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元スレ京太郎「もつものと、もたざるもの」
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1は名前付きで顔を赤くして
4はちょっと顔を反らしてボソッと
6はジト目で言って欲しいです
4はちょっと顔を反らしてボソッと
6はジト目で言って欲しいです
1が可愛くて良いです
でも4のちょっと叱られてる感じもたまりません
何が言いたいかというと、要はキャラによってビビクンとくるセリフは異なるという事です
そのキャラに合っているセリフである事が大事なのです
咲なら1、まこなら4が個人的にビビクンときます
でも4のちょっと叱られてる感じもたまりません
何が言いたいかというと、要はキャラによってビビクンとくるセリフは異なるという事です
そのキャラに合っているセリフである事が大事なのです
咲なら1、まこなら4が個人的にビビクンときます
皆好きやね(歓喜)
それぞれのこだわりが見えててすごくいいと思います。
いつかエロスレを書く機会があったときにでも参考にします。
そして次回作のスレ立て&初回投下が完了しました
京太郎「悪女」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362666103/
こちらのスレは折を見てHTML化依頼投げておきます。
それぞれのこだわりが見えててすごくいいと思います。
いつかエロスレを書く機会があったときにでも参考にします。
そして次回作のスレ立て&初回投下が完了しました
京太郎「悪女」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362666103/
こちらのスレは折を見てHTML化依頼投げておきます。
平仮名だと恥ずかしがるような、片仮名だと蔑んでいるように思える
なお個人的には1
なお個人的には1
変態の各自の言い方は
透華「へ、へんたい・・・(赤面)」
和「変態(絶対零度の汚物を見る目)」
姫様「へんたい(意味が解っていない)」
カンちゃん「変態(面白いネタを見つけた目」
姉帯さん「へんたい(ごく普通)」
な感じ。透華が妙に可愛く感じるのは何故だろう。
透華「へ、へんたい・・・(赤面)」
和「変態(絶対零度の汚物を見る目)」
姫様「へんたい(意味が解っていない)」
カンちゃん「変態(面白いネタを見つけた目」
姉帯さん「へんたい(ごく普通)」
な感じ。透華が妙に可愛く感じるのは何故だろう。
怜が4でりゅーかは3
クロチャーが2でお姉ちゃんが1ってイメージ
クロチャーが2でお姉ちゃんが1ってイメージ
このスレの残りで小ネタをやってくれてもええんやで?
かじゅと良い雰囲気になる京太郎の話とか、家の冷蔵庫が壊れて大変な目に遭う池田の話とか
かじゅと良い雰囲気になる京太郎の話とか、家の冷蔵庫が壊れて大変な目に遭う池田の話とか
週中の夜。
京太郎は個人経営の居酒屋でビールを飲んでいた。
週中と言うこともありそこまで人は多くない上に、個室なため比較的静かな空気が流れている。
「そろそろ、かな?」
京太郎はちらりと時計を見た。
約束の時間から30分ほど過ぎているが、それについてはすでに謝罪の連絡が来ている。
どうしても手持ち無沙汰なため一杯だけビールを頼んだが、あまり進んでいない。
「やっぱこんな部屋でひとり飲んでてもなぁ……」
そうぼやきながら京太郎はお通しの枝豆を口に入れた。
その後、手持ち無沙汰になった京太郎は何気なく携帯を手に取った。
手馴れた手つきで操作し、ブックマークに入れたそのページを開く。
味も素っ気無いただのニュースサイトだが、そこに書かれた記事を読むだけで京太郎は笑みが止まらなくなった。
ニュースの掲載時期はもう1か月も前だが、それでもここ最近の京太郎は何気ないときにそのニュースを見るのが習慣になっていた。
「やっぱ、すげぇよな」
そんなことをポツリと呟くと個室に近づいてくる足音を聞いた。
京太郎は思わず佇まいを直す。
小走り気味のその足音はまっすぐ近づいてきて、扉を開けた。
「すまない、遅くなったな」
「いえいえ。お仕事お疲れ様です」
そんな挨拶を交わすと、店員にビールの注文をして、加治木ゆみは京太郎の目の前に座った。
京太郎は個人経営の居酒屋でビールを飲んでいた。
週中と言うこともありそこまで人は多くない上に、個室なため比較的静かな空気が流れている。
「そろそろ、かな?」
京太郎はちらりと時計を見た。
約束の時間から30分ほど過ぎているが、それについてはすでに謝罪の連絡が来ている。
どうしても手持ち無沙汰なため一杯だけビールを頼んだが、あまり進んでいない。
「やっぱこんな部屋でひとり飲んでてもなぁ……」
そうぼやきながら京太郎はお通しの枝豆を口に入れた。
その後、手持ち無沙汰になった京太郎は何気なく携帯を手に取った。
手馴れた手つきで操作し、ブックマークに入れたそのページを開く。
味も素っ気無いただのニュースサイトだが、そこに書かれた記事を読むだけで京太郎は笑みが止まらなくなった。
ニュースの掲載時期はもう1か月も前だが、それでもここ最近の京太郎は何気ないときにそのニュースを見るのが習慣になっていた。
「やっぱ、すげぇよな」
そんなことをポツリと呟くと個室に近づいてくる足音を聞いた。
京太郎は思わず佇まいを直す。
小走り気味のその足音はまっすぐ近づいてきて、扉を開けた。
「すまない、遅くなったな」
「いえいえ。お仕事お疲れ様です」
そんな挨拶を交わすと、店員にビールの注文をして、加治木ゆみは京太郎の目の前に座った。
「思ったより対局が長引いてしまってな。待ったか?」
「ちょっとだけですよ。気にしないでください」
「そうか」
そんな会話をしていると店員がビールを持ってくる。
ゆみはそれを手に取り、京太郎に向けた。
京太郎もそれに続く。
「それでは、加治木プロの初タイトル獲得を祝って、乾杯!」
「若干照れくさいが……乾杯」
そう言って、グラスを合わせる。
小気味いい音が響いた後、二人はグラスに口をつけた。
ふぅ、とゆみはグラスから口を離してため息をついた。
「昔はビールなんて飲めたものじゃないと思ってたんだがな」
「少なくとも、最初の一口は大体の人がおいしく感じてくるんですよね」
そう言いながら二人はグラスを置いた。
すると京太郎は満面の笑みを浮かべながら口を開いた。
「でもほんと、おめでとうございます。中継、見てましたよ。最後の逆転手をアガったときは思わず大声出しちゃいました」
「ありがとう。とは言え、そこまでのビックタイトルではないんだがな。規模的には小規模だし、運に助けられた所も多かった」
「いやいや、運とかそういうのもひっくるめて麻雀じゃないですか。あと、小規模だろうと何だろうとタイトルはタイトルです」
そこまで言うと京太郎はグラスに残ったビールを一気に流し込んで言った。
殆ど何も食べていない状況で一気に流し込んだため多少クるものがあったがそれを堪えながら言った。
「俺、ほんとに嬉しかったんですよ。やっと、やっと、加治木さんに確かなものが手に入って」
「……そうだな。トッププロから言わせればタイトルのひとつぐらいで、と思うんだろうが。うん、やはり、嬉しかった。ようやく報われた気がするよ」
ゆみが柔らかく微笑んだ。
嬉しかった、その一言にいろいろな思いがこめられているのを感じて、京太郎は思わず目頭が熱くなった。
それを振り払うように京太郎はにやりと笑う。
「というわけで、加治木プロファンクラブとしてはどうしても祝わずには居られなくてこんな席を設けさせていただきました」
「なんだそれは……。ファンクラブがあるなんて聞いたことがないぞ」
「非公式ですがありますよ? メンバーは俺しか居ませんが」
「一人きりのファンクラブなど聴いたことがないが?」
「じゃあ、大々的に作りましょうか? 俺、会長やります! 声をかければきっと東横さんとかも……」
「やめてくれ」
言葉をさえぎって苦笑するゆみ。それにつられて、京太郎も笑った。
「ちょっとだけですよ。気にしないでください」
「そうか」
そんな会話をしていると店員がビールを持ってくる。
ゆみはそれを手に取り、京太郎に向けた。
京太郎もそれに続く。
「それでは、加治木プロの初タイトル獲得を祝って、乾杯!」
「若干照れくさいが……乾杯」
そう言って、グラスを合わせる。
小気味いい音が響いた後、二人はグラスに口をつけた。
ふぅ、とゆみはグラスから口を離してため息をついた。
「昔はビールなんて飲めたものじゃないと思ってたんだがな」
「少なくとも、最初の一口は大体の人がおいしく感じてくるんですよね」
そう言いながら二人はグラスを置いた。
すると京太郎は満面の笑みを浮かべながら口を開いた。
「でもほんと、おめでとうございます。中継、見てましたよ。最後の逆転手をアガったときは思わず大声出しちゃいました」
「ありがとう。とは言え、そこまでのビックタイトルではないんだがな。規模的には小規模だし、運に助けられた所も多かった」
「いやいや、運とかそういうのもひっくるめて麻雀じゃないですか。あと、小規模だろうと何だろうとタイトルはタイトルです」
そこまで言うと京太郎はグラスに残ったビールを一気に流し込んで言った。
殆ど何も食べていない状況で一気に流し込んだため多少クるものがあったがそれを堪えながら言った。
「俺、ほんとに嬉しかったんですよ。やっと、やっと、加治木さんに確かなものが手に入って」
「……そうだな。トッププロから言わせればタイトルのひとつぐらいで、と思うんだろうが。うん、やはり、嬉しかった。ようやく報われた気がするよ」
ゆみが柔らかく微笑んだ。
嬉しかった、その一言にいろいろな思いがこめられているのを感じて、京太郎は思わず目頭が熱くなった。
それを振り払うように京太郎はにやりと笑う。
「というわけで、加治木プロファンクラブとしてはどうしても祝わずには居られなくてこんな席を設けさせていただきました」
「なんだそれは……。ファンクラブがあるなんて聞いたことがないぞ」
「非公式ですがありますよ? メンバーは俺しか居ませんが」
「一人きりのファンクラブなど聴いたことがないが?」
「じゃあ、大々的に作りましょうか? 俺、会長やります! 声をかければきっと東横さんとかも……」
「やめてくれ」
言葉をさえぎって苦笑するゆみ。それにつられて、京太郎も笑った。
それから、お互いの近況を話し合う。
誰々が結婚した、誰々が転職した、誰々に子供が生まれた。
もともと別々の高校の2人だったが、15年越しの付き合いとなってくると共通の知り合いと言うのも増えてくる。
しばらくそんな話が途絶えることがなかった。
それに伴いお酒の量も増えていき、テーブルに並ぶ料理も徐々に減っていった。
「そうだ。こんなお祝いの席でいうのもなんですが」
顔がすっかり赤くなり、多少呂律が怪しくなってきた京太郎が話題を切り出す。
「ん? どうした?」
こちらは多少赤くなっているものの、まだまだ平気そうなゆみが返事をする。
「俺、この前……ようやく、咲たちに勝つことが出来ました」
「!」
「やっとです。15年、かかっちゃいました」
怪しい呂律でも、その言葉にどれほどの重みがあるのかゆみは理解していた。
京太郎がどれほどの敗北を積み上げ、どれほど苦難の道を歩み続けたのか、ゆみにはわかっていた。
「そうか。よく、頑張ったな。おめでとう」
ゆみはそう言うのが限界だった。
それ以上何かを言おうと思ったが陳腐になってしまいそうだったので口を閉じた。
「ありがとうございます」
京太郎もそう小さく返した。目頭が潤んでいるのは酒だけのせいではないだろう。
それを隠すように京太郎は上を向いた。
「ほんと、長かったです。理不尽な振込みやらツモに苛立ったり、皆が嫌いになりそうになったり、何度もありました」
「……でも君はやり遂げた」
「正直、自分でも驚いています。15年前、歩き続けると決めて、ここまで来れた事に。途中でなんども倒れそうになったのに、でも立ち上がれたんです」
本当に不思議そうに京太郎は首をかしげた。
ゆみはそれを聞いて手元の日本酒に口をつけて微笑みながらそれに答えた。
「月並みで陳腐な言い方だが、君は強くなったんだろう。技術よりなにより、精神的に。感服するよ」
「そうですかね? 俺は、俺なんかよりまっすぐ背筋を伸ばして歩き続けている人を知っているんで、その人と比べちゃうと」
そういうと京太郎は赤くなった顔でにやり、と笑った。
ゆみは少し考えるようなそぶりをして、とぼけたように答える。
「さて、誰のことだ?」
「さぁ、誰でしょうね。ただ、その人は俺の目標で、憧れで……。俺に手本を示してくれたから、俺はそのあとをついて行っただけですよ」
「……そうか。ではその人も君を失望させないように頑張らないとな」
「うっす、俺も負けないように頑張ります。とりあえず、次は通算勝率1%を目指したいですね。多分、今勝率0.000……いくつでしょ?」
京太郎は笑いながらそんなことを言っているが、もどこか真剣な決意を秘めているのをゆみは感じていた。
誰々が結婚した、誰々が転職した、誰々に子供が生まれた。
もともと別々の高校の2人だったが、15年越しの付き合いとなってくると共通の知り合いと言うのも増えてくる。
しばらくそんな話が途絶えることがなかった。
それに伴いお酒の量も増えていき、テーブルに並ぶ料理も徐々に減っていった。
「そうだ。こんなお祝いの席でいうのもなんですが」
顔がすっかり赤くなり、多少呂律が怪しくなってきた京太郎が話題を切り出す。
「ん? どうした?」
こちらは多少赤くなっているものの、まだまだ平気そうなゆみが返事をする。
「俺、この前……ようやく、咲たちに勝つことが出来ました」
「!」
「やっとです。15年、かかっちゃいました」
怪しい呂律でも、その言葉にどれほどの重みがあるのかゆみは理解していた。
京太郎がどれほどの敗北を積み上げ、どれほど苦難の道を歩み続けたのか、ゆみにはわかっていた。
「そうか。よく、頑張ったな。おめでとう」
ゆみはそう言うのが限界だった。
それ以上何かを言おうと思ったが陳腐になってしまいそうだったので口を閉じた。
「ありがとうございます」
京太郎もそう小さく返した。目頭が潤んでいるのは酒だけのせいではないだろう。
それを隠すように京太郎は上を向いた。
「ほんと、長かったです。理不尽な振込みやらツモに苛立ったり、皆が嫌いになりそうになったり、何度もありました」
「……でも君はやり遂げた」
「正直、自分でも驚いています。15年前、歩き続けると決めて、ここまで来れた事に。途中でなんども倒れそうになったのに、でも立ち上がれたんです」
本当に不思議そうに京太郎は首をかしげた。
ゆみはそれを聞いて手元の日本酒に口をつけて微笑みながらそれに答えた。
「月並みで陳腐な言い方だが、君は強くなったんだろう。技術よりなにより、精神的に。感服するよ」
「そうですかね? 俺は、俺なんかよりまっすぐ背筋を伸ばして歩き続けている人を知っているんで、その人と比べちゃうと」
そういうと京太郎は赤くなった顔でにやり、と笑った。
ゆみは少し考えるようなそぶりをして、とぼけたように答える。
「さて、誰のことだ?」
「さぁ、誰でしょうね。ただ、その人は俺の目標で、憧れで……。俺に手本を示してくれたから、俺はそのあとをついて行っただけですよ」
「……そうか。ではその人も君を失望させないように頑張らないとな」
「うっす、俺も負けないように頑張ります。とりあえず、次は通算勝率1%を目指したいですね。多分、今勝率0.000……いくつでしょ?」
京太郎は笑いながらそんなことを言っているが、もどこか真剣な決意を秘めているのをゆみは感じていた。
「しかし、先ほど君は15年といったが、そうなると私と君が出会って15年ということになるのか」
「そう……なりますね」
あれからさらに酒が進んでいた。
京太郎はもう真っ赤であり、ゆみも顔には出ていないがそれなりに酔いがまわっているようだ。
「お互い、年を取ったな」
「いやいや、加治木さんは相変わらずお綺麗で」
酒の勢いか、京太郎は普段ではとても言えないような軽口を叩く。
「おだてても、支払は割り勘だぞ?」
お猪口を片手にゆみは苦笑する。
「いやいや、ほんとですって! 流石、美人すぎるプロ雀士なんて評判になっただけありますね」
「……読んだのか、あの雑誌」
ゆみはタイトルを取った時、いくつかの麻雀専門紙の取材を受けた。
それもプロの仕事だと割り切って受けたのだが発売された雑誌の煽り分に「美人すぎるプロ雀士。初タイトルを奪取!」などと煽り文が描かれていた。
もともとあまり目立つつもりはなかったため、雑誌に載るなどといったことは誰にも言わなかったが、やはり見ている人間は見ているな、とゆみは頭を抱えた。。
「加治木さんがタイトル取ってからそれ系の雑誌全部チェックしましたから!」
どこか誇らしげに京太郎は胸を張った。
「今すぐ捨てるんだ」
「いやです」
「捨てなさい」
「いやです。保存用布教用観賞用で3冊も買ったんですから」
「なぜそんな無駄なことを……大体布教とは何だ布教とは」
「ファンクラブですから」
「それはもういい……」
酒の飲みすぎとはまた違う頭痛をゆみは感じていた。
「全く……周りから散々からかわれたんだ。勘弁してほしい」
「いやーでも、しょうがないでよ。俺が雑誌の編集長だったらあの煽り文を訂正するどころかよく書いたって褒めてやりますよ!」
「君まで私をかつぐんじゃない。全く」
そういってゆみは京太郎の額を軽くパシッとはじいた。
叱られている側の京太郎はなぜか嬉しそうに笑った。
「そう……なりますね」
あれからさらに酒が進んでいた。
京太郎はもう真っ赤であり、ゆみも顔には出ていないがそれなりに酔いがまわっているようだ。
「お互い、年を取ったな」
「いやいや、加治木さんは相変わらずお綺麗で」
酒の勢いか、京太郎は普段ではとても言えないような軽口を叩く。
「おだてても、支払は割り勘だぞ?」
お猪口を片手にゆみは苦笑する。
「いやいや、ほんとですって! 流石、美人すぎるプロ雀士なんて評判になっただけありますね」
「……読んだのか、あの雑誌」
ゆみはタイトルを取った時、いくつかの麻雀専門紙の取材を受けた。
それもプロの仕事だと割り切って受けたのだが発売された雑誌の煽り分に「美人すぎるプロ雀士。初タイトルを奪取!」などと煽り文が描かれていた。
もともとあまり目立つつもりはなかったため、雑誌に載るなどといったことは誰にも言わなかったが、やはり見ている人間は見ているな、とゆみは頭を抱えた。。
「加治木さんがタイトル取ってからそれ系の雑誌全部チェックしましたから!」
どこか誇らしげに京太郎は胸を張った。
「今すぐ捨てるんだ」
「いやです」
「捨てなさい」
「いやです。保存用布教用観賞用で3冊も買ったんですから」
「なぜそんな無駄なことを……大体布教とは何だ布教とは」
「ファンクラブですから」
「それはもういい……」
酒の飲みすぎとはまた違う頭痛をゆみは感じていた。
「全く……周りから散々からかわれたんだ。勘弁してほしい」
「いやーでも、しょうがないでよ。俺が雑誌の編集長だったらあの煽り文を訂正するどころかよく書いたって褒めてやりますよ!」
「君まで私をかつぐんじゃない。全く」
そういってゆみは京太郎の額を軽くパシッとはじいた。
叱られている側の京太郎はなぜか嬉しそうに笑った。
「うー……あー……」
ゆみの目の前で京太郎がテーブルに突っ伏して呻いている。典型的な飲みすぎであった。
「全く、調子に乗って飲みすぎだ」
「ずみまぜーん……ずごじやずめば大丈夫だどおもいまず……」
「今水をお願いしたから、少し休んでいるといい」
「あー……」
もはや返事を返す気力もないようで京太郎はそれきり黙りこくった。
ゆみは、そんな京太郎の姿を見ながらふと思った。
(私と彼は、いったいどういう関係なんだろうな?)
あの新人戦で交流が途絶えると思った二人だが、細く長く交流は続いた。
時たま一緒に麻雀を打ったり、受験の際は勉強を見たり相談に乗ったこともあった。
お互い働き始めてもメールや電話はしているし、こうやって時々飲みに行くこともあった。
(先輩後輩……というわけではないな。結局高校も大学も違ったわけだ)
(友人……まぁ、妥当な線だがどうもしっくりこない)
(同志……うん、しっくりくる。同じ物を志す、同志。うん、そうだ)
例え歩いている道が違っても、二人が目指しているものは一緒だった。
それはアレから一度たりとも変わることはなった。
京太郎もゆみもただひたすらに進み続けた。
(とはいえ)
すっと、机に突っ伏す京太郎に頭に手を伸ばしてみる。
(お互い、目標に対してそこそこの結果は得ることができた)
軽く撫でると京太郎は特に何も反応せず黙っていた。
(もちろんまだまだ、納得できるレベルではないが)
髪をやさしくかきあげ、ゆみは京太郎の顔を覗き込んでみる。
京太郎はぼーっとした目でゆみを見た。
「なんでずがー……」
(ちょうどいい、変わるきっかけなのだろうか)
(須賀君は、私のことをどう思っているのだろうか)
(私は、須賀君をどう思っているのだろうか)
「かじきさーん?」
再度呼び掛けられ、ゆみは我に返った。
「いや、なんでもない」
そういいつつも京太郎を軽く撫でる手は止まらなかった。
ゆみの目の前で京太郎がテーブルに突っ伏して呻いている。典型的な飲みすぎであった。
「全く、調子に乗って飲みすぎだ」
「ずみまぜーん……ずごじやずめば大丈夫だどおもいまず……」
「今水をお願いしたから、少し休んでいるといい」
「あー……」
もはや返事を返す気力もないようで京太郎はそれきり黙りこくった。
ゆみは、そんな京太郎の姿を見ながらふと思った。
(私と彼は、いったいどういう関係なんだろうな?)
あの新人戦で交流が途絶えると思った二人だが、細く長く交流は続いた。
時たま一緒に麻雀を打ったり、受験の際は勉強を見たり相談に乗ったこともあった。
お互い働き始めてもメールや電話はしているし、こうやって時々飲みに行くこともあった。
(先輩後輩……というわけではないな。結局高校も大学も違ったわけだ)
(友人……まぁ、妥当な線だがどうもしっくりこない)
(同志……うん、しっくりくる。同じ物を志す、同志。うん、そうだ)
例え歩いている道が違っても、二人が目指しているものは一緒だった。
それはアレから一度たりとも変わることはなった。
京太郎もゆみもただひたすらに進み続けた。
(とはいえ)
すっと、机に突っ伏す京太郎に頭に手を伸ばしてみる。
(お互い、目標に対してそこそこの結果は得ることができた)
軽く撫でると京太郎は特に何も反応せず黙っていた。
(もちろんまだまだ、納得できるレベルではないが)
髪をやさしくかきあげ、ゆみは京太郎の顔を覗き込んでみる。
京太郎はぼーっとした目でゆみを見た。
「なんでずがー……」
(ちょうどいい、変わるきっかけなのだろうか)
(須賀君は、私のことをどう思っているのだろうか)
(私は、須賀君をどう思っているのだろうか)
「かじきさーん?」
再度呼び掛けられ、ゆみは我に返った。
「いや、なんでもない」
そういいつつも京太郎を軽く撫でる手は止まらなかった。
(ただの飲み友達? 気の合う先輩? 仲間?)
(……それとも?)
(っと何を女々しいことを。バカバカしい。年を考えろ)
(いや、年を考えたから、か。月並みに私もそういうことを考える余裕ができてきたということか)
(だが、私と須賀君か……)
(……)
(うん)
(悪くないかもしれない)
(いいかもしれないな)
(そんな未来も、悪くないかもしれないな)
「須賀君」
「なんでずがー」
ゾンビのような声を出して京太郎は返事をする。
それに構わず、どこか真剣な口調でゆみは続けた。
「2人で、旅行にでも行かないか。お祝いも兼ねて」
「……えっ?」
一気に酔いが覚めたかのように、真顔になって京太郎は跳ね起きる。
そんな様子を見て、ゆみはくすりと笑った。
京太郎は慌てながらもその問いに対して、大きく頷いた。
(……それとも?)
(っと何を女々しいことを。バカバカしい。年を考えろ)
(いや、年を考えたから、か。月並みに私もそういうことを考える余裕ができてきたということか)
(だが、私と須賀君か……)
(……)
(うん)
(悪くないかもしれない)
(いいかもしれないな)
(そんな未来も、悪くないかもしれないな)
「須賀君」
「なんでずがー」
ゾンビのような声を出して京太郎は返事をする。
それに構わず、どこか真剣な口調でゆみは続けた。
「2人で、旅行にでも行かないか。お祝いも兼ねて」
「……えっ?」
一気に酔いが覚めたかのように、真顔になって京太郎は跳ね起きる。
そんな様子を見て、ゆみはくすりと笑った。
京太郎は慌てながらもその問いに対して、大きく頷いた。
おつ
ええなこの関係
ようやっと一息つくことが出来たってのも
ええなこの関係
ようやっと一息つくことが出来たってのも
あれですよ。
ただひたすら何かに費やし、卒業してからもプロの世界で死に物狂いでやってきた女性が、
やっと結果を残せたタイミングで遅れてきた青春謳歌する。そういうの大好きです。
せっかくなんで残りスレは小ネタとかを拾って書いて行こうと思います。
なんか希望があれば書いていってください
ただひたすら何かに費やし、卒業してからもプロの世界で死に物狂いでやってきた女性が、
やっと結果を残せたタイミングで遅れてきた青春謳歌する。そういうの大好きです。
せっかくなんで残りスレは小ネタとかを拾って書いて行こうと思います。
なんか希望があれば書いていってください
>>817
の二人が気になるステルスモモさん
の二人が気になるステルスモモさん
何度も何度も咲達に挑んでは負け続け、挫けたり諦めたりやさぐれそうになった時にいつも励まし振るい立たせてくれた誰かさんと京太郎のエピソード
実に良い後日談でした。本当に乙です!
小ネタをあえてリクエストするなら
「面倒見のいい先輩」から一歩踏み出せないまま、京太郎の背中をさみしく見送る乙女なまこ、で
小ネタをあえてリクエストするなら
「面倒見のいい先輩」から一歩踏み出せないまま、京太郎の背中をさみしく見送る乙女なまこ、で
京太郎(35)とかじゅ(38)の結婚式+それに参加した3人の様子とか
せっかく綺麗に終わったんだから咲ちゃんたちはそっとしておいてあげようよ……と思う反面
「ようやく自分たちも前に進める!」と喜んでいた清澄メンバーが
加治木プロと京太郎の旅行(しかも温泉)の噂を聞いて大荒れに荒れる話も見てみたかったりする
「ようやく自分たちも前に進める!」と喜んでいた清澄メンバーが
加治木プロと京太郎の旅行(しかも温泉)の噂を聞いて大荒れに荒れる話も見てみたかったりする
>>838
華菜ちゃんは犠牲になったのだ……ヒロインキャラとネタキャラの壁の犠牲にな……
華菜ちゃんは犠牲になったのだ……ヒロインキャラとネタキャラの壁の犠牲にな……
かじゅと京太郎の結婚
涙する優希と咲、婿に取れなかった事を悔しがるまこ、京太郎を素直に祝福する和、人妻も悪くないと思う久と京太郎の結婚はかなりの温度差が出そう。
涙する優希と咲、婿に取れなかった事を悔しがるまこ、京太郎を素直に祝福する和、人妻も悪くないと思う久と京太郎の結婚はかなりの温度差が出そう。
強すぎて逆に麻雀を打つのが楽しめなくなった照が
「もたざるもの」の京太郎に一本取られる話……
小ネタ向きの話ではないか。小ネタ向きのリクエストもむずかしいな
「もたざるもの」の京太郎に一本取られる話……
小ネタ向きの話ではないか。小ネタ向きのリクエストもむずかしいな
次回作予定がシリアス、ギャグ、エロありで前作も今作もシリアスだからネタはなんでもいいから>>1のギャグネタ見てみたいな
咲の世界は多分50位までは全然若いからな
トシさんくらいになってようやくホウレイ線が出てくる程度
トシさんくらいになってようやくホウレイ線が出てくる程度
やっと全て読み終えた、飲み屋での会話に15年の重みを感じられました。
たしかに最初は凡人だけど、15年も目標に挑み続けて勝ったのなら最後はもう凡人じゃないよな
咲達の衰えも有るからどうなんだろう。
能力による支配が衰え普通の麻雀に近付けば、偶に勝てたりするだろう。
能力による支配が衰え普通の麻雀に近付けば、偶に勝てたりするだろう。
15年程度ならアラフォーと大して変わんないし能力の減衰もそうそうないんじゃねえの
夏休みももうすぐ終わろうしているある日。
まこは麻雀部部室に向かって校舎の中を歩いていた。
まこにとっての最後のインターハイは終わり、まこの最後の仕事は部長職の引き継ぎを京太郎に行うことだった。
(あっという間、か)
部長職を引き継いで1年。
いい部長だったのかはわからない。
失敗したこともあった。
それでも、自分にできることはすべてやり尽くしたとまこは考えていた。
(後は、京太郎がうまくやってくれるだろ)
実力は女子3人に劣るが、敗北の苦しみを知り、弱い人間の気持ちがわかる人間。
そして情熱にかける情熱とひたむきさは部内で随一だ。
京太郎本人は部長職を引き受けることを最後まで拒否していたが、
一番部長としての素質があるのは京太郎だというのは先輩、同級生後輩を含めた部内の共通見解だった。
(きっと、いい部長になるな)
そんな考え事をしているとあっという間に部室の前にたどり着く。
本日は京太郎と最後の引き継ぎを行う予定であり、これが終われば
まこの麻雀部で過ごす時間は終わりを告げることになる。
一瞬、ドアノブを握るのをためらうが1つ呼吸を置いて、扉を開けた。
まこは麻雀部部室に向かって校舎の中を歩いていた。
まこにとっての最後のインターハイは終わり、まこの最後の仕事は部長職の引き継ぎを京太郎に行うことだった。
(あっという間、か)
部長職を引き継いで1年。
いい部長だったのかはわからない。
失敗したこともあった。
それでも、自分にできることはすべてやり尽くしたとまこは考えていた。
(後は、京太郎がうまくやってくれるだろ)
実力は女子3人に劣るが、敗北の苦しみを知り、弱い人間の気持ちがわかる人間。
そして情熱にかける情熱とひたむきさは部内で随一だ。
京太郎本人は部長職を引き受けることを最後まで拒否していたが、
一番部長としての素質があるのは京太郎だというのは先輩、同級生後輩を含めた部内の共通見解だった。
(きっと、いい部長になるな)
そんな考え事をしているとあっという間に部室の前にたどり着く。
本日は京太郎と最後の引き継ぎを行う予定であり、これが終われば
まこの麻雀部で過ごす時間は終わりを告げることになる。
一瞬、ドアノブを握るのをためらうが1つ呼吸を置いて、扉を開けた。
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