元スレ幼馴染「……童貞、なの?」 男「」.
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
351 = 333 :
五時半を過ぎた頃に料理を始める。久々だったので道具の位置やらなにやらで手間取った。
その頃にちょうど三人も帰ってくる。どこに行ったかは分からないが、とりあえず満足そうだった。
寝転がりたがる三人を無理やり並ばせてデジカメで写真を何枚か撮っておいた。
その後、母親が料理の手伝いをしたがった。はっきり言って足手まといだったが、せっかくなので手伝ってもらう。
料理が作りおえてテーブルに皿を並べた頃、ちょうど六時を回った。
たいして苦労したわけではないが、見栄えだけは良かったし量も多いので迫力があった。
父が大食漢だということを考慮したうえでの量だったが、あっというまに減っていった。
食事の後、少し時間を置いてからケーキを切り分ける。なぜか巨大なホールケーキだった。
明らかに余る。
蝋燭に関しては妹が嫌がったので省略した。そういうこともあるだろう。母は残念がっていた。
イチゴの乗ったショートケーキ。シンプル。バースデイケーキ、という形。示唆的。
「おめでとう」
「ありがとう」
ごく平凡(少し過剰なほど)な家族の誕生日が過ぎていった。
352 = 333 :
買い物に行ったときに、プレゼントはもらったらしい。何をもらったのか聞くつもりはなかった。
両親はリビングに残って買ってきたと思しき酒を飲んでいた。
夫婦水入らず。二人揃うのも久しぶりなのだと思って放っておく。
さっき撮った写真を大急ぎでプリントアウトした。
渡さずにいた写真立てに写真を入れて、妹の部屋に行く。
俺がドアを開けたとき、彼女は疲れてベッドに倒れこんでいたようだった。
「ほれ」
気安げに渡した。照れ隠し。
妹は少し驚いていた。素直に感謝される。照れる。
妹はなんだか微妙そうな顔をしていた。良いことが続きすぎると怖くなるものだ。
「一緒に寝るか?」
軽口を叩く。
「馬鹿じゃないの?」
いつもの調子で言われた。
とりあえず、今日はそこそこがんばった方じゃないかな、と思う。
354 :
しかし相変わらず読みやすいのう
簡素というわけでもないのに
355 :
乙
更新頻度高いのでうれしい
356 :
読みやすくてホントにヤバいw1日1回で多めに更新してくれるから凄い嬉しいね。
乙
357 :
あれ写真に兄は入ってるのか?
359 :
乙
ストーリーは別段特別なわけでもないのになんだろうな、この面白さは
360 :
とにかく妹の微妙な反応がいい
ツンかデレしかないSSと違って
でも最後は妹√を期待
361 :
>>1乙
色んな意味で夏を感じるスレだな。
362 = 330 :
このスレチェリー臭い
364 :
まっ、気張らずがんばれよ
365 :
週明けにはテストが返却され始めた。点数は思っていたよりも悪くなかった。
せっかくなので誰かと点数勝負がしたくなった。
キンピラくんに声をかける。
「点数勝負しようぜ」
「なんで勝負なんだよ」
「男だからだよ」
男ならしかたない、とキンピラくんは納得したようだった。
「全教科の合計点数を競う。もし俺が負けたら、なんでもしてあげるよ。三回回ってワンと鳴くくらいなら」
「おい、結構『なんでも』の幅が狭えぞ」
俺はキンピラくんの言葉を無視した。
「もし俺が勝ったら……」
「勝ったら?」
「お……」
俺は大真面目に言った。
「俺とメル友になってください」
「何言ってんだおまえ」
心底心配そうな目で見られた。友達ほしい。
366 = 365 :
「じゃあ、もし俺が勝ったら」
「勝ったら?」
「俺の分の夏休みの課題、全部やってもらう」
「あ、ごめん。俺ちびっこ担任に用事あったんだわ」
「逃げんなてめえぶっ飛ばすぞ」
シリアスに言われる。負けるわけにはいかなくなった。
手始めに既に返ってきている答案の点数をお互いに言い合う。
圧勝していた。
この分だと俺の勝利は確定的だ。
それなのにキンピラくんは自分の勝利を微塵も疑っていないようだった。
何が彼に自信を与えてるんだろう。間違いなく自信だけが先走っている。
俺は不敵な笑みを浮かべるキンピラくんに少しだけ同情した。
367 = 365 :
結果から言ってしまうとキンピラくんとの勝負に俺は勝った。
全教科の答案が返却されたのち、赤外線で互いのアドレスを交換しあう。
「毎日電話するね、ダーリン!」
語尾にハートをつけた。
「もう死ねよおまえ」
キンピラくんは辛辣だったが、俺はご機嫌だ。
携帯のメモリにまたデータが増えた。
試しに適当な文面を送信する。
キンピラくんは律儀にも返信をくれた。
怒りマークの絵文字。
微笑ましい気持ちになる。
彼が意外とメール魔だと気付いたのは夏休みに入ってからだった。
368 = 365 :
学期最後の週、屋上さんと昼休みに遭遇する。
もはや日課と言ってしまってもいいほど、彼女と一緒に昼食をとることが多くなった。嫌がられることも不思議とない。
とはいえ彼女と話すこともだいぶ消費され尽くしてしまい、既にほとんど会話と言えるものは生まれない。
老夫婦のような空気。
と、前に口に出して言ったら「いっぺん死ねば?」と言われた。
口は災いの門である。
屋上さんに夏休みの予定を聞いたら、彼女は押し黙ってしまった。
「……部活」
長い沈黙のあと、彼女は短く呟いた。
「他には?」
「なにも」
彼女は苛立ちをぶつけるようにハムサンドをかじった。
369 = 365 :
「じゃあ俺と遊ぼう」
誘ってみた。
「なんで?」
嫌そうだ。
「え、だめ?」
「ダメ」
ダメらしい。それなら仕方ない。
弁当をつつきながら屋上さんのことを考える。
俺が彼女について知っていることなんて、名前と顔と学年くらいだ。
あと妹がふたりいる。その程度。
距離が縮まっているようで、まるで縮まっていない。
370 = 365 :
屋上さんはハムサンドを食べ終わると今度はタマゴサンドをあけた。数個用意してあったらしい。
「食べる?」
俺は差し出されたタマゴサンドを受け取った。美味い。
もしゃもしゃと咀嚼ながら彼女の方を見上げる。
強い風が吹いた。
ぱんつ見えた。
――久しぶりだなぁ。
しばらく沈黙が落ちた。
「見た?」
奇妙な迫力があった。
「白でした」
ありだと思います。
正直に答えたのに、彼女は何も言ってくれなかった。
屋上さんとの間に溝が出来た気がする。
でも事故。俺悪くない。
371 = 365 :
「まぁいいや」
屋上さんは意外にも何の文句も言わなかった。
思わずのけぞる。
「それは覗いてもお咎めなしという意味?」
男として聞かずにはいられない。
彼女は俺の言葉に簡単な答えを返した。
「事故だから許すという意味」
以前を考えれば格段の進歩だ。
距離が縮まってないように思えて、やっぱり縮まっているのかもしれない。
俺はひとつ咳をしてから、屋上さんに別れを告げて教室に戻った。
372 = 365 :
ある日、妹に贈った写真立てに、二枚目の写真が入っていることに気がついた。
何が写っているのかを聞こうかと思ったが、あんまり詮索するのもおかしいだろう。
気にかかっても聞かずにいたのだが、
まさか彼氏か。ツーショットか。
と思うとなんだかやりきれなくなったので、やっぱり実際に聞いてみた。
「彼氏?」
「違うから」
違うらしい。
じゃあ何が写ってるの? と聞いても答えてくれない。仕方ないことではあった。
373 = 365 :
幼馴染に電話でそのことを相談すると、反応は淡白だった。
「写真立てにどんな写真を入れたって、妹ちゃんの自由じゃない?」
まぁそうなのだけれど。
ちょっと気になる。
「もともとはどんな写真入れてたの?」
「家族の」
「へえ」
「俺は写ってないけど」
「……なんで?」
単に操作の仕方が分からなかったので、自分で撮るしかなかった。
それに、なんで俺が写ってないんだろう、と考えるたびに、そのときの状況を事細かに思い出せるのではないかと思った。
思い出的なものを保存するにはちょうどいい感じがする
374 = 365 :
幼馴染は呆れたようだった。
「それってさ、たぶん……」
「たぶん?」
彼女はそこで言いにくそうに言葉を区切る。安楽椅子探偵が何かを言おうとしていた。
「……やっぱり、なんでもない」
私が言うことじゃないし、と彼女は言った。
すごく気になる。
が、問い詰めても答えてはくれないだろう。
ままならない。
375 = 365 :
そんなふうにして学期の残りはすごい速さで消費されていった。あっというま。
最後の部活の日に、予定表を渡される。特に何があるわけではないが、他に予定がない限り部活には出ようと思っていた。
なんだかんだで学校は嫌いじゃない。特に、夏休みの学校の、あのひんやりとした感じ。
どことなく空気が軽やかになっていく。
夏休み、という感覚。開放感。
それだけで周囲が違って見えた。新鮮に見えたし、色鮮やかに感じられた。
終業式は暑い日だった。
あまりの暑さにほとんど記憶がない。
帰り際に誰かに話しかけられたが、そのときにはもうほとんど意識がなかった。
あんまりにも頭がぼんやりするので、早々に家に帰ってソファに寝転がっていた。
目を覚ましたときには夕方で、俺は自分が夏休み直前に風邪を引いたことに気付いた。
「体調管理……」
幸先が悪い。
そういえばテストが終わってからも、原付の免許の勉強をしていたのだ。
簡単だとは聞いていたけれど、さすがに知識も何もないのでは話にならない。
それに不安もあった。勉強は多めにしておくに越したことはない、と感じた。
376 = 365 :
全身がだるい。
食欲がない。
頭痛がする。
寒気。
こりゃ風邪だ。
咳が出る。
熱っぽい。
喉がいがいがする。
苦しい。
「あうえ……」
謎の声が出た。
身体がだるくて動かせない。ソファに倒れこんだまま目を瞑る。
しばらく寝ているのか起きているのか分からない時間を過ごす。
喉が痛い。
洟が大してひどくないのが救いといえば救いだが、暑くて息苦しいのは変わらない。
これは早めに寝たほうがいいだろうと判断して、ふらふらになりながら自室へ向かう。
ベッドに倒れこむ。本当にひどい。風邪だと認識したとたんに具合が悪くなってきた。プラシーボ効果。
377 = 365 :
瞼を閉じてから、薬を飲めばよかったと舌打ちした。
しばらくすると、妹が帰ってきたのが分かった。建てつけが悪いのか、うちのドアは開け閉めするときに大きな音がする。
そのうち祖父に頼んで見てもらおうと思っていたが、いつも忘れる。
妹は誰かと一緒に帰ってきたらしい。話し声が聞こえる。リビングに置きっぱなしの鞄を見て文句をこぼしているようだった。
蝉の鳴き声が、いつのまにか蛙の鳴き声に変わっていた。
目を開くと、周囲は思ったより暗い。想像以上に長い時間休んでいたらしい。
少しだけ身体を起こす。そこまでひどくない、と判断する。喉だけが痛み、あとはだるさと熱っぽさだけだ。
階段を登る音。妹がカーテンを閉めながら部屋に近付いてきた。
部屋のドアが開けられたとき、それまで遠くに聞こえていた足音を近くに感じた。
「どうしたの?」
「風邪気味なのです」
げほ、と咳をする。
妹を追いかけるようにふたつめの足音が近付いてくる。
幼馴染がいた。
「……俺は果報者ですなあ」
「ひどい声だよ」
渾身の冗談をスルーされた(半分本音だった)。
378 = 365 :
「熱はかった?」
「計ってない」
「起きれる?」
「あー……まあ」
「食欲は?」
「あんまし」
風邪なんて引いたのは久しぶりだ。
「雑炊つくる?」
「ぞうすいはー」
苦手だった。猫舌だから。
ここぞとばかりにわがままを言う。
379 = 365 :
「できればミカンとか桃とかそういうアレな缶詰とか……」
「後で買ってくるけど、ご飯は?」
「今はたべられぬー」
布団にくるまる。
「じゃあ後で雑炊つくるから」
「うん」
苦手だけど、食べないと治らない。
「もうちょっと身体が強ければいいのにねえ」
ちょっと疲れが重なるとすぐに風邪を引いてしまう。普段はなんともないのに。
「いったん風邪引くと弱いからね、お兄ちゃんは」
妹は呆れたように溜息をついた。
380 = 365 :
「とりあえず、着替えた方いいよ」
制服のままだった。
だるさを押して身体を起こす。その場で着替えようとしたとき、幼馴染がいることに気付いた。
目が合う。
「いつまで見ておられるのか」
「妹ちゃんもいるし、私もいいのかなって」
何の話をしているのだろう。
「マナー。デリカシー」
目で語りかける。
照れられた。なぜ?
「恥ずかしがることないのに」
子供の頃はビニールプールで裸になって遊んだ間柄ではあるが、今となっては昔のことだ。
幼馴染を追い出して寝巻きに着替える。中学のときのジャージ。
「だーるい」
なぜだか口調まで変わる。
だるい。
381 = 365 :
携帯を見る。キンピラくんからメールが来ていた。
『暑いな』
しらねえよ。
俺は手短に返信した。
『むしろ熱い』
即座に携帯が鳴った。
何者だ。
『熱いな』
一旦寝て、明日「ごめん寝てた」とメールすることにした。
メール文化って馴染めない。
体温計で熱をはかる。
三十八度三分。
「平熱!」
「何バカなこと言ってんの?」
怒られた。
妹が料理をするためにキッチンへ向かう。なぜか幼馴染が部屋に残った。
382 = 365 :
「なにしにきたの?」
幼馴染は変な顔をした。
「妹ちゃんと話をしに」
「話、ですか」
せっかくの終業式の午後に。
そういうこともあるだろう。
「一緒に買い物してて、帰るの遅れたんだ。ごめん」
なんで謝るんだろう。
「風邪、うつるから。早く帰ったほうがいいよ」
幼馴染は頷いたけれど、すぐに立ち去ろうとはしなかった。
「どしたの?」
彼女は何か迷うような表情をしていた。
やがてそれを断ち切るように顔を上げて、俺の方を見た。
「ごめん、やっぱり帰るね」
「言いかけて止める癖、やめろよ」
ちょっと本気で言った。
幼馴染は苦笑して応える。
「ごめん。なんか、言いたいことはあるんだけど、自分が言うべきことじゃない気がするんだ」
分からないでもない。
そのあたりの線引きは難しい。
俺と幼馴染が、家族のように育ったとしても家族ではないように。
どこまで踏み込んでいいかは難しい。
383 = 365 :
「なんだよ。遠慮すんなよ。俺らの仲だろ」
寂しさを紛らわすためにわざと茶化した。彼女はそれを無視して部屋から出て行こうとする。
「明日、お見舞いくるから」
「缶詰買ってきて」
距離を測りかねている、と思った。
線引きが難しい。
でもまぁ、しかたない。
どうせこれから散々悩んでいくことになるんだろうから、今気にしたって損だ。
384 = 365 :
幼馴染が帰ったあと、少しの間眠っていた。熱のせいでぼんやりとする頭で、ぐるぐると考え事をしていた。
その考え事はまどろみの夢に反映された。
夢が心象をあらわすというけれど、俺が見る夢は示唆的というよりも直喩的だ。
「私、童貞の人とはお付き合いできないの」
心底申し訳なさそうに幼馴染が言う。
「お兄ちゃん、いまどき童貞とか、さすがにないよ」
心底残念そうに妹が言う。
そして二人は誰かと一緒にいなくなる。
いなくなる。
置いてけぼりの気持ち。
いつかいなくなってしまうこと。
不安。
バカみたいだ。
でもなくならない。
困った。
風邪をひくと弱気になってしまって困る。不安になる。
とても一人が怖くなる。
385 = 365 :
まどろみの中で、夢はかすかな変化を遂げる。
いなくなった誰かは、いつのまにか両親に取って代わられた。
いつまで待っても帰ってこない人たち。
泣いて追いかけても追いつけない人たち。
置いてけぼりの気持ち。
両親が本当に仕事で忙しかった頃、俺と妹は二人で祖父母の家に預けられた。
彼らはよく面倒を見てくれたのだと思うが、今でもときどき夢に見る。
引き離された感触。
眠る直前まで傍にいた人が、目を覚ませばいないこと。
置き去り。
意識が不愉快な記憶を反芻し始めた頃、俺は浅い眠りから覚めた。
目を覚ましたのは携帯が鳴ったからだった。キンピラくんからメール。無視するな、という旨。それを無視する。
うなされていたようだった。滲んだ冷たい汗を拭って溜息をつくと、妹がちょうど食器を持って部屋にやってくる。
386 = 365 :
「雑炊ですか」
「うん」
妹はベッドの脇に腰掛けて食器を膝の上に乗せた。熱そう。
スプーンで雑炊をすくって、息を吹きかけて、冷ましてから、俺の口元にそれを運ぶ。
「手、動くから」
「いいから」
「よくないから」
昔風邪を引いたときに、祖父母が似たようなことをしてくれた。だから俺もまた、妹が風邪を引いたとき似たようなことをしたわけだが。
さすがにこの状況は想定していない。
でもまぁ、せっかくだし、人生経験で何が役に立つかも分からないので、一応受け入れることにした。
387 = 365 :
「美味しい?」
「美味しい」
恥ずかしいけど。
「ずっと体調悪かったの?」
「別に」
身体がだるいのは暑さのせいだと思っていたが、どうやらそうではなかったらしい。
「もういいよ、あとは自分で食べるから」
「だめだよ」
何がだめなのか。
結局最後まで妹はスプーンを放そうとしなかった。
逆の立場になったときは存分に世話をしてやろう。
388 = 365 :
せっかく病気になったのだし、上手く使えないものかな、と打算。
ちょっと卑怯かな、と思いつつも。
「なあ」
妹は俺が寝るまでいるといって部屋に残っていた。
俺たち兄妹には基準にすべき家族がいない。お互いがお互いの模倣をする。
だから、互いに対する態度は自然に似通う。性格や立場が大きく言動や態度を変えることはあっても、本質的には似たものになる。
「写真立ての中の、二枚目の写真、なんなんだ?」
妹は少し迷ってから、立ち上がって部屋を出て行った。少しして戻ってきたときには、手には写真立てを持っていた。
「お姉ちゃんにも、同じこと聞かれた」
言いながら写真立てを差し出してくる。なんだか不満そうだった。
受け取って、写真を取り出す。
――見なかったことにした。
「なんか言ってよ」
「何を言えばいいやら」
「私がバカみたいじゃない」
389 = 365 :
「いやまぁなんといいますか」
若かりし頃の僕と妹の写真でした。
「自分が写ってない写真しか寄越さないからわざわざ二枚入れてたのに」
「……なんといいますか」
「全員だったら文句はなかったのに」
ひょっとして写真立てを渡したときに微妙そうにしていたのもこれだったのだろうか。
そのあと、少しだけ話をした。俺は気付くと寝ていて、特に夜中目覚めるようなこともなかった。
悪い夢も見なかった。
なんだかな、と思う。
些細なことで浮いたり沈んだり、ちょっとだけ疲れる。楽しいんだけど。
とりあえず、そのうちまた写真でも撮ることにした。風邪が治ったら。
391 :
乙です
リアルタイムで読みますた
392 :
乙!
もしかしてこのチェリーリア充なんじゃね?
393 :
おつ
396 :
乙。おかしいなうちの妹こんなにかわいくないぞ
397 :
妹と屋上さんの株があがりっぱなし
特に妹がやべえ
398 :
>>392
もしかしなくても明らかにリア充です
本当にありがとうございました
399 = 395 :
ここ兄ならリア充でもおっけ
400 :
このチェリーがリア充であることに何もむかつくことはないんだが
自身と比べてどうしようもなく落ち込む夏
みんなの評価 : ★★★×4
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