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元スレ聖女「さぁ、懺悔なさい」男「ネット上でゲームのウソ裏技を広めました」聖女「お前か!!!」
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男(あれがウワサの、路上で悩み相談みたいなことやってるっていう聖女か)
男(たしかに神秘的で、どこか人間離れした雰囲気が漂ってるな)
男「あのー、すみません」
聖女「なんでしょう?」
男「こちらでは罪の告白も聞いてくれると聞いたんですが」
聖女「ええ、懺悔をすればあらゆる罪は浄化されます……。さぁ、懺悔なさい」
男「実は、ネット上でゲームのウソの裏技を広めたら、騙されたプレイヤーが大勢出てしまったんです」
聖女「……どのような?」
男「あるゲームでドラゴンを100体倒すと最強の剣“ドラゴンファングソード”が手に入ると――」
聖女「お前か!!!」
男(たしかに神秘的で、どこか人間離れした雰囲気が漂ってるな)
男「あのー、すみません」
聖女「なんでしょう?」
男「こちらでは罪の告白も聞いてくれると聞いたんですが」
聖女「ええ、懺悔をすればあらゆる罪は浄化されます……。さぁ、懺悔なさい」
男「実は、ネット上でゲームのウソの裏技を広めたら、騙されたプレイヤーが大勢出てしまったんです」
聖女「……どのような?」
男「あるゲームでドラゴンを100体倒すと最強の剣“ドラゴンファングソード”が手に入ると――」
聖女「お前か!!!」
>>3
どうしてもこれが出てくる
どうしてもこれが出てくる
聖女「…私が小数点以下のために何年費やしたか分かりますか?」
男「ひっ!?」
聖女「てんめえええええ!!!」ガシッ
聖女「私がどれだけ“ドラゴンファングソード”が欲しかったか分かってンの!?」
聖女「“正”の字を書きながら、ワクワクしながらドラゴンを倒し続け……」
聖女「100体目を倒して何も起きなかった時のあの気持ち! 分かるかァァァ!?」
男「ひいい……!」
聖女「一体倒すだけでも大変なのに、いったい何時間かかったことか……」
聖女「数え間違えたのかと思って、結局150体くらい倒しちゃったし……」
男「あ、あの……すみませ……」
聖女「右と左、どっちがいい?」
男「へ?」
聖女「どっちの目を潰されたい?」
男「えええええ!?」
聖女「てんめえええええ!!!」ガシッ
聖女「私がどれだけ“ドラゴンファングソード”が欲しかったか分かってンの!?」
聖女「“正”の字を書きながら、ワクワクしながらドラゴンを倒し続け……」
聖女「100体目を倒して何も起きなかった時のあの気持ち! 分かるかァァァ!?」
男「ひいい……!」
聖女「一体倒すだけでも大変なのに、いったい何時間かかったことか……」
聖女「数え間違えたのかと思って、結局150体くらい倒しちゃったし……」
男「あ、あの……すみませ……」
聖女「右と左、どっちがいい?」
男「へ?」
聖女「どっちの目を潰されたい?」
男「えええええ!?」
聖女「三秒以内に決めなさいな」
男「んな無茶な!」
聖女「3、2、1、はい、両目とも希望ってことね!」
男「あわわわわ……」
男「ま、待ってくれ!」
聖女「なによ」
男「たしかにドラゴンを100体倒すのは大変だっただろう」
男「しかし! ドラゴンを倒しまくった結果、主人公の強さはどうなった?」
聖女「ものすごくレベルが上がって……強くなったわ」
男「そう、その強くなった主人公こそが“ドラゴンファングソード”だったんだよ!」
聖女「な、なんだってー!」
聖女「……ってなんか言いくるめられた気がするけど」
男「気にしない気にしない」
男「んな無茶な!」
聖女「3、2、1、はい、両目とも希望ってことね!」
男「あわわわわ……」
男「ま、待ってくれ!」
聖女「なによ」
男「たしかにドラゴンを100体倒すのは大変だっただろう」
男「しかし! ドラゴンを倒しまくった結果、主人公の強さはどうなった?」
聖女「ものすごくレベルが上がって……強くなったわ」
男「そう、その強くなった主人公こそが“ドラゴンファングソード”だったんだよ!」
聖女「な、なんだってー!」
聖女「……ってなんか言いくるめられた気がするけど」
男「気にしない気にしない」
聖女「まぁいいや、とりあえず目は勘弁してあげる」
男(あっぶねえ……)
聖女「だけど、このままじゃ私の気が収まらないわね」
聖女「あ、そうだ! あんた、私の仕事手伝ってよ!」
男「仕事って?」
聖女「私はここで通りがかりの人の悩みを聞いたり、ちょっとした体の異常を癒やしたりしてるんだけど」
聖女「それを手伝ってよ! どうせヒマでしょ?」
男「えぇ~……」
聖女「失明でいいんだ」ボソッ
男「やりますッ! やらせて下さいッ!」
男(この女……いったいどこが聖女なんだ!?)
男(あっぶねえ……)
聖女「だけど、このままじゃ私の気が収まらないわね」
聖女「あ、そうだ! あんた、私の仕事手伝ってよ!」
男「仕事って?」
聖女「私はここで通りがかりの人の悩みを聞いたり、ちょっとした体の異常を癒やしたりしてるんだけど」
聖女「それを手伝ってよ! どうせヒマでしょ?」
男「えぇ~……」
聖女「失明でいいんだ」ボソッ
男「やりますッ! やらせて下さいッ!」
男(この女……いったいどこが聖女なんだ!?)
男「えぇっと、あなたは聖女なんだよな?」
聖女「一応ね」
男「だったらなんかこう、神がかりな力を持ってないんですか? 聖女を自称するくらいなんだから」
聖女「あんたの指、ささくれ出来てるわね。これを治してあげる」
聖女が男の指に手をかざす。
パァァァ…
男(なんだ、この温かい光は……)
男「――ささくれが治った!」
聖女「どう、すごいでしょ」
男「す、すごい! あなたは本物だ!」
聖女「一応ね」
男「だったらなんかこう、神がかりな力を持ってないんですか? 聖女を自称するくらいなんだから」
聖女「あんたの指、ささくれ出来てるわね。これを治してあげる」
聖女が男の指に手をかざす。
パァァァ…
男(なんだ、この温かい光は……)
男「――ささくれが治った!」
聖女「どう、すごいでしょ」
男「す、すごい! あなたは本物だ!」
男「他にも治せる病気はあるの?」
聖女「実績があるのは、ささくれ、あせも、吹き出物、口角炎、ニキビ、あと軽い神経痛とか……」
男「……なんか微妙」
聖女「いやいやいや! すごいでしょうが! なかなか出来る奴いないって!」
男「もっとこう、重病も治せるもんかと」
聖女「そんなん治せたらこんなとこいないで今頃大金持ちになってるわよ。ギャハハ!」
男(ギャハハて)
聖女「実績があるのは、ささくれ、あせも、吹き出物、口角炎、ニキビ、あと軽い神経痛とか……」
男「……なんか微妙」
聖女「いやいやいや! すごいでしょうが! なかなか出来る奴いないって!」
男「もっとこう、重病も治せるもんかと」
聖女「そんなん治せたらこんなとこいないで今頃大金持ちになってるわよ。ギャハハ!」
男(ギャハハて)
男「他に何かできることはないの?」
聖女「10円玉持ってる?」
男「あるけど」
聖女「これを……ふんっ!」グッ
顔を真っ赤にして、力を込める。
聖女「ぐぐぐ……ぬぬぬ……んぎぎぎ……ぐおおおおっ……!」グググ…
男「~~~~!」
聖女「ハァ、ハァ、ハァ……はい、ほんのちょっとだけ曲がった」
男「えええええ!?」
聖女「すごいでしょ?」
男「あ、だけど、硬貨を曲げるのは犯罪だよ」
聖女「ウソォ!?」
男「残念ながら……これは本当です」
聖女「10円玉持ってる?」
男「あるけど」
聖女「これを……ふんっ!」グッ
顔を真っ赤にして、力を込める。
聖女「ぐぐぐ……ぬぬぬ……んぎぎぎ……ぐおおおおっ……!」グググ…
男「~~~~!」
聖女「ハァ、ハァ、ハァ……はい、ほんのちょっとだけ曲がった」
男「えええええ!?」
聖女「すごいでしょ?」
男「あ、だけど、硬貨を曲げるのは犯罪だよ」
聖女「ウソォ!?」
男「残念ながら……これは本当です」
聖女「おっと、迷えるお客さんが来たわ。あんたも接客して! ほれほれ!」
男「は、はいっ!」
聖女「おばあちゃん、今日はどうしたの?」
老婆「腰が痛くてねえ……」
聖女「あら大変! じゃあ腰を癒やしてあげるからね」パァァァ…
老婆「いつもありがとうねえ、聖女ちゃん」
会社員「今日も上司にいじめられて……」
聖女「分かる分かる、すっごく分かる!」
聖女「だけど死ぬのだけはダメよ! 死ぬくらいなら私にいって! 上司をしばいたげるから!」
会社員「はい……」グスッ
聖女「ほらあんた、この人のためにスタミナドリンク買ってきて! 走って走って!」
男「は、はいっ!」
男(なんていうか……本当にご近所の世話焼き女って感じだな)
男「は、はいっ!」
聖女「おばあちゃん、今日はどうしたの?」
老婆「腰が痛くてねえ……」
聖女「あら大変! じゃあ腰を癒やしてあげるからね」パァァァ…
老婆「いつもありがとうねえ、聖女ちゃん」
会社員「今日も上司にいじめられて……」
聖女「分かる分かる、すっごく分かる!」
聖女「だけど死ぬのだけはダメよ! 死ぬくらいなら私にいって! 上司をしばいたげるから!」
会社員「はい……」グスッ
聖女「ほらあんた、この人のためにスタミナドリンク買ってきて! 走って走って!」
男「は、はいっ!」
男(なんていうか……本当にご近所の世話焼き女って感じだな)
夕方になり――
聖女「ふぅ~、今日はもうお開きにしよっと」
男「いつもこんなことやってるの? 無償で……」
聖女「まぁね~」
聖女「今日は助かったわ。あんたももう帰っていいわよ」
男「あの……もしよかったら、これからもたまに手伝いに来てもいい?」
聖女「なにそれ、ナンパ?」
男「いや、そうじゃなくて……俺もあんまりやることがないんで……」
聖女「ようするにヒマしてるってこと? 私はかまわないけど」
聖女「ふぅ~、今日はもうお開きにしよっと」
男「いつもこんなことやってるの? 無償で……」
聖女「まぁね~」
聖女「今日は助かったわ。あんたももう帰っていいわよ」
男「あの……もしよかったら、これからもたまに手伝いに来てもいい?」
聖女「なにそれ、ナンパ?」
男「いや、そうじゃなくて……俺もあんまりやることがないんで……」
聖女「ようするにヒマしてるってこと? 私はかまわないけど」
別の日――
聖女「お、来た来たァ! 待ってましたァ!」
男「おっさんみたいなリアクションだな」
聖女「さ、出かけるわよ!」
男「出かける? どこへ?」
聖女「病院!」
男(病院……?)
二人はある小さな病院に向かった。
聖女「お、来た来たァ! 待ってましたァ!」
男「おっさんみたいなリアクションだな」
聖女「さ、出かけるわよ!」
男「出かける? どこへ?」
聖女「病院!」
男(病院……?)
二人はある小さな病院に向かった。
<病院>
聖女「こんにちは!」
少女「あ、お姉ちゃん……いらっしゃい」ニコッ
男「この子は?」
聖女「足を患ってる子なの。だから私が時々癒やしに来るのよ。もちろんお医者さんの許可をもらってね」
男「へえ……」
聖女「さ、足見せて」
少女「うん……」
パァァァァ…
聖女「こんにちは!」
少女「あ、お姉ちゃん……いらっしゃい」ニコッ
男「この子は?」
聖女「足を患ってる子なの。だから私が時々癒やしに来るのよ。もちろんお医者さんの許可をもらってね」
男「へえ……」
聖女「さ、足見せて」
少女「うん……」
パァァァァ…
聖女「どうかな?」
少女「う……」グッ…
聖女「もうちょい! 立てる! イケるッ!」
少女「くっ……!」グッ…
ドテッ
少女「ダメだぁ……」
聖女「惜しい……」
少女「ごめんなさい、やっぱりあたし無理みたい……」
聖女「大丈夫よ、焦らなくていいから」
男「…………」
少女「う……」グッ…
聖女「もうちょい! 立てる! イケるッ!」
少女「くっ……!」グッ…
ドテッ
少女「ダメだぁ……」
聖女「惜しい……」
少女「ごめんなさい、やっぱりあたし無理みたい……」
聖女「大丈夫よ、焦らなくていいから」
男「…………」
帰り道――
聖女「あーあ、今日もダメだったか……」
聖女「だいぶ足はよくなってるから、あとは精神的な問題だと思うんだけどなぁ」
聖女「こればっかりは気長にやるしかなさそうね」
男「あのー、聖女さん」
聖女「ん?」
男「近いうち、もう一度行かないか? あの子のところに」
聖女「そりゃかまわないけど……」
聖女「あーあ、今日もダメだったか……」
聖女「だいぶ足はよくなってるから、あとは精神的な問題だと思うんだけどなぁ」
聖女「こればっかりは気長にやるしかなさそうね」
男「あのー、聖女さん」
聖女「ん?」
男「近いうち、もう一度行かないか? あの子のところに」
聖女「そりゃかまわないけど……」
数日後――
男「こんにちは」
聖女「おう、来たわね……ってなにその荷物?」
男「まあ、ちょっと色々と」
聖女「ふうん。くれぐれもあんまり過激なことはしないようにしてよ」
男「あんたにいわれたくない」ボソッ
聖女「なんかいった?」ギロッ
男「いってません!」
男「こんにちは」
聖女「おう、来たわね……ってなにその荷物?」
男「まあ、ちょっと色々と」
聖女「ふうん。くれぐれもあんまり過激なことはしないようにしてよ」
男「あんたにいわれたくない」ボソッ
聖女「なんかいった?」ギロッ
男「いってません!」
<病院>
聖女「はぁ~い、こんにちは~」
少女「あっ、お姉ちゃん! お兄さん!」
男「今日は……君に色々と見せたいものがあるんだ」
少女「なに?」
男「まず、これ」サッ
大きな冊子を手渡す。
少女「これは……絵本?」
男「読んでみてくれ」
聖女「はぁ~い、こんにちは~」
少女「あっ、お姉ちゃん! お兄さん!」
男「今日は……君に色々と見せたいものがあるんだ」
少女「なに?」
男「まず、これ」サッ
大きな冊子を手渡す。
少女「これは……絵本?」
男「読んでみてくれ」
少女「…………」
少女「あたしみたいな女の子だ……」
男「そう、君と同じく足が悪かった女の子の話だ」
男「歩くのが怖くて、あるいは歩いても友達がちゃんと作れるのか怖くて、なかなか歩けなかったんだけど」
男「ある時勇気を出して、歩けるようになったんだ」
少女「すごい……!」
聖女「へぇ~、よく見つけたわねこんな絵本」
男「これは海外の実話をもとにした絵本でね」
男「その女の子の体験談をネット上から拾ってきたよ。興味があったらこっちもどうぞ」
少女「読んでみる!」
少女「あたしみたいな女の子だ……」
男「そう、君と同じく足が悪かった女の子の話だ」
男「歩くのが怖くて、あるいは歩いても友達がちゃんと作れるのか怖くて、なかなか歩けなかったんだけど」
男「ある時勇気を出して、歩けるようになったんだ」
少女「すごい……!」
聖女「へぇ~、よく見つけたわねこんな絵本」
男「これは海外の実話をもとにした絵本でね」
男「その女の子の体験談をネット上から拾ってきたよ。興味があったらこっちもどうぞ」
少女「読んでみる!」
>>28
一目見られることが大事だから
一目見られることが大事だから
一通り読み終えた少女。
少女「あたし……歩いてみる! ……この子みたいに!」
ヨロッ…
聖女「大丈夫? 無理しないでよ」
少女「よいしょ、よいしょ」ヨタ…ヨタ…
聖女「うおおっ!?」
男「歩けたね!」
少女「うん!」
喜びを分かち合う三人。
聖女「……こういう時はやっぱりこれを言わないとね」
男「?」
聖女「立ったッ! クララが立ったァッ!」
少女「ふふっ、お姉ちゃんったら!」
男(あんたのせいで全部台無しだよ)
少女「あたし……歩いてみる! ……この子みたいに!」
ヨロッ…
聖女「大丈夫? 無理しないでよ」
少女「よいしょ、よいしょ」ヨタ…ヨタ…
聖女「うおおっ!?」
男「歩けたね!」
少女「うん!」
喜びを分かち合う三人。
聖女「……こういう時はやっぱりこれを言わないとね」
男「?」
聖女「立ったッ! クララが立ったァッ!」
少女「ふふっ、お姉ちゃんったら!」
男(あんたのせいで全部台無しだよ)
母「ありがとうございました……!」
聖女「いえ、これからはリハビリを頑張って下さい。私も応援しますから」
……
聖女「今回はあんたに助けられちゃったな」
男「…………」
聖女「しっかし、あんなピンポイントな絵本や体験談をよく拾ってきたわね。大したもんだわ」
男「ああ、あれ……」
男「全部俺が作ったんだ」
聖女「は?」
男「つまり全部ウソなんだ」
聖女「ウソォ!?」
聖女「いえ、これからはリハビリを頑張って下さい。私も応援しますから」
……
聖女「今回はあんたに助けられちゃったな」
男「…………」
聖女「しっかし、あんなピンポイントな絵本や体験談をよく拾ってきたわね。大したもんだわ」
男「ああ、あれ……」
男「全部俺が作ったんだ」
聖女「は?」
男「つまり全部ウソなんだ」
聖女「ウソォ!?」
男「きっかけさえあれば、あの子は歩けるようになるんじゃないかと思って……」
男「だから、つい……裏技みたいにでっちあげを……」
聖女「…………」
男「やっぱりまずかったかなぁ……。後で真相知ったらショックだろうし……」
聖女「やるじゃん!」バシッ!
男「いてっ!」
聖女「そりゃ、いつかあの子も真実を知っちゃうかもしれないけどさ」
聖女「治った足でいつまでも歩けずにいるよりナンボかマシでしょ!」
聖女「あんなリアルな絵本や体験談をでっちあげるなんて大したもんよ!」
聖女「さっすが私を騙した男! 十数時間を無駄にさせた男!」
男「そのことはもう言わないで……」
聖女「これからもよろしくね、相棒!」バシッ! バシッ!
男「いてぇ!」
男「だから、つい……裏技みたいにでっちあげを……」
聖女「…………」
男「やっぱりまずかったかなぁ……。後で真相知ったらショックだろうし……」
聖女「やるじゃん!」バシッ!
男「いてっ!」
聖女「そりゃ、いつかあの子も真実を知っちゃうかもしれないけどさ」
聖女「治った足でいつまでも歩けずにいるよりナンボかマシでしょ!」
聖女「あんなリアルな絵本や体験談をでっちあげるなんて大したもんよ!」
聖女「さっすが私を騙した男! 十数時間を無駄にさせた男!」
男「そのことはもう言わないで……」
聖女「これからもよろしくね、相棒!」バシッ! バシッ!
男「いてぇ!」
<アパート>
~テレビ~
白い衣装の女性がインタビューに応じている。
リポーター『本日も大勢の方々に語りかけておられましたね』
純白女『はい、犯罪の被害にあわれた方々が救われるよう祈りを捧げました』ニッコリ
純白女『どうか世界中の人々が救われますように……』
リポーター『あなたの姿を見ているだけで、私の心も洗われるようですよ』
男(キレイな人だなぁ~)
男(本来、“聖女”っつーのはこういう人を指すんだろうな)
男(だけど、俺の知ってる聖女さんのあのやり方も決して嫌いじゃないけど)
~テレビ~
白い衣装の女性がインタビューに応じている。
リポーター『本日も大勢の方々に語りかけておられましたね』
純白女『はい、犯罪の被害にあわれた方々が救われるよう祈りを捧げました』ニッコリ
純白女『どうか世界中の人々が救われますように……』
リポーター『あなたの姿を見ているだけで、私の心も洗われるようですよ』
男(キレイな人だなぁ~)
男(本来、“聖女”っつーのはこういう人を指すんだろうな)
男(だけど、俺の知ってる聖女さんのあのやり方も決して嫌いじゃないけど)
まあでもああいうウソ裏技広めるやつが普段から作り話ばっかしてるかは気になるよな
……
ある日――
聖女「はい! 水虫だいぶよくなったでしょ!」
中年男「ありがとよ、聖女ちゃん!」
男「普通、若い女の子なら水虫なんか触れたくもないだろうに……よくやるよ」
聖女「水虫が怖くて聖女やってられっかって! ギャハハ!」
一人の陰気な青年がやってきた。
「……あの」ザッ
男(なんだこいつ……)
聖女「なんでしょう。どんなお悩みでもお聞きしますわ」
男(俺にもそうだったけど、初めての客には猫かぶるんだなこの人)
「ボクは……暗殺者だ。聞いてもらいたいことがある」
男(あ、暗殺者ァ!?)
ある日――
聖女「はい! 水虫だいぶよくなったでしょ!」
中年男「ありがとよ、聖女ちゃん!」
男「普通、若い女の子なら水虫なんか触れたくもないだろうに……よくやるよ」
聖女「水虫が怖くて聖女やってられっかって! ギャハハ!」
一人の陰気な青年がやってきた。
「……あの」ザッ
男(なんだこいつ……)
聖女「なんでしょう。どんなお悩みでもお聞きしますわ」
男(俺にもそうだったけど、初めての客には猫かぶるんだなこの人)
「ボクは……暗殺者だ。聞いてもらいたいことがある」
男(あ、暗殺者ァ!?)
聖女「自首しろ」
暗殺者「……え」
聖女「殺しとかヘビーすぎるし、ちょっと私の手には負えないのよねー」
聖女「だからさっさと自首! じーしゅ! じーしゅ! じーしゅ!」
暗殺者「…………!」
男(んな挑発したらヤバイって……! 殺されるぞ……!)
聖女「一応聞いとくけど、何人くらい殺ったの? 10人? 20人? サーティいっちゃう?」
暗殺者「……ゼロ」ボソッ
聖女「は?」
暗殺者「ゼロ……です」
暗殺者「……え」
聖女「殺しとかヘビーすぎるし、ちょっと私の手には負えないのよねー」
聖女「だからさっさと自首! じーしゅ! じーしゅ! じーしゅ!」
暗殺者「…………!」
男(んな挑発したらヤバイって……! 殺されるぞ……!)
聖女「一応聞いとくけど、何人くらい殺ったの? 10人? 20人? サーティいっちゃう?」
暗殺者「……ゼロ」ボソッ
聖女「は?」
暗殺者「ゼロ……です」
聖女「ギャハハハッ! ねえ、聞いた!? こいつ暗殺者なのに人殺したことないんだって!」
聖女「人殺してない暗殺者ってなんの価値があるの? ねえ!」
男「言いすぎだって」
聖女「野菜を売らない八百屋、寿司握らない寿司屋、髪の毛切らない床屋、みたいなもんじゃん!」
男(人を煽る聖女もな)
暗殺者「ああ、やっぱりボクはダメな奴だ……!」ガクッ
聖女「そりゃダメな奴だから暗殺者なんかやってんでしょ~、ダメじゃなきゃ普通の仕事するもん」
男「追い詰めるなよ」
男「あの……この人はほっといて、話を聞かせてくれない?」
暗殺者「……はい」
聖女「人殺してない暗殺者ってなんの価値があるの? ねえ!」
男「言いすぎだって」
聖女「野菜を売らない八百屋、寿司握らない寿司屋、髪の毛切らない床屋、みたいなもんじゃん!」
男(人を煽る聖女もな)
暗殺者「ああ、やっぱりボクはダメな奴だ……!」ガクッ
聖女「そりゃダメな奴だから暗殺者なんかやってんでしょ~、ダメじゃなきゃ普通の仕事するもん」
男「追い詰めるなよ」
男「あの……この人はほっといて、話を聞かせてくれない?」
暗殺者「……はい」
暗殺者「ボクは政府直属の暗殺組織で訓練を受けてたんですけど……」
暗殺者「どうしても人を殺せないってことで結局クビになっちゃって」
暗殺者「今後どうしたらいいか分からなくて……それで相談したくて……」
二人「…………」
聖女「なにこれ? 政府だとか暗殺組織とか……あんたみたいに作り話?」ヒソヒソ…
男「いや、マジっぽいよ……ウソついてる感じじゃない」ヒソヒソ…
暗殺者「やっぱりもう死ぬしかないんだぁっ!」グッ
ナイフを喉に当てる。
聖女「ちょっ、こんなところで死ぬな!」
男「落ち着けぇ!」
暗殺者「どうしても人を殺せないってことで結局クビになっちゃって」
暗殺者「今後どうしたらいいか分からなくて……それで相談したくて……」
二人「…………」
聖女「なにこれ? 政府だとか暗殺組織とか……あんたみたいに作り話?」ヒソヒソ…
男「いや、マジっぽいよ……ウソついてる感じじゃない」ヒソヒソ…
暗殺者「やっぱりもう死ぬしかないんだぁっ!」グッ
ナイフを喉に当てる。
聖女「ちょっ、こんなところで死ぬな!」
男「落ち着けぇ!」
>>35
40代以上かよ
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