元スレ京太郎「夢の彼方」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
301 = 1 :
恒子「すこやんの所に戻るんでしょー?だったら私も」
京太郎「…遠慮してください」
恒子「えー?」
京太郎「赤土さんのお陰で先生いっぱいいっぱいなんですよ…」
恒子「あ、ハルちゃんも来てるんだ」
京太郎「ですから結構イライラしてて…何かあっても、俺じゃ庇いきれませんよ?」
恒子「あー…仕方ない、今回は諦めるかぁ」
京太郎(ほっ)
302 = 1 :
京太郎「…じゃあ俺はこれで」
恒子「じゃあねー」
スタスタ...
京太郎「…」
恒子「…」ニヤニヤ
スタスタ...
京太郎「あの、なんでついてきてるんですか」
恒子「べっつにー?」
京太郎「…正直鬱陶しいんで、やめてもらえませんか?」
恒子「え、やだ」
京太郎「おい」ギロッ
恒子「余裕無いなあ…なんか可哀想だし、今回は遠慮するけどねー」
京太郎「…はあ」
京太郎(ぬくまでもなく、色々萎えちまったよ)
303 = 1 :
京太郎「…すみませんでした」
晴絵「まー気にしない気にしない」
健夜「無茶振りもいいとこだからね」
京太郎「出来たら今すぐにでもリベンジしたいですけど、どうですか?」
晴絵「んー…どうします、小鍛治プロ?」
健夜「…」
>>304
A:リベンジする
B:リベンジしない
※コンマ安価で3回成功、または3回失敗でおしまいです(現在成功1、失敗0)
304 :
A
305 = 1 :
健夜「…大丈夫?」
京太郎「大丈夫です。今の所は」
晴絵(さっきと比べてなんか落ち着いてるなー)
京太郎(福与アナのお陰で助かった…)
健夜「さっきよりも落ち着いてるし、確かにこの調子なら大丈夫かな」
京太郎「だといいんですが」
健夜「そこはもうちょっと自分を信じようよ」
京太郎「さっき失敗しちゃいましたからね、こればっかりは」
>>306 コンマ判定
01-30 …勃っちゃった
31-99 勃つわけないさ
306 :
あ
307 = 1 :
健夜「…どうもしない」
京太郎「どうもしませんね」
健夜「それはそれで悔しいんだけど」
京太郎「そう言われても…」
晴絵(脳内ピンクな二人を期待してたのに…)
晴絵「…何はともあれ、これで修行は成功したね」
京太郎「ホントに成功してるんでしょうか?」
晴絵「ふむ…じゃ、試しに打ってみようか」
健夜「三麻で大丈夫なの?」
晴絵「いえ、四人です」
ヒョコッ
恒子「随分とまあ、面白そうなことしてたねー?」
健夜「こーこちゃん!?」
308 = 1 :
京太郎「…やっぱりついてきてたんですね」
恒子「そりゃあね。というかみんな何やってるの」
京太郎「ま、麻雀の練習…」
健夜「…一応ハウツー本は読んでたし」
晴絵「目を逸らしながら言ってもねー」
恒子「ねー」
309 = 1 :
>...そんなこんなで
恒子「…ノーテン」
健夜「ノーテン」
晴絵「テンパイ」
京太郎「テンパイ」
恒子(こっちの当たり牌、全部あの子が抱えてたのか…)
健夜(鳴かせてもくれなかったね)
晴絵(捨牌じゃあこちらの手は読めなかったはずだけど)
京太郎「…次、行きましょうか」
310 :
このアナウンサーはたまに腹パンで悶絶させたくなるな
311 :
何故か強くなってる不思議
修業ってすごい(粉ミカン)
312 = 1 :
恒子(手は悪くないんだよねー。なのに和了れない)
健夜(最初は赤土さんとの一騎打ちになると思った。けど…)
晴絵(後の二人も存外侮れない、か)
京太郎(正直、安手でもいいから和了りたいなあ)
京太郎(今の所…流局テンパイでしか点を取れてない。その代わり中られもしないけど)
健夜「…リーチ」
京太郎「!」
健夜(流石に、そのままでしのげるとは思ってないよね?)
京太郎(来たか…!)
313 = 1 :
恒子(捨牌は…バラバラで読めないなあ)
晴絵(今の所、点数はほぼ横ばいできてる)
京太郎(終盤だし、このままなら僅差で俺が逃げ切れるけど)
健夜「…」ゴゴゴ
京太郎(そういう甘えは許しちゃくれないだろうな…)
晴絵(あんまり和了れないのも癪だし、ここは勝負に出てもいいかもね)
恒子(私は…何もしないでいるのが一番かな)
京太郎「…!」
京太郎(ここで生牌…それもドラ牌かよ!)
京太郎(これまで通りオリればしのげるか…いや、しのがせてもらえるのか)
314 = 1 :
京太郎「…」
京太郎(今は何を切っても中られる気がする…多分この牌は、先生に掴まされたんだ)
晴絵(…小鍛治プロも人が悪い)
健夜(困ってる困ってる。実際、今彼が持ってるのは大体が当たり牌だろうから)
恒子(すこやんが悪い顔してる…)
京太郎(…こいつを使えば手は伸びる)
京太郎(でもこの局面で高い手は必要じゃない。和了って、それからしのげさえすればいいんだ)
京太郎(そう、しのぎさえすれば…)
『カン』
京太郎「!」
『もいっこカン…もいっこ、カン!!』
京太郎(何で今俺、あの時の光景を…)
『ツモ。清一…対々、三暗刻』
京太郎(ダ、ダメだ…求めちゃいけない)
『三槓子、赤1、嶺上開花…32000です!!』
京太郎(持ってない奴が、持ってる奴の真似しちゃいけない…憧れても、近づこうとしちゃいけない)
京太郎(…分をわきまえるんだ)
315 = 1 :
京太郎「…」
京太郎(俺の麻雀に光はいらない。眩しさは目をつぶしてしまう)
健夜「…」
京太郎(…だから俺は)
タン
健夜「!」
京太郎(あえてそれを手放そう。怖くて怖くて仕方が無いけど)
晴絵(へえ…ここでドラを切ってくるか)
恒子(中盤以降、それもリーチがかかったこの状況で!?)
健夜(…それが須賀君の答えか)
...タン
京太郎「…ツモ。300、500です」
316 = 1 :
健夜「須賀君、1位おめでとう」
京太郎「…ありがとうございます」
恒子「何だか嬉しくなさそうだけど…」
京太郎「プロ相手にここまで出来たって、どうも実感がわかなくて」
恒子「なるほどねー」
晴絵「麻雀は初心者だって勝てないことはないからね。そう重くとらえる事もないよ」
京太郎「はは…そうですよね」
健夜「…楽しかった?」
京太郎「えっ?」
健夜「今の半荘、打ってて楽しかった?」
京太郎「…楽しくはなかったですね。勝てるように打とうとしたら、それでいっぱいいっぱいで」
健夜「…そっか」
京太郎「それってやっぱりダメですか?」
健夜「―――ずっと続けていたいなら、ダメかもね」
317 = 1 :
■
晴絵「…小鍛治プロ、彼は」
健夜「潜在能力はあるよ。ただ、それと麻雀を楽しめるかは別だろうね」
晴絵「制約のあるオカルトだったりするんでしょうか?」
健夜「さあね。単にカンがいいだけかもしれないし…」
晴絵「諦めがいいだけなのかもしれませんね」
健夜「…」
晴絵「須賀君は多分、和了りたくて仕方なかったと思うんですよ」
晴絵「それが修行の結果、我慢する事を覚えて…そしたら中られなくなって」
健夜「…安全に打ってるね。いや、安全だけで打ってるね」
晴絵「勝つ為にはそれもいいでしょうね。問題は…それに固執することか」
318 = 1 :
京太郎「…」
京太郎(萎えた後はカンが冴えたな…あれか、賢者タイムって奴なのかな)
京太郎(実際今日は読み通りに場が進んだ。和のように最適牌を見出すのとはまた違うけど)
京太郎「…はあ」
京太郎(勝てば楽しくなると思ったが、そういう訳でもなかったな)
京太郎(負けが多くて…だから麻雀が楽しくないって、そう思って…いや、信じたかったんだが)
京太郎(…いや、勝つ事自体は悪くないんだ)
京太郎(部活のみんなだって、ずっと楽しい麻雀だけを打ってきたわけじゃない)
京太郎(だから今日のアレだって間違っちゃいない。勝とうと思えば、第一線級のプロにだって勝てるんだ)
京太郎(それでいいじゃないか…)
319 = 1 :
■
京太郎「さて、今日も一日頑張りますか」
健夜「張り切ってるね」
京太郎「何だかんだで先生に勝てましたからね」
健夜「あ、それは嬉しかったんだ」
京太郎「今度部活のみんなに自慢してあげたいですよ」
健夜「…その後に腕試しとか言われたら?」
京太郎「遠慮します!」
健夜「即答って…プライドとかそういうのは」
京太郎「…それでボロ負けしたら、先生の顔に泥を塗っちゃいますし」
健夜「そう重く考えなくても…」
>>320 なにする?
320 :
雑談
321 = 297 :
そしてあきらかになるジェネレーションギャップ
322 = 1 :
健夜「そういや須賀君、部活じゃ何してたんだっけ」
京太郎「タコス作ってました」
健夜「…料理研究部かな?」
京太郎「いや、麻雀部ですけど…」
健夜「誰に教わったの?」
京太郎「執事さんに」
健夜「…またそれかぁ。執事さんって何者なの?」
京太郎「うーんとですね…そう、どこにでも現れそうな人ですね!」
健夜「それ、ちょっとしたホラーだよ……」
323 = 1 :
ハギヨシ「…呼びましたか?」
健夜「!?」
京太郎「あ、ハギヨシさん。別に呼んだつもりはないんですけど」
ハギヨシ「失礼。ふとそんな気がしたものですから」
健夜(ホント、どこにでも現れるんだね)
京太郎「お仕事の方は大丈夫なんですか?」
ハギヨシ「衣様なら、今は沢村さんが一緒にいますから」
京太郎「沢村さんって…ああ、あのふくよかな」
ハギヨシ「はい」
京太郎「何してるんでしょうか?」
ハギヨシ「キャッチボールかと」
京太郎「…あれ、天江さんが犬みたいに」
ハギヨシ「その言い方、かなりいかがわしいです」
324 :
龍門渕は微笑ましいなぁ
325 = 1 :
健夜「…あの」
京太郎「すみません、先生」
ハギヨシ「私としたことが礼を失するとは…申し訳ございません」
健夜「いや、そんなことは気にしなくていいんですけど…その」
小鍛治父「…おい、母さん」
小鍛治母「男友達を連れて来いとは言ったけど、これは…」
京太郎「…先生」
健夜「慣れない光景に二人が困惑してるから、外に出た方が…というかあなた、不法侵入ですよ?」
ハギヨシ「ごもっとも…では、>>326にでも参りましょうか」
326 = 324 :
山
327 = 297 :
何しに行くんだよwww
328 = 1 :
■
京太郎「ハギヨシさん、ここは…」
ハギヨシ「筑波山ですね」
京太郎「何故山に?」
ハギヨシ「折角近くにあるものですから。日本百名山、あるいは日本百景の一つとされています」
ハギヨシ「標高こそ高いとは言えませんが、富士山と対比される由緒正しき山なのですよ」
京太郎「へー」
ハギヨシ「ちなみにここでは、歌垣という風習が盛んだったそうです」
京太郎「歌垣?」
ハギヨシ「今で言うと…婚活パーティーがこれに近いでしょうね。男女が出会うための場だった訳です」
ハギヨシ「その年の豊穣を祝い、翌年の豊穣を祈る意味合いもありました」
健夜「まじない、あるいは願掛けみたいなものですね」
ハギヨシ「はい。これについては、先に述べた富士山と比較する説話があります」
ハギヨシ「ある神様が富士山と筑波山で宿を求め、前者はぞんざいに、後者は快くこれを扱ったと」
ハギヨシ「そして富士山は雪に覆われ登る人もなく、筑波山は昼も夜も人が集って、歌い飲食をするようになったと」
京太郎「事実はさておき、富士山への対抗心を感じるエピソードですね」
健夜「…この山、標高だけなら1000mもいかないし対抗しようがないんだよ」
健夜「けど立地とかはバッチリ。気象観測や無線通信の上でも重要な拠点なんだよ…だからほら」ユビサシ
京太郎「おお、だからアンテナがいっぱいあるんだ…」
ハギヨシ「実際景観はかなりのものです。それ故に、富士山の美しい景観まで見れるくらいには」
ハギヨシ「関東の富士見百景にも数えられているのは皮肉ですが、それだけ縁が深いということなのでしょうね」
329 = 1 :
■
京太郎「…おお」
健夜「どう、すごいでしょ?」
京太郎「これは…見ていて気持ちのよいものですね」
ハギヨシ「まったくもって」
健夜「と言っても私自身、ここに登ったことはそうないけど」
健夜「…歌垣の話があったでしょ?お母さんがよく、それを話の引き合いにしてきて」
京太郎「あー…それはキツそう」
健夜「惚れた腫れたよりも、私の精神的自立を促してるのは分かるんだけど…どうもね」
京太郎「先生、家事全般を任せちゃってますからね」
ハギヨシ「…ふむ」
京太郎「ハギヨシさん?」
ハギヨシ「突然で恐縮ですが、私でよければ手助けしてもよろしいでしょうか?」
健夜「ええと…私は構いませんけど、そちらこそ大丈夫なんですか?」
ハギヨシ「…実の所、溜まった有給を消化するようお嬢様からお叱りを受けまして」
京太郎「ああ…それにハギヨシさん、休みの日でも働いてますよね…」
ハギヨシ「小鍛治さんを口実にしてしまう事になりますが、良い機会かと思って」
京太郎「…帰ったらどう説明します?」
健夜「…私だってやる気に思えばこれくらい、とでも言っておくよ」
331 :
ハギヨシさんの苦労話はずっと前にあったポンコツ愚痴トークを思い出すな
何所に出しても恥ずかしいポンコツは忘れられない名言
332 = 1 :
■
恒子「へー…すこやんってば、随分と面白そうなことになってるね」
京太郎「面白そうって…否定はしませんけど」
恒子「でしょ?」
京太郎「つっても俺が言う事じゃないか」
恒子「仮にも教え子だもんね」
京太郎「まず自分をどうにかしろって話ですから」
恒子「…殊勝なのは悪くないけど、卑屈にはならないでねー?」
京太郎「分をわきまえようとは思いますが、卑屈にはなりませんよ」
恒子「うん…それがいいよ。すこやんもきっと、そう望んでるだろうから」
京太郎「…先生、俺のことなんて言ってます?」
恒子「覚えも聞き分けもいいけど、手のかかる教え子とだけは」
京太郎(褒められてるのかどうか分からんな…)
333 = 1 :
□
恒子『…怖い?』
健夜『うん。下手したらあの子、昔の私みたいにならないかなって』
恒子『それは考えすぎじゃない?すこやんだって、あの時本気で打ってた訳じゃないでしょ?』
健夜『ううん』
恒子『え?』
健夜『全力とまではいかないまでも…私と赤土さんは、真剣になって相手してたよ?』
健夜『…ぶっちゃけ、全力でもてこずらされるんじゃないかな』
恒子『そんなに?和了ろうと思えば和了れたんじゃ…』
健夜『どうだろうね。けどあの時は、一度だって和了れる気がしなかったの』
健夜『蛇ににらまれた蛙みたいに、身動きか取れなくなって…』
恒子『……』
□
恒子(もし本当にそんな真似が出来たとして…一体何が、彼をそうさせるんだろうね)
恒子(…すこやんもそうだけど、麻雀って不思議なことが多いなあ)
334 = 1 :
京太郎「…」
ピピピッ...
京太郎(空を飛ぶ鳥は、何故ああも輝いて見えるんだろうか)
京太郎「…」
□
京太郎『リリエンタール?』
咲『そう。ライト兄弟よりも前に、空気より重い飛行機を作ろうとしてた人だよ』
京太郎『ふーん…また随分と小難しい本読んでるんだな』
咲『小難しいって程でもないと思うよ。その、飛行機理論の方は置いといてさ』
咲『空を自由に飛んでみたいって憧れて、そしたら本当に飛べるようになっちゃって…』
咲『そういうのって何だか素敵だなって思うんだよね』
京太郎『…そんなものかねえ』
咲『もう…京ちゃんは夢がないなあ』
京太郎『素敵な彼女、もしくは嫁さんが欲しいとは思うけれど』
咲『…相変わらずなんだね』
335 = 1 :
□
京太郎(…どうにもままならないもんだな)
京太郎(俺じゃどんなに頑張っても、空を飛べる気はしない。打ちたいようには打てないらしい)
京太郎「…窮屈だな」
京太郎(けどそれに耐えれば、俺は勝てるかもしれないんだ…誰だろうと)
京太郎(目的からは遠ざかってるけど。ホントはもっと、華やかな打ち方をしたいからさ)
京太郎(そっちの方が楽しいに違いないし…でも、俺は俺だ。あの5人でも、まして先生でもない)
京太郎(…それでも俺は、憧れる事をやめられない)
京太郎(これって恋かな?)
>>336 どうする?
今回はここまででー
336 = 331 :
耐えられなくなるまで耐えてみる
338 = 331 :
忘れてた乙
339 :
おつ
そんなに圧をかけたら…
340 :
依頼出ててワロタ
341 :
>>340
そんなまさかwwwwww
……マジだった…
342 :
マジか……好きなシリーズだったけど終わっちゃうのか
また書ける時間ができたら書いて欲しいなぁ
みんなの評価 : ★★
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