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元スレ上条「いくぞ、親友!」一方「おォ!!」
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ども、今から投下します。
今回はキリのいいトコまでなので、かなり短いです。
それではどうぞ。
今回はキリのいいトコまでなので、かなり短いです。
それではどうぞ。
八月十九日――――
この日の夕方、一方通行は一人で大通りを歩いていた。
手にはコンビニの袋があり、中身は十数本の缶コーヒーと何かの包みである。
(あーあァ……。
宿題ってのは、面倒なモンだよなァ……)
そう、今日彼は一日を使い切って、『宿題』を全て片付けたのだ。
普段の彼ならば、そんなものはこの頃には片付いている。
しかしながら、今年はたび重なる事件のおかげでそうもいかなかった。
(ま、終わったンだし、良しとするかね……)
一方通行はチラリ、と袋を見やる。
中の包みには、
『これさえあれば花火大会はいらない!?学園都市製本格花火セット』
と書いてある。
隣人である上条当麻とインデックス、
それに姫神秋沙と楽しもうと用意したモノである。
(まったく……やっぱりらしくねェよなァ……)
そんな事を、思う。
自分はこの数年ですっかり変わった気がする。
それもこれも、全ては上条のおかげだろう。
一方通行は、ゆっくりと初めて出会った時の事を思い出す。
この日の夕方、一方通行は一人で大通りを歩いていた。
手にはコンビニの袋があり、中身は十数本の缶コーヒーと何かの包みである。
(あーあァ……。
宿題ってのは、面倒なモンだよなァ……)
そう、今日彼は一日を使い切って、『宿題』を全て片付けたのだ。
普段の彼ならば、そんなものはこの頃には片付いている。
しかしながら、今年はたび重なる事件のおかげでそうもいかなかった。
(ま、終わったンだし、良しとするかね……)
一方通行はチラリ、と袋を見やる。
中の包みには、
『これさえあれば花火大会はいらない!?学園都市製本格花火セット』
と書いてある。
隣人である上条当麻とインデックス、
それに姫神秋沙と楽しもうと用意したモノである。
(まったく……やっぱりらしくねェよなァ……)
そんな事を、思う。
自分はこの数年ですっかり変わった気がする。
それもこれも、全ては上条のおかげだろう。
一方通行は、ゆっくりと初めて出会った時の事を思い出す。
昔、一方通行は学校に通わず、様々な『実験』をずっとしていた。
ある時は投薬され、またある時は脳に直接電極を突っ込まれたりして毎日を過ごしていた。
……もっとも、新しく彼を研究する連中は
人殺しなどはさせなかったし、まだ優遇されていたが。
これからもずっとそうなんだと、あの時は本気で思っていた。
しかしある日の事、唐突に変化は訪れた。
あの日は、まだ夏になる少し前だった。
その日、一方通行は路地裏に立っていた。
周りには、高校生くらいの男達が六人ほど立っている。
『へへへ……。
ようやく見つけたぜえ……』
『この前、お前に俺達の友達がボコボコにされちゃってさあ』
『おかげで今、そいつらは全治半年の大怪我で入院してんだよ』
『今日は、ちょーっとそのお礼を……な?』
一方通行は全く聞いていなかった。
どうせ襲い掛かってきても『反射』すれば、いいだけだ。
そうしてまた、馬鹿がぶっ倒れる――彼にとってはそれだけの事だ。
一方通行は少しだけため息をつく。
それが、圧倒的で一方的な暴力の始まりになる――――はずだった。
『いやーこんなトコにいたのかよ、お前!!』
何かわざとらしい少年の声が、不意に聞こえてくる。
声のした方を見てみると、そこには見覚えのないツンツン頭の少年がいる。
一方通行を取り囲んでいた奴らは、ポカンとしていた。
見たところ一方通行と同じ中学生くらいのその少年は、
一方通行にズカズカと歩み寄ると、右手で彼の手を握る。
『……な?』
一方通行は思わず驚く。
『反射』の壁を出しているはずなのに、それは簡単に破られた。
『いやーホント探したよ。
さ、行こう行こう。アイツらが待ってる』
少年はそう言うと、呆然としている一方通行をそのまま連れていこうとした。
だが、
『……オイコラ、待ちやがれ!!』
それで逃がしてくれる連中ではなかった。
路地裏から二人が出ようとした所で、
さっきまで固まっていた六人が追いかけてきた。
『うわっ!?やべえな、逃げるぞ!』
『あン?ち、ちょっとま……』
そのまま一方通行は少年に引っ張られて、マラソンをする事になった。
『ぜェ……ぜェ……』
一方通行は頑張って荒い呼吸を戻そうとした。
全力疾走したのなんて、何年ぶりだろうか。
『はぁー。疲れたなー』
彼の隣にいる少年が呟く。
『あっと、大丈夫か?』
少年の質問を無視して一方通行は、
『……オイ、オマエ何してくれてンだよ』
『………………へ?』
少年は、何言ってんだこいつという目で見てきた。
『別に俺は高位能力者なンだから、放っといてよかったンだよ』
『あれ?あ、そうだったのか。
…………いや、だとしても放っとけねーよ』
一方通行は思わず眉をひそめた。
(……コイツ、何考えてンだ?)
別に助けなどなくても、何も問題ないと言ったのだ。
なのに、目の前の少年は放っておけないと言った。
おまけに自分の能力をあっさり破ってみせた。
……こんな人間、これまで見たこともない。
『あン?ち、ちょっとま……』
そのまま一方通行は少年に引っ張られて、マラソンをする事になった。
『ぜェ……ぜェ……』
一方通行は頑張って荒い呼吸を戻そうとした。
全力疾走したのなんて、何年ぶりだろうか。
『はぁー。疲れたなー』
彼の隣にいる少年が呟く。
『あっと、大丈夫か?』
少年の質問を無視して一方通行は、
『……オイ、オマエ何してくれてンだよ』
『………………へ?』
少年は、何言ってんだこいつという目で見てきた。
『別に俺は高位能力者なンだから、放っといてよかったンだよ』
『あれ?あ、そうだったのか。
…………いや、だとしても放っとけねーよ』
一方通行は思わず眉をひそめた。
(……コイツ、何考えてンだ?)
別に助けなどなくても、何も問題ないと言ったのだ。
なのに、目の前の少年は放っておけないと言った。
おまけに自分の能力をあっさり破ってみせた。
……こんな人間、これまで見たこともない。
『おーい?聞いてるかー?』
『お、おォ。何だよ?』
どうやら考え込んでいる間に、少年が何か言ったらしい。
『いや、だからな?
大丈夫みたいだし、もう俺は帰るから。
……そんじゃ、今度からは気をつけろよー』
言うだけ言って少年は手を振りながら、帰っていった。
『………………変なヤツ』
それだけ呟いて、彼は歩き出す。
そろそろ、与えられた自由時間が終わりそうだった。
さて、しばらくして。
一方通行は缶コーヒーを飲みながら、また路地裏を歩いていた。
あの少年の忠告など、特に気にしていない。
何と言ったて、自分は『最強』なのだ。
心配する事など、何一つない。
『……あン?』
一方通行は出口近くまで来て、足を止めた。
彼の目の前では、喧嘩――というよりかは一方的な数の暴力が展開されていた。
『お、おォ。何だよ?』
どうやら考え込んでいる間に、少年が何か言ったらしい。
『いや、だからな?
大丈夫みたいだし、もう俺は帰るから。
……そんじゃ、今度からは気をつけろよー』
言うだけ言って少年は手を振りながら、帰っていった。
『………………変なヤツ』
それだけ呟いて、彼は歩き出す。
そろそろ、与えられた自由時間が終わりそうだった。
さて、しばらくして。
一方通行は缶コーヒーを飲みながら、また路地裏を歩いていた。
あの少年の忠告など、特に気にしていない。
何と言ったて、自分は『最強』なのだ。
心配する事など、何一つない。
『……あン?』
一方通行は出口近くまで来て、足を止めた。
彼の目の前では、喧嘩――というよりかは一方的な数の暴力が展開されていた。
いつもなら、こんな事は気にしない。
しかし、今回は違う。
暴力している側とされている側に、見覚えがあった。
暴力している側は、先程一方通行に絡んできた六人だった。
そして、暴力されている側は――――
先程、一方通行を助けにきた馬鹿な少年だった。
『オラオラどうしたぁ!
テメェにゃ、まだまだあのガキを逃した礼が残ってるぜ!!』
(……チッ、あの馬鹿が)
適当に一方通行は悪態をついた。
だから言ったのに、と一方通行は思う。
ヘタに自分などに関わってしまえば、こんな目に遭ってしまうのだ。
一方通行はそういう人間を見るのが、何となく嫌だった。
イライラしながら、一方通行は手持ちの空き缶をおもいっきり投げた。
ベクトルを操られた空き缶は、
凄まじい速度で倒れている少年を蹴っている男に衝突する。
『……ぎゃっ!?』
ガン、と鉄鍋をお玉で叩いたような音が狭い路地裏に響く。
その音が、圧倒的な暴虐の始まりの合図だった。
しかし、今回は違う。
暴力している側とされている側に、見覚えがあった。
暴力している側は、先程一方通行に絡んできた六人だった。
そして、暴力されている側は――――
先程、一方通行を助けにきた馬鹿な少年だった。
『オラオラどうしたぁ!
テメェにゃ、まだまだあのガキを逃した礼が残ってるぜ!!』
(……チッ、あの馬鹿が)
適当に一方通行は悪態をついた。
だから言ったのに、と一方通行は思う。
ヘタに自分などに関わってしまえば、こんな目に遭ってしまうのだ。
一方通行はそういう人間を見るのが、何となく嫌だった。
イライラしながら、一方通行は手持ちの空き缶をおもいっきり投げた。
ベクトルを操られた空き缶は、
凄まじい速度で倒れている少年を蹴っている男に衝突する。
『……ぎゃっ!?』
ガン、と鉄鍋をお玉で叩いたような音が狭い路地裏に響く。
その音が、圧倒的な暴虐の始まりの合図だった。
『がっ、はぁ……!?』
『うぐ、ちきしょう……。
この……化物、め……』
そんな言葉を吐きながら倒れる男達を、一方通行は無視する。
(化物、ねェ……。
人が手加減してやったてのによォ……)
『オイ、オマエ。立てるだろォな』
『あ、れ?
お前どうして……痛っ、痛たた!!』
適当に怪我を診ようとして傷口に触ると、
少年は痛みに悲鳴を上げた。
『ふン……。
それだけのリアクションが取れンなら大丈夫だな』
そう言って、一方通行は立ち上がる。
『そこで倒れてろ。
すぐに救急車が来る』
彼はケータイを取り出して、病院に連絡した。
『じゃあな、これに懲りたら余計な事に首突っ込むなよ』
『あ……おい、待て……痛たたたっ!?』
言うだけ言って、一方通行は少年の制止の声を無視して立ち去った。
これが、『上条当麻』と『一方通行』の初めての出会いだった。
(はは……。まったく、変な出会いだったな……)
一方通行は思う。
こんな状態からよくまぁ親友になどなれたな、と。
しかし、あの出会いこそが始まりだった。
その後、一方通行が路地裏で絡まれるたびに彼は現れた。
助けなくていい、何度そう言っても、彼は笑って答えた。
『そう言ってるけど、お前は助けて欲しいって顔してるよ』
思わず、その時はギクリとした。
何だか、自分の事が見抜かれたような――不思議な気持ちだった。
そして二人はいつの間にか、路地裏以外でも会うようになった。
理由なんて分からない。
ただ一方通行にとって、少年と会う事は楽しかった。
こんな感情など、数年前に捨て去っていたはずなのに。
『お、いたいた。
オイ、一方通行。
ちょーっとばかしいいか?』
ある日、彼の研究者である木原数多に呼び止められた。
『何だよ、木原くン?』
『だからその呼び方はやめろって。
……まぁ、いいか。それよりもな?お前に大事な話があるんだよ』
そう言って、木原は語り出す。
現在、もう一方通行は研究されつくされてしまった事。
結果、『最強』から『無敵』への進化は不可能だという事。
一方通行はその事が残念だった。
『無敵』になれば、もう一度『日常』へと戻れると思っていたのだ。
『……てな訳でさ、お前にちょっとした進路相談な』
『は?』
そんな一方通行に、木原はそう言った。
『いやな?お前の研究は打ち止めって事になったからさ。
これから先のお前の生き方にちょっとした提案があるんだよ』
木原は一呼吸すると、
『お前、学校通わねーか?』
『……はァ?』
ようやく出たのは、そんな一言だった。
『実はさー。俺って暗部組織で隊長やってたんだけど、
この前クビになっちまってさー。
で、まぁ完璧に今の職を失っちまった訳。
お前の研究も失敗に終わっちゃったし、さあどうしよっかなって考えたんだ』
『だからその呼び方はやめろって。
……まぁ、いいか。それよりもな?お前に大事な話があるんだよ』
そう言って、木原は語り出す。
現在、もう一方通行は研究されつくされてしまった事。
結果、『最強』から『無敵』への進化は不可能だという事。
一方通行はその事が残念だった。
『無敵』になれば、もう一度『日常』へと戻れると思っていたのだ。
『……てな訳でさ、お前にちょっとした進路相談な』
『は?』
そんな一方通行に、木原はそう言った。
『いやな?お前の研究は打ち止めって事になったからさ。
これから先のお前の生き方にちょっとした提案があるんだよ』
木原は一呼吸すると、
『お前、学校通わねーか?』
『……はァ?』
ようやく出たのは、そんな一言だった。
『実はさー。俺って暗部組織で隊長やってたんだけど、
この前クビになっちまってさー。
で、まぁ完璧に今の職を失っちまった訳。
お前の研究も失敗に終わっちゃったし、さあどうしよっかなって考えたんだ』
『……それがどォして、学校に繋がンだよ』
『まぁまぁ、話は最後まで聞けって。
でだよ、さっきも言った通り俺達は職を失っちまった。
……そしてそれはー。一方通行くんも一緒なのでっす!』
つまりこういう事だった。
『最強』から『無敵』に進化できないのならば用済みだと、そういう話である。
『まぁそんな訳でー。
他のヤツらと相談したらさ、
芳川のヤツがちょうどいい事に、
能力開発に一切こだわってねぇ正真正銘の底辺な学校があるんだってよ。
…………ここならさ、お前も「日常」ってモンに触れられるんじゃねーの?』
そこまで言って木原は、
『ま、決めんのはお前だ。
明日までに、決めといてくれよなー』
ひらひらと手を振って、彼は立ち去った。
一方通行はじっと木原が置いていった学校の案内書を見た。
どうやら、嘘ではないらしい。
一方通行にとって聞いた事もない名前の学校だったからだ。
『…………』
彼は、すぐに答えを決めた。
『まぁまぁ、話は最後まで聞けって。
でだよ、さっきも言った通り俺達は職を失っちまった。
……そしてそれはー。一方通行くんも一緒なのでっす!』
つまりこういう事だった。
『最強』から『無敵』に進化できないのならば用済みだと、そういう話である。
『まぁそんな訳でー。
他のヤツらと相談したらさ、
芳川のヤツがちょうどいい事に、
能力開発に一切こだわってねぇ正真正銘の底辺な学校があるんだってよ。
…………ここならさ、お前も「日常」ってモンに触れられるんじゃねーの?』
そこまで言って木原は、
『ま、決めんのはお前だ。
明日までに、決めといてくれよなー』
ひらひらと手を振って、彼は立ち去った。
一方通行はじっと木原が置いていった学校の案内書を見た。
どうやら、嘘ではないらしい。
一方通行にとって聞いた事もない名前の学校だったからだ。
『…………』
彼は、すぐに答えを決めた。
(まったく、木原くンだなンて愉快な呼び方、よく思い付いたモンだよな)
一方通行はちょっとだけ笑った。
あの後その学校に通う事になった彼は、
そこで初めて『友達』を作り、幸せな『日常』を過ごした。
自分を襲撃する連中も、木原達の情報操作により来なくなった。
そろそろ彼らに会わなくなって一ヶ月は経つ。
……明日にでも、会いに行くか。
そう考えていた、その時。
「お?」
ケータイがメールの受信を知らせてきた。
何だ?と思いつつ、彼は誰から送られたかを見てみた。
液晶画面には『天井亜雄』と表示されていた。
「……オイオイ」
一方通行はメールを開いてみる。
そこには、
『絶対能力進化実験(レベル6シフト)の日程』
というタイトルから始まる、長文があった。
「ったく、遅すぎンだろォがよ」
彼は笑いながら、メールを見る。
内容は要約すると、
『今夜、21:00より所定の場所に集合。
そこにいる人物に実験の内容を聞き、実行せよ』
とあった。
一方通行はワクワクしていた。
何せ、ずっと待ち望んでいた『無敵』に今夜なれるのだ。
……本当のところは、一方通行は『無敵』などなくてもよいと思っている。
しかし、彼は『無敵』を求める。
――――守りたい人達が、彼にはいるからだ。
それは、木原数多であり芳川桔梗であり姫神秋沙でありインデックスでもある。
そして、『上条当麻』でもあった。
一方通行は上条家にインデックスが加わってから、
ずっとずっと思っていた事がある。
自分は本当に上条を助けられなかったのか、と。
あの時、あの無数の羽は『最強』ではなく『無敵』ならば何とかできたのではないか。
もし『最強』ではなく、『無敵』だったら――――
今の上条に辛い思いをさせずに済んだのではないか?
そんな疑念が、彼の心に渦巻いていた。
だから、一方通行はあくまで『自己満足』でそれを求めた。
……もう大事なものを失わないために。
「あ、あくせられーた!」
「よ、おかえりさん!」
「ずいぶんと。遅かったね」
寮に帰れば、相変わらずの『日常』がそこにはあった。
「ハッ。そりゃしょうがねェだろ。
……オマエら花火やるぞ、花火!!」
一方通行は『日常』を楽しむ。
……それが、もう残り少ないものだとも知らずに。
何せ、ずっと待ち望んでいた『無敵』に今夜なれるのだ。
……本当のところは、一方通行は『無敵』などなくてもよいと思っている。
しかし、彼は『無敵』を求める。
――――守りたい人達が、彼にはいるからだ。
それは、木原数多であり芳川桔梗であり姫神秋沙でありインデックスでもある。
そして、『上条当麻』でもあった。
一方通行は上条家にインデックスが加わってから、
ずっとずっと思っていた事がある。
自分は本当に上条を助けられなかったのか、と。
あの時、あの無数の羽は『最強』ではなく『無敵』ならば何とかできたのではないか。
もし『最強』ではなく、『無敵』だったら――――
今の上条に辛い思いをさせずに済んだのではないか?
そんな疑念が、彼の心に渦巻いていた。
だから、一方通行はあくまで『自己満足』でそれを求めた。
……もう大事なものを失わないために。
「あ、あくせられーた!」
「よ、おかえりさん!」
「ずいぶんと。遅かったね」
寮に帰れば、相変わらずの『日常』がそこにはあった。
「ハッ。そりゃしょうがねェだろ。
……オマエら花火やるぞ、花火!!」
一方通行は『日常』を楽しむ。
……それが、もう残り少ないものだとも知らずに。
そんな訳で、今回はここまで。
……次回、初めての花火にインデックスが!?
そして、一方通行を待っていた実験の内容とは!?
それじゃ皆様。次回もお楽しみに。
……次回、初めての花火にインデックスが!?
そして、一方通行を待っていた実験の内容とは!?
それじゃ皆様。次回もお楽しみに。
乙!!
頑張れ上条さん!一方さん!!
しっかしあい☆てむと一方さんが友達設定とは
頑張れ上条さん!一方さん!!
しっかしあい☆てむと一方さんが友達設定とは
いや、個性が出るにつれて好きなタイプもわかれてくるんじゃないかな。
例えば、青髪で身長が高いピアスの似合うナイスガイが好きな妹達もでてくるとボクは思う。
例えば、青髪で身長が高いピアスの似合うナイスガイが好きな妹達もでてくるとボクは思う。
>>724
青ピさんちーっす。
さて、皆様。
今日の投下は明日の朝にするよ。
理由は……まぁ察して下さいまし。
……俺、この三巻が終わったら、
一方さんとあの子でほのぼのする話を書けるように頑張るんだ……。
それはそうと、今日はバレンタイン。
またあーくんスレにでもそのネタを投下したかったな……。
それじゃ、長文失礼。
青ピさんちーっす。
さて、皆様。
今日の投下は明日の朝にするよ。
理由は……まぁ察して下さいまし。
……俺、この三巻が終わったら、
一方さんとあの子でほのぼのする話を書けるように頑張るんだ……。
それはそうと、今日はバレンタイン。
またあーくんスレにでもそのネタを投下したかったな……。
それじゃ、長文失礼。
もう夕方だな…
そろそろデンプシーロール自転パンチverの腹パンをちらつかせないとダメかも
そろそろデンプシーロール自転パンチverの腹パンをちらつかせないとダメかも
皆様、すみませんでした。
何か知らないが書き込めなくなってたんです。
とにもかくにも、今から投下します。
何か知らないが書き込めなくなってたんです。
とにもかくにも、今から投下します。
さて。夕日が沈み、夜になって。
「わー!すごいすごーいっ!!」
「こういう時は。たーまやーと。言うべき」
「うん。……たーまやー!!」
インデックスと姫神は、特製の小型打ち上げ花火に大興奮している。
「いやすげーな、これ」
「さすがは学園都市……ってトコかァ?」
そんな二人から少し離れた場所で、
上条と一方通行も花火を堪能していた。
四人は今、寮を離れてある河原に来ていた。
何故かと言えば、単に花火をやるスペースがなかったからである。
「……っと、今ので打ち上げ花火は最後みてーだぞ」
「おし、クソガキィ。
こっち来いよ、おもしれェモン見せてやる」
「だから私の名前はインデックスだってば!
どうして、いつまで経っても名前を呼んでくれないのかな!」
そう言いながら、インデックスは歩み寄って来た。
「ふン。オマエなンざ、クソガキで十分だ。
……ま、そンな事よりもだ。ほら、コレを見てろよ」
「わー!すごいすごーいっ!!」
「こういう時は。たーまやーと。言うべき」
「うん。……たーまやー!!」
インデックスと姫神は、特製の小型打ち上げ花火に大興奮している。
「いやすげーな、これ」
「さすがは学園都市……ってトコかァ?」
そんな二人から少し離れた場所で、
上条と一方通行も花火を堪能していた。
四人は今、寮を離れてある河原に来ていた。
何故かと言えば、単に花火をやるスペースがなかったからである。
「……っと、今ので打ち上げ花火は最後みてーだぞ」
「おし、クソガキィ。
こっち来いよ、おもしれェモン見せてやる」
「だから私の名前はインデックスだってば!
どうして、いつまで経っても名前を呼んでくれないのかな!」
そう言いながら、インデックスは歩み寄って来た。
「ふン。オマエなンざ、クソガキで十分だ。
……ま、そンな事よりもだ。ほら、コレを見てろよ」
「?」
インデックスは言われた通りに、一方通行の手元を見る。
そこには、細い筒があった。
「……まァ、見てろって」
そう言って一方通行はライターを取り出して、筒の先端に火を点けた。
すると――――
「わ、わわわっ!?」
綺麗な光のシャワーが先端から溢れ出た。
「どォだよ、これはこれでイイだろ」
インデックスは目を輝かせて、
「すごい、すごすぎるんだよ!
ね、ね。私も、私もやりたいかも!!」
貸して貸して、と言うように手を振っている。
「あーはいはい。落ち着けってインデックス」
見ると、上条が別のヤツに火を点けていた。
「わぁ……。きれい過ぎるかも……」
インデックスは、渡されたそれに見惚れている。
一方通行は満足して、辺りを見回す。
そこで、一つの違和感に気付いた。
「……ン?姫神はどこ行った?」
いつの間にか、姫神がいなくなっていた。
インデックスは言われた通りに、一方通行の手元を見る。
そこには、細い筒があった。
「……まァ、見てろって」
そう言って一方通行はライターを取り出して、筒の先端に火を点けた。
すると――――
「わ、わわわっ!?」
綺麗な光のシャワーが先端から溢れ出た。
「どォだよ、これはこれでイイだろ」
インデックスは目を輝かせて、
「すごい、すごすぎるんだよ!
ね、ね。私も、私もやりたいかも!!」
貸して貸して、と言うように手を振っている。
「あーはいはい。落ち着けってインデックス」
見ると、上条が別のヤツに火を点けていた。
「わぁ……。きれい過ぎるかも……」
インデックスは、渡されたそれに見惚れている。
一方通行は満足して、辺りを見回す。
そこで、一つの違和感に気付いた。
「……ン?姫神はどこ行った?」
いつの間にか、姫神がいなくなっていた。
「実は。こんなのもあったり」
不意に聞こえた声に一方通行達は振り向いた。
瞬間、何か光っているモノがこちらに――正確にはインデックスに向かってきた。
「わっ!?な、何か来たんだよ!」
素っ頓狂な声を上げながら、インデックスは慌てて走る。
「お、おいインデックス!そんな慌てて走ったら、転んじ……」
上条が言いかけたがもう遅い。
インデックスは見事にすっ転んだ。
いや、そこまでなら特に問題は無かった。
手に持っている花火も、奇跡的に彼女には怪我させていない。
しかし、その花火が問題だった。
その火は、確かにインデックスには向かなかった。
代わりに、
「……や、やば…………っ!?」
手筒花火とは別に置いておいた、
何でも火薬の力で勢いよくプラスチック製の弾が出るらしい、
特製の花火の導火線に火を点けた。
さて、その先にいるのは――――
上条当麻だった。
「ふこ……」
言い切る前に、彼はロケット花火から放たれたプラスチック弾を受け取った。
不意に聞こえた声に一方通行達は振り向いた。
瞬間、何か光っているモノがこちらに――正確にはインデックスに向かってきた。
「わっ!?な、何か来たんだよ!」
素っ頓狂な声を上げながら、インデックスは慌てて走る。
「お、おいインデックス!そんな慌てて走ったら、転んじ……」
上条が言いかけたがもう遅い。
インデックスは見事にすっ転んだ。
いや、そこまでなら特に問題は無かった。
手に持っている花火も、奇跡的に彼女には怪我させていない。
しかし、その花火が問題だった。
その火は、確かにインデックスには向かなかった。
代わりに、
「……や、やば…………っ!?」
手筒花火とは別に置いておいた、
何でも火薬の力で勢いよくプラスチック製の弾が出るらしい、
特製の花火の導火線に火を点けた。
さて、その先にいるのは――――
上条当麻だった。
「ふこ……」
言い切る前に、彼はロケット花火から放たれたプラスチック弾を受け取った。
「とうま、ホンットにごめんなさいっ!!」
「今回は。私が悪かった」
そう言いながら、二人は上条の体を手当てしている。
幸いプラスチック製の弾だったので、
上条は数分ほど地面を転がるだけで済んだ。
「いや、もういいって……痛、二人ともそこは痛たたっ!?」
上条は傷を触られて、大変痛そうにしている。
「……ところで姫神。
ありゃ何だったンだよ?」
「あれは。最新のネズミ花火なんだって」
そう言って、姫神は懐から先程のモノを取り出す。
「何でも。近くの人を追いかけ回すらしい」
学園都市の技術力にかかれば、何でもありなのだろうか。
一方通行は少しだけ感心した。
……いや、何にせよ迷惑な品物だが。
「さてっと。再開しようぜ」
そう言って、上条が立ち上がった。
これぐらいはへっちゃららしい。
「ン。そォだな、そォするか」
一方通行は残りの花火を取り出した。
さて、夜も更けて。
一方通行は道を歩いていた。
あの後上条達との花火をやり終え、
『実験』のために別れたのだが。
「……ちっとマズイか?」
一方通行はケータイで時間を確認してみた。
時間は、すでに予定に間に合いそうになかった。
(少し遊びすぎたかねェ……)
ちょっぴり反省しつつ、一方通行は走る。
(にしても……)
一方通行は思う。
『実験』では何をするのだろうか、と。
投薬などではないだろうし、一体どんな方法を用いるのか。
そもそも、今日一日で済むのか。
改めて考えると、色々と疑問が湧いてきた。
(ま、行きゃ分かンだろ)
一方通行は適当な結論を出して、不安を感じないようにした。
いつぞやの錬金術師ではないが、
そんな不安一つが、大失敗を産む事だってある。
あまり考えすぎない方がいいだろう。
「……っと、ここか」
一方通行は、ある操車場で立ち止まった。
ここで『実験』が行われる、らしいが。
「誰もいなかったりしねェよな……?」
一方通行は、ゆっくりと敷地内へと歩き出す。
「オイオイ。こりゃやっちまったかァ……?」
操車場の中は、人っ子一人いなかった。
白衣の研究者も、この場所で働いているであろう人もいない。
(……いや、いくら何でも誰かいるだろ)
例えば、メールを寄越した天井。
研究者達のトップである、木原や芳川。
とにかく、一方通行は探してみる事にした。
「ふゥ……。これで全部回った、よなァ……」
一方通行は、軽く一息つく。
結局、誰もいなかった。
(……まさか、ドッキリとかじゃねェだろォな)
何だかそこら辺から、『大成功』とか書いてあるプレートを持った
木原が走ってきそうな気がした。
「……帰るか」
バカバカしくなった一方通行は、そのまま帰ろうとした。
そこへ――――
「予定時刻より少し遅かったですね、とミサカは一方通行を言外に責めます」
その声に、一方通行が慌てて振り向くとそこには――――
「……『超電磁砲(レールガン)』?」
御坂美琴、のように見える少女がいた。
いや、顔立ちや服装などは完璧に御坂美琴だった。
ただ違うのは、数日前に会った時とは異なり無表情な事と、
おでこに何故か軍用ゴーグルがある事だった。
「いえ、ミサカはお姉様ではありませんよ、とミサカは間違いを指摘します」
その少女は抑揚の無い声で、そう言った。
「……お姉様ァ?」
(……妹、なのか?)
正直、一方通行は御坂美琴の家族構成までは知らない。
もしかしたら、双子の妹とかそういう話なのかもしれない。
「……まァ、いい。
で?オマエはこンなトコで何してるンだ?」
「あなたの『実験』のお手伝いですが、とミサカは伝えます。
……もしや、何も聞いていないのでしょうか、とミサカは疑問を口にします」
これまた抑揚の無い声で、疑問を発した。
「……『超電磁砲(レールガン)』?」
御坂美琴、のように見える少女がいた。
いや、顔立ちや服装などは完璧に御坂美琴だった。
ただ違うのは、数日前に会った時とは異なり無表情な事と、
おでこに何故か軍用ゴーグルがある事だった。
「いえ、ミサカはお姉様ではありませんよ、とミサカは間違いを指摘します」
その少女は抑揚の無い声で、そう言った。
「……お姉様ァ?」
(……妹、なのか?)
正直、一方通行は御坂美琴の家族構成までは知らない。
もしかしたら、双子の妹とかそういう話なのかもしれない。
「……まァ、いい。
で?オマエはこンなトコで何してるンだ?」
「あなたの『実験』のお手伝いですが、とミサカは伝えます。
……もしや、何も聞いていないのでしょうか、とミサカは疑問を口にします」
これまた抑揚の無い声で、疑問を発した。
「……まァ、そォなンだが。
オマエが『実験』の仕方を教えてくれンのか?」
一方通行は、天井のメールを思い出す。
確か、実験場にいる人間に詳細を聞け、とか書いてあった気がする。
「……ならば説明をしなければなりませんね、とミサカは面倒ながらも説明を始めます」
……何と言うか、その喋り方の方が面倒そうだ。
そんな事を思ったが、一方通行は黙っておく。
世の中、言っていい事と悪い事があるのだ。
「簡単に言うと、これより行う『実験』は戦闘です、とミサカは一方通行に告げます」
「……戦闘?」
誰と、というのは聞く必要はないだろう。
「はい、そうです、とミサカは頷きます。
……ただし二万回ほどですが、とミサカは遠い目で言います」
そう言った彼女は変わらず無表情だが、そんな事はどうでもいい。
「……待て。オマエ、今何て言った?」
「だから二万回の戦闘をします、
とミサカは二度も言わすな、面倒だろと心の中でぼやきます」
「……おもいっきり聞こえてンぞ」
一方通行は、内心驚いていた。
オマエが『実験』の仕方を教えてくれンのか?」
一方通行は、天井のメールを思い出す。
確か、実験場にいる人間に詳細を聞け、とか書いてあった気がする。
「……ならば説明をしなければなりませんね、とミサカは面倒ながらも説明を始めます」
……何と言うか、その喋り方の方が面倒そうだ。
そんな事を思ったが、一方通行は黙っておく。
世の中、言っていい事と悪い事があるのだ。
「簡単に言うと、これより行う『実験』は戦闘です、とミサカは一方通行に告げます」
「……戦闘?」
誰と、というのは聞く必要はないだろう。
「はい、そうです、とミサカは頷きます。
……ただし二万回ほどですが、とミサカは遠い目で言います」
そう言った彼女は変わらず無表情だが、そんな事はどうでもいい。
「……待て。オマエ、今何て言った?」
「だから二万回の戦闘をします、
とミサカは二度も言わすな、面倒だろと心の中でぼやきます」
「……おもいっきり聞こえてンぞ」
一方通行は、内心驚いていた。
(二万回……二万回ねェ……)
一方通行は頭の中で反芻する。
言葉にすれば短いが、実際は何ともまた長い。
しかし、その分納得もした。
戦闘するなら、誰もいないのも分かる。
巻き込まれたら厄介だろう。
「……で?どォやって二万回もやるンだ?
まさか、これから一ヶ月くらい徹夜とか言わねェよな?」
「さすがにそれは健康上よろしくないかと、とミサカは意見します」
「じゃあ……」
「これより毎日、毎度違う場所にて戦闘を行います、とミサカは説明します」
何でも、最初は屋外戦で、最後辺りは屋内戦を行う、との事だった。
「……ふーン。なるほどな……」
「納得頂けましたか、とミサカは尋ねてみます」
「おォ。まァ、大体はな。
……何つーかよ、済まねェな。こンな事に付き合わせて」
一方通行としては、あまり誰かを巻き込むのは嫌だったが、
今回ばかりは仕方がないだろう。
一方通行は頭の中で反芻する。
言葉にすれば短いが、実際は何ともまた長い。
しかし、その分納得もした。
戦闘するなら、誰もいないのも分かる。
巻き込まれたら厄介だろう。
「……で?どォやって二万回もやるンだ?
まさか、これから一ヶ月くらい徹夜とか言わねェよな?」
「さすがにそれは健康上よろしくないかと、とミサカは意見します」
「じゃあ……」
「これより毎日、毎度違う場所にて戦闘を行います、とミサカは説明します」
何でも、最初は屋外戦で、最後辺りは屋内戦を行う、との事だった。
「……ふーン。なるほどな……」
「納得頂けましたか、とミサカは尋ねてみます」
「おォ。まァ、大体はな。
……何つーかよ、済まねェな。こンな事に付き合わせて」
一方通行としては、あまり誰かを巻き込むのは嫌だったが、
今回ばかりは仕方がないだろう。
「いえ、お気になさらず、とミサカは先手必勝」
ン?と思った時にはもう遅かった。
ジャカッ!という音が辺りに響く。
御坂妹(便宜上そう呼ぶ事にした)は、何かを構えていた。
それには、見覚えがある。
確か――――
そこまで考えて、一方通行の思考は止まる。
それから火花が散り、一方通行に何かが当たったのだ。
一方通行は慌てて、それを『反射』せずに上方へベクトル変更する。
「……バッ、何しやがンだよ!」
「攻撃です、とミサカはもう一度銃を構えます」
そう、彼女が抱えていたモノはアサルトライフルだった。
しかも、ただのアサルトライフルではない。
その名はF2000R、通称『オモチャの兵隊(トイソルジャー)』だ。
小学生でも扱えるような軽反動のそれは、
赤外線により標的を捕捉し、
電子制御で『最も効率良く弾丸を当てるように』リアルタイムで弾道調整をする。
おかげで誰でも銃の名手になれるため、『怪物』呼ばわりされていたはずだ。
ン?と思った時にはもう遅かった。
ジャカッ!という音が辺りに響く。
御坂妹(便宜上そう呼ぶ事にした)は、何かを構えていた。
それには、見覚えがある。
確か――――
そこまで考えて、一方通行の思考は止まる。
それから火花が散り、一方通行に何かが当たったのだ。
一方通行は慌てて、それを『反射』せずに上方へベクトル変更する。
「……バッ、何しやがンだよ!」
「攻撃です、とミサカはもう一度銃を構えます」
そう、彼女が抱えていたモノはアサルトライフルだった。
しかも、ただのアサルトライフルではない。
その名はF2000R、通称『オモチャの兵隊(トイソルジャー)』だ。
小学生でも扱えるような軽反動のそれは、
赤外線により標的を捕捉し、
電子制御で『最も効率良く弾丸を当てるように』リアルタイムで弾道調整をする。
おかげで誰でも銃の名手になれるため、『怪物』呼ばわりされていたはずだ。
しかし、今そんな事はどうでもいい。
問題は、何でそんなモノをただの女子中学生が持っているのか、という事だ。
だが、そんな事を考える余裕はない。
また、銃口から火花が散った。
「……っ!」
もう一度、一方通行は当たった弾丸をベクトル変更する。
いくら何でも、危な過ぎる。
おそらくはゴム弾なんだろうが、
『反射』してしまえば、そのまま御坂妹は骨を折る事になるだろう。
(……ったく。こりゃ後で木原くンと天井くンをボコらねェと、な!)
と、突如連射されていた弾丸の流れが止まる。
(……?)
御坂妹を見てみると、彼女は銃を捨てていた。
おそらく、弾切れだろう。
「どうやら銃撃は効かないようですね、とミサカは冷静に答えを出します」
それを聞いて、一方通行は眉をひそめる。
自分の能力の事を聞いていなかったのだろうか?
問題は、何でそんなモノをただの女子中学生が持っているのか、という事だ。
だが、そんな事を考える余裕はない。
また、銃口から火花が散った。
「……っ!」
もう一度、一方通行は当たった弾丸をベクトル変更する。
いくら何でも、危な過ぎる。
おそらくはゴム弾なんだろうが、
『反射』してしまえば、そのまま御坂妹は骨を折る事になるだろう。
(……ったく。こりゃ後で木原くンと天井くンをボコらねェと、な!)
と、突如連射されていた弾丸の流れが止まる。
(……?)
御坂妹を見てみると、彼女は銃を捨てていた。
おそらく、弾切れだろう。
「どうやら銃撃は効かないようですね、とミサカは冷静に答えを出します」
それを聞いて、一方通行は眉をひそめる。
自分の能力の事を聞いていなかったのだろうか?
「……ならばこんな攻撃はどうでしょうか?とミサカは中二病っぽく右手をかざします」
言いながら、御坂妹は右手をかざす。
瞬間、雷撃の槍が一方通行に向かってきた。
「……っ!?」
一方通行は慌てて回避した。
思わず、『反射』してしまいそうになったからだ。
「おや、初めて回避しましたね、とミサカはさらに雷撃を放ちます」
もう一度、雷撃の槍が放たれた。
今度は冷静に上方へと受け流す。
「……ったく、危ねェだろォが!!」
一方通行は風を操り、反撃へと踊り出た。
狙いは御坂妹の足元だ。
「……くっ!?」
彼女は足を掬われ、見事に倒れ込む。
その上に、一方通行は飛び乗った。
いわゆる、馬乗りというヤツだ。
「ハッ、これで俺の勝ちだろ?」
勝利宣言して、一方通行はさっさと離れようとした。
……さすがに、いつまでも女の子に馬乗りはマズイ。
言いながら、御坂妹は右手をかざす。
瞬間、雷撃の槍が一方通行に向かってきた。
「……っ!?」
一方通行は慌てて回避した。
思わず、『反射』してしまいそうになったからだ。
「おや、初めて回避しましたね、とミサカはさらに雷撃を放ちます」
もう一度、雷撃の槍が放たれた。
今度は冷静に上方へと受け流す。
「……ったく、危ねェだろォが!!」
一方通行は風を操り、反撃へと踊り出た。
狙いは御坂妹の足元だ。
「……くっ!?」
彼女は足を掬われ、見事に倒れ込む。
その上に、一方通行は飛び乗った。
いわゆる、馬乗りというヤツだ。
「ハッ、これで俺の勝ちだろ?」
勝利宣言して、一方通行はさっさと離れようとした。
……さすがに、いつまでも女の子に馬乗りはマズイ。
そう思ったその時、
「……まだ、トドメを刺されていませんが、とミサカは指摘します」
御坂妹が冷静な声で言ってきた。
「あン?何言ってンだ、オマエ」
一方通行は、ポカンとした。
自分は勝ったし、これで『実験』第一回目は終了なのではないのか?
「……まぁ、いいですが、とミサカは内心勝利の笑みを浮かべます」
御坂妹は無表情でそう言った。
何を言ってるんだ、と一方通行は聞こうとした。
しかし、その前に彼女は口を開く。
「あなたはどうやら、不意打ちには弱いようですね、
とミサカは手榴弾のピンを空いている片手で引き抜きます」
瞬間、大きな爆発音が一方通行の耳に届いた。
一方通行はゆっくりと、体を起こす。
その表情は呆然としている。
彼の体は、あれほどの爆発でも無事だった。
しかし、そんな事はどうでもよかった。
彼は、足元を見やる。
そこには――――
バラバラになった、一人の少女の体があった。
「……まだ、トドメを刺されていませんが、とミサカは指摘します」
御坂妹が冷静な声で言ってきた。
「あン?何言ってンだ、オマエ」
一方通行は、ポカンとした。
自分は勝ったし、これで『実験』第一回目は終了なのではないのか?
「……まぁ、いいですが、とミサカは内心勝利の笑みを浮かべます」
御坂妹は無表情でそう言った。
何を言ってるんだ、と一方通行は聞こうとした。
しかし、その前に彼女は口を開く。
「あなたはどうやら、不意打ちには弱いようですね、
とミサカは手榴弾のピンを空いている片手で引き抜きます」
瞬間、大きな爆発音が一方通行の耳に届いた。
一方通行はゆっくりと、体を起こす。
その表情は呆然としている。
彼の体は、あれほどの爆発でも無事だった。
しかし、そんな事はどうでもよかった。
彼は、足元を見やる。
そこには――――
バラバラになった、一人の少女の体があった。
飛び散った骨や肉は、いつぞやの魔術師の人肉プラネタリウムを思い出させる。
頭部の一部は欠けてしまい、そこから灰色の何かと液体が見えた。
一つしかない無表情な瞳は、静かに一方通行を見つめていた。
「……ァ……あ?」
一方通行の思考は止まる。
状況の整理も出来なかった。
辺りには、鮮やかな血が飛び散っていて、
彼女の持ち物だった銃とゴーグルが落ちていた。
そして、肘までしかない右手には、
ゲコ太郎だか何だったかの、カエルの缶バッジが握られている。
と、そこへ――――
カツっと革靴(ローファ)の足音が、背後から聞こえた。
「……っ!?」
慌てて振り向いた一方通行の視線の先には――――
先程死んだ少女が、立っていた。
いや、違う。
一方通行は、何故だか冷静に判断できた。
その人物は、軍用ゴーグルも、銃も所持していなかった。
そして自分は、彼女が誰だか、よく知っている。
御坂美琴――学園都市に七人しかいない、
超能力者(レベル5)の第三位だ。
彼女は、こちらをじっと見ている。
その瞳に宿る感情は、憎しみと驚愕、そして――戸惑いだった。
頭部の一部は欠けてしまい、そこから灰色の何かと液体が見えた。
一つしかない無表情な瞳は、静かに一方通行を見つめていた。
「……ァ……あ?」
一方通行の思考は止まる。
状況の整理も出来なかった。
辺りには、鮮やかな血が飛び散っていて、
彼女の持ち物だった銃とゴーグルが落ちていた。
そして、肘までしかない右手には、
ゲコ太郎だか何だったかの、カエルの缶バッジが握られている。
と、そこへ――――
カツっと革靴(ローファ)の足音が、背後から聞こえた。
「……っ!?」
慌てて振り向いた一方通行の視線の先には――――
先程死んだ少女が、立っていた。
いや、違う。
一方通行は、何故だか冷静に判断できた。
その人物は、軍用ゴーグルも、銃も所持していなかった。
そして自分は、彼女が誰だか、よく知っている。
御坂美琴――学園都市に七人しかいない、
超能力者(レベル5)の第三位だ。
彼女は、こちらをじっと見ている。
その瞳に宿る感情は、憎しみと驚愕、そして――戸惑いだった。
「う、わぁぁああぁああああっっっっっ!!!!!!」
彼女は、叫び――などというよりも絶叫を上げながら、
こちらへと駆け出して来ている。
――――今、一方通行を深き絶望へと突き落とす戦いが、幕を開けようとしていた。
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