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    元スレ剣士「俺は妻のところに行く!」女騎士「行くなぁぁぁ!」

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    51 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:27:46.57 ID:ZgN3zJuTO (+19,+29,-13)
    女騎士さん…
    52 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:29:27.67 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-150)
    剣士「ま、俺にかかれば武装集団の一つや二つ、ラクショーよ」

    友人「すげぇな、また敵将を倒したのかよ」

    金髪「さすがッス! 尊敬ッス! 憧れるッス!」

    新米「ボクも剣士さんのような戦士になりたい……!」

    剣士「ま、もう少しで手柄は女騎士さんのものだったのに、残念でしたね」ニヤッ

    騎士「ふん、私は目先の手柄などに興味はない」ザッ

    友人「…………」

    友人「しっかし、お前が大手柄を立てる時は大抵女騎士が近くにいるけど」

    友人「お前らって相性いいんじゃないか?」

    剣士「……そうかもな」

    友人「お、浮気か?」

    剣士「そんなわけあるか!」
    53 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:34:28.99 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-113)
    < 剣士の家 >

    剣士「──とまぁ、こんなところさ」

    剣士「俺のド迫力にビビってすっ転んだボスを、ノックアウト」

    剣士「危険極まる武装集団も、俺にかかっちゃただの烏合の衆ってとこさ」

    剣士「ハッハッハッハッハ……」

    「手柄を立てて嬉しそうなあなたを見ていると、私も幸せになれるわ~」

    剣士「そういってもらえると、嬉しいよ」

    「でも、絶対無理しちゃダメよ。怪我したり、死んじゃダメよ」

    剣士「分かってるって……。君を守るのは俺の役目だからな!」
    54 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:39:49.42 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-224)
    またある日のこと──

    < 剣士の家 >

    友人「すみません……急に押しかけちゃって」

    「いえいえ、主人がいつも世話になってるんですもの」

    友人「剣士の奥さんを一目見たいって、こいつらがせがむもんで……」

    金髪「なにいってんスか。行こうっていったのは友人さんッスよ」

    金髪「でもホント、キレイッスね! 穏やかな雰囲気がまたいい!」

    新米「戦士団のエースとご令嬢のカップルか……出来すぎなぐらいですね」

    剣士「妬くな、妬くな」

    剣士「お前らも頑張れば、俺の十分の一くらいは幸せになれるさ」

    友人「マジ殴りてぇ~」

    金髪「じゃあ俺は蹴りたいッスね」

    新米「ボクは斬りたいです!」ニコッ
    55 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:45:55.24 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-203)
    友人「でも、気をつけた方がいいですよ」

    「あら? なにをかしら?」

    友人「俺らの上官は黒騎士と女騎士っていう二人の騎士なんですけど」

    友人「こいつが大手柄を立てる時は、大抵女騎士と組んでるんですよ」

    友人「浮気しないよう、よく見張っておかなきゃダメですよ」

    「まあ……そうなの?」ジロッ

    剣士「いや、まあ、そうなんだけどさ」

    剣士「だけど、浮気なんて絶対ありえない! 神に誓って!」

    金髪「そうだ! 一度奥さんも戦士団の詰所に来たらどうッスか?」

    新米「あ、それいいですね!」

    友人「一度女騎士に、本人から直接釘刺しといた方がいいかもしれないな!」

    「!」ギクッ
    56 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:46:02.33 ID:ZgN3zJuTO (+24,+29,-14)
    新米は実はすごい強い
    57 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:48:52.77 ID:ZgN3zJuTO (+16,+26,+0)
    まずい
    58 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:49:42.21 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-123)
    「いえ……私は……家のこともあるし……」

    友人「なあに、ちょっと行って帰ってくりゃいいんですから!」

    金髪「ぜひ、一度来て下さいッス!」

    新米「お茶ぐらいは用意しますよ!」

    「で、でも……」

    剣士「お前ら、あまり俺の女房を困らせるなって!」

    剣士「あんな武骨で汗臭い場所に、妻を入れたくねえしな!」

    友人「こいつぅ~……」

    友人「ま、奥さん、今のは冗談です。こいつに限って浮気なんてありえないですよ!」

    「ええ、もちろん信じてるわ~」

    ハッハッハッハッハ……

    「…………」ホッ…
    59 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:53:24.49 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-204)
    その後も剣士の活躍は続いた。

    < 盗賊団アジト >

    剣士「よっしゃ、盗賊団の首領を討ち取ったぜ!」ジャキッ

    剣士「妻よ、俺はまたまた活躍してしまったぞぉ~!」

    剣士「世界一愛してるぞぉ~!」

    友人「ったく、デカイ声で恥ずかしいヤツ……。でも、ホント絶好調だな」

    騎士「ふん、この程度の手柄で調子に乗りおって……」



    < 剣士の家 >

    剣士「お、今日の夕食は豪勢だな! なにかいいことがあったのか?」

    「ナイショよ~」

    「世界一愛してるあなたのために、腕によりをかけて作ったの」

    剣士「嬉しいこといってくれるじゃんか!」ガツガツ…

    「うふふふ……」
    60 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 22:57:55.65 ID:VeBKOBfl0 (+93,+30,-244)
    しかし──

    < 酒場 >

    新聞記事を睨みつけるゴロツキたち。

    『戦士団の剣士、またまたお手柄! 盗賊団首領討ち取ったり!』

    残党A「ちっ、胸糞わりぃ記事だ!」バサッ

    残党A「戦士団さえいなきゃ、今も山賊団としてブイブイいわせてたってのによ」

    残党A「今じゃしがないコソ泥生活……クソがァッ!」グビッ

    残党A「こんなクソ田舎の酒場で、安酒かっこむ毎日だ!」

    残党A「特にこの剣士……イケ好かねえ! コイツが首領を……!」

    残党B「なぁ……だったら復讐しないか?」

    残党A「あ?」
    61 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:01:16.75 ID:ZgN3zJuTO (+16,+26,-2)
    話が動くな
    62 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:01:48.15 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,+0)
    残党B「この記事、よく見てみろよ。剣士は新婚で、妻がいるらしい」

    残党B「周囲が呆れるほど愛し合ってて、いわゆるオシドリ夫婦ってやつだ」

    残党B「この妻を人質にすれば、剣士はいうこと聞かざるをえないだろ?」

    残党B「散々屈辱を味わわせてから、最後には夫婦そろってあの世に送ってやるんだ」

    残党A「おお、そりゃいいな!」

    残党A「いつやるよ?」

    残党B「今……っていいたいが、決行は明日にしよう」

    残党B「これから、他の残党仲間やチンピラをかき集めて、明日剣士の家に乗り込もう」

    残党A「……よぉし」ニヤッ

    残党B「ヒヒヒ……借りは百倍にして返してやろう」
    63 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:06:34.86 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-101)
    翌朝──

    < 剣士の家 >

    剣士「じゃ、行ってくる」

    「行ってらっしゃぁ~い」

    「気をつけてねぇ~」

    剣士「愛してるよぉ~!」

    「もう、人が見てたらどうするのよ……」



    残党A「よし、剣士が出かけたぞ」

    残党B「ヒヒヒ……少し待ってから、全員で家に乗り込むぞ」

    残党A「おう」
    64 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:11:51.95 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-225)
    残党A「そろそろいいんじゃねえか?」

    残党B「そうだな。そろそろ──」

    残党B「ん!?」



    ガチャッ……

    騎士「カギをして、と」カチッ

    騎士「…………」タッタッタッ…



    残党A「あれは戦士団の女騎士!? なんで剣士の家から出てくるんだ!?」

    残党B「多分……なにか用があって、剣士の家に泊まっていたんだろう」

    残党B「なんにせよ運がよかった」

    残党B「もう少しで女騎士がいるところに乗り込むハメになってたからな」

    残党B「これでもう、家の中は剣士の妻一人だけのハズだ!」
    65 : 忍法帖【Lv= - 2013/08/28(水) 23:11:55.46 ID:T6n+SK9I0 (+14,+29,-14)
    残党共…
    66 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:14:58.99 ID:9PyXy6AJ0 (+33,+29,-24)
    まだ諦めるのは早い!
    その内剣士の為に女騎士が残党の前で鎧を脱ぐはず!
    67 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:15:32.87 ID:rfirycA80 (+19,+29,+0)
    レズNTRだと思ったのに
    68 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:15:50.48 ID:ZgN3zJuTO (+19,+29,+0)
    所詮山賊か
    69 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:17:31.94 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-230)
    残党A「ドアも窓も、全部閉じてやがる。用心深えな」

    窓ガラスを割って、家に侵入する残党たち。

    ガシャァンッ!

    ゾロゾロ……

    残党A「よしみんな、妻を探せ!」

    残党A「捕まえて、人質にしてやるんだ!」

    ザワザワ……

    「どこにもいねえ!」 「この家、留守ですぜ!」 「どうなってんだ!?」

    残党A「なにぃ……!?」

    残党B「もしかしたら、別の出口から出かけた、とかしれないな」

    残党B「まあ専業主婦だろうし、すぐ戻ってくるだろう」

    残党A「ちっ、しょうがねえ。帰ってくるまで待つか」
    70 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:18:00.52 ID:DRbEAo/f0 (+26,+29,-2)
    >>66
    お前の人生楽しそうだな
    71 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:21:37.09 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-159)
    < 戦士団詰所 >

    金髪「マジッスか!?」

    友人「やべえよ、すぐ行かねえと!」

    新米「そんな……」

    剣士「…………」

    ザワザワ…… ドヨドヨ……

    騎士「どうした、何があった?」

    友人「あっ、女騎士さん! たった今、通報伝書鳩で大変な知らせが送られてきて──」

    騎士「大変な知らせ?」

    友人「なんでも剣士の家に、ゴロツキの集団がガラスを割って侵入したって……」

    騎士「!?」
    72 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:24:23.90 ID:ZgN3zJuTO (-16,-6,-1)
    ワロタ
    73 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:27:23.00 ID:M+UEO26V0 (+24,+29,-18)
    残党って頭悪いんだな
    だから盗賊やっているのか
    74 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:27:30.58 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-174)
    友人「今日は黒騎士さんいねえし、どうすれば……!」

    剣士「決まってる!」

    剣士「俺は今すぐ家に戻る! もし妻の身になにかあったら──」

    騎士「ま、待て!」

    剣士「なんだ!?」

    騎士「キサマの妻は……きっと無事だ!」

    剣士「なんでアンタにそんなことがいいきれる!?」

    騎士「そ、それは──」

    剣士「女騎士さん、いくらアンタの命令でもそれは聞けないな」

    剣士「俺は妻のところに行く!」

    騎士「行くなぁぁぁ!」
    75 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:30:46.13 ID:wq6lqea8I (+19,+29,-4)
    このスレタイ回収は予想できなかった
    76 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:30:49.15 ID:ZgN3zJuTO (+15,+25,+0)
    回収
    77 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:32:04.35 ID:JMosmSTp0 (+12,+27,+0)
    やると思った
    78 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:32:30.23 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-185)
    剣士「なぜ止める!?」

    剣士「そのゴロツキどもの狙いは分からないが──」

    剣士「こうしてる間にも、妻が暴力を振るわれているかもしれないんだ!」

    剣士「世界一愛している、俺の妻が!」

    騎士「…………!」ドキッ

    騎士「よく聞こえなかった、もう一回」

    剣士「世界一愛している、俺の妻が!」

    騎士「すまん、もう一回」

    剣士「世界一愛している俺の妻!」

    友人「ちょ、ちょっと、何回聞き返してるんですか!?」

    金髪「そうッスよ! どうするか、すぐ考えないとヤバイッスよ!」

    騎士「そ、そうだな」
    79 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:36:13.96 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-168)
    騎士「よし……まずは私が一人で様子を見に行く!」

    友人「いくら女騎士さんでも、一人じゃ危なくないですか?」

    騎士「大勢で向かうと、敵を刺激してしまうかもしれん」

    騎士「女一人であれば、敵も油断するだろうしな」

    友人(アンタを見て、油断する敵なんているかぁ……? かえって警戒される気が……)

    騎士「キサマらはそうだな……私が出てから20分後に出発してくれ」

    騎士「絶対にそれより早く出発することがないように! 特に剣士はな」

    騎士「分かったな! これは命令だ!」

    剣士「……分かりましたよ」
    80 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:38:55.67 ID:hM/ytOR+0 (+19,+29,-17)
    ダチョウ倶楽部じゃねんかwwwwwwww
    81 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:39:37.82 ID:ZgN3zJuTO (+24,+29,+0)
    分かってないフラグ
    82 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:40:46.60 ID:9PyXy6AJ0 (+10,+7,+2)
    >>70
    女騎士なんだから仕方ないじゃないか(´・ω・`)
    83 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:42:44.32 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-176)
    詰め所を出発した女騎士。

    < 古着屋 >

    騎士「あのう」

    主人「これはこれは、もしや騎士階級の方ですか?」

    騎士「女物の服を……一番安いやつで。あ、あとここで着替えるから」

    主人「おやおや、騎士様には特別にいいものをご用意いたしますが──」

    騎士「悪いが、早くしてくれるか!?」ギロッ

    主人「は、はいっ!」ビクッ



    「これでいいかしらねぇ」モゾモゾ…

    「ありがとうございました~。本当に申し訳ありませんでした」

    主人「い、いえいえ……」

    主人(女ってのはこうもみごとに化けるのか……)
    84 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:42:58.89 ID:mfA4q90x0 (+10,+25,-1)
    バレるな
    85 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:47:06.94 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-213)
    古着屋を出発し、自宅へと急ぐ妻。

    (これで主人が家に戻っても)

    (私がいないっていう事態は避けられるわねぇ~)

    (主人が留守中に浮気してるだなんて、誤解されたくないものねぇ~)

    (……でも、先に出発した女騎士のことはどう説明しようかしら)

    (まあ、あとで考えましょ)

    (鎧や剣を身につけてると、自分が別人になった気がして強気になれるのだけど)

    (普段着だとどうも、思考までのんびりしてしまうわ)

    (悪人たちもいつまでも家にいないだろうし、なんとかなるわよね)
    86 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:51:45.99 ID:VeBKOBfl0 (+95,+30,-191)
    < 剣士の家 >

    「ただいまぁ~」

    「あら?」

    ズラッ……

    家に戻った妻を、十数人の悪党が待ち構えていた。

    残党A「へっへっへ、待ってたぜ」

    残党B「アンタには、人質になってもらう」

    「あらあら、あなたがたはもしかして西の山で山賊をやっていた方々?」

    残党A「ほぉう、よく知っているじゃねえか。夫に聞いたのか?」

    (きっと、主人に恨みを晴らすためにやってきたのね)

    (剣も鎧もない今の私じゃ、太刀打ちできそうもないし……)

    「それじゃ、せっかくなのでお茶でも入れますね」

    残党A(なんてのんびりした女だ……やりづれぇ)
    87 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:52:46.99 ID:ZgN3zJuTO (+19,+29,+0)
    ラブラブやな
    88 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:55:00.44 ID:9PyXy6AJ0 (+19,+29,-3)
    いい奥さんだな
    89 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:55:27.99 ID:VeBKOBfl0 (+93,+30,-255)
    残党B「ん、どうやら戦士団がやってきたようだ」

    残党A「はええな、どっかのバカが通報でもしやがったか!」

    残党A「まぁいい、こっちには人質がいるんだ」

    残党A「勇敢なる戦士団の皆さまと、堂々と対峙してやろうじゃねえか」ニィッ

    「…………」



    剣士の家の近くまでやってきた戦士団。

    友人「あれ……? 女騎士さん、先に来てるんじゃねえのかよ」キョロキョロ

    金髪「どこにもいないッスね」

    新米「と、突撃しますか!?」ドキドキ…

    友人「いやいやいや、剣士の奥さんが人質になってるかもしれねえんだ!」

    友人「とりあえず、様子を見よう」

    友人(くっそぉ~……黒騎士さんも女騎士さんもいないのか……まいったな)
    90 : 以下、名無しにか - 2013/08/28(水) 23:59:34.58 ID:VeBKOBfl0 (+93,+30,-251)
    戦士団を挑発する残党たち。

    残党A「オイ、てめえら!」

    友人「あ、お前らは……たしか西の山の山賊!」

    残党A「おうよ、山賊団を潰された借りを返しに来たのさ!」

    残党A「いっとくが、突撃とかバカなこと考えるんじゃないぜぇ~?」

    残党A「こっちにゃ人質がいるんだからよ」グイッ…

    「いたた……皆さん、ごめんなさい……」

    友人「あ、奥さん! ……くそっ、これじゃ手は出せねえ!」

    残党B「三下に用はない。俺たちの標的(マト)は剣士だ」

    残党B「剣士を出してもらおうか?」ニヤッ

    友人(剣士……)チラッ

    友人(あれ、剣士がどこにもいねえ!? アイツ、どこいきやがった!?)
    91 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:07:41.34 ID:6KJFInru0 (+45,+30,-304)
    残党A「なにをグダグダやってやがる! とっとと剣士出せや!」

    友人「え、えぇ~と……剣士がいねえんだよ、いやマジで!」

    残党A「なんだと!? なんでいねえんだ!」

    残党B「……ふぅ~ん、さては妻を見捨てて女騎士と浮気でもしてるんじゃないか?」

    友人「女騎士さんと? なにいってやがる……!」

    残党B「俺たちは見たんだよ」

    残党B「今朝、女騎士がこの家から出てくるところをな……!」

    友人「な、なんだと……!?」

    金髪「マジッスか……!?」

    残党B「この状況で、わざわざこんなウソをつく必要はないだろ」

    ドヨドヨ……

    「女騎士さんもいないし……」 「まさかあの二人……」 「ウソだろ……」

    (ああ、どうしましょう。私がのこのこ家に戻ったばっかりに……)

    (戦士団に迷惑をかけ、主人の名誉にまで傷がついて……)
    92 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:11:43.08 ID:6KJFInru0 (+43,+30,-176)
    友人「バカヤロウッ!!!」

    残党A「!?」

    友人「俺は剣士とは戦士団に出会って以来の仲で、そんなに長い付き合いでもねえが」

    友人「これだけは分かる……」

    友人「アイツほど自分の奥さんを愛してるヤツを、俺は知らねえよ!」

    友人「たとえ天地がひっくり返ろうが、アイツが浮気なんてありえねえ!」

    友人「女騎士さんだって、そんないい加減な女じゃねえ!」

    友人「あんな厳しくてまじめな女、今時なかなかいねえよ!」

    友人「二人のことをろくに知らないお前らが、適当なことほざくんじゃねえ!」

    残党A「う……!」

    残党B「ぐ……!」

    「そ、そうだ!」 「あの人たちが浮気なんてありえない!」 「さすが友人さん!」
    93 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:12:26.01 ID:6vj2HeuG0 (+14,+29,-2)
    いい友人だな
    94 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:13:58.73 ID:GWmezToU0 (+19,+29,-16)
    黒騎士出番無くね?
    95 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:16:00.70 ID:6KJFInru0 (+45,+30,-161)
    金髪「山賊ども、友人さんの気迫に飲まれてるッスよ!」

    金髪「いやァ~」

    金髪「友人さんって戦士団では古株のわりに頼りないイメージだったッスけど」

    金髪「いう時はいうんスねえ」

    新米「珍しくかっこよかったです!」

    友人「やかましい」

    ワァァ……! ウォォ……! オォォ……!

    残党A「オ、オイ……アイツら、余計に盛り上がっちまったじゃねえか!」

    残党B「くそっ……まさか戦士団にあんなタンカを切れるヤツがいたなんてな……」

    (友人さん……)
    96 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:20:45.50 ID:6KJFInru0 (+45,+30,-241)
    残党B「だが、かまうもんか! こっちには人質があるんだ!」

    残党B「だったら……今のお前とそっちの若いヤツ!」

    友人「え!?」

    新米「ボクですか!?」

    残党B「お前たち二人は、今すぐ俺たちの目の前で──斬り合え」ニヤッ

    友人(マ、マジかよ……)

    友人(でも……とにかく今はやるしかねえ! 時間を稼がないと……!)

    友人「オイ新米、分かってんな。空気読めよ」ボソッ

    新米(空気……)

    新米(今はとても緊迫している……)

    新米(つまり、馴れ合いではなく全力でかかってこい、ということですね!)

    新米(胸を貸して下さい、友人さん!)

    新米「うおおおおっ!」シュバッ

    ギィンッ!
    97 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:24:48.28 ID:6KJFInru0 (+45,+30,-243)
    ガキィンッ! キィンッ! キィィンッ!

    新米「だりゃあっ!」シュッ

    ギンッ!

    友人(オ、オイちょっと待て! コイツ本気じゃねえか!?)キンッ

    友人(こういう時は、剣を最初だけ強くぶつけ合って、後は流れでお願いします)ギンッ

    友人(──って感じにするのが普通だろ!)ガキンッ

    友人(くっそぉ~……そっちがその気なら……)キィンッ

    友人「やってやらぁっ!」シュバッ

    キィンッ! キンッ! ガキンッ!

    残党A「おいおい、アイツらマジでやり合ってねーか?」

    残党B「ハハハッ、ホントだ。俺たちが煽る必要もないな」

    「やれ、やれぇっ!」 「ブッ殺せぇっ!」 「いいぞー!」

    予想外の展開に、盛り上がる残党たち。

    (ああ、どうしたら……)
    98 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:25:30.21 ID:FW9z4c+20 (+4,+14,-12)
    しえん
    99 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:29:21.35 ID:w2zDSr0J0 (-27,-15,+0)
    100 : 以下、名無しにか - 2013/08/29(木) 00:31:33.62 ID:6KJFInru0 (+45,+30,-200)
    すると──

    残党A「!?」チクッ

    残党B「なんか目に入った……!?」ゴシゴシ…

    「俺もだ!」 「砂ぼこりか!?」 「肘がいってぇ!」

    (突然どうしたのかしら……でもチャンスだわ!)

    剣士「妻っ! こっちへっ!」ダッ

    「あなたっ!?」

    残党A「け、剣士!? コイツ、いつの間に!?」

    剣士(友人と新米の戦いのおかげで、容易に接近できた……助かったぜ)

    剣士「オイ、みんな! 妻は俺が助けた、もう遠慮は無用だ!」



    友人「おお!? アイツいつの間に……よし、全員ひっ捕えろ! 突撃だァ!」

    新米「は、はいっ!」

    ウオォォォ……!
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