元スレ勇者「俺が本物の勇者なの! 城でふんぞり返ってるあの野郎は偽者なの!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
101 = 53 :
>>100
お前かよ
102 = 1 :
二人の間に一閃が割って入った。
女剣士&死刑囚「――――ッ!」
勇者「ふぅ~、なんとか間に合った。この勝負……ちょいと待った」
女剣士「勇者さん、なぜ……!」
勇者「女剣士ちゃん、君の気持ちはよぉく分かる。
だが、戦うのは……俺の話を聞いてからにしてもらえるか?」
女剣士「…………」
女剣士「分かり……ました」
ザワザワ…
「勇者さん!?」 「勇者さんだ!」 「何してんだあの人!?」
103 = 1 :
勇者「さて、死刑囚君」
死刑囚「な、なんだ」
勇者「お前は一年前、女剣士ちゃんの村を滅ぼして“自首”したって聞いてる」
女剣士「自首……!?」
勇者「俺の目を見て答えろ。本当に……やったのか?」
死刑囚「…………!」
勇者「…………」
死刑囚(うぐ……。俺も数々の修羅場を越えてきたが……なんだこいつの目は!?
ガンのつけ合いで……この俺が……)
勇者「…………」
死刑囚「やって……ない……」
勇者「だよな」
104 = 1 :
女剣士「ちょ、ちょっと待って下さいッ!」
勇者「おわっ!」
女剣士「こいつが……この死刑囚が犯人のはずでしょう!?」
勇者「ところがどっこい、こいつは罪を被っただけみたいだな」
死刑囚「…………」
女剣士「なぜ!? なぜです!? 捕まれば確実に死刑になるのに!」
勇者「女剣士ちゃん。もし君がやってもない罪、それも重罪を被るとしたらどんな時だ?」
女剣士「え」
女剣士「えぇと……やむを得ない事情がある時、とか……?」
勇者「やむを得ないってどんな時?」
女剣士「そ、そうですねえ……」
105 = 53 :
大切な誰かを守る時…!!
106 :
最近SSスレ多くて嬉しい
107 = 14 :
>>81当たりかな?
108 = 1 :
女剣士「うーん……誰か大切な人が人質にされた、とか……」
勇者「ビンゴ! その通り!」
女剣士「へ……?」
勇者「こいつはね、おそらく肉親を人質にされてたんだ」
女剣士「肉親……! いったい誰を!?」
勇者「君だ」
女剣士「は……?」
死刑囚「…………」
勇者「こないだの君と死刑囚の対決……あの時の死刑囚の目、俺は一目でピーンときたよ。
まるで“肉親に対する目”だって……」
女剣士「でも……でも私には肉親なんていません!」
勇者「一人だけ生きてる可能性のある奴がいるだろ?
こいつは……小さい頃いなくなった君のお兄さんだ」
女剣士「…………!」
109 = 53 :
女騎士ちゃんの親の友達とかだったのかしら
110 = 53 :
ほう
112 :
おまいら展開予想はやめろよ
SSスレのマナーだぞ
113 = 53 :
兄なくなったかと思ってたらいなくなっただけだったy
114 :
途中から逆転裁判だったな
115 = 53 :
すまん、賑やかすだけにしとくわ
116 = 1 :
勇者「死刑囚、お前は子供の頃誘拐されて、その後剣士になったそうだな」
死刑囚「…………」
勇者「君のお兄さんも、もしかして誘拐されて行方不明になったんじゃないか?」
女剣士「そうです……。もう死んでるものと……」
勇者「こいつも名乗り出るつもりはなかっただろう。だが、こうして生きてたんだ」
女剣士「でも……でも! この人が私の兄だったとして! 分からないことだらけです!
じゃあ犯人は誰なんですか!? なぜこの人は捕まったんですか!
私はこの通り、人質になんか取られてないのに!」
勇者「人質に取られてない……本当にそうかな?」
女剣士「はい?」
勇者「“誰かに雇われて組織に所属する”……それは一見安全に見えて、
組織からすりゃ“生かすも殺すも自由にできる”ってことだ」
女剣士「! まさか……まさか……」
117 = 14 :
兄ちゃん…
118 = 53 :
勇者は何者なんだろうな
119 = 1 :
勇者「そう、犯人は……」
勇者「一年前村人を全滅させ、村を焼き払った犯人は……」
勇者「実業家、お前だよッ!」
壇上の実業家を指さす。
ザワザワ… ドヨドヨ…
実業家「…………」
勇者「何かいうことは?」
実業家「いや……あまりにバカバカしくて言葉を失ってるところだよ」
120 = 14 :
少女ちゃんどこ行った
121 = 1 :
実業家「町長、彼は何者だ?」
町長「あの人は……その……“勇者”でして」
実業家「魔王を倒した偉大な英雄の名を騙ってるのか。身の程知らずとはまさにこのことだな」
勇者「騙ってねえ! 俺がッ! 俺こそが本物の勇者なんだ!」
実業家「こんな妄想癖を持った町民がいたとはね……。
私が顧問に就任したら、真っ先に君を町から追放させてもらうよ」
勇者「認める気はないんだな?」
実業家「妄想で犯罪者にされて認めるバカがどこにいる?」
勇者「じゃあ……ここから少女ちゃ……この勇者の推理をとくとお見舞いしてやるよ」チラッ
女剣士(えっ、今なにかメモを見たような……)
122 :
可愛らしい勇者だ
123 :
そうだ!言いがかりだ!証拠を見せろ!
124 = 122 :
ここにいる町の人たちを納得させられるような推理なのだろうか
125 :
勇者「お前のやったことはこうだ」
勇者「魔物のせいで滅んだ村や町の復興ビジネスで、お前は急速に潤った。
しかし、その後色んなビジネスに手を出すも、それは見事に失敗してしまった。
復興は得意だったが、他のことをやる器用さはなかったんだな」
勇者「起死回生を狙うが、国内のめぼしい村や町はだいたい復興が進んで、
今さら手をつけられそうな場所はどこにもない」
勇者「だから、あんたは考えたんだ。“滅びた町や村がないなら作ればいい”って」
女剣士「滅んだ村を……作る? まさか……!」
勇者「そう、それが君の故郷だ。死刑囚の故郷でもある」
勇者「今も周囲を固めてるお強そうな私兵たちを使って、村人を斬り殺し、焼き払い、
自作自演の復興ビジネスをやったんだ」
勇者「村唯一の生き残りである君を雇ったのは……美談にでもするつもりだったんだろう」
126 :
町長が長調な口調で蝶々について強調する
127 = 122 :
切り傷を見て気づいたのは女騎士ちゃんが持ってた剣の切り傷だったからなんだろうね
128 = 125 :
勇者「だが、これだけの大事件、本格的な調査が入らないはずがない」
勇者「焦ったあんたは……独自の情報網で女剣士ちゃんの兄貴を見つけ出し、脅した。
『村を焼いた犯人になれ。さもなくば雇ってる妹を殺す』と」
勇者「兄貴は受け入れるしかなかった……。
兄貴にとっても実業家は仇なわけだが、妹の命を優先したんだ」
勇者「こうして犯人は逮捕され、死刑になってめでたしめでたし……とはいかなかった」
再びメモを見る。
勇者「なんと、死刑囚は監獄から逃げ出してしまう!」
ザワザワ…
129 = 122 :
でも町を救い続けた勇者が言ってるって時点で説得力は充分なのかな
130 = 126 :
兄ちゃん有能
131 = 125 :
勇者「なんで逃げたかっていうと、これは少女ちゃ……俺の完全な推測だが、
処刑寸前こんなやり取りがあったんじゃないか?」
処刑人『これより処刑を開始する』
死刑囚『…………』
処刑人『ああ、冥土の土産に教えてやるよ』
死刑囚『なんだ……?』
処刑人『お前が無実の罪を被ってまで助けた妹だが……
実業家さんがある町の顧問に就任したら用済みってことで始末されるんだとよ。
きっとせいぜい弄ばれてからな』
死刑囚『…………ッ!』
勇者「逆上した死刑囚はその場で処刑人と看守数名をボコボコにして逃亡」
勇者「多分処刑に関わったのは全員、実業家の息がかかった連中だったんだろう。
最後の最後に油断して口を滑らせやがったんだ」
132 = 122 :
根回し係の少女ちゃん
133 :
でも証拠ないから結局全部妄想だよね
134 = 125 :
勇者「さて、こうして命を狙われる立場になった実業家……
兵には自信はあるが、死刑囚もかなりの使い手だ。万が一ということもある」
勇者「だから……死刑囚には“絶対勝てる相手”をぶつけることにした」
女剣士「勝てる相手って……?」
勇者「君だよ、もちろん」
女剣士「あ……!」
勇者「死刑囚は絶対妹には手を出せない。つまり、妹をぶつければ絶対勝てる」
勇者「だから女剣士ちゃんに休暇を与え、修行させ、実力をつけさせることにした。
妹に兄を殺させようとしたんだ」
勇者「んで、女剣士ちゃんは俺に弟子入りした、と」
勇者「えー……大変長くなってしまったが、これがお前のやろうとしたことだ。実業家」
勇者「どうだッ!?」
実業家「…………」
137 = 125 :
ザワザワ…
町長「実業家さん、これはいったい……」
実業家「下らん。全てあの自称勇者の妄想に過ぎん」
勇者「自称じゃねえよ。本物だよ」
実業家「今の作り話……よくできてはいたが、しょせん妄想は妄想。証拠のかけらもない。
君のことは町を追放どころじゃ済まさない。
公衆の面前で私の名誉を傷つけた罪で……監獄に叩き込んであげよう」
勇者「なんだと……!(あのペーペー看守、サービスしてくれればいいけど)」
少女「証拠なら、あるよ!!!」
138 = 122 :
来たな
140 :
やっとスタンバってた少女ちゃんの出番がきたな
141 = 123 :
意義あり!
142 :
そろそろ寝たいからはやくして
143 = 125 :
勇者「少女ちゃあん!」
少女「ごめん、時間かかっちゃった」
少女「お姉さん、ごめんね。あたしたち、あなたの両親の遺体、勝手に調べちゃったの」
女剣士「え……!」
少女「だけど、勇者は一目で見抜いたよ。
あなたのお父さんお母さん、“特殊な剣”で斬られてるって!」
女剣士「特殊な剣……! それってもしかして……!」
少女「うん、お姉さんの持ってるやつと同じ剣!
たしかお姉さんの剣は、≪実業家私兵隊≫にしか配られない剣なんだよね?」
少女「お医者さんにも診てもらって、ちゃーんと証明書をもらってきたよ!」バッ
少女「これぞあんたが自分の兵に村を襲わせた……動かぬ証拠!」
実業家「…………ッ!」
144 = 122 :
すまん
145 = 133 :
でもそれ事業家が村を襲わせたかの証拠ではないよね
146 = 125 :
女剣士「ということは……実業家さん!
やっぱりあなたが私の村を! 両親を! みんなをッ!」
実業家「ぐっ……」
勇者「こいつをしかるべきところに持ってけば、お前は破滅だな」ピラピラ
実業家「…………」
勇者「ん? また言葉を失っちゃったか?」
実業家「つまり、まだ持っていってはないわけだ」
勇者「まあな。そんな時間なかっただろうし」
実業家「ク、ククク……つまりそれを奪ってしまえば、なんの問題もないわけだ。
証拠さえなければ……事実などどうにでもなる!」
実業家「隊長ッ!」
隊長「はい」
実業家「あの自称勇者と小娘……それと兄妹。全員始末しろ!」
隊長「分かりました」ニヤ…
147 = 126 :
俺が斬ったのかもしれない…
148 = 122 :
状況証拠としては五分五分って感じじゃねぇかな、あとはみんながどっちを信じるか
149 = 140 :
ゴンお前だったのか両親を斬ったのは
150 = 122 :
実業家小物で草
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