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元スレ上条「いくぞ、親友!」一方「おォ!!」
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ども、1です。
毎日ってのは、ほら、アレだアレ。
だいたいって事で……ダメですね、ごめんなさい。
とにかく、今から投下。
毎日ってのは、ほら、アレだアレ。
だいたいって事で……ダメですね、ごめんなさい。
とにかく、今から投下。
「しっかし、まぁ。
……ヘンテコなカタチしてんな、おい」
上条がビルを見上げながら呟く。
そのビルは、十二階建てで四棟もあった。
それらは漢字の『田』の字を作るように配置され、空中にある渡り廊下で繋がっている。
「……まァ、ンな事はどォでもいいだろ」
一方通行は適当に返す。
こうして見る限り、話に聞くような『科学宗教』の雰囲気は、あまり感じられない。
ごく普通の『進学予備校』と言ったところだ。
時折出入りする生徒達を見ても、やっぱりおかしなところはない。
「とりあえず、中に入ろう。
隠し部屋がところどころにあるらしい」
ステイルはのんびりとした様子だった。
見取り図は上条達が目を通した後に燃えた。
となると、全て頭の中にある事になる。
「隠し部屋?」
「ああ。
おそらくトリックアートでも使って、
中の人間には気付かせない作りになっていると思うよ。
あのビル、子供の積み木で出来ているみたいに隙間だらけだし」
……ヘンテコなカタチしてんな、おい」
上条がビルを見上げながら呟く。
そのビルは、十二階建てで四棟もあった。
それらは漢字の『田』の字を作るように配置され、空中にある渡り廊下で繋がっている。
「……まァ、ンな事はどォでもいいだろ」
一方通行は適当に返す。
こうして見る限り、話に聞くような『科学宗教』の雰囲気は、あまり感じられない。
ごく普通の『進学予備校』と言ったところだ。
時折出入りする生徒達を見ても、やっぱりおかしなところはない。
「とりあえず、中に入ろう。
隠し部屋がところどころにあるらしい」
ステイルはのんびりとした様子だった。
見取り図は上条達が目を通した後に燃えた。
となると、全て頭の中にある事になる。
「隠し部屋?」
「ああ。
おそらくトリックアートでも使って、
中の人間には気付かせない作りになっていると思うよ。
あのビル、子供の積み木で出来ているみたいに隙間だらけだし」
「……ほォ。
見た感じじゃ、そンなに怪しくねェがな」
一方通行が何となく呟くと、ステイルは忌々しそうに言った。
「……怪しくは見えない、ね」
「何だよ?」
上条が聞いてみると、ステイルは何でもない、と首を横に振る。
「いや、実際に専門家の僕が見ても怪しい所が見当たらなくてね」
そう言っている割には、何か釈然としていない表情をしている。
「ま、入るしかないさ。とっとと行くとしようか」
「入るしかないって……ちょっと待てよ。
まさか正面からお邪魔すんのかよ?何か作戦とかねーのか?」
上条が、慌てて尋ねる。
それはそうだろう。
ステイルはあくまでも、『怪しい所は見当たらない』としか言っていない。
もしかしたら、危険がたくさんあるかもしれないのだ。
迂闊に足を踏み入れるのは、大丈夫じゃないに決まっている。
見た感じじゃ、そンなに怪しくねェがな」
一方通行が何となく呟くと、ステイルは忌々しそうに言った。
「……怪しくは見えない、ね」
「何だよ?」
上条が聞いてみると、ステイルは何でもない、と首を横に振る。
「いや、実際に専門家の僕が見ても怪しい所が見当たらなくてね」
そう言っている割には、何か釈然としていない表情をしている。
「ま、入るしかないさ。とっとと行くとしようか」
「入るしかないって……ちょっと待てよ。
まさか正面からお邪魔すんのかよ?何か作戦とかねーのか?」
上条が、慌てて尋ねる。
それはそうだろう。
ステイルはあくまでも、『怪しい所は見当たらない』としか言っていない。
もしかしたら、危険がたくさんあるかもしれないのだ。
迂闊に足を踏み入れるのは、大丈夫じゃないに決まっている。
「それじゃあ、君には何か得策があるのかい?」
そう言われて、上条は一瞬黙る。
「……いや、だとしてもさ!
このまま突っ込んで、蜂の巣にされたらどうすんだよ!!」
「……ふむ。
まぁ身体にナイフで術式を刻めば気配は絶てるけどね」
「じゃあやれよ!
痛いのヤダけど!!」
ステイルはそれを聞いて、心底つまらなそうに告げる。
「最後まで聞きなよ。
たとえ気配を絶とうがね、
『ステイル=マグヌスが使った魔術』の魔力だけはごまかしようがないんだよ」
ステイルいわく、
魔術を使うために生み出される『魔力』というモノは個人によって性質などが違うらしく、
あのビルに充満しているアウレオルスの『魔力』に、
ステイルの『魔力』が被さると、簡単に侵入が気付かれてしまうらしい。
「……つまり、何か?
オマエは歩く発信機って事なのか?」
ステイルは、あっさり首を縦に振った。
そう言われて、上条は一瞬黙る。
「……いや、だとしてもさ!
このまま突っ込んで、蜂の巣にされたらどうすんだよ!!」
「……ふむ。
まぁ身体にナイフで術式を刻めば気配は絶てるけどね」
「じゃあやれよ!
痛いのヤダけど!!」
ステイルはそれを聞いて、心底つまらなそうに告げる。
「最後まで聞きなよ。
たとえ気配を絶とうがね、
『ステイル=マグヌスが使った魔術』の魔力だけはごまかしようがないんだよ」
ステイルいわく、
魔術を使うために生み出される『魔力』というモノは個人によって性質などが違うらしく、
あのビルに充満しているアウレオルスの『魔力』に、
ステイルの『魔力』が被さると、簡単に侵入が気付かれてしまうらしい。
「……つまり、何か?
オマエは歩く発信機って事なのか?」
ステイルは、あっさり首を縦に振った。
「とは言ってもね、上条当麻。
君よりも、僕はずっとマシだと思うよ」
何でだよ、と上条が言う前に、ステイルは口を開く。
「君の幻想殺しは触れてしまうだけで勝手に異能を打ち消すだろう?
そんな事されて、気付かないヤツがいるわけないじゃないか。
僕は魔術を使わなければ異常は感知されないけど、君の方は異常が常時ダダ洩れだよ」
「オイ、つまり何か?
俺はともかく、オマエら二人は発信機ぶら下げた間抜け面で、
危険度Aランクの所に何の策もなしにドアベル鳴らしてお邪魔すンのか?」
「ふむ。
ま、そうなるね。
そういう事では、君の方が重要だね」
「この野郎……一発殴っていいか?いいよな?ぶっ飛ばす」
「さっきも言ったけど、そんな事してる場合かい?」
「……チッ。
後で覚えてろよ」
「覚えられたらね」
そう言い合いながら歩き出す二人を見て、一方通行は思う。
コイツら、なンだかンだ言っていいコンビかもしれねェな、と。
君よりも、僕はずっとマシだと思うよ」
何でだよ、と上条が言う前に、ステイルは口を開く。
「君の幻想殺しは触れてしまうだけで勝手に異能を打ち消すだろう?
そんな事されて、気付かないヤツがいるわけないじゃないか。
僕は魔術を使わなければ異常は感知されないけど、君の方は異常が常時ダダ洩れだよ」
「オイ、つまり何か?
俺はともかく、オマエら二人は発信機ぶら下げた間抜け面で、
危険度Aランクの所に何の策もなしにドアベル鳴らしてお邪魔すンのか?」
「ふむ。
ま、そうなるね。
そういう事では、君の方が重要だね」
「この野郎……一発殴っていいか?いいよな?ぶっ飛ばす」
「さっきも言ったけど、そんな事してる場合かい?」
「……チッ。
後で覚えてろよ」
「覚えられたらね」
そう言い合いながら歩き出す二人を見て、一方通行は思う。
コイツら、なンだかンだ言っていいコンビかもしれねェな、と。
ガラスの入口をくぐり抜けた先には、ごく普通の光景があった。
日光を多く取り入れるためか、全体的にガラスの多いロビーだった。
おまけにかなり広く、高さも三階分はある。
ここは予備校で言う『外面』という奴だ。
新しく入校するお客様を引き付けるために、豪華な飾りをするのも仕方がないのだろう。
奥にはエレベーターが四基並んでいる。
そこから少し横に入ると階段が見えた。
飾り気のないそれは、あくまで非常階段である事を示している。
どうやら、現在は長い休み時間らしい。
外へと食料の買い出しに行く生徒が行き来している。
上条達は特に注目を集めなかった。
もしかしたら、単に入校の手続きをしにきただけ、とでも思われているのかもしれない。
(……上条はともかく、俺やコイツが受験生に見えるのかねェ?)
一方通行は少し疑問に思う。
確かに、自分もステイルも『少年』ではある。
ただ、外見的にどこまでも怪しいと思う。
自分は白髪に赤目だし、ステイルは真っ赤な髪に、ピアスとか指輪をたくさんしている。
……まぁ、予備校も客商売だから来る者を拒まないだけかもしれないが。
とりあえずは、不審な点は見当たらない。
そう思った矢先――
「あれ?」
上条が突然、間の抜けた声を出した。
その視線の先を見てみると、エレベーターがある。
その右から一基目と二基目の間の壁に、金属塊が転がっている。
近くには、全長八十センチはある巨大な弓が転がっていた。
それの手足と呼べる部分は、ひしゃげて折れ曲がっている。
壊れた関節部分からは粘つく黒い液体が流れ出ている。
一方通行には、とても嫌な見覚えがあった。
しかし、そんな事よりも気になる事があった。
ただ、外見的にどこまでも怪しいと思う。
自分は白髪に赤目だし、ステイルは真っ赤な髪に、ピアスとか指輪をたくさんしている。
……まぁ、予備校も客商売だから来る者を拒まないだけかもしれないが。
とりあえずは、不審な点は見当たらない。
そう思った矢先――
「あれ?」
上条が突然、間の抜けた声を出した。
その視線の先を見てみると、エレベーターがある。
その右から一基目と二基目の間の壁に、金属塊が転がっている。
近くには、全長八十センチはある巨大な弓が転がっていた。
それの手足と呼べる部分は、ひしゃげて折れ曲がっている。
壊れた関節部分からは粘つく黒い液体が流れ出ている。
一方通行には、とても嫌な見覚えがあった。
しかし、そんな事よりも気になる事があった。
(……何で誰も騒ぎ立てねェンだ?)
そう、この場にいる誰もが、『アレ』について話題ですら建ててない。
目も合わせていない。
――まるでそこには何もないかのように、だ。
「どうした?
ここには何もない。
移動した方が賢明だと思うけど」
ステイルが、そう言った。
「あ、ああ」
上条は『それ』から目を離した。
一方通行は、まだ離せなかった。
「……オイ、待てよ」
一方通行が呼び止めるとステイルは、
「うん?
何だい、あれはただの死体だよ」
と言った。
「は……?」
上条は訳が分からない、といった表情をしている。
「施術鎧による加護と天弓のレプリカ――おそらくローマ正教の十三騎士団だろう。
裏切り者の首を取りに来たみたいだけれど、その様子じゃあ全滅ってところなのかな?」
そう、この場にいる誰もが、『アレ』について話題ですら建ててない。
目も合わせていない。
――まるでそこには何もないかのように、だ。
「どうした?
ここには何もない。
移動した方が賢明だと思うけど」
ステイルが、そう言った。
「あ、ああ」
上条は『それ』から目を離した。
一方通行は、まだ離せなかった。
「……オイ、待てよ」
一方通行が呼び止めるとステイルは、
「うん?
何だい、あれはただの死体だよ」
と言った。
「は……?」
上条は訳が分からない、といった表情をしている。
「施術鎧による加護と天弓のレプリカ――おそらくローマ正教の十三騎士団だろう。
裏切り者の首を取りに来たみたいだけれど、その様子じゃあ全滅ってところなのかな?」
一方通行は、じっと『それ』を見る。
赤黒い血の色に、鉄の匂い。
一方通行は『実験』と称した『人殺し』をしていた昔を思い出した。
それだけで、気分が悪くなる。
分かってはいたが、死体を見るのはもう嫌だったのだ。
「くそ……ったれが!」
上条が走り出す。
どうやら、何か出来る事を探すつもりらしい。
一方通行も駆け寄る。
彼の能力は、応急処置にも使えるのだ。
近寄ると兜の隙間から、わずかな呼吸音が聞こえる。
能力を使って、状態を診てみる。
「どうだ、一方通行?」
………………。
……もう、ダメだった。
上条にそれを告げようとした瞬間、エレベーターの扉が左右に開く。
そこから、同い年ぐらいの少年少女がたくさん降りていく。
すぐ横で崩れ落ちた人間を気にも留めず、世間話をしている。
赤黒い血の色に、鉄の匂い。
一方通行は『実験』と称した『人殺し』をしていた昔を思い出した。
それだけで、気分が悪くなる。
分かってはいたが、死体を見るのはもう嫌だったのだ。
「くそ……ったれが!」
上条が走り出す。
どうやら、何か出来る事を探すつもりらしい。
一方通行も駆け寄る。
彼の能力は、応急処置にも使えるのだ。
近寄ると兜の隙間から、わずかな呼吸音が聞こえる。
能力を使って、状態を診てみる。
「どうだ、一方通行?」
………………。
……もう、ダメだった。
上条にそれを告げようとした瞬間、エレベーターの扉が左右に開く。
そこから、同い年ぐらいの少年少女がたくさん降りていく。
すぐ横で崩れ落ちた人間を気にも留めず、世間話をしている。
「て、めぇ――――――」
上条は、怒りのままに近くにいた生徒の一人の肩を掴む。
「何やってんだよ!
さっさと救急車を――――っ!?」
言葉は途中で遮られた。
上条の腕が、おもいっきり引っ張られたからだ。
「なっ――――」
彼は絶句した。
その生徒は、特に上条の腕を掴んでいない。
肩に置いた手が、そのまま引っ張られたのだ。
さらに言うと、相手は上条に気付いた様子ですらない。
あれだけの叫び声をあげたのに、
ロビーにいる誰もが気付いていないようだった。
「……オイ、こりゃどォいう事だ」
一方通行の質問に、
「そういう結界なんだろうね。
コインで例えるなら、
何も知らない生徒達が『表』で、
僕達みたいな外敵が『裏』ってとこかな。
そして、『表』の人達は『裏』の人間に気付かず、
『裏』の人間は『表』の人達には一切干渉できない。見てみなよ」
上条は、怒りのままに近くにいた生徒の一人の肩を掴む。
「何やってんだよ!
さっさと救急車を――――っ!?」
言葉は途中で遮られた。
上条の腕が、おもいっきり引っ張られたからだ。
「なっ――――」
彼は絶句した。
その生徒は、特に上条の腕を掴んでいない。
肩に置いた手が、そのまま引っ張られたのだ。
さらに言うと、相手は上条に気付いた様子ですらない。
あれだけの叫び声をあげたのに、
ロビーにいる誰もが気付いていないようだった。
「……オイ、こりゃどォいう事だ」
一方通行の質問に、
「そういう結界なんだろうね。
コインで例えるなら、
何も知らない生徒達が『表』で、
僕達みたいな外敵が『裏』ってとこかな。
そして、『表』の人達は『裏』の人間に気付かず、
『裏』の人間は『表』の人達には一切干渉できない。見てみなよ」
ステイルの指差した先には、
エレベーターから出てくる少女がいた。
見れば、鎧から溢れている赤黒い血溜まりの上をすいすいと歩いている。
少女の靴底を見ても、何の汚れもなかった。
「ふむ」
ステイルは煙草を手に取り、火を点けた。
それを、そのままエレベーターのボタンに押し付ける。
「どうにも建物自体が『コインの表』らしいね。
二人とも、僕達は自分の力でドアも開けられなくなってしまったらしい」
そう言われ、上条がおもいっきり右拳を振りかぶる。
幻想殺し(イマジンブレイカー)――あらゆる異能を打ち消すそれを、
彼は地面に勢いよく、たたき付ける。
しかし、ごん、という鈍い音が響いただけだった。
「ばっ!
みゃあ!
みぎゃああっ!?」
痛みに悶絶してのたうちまわる上条を見て、
ステイルは呆れたようにため息をついた。
エレベーターから出てくる少女がいた。
見れば、鎧から溢れている赤黒い血溜まりの上をすいすいと歩いている。
少女の靴底を見ても、何の汚れもなかった。
「ふむ」
ステイルは煙草を手に取り、火を点けた。
それを、そのままエレベーターのボタンに押し付ける。
「どうにも建物自体が『コインの表』らしいね。
二人とも、僕達は自分の力でドアも開けられなくなってしまったらしい」
そう言われ、上条がおもいっきり右拳を振りかぶる。
幻想殺し(イマジンブレイカー)――あらゆる異能を打ち消すそれを、
彼は地面に勢いよく、たたき付ける。
しかし、ごん、という鈍い音が響いただけだった。
「ばっ!
みゃあ!
みぎゃああっ!?」
痛みに悶絶してのたうちまわる上条を見て、
ステイルは呆れたようにため息をついた。
「おそらくは、魔術の『核』を潰さないといけないんだろうね。
そしてだいたいこういうのは、
中の侵入者が逆転できないように外に『核』があるんだろうから、お手上げかな」
「……ちっくしょう。
じゃあどうすんだよ。
目の前にいる怪我人を、医者にも連れてけねえなんて」
「別段何もする必要ないさ
どうせ、もうそいつは死人だしね」
「馬鹿言ってんじゃ……「上条」
上条の反論を、一方通行が遮る。
「……そいつはもォダメだ。
せいぜい、持って数分ってところだ」
一方通行の言葉を聞いて、上条はショックに顔を歪ませる。
「何をそんな顔しているんだい?
本当は分かっていたんだろう?
仮に息をしていても、絶望的である事ぐらい」
瞬間、上条がステイルの胸倉を掴む。
一方通行には、止められなかった。
しかし上条が何かする前に、
「どけ。そいつには時間がない――――」
ステイルは冷静に、上条の手を振り払う。
そしてだいたいこういうのは、
中の侵入者が逆転できないように外に『核』があるんだろうから、お手上げかな」
「……ちっくしょう。
じゃあどうすんだよ。
目の前にいる怪我人を、医者にも連れてけねえなんて」
「別段何もする必要ないさ
どうせ、もうそいつは死人だしね」
「馬鹿言ってんじゃ……「上条」
上条の反論を、一方通行が遮る。
「……そいつはもォダメだ。
せいぜい、持って数分ってところだ」
一方通行の言葉を聞いて、上条はショックに顔を歪ませる。
「何をそんな顔しているんだい?
本当は分かっていたんだろう?
仮に息をしていても、絶望的である事ぐらい」
瞬間、上条がステイルの胸倉を掴む。
一方通行には、止められなかった。
しかし上条が何かする前に、
「どけ。そいつには時間がない――――」
ステイルは冷静に、上条の手を振り払う。
「――――死人には身勝手な同情を押し付けられる時間もない。
死者を送るのは神父(僕)の役目なんだから、素人は黙って見てろ」
そう言ってステイルは、後わずかで命が消え入るであろう『騎士』に向かい合う。
その背からは、怒りが感じられた。
今、彼は『魔術師』ではなく『神父』としてこの場に立っていた。
ステイルは何も特別な事はしなかった。
「 」
ただ一言、何かを言った。
小さくて、一方通行にはよく聞こえなかった。
そこにどれほどの意味があったのか、
今まで何の動きもなかった『騎士』の右手がゆっくり、ゆっくりと動く。
天に浮かぶ何かを掴むように、ステイルに向かってそれを差し出す。
「 。 」
何かを、言った。
ステイルは、小さく頷いた。
『騎士』の全身から緊張が消える。
まるで、もうこの世に未練などないと言わんばかりだった。
その右手は勢いよく、落ちる。
篭手と床がぶつかり、ごん、と葬送の鐘のような音が辺りに響く。
「……」
ステイルは『神父』として、最後に十字を胸の前で切った。
イギリス清教もローマ正教も関係ない。
ただ一人の人間を送るための儀式だった。
「行くよ――」
『魔術師』ステイル=マグヌスは、言った。
「――――戦う理由が、増えたみたいだ」
死者を送るのは神父(僕)の役目なんだから、素人は黙って見てろ」
そう言ってステイルは、後わずかで命が消え入るであろう『騎士』に向かい合う。
その背からは、怒りが感じられた。
今、彼は『魔術師』ではなく『神父』としてこの場に立っていた。
ステイルは何も特別な事はしなかった。
「 」
ただ一言、何かを言った。
小さくて、一方通行にはよく聞こえなかった。
そこにどれほどの意味があったのか、
今まで何の動きもなかった『騎士』の右手がゆっくり、ゆっくりと動く。
天に浮かぶ何かを掴むように、ステイルに向かってそれを差し出す。
「 。 」
何かを、言った。
ステイルは、小さく頷いた。
『騎士』の全身から緊張が消える。
まるで、もうこの世に未練などないと言わんばかりだった。
その右手は勢いよく、落ちる。
篭手と床がぶつかり、ごん、と葬送の鐘のような音が辺りに響く。
「……」
ステイルは『神父』として、最後に十字を胸の前で切った。
イギリス清教もローマ正教も関係ない。
ただ一人の人間を送るための儀式だった。
「行くよ――」
『魔術師』ステイル=マグヌスは、言った。
「――――戦う理由が、増えたみたいだ」
「だァー。
面倒だなァ、オイ」
一方通行は一人、呟く。
現在、一方通行は上条達とは別行動を取っていた。
理由は単純。
上条もステイルも、敵に感知されやすいので、
一方通行のように敵に感知されない人間の囮になる、との事らしい。
で、別れて隠し部屋の捜索をする事になったのだが。
「どンだけあンだよ、クソったれ……」
階段を登るのが、辛い。
エレベーターを使うと生徒達に押し潰されかねない、
という理由で仕方なく階段を使う事になったのだが、正直辛い。
もともと、一方通行にはあまり体力がない。
十二階建てのビルを駆け登るのは、大変なのだ。
しばらくして、一方通行は目的の階に着いた。
現在、彼は東棟の六階にいる。
周りには生徒もおらず、少し不気味だ。
「さてと……。
隠し部屋とやらを探すとすっかァ……」
そう呟きながら、非常階段の入口から出ようとした一方通行だったが。
「……あン?」
彼は驚きの表情を浮かべる。
何故ならば――――。
面倒だなァ、オイ」
一方通行は一人、呟く。
現在、一方通行は上条達とは別行動を取っていた。
理由は単純。
上条もステイルも、敵に感知されやすいので、
一方通行のように敵に感知されない人間の囮になる、との事らしい。
で、別れて隠し部屋の捜索をする事になったのだが。
「どンだけあンだよ、クソったれ……」
階段を登るのが、辛い。
エレベーターを使うと生徒達に押し潰されかねない、
という理由で仕方なく階段を使う事になったのだが、正直辛い。
もともと、一方通行にはあまり体力がない。
十二階建てのビルを駆け登るのは、大変なのだ。
しばらくして、一方通行は目的の階に着いた。
現在、彼は東棟の六階にいる。
周りには生徒もおらず、少し不気味だ。
「さてと……。
隠し部屋とやらを探すとすっかァ……」
そう呟きながら、非常階段の入口から出ようとした一方通行だったが。
「……あン?」
彼は驚きの表情を浮かべる。
何故ならば――――。
「…………っ!?」
思わず身構えた一方通行だったが、
それらは彼を無視して南棟へと向かって行った。
「あァ、そォいう事か……」
一方通行は納得した。
確か南棟の方には上条達がいる。
おそらくは、敵の罠に引っ掛かって見つかったのだろう。
「こりゃ、急がねェとな……」
そう呟いて、一方通行は歩き出す。
「しっかしまァ……何だったンだろォな、さっきの」
「――当然、私が用意した『グレゴリオの聖歌隊』だが?」
突然の声に、一方通行は驚く。
「呆然、何を驚いている」
彼の目の前には、男がいた。
その男は、白い肌に白いスーツを着ていて、緑色の髪をオールバックにしている。
とんでもなくきらびやかな格好だったが、
男の中性的な美貌が、それを当然と思わせる。
おそらく、コイツが――――
「オマエがアウレオルス=イザードか?」
「当然、私がそうだが……。
侵入者は三人のはずだが、もう二人は囮か?」
一方通行の質問をあっさりと肯定して、
アウレオルスは逆に質問してきた。
「……さァ?
俺には、関係ねェな。
とりあえずオマエをぶっ飛ばせば、
くだらねェお仕事が終わるンだ。
手っ取り早く、済まさせてもらおォじゃねェか」
アウレオルスはそれを聞いて、笑う。
「必然、笑止。
そんな事ができるのか、少年」
「……………………上等だ」
二人は、互いに睨み合った――。
思わず身構えた一方通行だったが、
それらは彼を無視して南棟へと向かって行った。
「あァ、そォいう事か……」
一方通行は納得した。
確か南棟の方には上条達がいる。
おそらくは、敵の罠に引っ掛かって見つかったのだろう。
「こりゃ、急がねェとな……」
そう呟いて、一方通行は歩き出す。
「しっかしまァ……何だったンだろォな、さっきの」
「――当然、私が用意した『グレゴリオの聖歌隊』だが?」
突然の声に、一方通行は驚く。
「呆然、何を驚いている」
彼の目の前には、男がいた。
その男は、白い肌に白いスーツを着ていて、緑色の髪をオールバックにしている。
とんでもなくきらびやかな格好だったが、
男の中性的な美貌が、それを当然と思わせる。
おそらく、コイツが――――
「オマエがアウレオルス=イザードか?」
「当然、私がそうだが……。
侵入者は三人のはずだが、もう二人は囮か?」
一方通行の質問をあっさりと肯定して、
アウレオルスは逆に質問してきた。
「……さァ?
俺には、関係ねェな。
とりあえずオマエをぶっ飛ばせば、
くだらねェお仕事が終わるンだ。
手っ取り早く、済まさせてもらおォじゃねェか」
アウレオルスはそれを聞いて、笑う。
「必然、笑止。
そんな事ができるのか、少年」
「……………………上等だ」
二人は、互いに睨み合った――。
そんな訳で、今回はここまで。
次回、アウレオルス=イザードVS一方通行。
……皆様、お楽しみに。
一応、言っとくと一方さん無双にしたくはないから、
ちょっとオリジナル要素(?)を入れる。
苦手な人は気をつけて。
それじゃ、22時間後にお会いしましょう。
次回、アウレオルス=イザードVS一方通行。
……皆様、お楽しみに。
一応、言っとくと一方さん無双にしたくはないから、
ちょっとオリジナル要素(?)を入れる。
苦手な人は気をつけて。
それじゃ、22時間後にお会いしましょう。
>>460で言ってる実験ってのは、絶対能力進化とは別の実験ってことでイイのかな
上条「いくぞ、長友!」長友「おぉ!!インテルでも頑張るぜ!!」
>>472
ワロタwwwwww
ワロタwwwwww
アウレオルスが強すぎるから一方さん大変そうだなあ
ダミー相手なら瞬殺なんだがなww
てかステイルがかっこよすぎる
ダミー相手なら瞬殺なんだがなww
てかステイルがかっこよすぎる
おつおつ
三人ともいい味出してる!
一通さん大丈夫なのかー!?
三人ともいい味出してる!
一通さん大丈夫なのかー!?
この建物の中で一方さんの能力はどうなってるンだろ
反射ONにしている状態で誰かにぶつかっても反射は適応されないの?
反射ONにしている状態で誰かにぶつかっても反射は適応されないの?
んがンになってるままだった…
一方さん真似してたり一方さんのSS書いてたりすると勝手に変換されてて、気づかないことってあるよね?
一方さん真似してたり一方さんのSS書いてたりすると勝手に変換されてて、気づかないことってあるよね?
ヘタレオルスとか顔面自転パンチでひるんだところでKJさんのそげぶでいちころっしょ(笑)学園都市のキングだし()
どうも、1です。
……投下しようと思って、PCの電源点けて
立ち上がりを待ってたらおもいっきり寝てました。
もう、ホントにごめんなさい。
とりあえず今からもう出ないといけないので、
昨日の分は今日の分と一緒に投下します。
大変申し訳ありませんでした。
……投下しようと思って、PCの電源点けて
立ち上がりを待ってたらおもいっきり寝てました。
もう、ホントにごめんなさい。
とりあえず今からもう出ないといけないので、
昨日の分は今日の分と一緒に投下します。
大変申し訳ありませんでした。
どうも、やってきました。
いつまでも1なのは寂しいのでコテハンつけてみる。
今から投下します。
いつまでも1なのは寂しいのでコテハンつけてみる。
今から投下します。
一方通行はまず、アウレオルスの出方を伺う事にした。
彼とアウレオルスとの間の距離は、およそ二十メートルほどだ。
一方通行からすれば、この程度の距離はたったの二秒で縮められる。
しかし相手の得物が分からないので、
思わぬカウンターを食らう可能性もある。
そう考えると、ここは様子見するしかなかった。
「……どうした?
当然、私を倒すと言ったからには、何か仕掛けてくるのだろう?
……依然、仕掛けてこないのならば、私から仕掛けさせて貰おうか」
アウレオルスがそう言うと彼のスーツの右袖からにゅ、と黄金の刃物が飛び出す。
(ありゃあ……鏃……か?)
一方通行は眉をひそめる。
形は間違いなく鏃だったが、大きさは小ぶりのナイフほどにはある。
暗器か何かの類だろうな、と心の中で結論づける。
彼とアウレオルスとの間の距離は、およそ二十メートルほどだ。
一方通行からすれば、この程度の距離はたったの二秒で縮められる。
しかし相手の得物が分からないので、
思わぬカウンターを食らう可能性もある。
そう考えると、ここは様子見するしかなかった。
「……どうした?
当然、私を倒すと言ったからには、何か仕掛けてくるのだろう?
……依然、仕掛けてこないのならば、私から仕掛けさせて貰おうか」
アウレオルスがそう言うと彼のスーツの右袖からにゅ、と黄金の刃物が飛び出す。
(ありゃあ……鏃……か?)
一方通行は眉をひそめる。
形は間違いなく鏃だったが、大きさは小ぶりのナイフほどにはある。
暗器か何かの類だろうな、と心の中で結論づける。
その瞬間――――
「リメン――」
アウレオルスの右手がゆらりと上がる。
刃物の切っ先は一方通行の顔に向く。
「――マグナ!!」
アウレオルスがそう叫んだ直後、
それは銃弾のように一直線に一方通行の顔に向かって射出された。
「…………っ!?」
一方通行はとっさに身を捻り、何とか避けた。
放たれる寸前で『飛び道具』と当たりをつけたおかげだろう。
鏃の尻には、同じ黄金で出来た鎖が取り付けられている。
身を捻りながら、一方通行は鏃の行く先を見る。
重力に従って、それは落ちていく。
そして、ちょうど通路に設置してあったゴミ箱に、それは直撃した。
ガン!と金属同士が接触する音が聞こえてくる。
刹那――――
ぱん、と水風船を割った時のようにゴミ箱が液体になって弾け飛んだ。
「リメン――」
アウレオルスの右手がゆらりと上がる。
刃物の切っ先は一方通行の顔に向く。
「――マグナ!!」
アウレオルスがそう叫んだ直後、
それは銃弾のように一直線に一方通行の顔に向かって射出された。
「…………っ!?」
一方通行はとっさに身を捻り、何とか避けた。
放たれる寸前で『飛び道具』と当たりをつけたおかげだろう。
鏃の尻には、同じ黄金で出来た鎖が取り付けられている。
身を捻りながら、一方通行は鏃の行く先を見る。
重力に従って、それは落ちていく。
そして、ちょうど通路に設置してあったゴミ箱に、それは直撃した。
ガン!と金属同士が接触する音が聞こえてくる。
刹那――――
ぱん、と水風船を割った時のようにゴミ箱が液体になって弾け飛んだ。
強酸か何かでドロドロに溶かしたように見えたが、違う。
あれはただの液体ではない。
金色に輝くそれは――――高熱により溶解した純金だった。
鎖が巻き戻され、鏃はアウレオルスのスーツの袖へと納まる。
「自然、何を驚いている?」
アウレオルスは再び右手をかざす。
「我が役は錬金の師。
その名の由来、当然分からない訳ではあるまい?」
一方通行は言葉も出ない。
「我が『瞬間錬金(リメン=マグナ)』は、
わずかでも傷をつけた物体を即座に純金に強制変換する。
防御は無効、逃避も不可能。
そらどうした、貴様も得物でも超能力でも出せばよいだろう」
一方通行は何も答えられない。
「ふむ。
必然、『瞬間錬金』の前では愕然せざるを得んかね?」
アウレオルスがそう言うと、
「……驚くなってなァ、無理な話だなァ」
一方通行はゆっくりと口を開く。
あれはただの液体ではない。
金色に輝くそれは――――高熱により溶解した純金だった。
鎖が巻き戻され、鏃はアウレオルスのスーツの袖へと納まる。
「自然、何を驚いている?」
アウレオルスは再び右手をかざす。
「我が役は錬金の師。
その名の由来、当然分からない訳ではあるまい?」
一方通行は言葉も出ない。
「我が『瞬間錬金(リメン=マグナ)』は、
わずかでも傷をつけた物体を即座に純金に強制変換する。
防御は無効、逃避も不可能。
そらどうした、貴様も得物でも超能力でも出せばよいだろう」
一方通行は何も答えられない。
「ふむ。
必然、『瞬間錬金』の前では愕然せざるを得んかね?」
アウレオルスがそう言うと、
「……驚くなってなァ、無理な話だなァ」
一方通行はゆっくりと口を開く。
錬金術師の動きが止まる。
「だってよォ、魔術ってのはあくまでも『実験』なンだろ?
その中でも錬金術師(オマエ)は『結果』じゃなくて、
その『原因を調べる事』を大事にするンだろ?
わざわざ、『魔術(実験)』そのものを誇ってどうすンだか。
瞬間錬金(リメン=マグナ)?
くっだらねェ、そンなもン、人間に強酸ぶちまけるのとどう違うンだ」
一方通行ががっかりしたようにため息をつく。
「……必然」
「まったくよォ、何だこのバカみてェな三下は?
こンなのが大将だったら、アイツ一人で充分じゃねェか」
「……必然、失笑!!」
叫ぶと同時に、アウレオルスはスーツの右袖から『瞬間錬金』を射出する。
十本もの黄金の矢は、見事な軌跡を描いて一方通行まで飛んでいく。
アウレオルスは少年の末路を想像し、勝利の笑みを浮かべる。
「だってよォ、魔術ってのはあくまでも『実験』なンだろ?
その中でも錬金術師(オマエ)は『結果』じゃなくて、
その『原因を調べる事』を大事にするンだろ?
わざわざ、『魔術(実験)』そのものを誇ってどうすンだか。
瞬間錬金(リメン=マグナ)?
くっだらねェ、そンなもン、人間に強酸ぶちまけるのとどう違うンだ」
一方通行ががっかりしたようにため息をつく。
「……必然」
「まったくよォ、何だこのバカみてェな三下は?
こンなのが大将だったら、アイツ一人で充分じゃねェか」
「……必然、失笑!!」
叫ぶと同時に、アウレオルスはスーツの右袖から『瞬間錬金』を射出する。
十本もの黄金の矢は、見事な軌跡を描いて一方通行まで飛んでいく。
アウレオルスは少年の末路を想像し、勝利の笑みを浮かべる。
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