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    元スレ咲「キャバクラ行ったら世界が変わった」霞「ええ、よくってよ」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - + - 石戸霞 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    152 :

    乙 いつも楽しみにしてます

    153 :

    乙 次回も待ってます

    154 :

    うっは

    156 :


    咏咲もありやね

    157 :

    期待してる

    158 :

    待ってます

    159 :

    続き楽しみにしてます。

    160 :

    待ってるよ

    162 :

    >>1です。お久しぶりです
    自分のPCがデータ飛んでしまったりでメゲてしまい、結構な日にちが空いてしまいましたが投下の目途がたったのでご報告します

    おそらく明後日の夜にはまとまった分を投下できると思います。けっこう落ちるギリギリになってすいませんでした

    レスをつけて待っていてくれた方々のおかげで消えたデータ分のモチベが戻ってきましたし、スレも落ちずに済みそうです。本当にありがとうございます

    まだ待っていてくれているかは分かりませんが、しっかり最後まで続けていこうと思います

    163 :

    待ってたよ

    164 :

    データ飛んだのはきついな
    気長に待ってる

    165 :

    まってたー

    166 :

    ――クラブドラゴンゲート――


    揺杏「おはざーっす」

    「あら揺杏ちゃん、おはようございます」ペコリ

    揺杏「あ、カスセン今日から復帰ですか。腰治ったんですねー」

    「ええ、おかげさまで。長いお休みを頂いてごめんなさい」

    揺杏「しょうがないっすよ、腰やっちゃったらマジ」

    「私がいない間、お店は忙しかったかしら?」

    揺杏「そーっすねー、なんか結構忙しかったですね。特に繁忙時間(ハーベストタイム)に来るお客さんが増えてる気がします」

    「あらあら、そうなの?」

    167 = 166 :


    揺杏「ナンバーワンの渋谷さんの指名、いまものすごいっすよ。あと、呼び込みの亦野さんがお客さんを釣り上げる釣り上げるで、ヘルプもまわらないくらい」

    「そう・・・それで揺杏ちゃんは、今日は外回りじゃなくてお店の中で接客なのね」

    揺杏「呼び込みの方が好きなんですけどねー。らっさいらっさいって感じで」クイックイ

    「そ、そう・・・あ、そう言えば今日は髪をおろしてるのね、髪おろしてる揺杏ちゃんって大人っぽくてかっこいいわ」

    揺杏「え? あ、どーもありがとうございまーす・・・」

    揺杏(なんかこのおb・・・この人に大人っぽいって言われるのってひっかかるものがあるんだよなー、他意はないんだろうけど)

    揺杏「えっと、霞さんもマジかわいいっすよ」

    「うふふ、ありがとう」

    168 = 166 :


    (かわいい、か・・・)

    (揺杏ちゃんは社交辞令だろうけど、でもそういえば来る時に咲ちゃんにも言われたかしら)

    揺杏「?」

    「かわいい・・・うふふ・・・霞さんかわいい」ニマニマ

    揺杏「!?」ビクッ

    揺杏(なんかニヤニヤしてる!? このおb・・・この人、マジきめえ!!)

    169 = 166 :



    ハギヨシ「みなさん、おはようございます」

    揺杏「あ、店長、おはようございまーっす」

    「おはようございます店長、お休みを頂いて申し訳ありませんでした」ペコリ

    ハギヨシ「いえ、従業員の不調に気が付いていなかった私の落ち度でもありますから、どうかお気になさらず」

    ハギヨシ「それよりも、実は霞さんをご指名のお客様が、お店の外でお待ちでして、少し早いのですが開店にしようと思うのですがどうでしょう?」

    「私に、指名? ええ、準備は出来てますが・・・」

    ハギヨシ「では、7番テーブルまでお客様をご案内しておきます」

    (私に指名? いったい誰かしら・・・まさか咲ちゃん?)


    元々指名の多くない霞であり、しばらく休んでいた霞が、今日から出勤だった事を知っている常連のお客も少ないだろう

    そんな消去法から、霞の頭には咲の顔が浮かんだ

    しかし本当なら咲も、霞からの言いつけを守っているなら店に来るはずがない

    それを霞がテーブルに行くまで気付かなかったのは、もしかしたら少しばかり浮かれていたからなのかもしれない

    170 = 166 :


    ――7番テーブル――



    「お待たせいたしました・・・・・・え?」

    「・・・」

    「そんな、まさか・・・巴ちゃん? 巴ちゃん・・・なの?」

    「お久しぶりです霞さん」ペコ

    パキーーン

    霞が持ってきたウェルカムドリンクのグラスが落ちて割れる

    狩宿巴――神代の分家として肩を並べたかつての友人が突然現れた事に、霞は困惑していた

    171 = 166 :


    「・・・そんな・・・どうして?」

    「せっかく久々に会えたのに、そんな顔をしないでください」

    「・・・ごめんなさい。でも、どうしてここが分かったの? 家の人には誰にも教えてないはずなのに・・・」

    「神代宗家の影響力、霞さんならご存じの通りではないですか?」

    「!?」

    「誰が何処にいるのかなんて、調べようと思えば簡単に調べられます」

    「そう・・・そうよね」

    「それより、割れたグラスそのままで大丈夫なんですか?」

    「・・・・・・あ! ごめんなさい、すぐにお取替えします」

    霞がそう言うと、控えていたスタッフがグラスを回収してすぐに新しいものを用意する

    周りにいるスタッフは皆、霞の様子がおかしい事に気付いていたが、関わるべきでないと察したのか、最低限の手伝いだけで奥に引っ込んでいった

    キャバクラの従業員は修羅場っぽい空気には敏感なのだ

    172 = 166 :


    カラカラ

    「・・・お変わり無いようで何よりです霞さん」

    「巴ちゃんも・・・」

    「最後に会ったのはいつでしたか?」

    「・・・たしか、六年前だったかしら」

    「そうでしたね。お別れした時は、私達はまだこうしてお酒を飲める歳でもありませんでした」

    「・・・」

    「・・・正直言うと、少し安心しました」

    「え?」

    「だって六年ですよ? それだけ離れてたら、私達の事なんてもう忘れてるかと思ってましたから。連絡だって貰えませんでしたし・・・」

    「忘れたりなんてしないわ、神境を出ても、巴ちゃん達が私にとって大切な人達なのは変わりないもの・・・片時だって忘れる事はなかったわ」

    「・・・本当にそうなら嬉しいです、でも」

    「でも?」

    「少し、今からする話が辛くなりました」

    「・・・そう」

    173 = 166 :


    傾けたグラスを戻し、巴は神妙な表情を霞に向ける


    「霞さん、どうして私がここに来たのか、実は察しがついているのではないですか?」

    「やっぱり、ただお酒を飲みに来たわけじゃないのね・・・」

    「はい」

    「そうね、なんとなく分かるわ・・・ここのところ、いえ、もっと前から少しずつだけど・・・悪いものや恐ろしいものが増え始めているのを感じていたもの」

    「・・・やはり、ここにもですか?」

    「ええ、そしてそれに呼応するかのように、能力を持っている子達は、その力を高めていっている」

    「つい数日前にも調子を崩していた私の所に物の怪が来たけど、ちょうど一緒にいたお友達が追い払ってくれたことがあったわ」

    「そのお友達、宮永咲・・・ですね?」

    「!?」

    174 = 166 :


    「すみません、祖母上様方が勝手に調べたんです。霞さんの事を、周辺人物まで事細かに。ここを突き止めたのも・・・」

    「そう・・・あの人達が。まったく、変わらないものね」

    「・・・すみません」

    「どうして巴ちゃんが謝るの?」

    「だって霞さんは祖母上様のやり方が許せないはずです。神境を出た理由だって、半ば強引に追い出されたと聞いてます・・・」

    「・・・違うわ、私は自分探しの旅に出たかっただけよ」

    「嘘です、思慮深い霞さんがその辺のOLみたいな口実で神境を出るはずありません。それに、霞さんが出ていく前に何があったか知っている者もいます」

    「・・・むう、初美ちゃんね。おしゃべりさんなんだからまったく」 

    「霞さんは祖母上様のやり方に憤っていたと聞きました。私達や姫様の事を、神事の為とはいえ道具のように扱っていると・・・」

    「・・・」

    175 = 166 :


    「正直に言えば、神代の家に連なる者として生まれ、その義務果たすのが当然と教え込まれた私には、それは甘えだと思っていました」

    「ですが、それを改めなければいけない事態が、今回起こってしまいました・・・」

    悔やむように俯く巴、その顔には後悔と自責の念が浮かんでいる

    「・・・小蒔ちゃんに何かあったの?」

    「酷く恐ろしいもの・・・祖母上様が言うには、過去百年類をみないほどの厄災となりうるものが、姫様に降りてきてしまいました」

    「!?」

    「そのせいで姫様が本来担うべき神事もままならず、世の異能のバランスも崩れてきています」

    (咲ちゃんの支配が強まっていたのは、そういう事だったのね。それに、麻雀の日本代表が一位になったというのも、バランスが崩れた影響なのかもしれないわ)

    「それで、小蒔ちゃんは無事なの?」

    「今の所は、狩宿と滝見の家の者が交代で鎮めていますので・・・しかし少しずつですが体が弱ってきているようです」

    「そんな・・・」

    176 = 166 :


    「そしてつい数日前です。霞さんの後任として、姫様のアマガツとなる役割を担っていた明星ちゃんが儀式を行ったのですが・・・」

    「・・・どう、なったの?」

    「・・・・・・制御できず、恐ろしいものは姫様に戻ってしまい、明星ちゃんはそのまま意識不明となってしまいました」

    「・・・」

    「そして私達は姫様を救う手だてを失いました・・・巫女としての力もそうですが、姫様と歳と血が近い者は、もう神境にはいません」

    「・・・そう、それで私の所にきたというわけね」

    「・・・すみません」

    「巴ちゃんが謝る事じゃないわ。祖母上様達の言いつけで来たのでしょう? 自ら追い出した者に頭を下げに来ない所は、面目を守りたがるあの人達のやりそうな事だわ」

    「・・・はい、『明星が失敗したのなら霞を呼び戻せ。自分の意志で戻らぬようなら、手段は選ぶな』と」

    「そして、霞さんを使う儀式は、明星ちゃんの時とは違って、完全に人柱(ひとばしら)として扱うと言っておりました。制御できぬようなら・・・」

    「・・・その場で殺す、または生きたまま封印され、この体が恐ろしいモノの入れ物となるわけね?」

    177 = 166 :


    「そしてそれすらも失敗したのなら・・・あの人達は小蒔ちゃんも切り捨てようと言うのでしょう?」

    「う・・・そうです。まだ若い方ばかりですが、神代当家は次の姫巫女の選出も考えている様子です」

    「それを聞いた時、私はあの方々が信じられなくなりました。そして今までに受けた教えの全ても・・・」

    「私は使い捨てでも別にいい、姫様の為ならばと・・・そして姫様だけはそんな扱いはされないと、そう思っていたのに」

    「巴ちゃん・・・」

    「・・・本当に変わらないわ。いえ、ずっとそうしてきたから、きっと変わり方が分からないのね、あの家は」

    「・・・」

    「いいわ、戻りましょう神境に・・・」

    「!?」

    178 = 166 :


    「い、いいんですか!? そんな簡単に決めて」

    「いいも悪いもないわ。小蒔ちゃんが大変な時に、私が何もしないでどうするの?」

    「でも・・・少なくとも霞さんは無事で済むはずないのに」

    「巴ちゃんも今言ったじゃない、自分は使い捨てでもいいって。私もそのつもり」

    「霞さん・・・」

    「理由はどうあれ、神境を出てからのこの六年、大変な事もあったけど自分の時間を過ごす事ができたわ。その時間を、私はいつか小蒔ちゃんに返さないとって思っていたもの」

    「小蒔ちゃんはずっと、この世の多くの人の代わりに自分を犠牲にして姫巫女として生きてきた。その小蒔ちゃんの代わりを私は務めてあげたいの、心から」

    「・・・」

    霞の想いに敬服したのか、巴は自然とこうべを垂れていた

    いや、それどころか床に手をついていた

    179 = 166 :


    「ちょ、巴ちゃん!?」

    「今の私には・・・これくらいしか誠意を見せられる方法がありません、ごめんなさい」ドゲザア

    「土下座はやめて! いいから、本当に!」

    「でも」

    「いいから顔をあげて? ね?」

    「はい・・・」

    「大丈夫だから。それより私は、巴ちゃんが小蒔ちゃんの事を、当家よりも一番に考えていてくれる事がとても嬉しいの。だから、大丈夫・・・」

    「霞さん・・・」ツー

    「涙を拭いて巴ちゃん。貴方はこれまでのように、小蒔ちゃんを一番に見ていてあげてね」

    「はい・・・」

    180 = 166 :



    「・・・では、私は一旦神境に戻ります」

    「私もすぐ一緒に行った方がいいかしら?」

    「いえ、儀式の準備もありますし・・・突然の事で、霞さんも整理したい事などあるでしょうから、一週間ほど猶予は貰えるように祖母上様に話してみます」

    「・・・一週間もいいの? 小蒔ちゃんは大丈夫?」

    「今は落ち着いていますし、私が傍に常に連れ添って、いつでも鎮められるように尽力します」

    「そう、ありがとう巴ちゃん」

    「それはこちらのセリフです・・・では霞さんの準備が終わりましたら連絡をください、迎えの者を寄越しますので」

    「分かったわ」

    「では・・・」


    そう言って巴はもう一度だけ霞に深く頭を下げ店を出て行った

    181 = 166 :




    (さてと・・・大変な事になったわね)

    (巴ちゃんの言った整理とは、身辺整理の事ね・・・きっともう戻ってこられないだろうから)

    ハギヨシ「霞さん」

    「あ、店長」

    (そうだ、まずお店を辞めなくちゃいけないから、ちゃんとお話ししておかないと)

    ハギヨシ「申し上げにくいことなんですが、霞さん・・・貴方を解雇しなければいけません」

    「え?」

    (いきなり何故? 辞める話をする手間は省けたけど・・・)

    揺杏「カスセンまじパネェっす・・・復帰一日目にいきなりお客さんに土下座させて泣かせるとか、痺れる通り越してドン引きですわマジ」

    「」

    ハギヨシ「そういう事です、いままでありがとうございました」

    「・・・はい」


    事情を知らない周囲に誤解を与えてしまった結果、話せるはずもない理由を誤魔化す手間が省けた事を良かったと思うか悪かったと思うか、霞はとても複雑な心境だった

    そしてその店には、泣いてる客を裸にして土下座させたキャストがいたらしいという、少し誇張されたレジェンドが残る事になった

    182 = 166 :



    ――次の日・霞宅――


    「・・・」モグモグ

    「・・・」モグモグ

    (今日は霞さんの様子がおかしい気がする・・・)

    (国際選抜の復帰が決まったことを報告しようと思ったけど、そんな空気じゃない気がする)

    (昨日、お店で何かあったのかな?)

    「・・・」モグモグゴクン

    「・・・」モグモグ

    「ごちそうさまでした」

    「・・・!? あ、はいお粗末様でした」

    183 = 166 :


    「どうしたんですか霞さん?」

    「え? 何がかしら?」ビクッ

    「何か様子が変でしたけど、考え事ですか?」

    「い、いえそんな事ないわ。いつも通りよ」アセアセ

    「?」

    (やっぱり、何かあった感じだけど・・・でも話せない事もあるだろうし、追求しすぎるのもよくないよね)

    184 = 166 :


    「ねえ、咲ちゃん・・・次の休みの日っていつ?」

    「休みですか? えーと・・・明々後日が一日オフです」

    「・・・そう」

    「?」

    「その・・・良かったらその日、私と一緒にお出かけしてくれないかしら?」

    「え?」

    「ダメ?」

    「だ、だめじゃないですよ。けど、どうしたんですか?」

    「・・・咲ちゃんとお出かけしてみたくて。それと、どうしても一度行ってみたかったところがあるの」

    「う・・・」

    (やっぱり何か様子がおかしい気がするけど、でもせっかく霞さんが誘ってくれてるんだから無下にはしたくないな)

    185 = 166 :


    「やっぱり・・・ダメ?」

    「いいえ、何も予定が無かったので嬉しいです。行きましょうか」

    「――うん、やった!」パアア

    (あ、かわいい)


    186 = 166 :


    ――約束の日・動物園――


    (意外・・・霞さんの行ってみたい場所って動物園だったんだ)

    タッタッタッタ

    「お待たせ咲ちゃん!」ハアハア

    「おはようございます霞さん」

    「遅れてごめんなさい、待ったでしょう?」

    「いいえ、今来たばかりです」

    「ほんと? 怒ってない?」

    「そんな事で怒らないです。さあ入りましょうか」

    「うん・・・あれ?」

    「どうしました?」

    「咲ちゃんの向かおうとしてる方、入口と真逆よ?」

    「」

    187 = 166 :


    ――動物園・入口広場――


    (動物園か・・・来たのっていつ以来だろう?)

    (平日の昼だからか、あんまり他に人はいないみたい)キョロキョロ

    (ゆっくりみれて良さそうだけど・・・よくよく考えたら大人二人で動物園って、けっこう恥ずかしいかも・・・)

    「あれ、咲ちゃんどうしたの? 顔が赤いわ、もしかして風邪?」

    「え? あ、これは大丈夫です。そういうのじゃないです」

    「そう? ならいいけど」

    188 = 166 :


    「・・・」

    「あ、そうだ。はい、咲ちゃん」スッ

    「手?」

    ギュッ

    「!?」

    「はぐれないように手を繋いでいきましょうか」

    「は、はい」カアアア

    (・・・恥ずかしさが二倍になりました)

    (でも・・・たまにはいいかな、こういうのも)

    189 = 166 :


    動物園の様子はダイジェスト気味でお送りします

    190 = 166 :


    ――像――

    パオーン

    「鼻が長いわねー(小学生並みの感想)」

    「鼻が長いですねー(小学生並みの感想)」

    191 :

    待ってたよ

    192 = 166 :

    ――キリン――

    ムシャムシャ

    「見てください霞さん! 私の出した葉っぱ食べてくれてる!」

    「私も! 私もやりたいわ!」キャッキャ

    193 = 166 :


    ――バイソン――

    ノッシノッシ

    「彼はきっと強いわ(確信)」

    「え?」

    194 = 166 :


    ――乗馬体験――

    カッポカッポ

    「見て咲ちゃん! 乗ってるわ、馬に!(倒置法)」ユッサユッサ

    (霞さん! 飼育員さん達の視線が、馬が歩くたびに揺れる胸に釘付けですよ! 言えないけど)

    195 = 166 :


    ――羊――

    モフモフ

    「癒されるわねー」モフモフ

    「癒されますねー」モフモフ

    196 = 166 :


    そんな感じで霞と咲の二人は園内をほとんど回り終えた

    ――休憩所――


    「ふう、色々回ったし休憩しましょうか」

    「そうですね」

    「少しはしゃぎ過ぎたかしら? ごめんなさいね咲ちゃん、連れまわしてしまって」

    「そんな事ないですよ、私も色々見れて楽しいです。こういう所、なかなか来る機会はありませんから」

    「うふふ、それならよかった」

    「あ、でも、どうして動物園だったんです? 霞さんのイメージからは想像できなかったんですけど」

    197 = 166 :


    「・・・そうねえ、ずっと憧れだった場所だから」

    「憧れ?」

    「うん、子供の時からずっとね、屋久島は山ばかりだったし、神境に入ってからも行く機会が無かったから。私にとっては動物園や遊園地は憧れで、夢みたいなものだったの」

    「そうだったんですか・・・」

    「それに、たぶん一人じゃ来れなかったわ。一人でここにきたら、私の場合だときっと寂しさの方が勝っていたと思うもの」

    「だからこうして楽しめているのは全部咲ちゃんのおかげよ、本当にありがとう」

    「霞さん・・・そんな、私も楽しい休日を過ごせてますし、おあいこですよ」テレテレ

    「咲ちゃん・・・」

    198 = 166 :


    「そうだ、休憩がてらアレに乗ってみませんか?」

    「アレ?」

    咲の指差した方には、動物園の中心にそびえる観覧車があった

    「さっき通りがかった時に乗りたそうな顔してましたよ?」

    「・・・もう、本当に目聡いんだから。でもいいの?」

    「遠慮なんて今更ですよ! さあ、行きましょう」タッ

    「うん・・・あ、でも待って咲ちゃん」スタップ

    「?」

    「そっちは、逆方向よ」

    「」

    199 = 166 :


    ――観覧車――


    「すごいわこの観覧車、上から園内が全部見下ろせるようになってるのね。考えた人はきっと天才ね」

    「ふふふ、大袈裟ですよ」

    「あ・・・夕日」

    「本当だ、綺麗ですね」

    「もう、そんな時間が経っていたのね・・・」

    「あっという間でしたね」

    「・・・」

    「・・・」

    (不思議・・・咲ちゃんといると、時々なんでも伝わりなんでも伝わってくるように感じる)

    (まるで、深い部分で繋がっているみたいに・・・)

    (でもそれに甘えていたらダメよね、ちゃんと言葉にしないと全部は伝わらない・・・)

    200 = 166 :


    「咲ちゃん」

    「はい?」

    「・・・」

    「・・・?」

    「また、一緒に来てくれる?」

    「うん、勿論です」

    「うん、良かった・・・」

    (やっぱりもう少し。もう少しだけ甘えさせて)


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