言って席を立つ雪ノ下さん。ふぅ~。ひとまず解放だ。
「先輩、あの人って雪ノ下先輩のお姉さんですよね。」
一色が囁くように耳打ちしてくる。
「ああ。よく分かったな。」
「そりゃ苗字が同じであの風貌だったら分かりますよ。
でも雪ノ下先輩と全然フインキちがいますね。」
「まぁな」
「雪ノ下先輩もあれはあれで怖いんですけど、
なんか違う感じのこわさがありますね。
最初はなんかいい人っぽかったのに。びっくりしました。」
「だろうな。まぁあの人はおまえなんか可愛く見えてくるほどの面の皮持ってるからな。
多分お前が勝ってるところなんて一つもないぞ。」
「先輩ひどい!って言いたいとこですけど確かにあのひとにはいろいろ勝てそうにないです。」
ほう、自分以外の女を全てゴミ同然と思ってそうなこいつにそんなこと言わせるなんて、やっぱ雪ノ下さんパネェ。
「まぁでも勝負しなければ負けませんから。それに味方にしたら心強そうな人ですし。
利用できそうだったら利用しましょうかねー。」
うわぁ~。こいつも変な所で負けずぎらいだなー。
でも雪ノ下さんを利用するとか少なくとも劣化版雪ノ下さんのこいつには絶対無理。
逆に気づかないうちに利用されてるパターンまである。
「でも、姉の下さんと葉山先輩ってどういう関係なんですか?
ほら、名前で呼び合ったりしてるし。」
「あぁ、俺もよくは知らんがなんか親同士が昔から仕事上の付き合いがあるらしい。
その関係でよく雪ノ下と3人で居たそうだ。」
「はー、所謂幼馴染とかいうやつですね。あんな美人がライバルとか自信無くなってきちゃいましたよー。」
「いや、安心しろ。雪ノ下さんは葉山に全く気は無いみたいだぞ。」
葉山が雪ノ下さんの事好きな可能性はあるが。
「そうなんですか?よかったー。」
「いや、あくまでも俺の主観だぞ。」
「大丈夫ですよー。私先輩の人を見る目は信用してますから。」
「あぁ、俺もそこは信用してるわ。」
「あ!そうやってまた調子に乗るー。」
「あほか。俺が調子に乗った事なんて無いぞ。ぼっちが調子に乗ったら殺されるからな。
社会に。」
俺が一色と話していると、葉山が話に参加してきた。
「仲良いんだな、君たち。」
「どこをどう見たらそうなるんだよ…」
「え!?私たちそこそこ仲良くないですか?」
「なになにー。面白そうなお話してるねー。お姉さんも混ぜてよ!」
電話が終わったのか、雪ノ下さんまで話に割り込んできた。
「いや、いろはと比企谷の仲が良いって話をしてたんだよ。」
「えー、それほんと?ほんとならちょっと考えなきゃなー。」
「真に受けないでください。俺と仲良い人間なんて居るわけないですよ。」
「私とは仲良くないつもりだったの?お姉さん悲しいなー。」
「心にもないこと言わないでもいいですよ。」
「でも仲良くしたいのはほんとだよ?比企谷くん面白いし。」
「あのーもしかして陽乃先輩って先輩のこと狙ってるんですか?」
おおーこいつも陽乃さん相手に大胆な事聞くな。
「いやー私じゃなくて妹の方がねー。あ、知ってるでしょ?雪乃ちゃん。」
「知ってますよ。うーん、やっぱり雪ノ下先輩もかー。」
「いや違うから、あいつが俺のこと男として好きになるとかありえないから。
ていうか雪ノ下さんも変なこと言わないで下さい。」
「へー、じゃあ男としてじゃなかったら好かれるとは思ってるんだね?」
ほら、名前で呼び合ったりしてるし。」
「あぁ、俺もよくは知らんがなんか親同士が昔から仕事上の付き合いがあるらしい。
その関係でよく雪ノ下と3人で居たそうだ。」
「はー、所謂幼馴染とかいうやつですね。あんな美人がライバルとか自信無くなってきちゃいましたよー。」
「いや、安心しろ。雪ノ下さんは葉山に全く気は無いみたいだぞ。」
葉山が雪ノ下さんの事好きな可能性はあるが。
「そうなんですか?よかったー。」
「いや、あくまでも俺の主観だぞ。」
「大丈夫ですよー。私先輩の人を見る目は信用してますから。」
「あぁ、俺もそこは信用してるわ。」
「あ!そうやってまた調子に乗るー。」
「あほか。俺が調子に乗った事なんて無いぞ。ぼっちが調子に乗ったら殺されるからな。
社会に。」
俺が一色と話していると、葉山が話に参加してきた。
「仲良いんだな、君たち。」
「どこをどう見たらそうなるんだよ…」
「え!?私たちそこそこ仲良くないですか?」
「なになにー。面白そうなお話してるねー。お姉さんも混ぜてよ!」
電話が終わったのか、雪ノ下さんまで話に割り込んできた。
「いや、いろはと比企谷の仲が良いって話をしてたんだよ。」
「えー、それほんと?ほんとならちょっと考えなきゃなー。」
「真に受けないでください。俺と仲良い人間なんて居るわけないですよ。」
「私とは仲良くないつもりだったの?お姉さん悲しいなー。」
「心にもないこと言わないでもいいですよ。」
「でも仲良くしたいのはほんとだよ?比企谷くん面白いし。」
「あのーもしかして陽乃先輩って先輩のこと狙ってるんですか?」
おおーこいつも陽乃さん相手に大胆な事聞くな。
「いやー私じゃなくて妹の方がねー。あ、知ってるでしょ?雪乃ちゃん。」
「知ってますよ。うーん、やっぱり雪ノ下先輩もかー。」
「いや違うから、あいつが俺のこと男として好きになるとかありえないから。
ていうか雪ノ下さんも変なこと言わないで下さい。」
「へー、じゃあ男としてじゃなかったら好かれるとは思ってるんだね?」
俺はその言葉を受けて考えてしまった。
なぜ俺は“男として”などという限定条件をつけたのだろう。
別に俺はあいつに好かれたいとかこれっぽっちしか思ってないが、
その…まあ半年だけど俺からしちゃあ長い付き合いだし、何度も崩壊の危機を乗り越えてきた。
だから好かれる部分も無くは無い…みたいな?
ていうかこれっぽっちは好きになって欲しいのかよ、俺。
それを正直に言う義理は無いのだが、どうせ嘘を言っても見破られるだけだし、
ここは一つ、調子とやらに乗ってみますかね。
「ええ、興味ぐらいは持たれてると思いますよ。
じゃなきゃあんなに長い間同じ部活出来てません。」
「…へぇ、逃げなくなったんだね、比企谷くん。」
「別にそういうわけじゃないです。逃げられなくなっただけですよ。」
「まぁ私としては雪乃ちゃんとそこまで近づいたってのが分かっただけで満足かなー。」
「はいはい…もう突っ込む気力もありませんよ。」
ほんとに、この人に限らず何で皆俺の話だけ聞いてくれないの?
みんな俺の前だと難聴系主人公になるの?
でもそうだとすると俺がヒロインだということになってしまう。
月刊少女ヒキタニ君とかどこに需要あんだよそれ。
なぜ俺は“男として”などという限定条件をつけたのだろう。
別に俺はあいつに好かれたいとかこれっぽっちしか思ってないが、
その…まあ半年だけど俺からしちゃあ長い付き合いだし、何度も崩壊の危機を乗り越えてきた。
だから好かれる部分も無くは無い…みたいな?
ていうかこれっぽっちは好きになって欲しいのかよ、俺。
それを正直に言う義理は無いのだが、どうせ嘘を言っても見破られるだけだし、
ここは一つ、調子とやらに乗ってみますかね。
「ええ、興味ぐらいは持たれてると思いますよ。
じゃなきゃあんなに長い間同じ部活出来てません。」
「…へぇ、逃げなくなったんだね、比企谷くん。」
「別にそういうわけじゃないです。逃げられなくなっただけですよ。」
「まぁ私としては雪乃ちゃんとそこまで近づいたってのが分かっただけで満足かなー。」
「はいはい…もう突っ込む気力もありませんよ。」
ほんとに、この人に限らず何で皆俺の話だけ聞いてくれないの?
みんな俺の前だと難聴系主人公になるの?
でもそうだとすると俺がヒロインだということになってしまう。
月刊少女ヒキタニ君とかどこに需要あんだよそれ。
「まぁ何はともあれ、いろはすちゃんは比企谷くんには気が無いんだね?」
「は、はい!せ、先輩とか便利だなーって思ってるだけで、私はむしろそのー…」
「あ、もしかして隼人―?」
「…は、はい」
少し顔を赤く染めて答える一色。
「陽乃さん、そういうことはやめてく」
「でもー隼人はやめといたほうが良いと思うなー。」
「え…?」
一色の一言を聞いた雪ノ下さんは、更に笑顔に黒さを含ませ、
まるで相手が積み上げた積木を粉々に叩きつぶすかのように話し始めた。
「だってねー、隼人ったら、たった一人の女の子も守れなかったんだよー?」
その言葉を聞いて、まるでトラウマでも思い出したかのように青ざめる葉山。
いや、実際思い出しているのだろう。
「昔ね、皆からはぶられてる子がいてねー、隼人はそれをどうにかしたかったみたい。
でもねー、結局はなんにもできなかったし、それどころか火に油を注ぐようなことしちゃってねー。そのせいで私が卒業まで守ってあげなくちゃ駄目だったんだから。」
「それって…」
「…そうだ、俺は雪乃を守れなかった…。雪乃のためになにも捨てられなかった…。」
「葉山先輩…」
「そうそう、そういう博愛主義みたいなところがあってねー。
まぁ小学生にそれを分かれっていうのもかわいそうだけどね。
でもなにかを大事にするっていうのは、それ以外を大事にしないってことだからねー。」
葉山は唇に血を滲ませる勢いで歯を食いしばっている。
そりゃそうだろう、憧れの人に…下手をすれば想い人に自分のトラウマを掘り起こされ、
非難され、糾弾されているのだ。ましてやその人の妹のことで。
まあ、正直ざまぁみろとしか思えない。リア充がとうとう爆発したのだ。
すがすがしい気分である。
「でも、高校に入ったらそれに拍車がかかっちゃってね、全てを大事にする。
全てを捨てないみたいなこと考えてるの、静ちゃんに千葉村のこと聞いたときはあちゃーって思ったもん。」
恐らく平塚先生は葉山のことを一言も悪くは言ってないだろう。
あの人は生徒の陰口など叩く人ではないし、何か文句があるなら本人に直接言うはずだ。
雪ノ下さんは事の顛末を聞いただけで、全て理解してしまったのだろう。
「は、はい!せ、先輩とか便利だなーって思ってるだけで、私はむしろそのー…」
「あ、もしかして隼人―?」
「…は、はい」
少し顔を赤く染めて答える一色。
「陽乃さん、そういうことはやめてく」
「でもー隼人はやめといたほうが良いと思うなー。」
「え…?」
一色の一言を聞いた雪ノ下さんは、更に笑顔に黒さを含ませ、
まるで相手が積み上げた積木を粉々に叩きつぶすかのように話し始めた。
「だってねー、隼人ったら、たった一人の女の子も守れなかったんだよー?」
その言葉を聞いて、まるでトラウマでも思い出したかのように青ざめる葉山。
いや、実際思い出しているのだろう。
「昔ね、皆からはぶられてる子がいてねー、隼人はそれをどうにかしたかったみたい。
でもねー、結局はなんにもできなかったし、それどころか火に油を注ぐようなことしちゃってねー。そのせいで私が卒業まで守ってあげなくちゃ駄目だったんだから。」
「それって…」
「…そうだ、俺は雪乃を守れなかった…。雪乃のためになにも捨てられなかった…。」
「葉山先輩…」
「そうそう、そういう博愛主義みたいなところがあってねー。
まぁ小学生にそれを分かれっていうのもかわいそうだけどね。
でもなにかを大事にするっていうのは、それ以外を大事にしないってことだからねー。」
葉山は唇に血を滲ませる勢いで歯を食いしばっている。
そりゃそうだろう、憧れの人に…下手をすれば想い人に自分のトラウマを掘り起こされ、
非難され、糾弾されているのだ。ましてやその人の妹のことで。
まあ、正直ざまぁみろとしか思えない。リア充がとうとう爆発したのだ。
すがすがしい気分である。
「でも、高校に入ったらそれに拍車がかかっちゃってね、全てを大事にする。
全てを捨てないみたいなこと考えてるの、静ちゃんに千葉村のこと聞いたときはあちゃーって思ったもん。」
恐らく平塚先生は葉山のことを一言も悪くは言ってないだろう。
あの人は生徒の陰口など叩く人ではないし、何か文句があるなら本人に直接言うはずだ。
雪ノ下さんは事の顛末を聞いただけで、全て理解してしまったのだろう。
「でもそれって、全てを大事にしない、全てを捨ててるのといっしょなのよね
―。
ねぇいろはちゃん、悪いことは言わない、隼人はやめといたほうがいいよー。
だって付き合っても“みんなと同じ”ぐらいにしか大事にしてくれないよ?
なにかあったら絶対“皆”の方を取るよ?」
おうおう好き勝手言いなさる。
だがこれは葉山だけではなく、むしろ一色に対しての攻撃だ。
恋愛とは相手に理想を求めることだとどこかで見たことがあるが、いままさに一色の理想という幻想をイマジンブレイクしているところなのだ。そんな主人公が主役のラノベとか絶対読みたくない。
俺はこの情景をみてほくそ笑む…つもりだったのだが、なにか引っかかる。
この状況を素直に喜べない。
一色が悲しむからかとか考えてみたが、どうもしっくりこない。
なんだ…別に見逃してもいいことかもしれないが、気になった以上は考えてしまう。
そして俺の頭には、一つの答えが浮かんだ。
―。
ねぇいろはちゃん、悪いことは言わない、隼人はやめといたほうがいいよー。
だって付き合っても“みんなと同じ”ぐらいにしか大事にしてくれないよ?
なにかあったら絶対“皆”の方を取るよ?」
おうおう好き勝手言いなさる。
だがこれは葉山だけではなく、むしろ一色に対しての攻撃だ。
恋愛とは相手に理想を求めることだとどこかで見たことがあるが、いままさに一色の理想という幻想をイマジンブレイクしているところなのだ。そんな主人公が主役のラノベとか絶対読みたくない。
俺はこの情景をみてほくそ笑む…つもりだったのだが、なにか引っかかる。
この状況を素直に喜べない。
一色が悲しむからかとか考えてみたが、どうもしっくりこない。
なんだ…別に見逃してもいいことかもしれないが、気になった以上は考えてしまう。
そして俺の頭には、一つの答えが浮かんだ。
…そうだ、雪ノ下さん…もう面倒だから陽乃さんでいいや。
陽乃さんが雪ノ下のことに関して、だれかを詰めている、これが問題なんだ。
確かに過去の雪ノ下を苦しめたのは、葉山かもしれない。
だが、今の雪ノ下を追い詰めているのは、陽乃さんだ。
俺は雪ノ下家と葉山家の過去については、ほとんど何も知らない。
だが、葉山が雪ノ下とのことで、後悔してきたことぐらいはわかる。
そしてどういう思考回路の果てかは理解できないが、
その後悔がもたらしたものが、さらなる博愛主義だ。
俺だって、後悔や黒歴史を経て、今の自分になった。
そして、それを自分の魅力だと捉え、自分の事を好きだと言えるようになった。
だったら俺はそれを否定できない。
そしてそれは陽乃さんも同じはずだ。
俺にはよく分からない家庭の事情というものがあるのだろう。
その結果雪ノ下を強く鍛える必要があった。
葉山なんかに、ほかの人間に頼らなくてもいいように。
それが姉なりの愛の形だと言われれば、理解はできないが納得はできる。
だが、雪ノ下の強さは少なくとも由比ヶ浜と出会うまでは偽物だった。
外からの攻撃には強いかもしれないが、内側から突かれればいとも簡単にくずれてしまう。
そんな強さを陽乃さんは雪ノ下に植え付けてきた。
そう、陽乃さんだってまちがえてきたのだ。
全てが正しくないとは言わないが、全てが正しいとは言わせない。
陽乃さんだってまちがえる。そんなの当り前のことだ。
それ自体は、人間として当り前のことで、何も悪いことじゃない。
しかし陽乃さんのやり方は今の雪ノ下には必要ない。
由比ヶ浜や…烏滸がましいのを承知で言えば俺の存在によって、
あいつは本当に強くなった。
だったら、今の雪ノ下に必要なのは、強大な敵役ではなく、癒しのはずだ。
陽乃さんが雪ノ下のことに関して、だれかを詰めている、これが問題なんだ。
確かに過去の雪ノ下を苦しめたのは、葉山かもしれない。
だが、今の雪ノ下を追い詰めているのは、陽乃さんだ。
俺は雪ノ下家と葉山家の過去については、ほとんど何も知らない。
だが、葉山が雪ノ下とのことで、後悔してきたことぐらいはわかる。
そしてどういう思考回路の果てかは理解できないが、
その後悔がもたらしたものが、さらなる博愛主義だ。
俺だって、後悔や黒歴史を経て、今の自分になった。
そして、それを自分の魅力だと捉え、自分の事を好きだと言えるようになった。
だったら俺はそれを否定できない。
そしてそれは陽乃さんも同じはずだ。
俺にはよく分からない家庭の事情というものがあるのだろう。
その結果雪ノ下を強く鍛える必要があった。
葉山なんかに、ほかの人間に頼らなくてもいいように。
それが姉なりの愛の形だと言われれば、理解はできないが納得はできる。
だが、雪ノ下の強さは少なくとも由比ヶ浜と出会うまでは偽物だった。
外からの攻撃には強いかもしれないが、内側から突かれればいとも簡単にくずれてしまう。
そんな強さを陽乃さんは雪ノ下に植え付けてきた。
そう、陽乃さんだってまちがえてきたのだ。
全てが正しくないとは言わないが、全てが正しいとは言わせない。
陽乃さんだってまちがえる。そんなの当り前のことだ。
それ自体は、人間として当り前のことで、何も悪いことじゃない。
しかし陽乃さんのやり方は今の雪ノ下には必要ない。
由比ヶ浜や…烏滸がましいのを承知で言えば俺の存在によって、
あいつは本当に強くなった。
だったら、今の雪ノ下に必要なのは、強大な敵役ではなく、癒しのはずだ。
もちろん由比ヶ浜がその役割を担っているのもあるが、やはり雪ノ下だって人の妹。
潜在意識では、姉に甘えたいと思ってるかもしれない。
だったら陽乃さんのするべきことは、自分は敵ではなく味方だと示すことだ。
それには彼女のプライドが傷つけられるようなこともしなければならないかもしれない。
だが千葉のシスコンを名乗る以上、その程度の辱めは甘んじて受けるべきであろう。
だが、彼女は完璧すぎるが故に、反省はしない、やり方を変えることが出来ない。
そんな人間が、雪ノ下のことですら頭を悩ませていない人間が、
雪ノ下のことで頭を悩ませている人間に言う非難の言葉は無い。
…もちろんこんなことは詭弁だ。
外側しか雪ノ下家のことを見ていない俺の言うことが、
陽乃さんより正しいなんてありえない。
だが、いままでの理論を全てとっぱらっても、自分の中に何かは残る。
…それは、平塚先生が大事なものだと言っていたものだ。
その中に答えはあると、それが感情と呼ぶべきものだと。
俺は今、葉山が陽乃さんに詰められる。このことが許せない。
何故かと言われればさっきの詭弁を持ち出すしかない。
そんなめちゃくちゃな感情が俺の中に確かにある。
潜在意識では、姉に甘えたいと思ってるかもしれない。
だったら陽乃さんのするべきことは、自分は敵ではなく味方だと示すことだ。
それには彼女のプライドが傷つけられるようなこともしなければならないかもしれない。
だが千葉のシスコンを名乗る以上、その程度の辱めは甘んじて受けるべきであろう。
だが、彼女は完璧すぎるが故に、反省はしない、やり方を変えることが出来ない。
そんな人間が、雪ノ下のことですら頭を悩ませていない人間が、
雪ノ下のことで頭を悩ませている人間に言う非難の言葉は無い。
…もちろんこんなことは詭弁だ。
外側しか雪ノ下家のことを見ていない俺の言うことが、
陽乃さんより正しいなんてありえない。
だが、いままでの理論を全てとっぱらっても、自分の中に何かは残る。
…それは、平塚先生が大事なものだと言っていたものだ。
その中に答えはあると、それが感情と呼ぶべきものだと。
俺は今、葉山が陽乃さんに詰められる。このことが許せない。
何故かと言われればさっきの詭弁を持ち出すしかない。
そんなめちゃくちゃな感情が俺の中に確かにある。
―――だからどうした。俺は今から、葉山をかばうのか?
そんなことをしてなんになる。
おそらくなんにもならないだろう。
それとも、泣きかけている後輩のために動くのか?
それもダメだ。
いままで、自分の気持ちを誤魔化して、行動の理由を他人に求めて、その結果どうなった?
少なくとも、俺の一番嫌いなもの…欺瞞しか生まれなかったはずだ。
そんなものが満ちた部室の中にいるはめになったはずだ。
そうだ、俺は今まで、自分のためにやってきたことだけが、結果をもたらしてきたはずだ。
遊戯部のときも、千葉村のときも、文化祭のときも、クリスマスイベントのときも。
自分の弱さの理由や行動の動機を他人に求めた結果、多くの物を失いかけたはずだ。
由比ヶ浜の誕生日のときも、夏休み明けのときも、聖地会選挙のときも。
――――だったら今だって動くべきだ。
俺は今、この状況はまちがっていると感じている、動機はそれだけで十分だ。
陽乃さんの方が正しいとかそんなのは関係ない。
俺は俺の正義に従って生きる。
例え敵に回すのが陽乃さんでも…
悪意を躱させるのが嫌いな奴でも…
そうじゃないと、一生本物なんて手に入らない。
状況によって信条を曲げるなんて、そんなのは偽物だ。
「隼人はね、ほんとにつまん」
「もうそれくらいにしたらどうっすかね、雪ノ下さん。」
「…なに、何か言いたいことでもあるの?比企谷くん。」
作り笑いさえせずに俺の方をみる陽乃さん。やっぱ怖ぇ。
「そりゃもうたくさんありますよ。」
「へぇ。言ってみてよ。」
分かってる。いまから俺のすることは問題の解消にもならない。
陽乃さんの葉山に対する悪意は無くなるわけでは無いし、
葉山が俺なんかの言葉で救われるわけでもない。
問題の引き伸ばしにすらなっていないだろう。
しかし、それでもいい。
俺が、陽乃さんが葉山に悪意をぶつけているのを今ここで見たくないだけなのだから。
とにかく、今ある陽乃さんの悪意を一色と葉山から何かに逸らせればいい。
ただそれだけだ。
そして陽乃さんに言う言葉はなるべく本音だ。
そうでないとこちらに悪意を向ける事さえ不可能だ。
そして、本音に悪意を混ぜれば、いくら陽乃さんでもこちらに悪意を向けざるを得まい。
なんせあの雪ノ下の姉。プライドは高いはずだ。
「もうそれくらいにしたらどうっすかね、雪ノ下さん。」
「…なに、何か言いたいことでもあるの?比企谷くん。」
作り笑いさえせずに俺の方をみる陽乃さん。やっぱ怖ぇ。
「そりゃもうたくさんありますよ。」
「へぇ。言ってみてよ。」
分かってる。いまから俺のすることは問題の解消にもならない。
陽乃さんの葉山に対する悪意は無くなるわけでは無いし、
葉山が俺なんかの言葉で救われるわけでもない。
問題の引き伸ばしにすらなっていないだろう。
しかし、それでもいい。
俺が、陽乃さんが葉山に悪意をぶつけているのを今ここで見たくないだけなのだから。
とにかく、今ある陽乃さんの悪意を一色と葉山から何かに逸らせればいい。
ただそれだけだ。
そして陽乃さんに言う言葉はなるべく本音だ。
そうでないとこちらに悪意を向ける事さえ不可能だ。
そして、本音に悪意を混ぜれば、いくら陽乃さんでもこちらに悪意を向けざるを得まい。
なんせあの雪ノ下の姉。プライドは高いはずだ。
「あなたが葉山を責める権利なんてないんですよ。
葉山は雪ノ下のことで後悔をしてきた。何があったのかは知らない俺でもそのくらいの事は分かります。」
一色が何かおどろいた顔でこちらを見ている。
そりゃ普段陰口ばっかの俺が本人に直接悪口を言ってるんだから当り前だろう。
「でもあなたは、雪ノ下のことで何も頭を悩ませていない。
心配しているとは口ばかりで雪ノ下に対する自分の態度だって改めようともしない。
あなただって本当は分かっているはずだ。今の自分の雪ノ下に対するやり方はまちがっていると。
そんなあなたが葉山を責める資格はないですよ。」
「雪乃ちゃんの事で頭を悩ませてないなんて心外だなー。
私もいろいろ考えてるんだよ?
それに妹を苦しめた男をそしるのは姉として当り前のことじゃない?
実際隼人はつまんない男だし、長い間見てきた私が言うんだよ?」
「確かに葉山は俺からみても嫌な奴だ。
その博愛主義的な所も気に食わない。
でも、俺なんかからの評価はこの際どうでもいいです。
俺は知ってます。葉山がどんな奴から本当に好かれているかを。
そいつは目標のためになら、どれだけ周りに嫌われようと、
普通の人ならそこで折れてしまうような挫折を味わってでもなお、
その目標のために一生懸命頑張れる。
そんなすげーやつに慕われてるんです。
俺や雪ノ下さんがどれだけ葉山の事が嫌いでも、
そんな奴に慕われている人間がつまらない訳がない。」
「っ!…」
何か一色がいきなり机に突っ伏しだしたが今はそんなことどうでもいい。
「でもあなたはどうです。
例えあなたの事を慕う人間が居たとしても、恐らくそれはあなたの自分でも剥がせなくなった仮面を慕っているだけに過ぎない。
ほんとうのあなたを好きな人なんて多分いない。
あなたの方が、実はつまらない人間じゃないっすかね。
それを隠すために仮面つけてるとか?」
ここまで言われれば、流石に俺の方へ悪意を向けるはずだ。
葉山は雪ノ下のことで後悔をしてきた。何があったのかは知らない俺でもそのくらいの事は分かります。」
一色が何かおどろいた顔でこちらを見ている。
そりゃ普段陰口ばっかの俺が本人に直接悪口を言ってるんだから当り前だろう。
「でもあなたは、雪ノ下のことで何も頭を悩ませていない。
心配しているとは口ばかりで雪ノ下に対する自分の態度だって改めようともしない。
あなただって本当は分かっているはずだ。今の自分の雪ノ下に対するやり方はまちがっていると。
そんなあなたが葉山を責める資格はないですよ。」
「雪乃ちゃんの事で頭を悩ませてないなんて心外だなー。
私もいろいろ考えてるんだよ?
それに妹を苦しめた男をそしるのは姉として当り前のことじゃない?
実際隼人はつまんない男だし、長い間見てきた私が言うんだよ?」
「確かに葉山は俺からみても嫌な奴だ。
その博愛主義的な所も気に食わない。
でも、俺なんかからの評価はこの際どうでもいいです。
俺は知ってます。葉山がどんな奴から本当に好かれているかを。
そいつは目標のためになら、どれだけ周りに嫌われようと、
普通の人ならそこで折れてしまうような挫折を味わってでもなお、
その目標のために一生懸命頑張れる。
そんなすげーやつに慕われてるんです。
俺や雪ノ下さんがどれだけ葉山の事が嫌いでも、
そんな奴に慕われている人間がつまらない訳がない。」
「っ!…」
何か一色がいきなり机に突っ伏しだしたが今はそんなことどうでもいい。
「でもあなたはどうです。
例えあなたの事を慕う人間が居たとしても、恐らくそれはあなたの自分でも剥がせなくなった仮面を慕っているだけに過ぎない。
ほんとうのあなたを好きな人なんて多分いない。
あなたの方が、実はつまらない人間じゃないっすかね。
それを隠すために仮面つけてるとか?」
ここまで言われれば、流石に俺の方へ悪意を向けるはずだ。
本当は自分に悪意を向けさせるのではなく、悪意を失くすことが出来ればベストなのだろうが、あいにく陽乃さん相手にそんな策は出てこなかった。
しかし、ここで何もしないのは絶対に嫌だった。
だから、俺はこの方法を取った。
まだ、自分はこのやり方しか知らないから。
あいつらにばれたら、また自分を大切にしろとかなんとか言われるんだろうな。
自分のために動いてるだけだっつーのに。
まぁでもあいつらに理解してもらおうなんて思わない。
…だからもしばれたときは、その時はこの安い頭を下げ倒すしかないな。
許してもらえるまで下げ続けよう。
そんなことを考えていると、陽乃さんの口角が上がるのが見えた。
「うーん、60点。」
「は?」
「比企谷くん、惜しかったねー。私の敵になろうとしてたんでしょ?」
「な、何を言って」
「挑発に本音を混ぜたまでは良かったんだけどねー。
でも本当に相手を怒らせたいなら、図星をつかなきゃー。
ほとんど的外れだったからさー。面白くて面白くて!」
どうやら俺は、この人相手には負けることもできないらしい。
でもどうする?俺に策はもう…
「まあでも未来の弟の頑張りに免じて、今日はこれで退散してあげます!
私的には比企谷くんが予想以上の男の子だったっていうだけで、十分収穫だし。
少なくとももう可愛いおもちゃとは見れないなー。」
そんな脅しともつかない台詞を吐いて店をあとにする。
マジで台風みたいな人だ。
しかし、ここで何もしないのは絶対に嫌だった。
だから、俺はこの方法を取った。
まだ、自分はこのやり方しか知らないから。
あいつらにばれたら、また自分を大切にしろとかなんとか言われるんだろうな。
自分のために動いてるだけだっつーのに。
まぁでもあいつらに理解してもらおうなんて思わない。
…だからもしばれたときは、その時はこの安い頭を下げ倒すしかないな。
許してもらえるまで下げ続けよう。
そんなことを考えていると、陽乃さんの口角が上がるのが見えた。
「うーん、60点。」
「は?」
「比企谷くん、惜しかったねー。私の敵になろうとしてたんでしょ?」
「な、何を言って」
「挑発に本音を混ぜたまでは良かったんだけどねー。
でも本当に相手を怒らせたいなら、図星をつかなきゃー。
ほとんど的外れだったからさー。面白くて面白くて!」
どうやら俺は、この人相手には負けることもできないらしい。
でもどうする?俺に策はもう…
「まあでも未来の弟の頑張りに免じて、今日はこれで退散してあげます!
私的には比企谷くんが予想以上の男の子だったっていうだけで、十分収穫だし。
少なくとももう可愛いおもちゃとは見れないなー。」
そんな脅しともつかない台詞を吐いて店をあとにする。
マジで台風みたいな人だ。
…ふう、緊張した。
あっこまで露骨に悪口言ったのは相模の時以来だ。
相手は今回は歯牙にもかけなかったが。
とりあえず、もうデートという感じではないので、
何故か耳まで真っ赤にして突っ伏している一色を葉山が爽やかに外に連れ出す。
ていうか会計全部陽乃さんがやってくれてたみたいだ。
あー、あの人に借りが出来ちまった。怖えー。
未だに何か俯いてぶつぶつと言っている一色をよそに、葉山が話しかけてきた。
「今回はありがとう。…君のおかげで、多少救われた。」
「いや今回は俺は何もできてない、ただ無様を晒しただけだ。
それにお前のためにやった事じゃない。
ただちょっと気に食わないから文句言っただけだ。」
「…それでもだよ。それでも俺は救われたんだ。今の自分を、認めても良い気がしてきた。
まぁ根拠の方はかなり的外れな気がしないでもないけど。それでも君に感謝ぐらいさせてくれ。」
「…勝手にしろ。」
「ああ、勝手にするよ。」
やめろ、こんな青春みたいなこと。この絵面海老名さん以外誰も喜ばないぞ。
「じゃあさよなら比企谷。いろはの事は頼んだ。
多分あの子一人で帰れる状況じゃないみたいだ。」
確かにあの一色が一人で帰るのは危険そうだ。
「いや、そう思うならお前が送れよ。俺はただの付き添いだ。」
「まぁそういうなよ。俺だって今は一人になりたいんだ。頼んだ。」
そう言って葉山は足早にこの場を去る。
ったく、俺の周りには勝手な奴ばっかだな。
「おい一色、デートは中止だ。帰るぞ。」
「ひゃい!」
「何びっくりしてんだ。さっさと来い。」
「来いって…送るつもりですか?それってもしかして口説いてるんですか?今そんなことされたらいろいろとダメなんでやめてくださいごめんなさい。」
「何くだらないこと言ってんだ、お前今なんか変だしこのまま帰すわけにはいかねーんだよ。」
「もう!…今は優しくしないでくださいよぅ…」
そう言いながらも付いてくる一色、
しかしずっと俯いたままで、目すら合わそうとしない。
その状況が電車の中に入っても続いた。
流石にこの状況はやばすぎるので、一色の家まで付いていくことにした。
「なんでそんなに優しくするんですかぁ…」
一色がかすれるような声で何か呟いたが、その意味を考えないようにするのが吉だと思い、
頭の中から全力で追い出した。
家についたときに、服の入った紙袋を渡したときはもうなんかトランス状態に入ってる感じで
「えへ…、……ぱいか………レゼ…トだぁ。」
みたいな声が聞こえてきた。別に難聴という訳でもない。しかし意味はなんとなく分かってしまう。
俺が羞恥心を必死に抑えてる間に、一色はいつのまにか家に入ったようだ。
さて、俺も家に帰るとしよう。
しかしずっと俯いたままで、目すら合わそうとしない。
その状況が電車の中に入っても続いた。
流石にこの状況はやばすぎるので、一色の家まで付いていくことにした。
「なんでそんなに優しくするんですかぁ…」
一色がかすれるような声で何か呟いたが、その意味を考えないようにするのが吉だと思い、
頭の中から全力で追い出した。
家についたときに、服の入った紙袋を渡したときはもうなんかトランス状態に入ってる感じで
「えへ…、……ぱいか………レゼ…トだぁ。」
みたいな声が聞こえてきた。別に難聴という訳でもない。しかし意味はなんとなく分かってしまう。
俺が羞恥心を必死に抑えてる間に、一色はいつのまにか家に入ったようだ。
さて、俺も家に帰るとしよう。
今回はこれで終わり。
陽乃さんのことをけっこうな感じで言ってますが、4番目に好きな女性キャラです。
次の後日談で完結です。
陽乃さんのことをけっこうな感じで言ってますが、4番目に好きな女性キャラです。
次の後日談で完結です。
か、完結!?
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