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    元スレQB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 首領パッチ「ヒロインになれるのね!」2

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★
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    651 :

    ふわり首領パッチ面白かったな、絵柄は変わったがこれもまた良い。
    何より再びおやびんが見られるのが凄く嬉しい

    652 :

    >>643
    魔女を割ると、そこには可愛らしい赤ちゃんが…てか?

    653 :

    破天荒でてほしいなー

    654 :

    天の助も田楽も融合したら強いのになー
    融合しないで強い場面って本当にちょこっとしかないよなー

    655 :

    うろ覚えだが天の助は旧毛刈り隊Aブロック隊長倒したりしてなかったっけ
    田楽はまあ…うん

    656 :

    あれは単純にカツが弱すぎただけだろ

    657 = 656 :

    ミスった、ハンペンは融合で倒してるぞ

    658 :

    カツが弱いとか言ったらカツに負けたへっくんが泣くぞ

    659 :

    プラ○ド「合体しろ!機皇帝さやかちゃん☆インフィニティ!!」

    どうしてもニコニコのあれが思い浮かんでしまう

    660 :

    まぁ、スキエルよりマシだよな……

    661 :

    久々にボーボボのDVD借りてきた。んで、あらためてこのSSの再現度の高さを思い知った
    魔女の口づけつながりで無敵要塞ザイガスでないかなあ

    662 :

    魔攻破邪神ザルビオス!!

    663 :

    高速ババ……マミさんwww

    664 :

    魔女を追いかけてる時魚雷ガールの三連ドリフトをちょっと期待してた

    665 :

    さやか!がんばりゃあああぁあぁ!

    666 :

    田中とカオルって…輝日東のあいつら?

    667 :

    >>666
    おれのモジャモジャを呼び捨てするな

    668 :

    無駄に笑ったわ
    次が楽しみ

    669 :

    面白い!スゲー面白い!!

    671 :

    >>1ー!うぉぉぉぉぉ!カムバーック!>>1-!うぉぉぉぉぉ!!!早めに早めに

    672 :

    破天荒が出る気配もないのは中途半端にまともなキャラだからだろうなあ
    ハレクラニが出てきたら杏子の反応がすげー気になる

    673 :

    >>672
    むしろハレクラニがどう反応するかのが
    あいつあれで貧乏人だし

    674 :

    カネカネカネカネカネ…

    676 :

    夏がくりゃお正月

    677 :

    盆と正月、盆と正月!

    678 :

    更新かと思ったら違ってた
    マミさんにフィナってもらうぞこの野郎

    679 :



    あけおめです、>>1です
    最近は投下頻度がハンパなく遅くなってしまいました
    初期の頃はバンバン投下していたのに……
    反省の意も込めて、ちょっくら暮東京にでも単身で乗り込んできます

    それでは、8話後半を投下します

    680 :

    とうとうキターーーーー

    681 = 679 :





    マミ「一体何があったのか教えてくれないかしら、鹿目さん?」

    杏子「アタシも気になるね。そこの奴が関係してるってのは分かるけどよ」

    仁美「すぅ……すぅ……」

    まどか「じ、実はさっきね……」

    682 = 679 :



    ――――――
    ――――
    ――



    ボーボボ「さやか! 早く攻撃を!」

    さやか「………」

    まどか「さやかちゃん、どうしちゃったの!? 早く助けてあげないと仁美ちゃんが……!」

    さやか「……ったら……かな?」ボソッ

    まどか「え……? い、今なんて……」





    さやか「もしも、助け……ったら、恭介は私の……かな?」




    まどか「―――――――え?」


    ボーボボ「くっ! 鼻毛真拳奥義……!」ゴオオォォ!


             <と、見せかけてタイキック>!!


    使い魔「ウギャアアアァァァ!?」ドゴォーーン!

    仁美「あはははっ!?」フワッ

    ボーボボ「そして、人命救助!」キャッチ!


    ――
    ――――
    ――――――

    683 = 679 :



    まどか「ボーボボが使い魔を倒して、仁美ちゃんも無事だったけど……」

    マミ「その子を見た瞬間に、美樹さんの様子がおかしくなったのね」

    杏子「恭介って、さやかがゾッコンの小僧だろ? それとこの女がどういう関係があるってんだよ?」

    まどか「それが分からないの……」

    首領パッチ「使えねーな、クズが」

    天の助「全くだ」

    ほむら「…………(これはもしかすると魔女化の兆候……!?)」

    ほむら(他の時間軸でのさやかは皆、志筑仁美との衝突をキッカケに堕ちていってしまった……)

    ほむら(明るく振る舞う彼女からは、まるで絶望を感じなかったけど……、まさかアレは無理をしていたの?)グリグリグリグリ!

    首領パッチ「痛い痛い痛い! ほむらさん、踏まないでぇ~!!」グリグリ!

    天の助「謝るから! 謝るからぁ~!!」グリグリグリ!

    まどか「ほ、ほむらちゃん!? 私怒ってないよっ! や、止めてあげて!」

    684 = 679 :




    仁美「う、う~~ん……ここは?」パチッ

    まどか「仁美ちゃん! 怪我は無い? どこか痛かったりしない?」

    仁美「あ、あら、まどかさん!? それに何やら皆さんお揃いで……?」

    仁美「ここは一体どこでしょうか……? 何故か周りには気絶した人々が……、ハッ! まさか!」

    首領パッチ「そう、そのまさか!」

    天の助「俺たちは実は宇宙人で、貴様ら地球人を実験の為にキャトルミューティレーションしたのだーーー!!」

    仁美「や、やっぱりですのーーー!?」

    まどか「お願いだからややこしくしないで!」

    ボーボボ(キャトルミューティレーションって何だろう? キャトルミューティレーションって何だろう?)オロオロオロ

    ボーボボ「ね、ねぇ、ほむらさん。キャトルミューティレーションって…」チョンチョン

    ほむら「後にしてちょうだい」ピシャッ




           ボーボボ「うぅぅ……」シクシク…


           その日、ボーボボは涙を飲んだ


           近日公開『1デシリットルの涙』


    マミ(多いのか少ないのかピンと来ない……)

    685 = 679 :





    仁美「まさか、集団夢遊病が再発しただなんて……。またお医者様の厄介になってしまいますわ」ハァ…

    仁美「どうやら、皆さんが私達を保護してくれたようですね。何とお礼を申せばいいのか……」ペコリ

    まどか「いいんだよ、仁美ちゃん。それよりも……」

    杏子「おい、テメー! それよりも、こっちは聞きてーことがあんだよ!!」ズイッ

    ソフトン「落ち着け、杏子」

    仁美「あら? まどかさんのお友達ですの? 初めまして私、志筑仁美と申します」

    杏子「んなこたぁどーでもいい! オメー、さやかと何があった!」

    仁美「っ!?」ピクッ

    仁美「……さやかさんから、話を聞いたのですか?」

    まどか「ううん、さやかちゃんは何も言ってないよ。だからこそ私たちはよく分からなくて……」

    マミ「気絶していたあなたを見るなり、美樹さんの様子が明らかにおかしくなったの。そして逃げるように帰ってしまったわ」

    杏子「アタシ達は、アンタとさやかの間に何かがあったんじゃねーかって睨んでる」

    仁美「そうですか……」

    686 = 679 :




    仁美「……あなた方の言う通り、私とさやかさんは共通の問題を抱えております」

    仁美「しかし、それは私とさやかさんの問題ですわ。無関係のあなた方にお話することは出来ません」

    天の助「な、何だそりゃあ……」

    まどか「仁美ちゃん……」

    杏子「テメー……」

    仁美「…………」





    仁美「…と、言いたいところでしたが……。いいでしょう、包み隠さずお話しますわ」

    687 = 679 :



    マミ「え?」

    まどか「い、いいの? 本当に?」

    仁美「ええ。あなた方の真剣な表情を見ていたら、既にこの問題が私達二人だけの問題では無いということが分かりましたわ」

    杏子「トーゼンだ。さやかがあんな調子じゃ、こっちまで暗くなっちまう」

    仁美「さやかさんは、とても慕われているようですね」クスッ

    仁美「それではお話しましょう。私はさやかさんに……」


    ボーボボ「zzz…」スヤスヤ

    首領パッチ「……」PSP < ポチポチ

    天の助「ふんふーん♪」ipod < シャカシャカ

    まどか「み、みんな、もうちょっと興味を示そうよ……」マドマド…

    688 = 679 :




         ~ひとひと説明中~



    まどか「ひ、仁美ちゃんも上条君のことを……!?」

    仁美「ええ。ずっと秘密にしていましたの」

    魚雷ガール「教え子がいつの間にこんなドロドロした恋愛を……。先生、鼻が高いわっ!」

    ほむら「喜ぶところかしら?」

    マミ「なるほどね。これで大方の話は分かったわ」

    杏子「でもそれってよぉ、結構勝手な話なんじゃねーのか?」

    仁美「……」


    杏子「いきなり、自分が告白するけど猶予やるからさっさとコクれってどーよ? 卑怯とか関係ナシにそんな方法で納得するとでも?」

    杏子「告白っつーのは個人のタイミングってのがあんだろ。無理に急かしゃ、さやかだって焦って自爆するかも……ってそれが狙いかテメー!」

    まどか「きょ、杏子ちゃん。仁美ちゃんはそんな、その……」

    仁美「いいんですの、まどかさん。そう思われても仕方のないことを、私はしてしまったのですもの……」

    まどか「仁美ちゃん……」

    天の助「見損なったぞ、仁美ー!」

    首領パッチ「オメーも映画とかに出てくる小金持ちの類だったとはー!」


    マミ「暁美さん……。美樹さんが逃げるように帰ったのってもしかして……」

    ほむら「ええ。まどかと志筑仁美の話から察するに……」

    689 = 679 :





      ~町中~


    さやか(…………)トボトボ

    さやか(私……、どうして……)トボトボ



      <もしも、助けなかったら、恭介は私のモノになるのかな?>



    さやか(あんなこと……)ググッ

    さやか(仁美を見殺しにすればって、あんな……あんなこと!)



       ほむら『恋の邪魔者が消えるかもしれない……と、少しでも思ってしまった自身に嫌悪して……』

       マミ『会わせる顔が無い、とこの場から去ったという訳ね……』

    690 = 679 :




    さやか(仁美は親友なのに……!)

    さやか(きっと仁美は辛かったんだろうな……。ずっと私が側で恭介の話をしていて)

    さやか(そんなんじゃ、自分も好きって言えなかっただろうね。だから、ああするしかなかった筈だよ)

    さやか(それなのに私は、仁美のことも考えずに……!)ガクン


    さやか「私、魔法少女失格だよ!!」



        マミ『美樹さんは本当に優しい子だから、今頃、自分を必要以上に責めているはずだわ』

        ほむら『精神状態は芳しくないでしょうね。そんな時に余計な奴に出会ってしまったら……』

        マミ『余計な奴って……?』

        ほむら『そんなの一人…、いえ一匹しか居ないでしょう』







             「その通りかもしれないね」



    さやか「 ! 」

    さやか「あ、あんた……!」

    691 = 679 :




      ~~~~



    杏子「おい、お前らも会話に参加しろよ!」

    首領パッチ「サボんなー!」ギャーギャー

    マミ「あ、ごめんなさい」

    ほむら「あなたに言われたくないわ、首領パッチ」


    マミ「それで、志筑さん? あなたは一体どうしたいのかしら?」

    マミ「客観的に見てもあなたの行動は、少し疑問を感じてしまうわ。まあ、それは私がよく考えがヌルいって言われるからかもしれないけど……」

    マミ「今の美樹さんが上条君に告白しに行くとは考えられない。恋愛に卑怯は無いって言うけれど、あなたはこのままでいいの?」

    仁美「…………」

    仁美「私自身も同感です……。自分の行動は、正々堂々ではないかもしれません……」

    杏子「分かっててずりぃ真似をしてた訳か! テメーは一発殴られたいよーだな!!」

    ソフトン「止めろ、杏子。相手は一般人だぞ」

    まどか「杏子ちゃん抑えて!」

    仁美「…………」

    692 = 679 :



    仁美「もう一つ、皆さんにお話したいことがあります」

    杏子「あ?」

    まどか「な、何? 仁美ちゃん…」

    仁美「ですが、その前にさやかさんにだけはこの事を言わない、と約束して頂けますか?」

    杏子「オメー、自分がどういう立場か理解してんのか……! 今すぐにでも捻り潰して……!」

    ほむら「抑えなさいって。私は構わないけれど、みんなは?」


    まどか「私もだよ」

    マミ「私も」

    三バカ「「「異議なし!」」」

    ソフトン「無論だ」

    魚雷ガール「ソフトン様が犬と言えば、例え聖徳太子だって犬よ」


    ほむら「民主主義は多数決第一よ、杏子。悲しいことにね」

    杏子「むむむ……チッ、仕方ねーな!」

    まどか「約束するよ、誰もさやかちゃんに言わないって。だから話してくれる、仁美ちゃん?」

    仁美「ええ……」

    693 = 679 :




           ・
           ・
           ・



    さやか「あ、あんた、よくヌケヌケと姿を表せたわね!」

    さやか「キュゥべえ!」

    QB「…………」

    さやか「あんた、私達の体を……!」

    QB「おっと、そんなことを話す為に出てきたんじゃないよ? 僕の考えは変わらないし、論争は平行線を辿るだけさ」

    QB「にしても、やはり気にしてたのかい、体のことを。杏子や他の皆の前では、まるで何でもないように振る舞っていたじゃないか」

    さやか( ! こ、こいつ、どこかで私たちを監視してたの!?)

    さやか「……じゃ、何の為に出てきた訳? 生憎、今の私はいつもの優しいさやかちゃんじゃないよ」

    さやか「いくら可愛いカッコしてても、残機∞の宇宙人ならストレス解消に持ってこいだしね」つ剣 スチャッ

    QB「やれやれ、あんなに敵視していた暁美ほむらの話をすっかり信じたのか。ま、事実だし言い訳のしようがないね」

    QB「僕はただ君の意見に同意を返しただけさ。魔法少女失格だ、って言ってたろ?」

    さやか「っ!」

    694 = 679 :


    QB「君が望む魔法少女は正義の味方だったはずだ。自分の恋路の為に親友を見殺しにする行為は正義の味方では無い。つまりそれは、魔法少女失格という訳だ」

    さやか「あ、あんたに何が……!」

    QB「分からないよ。感情という精神疾患にかかった生物の考えなんて」

    QB「しかし、これは人の歴史から見ても自然なことかもしれない。恋によって裏切りが起こり、愛によって殺し合いが起こった……、なんてことは珍しくない」

    QB「ただ、それが正義の味方の所行かと問えば、疑問が残るね?」

    さやか「く……! あたしは、そんな、あの時そんなつもりじゃ……」

    QB「僕は別に責めている訳じゃないよ。実際、佐倉杏子のように悪逆非道を繰り返す魔法少女だって沢山いる」

    さやか「きょ、杏子はそんなのじゃ……!」

    QB「おや、杏子を庇うのかい。ならばその調子で自分の行動も庇えばいいじゃないか」

    さやか「う、うぅ……!」ズキン!

    QB「繰り返すけどね、僕は君を責めてないよ。人間ならば当然の行動だ。ただね……」



    QB「ほんの少し前まで『正義』がどうと息巻いていた人物とは思えなくてね。君の行動があまりにも『オカシい』と感じただけなんだ」

    695 = 679 :



    さやか「うぅぅ……。くぅ……」ガクガク


    QB(ここまでは順調。彼女の心の中には次々と絶望の種が生まれているだろう)

    QB(いつもは側で支えてくれる仲間がいないね、さやか。君がこんな目に合っているなんてどういうつもりなのかな?)

    QB(まあ、僕には都合がいい。次にするべきは……)



    QB「ねえ、さやか。話があるんだ」

    さやか「はぁはぁ、……な、何よ……」

    QB「この間、君達に責められて気づいたんだ。もしかしたら僕には人間を思う気持ちが少し足りなかったんじゃないか、ってね」

    さやか「……はぁ……はぁ」ガクガク

    QB「考えた事もなかったよ。僕たちはこれでも人間に譲歩していると思っていたからね」

    QB「でも調べてみると、僕の契約方法はこの国では法に触れるかもしれない。どうやら、隠し事をしての契約はタブーみたいだ」

    QB「僕が『聞かれなかったからね』と答えると決まって君たちが激怒する理由に気づいたよ。要は真実を話せばいい訳だ」

    さやか「な、何が……言いたいのよ……」

    QB「……」





                       「さやか。この国では成長途中の女性を少女って呼ぶんだろ?」




    .

    696 = 679 :



        ・
        ・
        ・


    仁美「少女、というものは恋を経て女性に成長すると教わりました」

    仁美「私は今よりずっと幼き頃より、恋する乙女に憧れていましたの」

    仁美「そして、さやかさんやまどかさん、首領パッチさんや天の助さんに出会い、そして上条君に出会いました」

    仁美「皆さん掛け替えのない親友です。しかし、ある日その認識が変わる日が来たのです」



      まどか『上条君の発表会、楽しみ~~!』

      パチ・フェット『ふっふっふ~、礼装で着てやったぜ』ジェット・パック < ドドドドド!!

      天ス・ヴェイダー『俺だって、自慢の一張羅を!』コーホーコーホー

      さやか『お前らはSFの世界に帰れ』

      仁美『バイオリンを習っているとは聞いていましたが、生で聞くのは初めてですわ』

      さやか『恭介の演奏はすっごいんだよ! そりゃもう恭介だしトーゼンと言っちゃトーゼンだけどね!』

      仁美『ふふ、さやかさんは本当に上条君のことが……』

      さやか『えっ! ちょ、何のことよ、もう! 早く行くよ!』タッタッタ!

      まどか『待ってさやかちゃん! 仁美ちゃん、あまりからかっちゃダメだよ』クスクス

      仁美『あら、申し訳ございませんわ』クスクス


      警備員『何だこいつら! おい止まれ!』

      天ス・ヴェイダー『ジェダイの残党か! 離せ!』ジタバタ!

      パチ・フェット『俺の雇い主を誰だと思ってんだ!!』ジタバタ!



    仁美「あの日……」

    697 = 679 :




         ♪~  ♪~  ♪~  ♪~


      まどか『すごい……流石、上条君だね……!』

      さやか『恭介……』ウットリ

      首領パッチ『酷い目にあったぜ……』ボロロ…

      天の助『あの野郎……』ボロロ…

      さやか『あんたらはまた馬鹿やって……』

      仁美『……』ポー

      さやか『仁美?』

      仁美『…………』ポー

      さやか『ちょっと、仁美。大丈夫?』

      仁美『あぅ? あっ、はい、もちろん!』アセアセ



    仁美「あの日、上条君は親友から想い人に変わりました」

    仁美「気持ちを伝えたいけれど、怖くて伝えられない……。もどかしいのに何だか心地の良い日々……」

    仁美「私は初めて恋というモノを体験しました」

    仁美「同年代の子に対するちょっぴりの優越感。そして、さやかさんに対する競争心を感じながらも、私は行動に移そうとはしませんでした」

    仁美「この感覚をもっと長く感じていたかったんです。この、片思いという魔法をもっと長く……!」

    仁美「しかし……」

    698 = 679 :




      まどか『交通事故って聞いた時はホントに驚いたけど、命に別状はなくて良かったね』

      仁美『ええ、本当に……』ホッ…

      首領パッチ『アイツ、ピンピンしてたりして!』

      天の助『言えてる。きっと今頃、エロい目でナース視てるぜ』


           恭介『はぁはぁはぁはぁ…!』


      まどか『うわぁ、想像したくない……』


      さやか『……』ツカツカ

      まどか『あ、さやかちゃん! 上条君、どうだった? 命に別状は無いって聞いたんだけど……』

      さやか『…………』プルプル

      まどか『さ、さやかちゃん……?』

      さやか『きょ、恭介がぁ……。恭介の腕がぁ……』

      さやか『ええぇぇぇぇん!! 恭介ええぇぇ!』

      仁美『ど、どうしたんですの、さやかさん!』

      仁美『上条君に、一体何が!?』

    699 = 679 :




    仁美「ショックでしたわ……。もうあの雄々しく優しい旋律は聞けないのか……。一心に演奏する彼の姿は見れないのか……」

    仁美「しばらくはお見舞いに行けませんでした。彼との距離を詰めるのが怖かったのです」

    仁美「習い事の量を増やしてもらったりして、他の事に意識を向けました」

    仁美「そして、ある程度自分の心に余裕が出来た時に、ついに彼の病室に向かいました」

    仁美「大きな花束と、最高級の見舞い品を持って……」



      仁美『…………』ツカツカ

      仁美(何だか足取りが重いですわ……。きっと上条君に久しぶりに会うから、緊張してるのですね)

      仁美(上条君、喜んでくれるかしら……)ツカツカ

            「××号室 上条恭介様」
     
      仁美『ここね』

      仁美『あ、あの、失礼……あっ!』

    700 = 679 :




      さやか『それでね、中島のバカ、スリーポイント狙って外してさ、男子達から総スカン!』

      恭介『ははっ、中島らしいね』

      さやか『まあ、首領パッチ達よりはマシだよ。アイツらバスケットとクリケット勘違いして来てたし』

      恭介『あははは、簡単に想像出来ちゃうや!』

      さやか『やっぱ恭介が居ないとダメだわ。恭介抜けたら、男子は女子に勝てないんだよ』

      恭介『それは、さやかが強すぎるからじゃないかな?』

      さやか『何おーう!』



      仁美『…………』



    仁美「聞けば、さやかさんは入院初日から一日も欠かさず来ていたらしいのです」

    仁美「愛する人の為なら当然という意見もあるかもしれませんが、中々出来ることではありません」

    仁美「私はと言うと……、それを見て元来た道を引き返しました……」

    仁美「そして、気づいたのです。私は上条君に恋をしていなかった……。ただ恋に恋していた、と」


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