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元スレ京太郎「もつものと、もたざるもの」
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「……とりあえず、改めて挨拶させてもらう。私は加治木ゆみ。よろしく」
「どうも、須賀京太郎です。よろしくお願いします」
そう挨拶しながらも京太郎は目の前のゆみについて思考を及ばせる。
鶴賀の大将。咲や衣相手に苦戦しつつも一歩も譲らず喰らいついていたことは京太郎の記憶にも残っている。
特に咲に対してチャンカンの一撃を当てたとことは昨日のことのように思い出せる。
インターハイを通して、咲が放縦した数少ない機会であったからだ。
「しかし、何で加治木さんがここに?」
京太郎の質問を受けてゆみはチラリと久に視線を送った後京太郎に言った。
「何、以前の私と似たような悩みを抱えている後輩が居ると聞いてな。お節介かもしれないが少し話をさせてもらいにきた」
「同じ、悩みって……」
県大会決勝のあの立ち回りを見て自分と同じ人種だとは思えない。
そういう感情が顔に出ていたのか、ゆみは軽く笑った。
「牌譜は、見てくれたか?」
「はい、一応……」
「酷かっただろ? 意味の無いダマから謎の1順まわしてリーチ」
自分のことなのに、とても可笑しそうにゆみは笑う。
その様子に多少申し訳なさを感じつつも京太郎は頷いた。
「それがわかるだけ、2年前の私より君のほうが遥かに上手い。同じ立場なのに凄い違いだな」
「同じ、立場?」
「あぁ、私も麻雀を始めたのは高校生になってからだ。雀暦で言えば2年ちょっとしかない」
その言葉に絶句する。たった2年程度であの境地に辿り着いたというのが信じられなかった。
「どうも、須賀京太郎です。よろしくお願いします」
そう挨拶しながらも京太郎は目の前のゆみについて思考を及ばせる。
鶴賀の大将。咲や衣相手に苦戦しつつも一歩も譲らず喰らいついていたことは京太郎の記憶にも残っている。
特に咲に対してチャンカンの一撃を当てたとことは昨日のことのように思い出せる。
インターハイを通して、咲が放縦した数少ない機会であったからだ。
「しかし、何で加治木さんがここに?」
京太郎の質問を受けてゆみはチラリと久に視線を送った後京太郎に言った。
「何、以前の私と似たような悩みを抱えている後輩が居ると聞いてな。お節介かもしれないが少し話をさせてもらいにきた」
「同じ、悩みって……」
県大会決勝のあの立ち回りを見て自分と同じ人種だとは思えない。
そういう感情が顔に出ていたのか、ゆみは軽く笑った。
「牌譜は、見てくれたか?」
「はい、一応……」
「酷かっただろ? 意味の無いダマから謎の1順まわしてリーチ」
自分のことなのに、とても可笑しそうにゆみは笑う。
その様子に多少申し訳なさを感じつつも京太郎は頷いた。
「それがわかるだけ、2年前の私より君のほうが遥かに上手い。同じ立場なのに凄い違いだな」
「同じ、立場?」
「あぁ、私も麻雀を始めたのは高校生になってからだ。雀暦で言えば2年ちょっとしかない」
その言葉に絶句する。たった2年程度であの境地に辿り着いたというのが信じられなかった。
「まぁ、当時の部員は2人だけだったからな。指導者も居なければ教えてくれる先輩も居ない。いろいろ大変だったよ」
何かを思い出すかのように、遠い目をするゆみ。京太郎と久は何も言わずに言葉の続きを待った。
「その牌譜は私が当時の風越キャプテンと打ったときの牌譜だ。1年生のときに長野県下の麻雀部が集まる交流会があってな」
ため息をつく。苦い思い出なのだろうか、先ほどよりは多少口ぶりが重くなっていた。
「酷い負けっぷりだった。3日間ほどの交流会の中での出来事だったんだが、さすがは名門。キャプテン以外も一人一人が悪魔じみた強さだった」
そのタイミングで店主が3人にグラスに入った麦茶を持ってくる。
ゆみはそれを手に取り軽く口をつけると話を続けた。
「だが当時のキャプテンの強さは異常だった。何をしても聴牌できない、アガれない、トップが取れない。1局で箱を4つ被ったときは泣きたくなったよ」
京太郎の心がざわめく。似ていた。自分の心が折れた状況と。
「一時は麻雀が嫌になった。あんな化け物たちに勝てる気がしなかった。……辞めようとも、思った」
麦茶のグラスをサイドテーブルに置く。
グラスの中の氷がからん、と音を立てて鳴った。
「だが、後からその牌譜をもらってな。落ち着いて、ゆっくりと見直してみたんだが、まぁ、酷い。自分なりにはしっかり打てているつもりだったんだがな」
一呼吸を置いて、京太郎のほうを見た。
思わずどきりとして京太郎は体をすくめた。
「自分には、まだできることが残っている。まだ足りないところが沢山あるんだと」
まっすぐな瞳だった。
凛、という言葉が非常に似合う。
京太郎はそんなことを思った。
「それからは無我夢中だったよ」
そこでゆみは若干自嘲気味に笑った。
「お宅の宮永咲やうちのモモみたいなオカルトめいた『何か』は持ち合わせていないしな」
卓に置かれた牌を1つ取り、手の中でもてあそびながら言葉を続けた
「自分に足りないものは何か。考えて模索して、試行錯誤してそれでも負けてもう一度考えて」
「戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って」
「気が付いたら2年経っていた。まったく、高校生活というのは短すぎる」
はは、と軽く笑ってゆみはふたたび麦茶に口をつけた。
何かを思い出すかのように、遠い目をするゆみ。京太郎と久は何も言わずに言葉の続きを待った。
「その牌譜は私が当時の風越キャプテンと打ったときの牌譜だ。1年生のときに長野県下の麻雀部が集まる交流会があってな」
ため息をつく。苦い思い出なのだろうか、先ほどよりは多少口ぶりが重くなっていた。
「酷い負けっぷりだった。3日間ほどの交流会の中での出来事だったんだが、さすがは名門。キャプテン以外も一人一人が悪魔じみた強さだった」
そのタイミングで店主が3人にグラスに入った麦茶を持ってくる。
ゆみはそれを手に取り軽く口をつけると話を続けた。
「だが当時のキャプテンの強さは異常だった。何をしても聴牌できない、アガれない、トップが取れない。1局で箱を4つ被ったときは泣きたくなったよ」
京太郎の心がざわめく。似ていた。自分の心が折れた状況と。
「一時は麻雀が嫌になった。あんな化け物たちに勝てる気がしなかった。……辞めようとも、思った」
麦茶のグラスをサイドテーブルに置く。
グラスの中の氷がからん、と音を立てて鳴った。
「だが、後からその牌譜をもらってな。落ち着いて、ゆっくりと見直してみたんだが、まぁ、酷い。自分なりにはしっかり打てているつもりだったんだがな」
一呼吸を置いて、京太郎のほうを見た。
思わずどきりとして京太郎は体をすくめた。
「自分には、まだできることが残っている。まだ足りないところが沢山あるんだと」
まっすぐな瞳だった。
凛、という言葉が非常に似合う。
京太郎はそんなことを思った。
「それからは無我夢中だったよ」
そこでゆみは若干自嘲気味に笑った。
「お宅の宮永咲やうちのモモみたいなオカルトめいた『何か』は持ち合わせていないしな」
卓に置かれた牌を1つ取り、手の中でもてあそびながら言葉を続けた
「自分に足りないものは何か。考えて模索して、試行錯誤してそれでも負けてもう一度考えて」
「戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って」
「気が付いたら2年経っていた。まったく、高校生活というのは短すぎる」
はは、と軽く笑ってゆみはふたたび麦茶に口をつけた。
そこまでゆみの話を黙って聞いていた京太郎は初めて口を開いた。
「でも……」
「うん?」
「でも、そこまで足掻いても、咲や天江衣には勝てなかったですよね」
押し殺すような声。思わぬ発言に流石の久もぎょっと口を挟もうとするが、ゆみはそれを手で制した。
「ふふ、事実とは言え君はなかなかきついことを言うんだな」
ゆみが苦笑しながら京太郎に返事を返す。京太郎は頭を下げつつも、発言を取り消すことはなった。
「……すみません。でも俺思うんです。『何か』をもっている連中には何をしても勝てないんじゃないかって」
再び、京太郎の中に暗い感情が戻ってくる。あの苦しみ、あの悔しさが京太郎を苦しめる。
「竹井先輩は信じて進めばきっと勝てる日が来るって、言ってくれました。でも……でも!」
歯がきしみ、握りしめた拳からは血が出そうだった。
「いつ来るかわからないそのために、どれだけ負けて、どれだけ耐えればいいのか……俺には、そんなの無理です」
京太郎の絞り出すような独白をゆみは真剣な顔で、久はどこか辛そうに聞いていた。
「加治木さんは……耐えられるんですか? 高校3年間を費やしても結局持ってる連中には敵わなかった。嫌にならないんですか?」
京太郎はゆみの顔をまっすぐ見て訪ねる。その縋り付いたような視線に何かを感じ、ゆみは答えた。
「耐えられないと言ったらうそになる。やはりあの日は悔しさで眠れなかった」
やっぱり、そうなんですね。そう言おうとした京太郎の言葉にゆみの言葉が覆いかぶさった
「だが」
「私はだからと言って歩みを止めるつもりはない。高校での挑戦は終わってしまったが次は大学というステージでもう一度戦い続ける」
「でも……」
「うん?」
「でも、そこまで足掻いても、咲や天江衣には勝てなかったですよね」
押し殺すような声。思わぬ発言に流石の久もぎょっと口を挟もうとするが、ゆみはそれを手で制した。
「ふふ、事実とは言え君はなかなかきついことを言うんだな」
ゆみが苦笑しながら京太郎に返事を返す。京太郎は頭を下げつつも、発言を取り消すことはなった。
「……すみません。でも俺思うんです。『何か』をもっている連中には何をしても勝てないんじゃないかって」
再び、京太郎の中に暗い感情が戻ってくる。あの苦しみ、あの悔しさが京太郎を苦しめる。
「竹井先輩は信じて進めばきっと勝てる日が来るって、言ってくれました。でも……でも!」
歯がきしみ、握りしめた拳からは血が出そうだった。
「いつ来るかわからないそのために、どれだけ負けて、どれだけ耐えればいいのか……俺には、そんなの無理です」
京太郎の絞り出すような独白をゆみは真剣な顔で、久はどこか辛そうに聞いていた。
「加治木さんは……耐えられるんですか? 高校3年間を費やしても結局持ってる連中には敵わなかった。嫌にならないんですか?」
京太郎はゆみの顔をまっすぐ見て訪ねる。その縋り付いたような視線に何かを感じ、ゆみは答えた。
「耐えられないと言ったらうそになる。やはりあの日は悔しさで眠れなかった」
やっぱり、そうなんですね。そう言おうとした京太郎の言葉にゆみの言葉が覆いかぶさった
「だが」
「私はだからと言って歩みを止めるつもりはない。高校での挑戦は終わってしまったが次は大学というステージでもう一度戦い続ける」
「な、何で」
よろり、と京太郎の体がよろめいた。
ゆみのその口ぶりに一切の嘘は感じられず、むしろ強い意志が感じられた。
「なんで、そんな」
もはや、後半は言葉になっていなかった。
よろり、と京太郎の体がよろめいた。
ゆみのその口ぶりに一切の嘘は感じられず、むしろ強い意志が感じられた。
「なんで、そんな」
もはや、後半は言葉になっていなかった。
「進まねば、勝てない。闘わねば、勝てない。挑まねば、勝てない。」
「今の私がもう一度天江衣クラスの人間と打っても、勝つのは難しいかもしれない。それでも」
「挑まなければ、負けたままなんだ。私は、勝ちたい。『何か』を持っている連中に勝ちたい」
「私は私が望んだ勝利を手に入れたい。その勝利のために百や二百、千や万の敗北が必要ならくれてやろうと思う」
「この先、無念さに押しつぶされそうになるかもしれない。悔しさに泣いてしまうこともあるかもしれない。絶望のあまりに歩みを止めそうになるかもしれない」
「だが、一度自分が選んだ道、進んでみようと思った道だ。『何か』が無くとも戦って戦って、勝ってみせる」
「そのために、もっともっと足掻けるだけ足掻いて戦い抜こうと思う」
「それだけだ」
「今の私がもう一度天江衣クラスの人間と打っても、勝つのは難しいかもしれない。それでも」
「挑まなければ、負けたままなんだ。私は、勝ちたい。『何か』を持っている連中に勝ちたい」
「私は私が望んだ勝利を手に入れたい。その勝利のために百や二百、千や万の敗北が必要ならくれてやろうと思う」
「この先、無念さに押しつぶされそうになるかもしれない。悔しさに泣いてしまうこともあるかもしれない。絶望のあまりに歩みを止めそうになるかもしれない」
「だが、一度自分が選んだ道、進んでみようと思った道だ。『何か』が無くとも戦って戦って、勝ってみせる」
「そのために、もっともっと足掻けるだけ足掻いて戦い抜こうと思う」
「それだけだ」
京太郎は言葉を失っていた。
目の前にいる女性が自分と同じ人間なのか、そうとまで思った。
余りにも凛としたその姿に京太郎の心はかき乱される。
――挑まねば、勝てない――
なぜか、その一言が心に突き刺さった。
「ところで須賀君」
「は、はい」
唐突に話を振られ、京太郎はびくりとしながらも返事を返した。
「君は今、『何か』を持っていないのかもしれない。だが、それが未来永劫そうなのだと誰が決めたんだ?」
「……えっ?」
「もしかしたら、それは厳しい修練の先にあるのかもしれない。敗北に塗れ、辛酸を舐め尽くした上で手に入るものなのかもしれない」
「い、いや、それは」
それは、考えてもみなかった発想だった。
そういった連中は生まれた時から、気が付けばもっている類のもの。
一種の才能めいたものなのだと思っていた。
「どちらにせよそれは歩み続けなければ、前に進もうとする意志がなければわからないことだけどな」
「……」
京太郎は、それに対して反論できなかった。
目の前にいる女性が自分と同じ人間なのか、そうとまで思った。
余りにも凛としたその姿に京太郎の心はかき乱される。
――挑まねば、勝てない――
なぜか、その一言が心に突き刺さった。
「ところで須賀君」
「は、はい」
唐突に話を振られ、京太郎はびくりとしながらも返事を返した。
「君は今、『何か』を持っていないのかもしれない。だが、それが未来永劫そうなのだと誰が決めたんだ?」
「……えっ?」
「もしかしたら、それは厳しい修練の先にあるのかもしれない。敗北に塗れ、辛酸を舐め尽くした上で手に入るものなのかもしれない」
「い、いや、それは」
それは、考えてもみなかった発想だった。
そういった連中は生まれた時から、気が付けばもっている類のもの。
一種の才能めいたものなのだと思っていた。
「どちらにせよそれは歩み続けなければ、前に進もうとする意志がなければわからないことだけどな」
「……」
京太郎は、それに対して反論できなかった。
と言うわけでいったんここまで。
眠さがマッハだけど書き続けはします。
というか休日のため昼間とかにもふらりと投下するかもしれません。
目標は土曜日中の完結!
眠さがマッハだけど書き続けはします。
というか休日のため昼間とかにもふらりと投下するかもしれません。
目標は土曜日中の完結!
しまった。……やってしまった。
>> 254と>>255の間に1文を挟み忘れた。
>> 254と>>255の間に1文を挟み忘れた。
乙。
まあ怜みたいに後天的にってパターンもあるしな。
結局のところ、京太郎の場合は環境が悪かったんや!としかいいようがないわけで。
鶴賀は言ってみれば、気兼ねなく努力できる環境だったといえるし…
まあ怜みたいに後天的にってパターンもあるしな。
結局のところ、京太郎の場合は環境が悪かったんや!としかいいようがないわけで。
鶴賀は言ってみれば、気兼ねなく努力できる環境だったといえるし…
乙です
京太郎は清澄じゃなかったら潜在力4を活かせたと思うわ
京太郎は清澄じゃなかったら潜在力4を活かせたと思うわ
>163 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 投稿日:2012/12/23(日) 23:36:02.05 ID:2lWY1SWzo
>「否 我々の与える物は全てあの者に与えた。
>我々が奪える物はかの者から全て奪った。
>自分の人生 自分の幼馴染み 自分の信義 自分の忠義 全て賭けてもまだたりない。
>だからやくざな我々からも 賭け金を借り出した。
>たとえそれが一晩明けて鶏が鳴けば身を滅ぼす法外な利息だとしても、
>2年かけてあの男はあの宮永咲と勝負するために全てを賭けた。
>我々と同じ様にな 一夜の勝負に全てを賭けた。
>運命がカードをまぜ賭場は一度!! 勝負は一度きり!!相手は鬼札(ジョーカー)!!
>さてお前は何だ!! 須賀京太郎!」
こっちの京ちゃんはこうならなそうやね
>「否 我々の与える物は全てあの者に与えた。
>我々が奪える物はかの者から全て奪った。
>自分の人生 自分の幼馴染み 自分の信義 自分の忠義 全て賭けてもまだたりない。
>だからやくざな我々からも 賭け金を借り出した。
>たとえそれが一晩明けて鶏が鳴けば身を滅ぼす法外な利息だとしても、
>2年かけてあの男はあの宮永咲と勝負するために全てを賭けた。
>我々と同じ様にな 一夜の勝負に全てを賭けた。
>運命がカードをまぜ賭場は一度!! 勝負は一度きり!!相手は鬼札(ジョーカー)!!
>さてお前は何だ!! 須賀京太郎!」
こっちの京ちゃんはこうならなそうやね
乙
それはそれで面白そうだがな、でも原作では一度も能力者に無能力者が勝っていない件
それはそれで面白そうだがな、でも原作では一度も能力者に無能力者が勝っていない件
耐えられないと言ったら嘘になるって文脈からすると耐えられると言ったらでは?
乙
乙
乙ー。部長がこの手のおっさんと知り合いっなのって違和感無さ過ぎて困るwww
かじゅはただがむしゃらに挑むだけじゃなく、衣や咲みたいな化物がいることを十分理解した上で、
「でも少しでもそいつらに有効な打ち方をできるようにあがく」打牌をできるあたりがすごいと思うんだよなー。
これからでも何かを持つことはできるって意見には完全に同意。怜やリザベーションみたいな例もあるんだし。
これから京太郎がどんな方向に向かっていくのか、とても楽しみ!!
かじゅはただがむしゃらに挑むだけじゃなく、衣や咲みたいな化物がいることを十分理解した上で、
「でも少しでもそいつらに有効な打ち方をできるようにあがく」打牌をできるあたりがすごいと思うんだよなー。
これからでも何かを持つことはできるって意見には完全に同意。怜やリザベーションみたいな例もあるんだし。
これから京太郎がどんな方向に向かっていくのか、とても楽しみ!!
>>267
国広くん(震え声)
国広くん(震え声)
>>269
久「当時は若く、お金が必要でした」
久「当時は若く、お金が必要でした」
>>273
やめーや
やめーや
おつー
普通に特訓するより何か特殊な力を得るためのオカルトな特訓をした方が効率はよさそう
普通に特訓するより何か特殊な力を得るためのオカルトな特訓をした方が効率はよさそう
普段から魔王の気に当てられてる京太郎ならオカルトの発現もそう遠くないはず
おつー
ただ、後天的にオカルトを得られたとしても、
最初からそれがを「もっていなかった」かは誰にも証明出来ないんだよなぁ。
怜だってキッカケがあっただけで最初からあった才能が開花しただけなのかもしれないし。
ただ、後天的にオカルトを得られたとしても、
最初からそれがを「もっていなかった」かは誰にも証明出来ないんだよなぁ。
怜だってキッカケがあっただけで最初からあった才能が開花しただけなのかもしれないし。
部に戻ったところで問題解決というわけにはいかないというのが一番の問題のような気がする。
負けが有ることと負けしか無いのでは大差有るけどな…
ちょっとラス続くだけでも結構くる
ちょっとラス続くだけでも結構くる
「っと、すまない。若干責めるような言い方になってしまったな」
呆然とした様子の京太郎を見て慌てて小さく頭を下げるゆみ
「私の言ったことが正しいことなどというつもりは全くない。『何か』については完全に推測だしな」
京太郎は小さくいえ、と返すのが精いっぱいだった。
すると、ここまで黙って二人のやり取りを眺めていた久が口を開いた。
「そうね、須賀君。私は決して部に戻るように説得するために加治木さんを呼んだわけじゃないの」
どこか悲しそうな顔で久は顔を伏せながら言った。
「ただ、須賀君。あなたはこの先のことをどうするかきっと悩んでいると思ったから、貴方に近い人の話をしてもらおうと思ってね……」
(ただ、強烈過ぎたかもしれないわね。正直ここまでの人だとは思わなかったわ……)
久は若干後悔しつつも無理矢理笑みを浮かべて京太郎に向き直った。
「こう言い方はなんだけど……所詮は高校の部活よ。そこまでの苦しみを味わう必要はないと思う。嫌だからと言って辞めたとして、責めるつもりはないわ」
辞める、という言葉にびくりと体を震わせる京太郎。
「ただ麻雀を続けたいというのであれば、いくらでもやる環境はあるわ。なんだったらこの雀荘のアルバイトとしておじさんに紹介してあげる」
客と談笑する店主をちらりと見ながら久は話を続けた。
「もしくは、麻雀は趣味レベルに留めておいて、もっと打ち込める何かを見つけるっていうのもいいと思う。まだ1年生だもの、取り戻しは効くわ」
久は3つの選択肢を示した。
麻雀部に戻るか
麻雀部から離れ別の環境で麻雀を打つか
麻雀とは別の、打ち込める何かを探すか
京太郎の頭の中でその3つの選択肢がぐるぐるとぐるぐると回り続ける。
もはや自分でもいったい何を望んでいるのか、わからなくなってきていた。
呆然とした様子の京太郎を見て慌てて小さく頭を下げるゆみ
「私の言ったことが正しいことなどというつもりは全くない。『何か』については完全に推測だしな」
京太郎は小さくいえ、と返すのが精いっぱいだった。
すると、ここまで黙って二人のやり取りを眺めていた久が口を開いた。
「そうね、須賀君。私は決して部に戻るように説得するために加治木さんを呼んだわけじゃないの」
どこか悲しそうな顔で久は顔を伏せながら言った。
「ただ、須賀君。あなたはこの先のことをどうするかきっと悩んでいると思ったから、貴方に近い人の話をしてもらおうと思ってね……」
(ただ、強烈過ぎたかもしれないわね。正直ここまでの人だとは思わなかったわ……)
久は若干後悔しつつも無理矢理笑みを浮かべて京太郎に向き直った。
「こう言い方はなんだけど……所詮は高校の部活よ。そこまでの苦しみを味わう必要はないと思う。嫌だからと言って辞めたとして、責めるつもりはないわ」
辞める、という言葉にびくりと体を震わせる京太郎。
「ただ麻雀を続けたいというのであれば、いくらでもやる環境はあるわ。なんだったらこの雀荘のアルバイトとしておじさんに紹介してあげる」
客と談笑する店主をちらりと見ながら久は話を続けた。
「もしくは、麻雀は趣味レベルに留めておいて、もっと打ち込める何かを見つけるっていうのもいいと思う。まだ1年生だもの、取り戻しは効くわ」
久は3つの選択肢を示した。
麻雀部に戻るか
麻雀部から離れ別の環境で麻雀を打つか
麻雀とは別の、打ち込める何かを探すか
京太郎の頭の中でその3つの選択肢がぐるぐるとぐるぐると回り続ける。
もはや自分でもいったい何を望んでいるのか、わからなくなってきていた。
ふさぎ込んだ京太郎を見て久は苦笑する。
「ごめんなさい、余計に惑わせちゃったわね。よし、じゃあ、せっかくだから打ちましょうか!」
明るい声で二人にそう宣言する久。
「私は構わないが……」
ゆみはその言葉を受けてちらりと京太郎を見る。
「いや、俺、麻雀は」
「1回だけ! 1回だけだから、ね?」
「でも……」
「ほら、私と加治木さんより順位が上になったらご褒美あげるから!」
「……ご褒美?」
「ふふっ」
途端に悪戯を思いついたような、とても似合う顔をして久は京太郎に顔を近づけて小さく耳打ちした。
「パンツ、見せてあげよっか?」
「!?!?!?!?!?!?」
基本京太郎は欲望に忠実な人間である。
先ほどまでの悩んでいた気持ちはまだ残っていたが煩悩というものが京太郎の中で鎌首をもたげてくる。
慌てた姿の京太郎を見て久は満足げに頷いた。
「よし、須賀君もやる気になったようだし、決まりね。おじさんに人を貸してもらえるか頼んでくるわ」
そう言いながら久は席を立ち、店主に話をしに行った。
「ごめんなさい、余計に惑わせちゃったわね。よし、じゃあ、せっかくだから打ちましょうか!」
明るい声で二人にそう宣言する久。
「私は構わないが……」
ゆみはその言葉を受けてちらりと京太郎を見る。
「いや、俺、麻雀は」
「1回だけ! 1回だけだから、ね?」
「でも……」
「ほら、私と加治木さんより順位が上になったらご褒美あげるから!」
「……ご褒美?」
「ふふっ」
途端に悪戯を思いついたような、とても似合う顔をして久は京太郎に顔を近づけて小さく耳打ちした。
「パンツ、見せてあげよっか?」
「!?!?!?!?!?!?」
基本京太郎は欲望に忠実な人間である。
先ほどまでの悩んでいた気持ちはまだ残っていたが煩悩というものが京太郎の中で鎌首をもたげてくる。
慌てた姿の京太郎を見て久は満足げに頷いた。
「よし、須賀君もやる気になったようだし、決まりね。おじさんに人を貸してもらえるか頼んでくるわ」
そう言いながら久は席を立ち、店主に話をしに行った。
「……一体何を言われたんだ?」
店主と何やら話している久を見ながらゆみは訝しげに尋ねた。
「い、いや、大したことじゃないですよ、は、はは」
空笑いをしながら動揺丸見えな姿で京太郎は言った。
ゆみはそれを訝しげに見つつも、話題を変えた。
「しかし、いい先輩を持ったな、須賀君」
「……えっ?」
いきなりの発言に京太郎はぽかんと口を開ける。
「先ほどはついでで来た、と言ったが実は違う。君の先輩に頼みこまれてきたんだ」
何が楽しいのか、笑みを浮かべながらゆみは言った。
「昨日いきなり電話がかかってきてな。私の後輩を助けてほしい。私の言葉では、届かないかもしれない、そう言いながら」
京太郎は黙って言葉の続きを持った。
「同じ長野県内とは言え、ここまではかなり距離があるし、いきなりだったからな。返事をしあぐねていたんだが……」
「何度も、何度も頼んできてな。ある種人を食ったようなところもある竹井があれほど必死になるとは正直想像もできなかった」
京太郎も想像ができなかった。
京太郎の中で久はいつも余裕があり、自分のペースに巻き込んでく。そんな人間だと思っていた。
「まぁ、もともと新生活に向けた下見なんかもあったしな。無理矢理予定をつけてやってきたというわけだ」
そこまで言い切ってゆみは笑いながら、どこか羨ましそうな顔をした。
「いい先輩を持ったな、須賀君。私には先輩がいなかったから、君が羨ましい」
京太郎はその言葉に返事ができなかった。
店主と何やら話している久を見ながらゆみは訝しげに尋ねた。
「い、いや、大したことじゃないですよ、は、はは」
空笑いをしながら動揺丸見えな姿で京太郎は言った。
ゆみはそれを訝しげに見つつも、話題を変えた。
「しかし、いい先輩を持ったな、須賀君」
「……えっ?」
いきなりの発言に京太郎はぽかんと口を開ける。
「先ほどはついでで来た、と言ったが実は違う。君の先輩に頼みこまれてきたんだ」
何が楽しいのか、笑みを浮かべながらゆみは言った。
「昨日いきなり電話がかかってきてな。私の後輩を助けてほしい。私の言葉では、届かないかもしれない、そう言いながら」
京太郎は黙って言葉の続きを持った。
「同じ長野県内とは言え、ここまではかなり距離があるし、いきなりだったからな。返事をしあぐねていたんだが……」
「何度も、何度も頼んできてな。ある種人を食ったようなところもある竹井があれほど必死になるとは正直想像もできなかった」
京太郎も想像ができなかった。
京太郎の中で久はいつも余裕があり、自分のペースに巻き込んでく。そんな人間だと思っていた。
「まぁ、もともと新生活に向けた下見なんかもあったしな。無理矢理予定をつけてやってきたというわけだ」
そこまで言い切ってゆみは笑いながら、どこか羨ましそうな顔をした。
「いい先輩を持ったな、須賀君。私には先輩がいなかったから、君が羨ましい」
京太郎はその言葉に返事ができなかった。
「お待たせー。メンバーの一人を貸してもらえたわー」
「よ、よろしくお願いします」
恐らく新人なのだろう、エプロンをしてどこか初々しい感じのある女性店員が久の後ろに続いた。
女性店員は全員の顔を眺めた後に、よろしくお願いします、と頭を下げた後、言った。
「全国レベルの人と比べちゃうと私の腕じゃ物足りないかもしれませんが……今日も3連続ラス引いた後ですし……」
「いいのいいの! 今日はうちの1年生も入ってるし、それに」
そこまで言って久は京太郎に向き直った。まるで、京太郎にも同意を求めるように。
「理不尽な何かが、味方してくれるかもしれないわよ」
そう、言った。
(『何か』を持っていなくても、理不尽が味方する……本当に)
(本当にそんなこと、あるのか)
思い悩む京太郎を尻目に、起親決めのサイコロが振られた。
「よ、よろしくお願いします」
恐らく新人なのだろう、エプロンをしてどこか初々しい感じのある女性店員が久の後ろに続いた。
女性店員は全員の顔を眺めた後に、よろしくお願いします、と頭を下げた後、言った。
「全国レベルの人と比べちゃうと私の腕じゃ物足りないかもしれませんが……今日も3連続ラス引いた後ですし……」
「いいのいいの! 今日はうちの1年生も入ってるし、それに」
そこまで言って久は京太郎に向き直った。まるで、京太郎にも同意を求めるように。
「理不尽な何かが、味方してくれるかもしれないわよ」
そう、言った。
(『何か』を持っていなくても、理不尽が味方する……本当に)
(本当にそんなこと、あるのか)
思い悩む京太郎を尻目に、起親決めのサイコロが振られた。
だが、京太郎はこの対局で『理不尽なそれ』を経験することになる。実際にあることだと、痛感することになる。
このタイミング、このたった1回の対局でそれが出たのは偶然か、それとも
神が京太郎を麻雀に引き留めようとしたのか。
このタイミング、このたった1回の対局でそれが出たのは偶然か、それとも
神が京太郎を麻雀に引き留めようとしたのか。
店員 25000(親)
久 25000
京太郎 25000
ゆみ 25000
『京太郎配牌』
129m2466s68p東南南白
(萎える配牌だな……)
京太郎は内心ため息をつきながら自分の手をいかに進めるかを考え始める。
だが、しばらく考えていても親の第1打が切られず、ふと店員の顔を見た。
「あ、えーっと、うー? え? え?」
手恰好が難しいのか酷く落ち着かない様子で悩んでいた。
何度も何度も手の中を確認し、じっと見つめた後、震える手で9萬を切り出して牌を横に向けた。
「リーチ……」
震える声で宣言する。
(ダブリーだったのか。天和チャンスだったのかな?)
自分の手を見て即ベタ降りを決定する。とりあえず9萬を切り出し、そのあとは南の対子を落とそう。
そう、京太郎が思っていた時だった。
「ろ、ロンです!」
裏返った声で店員が発声する。驚いた顔で久は自分が捨てた北を見た。
「い、いかさまじゃ、ないです、からね?」
そう言いながら、店員はその手を、倒した。
久 25000
京太郎 25000
ゆみ 25000
『京太郎配牌』
129m2466s68p東南南白
(萎える配牌だな……)
京太郎は内心ため息をつきながら自分の手をいかに進めるかを考え始める。
だが、しばらく考えていても親の第1打が切られず、ふと店員の顔を見た。
「あ、えーっと、うー? え? え?」
手恰好が難しいのか酷く落ち着かない様子で悩んでいた。
何度も何度も手の中を確認し、じっと見つめた後、震える手で9萬を切り出して牌を横に向けた。
「リーチ……」
震える声で宣言する。
(ダブリーだったのか。天和チャンスだったのかな?)
自分の手を見て即ベタ降りを決定する。とりあえず9萬を切り出し、そのあとは南の対子を落とそう。
そう、京太郎が思っていた時だった。
「ろ、ロンです!」
裏返った声で店員が発声する。驚いた顔で久は自分が捨てた北を見た。
「い、いかさまじゃ、ないです、からね?」
そう言いながら、店員はその手を、倒した。
『店員手牌』
111m333888s444p北
「四暗刻単騎……や、役満です!」
一旦ここまで。
はい、皆様、「ダブリースッタンとかねーよwww」って思われるでしょう。
わかっています。わかっていますが>>16にも書いた通り、これ、実話なんすよ(震え声)
まぁ、サンマだったというのはありますが、他は実際の出来事です。
ちなみにアガったのがメンバーというのも現実の通り。
振り込んだ下家おっちゃんが「積み込みだろー!」って騒いでました。
そのあとしばらくのおっちゃんのへこみっぷりは見てて気の毒だった……
はい、皆様、「ダブリースッタンとかねーよwww」って思われるでしょう。
わかっています。わかっていますが>>16にも書いた通り、これ、実話なんすよ(震え声)
まぁ、サンマだったというのはありますが、他は実際の出来事です。
ちなみにアガったのがメンバーというのも現実の通り。
振り込んだ下家おっちゃんが「積み込みだろー!」って騒いでました。
そのあとしばらくのおっちゃんのへこみっぷりは見てて気の毒だった……
ああ、そういえばここに書いてある麻雀の描写は実際にあったんだっけ……メゲるわ、こんなの
おつー
形は違うけどつい昨日東一で四暗刻単騎に振り込んだわ……
形は違うけどつい昨日東一で四暗刻単騎に振り込んだわ……
麻雀の神が京太郎にトドメ刺しに来てるようにしか見えないんですが…
ありえないけどあり得るのが麻雀やからな
上手い下手はあるけどガチでその日の運だと俺はおもうで
上手い下手はあるけどガチでその日の運だと俺はおもうで
こんなん振ったら笑いが止まらんくなるわwww(レート次第だけど)
場の空気は変になるし、一回しかないけど東一役満によるぶっ飛ばしの楽しさは異常
場の空気は変になるし、一回しかないけど東一役満によるぶっ飛ばしの楽しさは異常
乙。
理不尽があると実証されたところで、その理不尽が降りてくるまで何百回と敗北しないといけないのは変わらないしな。
そもそも、この話の肝って理不尽があるかないかの問題じゃないし。
京太郎はあくまで自分の力で魔物と対等に戦いたいんだから、運が味方して勝って「よし咲たちと対等だぜ」とはなるまい。
理不尽があると実証されたところで、その理不尽が降りてくるまで何百回と敗北しないといけないのは変わらないしな。
そもそも、この話の肝って理不尽があるかないかの問題じゃないし。
京太郎はあくまで自分の力で魔物と対等に戦いたいんだから、運が味方して勝って「よし咲たちと対等だぜ」とはなるまい。
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