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元スレ聖女「さぁ、懺悔なさい」男「ネット上でゲームのウソ裏技を広めました」聖女「お前か!!!」
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暗殺者(だったら急所や動脈を外して――)
グサッ!
肩にナイフが突き刺さった。
黒服「ふん……」シュゥゥ…
暗殺者(たしかに刺したのに血が出ない!? それどころかすぐ治って……)
黒服「人間が私に敵うと思うか」ズズズ…
黒い瘴気をまとった掌が、暗殺者に叩き込まれる。
ドゴォッ!
暗殺者「がふっ……!」ドザァッ
グサッ!
肩にナイフが突き刺さった。
黒服「ふん……」シュゥゥ…
暗殺者(たしかに刺したのに血が出ない!? それどころかすぐ治って……)
黒服「人間が私に敵うと思うか」ズズズ…
黒い瘴気をまとった掌が、暗殺者に叩き込まれる。
ドゴォッ!
暗殺者「がふっ……!」ドザァッ
>>91
まさかの正解
まさかの正解
黒服「どうしますか? 殺してしまいますか?」ガシッ
暗殺者「あ、ぐ……」
純白女「そうですねえ。それもよろしいかもしれませんね」ニッコリ
男(まずいッ!)
少女「ど、どうしよう!」
男「少女ちゃん、このブローチは銀で出来てるんだよね!」サッ
少女「え?」
男「喰らえっ!」ビュッ
黒服「…………」ヒョイッ
あっさりかわされてしまう。
暗殺者「あ、ぐ……」
純白女「そうですねえ。それもよろしいかもしれませんね」ニッコリ
男(まずいッ!)
少女「ど、どうしよう!」
男「少女ちゃん、このブローチは銀で出来てるんだよね!」サッ
少女「え?」
男「喰らえっ!」ビュッ
黒服「…………」ヒョイッ
あっさりかわされてしまう。
ホテルマン「皆さま、何をなさってるのですか?」
黒服「ちっ、邪魔が……」
純白女「おやめなさい」
黒服「…………」ピタッ
純白女「この方たちもこれで身の程を知ったでしょう。これ以上やる必要はありません」
黒服「分かりました」
大男「運がよかったな、てめえら!」
暗殺者「うう……」
聖女「ま、待ちなさいよ……!」
黒服「ちっ、邪魔が……」
純白女「おやめなさい」
黒服「…………」ピタッ
純白女「この方たちもこれで身の程を知ったでしょう。これ以上やる必要はありません」
黒服「分かりました」
大男「運がよかったな、てめえら!」
暗殺者「うう……」
聖女「ま、待ちなさいよ……!」
純白女「なかなか面白い見世物でしたわ」
純白女「私たちは、今後もこれまで通り活動を続けて参りますので……」
純白女「どうぞよろしく」ニッコリ
三人は振り返ることなく立ち去って行った。
男「…………ッ!」
少女「お姉ちゃんたち、しっかりして!」
暗殺者「う、ぐ……」
聖女「く、やしい……!」
男(詐欺グループだってやっつけた俺達が、まるで歯が立たなかった……)
純白女「私たちは、今後もこれまで通り活動を続けて参りますので……」
純白女「どうぞよろしく」ニッコリ
三人は振り返ることなく立ち去って行った。
男「…………ッ!」
少女「お姉ちゃんたち、しっかりして!」
暗殺者「う、ぐ……」
聖女「く、やしい……!」
男(詐欺グループだってやっつけた俺達が、まるで歯が立たなかった……)
<教会>
聖女「負けた……完敗だったわ……」
男「聖女さん……」
聖女「絶対リベンジしてやる!」シャキーンッ
男「立ち直り早っ!」
聖女「私の辞書に“いつまでも引きずる”の文字はないのよね~」
少女「暗殺お兄さんもしっかり!」
暗殺者「ありがとう……だいぶよくなってきたよ」
暗殺者「しかし、あのボディガード二人……とてつもない強さでした」
暗殺者「ボクがいた組織にだって、あそこまでの使い手は何人いるか……」
暗殺者「特にあの黒服の男……あれは何者なんでしょう……」
男「あいつの正体について、俺にひとつ仮説がある」
聖女「仮説?」
聖女「負けた……完敗だったわ……」
男「聖女さん……」
聖女「絶対リベンジしてやる!」シャキーンッ
男「立ち直り早っ!」
聖女「私の辞書に“いつまでも引きずる”の文字はないのよね~」
少女「暗殺お兄さんもしっかり!」
暗殺者「ありがとう……だいぶよくなってきたよ」
暗殺者「しかし、あのボディガード二人……とてつもない強さでした」
暗殺者「ボクがいた組織にだって、あそこまでの使い手は何人いるか……」
暗殺者「特にあの黒服の男……あれは何者なんでしょう……」
男「あいつの正体について、俺にひとつ仮説がある」
聖女「仮説?」
男「突拍子もないこというけど――あいつの正体は多分“悪魔”みたいな存在なんだと思う」
聖女「悪魔ァ!?」
男「以前、聖女さんとここで話した時、“悪魔に力を与えられた人間”もいるかもしれないっていったろ?」
男「あの純白女がきっとそれなんだ」
聖女「なるほど……純白女は悪魔の道具に過ぎないかもしれないってことね?」
男「そういうこと」
暗殺者「ボクもナイフの傷が治っていくところを見ましたし……」
暗殺者「純白女のあの神秘性やカリスマ性が、悪魔から授かったものだとすると納得できますね」
少女「つまり、あたしたちがたおさなきゃいけない敵は――」
男「純白女じゃなく、あの“黒服”だ!」
聖女「悪魔ァ!?」
男「以前、聖女さんとここで話した時、“悪魔に力を与えられた人間”もいるかもしれないっていったろ?」
男「あの純白女がきっとそれなんだ」
聖女「なるほど……純白女は悪魔の道具に過ぎないかもしれないってことね?」
男「そういうこと」
暗殺者「ボクもナイフの傷が治っていくところを見ましたし……」
暗殺者「純白女のあの神秘性やカリスマ性が、悪魔から授かったものだとすると納得できますね」
少女「つまり、あたしたちがたおさなきゃいけない敵は――」
男「純白女じゃなく、あの“黒服”だ!」
暗殺者「しかし、悪魔なんてどうやって倒せばいいのか……」
男「それについては一つアイディアがある」
聖女「え、なになに?」
男「さっき、俺はあいつの正体をなんとなく察して――」
『少女ちゃん、このブローチは銀で出来てるんだよね!』
男「ってウソをついて、あいつに投げつけた。そしたら、あいつはかわしてた」
少女「あ……!」
男「本当にとっさの行動だったんだけど、ナイフすら避けなかった奴がブローチをかわしたんだ」
男「つまり、あいつはよくある悪魔の言い伝え通り……“銀”に弱い!」
聖女「さっすがウソの達人!」
男「それについては一つアイディアがある」
聖女「え、なになに?」
男「さっき、俺はあいつの正体をなんとなく察して――」
『少女ちゃん、このブローチは銀で出来てるんだよね!』
男「ってウソをついて、あいつに投げつけた。そしたら、あいつはかわしてた」
少女「あ……!」
男「本当にとっさの行動だったんだけど、ナイフすら避けなかった奴がブローチをかわしたんだ」
男「つまり、あいつはよくある悪魔の言い伝え通り……“銀”に弱い!」
聖女「さっすがウソの達人!」
男「だから銀のナイフなら、あいつを倒せるかもしれない。用意できる?」
暗殺者「……やってみます」
聖女「なんだか負けた直後だってのにワクワクしてきたわね!」
聖女「私も鍛え直して、あのデカブツにリベンジしてみせるわ!」
少女「あたしも鍛える!」
男「俺もなんとか、あいつらに一泡吹かせられる方法がないか考えてみるよ」
聖女「打倒悪魔ッ! やってやろうじゃない!」
オーッ!!!
暗殺者「……やってみます」
聖女「なんだか負けた直後だってのにワクワクしてきたわね!」
聖女「私も鍛え直して、あのデカブツにリベンジしてみせるわ!」
少女「あたしも鍛える!」
男「俺もなんとか、あいつらに一泡吹かせられる方法がないか考えてみるよ」
聖女「打倒悪魔ッ! やってやろうじゃない!」
オーッ!!!
四人はそれぞれ動き始めた。
男(二週間後、この地域で信者を獲得するため、≪大集会≫を行うのか……)
男(しかも全国の信者や支援者に向けて動画配信まで行うだって……!?)
男(リベンジするとしたら、この日しかない!)
~
聖女「でやぁっ!!!」ブンッ
暗殺者「隙だらけです!」バキッ
聖女「うぐっ……もう一丁!」
~
少女「ローキック! ローキック! ローキック!」ベシッ! ベシッ! ベシッ!
聖女「いいわよ! どんどん威力が上がってる!」
男(この子、本当に足悪かったっけ?)
………………
…………
……
男(二週間後、この地域で信者を獲得するため、≪大集会≫を行うのか……)
男(しかも全国の信者や支援者に向けて動画配信まで行うだって……!?)
男(リベンジするとしたら、この日しかない!)
~
聖女「でやぁっ!!!」ブンッ
暗殺者「隙だらけです!」バキッ
聖女「うぐっ……もう一丁!」
~
少女「ローキック! ローキック! ローキック!」ベシッ! ベシッ! ベシッ!
聖女「いいわよ! どんどん威力が上がってる!」
男(この子、本当に足悪かったっけ?)
………………
…………
……
そして――
<教会>
男「明日、純白女による≪大集会≫が行われる」
男「大集会が成功してしまったら、あの女の言葉とカリスマ性で、さらに信者が増えてしまう」
聖女「だからその前にあの黒服――“悪魔”をやっつけなきゃならないってことね」
男「ああ。で、作戦はこうだ」
男「≪大集会≫は市民ホールで行われる。ここには目立たないところに裏口がある」
男「俺たちはここから中に侵入する」
暗殺者「上手く入れますかね?」
男「下調べしたら警備員が一応いるけど、簡単に騙せそうな奴だった。安心していい」
少女「大集会が始まる前にあたしらで悪魔をやっつければめでたしってわけね!」
男「そういうこと。……ってホントに君も来るの?」
少女「もちろん!」
聖女「大丈夫よ、この子のローキックはかなりのもんだわ」
男「まぁ……俺よりよっぽど戦力になるだろうな」
<教会>
男「明日、純白女による≪大集会≫が行われる」
男「大集会が成功してしまったら、あの女の言葉とカリスマ性で、さらに信者が増えてしまう」
聖女「だからその前にあの黒服――“悪魔”をやっつけなきゃならないってことね」
男「ああ。で、作戦はこうだ」
男「≪大集会≫は市民ホールで行われる。ここには目立たないところに裏口がある」
男「俺たちはここから中に侵入する」
暗殺者「上手く入れますかね?」
男「下調べしたら警備員が一応いるけど、簡単に騙せそうな奴だった。安心していい」
少女「大集会が始まる前にあたしらで悪魔をやっつければめでたしってわけね!」
男「そういうこと。……ってホントに君も来るの?」
少女「もちろん!」
聖女「大丈夫よ、この子のローキックはかなりのもんだわ」
男「まぁ……俺よりよっぽど戦力になるだろうな」
男「だけどここでみんなに一つ謝っておきたい」
少女「謝る?」
暗殺者「何をですか?」
男「少女ちゃん、君にあげた足が悪い子供の絵本や体験談……」
男「暗殺者さんに話した“キラー・ザ・ジョージ”っていう殺し屋の話……」
男「全て俺が作ったウソなんだ。全くのでっちあげだ」
少女&暗殺者「!」
男「この大仕事をする前に、どうしても正直に打ち明けておきたかった……本当にごめん!」
聖女「…………」
少女「謝る?」
暗殺者「何をですか?」
男「少女ちゃん、君にあげた足が悪い子供の絵本や体験談……」
男「暗殺者さんに話した“キラー・ザ・ジョージ”っていう殺し屋の話……」
男「全て俺が作ったウソなんだ。全くのでっちあげだ」
少女&暗殺者「!」
男「この大仕事をする前に、どうしても正直に打ち明けておきたかった……本当にごめん!」
聖女「…………」
少女「謝ることなんてないよ!」
男「!」
少女「お兄さんはあたしを助けたくてウソついてくれたんだもん……だからいいよ!」
暗殺者「ボクも……残念じゃないといえばウソになりますが、あの話で勇気づけられましたし」
暗殺者「むしろお礼をいわなきゃいけませんよ」
男「……二人とも」
聖女「さ、懺悔も済んだところでビシッと決めてちょうだいよ」
男「うん」
男「!」
少女「お兄さんはあたしを助けたくてウソついてくれたんだもん……だからいいよ!」
暗殺者「ボクも……残念じゃないといえばウソになりますが、あの話で勇気づけられましたし」
暗殺者「むしろお礼をいわなきゃいけませんよ」
男「……二人とも」
聖女「さ、懺悔も済んだところでビシッと決めてちょうだいよ」
男「うん」
男「俺たちは……」
男「ウソばかりついてる男、神に迷惑がられた聖女、人を殺せない暗殺者、足が治ったばかりの少女」
男「はっきりいってみんな何かしら不安要素があって、何かを成し遂げられる面子とは思えない」
三人「…………」
男「だけど、正直に言おうと思う」
男「この四人なら、あの純白女と悪魔をやっつけて、この地域を救うことができる!」
男「俺たちならできるッ!!!」
聖女「そうよ!」
暗殺者「やりましょう!」
少女「できるよ!」
男「……多分」
三人「オイ!!!」
男「ウソばかりついてる男、神に迷惑がられた聖女、人を殺せない暗殺者、足が治ったばかりの少女」
男「はっきりいってみんな何かしら不安要素があって、何かを成し遂げられる面子とは思えない」
三人「…………」
男「だけど、正直に言おうと思う」
男「この四人なら、あの純白女と悪魔をやっつけて、この地域を救うことができる!」
男「俺たちならできるッ!!!」
聖女「そうよ!」
暗殺者「やりましょう!」
少女「できるよ!」
男「……多分」
三人「オイ!!!」
翌日、≪大集会≫の日――
<市民ホール>
ワイワイ… ガヤガヤ…
「まさか、純白女さんがこの地域に来て下さるとはなぁ」
「ひったくり被害にあった私に、優しく声をかけて下さったんだよ」
「早く生のお言葉を聞きたいねえ……」
ワイワイ… ガヤガヤ…
<市民ホール>
ワイワイ… ガヤガヤ…
「まさか、純白女さんがこの地域に来て下さるとはなぁ」
「ひったくり被害にあった私に、優しく声をかけて下さったんだよ」
「早く生のお言葉を聞きたいねえ……」
ワイワイ… ガヤガヤ…
<裏口>
男「あのー、すみません」
警備員「ん?」
男「実は今日、純白女様の大集会で使うっていう装飾品をですね、お届けに来た者なんですけど」
警備員「? 聞いてないぞ? だいたいなんでこんな裏口から……」
男「そりゃそうでしょ、サプライズなんですから……こっそり届けなきゃ意味がないでしょ……」ペチャクチャ
反論の暇を与えずまくし立てる。
警備員「わ、分かった分かった。四人とも入っていいぞ」
男「…………」グッ
聖女「あんた、もう詐欺師になっちゃえば?」
男「あのー、すみません」
警備員「ん?」
男「実は今日、純白女様の大集会で使うっていう装飾品をですね、お届けに来た者なんですけど」
警備員「? 聞いてないぞ? だいたいなんでこんな裏口から……」
男「そりゃそうでしょ、サプライズなんですから……こっそり届けなきゃ意味がないでしょ……」ペチャクチャ
反論の暇を与えずまくし立てる。
警備員「わ、分かった分かった。四人とも入っていいぞ」
男「…………」グッ
聖女「あんた、もう詐欺師になっちゃえば?」
男「純白女は集会場近くの控え室にいるはずだ」
男「おそらく、あの黒服と大男も――」
男「ただし、黒服だけは絶対まともに相手しちゃダメだ」
暗殺者「黒服は、ボクが不意打ちで必ず仕留めてみせます。この銀のナイフで……」
聖女「残った大男は私が倒すわ!」
少女「あたしはローキックでがんばる!」
男「とにかく最優先はあの黒服だ。黒服さえ倒せば、純白女はただの女と化す!」
男「おそらく、あの黒服と大男も――」
男「ただし、黒服だけは絶対まともに相手しちゃダメだ」
暗殺者「黒服は、ボクが不意打ちで必ず仕留めてみせます。この銀のナイフで……」
聖女「残った大男は私が倒すわ!」
少女「あたしはローキックでがんばる!」
男「とにかく最優先はあの黒服だ。黒服さえ倒せば、純白女はただの女と化す!」
ところが――
純白女「あら、いらっしゃいませ」ニッコリ
黒服「待っていたぞ」
大男「お前のいうとおり、本当に来やがったぜ!」
四人「――――ッ!」
男「なんで、今日の主役がこんなところに……」
黒服「私にかかれば、得体の知れぬ侵入者を察知するなど朝飯前だ」
男(さすが悪魔……! バレバレだったのかよ……!)
純白女「あら、いらっしゃいませ」ニッコリ
黒服「待っていたぞ」
大男「お前のいうとおり、本当に来やがったぜ!」
四人「――――ッ!」
男「なんで、今日の主役がこんなところに……」
黒服「私にかかれば、得体の知れぬ侵入者を察知するなど朝飯前だ」
男(さすが悪魔……! バレバレだったのかよ……!)
黒服「こいつら、もう消してしまってかまいませんね?」
純白女「かまいません。私の目指す“世界平和”には不要な方々ですから」ニッコリ
純白女「では私は集会がありますので」
ボディガードを残し、立ち去る。
大男「だそうだ。お前らはここでブッ殺してやる!」
聖女「ふん……だいぶ予定狂ったけど予定通りよ! 私はあの大男をやる!」
暗殺者「分かりました、ボクは黒服とやります!」サッ
男「少女ちゃん、俺たちは邪魔だ! 下がろう!」
少女「うん……!」
聖女vs大男、暗殺者vs黒服。二つの戦いが始まる――
純白女「かまいません。私の目指す“世界平和”には不要な方々ですから」ニッコリ
純白女「では私は集会がありますので」
ボディガードを残し、立ち去る。
大男「だそうだ。お前らはここでブッ殺してやる!」
聖女「ふん……だいぶ予定狂ったけど予定通りよ! 私はあの大男をやる!」
暗殺者「分かりました、ボクは黒服とやります!」サッ
男「少女ちゃん、俺たちは邪魔だ! 下がろう!」
少女「うん……!」
聖女vs大男、暗殺者vs黒服。二つの戦いが始まる――
聖女vs大男――
ガシィッ!
手四つで組み合う両者。
聖女「ぐ……ッ!」ググ…
大男「なかなかのパワーだが、俺の敵じゃねーなァ!」グググ…
聖女「ふん、戦いってのは腕だけでやるもんじゃないのよ。頭も使わないと」グググ…
大男「は? そりゃどういう意味――」
聖女「こういう意味よッ!」グンッ
グシャッ!
聖女の頭突きが、大男の鼻先にめり込んだ。
大男「ぶはぁっ!」
ガシィッ!
手四つで組み合う両者。
聖女「ぐ……ッ!」ググ…
大男「なかなかのパワーだが、俺の敵じゃねーなァ!」グググ…
聖女「ふん、戦いってのは腕だけでやるもんじゃないのよ。頭も使わないと」グググ…
大男「は? そりゃどういう意味――」
聖女「こういう意味よッ!」グンッ
グシャッ!
聖女の頭突きが、大男の鼻先にめり込んだ。
大男「ぶはぁっ!」
大男「やりやがったなァ!!!」
ドゴォッ!
返しの右ストレート。を、なんとか防御していた。
聖女「くぅ~……効く……ッ!」ビリビリ…
大男(こいつ……強くなってる!)
大男「ずいぶん腕を上げたじゃねえか……なら本気で行くぜェ!」
聖女「望むところッ! 今の私は“ドラゴンファングソード”だもの!」
――ズガァッ!!!
ドゴォッ!
返しの右ストレート。を、なんとか防御していた。
聖女「くぅ~……効く……ッ!」ビリビリ…
大男(こいつ……強くなってる!)
大男「ずいぶん腕を上げたじゃねえか……なら本気で行くぜェ!」
聖女「望むところッ! 今の私は“ドラゴンファングソード”だもの!」
――ズガァッ!!!
ナイフを構える暗殺者。
暗殺者(訓練を思い出せ……)
暗殺者(ゆっくり、こっそり、静かに近づいて……)ユラ…
黒服(なんだ、この妙な動きは)
暗殺者(斬るッ!)
ザシュッ!
黒服「!」ジュゥゥゥゥ…
黒服「これは……“銀製”か。なるほど、私の正体を見抜いたようだな」
暗殺者「ああ……ただし見抜いたのは彼だけどね」
暗殺者「つまり、もうボクでもお前を倒せるってことだ!」
ザンッ! ザシュッ! ズバッ!
黒服「人間よ……」
暗殺者(訓練を思い出せ……)
暗殺者(ゆっくり、こっそり、静かに近づいて……)ユラ…
黒服(なんだ、この妙な動きは)
暗殺者(斬るッ!)
ザシュッ!
黒服「!」ジュゥゥゥゥ…
黒服「これは……“銀製”か。なるほど、私の正体を見抜いたようだな」
暗殺者「ああ……ただし見抜いたのは彼だけどね」
暗殺者「つまり、もうボクでもお前を倒せるってことだ!」
ザンッ! ザシュッ! ズバッ!
黒服「人間よ……」
黒服「“悪魔”をあまり舐めるなよ?」ズズズ…
右手に黒いオーラが蓄えられる。
ドゴォッ!
暗殺者「ぐはぁっ……!」
黒服「人間界では悪魔本来の力は到底出せんが、魔力を込めた拳は効くだろう?」
暗殺者「ま、まだ、だ……!」ヨロッ
黒服「ほう、立ち上がるか……面白い」
男(聖女さんも暗殺者さんも、どう贔屓目に見ても押されてる……!)
男(くそっ、俺には何もしてやれないのが歯がゆい……!)
少女「…………」
右手に黒いオーラが蓄えられる。
ドゴォッ!
暗殺者「ぐはぁっ……!」
黒服「人間界では悪魔本来の力は到底出せんが、魔力を込めた拳は効くだろう?」
暗殺者「ま、まだ、だ……!」ヨロッ
黒服「ほう、立ち上がるか……面白い」
男(聖女さんも暗殺者さんも、どう贔屓目に見ても押されてる……!)
男(くそっ、俺には何もしてやれないのが歯がゆい……!)
少女「…………」
大男「ラリアットォ!」
ドギャッ!
聖女「うぐ……なんのォ!」
ガキィッ!
アッパーを顎に叩き込む。
大男「ぬおおおおっ!」ガシッ
聖女「!」
大男が聖女の頭を床に叩きつける。
ゴッ!
男「聖女さんっ!」
ドギャッ!
聖女「うぐ……なんのォ!」
ガキィッ!
アッパーを顎に叩き込む。
大男「ぬおおおおっ!」ガシッ
聖女「!」
大男が聖女の頭を床に叩きつける。
ゴッ!
男「聖女さんっ!」
聖女「平気ッ! むしろ今のでIQが倍になったわ……!」ヨロ…
男「倍って……今どのくらいなの?」
聖女「180くらい?」
男(倍でそれかよ!)
大男「ガッハッハ、おもしれえ女だなァ!」ブンッ
ドゴォッ!
聖女「ぐっ……!」
聖女(悔しいけど向こうのが強い……!)
聖女(なにかない!? 私があのデカブツに一発くれてやる方法!)チラッ
男(今一瞬、俺を見た?)
聖女「……あるッ!」
男「倍って……今どのくらいなの?」
聖女「180くらい?」
男(倍でそれかよ!)
大男「ガッハッハ、おもしれえ女だなァ!」ブンッ
ドゴォッ!
聖女「ぐっ……!」
聖女(悔しいけど向こうのが強い……!)
聖女(なにかない!? 私があのデカブツに一発くれてやる方法!)チラッ
男(今一瞬、俺を見た?)
聖女「……あるッ!」
聖女「あっ、あそこにプロテインが!」サッ
大男「……え?」チラッ
聖女「ウソよォ!!!」
ゴキィッ!
聖女の飛びヒザ蹴りがこめかみにヒットした。
大男「うぐおぁっ……!」
男(完璧に入ったッ! 聖女さん、ウソで活路を開いた……ッ!)
大男「……え?」チラッ
聖女「ウソよォ!!!」
ゴキィッ!
聖女の飛びヒザ蹴りがこめかみにヒットした。
大男「うぐおぁっ……!」
男(完璧に入ったッ! 聖女さん、ウソで活路を開いた……ッ!)
大男「ぐ、まだだ……!」
聖女「来いッ!」
大男「乱暴者で居場所のなかった俺を、純白女様は何も否定せず温かく迎え入れてくれたんだ……」
大男「絶対に負けられねえッ!」ダッ
聖女「ふん、そんなのがあんたの戦う理由だったの?」
聖女「だったら私はァ、全否定して冷たく突き放してあげるッ!」ダッ
大男「うおおおおおおおおおっ!!!」
聖女「でぃやあああああああっ!!!」
――バキィッ!!!
聖女のカウンターパンチが、大男の顎を撃ち抜いていた。
大男「あ、ぐぁ……」ズン…
聖女「来いッ!」
大男「乱暴者で居場所のなかった俺を、純白女様は何も否定せず温かく迎え入れてくれたんだ……」
大男「絶対に負けられねえッ!」ダッ
聖女「ふん、そんなのがあんたの戦う理由だったの?」
聖女「だったら私はァ、全否定して冷たく突き放してあげるッ!」ダッ
大男「うおおおおおおおおおっ!!!」
聖女「でぃやあああああああっ!!!」
――バキィッ!!!
聖女のカウンターパンチが、大男の顎を撃ち抜いていた。
大男「あ、ぐぁ……」ズン…
大男(不思議だ……)
大男(ブッ倒されたのに、すっげえいい気持ちだ……)
大男(純白女様に癒やされた時よりずっと……)
大男「……おい」
聖女「ん?」
大男「また……いつか……戦ってくれるか?」
聖女「いつでも来なさい! これで一勝一敗だし!」
大男「へへ……ありがとよ……」ニヤッ
大男(ブッ倒されたのに、すっげえいい気持ちだ……)
大男(純白女様に癒やされた時よりずっと……)
大男「……おい」
聖女「ん?」
大男「また……いつか……戦ってくれるか?」
聖女「いつでも来なさい! これで一勝一敗だし!」
大男「へへ……ありがとよ……」ニヤッ
暗殺者vs黒服――
黒服「致命傷だけは避けるしぶとさだけは認めるが、ここまでだな」
暗殺者「まだ、やれる……!」
黒服「遊びは終わりだ。我が魔力で死体も残らぬよう――」
ベシッ!
黒服「ん……?」
少女「ローキック! ローキック! ローキックゥ!」ベシッ! ベシッ! ベシッ!
暗殺者「しょ、少女ちゃん……!」
黒服「ガキが……ただの蹴りなど私に通用するわけないだろう。無駄だからやめろ」
少女「ローキック!」ベシッ!
黒服「…………」ピキッ
黒服「致命傷だけは避けるしぶとさだけは認めるが、ここまでだな」
暗殺者「まだ、やれる……!」
黒服「遊びは終わりだ。我が魔力で死体も残らぬよう――」
ベシッ!
黒服「ん……?」
少女「ローキック! ローキック! ローキックゥ!」ベシッ! ベシッ! ベシッ!
暗殺者「しょ、少女ちゃん……!」
黒服「ガキが……ただの蹴りなど私に通用するわけないだろう。無駄だからやめろ」
少女「ローキック!」ベシッ!
黒服「…………」ピキッ
黒服「ガキがッ!」バシッ!
少女「きゃあっ!」
暗殺者「!」
男「く、くそっ! ――俺だって!」ダッ
黒服「ザコがッ!」バキッ!
男「うぐふぅ……っ!」ドザッ
黒服「悪魔に盾突くゴミどもめ……先に消してやる」ズオオオオ…
暗殺者「やめろォ!!!」
黒服「……ん?」
少女「きゃあっ!」
暗殺者「!」
男「く、くそっ! ――俺だって!」ダッ
黒服「ザコがッ!」バキッ!
男「うぐふぅ……っ!」ドザッ
黒服「悪魔に盾突くゴミどもめ……先に消してやる」ズオオオオ…
暗殺者「やめろォ!!!」
黒服「……ん?」
暗殺者「お前は……ボクが倒す!」
黒服「……不可能だ」
暗殺者「ボクは……“キラー・ザ・ジョージ”をも越えた暗殺者だ」
黒服「は?」
暗殺者「ボクに人は殺せない。人は殺せないけど……悪魔なら殺せるッ!」ダンッ
覚悟を決めた眼光で、黒服に迫る。
黒服「ちっ、この!」ブオンッ
暗殺者(かわして――)
暗殺者(悪魔の心臓にッ!!!)
ザグゥッ……!!!
黒服「……不可能だ」
暗殺者「ボクは……“キラー・ザ・ジョージ”をも越えた暗殺者だ」
黒服「は?」
暗殺者「ボクに人は殺せない。人は殺せないけど……悪魔なら殺せるッ!」ダンッ
覚悟を決めた眼光で、黒服に迫る。
黒服「ちっ、この!」ブオンッ
暗殺者(かわして――)
暗殺者(悪魔の心臓にッ!!!)
ザグゥッ……!!!
黒服「グハッ……! ま、まさか……」ヨロッ…
暗殺者「はぁ、はぁ、はぁ……」
黒服「だが、いかに銀の武器だろうと……人が悪魔を滅ぼすことはできん……」
黒服「力を失わせ、魔界に追い払うくらいがせいぜい、だ……」
黒服「もっとも……次人間界に来れるようになるのは……数百年後といったところだが、な……」
男(こいつ……自分の敗北を認めた……!)
黒服「人でありながら私を破ったことに敬意を表し……一つ教えておこう」
暗殺者「なんだ?」
黒服「お前たちは……私があの純白女を操る黒幕だと思っているのだろうが……」
黒服「私はあの女の駒に過ぎん……」
男「な、なんだって!?」
暗殺者「はぁ、はぁ、はぁ……」
黒服「だが、いかに銀の武器だろうと……人が悪魔を滅ぼすことはできん……」
黒服「力を失わせ、魔界に追い払うくらいがせいぜい、だ……」
黒服「もっとも……次人間界に来れるようになるのは……数百年後といったところだが、な……」
男(こいつ……自分の敗北を認めた……!)
黒服「人でありながら私を破ったことに敬意を表し……一つ教えておこう」
暗殺者「なんだ?」
黒服「お前たちは……私があの純白女を操る黒幕だと思っているのだろうが……」
黒服「私はあの女の駒に過ぎん……」
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