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元スレ勇者「俺が本物の勇者なの! 城でふんぞり返ってるあの野郎は偽者なの!」

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第一話『自分を勇者だと思い込んでる一般剣士』
勇者「強くなりたい?」
女剣士「はい、一ヶ月間で……出来る限り」
勇者「どうして?」
女剣士「どうしても……斬らなくてはならない“罪人”がいるんです」
勇者「いいだろう、引き受けよう。
一ヶ月で君を確実にレベルアップさせてやる! 約束だ!」
女剣士「ホントですか、ありがとうございます!
よかった、あなたはこの地域で一番腕が立つ剣士だと聞いたので……」
勇者「チッチッチッ、俺はただの剣士じゃないよ。俺は……勇者だ」
女剣士「えっ、勇者?」
勇者「強くなりたい?」
女剣士「はい、一ヶ月間で……出来る限り」
勇者「どうして?」
女剣士「どうしても……斬らなくてはならない“罪人”がいるんです」
勇者「いいだろう、引き受けよう。
一ヶ月で君を確実にレベルアップさせてやる! 約束だ!」
女剣士「ホントですか、ありがとうございます!
よかった、あなたはこの地域で一番腕が立つ剣士だと聞いたので……」
勇者「チッチッチッ、俺はただの剣士じゃないよ。俺は……勇者だ」
女剣士「えっ、勇者?」
勇者「うーんこの香りたまんねぇ~
甘~い醤油の香りが
食欲をそそるぜ!」
甘~い醤油の香りが
食欲をそそるぜ!」
女剣士「なにいってるんです! 勇者様はお城にいるあの方じゃないですか!」
女剣士「五年前、たった一人で魔王を倒したという……」
女剣士「その手柄で、今や勇者様はこの国の軍団長。
次期国王の座も約束されている、まさに雲の上の人なんですよ!」
勇者「違う! 俺が本物の勇者なの! 城でふんぞり返ってるあの野郎は偽者なの!」
女剣士「偽者……?」
勇者「あいつは俺の手柄を奪って、ああやって偉そうにしてやがるんだ!」
女剣士「…………」
女剣士(たしかに勇者様には黒い噂もつきまとう……。
本当は魔王を倒した人間が別にいて、その手柄を奪って今の地位にいる、だとか)
少女「あー、その人のいうこと真に受けない方がいいよ」
女剣士「え?」
少女「だってこの人、“自分を勇者だと思い込んでる一般剣士”だから」
女剣士「そうなの?」
女剣士「五年前、たった一人で魔王を倒したという……」
女剣士「その手柄で、今や勇者様はこの国の軍団長。
次期国王の座も約束されている、まさに雲の上の人なんですよ!」
勇者「違う! 俺が本物の勇者なの! 城でふんぞり返ってるあの野郎は偽者なの!」
女剣士「偽者……?」
勇者「あいつは俺の手柄を奪って、ああやって偉そうにしてやがるんだ!」
女剣士「…………」
女剣士(たしかに勇者様には黒い噂もつきまとう……。
本当は魔王を倒した人間が別にいて、その手柄を奪って今の地位にいる、だとか)
少女「あー、その人のいうこと真に受けない方がいいよ」
女剣士「え?」
少女「だってこの人、“自分を勇者だと思い込んでる一般剣士”だから」
女剣士「そうなの?」
勇者「違う! 俺は本物の勇者――」
少女「だったら魔王を倒したはずだよね? その時のこと聞かせてよ」
勇者「……いいたくない」
少女「ほら」
女剣士「ああ……」
勇者「だけど、俺は本物の勇者――」
少女「もういいから。さっさと修行つけてあげなよ。一ヶ月しかないんだから」
勇者「わ、分かったよ」
女剣士「よろしくお願いします!」
少女「だったら魔王を倒したはずだよね? その時のこと聞かせてよ」
勇者「……いいたくない」
少女「ほら」
女剣士「ああ……」
勇者「だけど、俺は本物の勇者――」
少女「もういいから。さっさと修行つけてあげなよ。一ヶ月しかないんだから」
勇者「わ、分かったよ」
女剣士「よろしくお願いします!」
庭に出る三人。
勇者「お、いい剣だね」
女剣士「はい、これは私が所属する≪実業家私兵隊≫だけに配られる剣ですから。
ちょっと特殊なんですよ」
勇者「俺のと交換しない?」
女剣士「ダメです。隊では武器は厳しく管理されてますから」
少女「人の剣を欲しがるなんて、勇者のすることじゃないよ」
勇者「うぐう……」
勇者「気を取り直して修行を始めよう。まず、構えから――」
女剣士「はいっ!」
勇者「お、いい剣だね」
女剣士「はい、これは私が所属する≪実業家私兵隊≫だけに配られる剣ですから。
ちょっと特殊なんですよ」
勇者「俺のと交換しない?」
女剣士「ダメです。隊では武器は厳しく管理されてますから」
少女「人の剣を欲しがるなんて、勇者のすることじゃないよ」
勇者「うぐう……」
勇者「気を取り直して修行を始めよう。まず、構えから――」
女剣士「はいっ!」
勇者「胸を借りるつもりでかかってこい!」
女剣士「いきますっ!」
キィンッ! ガキィンッ!
勇者「いいぞ、今日一日でだいぶよくなった!」
女剣士「ホントですか!」
少女「胸を貸すのもいいけどさ。ちょっとお姉さんの胸チラチラ見すぎじゃない?」
女剣士「えっ!」
勇者「バ、バカいえ! 俺はジロジロ見てただけで……」
少女「なお悪いっての。一ヶ月しかないのに」
女剣士「…………」ポッ
女剣士「いきますっ!」
キィンッ! ガキィンッ!
勇者「いいぞ、今日一日でだいぶよくなった!」
女剣士「ホントですか!」
少女「胸を貸すのもいいけどさ。ちょっとお姉さんの胸チラチラ見すぎじゃない?」
女剣士「えっ!」
勇者「バ、バカいえ! 俺はジロジロ見てただけで……」
少女「なお悪いっての。一ヶ月しかないのに」
女剣士「…………」ポッ
本筋で盛り上げる前に無駄な会話で引き伸ばすのはダメな例
勇者「コホン。しかし、一ヶ月ってのはなかなか短いよねえ。どんな事情があるんだい?」
少女(ムリヤリ話題を変えたな……)
女剣士「私は今、実業家さんの≪私兵隊≫に所属してるんですが……」
少女「実業家さんっていえば、復興ビジネスで名を上げた人だよね」
女剣士「うん。魔王のせいで滅んだ村や町をいくつも立て直したの」
勇者「俺ほどじゃないが……なかなかの人物だな」
女剣士「そして一ヶ月後、実業家さんはこの町の≪顧問≫に就任されるんです」
勇者「顧問?」
少女「町の相談役になるってことだね。実質町のトップになるってこと。
商売人が町を治める立場になるなんてすごい快挙だよ」
勇者「そりゃすごい! 勇者である俺ほどじゃないけど」
少女(ムリヤリ話題を変えたな……)
女剣士「私は今、実業家さんの≪私兵隊≫に所属してるんですが……」
少女「実業家さんっていえば、復興ビジネスで名を上げた人だよね」
女剣士「うん。魔王のせいで滅んだ村や町をいくつも立て直したの」
勇者「俺ほどじゃないが……なかなかの人物だな」
女剣士「そして一ヶ月後、実業家さんはこの町の≪顧問≫に就任されるんです」
勇者「顧問?」
少女「町の相談役になるってことだね。実質町のトップになるってこと。
商売人が町を治める立場になるなんてすごい快挙だよ」
勇者「そりゃすごい! 勇者である俺ほどじゃないけど」
女剣士「だけど、実業家さんはある“罪人”から殺害予告を受けてるんです」
顧問になる日に襲撃すると――」
女剣士「それで私、実業家さんをなんとしても守りたくて、お暇を頂いて……」
勇者「そういうことか」
女剣士「それに私個人としても……その“罪人”は斬らなければならなくて」
勇者「いったいどんな因縁が……?」
女剣士「…………」
勇者「あ、いや、無理に話さなくてもいいよ! 俺、勇者だから!
君が悪だくみで剣を修行するつもりじゃないことはよぉく分かる!」
女剣士「すみません。ですが……いずれお話しします」
顧問になる日に襲撃すると――」
女剣士「それで私、実業家さんをなんとしても守りたくて、お暇を頂いて……」
勇者「そういうことか」
女剣士「それに私個人としても……その“罪人”は斬らなければならなくて」
勇者「いったいどんな因縁が……?」
女剣士「…………」
勇者「あ、いや、無理に話さなくてもいいよ! 俺、勇者だから!
君が悪だくみで剣を修行するつもりじゃないことはよぉく分かる!」
女剣士「すみません。ですが……いずれお話しします」
三日後――
女剣士「えいっ! えいっ!」
勇者「そう、力む時は力む、力を抜く時は抜く。メリハリが大事なんだ!」
女剣士「たった三日でかなり強くなれた気がします!」
勇者「でしょ? やっぱ指導者がいいと伸びもいいんだな」
女剣士(この自称勇者さんの剣の腕や教えは本物だ……。
だけど、これほどの腕があればもっと国の中央で活躍の場はあるはずなのに……)
少女「ねーねー。ちょっといい?」
勇者「ん?」
少女「仕事の依頼をしたいって人が来てるよ」
勇者「よしきた!」
女剣士(どんな仕事だろう? やっぱり盗賊を退治だとか……)
女剣士「えいっ! えいっ!」
勇者「そう、力む時は力む、力を抜く時は抜く。メリハリが大事なんだ!」
女剣士「たった三日でかなり強くなれた気がします!」
勇者「でしょ? やっぱ指導者がいいと伸びもいいんだな」
女剣士(この自称勇者さんの剣の腕や教えは本物だ……。
だけど、これほどの腕があればもっと国の中央で活躍の場はあるはずなのに……)
少女「ねーねー。ちょっといい?」
勇者「ん?」
少女「仕事の依頼をしたいって人が来てるよ」
勇者「よしきた!」
女剣士(どんな仕事だろう? やっぱり盗賊を退治だとか……)
勇者「食い逃げ犯?」
店主「ええ、この町の飲食店が次々にやられて困ってるんです。それで代表して私が……」
少女「似顔絵でも描いて、注意喚起すればいいんじゃない?」
店主「ところがそいつ、変装の名人で逃げるその時まで犯人かどうか分からなくて……」
勇者「ただし連続して行われてるから同一犯に間違いないと」
店主「そうなんです」
勇者「“食ったら金を払う”。こんな当たり前なことすらできない奴はこの勇者が退治してやる!
約束しよう!」
店主「ありがとう、勇者さん!」
女剣士(この町では一応“勇者”扱いなのね)
店主「ええ、この町の飲食店が次々にやられて困ってるんです。それで代表して私が……」
少女「似顔絵でも描いて、注意喚起すればいいんじゃない?」
店主「ところがそいつ、変装の名人で逃げるその時まで犯人かどうか分からなくて……」
勇者「ただし連続して行われてるから同一犯に間違いないと」
店主「そうなんです」
勇者「“食ったら金を払う”。こんな当たり前なことすらできない奴はこの勇者が退治してやる!
約束しよう!」
店主「ありがとう、勇者さん!」
女剣士(この町では一応“勇者”扱いなのね)
勇者「さっそく行動開始だ!」
女剣士「はいっ! ですが……どうやって捕まえるんです?」
勇者「そりゃあ食い逃げしそうな店に張り込んで……」
女剣士「具体的にどのお店を? この町、結構広いですけど。当然飲食店の数も……」
勇者「…………」
勇者「どうしよっか?」
少女「んもー、しょうがないな。あたしに任せて!」
町の地図を広げる。
少女「今までに被害にあったお店に印をつけていこう」チョイッチョイッ
女剣士「なるほど、法則性を見つけるわけね!」
女剣士「はいっ! ですが……どうやって捕まえるんです?」
勇者「そりゃあ食い逃げしそうな店に張り込んで……」
女剣士「具体的にどのお店を? この町、結構広いですけど。当然飲食店の数も……」
勇者「…………」
勇者「どうしよっか?」
少女「んもー、しょうがないな。あたしに任せて!」
町の地図を広げる。
少女「今までに被害にあったお店に印をつけていこう」チョイッチョイッ
女剣士「なるほど、法則性を見つけるわけね!」
少女「できた!」
勇者「うーん、法則性はないな。あっち行ったりこっち行ったりしてる」
少女「だったら線で繋げてみよう」サッサッ
勇者「あ」
女剣士「すごい! “走ってる棒人間”になった!」
少女「でしょ? 犯人の奴、食い逃げをゲームみたいに楽しんでるんだよ。
となると次は……ここ。パスタ屋さんが狙われるね」
勇者「俺の推理通りだな。パスタ屋に向かうぞ!」
女剣士「勇者さん、推理しましたっけ?」
少女「いいのいいの。手柄にしてあげて」
勇者「うーん、法則性はないな。あっち行ったりこっち行ったりしてる」
少女「だったら線で繋げてみよう」サッサッ
勇者「あ」
女剣士「すごい! “走ってる棒人間”になった!」
少女「でしょ? 犯人の奴、食い逃げをゲームみたいに楽しんでるんだよ。
となると次は……ここ。パスタ屋さんが狙われるね」
勇者「俺の推理通りだな。パスタ屋に向かうぞ!」
女剣士「勇者さん、推理しましたっけ?」
少女「いいのいいの。手柄にしてあげて」
似たような作品漫画でなかったっけ?デブでブサメンの勇者が手柄奪われる話
― パスタ屋 ―
勇者「…………」ズゾゾゾゾッ!
少女「ちょっとー、ちゃんと丸めて食べてよ」
勇者「俺は麺っつうのはこうやって豪快にすすらないと食った気しないんだよ」
少女「口の周りソースまみれだし、こっちが食欲なくなっちゃうっての」
女剣士「まあまあ。ところで今……店には私たちの他に三人の客がいますね」
細身「大盛り頼んだのは失敗だったなぁ……」
肥満「うまぁい!」
大男「ガハハ、うめえや!」
勇者「細いのと、太ってるのと、デカイ奴か……」
勇者「…………」ズゾゾゾゾッ!
少女「ちょっとー、ちゃんと丸めて食べてよ」
勇者「俺は麺っつうのはこうやって豪快にすすらないと食った気しないんだよ」
少女「口の周りソースまみれだし、こっちが食欲なくなっちゃうっての」
女剣士「まあまあ。ところで今……店には私たちの他に三人の客がいますね」
細身「大盛り頼んだのは失敗だったなぁ……」
肥満「うまぁい!」
大男「ガハハ、うめえや!」
勇者「細いのと、太ってるのと、デカイ奴か……」
少女「三人ともお一人様みたいだし、あの中の誰かが食い逃げ犯の可能性は高いね」
女剣士「そうね」
勇者「食い逃げといや、求められるのはダッシュ力だ。
あの太った奴は除外していいだろう。となると、残るは……」
すると――
肥満「ごちそうさまっ!」ダッ!
料理人「コラ、待てーっ! 食い逃げだーっ!」
勇者「……え」
女剣士「行きましょう!」ダッ
勇者「うう、俺の推理……」ダッ
少女「代金はあたしが払っとくからねー」
女剣士「そうね」
勇者「食い逃げといや、求められるのはダッシュ力だ。
あの太った奴は除外していいだろう。となると、残るは……」
すると――
肥満「ごちそうさまっ!」ダッ!
料理人「コラ、待てーっ! 食い逃げだーっ!」
勇者「……え」
女剣士「行きましょう!」ダッ
勇者「うう、俺の推理……」ダッ
少女「代金はあたしが払っとくからねー」
肥満「ククッ……俺に追いつける奴ァいねえぜ!」タタタッ
ボロッ ボロロッ
口と服から綿やクッションを捨て、本来の体型になる。
食い逃げ犯「これで逃げ切れば、この町は制覇だ!」タタタッ
女剣士「そうか、ああやって太った人になりすましてたんだ!」
勇者「セコイ真似しやがる」
女剣士「だけど、速い……! とても追いつけないわ……!」
勇者「任せとけ」
女剣士「え」
勇者「かつて魔物から逃げ……いや魔物を追いかけた時に比べれば、
あんな奴に追いつくのは楽勝すぎる!」
ダッ!
凄まじいダッシュでみるみる食い逃げ犯に追いつく。
ボロッ ボロロッ
口と服から綿やクッションを捨て、本来の体型になる。
食い逃げ犯「これで逃げ切れば、この町は制覇だ!」タタタッ
女剣士「そうか、ああやって太った人になりすましてたんだ!」
勇者「セコイ真似しやがる」
女剣士「だけど、速い……! とても追いつけないわ……!」
勇者「任せとけ」
女剣士「え」
勇者「かつて魔物から逃げ……いや魔物を追いかけた時に比べれば、
あんな奴に追いつくのは楽勝すぎる!」
ダッ!
凄まじいダッシュでみるみる食い逃げ犯に追いつく。
勇者「もらったァ!」
ガシッ!
食い逃げ犯「うわぁっ!」
ドザァッ!
勇者「勇者から逃げることはできんぜ」
食い逃げ犯「く、くそっ……!」モゾモゾ
懐から武器を取り出そうとするが――
女剣士「動かないで!」チャキッ
食い逃げ犯「ひっ! わ、悪かったぁ! 刺さないでくれ!」
勇者「女剣士ちゃん、ナーイス!」
ガシッ!
食い逃げ犯「うわぁっ!」
ドザァッ!
勇者「勇者から逃げることはできんぜ」
食い逃げ犯「く、くそっ……!」モゾモゾ
懐から武器を取り出そうとするが――
女剣士「動かないで!」チャキッ
食い逃げ犯「ひっ! わ、悪かったぁ! 刺さないでくれ!」
勇者「女剣士ちゃん、ナーイス!」
……
店主「どうもありがとう、勇者さん! このお金は被害にあった店からの気持ちです。
受け取って下さい」
勇者「いやぁ、どうも」
女剣士「あの食い逃げ犯、あちこちの町で食い逃げをしてた常習犯だったみたいですね」
少女「あの足の速さと変装スキルを持ってれば、もっと世の中の役に立てただろうにね」
勇者「だが……この勇者には敵わなかったってことだ」
勇者「とにかくこれで……俺の勇者としての名がまた轟くってわけだ!」
女剣士「…………」
女剣士(性格はともかく、この人の剣の腕と足の速さはホンモノだ……。
私はなんとしても強くなって、倒してみせる!)
女剣士(私の村を滅ぼした……“罪人”を!)
― おわり ―
店主「どうもありがとう、勇者さん! このお金は被害にあった店からの気持ちです。
受け取って下さい」
勇者「いやぁ、どうも」
女剣士「あの食い逃げ犯、あちこちの町で食い逃げをしてた常習犯だったみたいですね」
少女「あの足の速さと変装スキルを持ってれば、もっと世の中の役に立てただろうにね」
勇者「だが……この勇者には敵わなかったってことだ」
勇者「とにかくこれで……俺の勇者としての名がまた轟くってわけだ!」
女剣士「…………」
女剣士(性格はともかく、この人の剣の腕と足の速さはホンモノだ……。
私はなんとしても強くなって、倒してみせる!)
女剣士(私の村を滅ぼした……“罪人”を!)
― おわり ―
口に綿入れてどうやってパスタ食うんだよ
パクタ飲み込む時に一緒に飲み込んじゃうやないかい
パクタ飲み込む時に一緒に飲み込んじゃうやないかい
第二話『町の勇者』
弟子入りしてから二週間――
女剣士「せやぁっ! たあっ!」
ガキンッ! キンッ!
勇者「いいよいいよー!」
女剣士「はい!」
少女「おっつかれー、はいドリンク!」
女剣士「ありがとう、少女ちゃん」
少女「あんたには、はい青汁」
勇者「ぶっ!」
弟子入りしてから二週間――
女剣士「せやぁっ! たあっ!」
ガキンッ! キンッ!
勇者「いいよいいよー!」
女剣士「はい!」
少女「おっつかれー、はいドリンク!」
女剣士「ありがとう、少女ちゃん」
少女「あんたには、はい青汁」
勇者「ぶっ!」
勇者「女剣士ちゃん気持ちいい////気持ちよくてもう出ちゃう///あっ、あ、あぁぁぁぁぁあん//////」ビュルルルルルッ
勇者は出かけ、女子二人きりになる。
少女「ねーねー」
女剣士「ん?」
少女「お姉さんが斬りたい“罪人”っていったいどんな奴なの?」
女剣士「……うん、話しちゃおうかな」
女剣士「私の両親……いえ故郷の仇よ」
少女「故郷の?」
女剣士「およそ一年前、私がいた村は一人の男によって滅ぼされ、焼き払われたの。
私はたまたま村を出てて助かったんだけど……」
少女「ねーねー」
女剣士「ん?」
少女「お姉さんが斬りたい“罪人”っていったいどんな奴なの?」
女剣士「……うん、話しちゃおうかな」
女剣士「私の両親……いえ故郷の仇よ」
少女「故郷の?」
女剣士「およそ一年前、私がいた村は一人の男によって滅ぼされ、焼き払われたの。
私はたまたま村を出てて助かったんだけど……」
焼き払われた家々、殺された村人たち――
ゴォォォォォォ……!
女剣士『お父さん、お母さん! 嫌ぁぁぁぁぁっ……!』
女剣士「生き残ったのは私一人……」
少女「それはひどいね……」
女剣士「両親の亡骸は焼かれずに済んだから、遺体を綺麗に保存してくれる近くの教会にお任せしたわ」
女剣士「その後、私は実業家さんに雇われて、私兵隊に入れてもらったの」
少女「大恩人なわけだ」
女剣士「うん、焼き払われた故郷も生まれ変わらせてくれたし……
一人ぼっちになった私のことも拾ってくれて……本当に感謝してる」
ゴォォォォォォ……!
女剣士『お父さん、お母さん! 嫌ぁぁぁぁぁっ……!』
女剣士「生き残ったのは私一人……」
少女「それはひどいね……」
女剣士「両親の亡骸は焼かれずに済んだから、遺体を綺麗に保存してくれる近くの教会にお任せしたわ」
女剣士「その後、私は実業家さんに雇われて、私兵隊に入れてもらったの」
少女「大恩人なわけだ」
女剣士「うん、焼き払われた故郷も生まれ変わらせてくれたし……
一人ぼっちになった私のことも拾ってくれて……本当に感謝してる」
女剣士「だけど犯人は……」
少女「まだ捕まってないんだ」
女剣士「ううん、一度捕まって“死刑”になった……はずだったんだけど、
処刑の寸前逃げてしまったの。実業家さんへの殺害予告を残して……」
少女「え、ってことは脱獄したの?」
女剣士「うん、処刑人たちに重傷を負わせて……」
少女「物騒だなぁ」
女剣士「だけど、私は逃げてくれたことに感謝してるわ」
少女「どうして?」
女剣士「だって……おかげでこの手で両親の仇を討つことができるかもしれないんだもの」
少女「まだ捕まってないんだ」
女剣士「ううん、一度捕まって“死刑”になった……はずだったんだけど、
処刑の寸前逃げてしまったの。実業家さんへの殺害予告を残して……」
少女「え、ってことは脱獄したの?」
女剣士「うん、処刑人たちに重傷を負わせて……」
少女「物騒だなぁ」
女剣士「だけど、私は逃げてくれたことに感謝してるわ」
少女「どうして?」
女剣士「だって……おかげでこの手で両親の仇を討つことができるかもしれないんだもの」
罪人は城に居る奴で罪を被せられて逃げたのが主人公かな
罪人「あの女に中出し屈辱レイプするまで死んでられっかよ」
女剣士「私が小さい頃兄はいなくなって、両親もいなくなってしまった。
だけど、だからこそ私は実業家さんのために強くなって、死刑囚を倒してみせる!」
少女「お姉さんがあんなに頑張ってる理由、よぉく分かったよ」
少女「実はね、あたしも戦災孤児で、一人でゴミ漁りとかして生きてたんだけど、
あの自称勇者にたまたま拾われたの」
女剣士「! どうりで逞しいわけだわ……。立派に助手も務めてるし」
少女「でしょ? 逞しくなきゃ生き延びられなかったもん。
だけど勇者には感謝してもいるんだ。本人には絶対いいたくないけど」
女剣士「いい人に出会えたね」
少女「うんっ!」
少女「お互い拾われた同士……頑張ろうね!」
女剣士「ふふっ、ありがとう」
だけど、だからこそ私は実業家さんのために強くなって、死刑囚を倒してみせる!」
少女「お姉さんがあんなに頑張ってる理由、よぉく分かったよ」
少女「実はね、あたしも戦災孤児で、一人でゴミ漁りとかして生きてたんだけど、
あの自称勇者にたまたま拾われたの」
女剣士「! どうりで逞しいわけだわ……。立派に助手も務めてるし」
少女「でしょ? 逞しくなきゃ生き延びられなかったもん。
だけど勇者には感謝してもいるんだ。本人には絶対いいたくないけど」
女剣士「いい人に出会えたね」
少女「うんっ!」
少女「お互い拾われた同士……頑張ろうね!」
女剣士「ふふっ、ありがとう」
一方、その頃――
弟「兄貴、今日という今日こそ決着つけてやる!」
兄「やれるもんならやってみやがれ!」
勇者「まあまあ、二人とも落ちついて……この勇者の顔に免じて……」
弟「オラァッ!」
兄「うりゃあっ!」
グシャッ!
勇者「俺の……顔が……」ミシッ…
二人の拳に挟まれる勇者。
弟「兄貴、今日という今日こそ決着つけてやる!」
兄「やれるもんならやってみやがれ!」
勇者「まあまあ、二人とも落ちついて……この勇者の顔に免じて……」
弟「オラァッ!」
兄「うりゃあっ!」
グシャッ!
勇者「俺の……顔が……」ミシッ…
二人の拳に挟まれる勇者。
弟「勇者さん!?」
兄「大丈夫ですかい!?」
弟「すぐ医者を呼んできやす!」
兄「俺は冷やすもの持ってくる!」
タタタッ…
勇者「いてて……。兄弟揃っていいパンチだった……」
母「二人の喧嘩を止めてくれてありがとうございます……」
勇者「いやいや……勇者として当然のことをしたまでさ」
兄「大丈夫ですかい!?」
弟「すぐ医者を呼んできやす!」
兄「俺は冷やすもの持ってくる!」
タタタッ…
勇者「いてて……。兄弟揃っていいパンチだった……」
母「二人の喧嘩を止めてくれてありがとうございます……」
勇者「いやいや……勇者として当然のことをしたまでさ」
勇者「ただいまー」
少女「あ、お帰り」
女剣士「勇者さん、その怪我は?」
勇者「ちょっと兄弟喧嘩に巻き込まれてさ。名誉の負傷ってやつ」
少女「ああ、あの荒くれ兄弟ね。どうなったの?」
勇者「兄弟だし、やっぱり“肉親の情”ってもんがモノをいったよ。
これでまた勇者としての名が轟くわけだ」
女剣士「あの……前から思ってたんですけど勇者としての名を轟かせたいのなら、
もっと首都に近い町でやった方がいいのでは……?」
勇者「…………」
勇者「それじゃ意味ないんだよ。約束だからな」
女剣士「…………?」
少女「あ、お帰り」
女剣士「勇者さん、その怪我は?」
勇者「ちょっと兄弟喧嘩に巻き込まれてさ。名誉の負傷ってやつ」
少女「ああ、あの荒くれ兄弟ね。どうなったの?」
勇者「兄弟だし、やっぱり“肉親の情”ってもんがモノをいったよ。
これでまた勇者としての名が轟くわけだ」
女剣士「あの……前から思ってたんですけど勇者としての名を轟かせたいのなら、
もっと首都に近い町でやった方がいいのでは……?」
勇者「…………」
勇者「それじゃ意味ないんだよ。約束だからな」
女剣士「…………?」
……
町長「勇者さん、頼みがあるんじゃが」
勇者「なんだい、町長さん」
町長「町の広場に大きな木があるじゃろ?」
少女「あるね、あの大きな木!」
町長「あれを……切り倒して欲しいんじゃ」
勇者「町のシンボルを……どうして?」
町長「勇者さん、頼みがあるんじゃが」
勇者「なんだい、町長さん」
町長「町の広場に大きな木があるじゃろ?」
少女「あるね、あの大きな木!」
町長「あれを……切り倒して欲しいんじゃ」
勇者「町のシンボルを……どうして?」
女剣士「罪人死ね!」ジョギンッ
罪人「うわー!」血がブシャー!!
勇者「よくやった」女剣士にキス
少女「ライスシャワーならぬ青汁シャワーwww」ブシャーー
FIN
罪人「うわー!」血がブシャー!!
勇者「よくやった」女剣士にキス
少女「ライスシャワーならぬ青汁シャワーwww」ブシャーー
FIN
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