元スレ勇者「俺が本物の勇者なの! 城でふんぞり返ってるあの野郎は偽者なの!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
151 = 125 :
隊長「全員かかれっ!」
ワァァァァッ! ドドドドド…
襲いかかる私兵たち。
死刑囚「くっ……!(流石にこうまとめてかかってこられたら……!)」
女剣士「こんな堂々と私兵を動かすなんて……」
少女「あたしら四人さえ消しちゃえば、あとはいくらでも揉み消してみせるって算段だろうね。
実際、死刑囚討伐だとか口実はいくらでも作れるし」
少女「だけど大丈夫」
女剣士「え?」
少女「なんたってこっちには、自称勇者がいるもんね」
勇者「だから自称じゃないって! ガチ勇者だって!」
152 :
にゃーん
153 = 126 :
少女ちゃんの戦闘力に期待
154 = 125 :
勇者「ざっと50人ってところか……。10人ぐらいは女剣士ちゃんと兄貴に任せる。
残りは俺が引き受ける」サッ
女剣士「40人を一人で……? 無茶です!」
少女「大丈夫大丈夫」
女剣士「でも!」
少女「だってあたし……この勇者と出会ってから、こと剣に関しては負けたりしくじったところ、
見たことないもん」
勇者「一ヶ月間の修行の成果見せてやれ!」
女剣士「は……はいっ!」
勇者「死刑囚! お前もせっかく再会できた妹の前で死ぬなよな!」
死刑囚「あ、ああ!」
155 = 125 :
女剣士(力を抜いて……)
女剣士「でやっ!」
ズバッ!
私兵A「ぐあっ……!」
私兵B「くそっ、このアマぁ!」ブンッ
背後から斬りかかる。
死刑囚「させるか!」ザンッ!
私兵B「ぐぶぅっ!」
女剣士「あ、ありがとう!」
死刑囚「気を抜くな! まだまだ敵はいるぞ!」
156 = 125 :
女剣士「さすがに……強いですね」
死刑囚「これでも捕まる前はそれなりに有名だったからな」
死刑囚(だが……なんなんだあいつは!?)
勇者「ほれっ、ほれっ」ズバッ! ザシュッ!
「ぐあっ!」 「ぎゃっ!」 「いでえっ!」
死刑囚(一人で何十人も相手しておきながら……まるで危なげがない)
死刑囚(俺や妹とは……次元が違う!)
死刑囚(この自称勇者……いったい何者なんだ!?)
157 :
兄貴どっから出てきた
158 :
自称がじわじわくる
159 = 125 :
死刑囚(俺が知る剣士の中でこれほどの使い手はただ一人――)
死刑囚(一度だけ姿を見たことがある……“勇者様”しかいない!)
勇者「どうしたどうした。ほれほれほれほれほれ」キンッ! キンッ!
私兵C「く、くそぉ~!」ガキンッ!
死刑囚(だが、こいつは“勇者様”とは明らかに別人!)
死刑囚(なんなんだこいつは!?)
160 = 126 :
妖精さん
161 = 125 :
隊長(なんなのだ、こいつら! ――特にあの自称勇者が強すぎる!)
隊長(こうなったら……!)ダッ
少女「ゲ、こっち来た!」
隊長(こいつを人質にして突破口を……!)
ギィンッ!
隊長「む!」
グググ…
女剣士「隊長……あなたも村の殺戮に関与してたんですね?」
隊長「当たり前だろ? ちっぽけな村だったから皆殺しに時間はかからなかったぞ」
女剣士「……許せない!」
隊長「ほざけ小娘! お前如きが俺の相手になると思うか!」
162 = 126 :
相変わらず図体の割には小鹿のように繊細な男じゃ
163 = 125 :
――ガキンッ!
隊長「この短期間でやるようになったなァ!」
女剣士「絶対に……倒す!」
キィンッ! ギンッ!
ビシュッ…
女剣士「くっ……!」
死刑囚「まずい!」ダッ
勇者「大丈夫だ、手を出すな」
死刑囚「!」
勇者「今の女剣士ちゃんは……あんな奴には負けねえよ。俺が約束通り強くしてやったからな」
164 = 125 :
隊長「いくら腕を上げたといっても、しょせん女! こうやって力で攻めれば――」
ガギィンッ!
女剣士「うぐ……っ!」
強烈な一撃を受け止め、よろめく。
隊長「こうなる。もう腕に力が入らないだろう」
女剣士「はぁ、はぁ、はぁ……」
隊長「罪を被った兄に、仇の組織に入った妹。お前らはホントつくづくバカな兄妹だよ」
隊長「くたばれぇっ!!!」ダッ
女剣士(……来た!)
165 = 125 :
女剣士(力を抜いて……)ユラ…
ブウンッ!
隊長「ちっ、外した!」
女剣士(大事なのはメリハリ……。一気に……力を爆発させるッ!!!)
――ズバァッ!
隊長「ぐぶぁっ……! こ、小娘ぇ……!」
ドザッ……
女剣士(やったよ……お父さん、お母さん……)
166 = 126 :
眠いけど見終わるまで待つ
167 = 125 :
隊長が倒れ、私兵隊は総崩れとなった。
勇者「残るは……あの元凶だけだ」
実業家「ひっ!」
勇者「女剣士ちゃん、君に任せる」
死刑囚「俺もそれでかまわない」
女剣士「はい」ザッ
実業家「あ、ああ、あああっ……! 待て……待ってくれ!」
女剣士「あなたは……私、いえ私たち兄妹から全てを奪った……。到底許すことはできません」
実業家「ひ、ひ、ひいいい……!」
女剣士「覚悟ッ!!!」
シュバァッ!
168 = 125 :
女剣士「…………」
女剣士は斬らなかった。
女剣士「あなたには正当な裁きを受けさせます。
もちろん、あなたの力が及ばない……中央の裁判所や監獄で」
女剣士「そして今までの罪を……全て暴いてもらう!」
剣を突きつける。
実業家「ぐっ……! ぐおおおぉぉぉぉぉぉ……!」
頭を抱え、崩れ落ちる。
女剣士「…………」
勇者「これでよかったのかい」
女剣士「はい。ここで斬ってしまえば、暴かれない“闇”もあると思いますので」
169 = 125 :
少女「でもさぁ、勇者」
勇者「ん?」
少女「この町の空気……どうすんの? 町の顧問が大犯罪者になっちゃってみんな困惑してるよ」
勇者「うわぁ……」
ザワザワ… ドヨドヨ…
勇者「ここは……俺が勇者としてビシッと決めるしかない!」
170 = 125 :
ダンッ!
演説台に駆け上がる勇者。
勇者「コホン。というわけで……」
勇者「俺たちの勝利だーッ!!!」
ワァァァァッ!!!
「いいぞーっ!」 「勇者さんかっけえ!」 「よかったよかった!」
少女「こいつ、ムリヤリまとめやがった」
町長「ふむ……この町はとりあえず、今後も今まで通りということじゃな」
171 = 125 :
死刑囚「…………」
女剣士「…………」
死刑囚「すまなかった」
女剣士「いえ、私の方こそ何も知らず斬りかかって……」
死刑囚「俺が悪いんだ……。俺が自首なんてバカなことしなきゃ……。
実業家にいいように踊らされてしまった……」
女剣士「そんなことない! 兄さんは私のために……!」
死刑囚「……俺を兄って認めてくれるのか」
女剣士「認めるもなにも……兄さんは兄さんじゃない」
死刑囚「ありがとう……!」
172 :
最後まで見てるぞ
173 = 125 :
死刑囚「お前は……本当に立派になった。
強さはもちろん、見た目も俺の記憶にある母さんそっくりだ」
女剣士「兄さん……」
女剣士「にいさぁぁぁぁぁん!」ギュッ…
抱き合う兄妹。
少女「あの二人も……何とかなりそうだね」
勇者「ああ、幼い頃に生き別れたけど……あの二人にはそんなこと関係ない。
いい……兄と妹だ」
…………
……
174 = 140 :
最後まで見るつもりではいるけど明日の仕事が心配だ
175 = 125 :
……
少しして、女剣士が勇者の家を訪れる。
勇者「いらっしゃい。あれから……事件はどうなった?」
女剣士「はい、実業家と私兵たちはもちろん逮捕されて……厳しく尋問されてるようです。
正当な裁きが下ることでしょう」
勇者「兄貴は?」
女剣士「また監獄に戻りました。ですが、少し取り調べや手続きをしたら、
すぐにでも釈放されるそうです」
少女「そりゃそうだよ。村を滅ぼしたのはあいつらなんだから!」
勇者「よかったよかった。で、君はどうするつもりだ?」
女剣士「それなんですけど……」
176 :
このあと勇者編がまだあるから長引きそうね
177 = 125 :
女剣士「私をもう少し、勇者さんのところに置いて頂けないでしょうか」
勇者「!」
女剣士「あなたたちがいたから、私は仇を討つことができた……。
私、お二人のもとでもっと勉強したいんです! 剣だけじゃなく……色んなことを」
勇者「…………」
勇者「どう? 少女ちゃん」
少女「そこであたしに聞くんかい。自分で返事しなさい」
勇者「分かった……。えぇと、誠に心苦しいんだが……」
女剣士「はい……」
178 = 125 :
勇者「いいよ! 大歓迎!」
女剣士「えっ!」
少女「あたしも大歓迎!」
女剣士「いいの!?」
少女「うん、一人でこの勇者のお守りするのキツかったんだよね~」
勇者「お守りて」
少女「というわけでよろしくね!」
女剣士「うん! 二人で勇者シッターしようね!」
勇者「勇者シッターて」
…………
……
180 = 122 :
いい最終回だった
181 = 125 :
― 城 ―
従者「……という事件があったとのことです」
真勇者「実業家殿……私も会ったことがあるが、そのような悪事に手を染めていたとはな。
非常に残念だ」
従者「それともう一つ、気になるニュースが」
真勇者「なんだ?」
従者「その事件を解決した者が……なんと“勇者”を名乗っているというのです。
しかも、『自分こそが本物だ』と」
真勇者「……なんだと?」
従者「いかがいたしましょう。勇者様の名を騙るなど万死に値する大罪……。
いっそ兵を差し向けて……」
真勇者「いや、その必要はない」
従者「ですが……」
真勇者「必要ないといったのだ」
従者「も、申し訳ありません!」
182 = 176 :
真勇者(偽)
183 :
後で読む
184 = 125 :
真勇者「しかし、放っておくわけにもいくまい」
従者「と、おっしゃいますと?」
真勇者「その勇者とやらがいる地に……私自ら、出向かねばなるまい……!」
― おわり ―
185 = 122 :
真勇者編開幕
187 :
ついに話が動き出すか
188 = 125 :
最終話『二人の勇者』
大型の馬車が町を訪れる。
御者「勇者様、到着いたしました」
真勇者「ご苦労。あとは自分の足で向かう」
ザワザワ… ドヨドヨ…
「誰だよあれ? すげえ馬車から出てきたぜ」
「よっぽどのお偉いさんに違いない……」
「凄まじい威厳だ……ひれ伏したくなっちまう」
190 = 125 :
― 勇者の家 ―
コンコン…
女剣士「はい」
真勇者「失礼する」
女剣士「え……ッ!」
女剣士(誰……? とてつもない威圧感だわ……)
真勇者「この家の主が、“勇者”を名乗ってると聞いたのだが、間違いないかね?」
女剣士「失礼ですが、あなたは?」
真勇者「これは失敬。私は……“勇者”だ」
女剣士「!」
女剣士(……まさか、本物の勇者様!? 勇者さんを処罰しにやってきたというの!?)
191 = 140 :
とうとう最終話か
192 :
続いちゃったかー
193 = 125 :
勇者「誰か来たの?」
少女「お客さん?」
女剣士「あ、あの……」
勇者「あっ!」
真勇者「…………」
しばし、見つめ合う。
勇者「懐かしいなぁ!」
真勇者「ああ……五年ぶりか」
女剣士「え……え!?」
勇者「少女ちゃん、お酒用意して!」
少女「はいはーい」
194 = 122 :
少女ちゃん知ってたのか
195 :
追いついた
続きはよ!!
196 = 125 :
勇者「カンパーイ!」
真勇者「乾杯」
カチンッ
女剣士(私は夢でも見ているの!?
大英雄である勇者様が目の前にいて……勇者さんと乾杯してる!)
女剣士「少女ちゃん、どういうことか分かる?」
少女「んー、あたしにも分からないな」
勇者「ぷはーっ、うめえ!」
真勇者「ああ……こんなうまい酒は久しぶりだ」
197 = 122 :
少女ちゃん肝が据わってるだけだった
198 = 195 :
勇者のふ2人知り合いか
と言うことは…
199 :
仲いいのか
200 = 123 :
いいや俺にはわかるぜ二人の間に漂う強烈な殺気がな
みんなの評価 : ○
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