姫

保守下

保守下

勇者「はぁ、はぁ……」

勇者「……ん？　なんだ、急に攻撃が止んだみたいだが」

勇者「……」

勇者「何があったかよくわからないけど、楽になって好都合だな！」

ｽﾞﾊﾞｯ！

下級悪魔「ギィィィ！！」

王城

死霊「––––––––」

騎士「くそっ、この悪霊め！」ﾌﾞﾝｯ！

ｽｶｯ

騎士「なにっ！？」

死霊「––––––––」ﾌﾞﾜｯ！


騎士「ぐああああ！！」

騎士「く、苦し……！！」ｷﾞﾁｷﾞﾁ…！


騎士長「……ッ！！」

ｽﾞﾊﾞｯ！！

死霊「––––––––……！」

ｼｭｩｩｩｩ……

しえん

騎士長「死霊どもにただの剣は通用しない！」

騎士長「魔力を帯びた武器か、魔法を扱えない者は一旦退がれ！！」

騎士長「ッ！」

ｶﾞｷﾞｨﾝ！！

死霊騎士「……流石は王宮の騎士長。良い剣を持っているな」

騎士長「この……ッ！」


ｷﾞｨﾝ！　ｶﾞｧﾝ！

しえん

しえん

しえん

騎士A「うわああああああ！！」


騎士長「！！」


騎士B「死霊が……死霊がぁ！！」

死霊「––––––––！」


騎士C「ぐ、ぐあぁぁ……！！」

死霊「……––––––––」


騎士長「……くそっ！！」

死霊騎士「……」

ｶﾞｧﾝ！　ｶﾞｷｨﾝ！

騎士長「はぁ、はぁ……！」

死霊騎士「どうした、先ほどから余所見ばかりしているな」

死霊騎士「味方の被害が気になり、目の前の敵に集中できないか？」

騎士長「ぐっ！？」

ｷﾞｨﾝ！

しえん

ｶﾞｧﾝ！　ｷﾞｨﾝ！　ｶﾞｯ！


死霊騎士「良く保った方だ。腕も悪くない。だが、平和に浸かりすぎたな」

死霊騎士「脆くなったものよ、人間め」

死霊騎士「これならば、あの時代に生きた騎士達の方がよほど骨があった」

ｶﾞｧﾝ！！


騎士長「しまっ––––––––！！」


ｽﾞﾊﾞｯ！！

騎士「き、騎士長ッ！！」

死霊騎士「くだらん。俺の相手ではない」

死霊騎士「死霊ども、後は任せるぞ」

死霊騎士「俺は王の首を獲りに行く」

ｺﾂ､ｺﾂ……


騎士「ま、待てっ！！」ﾀﾞｯ！


死霊「––––––––––––」

騎士「くそぉ……邪魔をするなァ！」

ぱんつ

④

おっぱいの聖言が終われば間に合うのか、それともやはり安価無視したから姫がやられるのか……

なんか展開がラグナロクみたいに熱くなってきた
喋る剣だけに

保守下

④

姫が危ない！

しえん

支援は投下中にやれよ…

保守下

保守下

ほ

女騎士「……姫。城の結界が破られたようです」

姫「……」

女騎士「地下の隠し部屋への避難をしましょう。王は既に別経路で向かっているはずです」

女騎士「そして、いざと言う時は隠し通路で城外への脱出を。手順は––––––––」

姫「……女騎士」

女騎士「……はい」

姫「わたしにそんな説明をしなくても、あなたも一緒に来てくれるのでしょう？　だったら……」

女騎士「……」

姫「そんな言い方じゃ、まるで……」

女騎士「……」

女騎士「私は、姫のお付きの騎士ですから。もちろん私も一緒に行きます」

姫「……なら」


女騎士「けれど、万が一と言うこともあります。姫がお一人で走らなければならない場面が来ないとも限りません」

姫「……」

姫「……」

女騎士「……姫」


女騎士（こんな時に、不安を煽るようなことしか言えないだなんて……）

女騎士（情けない……）


姫「…………」

姫「…………ごめんなさい、女騎士」

女騎士「！」

姫「わたし、少し不安を表に出しすぎていたみたいね」

姫「本当は、誰もが同じ気持ちだと言うのに……」

女騎士「……」

姫「こんな時こそ、わたしはしっかりしなくちゃならないのよね」

姫「これでも、この国の王族だもの」

姫「それに、わたしは勇者さまを信じることに決めたのです」

姫「城の騎士達を。女騎士を、信じることに決めたのです」

姫「だからこそ、わたしは……」

女騎士「……」

姫「……ぐだぐだと付き合わせてしまってごめんなさい。わたし、もう弱音は吐かないわ」

女騎士「！」

姫「行きましょう、女騎士。案内をお願いします」

女騎士「……お任せを」

女騎士「行く道に何があろうとも、私が姫をお守りします」

さて、無事に姫を守れるのか

ﾀﾀﾀｯ…

……

……


姫「……」

女騎士「……」

姫「静か、ですね」

女騎士「……はい。敵が攻め込んで来たというのに、この静けさは少し異常かもしれません」

女騎士「このまま、目的地まで辿り着けると良いのですが」

姫「……」

死霊「––––––––––––––––！」


女騎士「！」

姫「あれは……！？」


女騎士「……ッ！！」

ｽﾞﾊﾞｯ！


死霊「––––––––……！」

ｼｭｩｩｩｩ…！

女騎士「どうやら死霊の類のようですね。こんなものが城を闊歩しているだなんて」

姫「死霊……」

女騎士「実体を伴わない魔物です。おそらく、普通の剣では通用しなかったことでしょう」

女騎士「勇者さんの聖剣ほどではありませんが、この剣はそれなりの名剣。少量でも魔力を含んだ一撃なら彼らにも対抗できます」

女騎士「しかし……ここまでの侵入を許しているということは、おそらく騎士長達は……」

姫「……」

女騎士「先を急ぎましょう」

姫「……えぇ」

ﾀﾀﾀｯ

……

……

姫「はぁ、はぁ……」

女騎士「……姫っ、隠し部屋までもうすぐです！」

女騎士「もう少しだけ、頑張ってください！」

姫「はぁ、はぁ……わかりましたっ」


死霊「––––––––！」

女騎士「ッ！！」

ｽﾞﾊﾞｯ！

ﾀﾀﾀｯ……


女騎士「……」

ﾋﾟﾀｯ


姫「……女騎士？　急に立ち止まって、どうしたと言うの––––––––」



死霊騎士「……」


姫「！」

女騎士「……」

死霊騎士「斥候で城内に放った死霊どもが次々と消されているようだったのでな」

死霊騎士「少し様子を見に来たが。これは当たりか？」


女騎士「……」

姫「……」


死霊騎士「その整った身なり、この国の王族と見る。側にいるのは護衛の女騎士と言ったところか」

死霊騎士「俺としては、用があるのは姫などではなく国王なのだがな」

死霊騎士「どこに向かっている？　その迷い無い足取りと様子を見るに、どこかに王族用の隠し通路があると見ているが」

女騎士「……あなたの問いに、応える義理はありません」

ｼｬﾗﾝ

女騎士「道を開けてください」

死霊騎士「……断ると言ったら？」


女騎士「……押し通ります！」


ｷﾞｨｨｨﾝ！！


死霊騎士「……良い答えだ」

これは間に合わんかもしれん

教会付近


妖術師「……」

妖術師「…………」

妖術師「……………………！！」

ﾊﾞｯ！！


傭兵「––––––––何っ！？」

妖術師「はぁ、はぁ、はぁ……！！」

ﾋﾞｭﾝｯ！！


傭兵「ッ、空に……！」

傭兵「あの男、急所を斬られてまだ生きているというのか！」

傭兵「これだから魔性の類は……！」

ﾀﾀﾀｯ

教会、屋上


聖女「––––––––––––––––」


勇者「うおおおお！！」

ｻﾞﾝｯ！

下級悪魔「ギギヒィッ……！！」

ﾄﾞｻｯ


勇者「はぁ、はぁ、はぁ……！！」

勇者「……ん？」


妖術師「はぁ、はぁ、はぁ……」ﾌﾜｯ


勇者「何だありゃ。人が、空を飛んでる……？」

妖術師「はぁ、はぁ……ぐっ……！」


妖術師（血を流しすぎた……急ぎ処置をしなければ……私と言えど長くは持たないだろう）

妖術師（……だが、）


妖術師「ここまで来て、貴様を見逃すと思うなよ……！　聖剣の勇者！！」

ﾌﾞｫﾝ…！


勇者「！！」


ﾄﾞｶﾞｧﾝ！！

勇者「……あの野郎か！　さっきネチネチ嫌がらせして来てたやつは！」

勇者「相手が空を飛んでるって言うんなら……！」

勇者「主よ！！　…………って、ダメだっ！」


聖女「––––––––––––」


勇者「こいつを一人にしちまう訳にはいかない！」

下級悪魔「ギギィ！！」

しえん